源頼清
時代 | 平安時代中期 |
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生誕 | 長徳元年(995年)[要出典] |
死没 | 延久5年7月18日[要出典](1073年8月23日) |
官位 | 従四位下中務少輔、安芸守、陸奥守、肥後守 |
主君 | 藤原頼通 |
氏族 | 河内源氏 |
父母 | 父:源頼信、母:修理命婦 |
兄弟 |
頼義、頼清、頼季、頼任、義政、 源為満室、源信忠室 |
妻 | 藤原斉信娘ら |
子 | 仲宗、兼宗、清宗、永源、家宗、季宗、憲宗、基宗ら |
源 頼清(みなもと の よりきよ)は、平安時代中期の武士・官人。河内源氏の祖・源頼信の次男。母は修理命婦で源頼義の同母弟。関白・藤原頼通に仕えて侍所別当などを務め、さらに陸奥国、肥後国といった大国の受領に任じられた。
生涯
[編集]源頼信の次男として生まれ、母は頼義と同じく修理命婦(『尊卑分脈』)[1]。生年は不詳[2]。
「左近ノ大夫」と呼ばれた若い頃は不遇だったらしく、藤原道綱の子・道命(後の天王寺別当)から粥を与えられていたという逸話が『今昔物語集』に見える[3][4]。
史料上の初見は寛仁元年(1017年)5月9日に三条院の死去を藤原道長に伝える使者を務めているものである(『御堂関白記』)[5]。三条院には伯父・頼光が近侍していたことから、その推挙によって仕えていたとみられる[5]。
翌寛仁2年(1018年)4月22日には中務少輔に在任していたことが見え、以後中務省の官人として長元改元の詔書の取り次ぎなどの勤務をしていたことが確認できる(『小右記』)[6]。
また、治安元年(1021年)10月10日には頼清は関白・藤原頼通の家司・侍所別当となっており、使者として藤原実資のもとを訪れている(『小右記』)[7]。『中外抄』には頼通に対し、父・頼信によって兄・頼義が武者として推挙されたのとは対照的に、頼清が蔵人として推挙された話が見える[8]。頼清の文官としての能力が父から認められていたことを示す逸話だが、頼清が藤原道長の側近で従弟にあたる権大納言・藤原斉信の娘を妻としている(『尊卑分脈』)ことも、頼清が摂関家から高い評価を受けていたことをうかがわせる[9]。
父・頼信が平忠常の乱を平定するため追討使に任じられて東国に下っていたさなかの長元4年(1031年)3月、頼清は安芸守として任国に出発した[10]。これは平忠常の乱鎮圧目前の頼信に対する恩賞という面もあったとみられるが、これによって受領に任じられた頼清は兄・頼義よりも出世の面で先んじることとなった(頼義の相模守就任は長元9年(1036年))[11]。また、安芸守に別人が就いていることが確認できるのは9年後の長久元年(1040年)正月であることから、頼清の働きぶりが高く評価され重任された可能性も考えられる[12]。
また永承3年(1048年)3月には前陸奥守として見え、『後拾遺和歌集』所収の相模の和歌(歌番号474)により、陸奥守の任期を終えた後に肥後守に任じられたことが確認できる[13]。頼清のその後の消息は確認できないが、従四位下に昇るなど死去まで兄・頼義の官位を凌駕していたとみられる(頼義の正四位下昇階は康平6年(1063年))[14]。
兄・頼義に出世で先行するなど、頼清系が河内源氏の嫡流となる可能性はあったとみられるものの、頼清の孫の惟清が嘉保元年(1094年)に白河院を呪詛するという事件を起こしたことで、父・仲宗や弟たちとともに流罪となり頼清の系統は致命的な打撃を受けてしまった[15]。それに加えて11世紀後半以降、軍事貴族に文官的能力よりも軍事的能力が要求されるようになったことも没落の背景にあったと指摘されている[16]。惟宗の弟・顕清が配流先の信濃国に拠点を形成し、その子孫は村上氏を称して続くこととなる[17]。
脚注
[編集]- ^ 元木 2017, p. 8.
- ^ 元木 2017, p. 81.
- ^ 「今昔物語巻12の第36「天王寺道命阿闍梨語」」『国史大系』 16巻、経済雑誌社、1901年、674-677頁。
- ^ 元木 2017, pp. 82–83.
- ^ a b 元木 2017, p. 84.
- ^ 元木 2017, pp. 84–85.
- ^ 元木 2017, p. 85.
- ^ 元木 2017, p. 9.
- ^ 元木 2017, p. 88.
- ^ 元木 2017, p. 70.
- ^ 元木 2017, pp. 70–71, 88–89.
- ^ 元木 2017, p. 89.
- ^ 元木 2017, pp. 89–90.
- ^ 元木 2017, p. 91.
- ^ 元木 2017, pp. 91–92, 184–185.
- ^ 元木 2017, pp. 187–188.
- ^ 元木 2017, pp. 188–191.
参考文献
[編集]- 元木泰雄『源頼義』吉川弘文館〈人物叢書〉、2017年。ISBN 978-4-642-05282-5。
関連文献
[編集]- 元木泰雄「頼義と頼清-河内源氏の分岐点」『立命館文學』第624号、立命館大学、2012年、456-468頁、ISSN 02877015、NAID 110009511643、NCID AN00289973。