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「ユーロシティ」の版間の差分

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[[画像:EuroCity.png|thumb|ユーロシティのロゴ]]
[[File:SBB_EC_Logo.svg|thumb|300x300px|ユーロシティのロゴ]]
[[File:SBB ETR 610 Salgesch.jpg|thumb|250px|[[ジュネーヴ]]発[[ヴェネツィア]]行のユーロシティ37]]
'''ユーロシティ'''(EuroCity、略称・EC)は[[ヨーロッパ]]における国際列車の一種別である。[[1987年]]5月の欧州[[ダイヤグラフ|ダイヤ改正]]で登場した。ユーロシティは[[TEE]]とは異なり、全車全席一等を原則としておらず、[[インターシティ]]列車の国際列車版的な性格がある。その一方でTEE列車同様に、原則として次の条件を満たすことが必要とされている。
'''ユーロシティ'''(EuroCity, 略称 EC)は[[ヨーロッパ]]における[[国際列車]]の[[列車種別]]である。「ヨーロッパ都市間特急」などとも訳される。主要駅にのみ停車する[[優等列車]]であるが、一般に最高速度は200km/h以下であり、[[ICE]]などの[[高速鉄道|高速列車]]の運行されている国ではこれらに次ぐ種別と位置づけられている。


[[TEE]]や国際[[インターシティ]]の後継といえる列車であるが、TEEとは異なり[[一等車]]と[[二等車]]の双方を連結するのが原則である。
* 一等・二等車とも[[エア・コンディショナー|エアコン]]つき
* 駅の停車時間は5分以内。運転上必要がある場合(機関車交換等)は15分以内。
* 出入国審査は走行中に行い、[[国境]]駅で長時間停車しない。
* 乗客全員が車内で食事が取れること。(できる限り[[食堂車]]を連結)
* 車掌は2ヶ国語以上を話せること(うち1つは[[英語]]、[[ドイツ語]]、[[フランス語]]のいずれか)。
* [[表定速度]]90km/h以上。(勾配区間および航送区間は除く)
* 一定以上の定時運行実績。
* [[列車愛称]]が付けられること。
* 昼間運転(6時から24時)


[[1987年]]の夏ダイヤから[[西ヨーロッパ]]で運行を開始した。当時は[[夜行列車]]のユーロシティも存在したが、[[1993年]]に[[ユーロナイト]]として分離され、以後は昼行列車のみとなった。その後[[東ヨーロッパ]]へ運行範囲を拡大する一方で、西ヨーロッパでは高速鉄道網の発達により減少傾向にある。
ただし、各国の事情により全ての基準が完全に満たされているわけではない。


なお[[オーストリア]]の[[オーストリア連邦鉄道]]では、[[1996年]]から同国内のみを走る列車にもユーロシティという種別を用いている<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable June 1996|Ref=Thomas_Cook_E|p=28}}</ref>。
各国を直通運転するため、ヨーロッパ共通規格(RIC規格)の客車を使用した列車が多い。通過する国々の客車を混結したカラフルな編成も多く見られ、国際列車らしい雰囲気を醸し出している。しかし、在来線走行時の最高速度はたいてい160~200km/h程度で、新型の[[高速鉄道]]に押されて、既に[[オランダ]]ではユーロシティ自体が消滅するなど、一部の国では縮小の傾向も見られる。また1,000kmを越える長距離列車もあるが、[[TGV]]や[[ICE]]など高速鉄道や[[航空機]]などの影響により、運転系統は分断・短縮される傾向にある。長距離運転のため、遅延も国内列車より多い。その反面で、[[1990年代]]以後は、[[東ヨーロッパ]]諸国へのネットワーク拡大が目立つ。なおTGVとICEも、[[フランス]]または[[ドイツ]]と他国にまたがる運行では、列車種別がユーロシティである場合が多い。


