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銭形幸一

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銭形警部(ぜにがたけいぶ)は、モンキー・パンチの漫画作品及びそれを原作とするアニメ『ルパン三世』シリーズに登場する架空の人物。本名銭形幸一(ぜにがた こういち)。

プロフィール

  • 身長:181cm
  • 体重:73kg
  • 生年月日:1937年12月25日
  • 特技:生け捕り術、手錠投げ

人物

ルパン三世逮捕を念願とする警視庁警部(アニメ版では、第2シリーズ以降で国際刑事警察機構にルパン専任捜査官として出向、所属は総務局国際協力部第1課)。警視庁所属だが、警察庁経由で埼玉県警に出向歴あり。カリオストロ公国では埼玉県警の警官隊を引き連れている。出向当時のコネで呼んだか。野村胡堂の小説「銭形平次捕物控」の主人公銭形平次の第六代目(アニメ版等では第七代目)に設定されている。

年齢は原作の話を考慮すると、ルパンと5歳位しか変わらないようである。また、ルパンとは先輩と後輩である。原作コミックの第1話には名探偵として明智小五郎が登場しており、原作者には、老獪な謎解き担当・明智と若きやり手の行動派・銭形のコンビでルパンと対決させようという意図があったのではないか。(ただし、第2話以降、明智は登場しない。アニメ・シリーズでは、パイロット版のみ登場するが、実はルパンの変装である)

有名な「とっつぁん」の愛称は、アニメ第1シリーズのオープニング・ナレーションで登場(「オレがもっとも苦手とするとっつぁんだ」)し、第2シリーズでスタンダード化する。コミック版では、ルパンは「銭さん(ゼニさん)」と呼んでいる。

TVスペシャル第一弾『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』では、警察官としての始まりは、埼玉県警西大滝町派出所勤務からとされている(銭形に変装したルパンは、埼玉県警東大滝村駐在所勤務と勘違いしていた)。その後警視庁で度重なるルパン逮捕作戦の失敗の責任により、信州高畑村駐在所勤務に降格された後、ICPOに出向、ルパン三世専従捜査官に任命されたとしているが、銭形の組織異動については表立って描かれたことはほとんどないため判然としない。給料もあやふやで、18万285円だったり33万8363円だったりと、作品によって違うようである(余談だが、銭形警部は、一時月給100万経費使い放題という羨ましい身分になったことがある)。コードナンバーは22-84471とされる。

これは余談だが、通常、キャリアでない限り警視庁と警察庁管轄の各県警をまたいだ人事はあり得ないため、銭形は実はキャリアだがルパン逮捕に命を賭けるあまり昇進を断り続け、現場ポストにしがみついている可能性がある。

ルパン逮捕しか頭になく、そのためには法を犯し、卑怯な行動に出ることもしばしばある。が、その腕は確かであり、ルパンも彼のことは恐れている。いつもルパンに逃げられているが、いつのまにか奇妙な友情が互いに出来上がっている。

あくまでもルパンを逮捕するのが目的である為、ルパンの命を狙う第3者や事件に絡む巨悪の存在を知った場合はルパン一味と共同作戦を展開する場合が多い。が、時にはルパン達の世間的評価を下げる為に、マフィア等の悪人達と手を組んだりして凶悪犯罪者に陥れたり、無実の罪をわざと着せたりする場合もある。特に第2シリーズでは、ルパン逮捕の為とはいえ、民間人に「逮捕するぞ!」「死刑にするぞ!」などと脅して無理矢理捜査に協力させるなど、手段を選ばない事も度々あった(最近のTVスペシャルでは、そういった部分は描かれていない)。

銭形は無能なのか

上層部からは、失敗続きの為か無能呼ばわりされている(但し、『ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』に登場した警視総監からは、胃痛の種でありながらも結構信頼されているようである)が、それは単にルパン達の持つ能力が高過ぎる為であって、決して無能というわけではない。実際に『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』第4話では、ルパンを完璧な罠にかけて逮捕している(ルパンも敗北を認めている事をほのめかすセリフがある)。原作に至っては「銭形流逮捕術の第一人者」であり、「拳銃の腕は次元以上かもしれない」といった形の解説をなされていることから、相当優秀な刑事であることがわかる。その実力を買われ、ルパン逮捕以外にも現金輸送や金塊輸送、国連からの依頼で要人警護の任務に就くこともある。原作コミック版では、交響曲すら作曲、指揮しており(もっとも実際に作曲したのではない可能性もあり)、アニメ版でも『ルパン三世 PartIII』においてカジノ船で開かれたコンサートの指揮者に扮し、同じ場で演奏者に変装していたルパンと次元に銭形と気付かれることなく演奏を終了させているシーンがある。モンキー・パンチも『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』が公開される前に、インタビューで「銭形は、本当は天才なんです」と発言している。

