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江戸川乱歩の陰獣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
江戸川乱歩の陰獣
監督 加藤泰
脚本 加藤泰
仲倉重郎
原作 江戸川乱歩
製作 白木慶二
出演者 あおい輝彦
香山美子
音楽 鏑木創
撮影 丸山恵司
編集 大沢しづ
製作会社 松竹
配給 松竹
公開 日本の旗 1977年6月18日
上映時間 116分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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江戸川乱歩の陰獣』(えどがわらんぽのいんじゅう)は、1977年公開の日本映画

加藤泰監督、香山美子あおい輝彦主演。松竹製作・配給。カラー / ビスタサイズ / 116分。

江戸川乱歩の小説『陰獣』の映画化。

スタッフ

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  • 製作 - 白木慶二
  • 監督 - 加藤泰
  • 監督補 - 三村晴彦
  • 助監督 - 増田彬(*クレジット上では、監督助手)
  • 脚本 - 加藤泰、仲倉重郎
  • 原作 - 江戸川乱歩
  • 撮影 - 丸山恵司
  • 音楽 - 鏑木創
  • 美術 - 梅田千代夫
  • 録音 - 小林英男
  • 調音 - 小尾幸魚
  • 照明 - 三浦札
  • 編集 - 大沢しづ
  • スチール - 金田正
  • 衣裳 - 松竹衣裳
  • 現像 - 東洋現像所
  • 進行 - 大川修
  • 製作主任 - 池田義徳
  • 前衛劇
    • 構成 - 星野和彦
    • 振付 - 横井茂
  • 挿入画 - 林静一

キャスト

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製作

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1976年に公開された横溝正史原作角川春樹事務所製作、東宝配給による『犬神家の一族』の大ヒットで、出版界、映画界に興ったミステリ・ブームにより[1][2]、松竹が横溝に対抗して江戸川乱歩に着目して製作した便乗映画[1][3]

時代劇任侠映画の巨匠として知られる加藤泰監督であるが[4]、1970年当時、東映ポルノを推進していた岡田茂東映製作本部長の企画で、岡田から「"ピンク映画ができるまで"をやらんか」といわれ[5]、「おもしろいですね」と製作意欲を見せており、これは製作されなかったが、潜在的にはセックス表現を描く映画に興味を持っていた[5]

評価

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蓮實重彦は称賛したが[6]、興行は失敗に終わった[1][7]

中井英夫は「万事現代風に安直な出来でがっかりさせられた」と酷評しており、同文で、試写で同席した横溝正史も、作家がホテルに缶詰めになるなどということは戦前には絶対になかったと漏らしていたと書いている[8]

ただし、その横溝は毎日新聞には好意的な一文を寄せた、原作が広く読まれていることから、監督は結末の意外性より、そこへ至るまでの男と女の心理的葛藤に重点を置き替え、そこにひとつの恐怖を演出してみせたという意味で、この映画は十分成功していると書いている[9]。松竹発行のプログラムにも寄稿を依頼されていた事情も考えられるが、ドラマ核心部分に絞った賛辞となっている。

脚注

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  1. ^ a b c 今村三四夫他「製作・配給界 邦画配給界 展望 松竹」『映画年鑑 1977年版(映画産業団体連合会協賛)』1977年12月1日発行、時事映画通信社、98–100頁。 
  2. ^ 佐藤忠男山根貞男『シネアルバム 日本映画1978 1977年公開映画全集』芳賀書店、1978年、43-45頁。 
  3. ^ 江戸川乱歩による猟奇耽美な探偵文学小説の映画化『陰獣』
  4. ^ 江戸川乱歩の陰獣 | 松竹映画100年の100選江戸川乱歩の陰獣 | 映画 | WOWOWオンライン
  5. ^ a b 「四十女竜子に賭ける想い 加藤泰〈わが国女三割安〉仮題」『映画芸術』1970年10月号 No276、編集プロダクション映芸、102–103頁。 
  6. ^ 「日本映画・この10本 『江戸川乱歩の陰獣 単眼的世界のエロス』 文・蓮實重彦」『シネアルバム 日本映画1978 1977年公開映画全集』芳賀書店、1978年、180頁。 
  7. ^ 「日本映画界トピックス′77 文・永塚敏」『シネアルバム 日本映画1978 1977年公開映画全集』芳賀書店、1978年、200-203頁。 
  8. ^ 創元推理文庫、1984年10月26日。 
  9. ^ 『真説 金田一耕助』角川e文庫、2003年9月12日。 

外部リンク

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