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下野敏見

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
下野 敏見
(しもの としみ)
人物情報
生誕 1929年4月4日
日本の旗 日本鹿児島県知覧町
死没 (2022-03-10) 2022年3月10日(92歳没)
日本の旗 日本鹿児島県鹿児島市
老衰[1]
居住 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
出身校 鹿児島大学
学問
時代 昭和時代前期 -
活動地域 日本の旗 日本南九州 - 沖縄県
研究分野 民俗学
研究機関 鹿児島大学、鹿児島純心女子大学
学位 文学博士(筑波大学)
主な受賞歴 第1回柳田賞
第52回南日本文化賞
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下野 敏見(しもの としみ、1929年昭和4年)4月4日[2] - 2022年3月10日[1])は、日本民俗学者文学博士[3]鹿児島大学教授鹿児島純心女子大学教授を歴任。南日本地方の民俗研究の第一人者であり[4]、日本民俗学会の権威ともいわれる[5]

経歴

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鹿児島県川辺郡知覧町(現在の南九州市)出身[1][3]鹿児島県立川辺高等学校鹿児島大学文理学部社会学科卒業[6]。大学卒業後は県内各地の高等学校教諭を経て、鹿児島大学法文学部教授鹿児島純心女子大学教授を務める。高校教員時代から夏休みのたびに屋久島を訪ね、古老の話者を探して昔話を聞き続けた[7]。その後もフィールドワークを信条に県内外を歩き続け、民俗学研究に情熱を注いでおり[7]南九州から沖縄県に至る地域で、長年にわたって民俗調査を行なっている[8]

第1回柳田賞受賞、第52回南日本文化賞受賞[5]。著書は『田の神と森山の神』『御田植祭りと民俗芸能』『南九州の伝統文化』『奄美・吐カ喇の伝統文化』『屋久島の民話』『鹿児島ふるさとの昔話』など、多数に昇る[3]

2022年3月10日鹿児島県鹿児島市下伊敷の自宅で老衰のため死去(92歳没)[1]

