コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「オオキベリアオゴミムシ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
必要ない情報なので。
タグ: 差し戻し済み ビジュアルエディター モバイル編集 モバイルウェブ編集
65行目: 65行目:
|}
|}
幼虫は夕刻から植物上でカエル類の幼体を待ち伏せ、獲物に襲いかかる{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。そして発達した大顎で獲物の頭部の腹面に食いつき、[[寄生虫|外部寄生虫]]のように獲物を摂食し{{Efn2|[[海野和男]] (2019) はこの生態について「アマガエルに[[寄生|外部寄生]]して成長する」と述べている{{Sfn|海野和男|2019|p=42}}。また、八尋克郎 (1998) は「本種の幼虫は夕刻から植物上で待ち伏せし、アマガエル・シュレーゲルアオガエルなどの幼体を襲い、頭部の腹面に食いつき、これ(カエル)を摂食する」と述べている{{Sfn|八尋克郎|1998|p=93}}。}}、最終的には死に至らしめる{{Efn2|小型のカエルの場合は骨まで溶かして食べてしまう{{Sfn|見山博|2008|p=79}}。}}{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。野外観察・飼育により本種の生活史を調査した立川周二・椎名正巳 (1988) {{Efn2|同著者らは1983年に[[千葉県]][[東金市]]の水田地帯でアマガエルの幼体を捕食するゴミムシの幼虫を発見し、それから本種の生活史を調査していた{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。}}は「幼虫はカエル以外の昆虫類・小動物を与えても全く摂食しなかったほか、わずかに[[鶏肉]]・[[豚肉]]に食いついたが、発育しなかった」と述べている{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。幼虫は通常、土壌中で脱皮し{{Sfn|笹川幸治|2017|p=169}}、(室内飼育の場合は)卵から[[羽化]]まで約1か月を要する{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。
幼虫は夕刻から植物上でカエル類の幼体を待ち伏せ、獲物に襲いかかる{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。そして発達した大顎で獲物の頭部の腹面に食いつき、[[寄生虫|外部寄生虫]]のように獲物を摂食し{{Efn2|[[海野和男]] (2019) はこの生態について「アマガエルに[[寄生|外部寄生]]して成長する」と述べている{{Sfn|海野和男|2019|p=42}}。また、八尋克郎 (1998) は「本種の幼虫は夕刻から植物上で待ち伏せし、アマガエル・シュレーゲルアオガエルなどの幼体を襲い、頭部の腹面に食いつき、これ(カエル)を摂食する」と述べている{{Sfn|八尋克郎|1998|p=93}}。}}、最終的には死に至らしめる{{Efn2|小型のカエルの場合は骨まで溶かして食べてしまう{{Sfn|見山博|2008|p=79}}。}}{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。野外観察・飼育により本種の生活史を調査した立川周二・椎名正巳 (1988) {{Efn2|同著者らは1983年に[[千葉県]][[東金市]]の水田地帯でアマガエルの幼体を捕食するゴミムシの幼虫を発見し、それから本種の生活史を調査していた{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。}}は「幼虫はカエル以外の昆虫類・小動物を与えても全く摂食しなかったほか、わずかに[[鶏肉]]・[[豚肉]]に食いついたが、発育しなかった」と述べている{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。幼虫は通常、土壌中で脱皮し{{Sfn|笹川幸治|2017|p=169}}、(室内飼育の場合は)卵から[[羽化]]まで約1か月を要する{{Sfn|立川周二|椎名正巳|1988|p=35}}。