== 歴史 ==
[[オーストリア連邦鉄道]]では、従来のユーロシティ (EC) 以外に、リニューアル[[客車]]主体で組成された「{{lang|de|ÖBB EuroCity}}」({{lang|de|ÖEC}}) という国内[[列車]]も存在する。
=== 前史 ===
[[File:TEE Network 1974 winter.svg|thumb|1974年-75年冬のTEE網]]
{{seealso|TEE|インターシティ}}
[[西ヨーロッパ]]では[[1957年]]に[[一等車|一等]]専用の[[国際列車]]である[[TEE]]の運行が始まった。TEEは最盛期の1974年冬ダイヤ期間には45往復(うち国際列車30往復)が運行され、11ヶ国を結んでいた<ref>{{Harvnb|Mertens|Malaspina|2007|pp=22-25}}</ref>。


しかし[[1970年代]]になると国際列車でも[[二等車]]の需要が増え、TEEの中にも二等車を含む通常の特急・急行列車に置き換えられるものが現れた。[[1979年]]には[[西ドイツ]]の国内列車である[[インターシティ (ドイツ)|インターシティ]]がすべて二等車を連結するようになり、元TEEであった国際列車の一部も西ドイツ国内ではインターシティ扱いされるようになった<ref name="TE2_IC80">{{harvnb|Malaspina|2006|pp=16-19}}</ref>。
== 関連項目 ==


[[1980年]]6月1日のダイヤ改正から国際列車に対しても「インターシティ」の種別名が用いられるようになり、18往復の国際インターシティとされた<ref name="TE2_IC80" />。その後も国際インターシティの新設やTEEから国際インターシティへの置き換えが進んだ。また[[1984年]]1月22日には[[フランス]]の[[パリ]]と[[スイス]]の[[ジュネーヴ]]、[[ローザンヌ]]を結ぶ国際[[TGV]]がインターシティ扱いされるようになった<ref>{{Harvnb|Malaspina|2006|p=26}}</ref>。
* [[インターシティ]]

[[1986年]]冬ダイヤでは53往復の国際インターシティがあり、うち9往復はTGVであった。このとき国際TEEは4往復にまで減少していた<ref>{{Harvnb|Malaspina|2006|p=28}}</ref>。

=== ユーロシティの発足 ===
[[File:Eurocity Network 1987 summer.svg|thumb|250px|1987年夏ダイヤにおけるユーロシティ網。<br />
緑 : ユーロシティ(昼行在来線列車)<br />
橙 : ユーロシティとして扱われる国際TGV<br />
青 : ユーロシティ(夜行)<br />
赤 : 国際TEE<br />
灰色 : 国際インターシティ]]
[[1987年]][[5月31日]]のダイヤ改正で、TEEや国際インターシティに代わる新たな種別としてユーロシティが発足した。種別名は当初EuroCity([[英語]])、EuroCité([[フランス語]])、EuroCitta([[イタリア語]])の3原語を併記する案もあったが、EuroCityの単独表記とされた<ref name="TE2_EC1987">{{Harvnb|Malaspina|2006|pp=34,40-41}}</ref>。

列車がユーロシティとされるためには、以下のような条件を満たす必要があった。
* 一等車、二等車とも[[空調]]設備を備える<ref name="TE2_normes">{{Harvnb|Malaspina|2006|p=34}}</ref><ref name="BE_EC">{{Harvnb|Pillmann|THD|2008|pp=36-37|Ref=BE_IC_91}}</ref>。
* [[食堂車]]を連結する<ref name="TE2_normes" /><ref name="BE_EC" />。
* 夜行列車の場合は[[寝台車 (鉄道)|寝台車]]と[[クシェット]](簡易寝台)車のみで座席車は連結しない<ref>{{Harvnb|Thomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987|Ref=Thomas_Cook_C|p=63}}</ref>。
* [[表定速度]]は90km/h以上<ref name="TE2_normes" />。ただし[[山岳路線]]では80km/hまで緩和される<ref name="BE_EC" />。
* 主要な都市にのみ停車し、[[スイッチバック|方向転換]]が行なわれる場合を除き停車時間は5分以下<ref name="TE2_normes" />。
* [[真夜中]]から午前6時までは客扱いを伴う[[停車 (鉄道)|停車]]をしない<ref name="TE2_normes" />。
* 乗務員と停車駅の駅員は二か国語以上を話せること<ref name="TE2_normes" />。
* [[国境]]通過時の[[出入国管理]]や[[税関]]検査は車内で走行中に行なわれること。ただし国境駅を起終点とする場合はこの限りではない<ref name="TE2_normes" />。
* 動力は可能な限り多電源対応の[[電気機関車]]を用い、国境での機関車交換を不要とする<ref name="TE2_normes" />。
* 通常の[[運賃]]のほか、[[特急料金]]を徴収する<ref name="BE_EC" />。
* 沿線に因んだ[[列車名]]をつける<ref name="BE_EC" />。