著書

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  • 『タネガシマ風物誌 鉄砲伝来の島』(未来社1969年
  • 『生きている民俗探訪鹿児島』(第一法規出版1979年
  • 『南西諸島の民俗 1 - 2』(法政大学出版局1980年 - 1981年
  • 『南九州の民俗芸能』(未来社、1980年)
  • 『種子島の民俗 1 - 2』(法政大学出版局、1982年 - 1990年
  • 『トビウオ招き にっぽん文化を薩南諸島に探る 種子島・屋久島・奄美諸島・トカラ列島の民俗』(八重岳書房1984年
  • 『カミとシャーマンと芸能 南九州の民俗を探る』(八重岳書房、1984年)
  • 『南日本民俗の探究』(八重岳書房、1986年
  • 『ヤマト文化と琉球文化 南の島々の生活行事に映った日本文化の古層地図』(21世紀図書館PHP研究所、1986年)
  • 『東シナ海文化圏の民俗 地域研究から比較民俗学へ』(未来社、1989年
  • 『ヤマト・琉球民俗の比較研究』(法政大学出版局、1989年)
  • 『鹿児島の民俗文化 その秘奥にせまる』(丸山学芸図書1990年
  • 『さつま路の民俗学』(丸山学芸図書、1991年
  • 『フォークロア南九州 基層文化の探究』(丸山学芸図書、1992年
  • 『フォークロアは生きている』(丸山学芸図書、1994年
  • 『日本列島の比較民俗学』(吉川弘文館、1994年)
  • 『民俗学から原日本を見る』(吉川弘文館、1999年
  • 『御田植祭りと民俗芸能(隼人の国の民俗誌 2)』(岩田書院2004年
  • 『田の神と森山の神(隼人の国の民俗誌 1)』(岩田書院、2004年)
  • 『屋久島の民話 緑の巻(屋久島の民話シリーズ)』(南方新社2005年
  • 『南九州の伝統文化 1(祭礼と芸能、歴史)』(鹿児島県の伝統文化シリーズ、南方新社、2005年)
  • 『南九州の伝統文化 2(民具と民俗、研究)』(鹿児島県の伝統文化シリーズ、南方新社、2005年)
  • 『奄美・吐[カ]喇の伝統文化 祭りとノロ、生活』(鹿児島県の伝統文化シリーズ、南方新社、2005年)
  • 『鹿児島ふるさとの昔話』1 - 3(南方新社、2006年 - 2015年
  • 『屋久島の民話 紅の巻(屋久島の民話シリーズ)(南方新社、2006年)
  • 『屋久島、もっと知りたい 人と暮らし編』(南方新社、2006年)
  • 『南日本の民俗文化誌 1(鹿児島昔話集)』(南方新社、2009年
  • 『南日本の民俗文化誌 2(鹿児島の棒踊り)』(南方新社、2009年)
  • 『南日本の民俗文化誌 3(トカラ列島)』(南方新社、2009年)
  • 『南日本の民俗文化写真集 3(トカラ列島)』(南方新社、2010年
  • 『南日本の民俗文化誌 12(南から見る日本民俗文化論)』(南方新社、2010年)
  • 『南日本の民俗文化誌 5(種子島民俗芸能集)』(南方新社、2010年)
  • 『南日本の民俗文化誌 9(南九州の民俗文化誌)』(南方新社、2011年
  • 『南日本の民俗文化誌 4(屋久島の民俗文化)』(南方新社、2011年)
  • 『南日本の民俗文化誌 11(南日本の民俗文化誌)』(南方新社、2012年
  • 『南日本の民俗文化誌 10(奄美諸島の民俗文化誌)』(南方新社、2013年
  • 『南日本の民俗文化誌 8(南日本の民俗芸能誌 北薩西部編)』(南方新社、2013年)
  • 『南日本の民俗文化誌 7(南日本の民俗芸能誌 北薩東部編)』(南方新社、2014年
  • 『南日本の民俗文化誌 6(南日本の民俗芸能誌 全県編)』(南方新社、2016年
  • 『南日本の民俗文化写真集 4』(南方新社、2017年

編著

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  • 『種子島の民話』第1 - 2集(日本の民話 編、未来社、1962年
  • 『屋久島の民話』第1 - 2集(日本の民話 編、未来社、1964年 - 1965年
  • 『種子島の昔話 1(昔話研究資料叢書 編著、三弥井書店1980年
  • 『民俗宗教と生活伝承 南日本フォークロア論集』編 (岩田書院、1999年
  • 『鹿児島の湊と薩南諸島』(街道の日本史、松下志朗共編、吉川弘文館、2002年

脚注

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  1. ^ a b c d 下野敏見氏が死去 92歳 種子・屋久、トカラ…民俗研究60年余”. 南日本新聞 (2022年3月12日). 2022年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月12日閲覧。
  2. ^ 著作権台帳』
  3. ^ a b c 下野敏見『屋久島、もっと知りたい人と暮らし編』 人と暮らし編、南方新社、2006年、奥付頁。ISBN 978-4-86124-084-3 
  4. ^ 「民俗研究家・下野さん トカラの歴史 80歳の集大成」『読売新聞読売新聞社、2010年3月5日、西部朝刊、27面。
  5. ^ a b 下野敏見先生プロフィール” (PDF). かごしまグリーン・ツーリズム協議会. p. 1 (2012年1月). 2020年11月14日閲覧。
  6. ^ 南日本新聞社『郷土人系 上』(春苑堂書店1969年昭和44年))p478
  7. ^ a b 屋久島の民話集、再び世に 民俗学者下野敏見さん」『ブック・アサヒ・コム朝日新聞社、2005年12月20日。オリジナルの2014年4月5日時点におけるアーカイブ。2020年10月2日閲覧。
  8. ^ 鈴木正崇. “下野敏見編『民俗宗教と生活伝承 南日本フォークロア論集』”. 岩田書院. 2020年10月2日閲覧。