== 保全状況 ==
本種はゴミムシ類としては体が大きいため<ref name="千葉県RDB"/>、生息環境にはある程度の面積が必要と考えられている<ref name="香川県"/>。[[レッドデータブック (環境省)|レッドデータブック]]・[[レッドリスト]]に掲載されている都道府県は以下の通り。
* [[近危急種|準絶滅危惧]] (NT) - [[千葉県]]{{Efn2|本種は千葉県のレッドデータブック (2011) およびレッドリスト (2019) では「一般保護生物」 (D) に選定されているが<ref name="千葉県RDB"/><ref name="千葉県RL"/>、これは[[国際自然保護連合|IUCN]]版[[レッドリスト]]における「Near Threatened (NT) 」および[[レッドデータブック (環境省)|環境省版レッドデータブック]])における「準絶滅危惧 (NT) 」ランクに相当する
<ref>{{Cite book|和書|title=千葉県の保護上重要な野生生物-千葉県レッドデータブック- 動物編 2011年改訂版|publisher=千葉県環境生活部自然保護課|date=2011-03|author=千葉県生物多様性センター|editor=千葉県レッドデータブック改訂委員会|url=http://www.bdcchiba.jp/endangered/rdb-a/rdb-2011re/rdb-201102hazime.pdf#page=8|format=PDF|page=8|chapter=表1.レッドデータカテゴリーの対応|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160914015400/http://bdcchiba.jp/endangered/rdb-a/rdb-2011re/rdb-201102hazime.pdf|archivedate=2016-09-14}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.bdcchiba.jp/cooperation/kigyou/seminar/pdf/130912seminar11pp2.pdf#page=7|title=第11回 企業と生物多様性セミナー 千葉県レッドデータブックについて 千葉県生物多様性センター|accessdate=2020-10-16|publisher=千葉県環境生活部自然保護課|author=萩野康則|date=2013-09-12|format=PDF|website=千葉県生物多様性センター|page=7|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201016102712/http://www.bdcchiba.jp/cooperation/kigyou/seminar/pdf/130912seminar11pp2.pdf#page=7|archivedate=2020-10-16}}</ref>。}}<ref name="千葉県RDB">{{Cite book|和書|title=千葉県の保護上重要な野生生物-千葉県レッドデータブック- 動物編 2011年改訂版|publisher=千葉県環境生活部自然保護課|date=2011-03|author=山﨑秀雄|editor=千葉県レッドデータブック改訂委員会|url=https://web.archive.org/web/20201007192340/http://www.bdcchiba.jp/endangered/rdb-a/rdb-2011re/rdb-201108insect.pdf#page=115|format=PDF|page=305|chapter=昆虫類|author2=宮内博至|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201007192340/http://www.bdcchiba.jp/endangered/rdb-a/rdb-2011re/rdb-201108insect.pdf|archivedate=2020-10-16}}</ref><ref name="千葉県RL">{{Cite book|和書|title=千葉県の保護上重要な野生生物 千葉県レッドリスト動物編 2019年改訂版|publisher=千葉県環境生活部自然保護課(編集・発行)|date=2019-03-01|url=http://www.bdcchiba.jp/endangered/2019/redlist2019.pdf#page=26|format=PDF|accessdate=2020-10-16|language=ja|page=28|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201016103558/http://www.bdcchiba.jp/endangered/2019/redlist2019.pdf|archivedate=2020-10-16}}</ref>・[[奈良県]]{{Efn2|奈良県のレッドデータブック (2017) では「希少種」に選定されているが<ref name="奈良県RDB"/>、これは環境省カテゴリーでは「準絶滅危惧」に相当する<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.nara.jp/3163.htm|title=カテゴリー区分|accessdate=2020-10-16|publisher=奈良県|website=奈良県公式ホームページ|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201016105301/http://www.pref.nara.jp/3163.htm|archivedate=2020-10-16}}</ref>。}}<ref name="奈良県RDB">{{Cite book|title=大切にしたい奈良県の野生動植物 : 奈良県版レッドデータブック 2016改訂版|publisher=奈良県くらし創造部景観・環境局景観・自然環境課|date=2017-03-01|author=奈良県レッドデータブック改訂委員会|url=http://www.pref.nara.jp/secure/178458/redlist2.pdf#page=4|accessdate=2020-10-16|format=PDF|page=31|chapter=昆虫類レッドリスト(希少性の観点:絶滅種~情報不足種)|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201016102407/http://www.pref.nara.jp/secure/178458/redlist2.pdf|archivedate=2020-10-16}}</ref>・[[香川県]]<ref name="香川県"/>・[[愛媛県]]<ref name="愛媛県"/>
* 情報不足 (DD) {{Sfn|高知県|2018|p=6}} - [[高知県]]{{Sfn|高知県|2018|p=159}}
愛媛県では[[1960年代]]に水田の環境悪化(強力な[[農薬]]の多用や[[圃場整備]]・[[耕作放棄|管理放棄]]などによる乾燥化)、河川敷の開発などにより減少している<ref name="愛媛県"/>。保護対策としては湿潤地(水田・池沼・河川)の草原を保護することが適切とされる<ref name="千葉県RDB"/>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2024年8月18日 (日) 01:25時点における版