ただしすべての条件が必ずしも満たされていたわけではなく、昼行列車のおよそ4割が表定速度90km/h未満であった<ref name="TE2_EC1987" />。また停車時刻についても、6時以前に発車したり24時以降に終着駅に到着する昼行列車があり、夜行列車でも深夜に客扱いを行なうものがあった<ref>{{Harvnb|Thomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987|Ref=Thomas_Cook_C|loc=table 10A - 10Z, 25, 29, 34, 37, 40, 59, 73}}</ref>。

1987年夏ダイヤで運行されていたユーロシティは64往復で、うち7往復は[[夜行列車]]であった。これらの列車は13ヶ国([[イギリス]]、[[イタリア]]、[[オーストリア]]、[[オランダ]]、[[スイス]]、[[スウェーデン]]<ref group="注釈" name="EC87_night">夜行列車のみ</ref>、[[スペイン]]、[[デンマーク]]、[[西ドイツ]]、[[ノルウェー]]<ref group="注釈" name="EC87_night"/>、[[フランス]]、[[ベルギー]]、[[ルクセンブルク]])のおよそ200の都市を結んでいた<ref name="TE2_EC1987" />。

昼行ユーロシティの多くは国際インターシティから変更されたものであるが、新たに設定された列車や、インターシティではない特急・急行列車からユーロシティになった列車もある。[[パリ]] - [[ブリュッセル]]間の「ルーベンス」、「イル・ド・フランス」はTEEからユーロシティになった列車であり、ユーロシティ化後も一等車のみの編成であった。この時のダイヤ改正でTEE[[ラインゴルト (列車)|ラインゴルト]]([[アムステルダム]] - [[バーゼル]])は廃止されており、国際TEEとして残ったのは[[ゴッタルド (列車)|ゴッタルド]]のみとなっていた<ref name="TE2_EC1987" />。

なおすべての国際インターシティがユーロシティになったわけではなく、[[モン・スニ (列車)|モン・スニ]]([[リヨン]] - [[ミラノ]])、[[リーグレ (列車)|リーグレ]](ミラノ - [[マルセイユ]])、ノルトプライン([[ハンブルク]] - [[フレゼリクスハウン]])の3往復はインターシティのままであった<ref name="TE2_EC1987" />。

=== 東ヨーロッパへの拡大 ===
[[File:EC 370 at Mlčechvosty tunnel.jpeg|thumb|チェコ国内を走るユーロシティ(2005年)]]
ユーロシティの誕生した1987年は[[東欧革命]]以前であり、ユーロシティは[[西側諸国|西側]]ブロック(ただしスイスとオーストリアも含む)でのみ運行されていた。しかし[[1988年]]夏にはEC「レハール」([[ウィーン]] - [[ブダペスト]])が[[ハンガリー]]に乗り入れた<ref name="TE2_88">{{Harvnb|Malaspina|2006|pp=41-42}}</ref><ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable June 1988|Ref=Thomas_Cook_E|p=5}}</ref>。

東欧革命後、[[1991年]]夏ダイヤ改正でEC「アントニン・ドヴォルザーク」(ウィーン - [[プラハ]])により[[チェコスロバキア]]<ref group="注釈">当時は[[チェコ]]と[[スロバキア]]の分離([[ビロード離婚]])前。</ref>がユーロシティ網に加わるとともに、[[パリ]] - [[フランクフルト・アム・マイン]]間の列車であった「ギュスターヴ・エッフェル」、「ハインリッヒ・ハイネ」が[[ドレスデン]]まで延長され、旧[[ドイツ民主共和国|東ドイツ]]地域にユーロシティが乗り入れた<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable June 1991|Ref=Thomas_Cook_E|p=507}}</ref>。[[1992年]]夏にはEC「{{仮リンク|ベロリナ (列車)|en|Berolina (train)|label=ベロリナ}}」([[ベルリン]] - [[ワルシャワ]])、「ミマラ」([[ミュンヘン]] - [[リュブリャナ]] - [[ザグレブ]])が新設され[[ポーランド]]、[[スロベニア]]、[[クロアチア]]にユーロシティが乗り入れた<ref name="TE2_est">{{Harvnb|Malaspina|2006|p=42}}</ref>。