格闘術にも長けておりスラム街のチンピラ集団に襲われた際に返り討ちにしているシーンがある(しかし、『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』第39話では、香港マフィアの舎弟達にボコボコにされた挙、海に投げ捨てられる場面もある)。もし、ルパンファミリーのそれぞれ個々が、まともに勝負すれば、誰も銭形にかなわないとさえ言われている。原則的にお互いを殺そうとは思っていないので銭形にとっては意味はない事かもしれないが、『ルパン三世 PartIII』第37話では哀れな少女・アンの仇を討つため、ICPOにルパン射殺許可を申請し、五ェ門を退けルパンと一対一の対決を申し込み生死を決しようとした(五ェ門にすら「あの殺意は本物だ」と言わしめたほどである。もっとも、この対決劇はアンの策略でありルパンは銭形に射殺された「フリ」をして事なきを得る)。また、銭形が悪党も含めて人を殺すシーンは皆無である。逆にルパンを捕まえても逃がしてしまう刑務所の甘い管理もあると思われる。また、彼が依頼人に対して警備を厳重にするよう提案するも、大丈夫だと高をくくられ、最終的にはルパンに盗まれてしまうというパターンも多いことから、ある意味ではルパンの恐ろしさを最もよく知る人物かもしれない。

ファミコン版のゲーム作品『ルパン三世 パンドラの遺産』ではルパン達が長時間同じステージにいると登場。しかも絶対に倒す事の出来ない無敵の敵キャラである。

名前について

下の名前については、原作では作者自身「平一」とつけたかったはずなのだが、誤植なのか書き間違いなのか、何故か「幸一(原作第8話)」となっており、その後使う機会がなかった為、モンキーパンチが下の名を既に付けていたのを忘れ、第64話では「平太郎」と新たに付けてしまった。後のアニメ版では「幸一(『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』)」に加え、「平次(劇場映画第一作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』)」まで登場した。しかし、ほぼ同時期に製作・放映されていた『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』第98話では「ICPO 銭形幸一警部」とテロップされていた。現在は、公式に「幸一」が正式名称とされ、2005年のTVスペシャル第十七弾『ルパン三世 天使の策略 ~夢のカケラは殺しの香り~』では銭形自ら「銭形幸一」という名前を言うシーンが加えられた。そしてPS2専用ソフト「ルパン三世 魔術王の遺産」、2004年にリリースされたパチスロ機『主役は銭形』のPRパンフレットにも幸一と記述してある。また、同作品では原作本来の設定である「次元大介にも匹敵するかそれ以上」の拳銃の腕前も遺憾なく発揮している。 特別報奨金の他にはルパン三世 (TV第2シリーズ)の第122話「珍発見ナポレオンの財宝」においてECC勲章と特別ボーナスとして1ヶ月のバカンスをもらったことがある。

家族

家族については、原作では触れられず、TV第2シリーズでは単身者として演出されており、ルパン三世 PartIIIでも「温かい家庭も優しい妻も、かわいい子供も、俺には作ることが許されないのだ。妻が欲しい~子供が欲しい~」と号泣しているが、劇場版『ルパン三世 ルパンVS複製人間』では妻帯者であり、「としこ(表記不明)」という娘がいることになっている。『ルパン三世 風魔一族の陰謀』のOPで妻と子供3人が登場、その中の女の子が「としこ」とされている。この時住んでいた飛騨の山寺にこの家族を預けたまま、銭形は現在も活動している事になっており、生活費は彼の給料からの仕送りと、風魔との戦いで知り合った墨縄家にも後見を頼んでるとも言われてる(これが事実だとすれば、五ェ門と銭形は飛騨に婚約者と家族をそれぞれ残したまま、世界中を飛び回っていることになる)。しかし、その後は再び未婚に戻されていて、内心では家庭に憧れており、ルパン達の前で家庭が欲しいと絶叫した事もある。『ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』では、東京の古アパートに1人暮らし(大家の女性からは「こうちゃん」と呼ばれており、結構古い付き合いだと思われる)だったが、スタッフは単身赴任とも独身とも視聴者個々の解釈に任せたとの事で、現在の結論としては、『ルパン三世 ルパンVS複製人間』と『ルパン三世 風魔一族の陰謀』の家族を銭形の公式の裏設定とするものの、今後はストーリー上でその家族を出す必要性もしくは語る時がこない限りは、表向きは独身のように描くとの事らしい。また考え方として、TVシリーズや長編(映画やテレビスペシャル)は、描かれた時期がそれぞれ違うために、銭形が結婚しているときの物語と、そうでない物語という考え方もある。『ルパン三世 カリオストロの城』においては、ルパンの年齢がそれなりに高く設定されてるなど作品によって、キャラクターの年齢も左右されるため、銭形が結婚していたり、していなかったりするという考え方もできる。


所持品

バーバリートレンチコートと同色のソフト帽を主に着用。先祖代々伝わる十手を大事な宝物としており、常に所持している。得意の手錠術に使用する手錠は現行の黒手錠ではなく、旧来からのシルバーメタリック塗装の手錠を使用。

愛用の銃はコルトM1911ガバメント。戦後、GHQが日本警察官の銃器所持を許可した際、アメリカ合衆国が提供したが、当時平均身長が160cm代だった日本人警察官には扱いかねる代物と言うことで普及しなかったと言うもの。当時としてはかなり大柄な銭形だから扱えた代物と言える。愛用しているタバコはしんせい又はハイライト

配役

関連項目