オオキベリアオゴミムシ
オオキベリアオゴミムシ Chlaenius nigricans
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : オサムシ亜目(食肉亜目) Adephaga
上科 : オサムシ上科 Caraboidea
: オサムシ科 Carabidae
亜科 : アオゴミムシ亜科[注 1] Callistinae[1][2]
: アオゴミムシ族[注 1] Callistini[1]
: Chlaenius
亜属 : Epomis[3]
: オオキベリアオゴミムシ C. nigricans
学名
Chlaenius nigricans
Wiedemann1821[4]
シノニム
  • Chlaenius culminatus Bates, 1873[4]
  • Chlaenius rugicollis (LaFerté-Sénectère, 1851)[4]
  • Epomis nigricans (Wiedemann, 1821)[4]
  • Epomis rugicollis LaFerté-Sénectère, 1851[4]
和名
オオキベリアオゴミムシ[5]
英名
Epomis nigricans

オオキベリアオゴミムシ(大黄縁青芥虫[6]Chlaenius nigricans)は、コウチュウ目(鞘翅目)オサムシ科[注 1]に分類される昆虫ゴミムシ)の一種[8]肉食性で、幼虫カエル[注 2]を襲い捕食する[9]ほか、成虫もカエル[注 3][10][11]ミミズ・昆虫などを捕食する[12]。このように、カエルを捕食する本種の生態はゴミムシ類では特殊なものとされる[13]

本種はアオゴミムシ Chlaenius pallipes Gebler と同[14]Chlaenius 属 (Bonelli, 1810) の亜属である Epomis 亜属[注 4] (Bonelli, 1810) に属する[19]Epomis 亜属は成虫・幼虫とも両生類を捕食し[20]、幼生が外部寄生的な方法で無尾類(カエル)のみを食べている種も含まれる[19]

特徴

成虫

成虫の体長は21 mm内外[5]、もしくは19.5 - 22 mm[21]。体色は黒色だが、体上面(背側)は緑色 - 銅緑色で金属光沢がある[注 5][14]。上翅は暗緑の金属色を帯び[16]、光線によっては紫色に輝く[14]

触角は細長く[15]、触角・口枝・上翅鞘翅)と腹部の腹部外縁は黄褐色[注 6][16]、頭部(中央部以外)には点刻・しわがある[5]。前胸背には粗い点刻があり[5]、その側縁が後部で波曲する[注 7]。また前胸の後角は丸みがかかり[15]、後部両側には深い窪みがある[16]。上翅の条溝は狭く[15]、上翅の間室が稜状に隆起し、頂縁はやや紫がかっているほか、両側には粗い点刻の列がある[16]。また口ひげの末端節は先端が広がり、オスの場合は強く開いて斧型になる[15]

幼虫

1齢幼虫は淡黄色ないし黒色で[22]、体色の変異性は[23]、本種と同属のオウシュウオオキベリアオゴミムシ[注 8][3] Chlaenius circumscriptus (Epomis circumscriptus) [3][24]や、 Chlaenius dejeani (Epomis dejeani) [注 9][注 10]の1齢幼虫に比べて顕著であるが、色の範囲は頭部と前胸部のみに限られる[23]。ただし、これら3種の2齢幼虫および3齢幼虫の体色の変異性は類似している[23]

