コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

清水千弘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

清水 千弘(しみず ちひろ、1967年 - )は、日本経済学者一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科教授[1]くふうカンパニー取締役

岐阜県大垣市生まれ。専門分野は指数理論ビッグデータ解析不動産経済学[2]・スポーツデータサイエンス。

一般財団法人 日本不動産研究所 研究員、リクルート住宅総合研究所 主任研究員、リクルートAI研究所 フェロー、キャノングローバル戦略研究所 主席研究員、金融庁金融研究センター 特別研究員を歴任した。

主な著者に『市場分析のための統計学入門』『不動産市場の計量経済分析(唐渡広志との共著)』『不動産テック(編著)』『スポーツデータサイエンス(編著)』(以上、朝倉書店)、『AIビジネスと倫理的課題(高巌との共著)』(モラロジー道徳教育財団)、『企業不動産戦略(高巌との共著)』(麗澤大学出版会)、『Property Price Index(Erwin Diewert,西村清彦,渡辺努との共著)』(Springer)など[3]

国際的な学術誌に約50本の論文が採択または投稿済みであり、日本での研究を含めると200本を超える論文を公刊してきた。麗澤大学国際総合研究機構 副機構長・学長補佐、マサチューセッツ工科大学不動産研究センター 研究員などを兼務する。また国土交通省統計品質改善会議委員、都市住宅学会常務理事・関東支部長、地域未来創造大学校[4]代表理事・校長、総務省統計委員会 臨時委員等を務める。(2023年1月現在)

人物

[編集]

中学・高校、そして日本大学の1年生まではアスリートとして活躍。引退後に研究者を志す。

学部・大学院修士課程では、田中啓一と中村貢(東京大学・日本大学名誉教授)に師事した。中村は東京大学において、日本で初めて計量経済学の教鞭をとった教育者・研究者である。

その後、清水は中村の勧めで、大規模データを用いた研究技術を学ぶため、東京工業大学大学院博士後期課程に進学した。また、1990年に中村が東京大学の退官記念に出版した論文集『日本の株価・地価』(西村清彦・三輪芳朗 編著 東京大学出版会)に影響を受け、大規模データを用いた地価の測定に関する研究を開始し、西村から指導を受けるとともに、西村、浅見泰司の共同指導で学位(博士)論文を執筆した。

2004年・2006年に南カリフォルニア大学に短期滞在し、Yongheng Deng(後のシンガポール国立大学不動産学部長)から指導を受ける。

研究の大きな転機は、2008年のリーマンショックであった。米国の住宅バブル崩壊を機に発生した世界的な金融危機を受けて、2009年2月に国際通貨基金(IMF)からの要請で、G20各国において国際的な不動産統計を整備する事が決定したため、同年5月にスイス統計局で開催された国連の物価専門家会議(通称、オタワ会議)において、日本の経験を踏まえた不動産価格指数の推計方法に関する講演を西村、渡辺努と共同で行った。

そこで、ブリティッシュコロンビア大学のErwin Diewert教授と出会い、2011年から2013年にかけてブリティッシュコロンビア大学(UBC)客員教授としてバンクーバーに滞在した。UBC滞在中は、Diewertが中心となって整備した『国際住宅価格指数整備マニュアル』のための基礎研究と、マニュアルの執筆を行った。

2012年の欧州中央銀行の会議を経て組成された『国際商業不動産価格指数 整備マニュアル』専門家チームのメインオーサーとして、マサチューセッツ工科大学 David Geltner教授、アムステルダム大学 Marc Franke教授らとともに招待され、その整備に向けての基礎研究とマニュアルの執筆を行った。

同時期に、マサチューセッツ工科大学不動産研究センターの研究員として招聘され、MIT Price Dynamics Platformのプロジェクトに参加した。また2016年からは、IMFが主導で進めた「消費者物価指数マニュアル」の住宅サービスの測定に関する章の執筆に従事するなど、国際的な統計・指数の整備に参加してきた。

2014年から2016年にかけてYongheng Dengの招へいで客員教授を務めたシンガポール国立大学では、『Research Methodology』の講義を担当するとともに、シンガポールにある国際統計研修所において、アジア各国の中央銀行、統計部局の専門職員向けに、住宅価格指数の推計方法に関する研修を行った。

また、アイルランド統計局、ポーランド中央銀行における不動産価格指数の整備に関するアドバイザーを務め、各国の不動産価格指数の整備に貢献してきた。米国の代表的な経済学者が集う全米経済研究所(NBER)のCRIWのメンバーでもある。[5]

経歴

[編集]

1990年 日本大学経済学部 卒業[6]

1992年 日本大学大学院経済学研究科博士前期課程を修了[6]

1994年 東京工業大学(現東京科学大学)大学院理工学研究科博士後期課程中退[6]

2000年 リクルート住宅総合研究所 主任研究員[7]

2005年 麗澤大学国際経済学部 助教授[7]

2008年「不動産市場の情報不完全性と価格形成要因に関する研究」により東京大学大学院新領域創成科学研究科から、博士(環境学)を取得[8]

2011年 麗澤大学経済学部・大学院経済学研究科 教授[7]ブリティッシュコロンビア大学経済学部 客員教授[6]

2014年 シンガポール国立大学不動産研究センター 客員教授、香港大学不動産・建設学部 客員教授[6]

2015年 キヤノングローバル戦略研究所 上席研究員、リクルート住宅総合研究所 フェロー[7]、麗澤大学国際総合研究機構 特任教授[6]

2016年 日本大学スポーツ科学部 教授[7]

2018年 金融庁金融研究センター 特別研究官[7]

2019年 東京大学空間情報科学研究センター 特任教授[7]

2021年 麗澤大学 学長補佐[7]

2022年 一橋大学ソーシャル・データサイエンス教育研究推進センター 教授、property technologies 取締役[7]、次世代未来創造大学校 校長、国土交通省統計品質改善会議 委員、電力データ管理協会 諮問委員会委員長[6]

2023年 一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科 教授[6]くふうカンパニー 取締役[9]

2024年 property technologies PropTech-Lab 所長[10]

受賞

[編集]

脚注

[編集]

外部リンク

[編集]