さらに[[1993年]]夏ダイヤ改正でも中央・東ヨーロッパに新たなユーロシティが多数生まれた<ref name="Cook_1993new">{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable June 1993|Ref=Thomas_Cook_E|p=3}}</ref>。中でも「ウィンドボナ」(ベルリン - プラハ - ウィーン)と「ハンガリア」([[ハンブルク]] - ベルリン - プラハ - ブダペスト)は、元は[[冷戦]]時代には[[TEE]]に対抗して運行されていた[[東側諸国|東側]]ブロックの国際急行列車であった<ref name="TE2_est" /><ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|p=166}}</ref>。

=== サービスの変遷 ===
ユーロシティは発足時には一つの系統につき1から数往復程度の運行であったが<ref name="TE2_87table">{{Harvnb|Malaspina|2006|p=35}}</ref>、後には国境を挟む主要区間で2時間間隔などの等間隔ダイヤを導入する例も現れ、例えば[[アムステルダム]] - [[ケルン]]間のユーロシティは1991年夏から2時間間隔となった<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|p=99}}</ref>。一方でサービスが簡素化され、[[食堂車]]が廃止されて[[車内販売]]のみとなった列車も存在する<ref name="Hashizume">[[#Hashizume|橋爪 2010 「ユーロシティ」]]</ref>。

また、[[2000年代]]に入ると[[列車名]]のないユーロシティも現れた。例えば[[パリ]] - [[フランクフルト・アム・マイン]]系統では2003年にユーロシティから列車名が外された<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable December 2003|Ref=Thomas_Cook_C|p=28}}</ref>。[[TEE]]以来の伝統を持つ列車名も多くが消滅した<ref name="MM_2000">{{Harvnb|Mertens|Malaspina|2007|p=43}}</ref>。

=== 高速鉄道による置き換え ===
[[File:Bruxelles-Midi 0005.jpg|thumb|[[ブリュッセル南駅]]に停車するICEとタリス]]
1987年のユーロシティ発足当時は、[[フランス]]と[[スイス]]を結ぶ国際[[TGV]]もユーロシティの一部として位置づけられていた。しかし[[1992年]]に運行を始めた[[ドイツ]]・スイス間の[[ICE]]はユーロシティとはされず、二国間のユーロシティを置き換えていった<ref name="#1">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=84-88}}</ref><ref name="TE2_95">{{Harvnb|Malaspina|2006|pp=50-51}}</ref>。TGVについても[[1995年]]に運行を始めた[[パリ]] - [[ブリュッセル]]系統などはユーロシティとはされず、これを引き継いだ[[タリス]]もユーロシティとは別の種別である<ref name="TE2_95" /><ref name="Hashizume" />。ただし[[1996年]]運行開始のフランス・[[イタリア]]間のTGV(2000年より「[[アルテシア]]」のブランド名を使用)はユーロシティとされ<ref>{{harvnb|Malaspina|2005|p=78}}</ref>、2010年現在においても"EuroCity Artesia"と表記されることがある<ref>{{Cite web
|url=http://www.trenitalia.com/cms/v/index.jsp?vgnextoid=9bd599e8e609a110VgnVCM1000003f16f90aRCRD
|title=To Paris by the Artesia Trains
|publisher=[[トレニタリア]]
|language=英語
|accessdate=2010-12-18
}}</ref>。

