コンテンツにスキップ

Kボール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Tswiac1913 (会話 | 投稿記録) による 2020年3月12日 (木) 02:17個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

KWBボール(ケーダブリュービーボール、旧通称:Kボール 商品名:ケンコーワールド)は、公益財団法人日本野球連盟元会長の山本英一郎シダックス最高顧問で日本KWB野球連盟会長志太勤が発案し、ナガセケンコー株式会社が製造販売する野球のボール。日本KWB野球連盟(旧称:日本K-Ball少年野球連盟)およびアジア野球連盟(BFA)公認球。2011年には国際野球連盟(IBAF)の推奨球として認定されている。

開発の歴史と由来、中学生への影響

中学生軟式野球から高校の硬式野球へスムーズに移行することと、野球の国際的な普及を目的として2000年に開発された。

小中学生時代に軟式野球に慣れ親しんでいた選手は、高校で硬式野球に移行した際にボールの重量や大きさ、バウンド時の挙動の違いなどから怪我をしやすく、また技術面においてもリトルリーグ経験者に遅れをとる傾向があった。開発者の志太も、硬式野球移行後に肩を酷使した結果野球を断念した経験があり、軟式野球出身の選手特有の筋力障害を未然に防ぐために、硬式野球へスムーズに移行するためのボール開発を提案した。ナガセケンコー株式会社はこれを受け、日本野球連盟指導の下で重量と外径は硬球と同一、さらにゴロの跳ね方の目安となる反発係数も硬球に近いが、ゴムを使用した表面の素材、内部構造は軟球と同じ空洞という独自のボールを開発した。当初は「健全な精神(Kenzen)」「強健な身体(Kyouken)」「国際的なスポーツマンの育成(Kokusaiteki)」の頭文字を由来としKボールと命名されたが、呼称・商品名・連盟名を統一するために2015年1月1日よりKWBボールに改称された。

中空かつゴム製のため安全性が高い(衝撃加速度・圧縮荷重値は硬球の1/3)こと、守備では硬球特有のゴロ処理が身に付く一方で、打撃ではバットの芯に当て振り切らなければ飛距離が出ない軟球特有の構造を踏襲しているため、高い技術レベルを求める選手や指導者に急速に普及した。また、硬球に比べて価格が3分の2と経済的であるため、アジア中南米の国々でも受け入れられ、連盟発足1年目には国際大会が開催。カテゴリーU-15所属の中、近年では台湾韓国等の代表チームが上位に食い込んでいる。また、Kボールの経験者が高校野球で甲子園への出場やプロ入りを果たすケースも増えている[1]

全国大会・国際大会

8月初旬にU-15全国KWB野球選手権大会静岡県伊豆市で、10月にはU-15全国KWB野球秋季大会千葉県成田市で開催されている。特に秋季大会は、中体連の夏季大会終了後に引退して実戦感覚が失われやすい時期に開催されることもあって、選手にとって極めて重要性が高く、重宝されている。他にもU-15アジア野球選手権大会や親善試合が行われている。2011年からは、女子選手を対象にした全国大会を開催している。

脚注

関連項目

外部リンク