3齢幼虫(終齢幼虫)は体長約18 mmで、体はやや太短い[26]。頭幅は約2.8 mm[26]。頭部 - 腹部の背面は橙黄色で、各節に著しい黒褐色の斑紋[注 11]を有する[26]。触角は基部2節が黒褐色を帯びるが、第1節の背面基部近くと第3・4節は常に淡色[26]。大顎は幅広くて強く湾曲し、内縁のほぼ中央部に歯がある[26]。腹部の側板・腹板と足は黄白色[26]。尾突起は長さ約3.6 mm・褐色(基部は淡黄色)で、鞭毛状(基部は可動)になっている[26]

分布

日本北海道本州四国九州[5]石垣島[注 12][11])および朝鮮半島台湾中国東南アジアインドに分布する[注 13][5]

生態

平地 - 低山地にかけて生息し[16]草原的な環境(湿地河川敷休耕田など)に幅広く生息する[注 14][21]

成虫は年1化性[28]。成虫はほぼ1年中見られ[注 15][16]、日中は石・落ち葉の下などにいて、夜になると活発に活動する[27]。また、灯火にもよく飛来する[21](正の走光性)。食性については「幼虫と同じくカエル類を捕食する」との報告がある[注 3][13]ほか、ミミズ・昆虫など広い範囲の小動物を捕食する[12]。成虫は土・朽ち木の中で越冬する[注 16][21]

メス成虫は産卵後、を泥で包んで土の上に置く[30]。卵は約6日で孵化[23]、幼虫は夏季に土中から見い出される[注 17][26]。幼虫は小さなカエル[注 2]オタマジャクシなどを捕食する[34]。この独特の生態は愛媛大学教授・石原保が発見したもので[35]、幼虫は各齢期間に1匹ずつカエルを捕食しながら発育し(下記表を参照)[12]、成虫になるまでにカエルを約3匹捕食する[9]

1齢幼虫 2齢幼虫 3齢幼虫(終齢幼虫)
平均幼虫期間[23] 5.5日[23] 4.5日[23] 12日[23]
カエルを摂食するために要する期間[12] 約3日間[12] 約1日間[12] 約半日間[12]

幼虫は夕刻から植物上でカエル類の幼体を待ち伏せ、獲物に襲いかかる[12]。そして発達した大顎で獲物の頭部の腹面に食いつき、外部寄生虫のように獲物を摂食し[注 18]、最終的には死に至らしめる[注 19][12]。野外観察・飼育により本種の生活史を調査した立川周二・椎名正巳 (1988) [注 20]は「幼虫はカエル以外の昆虫類・小動物を与えても全く摂食しなかったほか、わずかに鶏肉豚肉に食いついたが、発育しなかった」と述べている[12]。幼虫は通常、土壌中で脱皮し[23]、(室内飼育の場合は)卵から羽化まで約1か月を要する[12]

