牟田口義郎
表示
牟田口 義郎(むたぐち よしろう、1923年5月11日 - 2011年1月22日)は、日本の歴史家、中東地域研究者、翻訳家。 朝日新聞特派員・支局長を歴任した。
略歴
[編集]神奈川県生まれ。1948年東京大学仏文科卒、1949年に朝日新聞社に入社。報道記者として外報畑を主に歩み、カイロ(エジプト)支局長、パリ(フランス)支局長を務め、また論説委員を務めた。 1982年退社、その後成蹊大学教授、東洋英和女学院大学教授、中近東文化センター理事長を歴任。
中東・アラブ地域の現代史に詳しく、地中海世界を軸に多くの著書・翻訳書を刊行した。
著書
[編集]- 『アブダラーの知恵』(雪華社) 1960
- 『石油に浮かぶ国 クウェートの歴史と現実』(中公新書) 1965
- 『地中海のほとり』(朝日新聞社) 1971、のち朝日選書 1978
- 『アラビア湾のほとり』(朝日新聞社) 1973
- 『変わりゆくアラブ』(朝日新聞社) 1975
- 『アラブの風 特派員見聞録 庶民から王様まで』(実業之日本社) 1976
- 『旅のアラベスク』(朝日イブニングニュース社) 1977.1、のち朝日文庫 1983.6
- 『中東への視角』(朝日新聞社) 1977.8
- 『地中海文明の旅』(講談社) 1980.5
- 『石油戦略と暗殺の政治学』(新潮社) 1982.6
- 『地中海・音楽絵巻』(音楽之友社、音楽選書) 1984.11
- 『旅のバルコニーから』(大阪書籍、朝日カルチャーVブックス) 1987.2
- 『世界の都市の物語10 カイロ』(文藝春秋) 1992.10、のち文春文庫 1999
- 『中東の風のなかへ』(NTT出版) 1995.12
- 『アラビアのロレンスと日本人』(NTT出版) 1997.10
- 『アラビアのロレンスを求めて アラブ・イスラエル紛争前夜を行く』(中公新書) 1999.10
- 『食の起源 メソポタミアとイスラーム』(作陽学園出版部・れんが書房新社、作陽ブックレット) 1999.11
- 『物語 中東の歴史 オリエント五〇〇〇年の光芒』(中公新書) 2001.6
- 『あの夏の光のなかへ』(近代文芸社) 2002.8
- 『地中海世界を見た日本人 エリートたちの異文化体験』(白水社) 2002.10
- 『地中海歴史回廊』(ちくま学芸文庫) 2004.8
共編著
[編集]- 『中近東諸国 写真集』(修道社) 1961
- 『ツタンカーメンの秘宝 エジプトの歴史と美術』(池田宣政共著、クサナギ教育出版) 1965.10
- 『アブ・シンベル神殿』(講談社、原色写真文庫) 1967
- 『アラブの覚醒』(護雅夫共著、講談社、世界の歴史22) 1978.7
- 『地中海』(松本宣郎共著、朝日新聞社、地域からの世界史10) 1992.6
- 『プロヴァンス 歴史と印象派の旅』(佐々木綾子・佐々木三雄共著、新潮社、とんぼの本) 1995.1
翻訳
[編集]- 『砂漠の豹 イブン・サウド サウジアラビア建国史』(ジャック・ブノアメシャン、河野鶴代共訳、筑摩書房) 1962、のち新版 1990
- 『オリエントの嵐 中東現代史』(ブノアメシャン、筑摩書房) 1964、のち新版 1975、1990
- 『灰色の狼 ムスタファ・ケマル 新生トルコの誕生』(ブノアメシャン、筑摩書房) 1965、のち新版 1990
- 『アラビアの王 ファイサル』(ブノアメシャン、筑摩書房) 1976
- 『エジプト革命』(ブノアメシャン、筑摩書房) 1978.7
- 『アラブ・ジョーク集』(編著、塙治夫訳、実業之日本社) 1978.9
- 『アラブが見た十字軍』(アミン・マアルーフ、新川雅子共訳、リブロポート) 1986.4、のちちくま学芸文庫 2001
- 『アラブが見たアラビアのロレンス』(スレイマン・ムーサ、定森大治共訳、リブロポート) 1988.3、のち中公文庫 2002
- 『サマルカンド年代記 『ルバイヤート』秘本を求めて』(アミン・マアルーフ、リブロポート) 1990.3、のちちくま学芸文庫 2001
脚註
[編集]- ^ 中近東文化センター元理事長、牟田口義郎さん死去 / 朝日新聞 (2011年1月22日) - ウェイバックマシン(2011年1月26日アーカイブ分)