熊野純彦
表示
熊野 純彦(くまの すみひこ、1958年11月10日[1] - )は、日本の哲学者・倫理学者・哲学史家。元・東京大学大学院人文社会系研究科倫理学研究室教授。神奈川県出身。
近現代ドイツ・フランス倫理学を中心に研究し、日本古典、日本思想に関する著作も多い。
経歴
[編集]神奈川県横須賀市生まれ、鎌倉市に育つ。栄光学園中学校・高等学校を経て、東京大学に入学、 1981年東京大学文学部倫理学専修課程卒業。1986年同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。1987年明治学院大学講師を経て、1990年に北海道大学助教授、1996年東北大学助教授、2000年東京大学助教授、2007年教授[2]。2015年から2017年度文学部長・人文社会系研究科長。2018年から2020年度東京大学附属図書館長。2023年3月に定年退任。4月から放送大学東京文京学習センター所長。
レヴィナス、カント、マルクスなど、ドイツ、フランスの近代の哲学者を中心に論じており、哲学史に関する著作や哲学古典の新訳も多い。
著書
[編集]- 『レヴィナス - 移ろいゆくものへの視線』(岩波書店) 1999年、新装版 2012年。岩波現代文庫 2017年
- 『レヴィナス入門』(ちくま新書) 1999年
- 『ヘーゲル <他なるもの>をめぐる思考』(筑摩書房) 2002年
- 『カント 世界の限界を経験することは可能か』(日本放送出版協会、シリーズ・哲学のエッセンス) 2002年
- 『差異と隔たり 他なるものへの倫理』(岩波書店) 2003年
- 『戦後思想の一断面 哲学者廣松渉の軌跡』(ナカニシヤ出版) 2004年
- 『メルロ=ポンティ 哲学者は詩人でありうるか?』(日本放送出版協会、シリーズ・哲学のエッセンス) 2005年
- 『西洋哲学史 - 古代から中世へ』(岩波新書) 2006年
- 『西洋哲学史 - 近代から現代へ』(岩波新書) 2006年
- 『和辻哲郎 - 文人哲学者の軌跡』(岩波新書) 2009年
- 『埴谷雄高 - 夢みるカント』(講談社、再発見日本の哲学) 2010年、講談社学術文庫 2015年
- 『マルクス 資本論の思考』(せりか書房) 2013年
- 『カント - 美と倫理とのはざまで』(講談社) 2017年
- 『マルクス 資本論の哲学』(岩波新書) 2018年
- 『本居宣長』(作品社) 2018年
- 『三島由紀夫』(清水書院、人と思想197) 2020年2月
- 『源氏物語=反復と模倣』(作品社) 2020年3月
- 『サルトル 全世界を獲得するために』(講談社選書メチエ「極限の思想」) 2022年12月
共編著
[編集]- 『倫理学を学ぶ人のために』(宇都宮芳明共編、世界思想社) 1994年
- 『カント哲学のコンテクスト』(宇都宮芳明・新田孝彦共編、北海道大学図書刊行会) 1997年
- 『差異のエチカ』(吉澤夏子共編、ナカニシヤ出版) 2004年
- 『悪と暴力の倫理学』(麻生博之共編、ナカニシヤ出版) 2006年
- 『死生学2 死と他界が照らす生』(下田正弘共編、東京大学出版会) 2008年
- 『廣松渉哲学論集』(編、平凡社ライブラリー) 2009年
- 『現代哲学の名著 - 20世紀の20冊』(編、中公新書) 2009年
- 『日本哲学小史 - 近代100年の20篇』(編、中公新書) 2009年
- 『近代哲学の名著』(編、中公新書) 2011年
- 『西洋哲学史』全4巻(神崎繁・鈴木泉共編、講談社選書メチエ) 2011年 - 2012年
- 『人文知3 境界と交流』(佐藤健二共編、東京大学出版会) 2014年
監修ほか
[編集]- 『岩波講座 哲学』全15巻(編集委員、岩波書店) 2008年 - 2009年
- 『いま“哲学する”ことへ』
- 『形而上学の現在』
- 『言語 / 思考の哲学』
- 『知識 / 情報の哲学』
- 『心 / 脳の哲学』
- 『モラル / 行為の哲学』
- 『芸術 / 創造性の哲学』
- 『生命 / 環境の哲学』
- 『科学 / 技術の哲学』
- 『社会 / 公共性の哲学』
- 『歴史 / 物語の哲学』
- 『性 / 愛の哲学』
- 『宗教 / 超越の哲学』
- 『哲学史の哲学』
- 『変貌する哲学』
- 『高等学校 新倫理』(山田忠彰, 菅野覚明と共同監修、清水書院) 2014年
- 『図鑑 世界の哲学者』(サイモン・ブラックバーン監修、日本語版監修、東京書籍) 2020年
- 「極限の思想」シリーズ(大澤真幸とともに責任編集、講談社選書メチエ) 2021年〜
翻訳
[編集]- 『全体性と無限』上・下(エマニュエル・レヴィナス、岩波文庫) 2005年 - 2006年
- 『共同存在の現象学』(カール・レーヴィット、岩波文庫) 2008年
- 『存在と時間』全4巻(マルティン・ハイデッガー、岩波文庫) 2013年
- 『物質と記憶』(アンリ・ベルクソン、岩波文庫) 2015年
- 『精神現象学』上・下(G・W・F・ヘーゲル、ちくま学芸文庫) 2018年
- 『国家と神話』上・下(エルンスト・カッシーラー、岩波文庫) 2021年
イマヌエル・カント
[編集]- 『純粋理性批判』(イマヌエル・カント、作品社) 2012年
- 『実践理性批判 倫理の形而上学の基礎づけ』(イマヌエル・カント、作品社) 2013年
- 『判断力批判』(イマヌエル・カント、作品社) 2015年
- 『人倫の形而上学 第一部 法論の形而上学的原理』(イマヌエル・カント、岩波文庫) 2024年
脚注・出典
[編集]- ^ 『現代日本人名録』2002年
- ^ “教授 熊野純彦 - 略歴・主な研究活動” (PDF 997KB). 東京大学. 2024年4月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- 教授 熊野純彦(倫理学研究室)/東京大学 人文社会系研究科・文学部 - ウェイバックマシン(2022年8月14日アーカイブ分)
- vol.7 熊野純彦(退職教員) 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部
- 熊野純彦 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
- 論文一覧(KAKEN、CiNii)
- 熊野純彦 - J-GLOBAL
- 熊野純彦 - researchmap