脚注

注釈

  1. ^ a b c 上野俊一 (1985) は本種をアオゴミムシ亜科 Callistinae のアオゴミムシ族 Callistini に分類している[1]。一方、丸山宗利 (2016) は、同属のオウシュウオオキベリアオゴミムシ Chlaenius circumscriptus (Epomis circumscriptus) ゴモクムシ亜科 Harpalinae に分類しており[3]、丸山 (2016) が分類の典拠とした Bouchard et al. (2011) では Chlaenius 属を ゴモクムシ亜科の Chlaeniini 族に分類している[7]
  2. ^ a b 幼虫はニホンアマガエル[31]シュレーゲルアオガエル[12][32]ツチガエル[33]ニホンヒキガエル Bufo japonicusトノサマガエル Pelophylax nigromaculatus を捕食した記録がある[22]
  3. ^ a b 平井 (2006) は「オオキベリアオゴミムシの成虫(全長21.4 mm)が自分よりはるかに大きなトノサマガエルの幼体(頭胴長36.0 mm)を襲ったが、トノサマガエルは抵抗どころか身動きさえままならなかった」と述べているほか[10]、石垣島ではオオヒキガエルへの摂食行動が確認されている[11]
  4. ^ Epomis を独立した属として分類し[3]、本種に Epomis nigricans の学名を当てる場合もある[15][16][5]。同亜属はユーラシア大陸アフリカに約30種が分布する[3]。上野俊一 (1985) によれば、日本産のアオゴミムシ族 Callstini は[17] Epomis 属や[15]、アオゴミムシが属する Chlaenius 属[18]を含む6属に分類されるが、取り扱い方は特徴の捉え方により異なるため、属・亜属の分類は必ずしも容易ではなく、多くの種で再検討が必要とされている[17]
  5. ^ 頭胸背は緑 - 赤銅色に光る[5]
  6. ^ 上野 (1985) は「上翅の第8条から外側と、翅端部は黄色」と述べている[15]
  7. ^ 上野 (1985) は「前胸は基方へ緩く波曲して狭まる」と述べている[15]
  8. ^ オウシュウオオキベリアオゴミムシの1齢幼虫は全身で体色の変異性が認められるが、色の範囲は淡黄色 - 茶色である[23]
  9. ^ C. dejeani (Epomis dejeani) 旧北区(主に東南ヨーロッパ中東)に分布する[25]
  10. ^ Chlaenius dejeani の1齢幼虫の体色変化は腹部の1節のみに限られる[23]
  11. ^ 胸腹部の背板の斑紋は「小」の文字のような形状である[26]
  12. ^ 森本桂 (2007) は「琉球にも分布する」と述べているが[5]、竹中英雄 (2004) では琉球(南西諸島)は分布域に含まれていない[14]。しかし、阿南一穂ら (2019) は石垣島(沖縄県)における本種の生態を観察し、映像に記録している[11]
  13. ^ 上野 (1985) はセイロンも分布域に含めている[15]
  14. ^ 今井初太郎 (2016) は「平地に多く見られ、の縁・畑地・河原などに生息する」と[27]、今井 (2018) は「成虫は主に平地の河川敷・休耕田・畑地などの荒れ地に好んで生息する」と[28]、竹中 (2004) は「畑地などに多い」と述べている[14]。その一方で「生息環境は河川池沼周辺に限られる」とする報告もある[13]
  15. ^ 観察できる時期を永幡嘉之 (2017) は「5月 - 8月」と[29]、今井 (2018) は「4月 - 10月」と述べている[28]。また竹中 (2004) は「成虫は4月 - 10月に出現する」と述べている[14]
  16. ^ 森正人 (2013) は「冬季は林縁部などの崖から得られる」と述べている[13]
  17. ^ 幼虫の生息場所・発育期間はともに、多数のカエルの幼体が上陸する場所・時期と一致している[12]
  18. ^ 海野和男 (2019) はこの生態について「アマガエルに外部寄生して成長する」と述べている[36]。また、八尋克郎 (1998) は「本種の幼虫は夕刻から植物上で待ち伏せし、アマガエル・シュレーゲルアオガエルなどの幼体を襲い、頭部の腹面に食いつき、これ(カエル)を摂食する」と述べている[32]
  19. ^ 小型のカエルの場合は骨まで溶かして食べてしまう[35]
  20. ^ 同著者らは1983年に千葉県東金市の水田地帯でアマガエルの幼体を捕食するゴミムシの幼虫を発見し、それから本種の生活史を調査していた[12]

