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藤村記念歴程賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
歴程賞から転送)

藤村記念歴程賞(とうそんきねんれきていしょう)は、文学賞の一つで、詩誌『歴程』が、島崎藤村を記念して創設したもの。詩集が中心だが、文芸評論も対象となるほか、冒険家をはじめ、装幀家美術家音楽家等が受賞したこともある。2017年から「歴程賞」に改称した。

対象は「詩劇、詩に関する評論、翻訳。また、ポエジーを中核とした絵画彫刻建築音楽映画、その他も対象となることがある」と謳われている。このため、1975年の冒険家植村直己や1993年には美術家の岡本太郎の全業績に対して授賞、また2011年には、宇宙飛行士で日本科学未来館館長の毛利衛が日本宇宙フォ―ラム主任研究員山中勉との共同プロジェクトによる「宇宙連詩」で受賞した[1]

受賞作・受賞者

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  • 第1回(1963年)伊達得夫『詩人たち――ユリイカ抄』並びにその詩壇的功績
  • 第2回(1964年)辻まこと『虫類図譜』
  • 第3回(1965年)金子光晴詩集『IL』
  • 第4回(1966年)安西冬衛の詩業
  • 第5回(1967年)岩田宏『岩田宏詩集』
  • 第6回(1968年)宗左近詩集『炎える母』
  • 第7回(1969年)大岡信評論集『蕩児の家系』および一連の詩論
  • 第8回(1970年)粟津則雄評論集『詩の空間』『詩人たち』
  • 第9回(1971年)本郷隆評論集『石果集』、『岡崎清一郎詩集』
  • 第10回(1972年)鷲巣繁男『定本鷲巣繁男詩集』
  • 第11回(1973年)石原吉郎評論集『望郷と海』
  • 第12回(1974年)渋沢孝輔詩集『われアルカディアにもあり』、高内壮介評論集『湯川秀樹論』
  • 第13回(1975年)植村直己(未知の世界の探求)、山本太郎詩集『ユリシィズ』『鬼文』
  • 第14回(1976年)『安東次男著作集』
  • 第15回(1977年)斎藤文一評論集『宮沢賢治とその展開』、天沢退二郎 詩集『les invisibles』
  • 第16回(1978年)飯島耕一『飯島耕一詩集』その他の業績、藤田昭子「出縄」その他の造形作品
  • 第17回(1979年)吉増剛造詩集『熱風 a thousand steps』
  • 第18回(1980年)谷口幸男『アイスランド サガ』その他の北欧古代中古文学の訳業、中桐雅夫詩集『会社の人事』
  • 第19回(1981年)岩成達也詩集『中型製氷機についての連続するメモ』
  • 第20回(1982年)宇佐見英治詩集『雲と天人』、高橋睦郎詩集『王国の構造』
  • 第21回(1983年)白石かずこ詩集『砂族』
  • 第22回(1984年)吉岡実詩集『薬玉』、菊地信義装幀の業績
  • 第23回(1985年)『高橋新吉全集』
  • 第24回(1986年)長谷川龍生詩集『知と愛と』、北村太郎詩集『笑いの成功』
  • 第25回(1987年)辻征夫詩集『天使・蝶・白い雲などいくつかの瞑想』『かぜのひきかた』、朝吹亮二詩集『opus』
  • 第26回(1988年)川田順造評論集『聲』、入沢康夫詩集『水辺逆旅歌』
  • 第27回(1989年)中村真一郎評論集『蠣崎波響の生涯』、粕谷栄市詩集『悪霊』
  • 第28回(1990年)埴谷雄高小説、詩、評論にわたる今日までの業績に対して
  • 第29回(1991年)三浦雅士評論集『小説という植民地』、是永駿訳『芒克(マンク)詩集』
  • 第30回(1992年)中村稔詩集『浮泛漂蕩』、眞鍋呉夫句集『雪女』
  • 第31回(1993年)岡本太郎の全業績、『葉紀甫漢詩詞集』
  • 第32回(1994年)柴田南雄の全業績
  • 第33回(1995年)那珂太郎詩集『鎮魂歌』
  • 第34回(1996年)清岡卓行詩集『通り過ぎる女たち』
  • 第35回(1997年)池井昌樹詩集『晴夜』、高柳誠詩集『星間の採譜術』『触感の解析学』『月光の遠近法』の三部作
  • 第36回(1998年)川崎洋の仕事(『日本方言詩集』『自選自作朗読CD詩集』『かがやく日本語の悪態』『大人のための教科書の歌』)
  • 第37回(1999年)新川和江詩集『はたはたと頁がめくれ・・・』及びその全業績
  • 第38回(2000年)辻井喬詩集『群青、わが黙示』『南冥・旅の終わり』『わたつみ・しあわせな日日』の三部作
  • 第39回(2001年)清水徹評論『書物について――その形而下学と形而上学』
  • 第40回(2002年)幸田弘子の朗読の業績、藤井貞和詩集『ことばのつえ、ことばのつえ』
  • 第41回(2003年)『吉本隆明全詩集』、井坂洋子詩集『箱入豹』
  • 第42回(2004年)安藤元雄詩集『わがノルマンディー』平出隆評伝『伊良子清白』および『伊良子清白全集』
  • 第43回(2005年)安水稔和詩集『蟹場(がにば)まで』に至る菅江真澄に関する営為、三木卓 評伝『北原白秋
  • 第44回(2006年)井川博年詩集『幸福』、高橋英夫文芸評論『時空蒼茫』
  • 第45回(2007年)『岡井隆全歌集』
  • 第46回(2008年)北川透評論集『中原中也論集成』
  • 第47回(2009年)鈴村和成『ランボーとアフリカの8枚の写真』など一連の紀行
  • 第48回(2010年)相沢正一郎詩集『テーブルの上のひつじ雲/テーブルの下のミルクティーという名の犬』、高貝弘也詩集『露光』
  • 第49回(2011年)福間健二詩集『青い家』 特別賞:毛利衛山中勉『宇宙連詩』プロジェクト
  • 第50回(2012年)野村喜和夫詩集『ヌードな日』『難解な自転車』、英訳詩集『スペクタクルそして豚小屋』
  • 第51回(2013年)新藤凉子河津聖恵三角みづ紀連詩集『連詩 悪母島の魔術師』
  • 第52回(2014年)高橋順子詩集『海へ』
  • 第53回(2015年)福島県川内村村民
  • 第54回(2016年)石田瑞穂詩集『耳の笹舟』、岩佐なをの銅版画家・詩人としての全業績に対して
  • 第55回(2017年)倉橋健一詩集『失せる故郷』、黒岩隆詩集『青蚊帳』
  • 第56回(2018年)岩木誠一郎詩集『余白の夜』、福田拓也詩集『倭人伝断片』『惑星のハウスダスト』
  • 第57回(2019年)岩阪恵子詩集『鳩の時間』、以倉紘平詩集『遠い蛍』
  • 第58回(2020年)細見和之詩集『ほとぼりが冷めるまで』、岡田幸文詩集『そして君と歩いていく』と詩の編集者としての全業績に対して
  • 第59回(2021年)小田久郎
  • 第60回(2022年)峯澤典子詩集『微熱期』
  • 第61回(2023年)大木潤子詩集『遠い庭』
  • 第62回(2024年)望月遊馬詩集『白くぬれた庭に充てる手紙』

脚注

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  1. ^ 植村直巳『お知らせ』”. 北川健次 (2018年10月2日). 2023年4月15日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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  • 歴程[リンク切れ](なおここでは、「伊達得夫」「吉増剛造」「高橋新吉」の名前に間違いがあり、こちらが正しい。)