このほか[[1996年]]からスイス・[[イタリア]]間で運行を始めた[[振り子式車両]][[ペンドリーノ]]使用の[[チザルピーノ]]もユーロシティとは別に位置づけられていた<ref group="注釈">ただしチザルピーノ社が2004年から運行を担当した[[客車]]列車はユーロシティであった。</ref><ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|p=118}}</ref><ref name="Hashizume_CIS">[[#Hashizume_CIS|橋爪 2010 「ユーロシティ(イタリア-スイス)」]]</ref>。ただし同様にペンドリーノで運行されていた[[チェコ]]・オーストリア間や[[スロベニア]]・イタリア間の列車(いずれも2010年現在は廃止)はユーロシティであった<ref name="TE2_act">{{Harvnb|Malaspina|2006|pp=53-55}}</ref>。また、[[2008年]]に[[オーストリア]]で導入された[[レイルジェット]]も周辺国との間のユーロシティを置き換えつつある<ref name="Akiyama_RJ">[[#Akiyama_RJ|秋山 2010 「レイルジェット」]]</ref>。

また、一部区間が[[TGV]]で置き換えられて区間が短縮されるとともにユーロシティから格下げされた[[カタラン・タルゴ]]のような例もある<ref name="TE2_95" />。これらの影響で、[[西ヨーロッパ]]からはユーロシティが姿を消しつつある。2010年時点では、ユーロシティの残っているのは[[中欧]]諸国のほかは高速化から取り残された系統が主になっている<ref name="Hashizume" />。すでに[[イギリス]]、[[スペイン]]、[[オランダ]]にはユーロシティが存在せず、[[フランス]]では東部の一部に残るのみである。

== 車両 ==
ユーロシティのほとんどは[[電気機関車]]の牽引する[[客車]]列車である。使用される客車は一般に各国の[[インターシティ]]またはこれに相当する[[優等列車]]用の客車である。複数の国の客車を混結した編成が用いられることもある<ref name="Hashizume" /><ref name="TE2_act" />。

少数ながら[[電車]]や[[気動車]]によるユーロシティも存在する。用いられている車両は以下の通り。
* [[デンマーク国鉄IC3型気動車|IC3型気動車]]([[デンマーク国鉄]]) : [[ハンブルク]] - [[コペンハーゲン]]間のユーロシティで使用<ref name="TE2_act" /><ref name="Hashizume_Vogel">[[#Hashizume_Vogel|橋爪 2010 「北欧・渡り鳥ルート」]]</ref>。
* [[チザルピーノETR610電車|ETR610型/RABe503形電車]](スイス連邦鉄道、トレニタリア) : ペンドリーノの一つで2009年からイタリア・スイス間のユーロシティに用いられている。元はチザルピーノ向けに製造されていた車両であるが、本格的な運行開始はチザルピーノの廃止後である<ref name="Hashizume_CIS" />。RABe503形は2014年からスイス国鉄が導入している増備形。
また[[TGV Sud-Est]]および[[TGV Réseau]]を用いる[[パリ]]と[[ジュネーヴ]]、[[ミラノ]]の間の国際TGVもユーロシティとみなされる<ref name="TE2_act" />。
<gallery>
File:Panoramarijtuig SBB Utrecht.jpg|ユーロシティに使用されるスイス連邦鉄道の一等展望客車
File:DSB IC3 Fred.JPG|IC3
File:SBB ETR 610 Salgesch.jpg|ETR610
</gallery>