出典

  1. ^ a b c 上野俊一 1985, pp. 155–156.
  2. ^ 森本桂 2007, p. 50.
  3. ^ a b c d e f 丸山宗利 2016, p. 87.
  4. ^ a b c d e Chlaenius nigricans Wiedemann, 1821”. GBIF. 2020年6月11日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i 森本桂 2007, p. 51.
  6. ^ 日外アソシエーツ 2009, p. 141.
  7. ^ Patrice Bouchard, Yves Bousquet, Anthony E. Davies, Miguel A. Alonso-Zarazaga, John F. Lawrence, Chris H. C. Lyal, Alfred F. Newton, Chris A. M. Reid, Michael Schmitt, S. Adam Ślipiński, and Andrew B. T. Smith (2011). “Family-group names in Coleoptera (Insecta)”. ZooKeys, Issue 88, Pages 1-972.
  8. ^ 森本桂 2007, pp. 50–51.
  9. ^ a b 小樽市博物館 1994, pp. 18, 20.
  10. ^ a b 平井利明 2006, p. 100.
  11. ^ a b c d 阿南一穂,秋田耕佑,景山武幸,戸金大「オオキベリアオゴミムシのオオヒキガエルへの摂食行動」『動物行動の映像データベース』2019年10月20日、2020-03-10。オリジナルの2020年6月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200615133346/http://movspec.mus-nh.city.osaka.jp/ethol/showdetail.php?movieid=momo200307rm01b2020年6月15日閲覧  - 『動物行動の映像データベース』は日本動物行動学会および、同学会が発行する国際誌『Journal of Ethology』と連携している(参照)。
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m n 立川周二 & 椎名正巳 1988, p. 35.
  13. ^ a b c d 森正人 2013, p. 17.
  14. ^ a b c d e f 竹中英雄 2004, p. 36.
  15. ^ a b c d e f g h i 上野俊一 1985, p. 156.
  16. ^ a b c d e f g 学研 1990, p. 198.
  17. ^ a b 上野俊一 1985, p. 155.
  18. ^ 上野俊一 1985, p. 157.
  19. ^ a b 笹川幸治 2017, p. 167.
  20. ^ Wizen & Gasith 2011, Abstract.
  21. ^ a b c d 藤本博文 (2004年3月). “オオキベリアオゴミムシ:香川県レッドデータブック”. 香川県 公式ウェブサイト. 香川県. 2020年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月11日閲覧。 - 『香川県レッドデータブック』(2004年3月刊行)より
  22. ^ a b 笹川幸治 2017, pp. 168–169.
  23. ^ a b c d e f g h i j k 笹川幸治 2017, p. 169.
  24. ^ Wizen & Gasith 2011, Introduction.
  25. ^ Gil Wizen、Claudia Drees、Avital Gasith「Distribution of two Epomis species (Carabidae, Chlaeniini) in Israel, with notes on their habitat」(PDF)『Israel Journal of Entomology』第41巻、The Entomological Society of Israel、イスラエルの旗 イスラエル、2012年、96頁、 オリジナルの2020年10月12日時点におけるアーカイブ、2020年10月12日閲覧 
  26. ^ a b c d e f g h i 黒佐和義 1973, p. 409.
  27. ^ a b 今井初太郎 2016, p. 171.
  28. ^ a b c 今井初太郎 2018, p. 189.
  29. ^ 永幡嘉之 2017, p. 94.
  30. ^ 笹川幸治 2017, pp. 167–168.
  31. ^ 小樽市博物館 1994, p. 18.
  32. ^ a b 八尋克郎 1998, p. 93.
  33. ^ 三宅武「ツチガエルを襲うオオキベリアオゴミムシの幼虫」『二豊のむし』第46号、大分昆虫同好会、日本の旗 日本大分県由布市、2008年2月15日、74頁。  - 大分昆虫同好会の会誌(創刊:1976年11月)。大分県立図書館(大分県大分市)に蔵書あり。
  34. ^ 酒井雅博 (2014年10月). “オオキベリアオゴミムシ:愛媛県レッドデータブック”. 愛媛県 公式ウェブサイト. 愛媛県. 2020年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月11日閲覧。 - 『愛媛県レッドデータブック』(2014年10月刊行)より
  35. ^ a b 見山博 2008, p. 79.
  36. ^ 海野和男 2019, p. 42.

参考文献

関連項目