水無月 (和菓子)
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白いういろうの上面に甘く煮た小豆をのせ、三角形に切り分けたもので、京都では夏越の祓が行われる6月30日に、1年の残り半分の無病息災を祈念してこれを食べる風習がある[1]。
起源
[編集]藤本如泉『日本の菓子』(1968年)によれば、現在の形の水無月は昭和に入って京都の和菓子屋で作られるようになり、行事食に取り入れられたと言う[2]。
三角形に切った白いういろうは「氷室の節句」の氷をかたどったものとも[3]、四角を半分にしたことで1年の半分を示しているとも言われており、また小豆の赤い色にも厄除けの意味があるとされている[1]。
「氷室の節句」は江戸時代の武家の行事で、氷室から氷を切り出して旧暦6月1日に献上や贈答をした[4]。
江戸時代の料理書『蒟蒻百珍』(1846年)には、三角形にカットしたこんにゃくに小豆あんをかけた「早水無月」という料理があり、水無月との関連が指摘されている[2]。
博多水無月
[編集]福岡市和菓子組合[5]では1999年から「博多水無月[6]」を販売している。これはわらび餅と小豆を使い、ササで包んだもの。1980年代、京都風の水無月を売ったが「ういろう」に馴染みがなく売れなかった。
2018年現在、21社が42種を販売中。[7]
出典
[編集]- ^ a b 「水無月」『 和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典』 - コトバンク、2016年7月22日閲覧。
- ^ a b 中山圭子『事典 和菓子の世界』増補改訂版 岩波書店 2018年、ISBN 978-4-00-061259-3 pp.136-137.
- ^ 若村亮 「京都ツウのススメ 第26回 夏越祓」京阪電車、2010年5月。2016年7月25日閲覧。
- ^ 竹井, 巖「金沢の氷室と雪氷利用」(pdf)『北陸大学紀要』第28号、2004年、6頁。
- ^ “福岡市和菓子組合”. 福岡市和菓子組合. 2023年11月26日閲覧。
- ^ “博多水無月始まりました!”. 株式会社 富貴 (2022年5月26日). 2023年11月26日閲覧。
- ^ 南陽子; 国本ようこ (2018年6月26日). “<生菓子> 京都の水無月、実は北から南まで「全国区」”. 毎日新聞. オリジナルの2018年6月28日時点におけるアーカイブ。 2018年6月28日閲覧。