過去にユーロシティに用いられていた電車には以下がある。
* ペンドリーノ
** [[チェコ鉄道680系電車|ETR680型電車]]([[チェコ鉄道]]) : [[2005年]]から[[プラハ]]と[[ウィーン]]の間で用いられた。この列車はチェコにおいては[[スーパーシティ]]の種別を称するが、ユーロシティとしても扱われた<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=132-134}}</ref><ref name="TE2_act" /><ref name="Hashizume_SC">[[#Hashizume_SC|橋爪 2010 「スーパーシティ」]]</ref>。2010年12月から同系統では用いられなくなった<ref name="Cook_2010new">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|p=3}}</ref><ref group="注釈">2010年12月からETR680はプラハ - [[ブラチスラヴァ]]間の国際スーパーシティに用いられているが、これがユーロシティとしても扱われるかは時刻表に記載がない。</ref>。
** [[スロベニア鉄道310系電車|ETR310型電車]]([[スロベニア鉄道]]) : [[2003年]]から[[リュブリャナ]] - [[ヴェネツィア]]間のユーロシティ「カサノヴァ」に用いられたが、2010年現在は国内列車のみで用いられている<ref name="Akiyama_ICS">[[#Akiyama_ICS|秋山 2010 「インターシティ・スロヴェニア」]]</ref><ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=129-131}}</ref>。
** [[チザルピーノETR470電車|ETR470型電車]]([[スイス連邦鉄道]]、[[トレニタリア]]) : [[フィアット]]社(のちに鉄道車両部門は[[アルストム]]に売却)の[[振り子式車両]][[ペンドリーノ]]シリーズの一つで、[[スイス]]と[[イタリア]]の間のユーロシティに[[2015年]]まで用いられていた。元はこの車両による列車は[[チザルピーノ]]という種別であったが、2009年からユーロシティとされた<ref name="Hashizume_CIS" />。
* その他
** [[スイス国鉄RAe TEE II形電車|RABe EC形電車]](スイス連邦鉄道) : TEE用の電車であったRAe TEE<sup>II</sup>形電車の一部を[[二等車]]に改造してユーロシティ用としたもので、[[1989年]]から[[1994年]]まで[[ジュネーヴ]] - [[ミラノ]]間、[[チューリッヒ]] - ミラノ間、チューリッヒ - [[シュトットガルト]]間などのユーロシティに用いられた。
** 4010系電車([[オーストリア連邦鉄道]]) : [[1965年]]製造の電車で元は「トランザルピン」などの電車急行(Triebwagen Schnellzug)用であった。[[1991年]]から[[1994年]]までユーロシティ「マックス・ラインハルト」([[ウィーン]] - [[ミュンヘン]])と「ヨハネス・ケプラー」([[リンツ]] - [[フランクフルト・アム・マイン]])で用いられた<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=184-185}}</ref>。
<gallery>
File:Elektrická jednotka 680, Praha hlavní nádraží.jpg|ETR680
File:SŽ 310 series EMU (04).JPG|ETR310
File:ETR 470 MIChiasso.jpg|ETR470
File:Graue Maus in Bern.jpg|RABe EC
File:4010019 Muerzzuschlag.jpg|4010系
</gallery>

== 料金・座席指定 ==
ユーロシティの利用には[[運賃]]のほか[[特急料金]]が必要である。ただし[[ユーレイルパス]]などの鉄道パスは特急料金分も含んでいる。座席の指定にはこのほか指定料金が必要である。[[ポーランド]]においてはユーロシティは全車指定席となっており予約が必須である<ref name="Arukikata_fare">{{Harvnb|「ヨーロッパ鉄道の旅」|pp=156-157|Ref=Arukikata}}</ref>。

[[イタリア]]発着のユーロシティと[[ベルリン]] - [[ワルシャワ]]間の「[[ベルリン-ワルシャワエクスプレス]]」は[[包括運賃]]制度を採用しており、予約が必須であり切符の購入時期などによって料金が変わる<ref name="Arukikata_fare" />。

== 主な系統 ==
=== 2014年現在 ===
[[File:Eurocity Network 2010 winter.svg|thumb|250px|2010年冬ダイヤにおけるユーロシティ網(TGVを除く)。線の太さはその区間の列車数に対応する。]]
2014年-15年の冬ダイヤにおいて運行されているユーロシティ(TGVを除く)の主な系統は以下の通り。詳細は[[#列車一覧]]節を参照。

==== ブリュッセル - バーゼル ====
{{seealso|エーデルヴァイス (列車)}}
[[ベルギー]]の[[ブリュッセル]]([[ブリュッセル南駅|南駅]])から[[ルクセンブルク市]]、[[フランス]]の[[メス (フランス)|メス]]、[[ストラスブール]]、[[ミュールーズ]]などを経由し[[スイス]]の[[バーゼル]]に至る。1日2往復のユーロシティが運行されている。

かつての[[国際寝台車会社]]のプルマン列車「[[エーデルヴァイス (列車)|エーデルヴァイス]]」の経路の一部であり、TEE時代にもエーデルヴァイス、イリスが走っていた<ref>{{harvnb|Malaspina|2005|pp=179-183}}</ref>。イリスはTEE時代と同じ列車名、ほぼ同じ区間で運行されている稀な例の一つである<ref name="MM_2000" />。

==== ハンブルク - コペンハーゲン ====
{{seealso|渡り鳥コース}}
[[ドイツ]]・[[ハンブルク]]の[[ハンブルク=アルトナ駅]]と[[デンマーク]]の[[コペンハーゲン]]を結ぶ。途中[[プットガルテン]]([[:de:Puttgarden|Puttgarden]])と[[ロービュ]]([[:da:Rødby|Rødby]])の間は[[車両航送]]が行なわれる<ref name="Hashizume_Vogel" />。

同区間は[[デンマーク国鉄IC3型気動車|IC3型気動車]]によるユーロシティ1往復のほか、[[ICE TD]]車両(605形[[気動車]])による[[ICE]]も運行されており<ref name="Hashizume_Vogel" />、ユーロシティとICEを合わせれば2時間間隔の等間隔ダイヤとなっている<ref name="Cook50">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 50}}</ref>。

==== ベルリン - ワルシャワ ====
{{seealso|ベルリン-ワルシャワエクスプレス}}
ドイツの[[ベルリン]]と[[ポーランド]]の[[ワルシャワ]]の間では「ベルリン-ワルシャワエクスプレス」と名付けられたユーロシティが1日4往復運行されている<ref name="Cook56">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 56}}</ref>。

ベルリン - ワルシャワ間の国際急行列車であった「ベロニナ」が[[1992年]]にユーロシティとなり<ref name="TE2_est" />、その後[[1993年]]にVarsovia<ref name="Cook_1993new" />、[[1998年]]にPaderewskiが加わって3往復となった<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable June 1998|Ref=Thomas_Cook_E|p=28}}</ref>。[[2002年]]には固有の列車名がなくなり「ベルリン-ワルシャワエクスプレス」と総称されるようになり<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable December 2002|Ref=Thomas_Cook_E|p=28}}</ref>、[[2010年]]には一往復増発されて一日4往復となっている<ref name="Cook_2010new" />。

==== ベルリン - プラハ ====
ベルリンと[[チェコ]]の[[プラハ]]の間では[[ドレスデン]]経由のユーロシティが2時間間隔で運行されている。一部はベルリンから[[ハンブルク]]などへ、またプラハから[[ウィーン]]、[[ブラチスラヴァ]]、[[ブダペスト]]方面へ延長されている<ref name="Cook60">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 60}}</ref>。

==== プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト ====
プラハからブジェツラフを経由して[[スロバキア]]の[[ブラチスラヴァ]]まではベルリン方面からの直通列車を含め7往復が運行されており、2時間間隔の等間隔ダイヤとなっている。さらにブダペストまでは6往復が直通する<ref name="Cook60" />。

==== フランクフルト・アム・マイン、ミュンヘン - クラーゲンフルト、グラーツ ====
ドイツの[[ミュンヘン]]から[[オーストリア]]の[[ザルツブルク]]を経由してオーストリア南東部の[[フィラッハ]]、[[クラーゲンフルト]]あるいは[[グラーツ]]に至る。ドイツ側では一部がフランクフルト・アム・マインなどまで直通する<ref name="Cook68">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 68}}</ref>。

ミュンヘン - [[ビショフスホーフェン]](クラーゲンフルト方面とグラーツ方面の分岐点)間では約2時間間隔でユーロシティ間が運行されている。ザルツブルクでのオーストリア国内列車との乗り継ぎを含めればミュンヘン - フィラッハ間は完全な2時間間隔となる<ref name="Cook68" /><ref name="Cook970">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 970}}</ref>。

==== ミュンヘン - イタリア ====
{{seealso|メディオラヌム (列車)}}
ミュンヘンからオーストリアの[[インスブルック]]を経由し[[イタリア]]の[[ヴェローナ]]に至る。ヴェローナからは[[ミラノ]]、[[ヴェネツィア]]、[[ボローニャ]]へ各1往復が直通する。ミュンヘン - ヴェローナ間では2時間間隔で運転される<ref name="Cook70">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 70}}</ref>。

TEE「メディオラヌム」の走っていた路線であり、1987年に列車名を「レオナルド・ダ・ヴィンチ」と改めてユーロシティとなった。かつてはドイツ側では[[ドルトムント]]などドイツ北西部へ、イタリア側では[[ローマ]]へ直通していた列車もあったが、いずれも現存しない<ref name="TE_D-A">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=90-95}}</ref>。

==== ハンブルク - バーゼル - クール ====
ドイツのハンブルクから、[[ルール地方]]および[[ライン川]]沿いを経由し[[バーゼル]]で国境を越え、[[チューリッヒ]]を経て[[クール (グラウビュンデン州)|クール]]に至る。一日2往復のユーロシティが運行されている<ref name="Cook73">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 73}}</ref>。

ハンブルク - バーゼル間は[[ハノーファー]]、[[フランクフルト・アム・マイン]]経由と比べて遠回りであり、さらに[[ケルン]] - [[マインツ]]間も[[ケルン-ライン=マイン高速線]]ではなく在来線を走行する。このため[[ICE]]と比べるとハンブルク - バーゼル、チューリッヒ間では2時間以上、ケルン - バーゼル間でも1時間近く所要時間が長い<ref name="Cook73" />。

バーゼルで国境を越える列車はTEEの時代から多数存在し、ドイツ側ではフランクフルト、ハノーファー経由ハンブルク方面やケルン経由[[オランダ]]の[[アムステルダム]]へ、またスイス側でも[[ジュネーヴ]]や[[イタリア]]の[[ミラノ]]などへ直通していたユーロシティもあった。しかしこれらのほとんどは、[[ICE]]に置き換えられるかバーゼルを境に別の列車に分割されるかしている<ref name="#1"/>。

==== スイス - イタリア ====
{{seealso|チザルピーノ}}
2014年現在、スイスとイタリアを結ぶユーロシティには以下の4つの系統が存在する<ref name="Cook82">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 82}}</ref>。
* [[ジュネーヴ]] - [[ローザンヌ]] - [[ブリーク]] - ([[シンプロントンネル]]) - [[ミラノ]] ( - [[ヴェネツィア]]): 一日4往復、ETR610型電車。
* [[バーゼル]] - [[ベルン]] - ([[レッチュベルクベーストンネル]]) - ブリーク - (シンプロントンネル) - ミラノ : 一日3往復、ETR610型電車。
* バーゼル - ([[ゴッタルド鉄道トンネル|ゴッタルドトンネル]]) - ミラノ - ヴェネツィア : 一日1往復、ETR610型電車。
* [[チューリッヒ]] - (ゴッタルドトンネル) - ミラノ : 一日7往復(2時間間隔)、ETR470型電車(ただし、1往復は機関車牽引の客車に変更<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable August 2011|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=p. 3}}</ref>)。
1987年のユーロシティ発足当時はジュネーヴ発着のシンプロントンネル経由の系統、バーゼルからゴッタルドトンネル経由の系統、チューリッヒからゴッタルドトンネル経由の系統が存在していた。ジュネーヴ発着系統はローザンヌで[[パリ]]からの[[TGV]](ユーロシティ扱い)と接続していた。またバーゼル系統はドイツの[[ドルトムント]]あるいは[[ハンブルク]]へ直通しており、チューリッヒ発着系統は[[シュトットガルト]]まで直通していた<ref name="TE_CIS">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=117-125}}</ref>。

[[1996年]]からユーロシティとは別の列車種別として[[チザルピーノ]]の運行が始まった。一方の客車ユーロシティは[[インターシティ]]に格下げされるものや逆にインターシティから格上げされるものがあり、一時南は[[ローマ]]まで、北はバーゼルから[[ストラスブール]]経由[[ブリュッセル]]まで延長されていたものもある。また2004年からは客車のユーロシティもチザルピーノ社による運行となった<ref name="TE_CIS" />。

[[2007年]]にレッチュベルクベーストンネルが開業したことでバーゼルとミラノの間の主要経路は同トンネル経由に移った<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2007|Ref=Thomas_Cook_ER|p=41}}</ref>。[[2009年]]にチザルピーノ社は列車の運行から撤退し、「チザルピーノ」の種別で運行されていた列車はユーロシティに変更された。またこのときからスイス・イタリア間のユーロシティはすべて振り子式電車となった<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2009|Ref=Thomas_Cook_ER|p=39}}</ref>。2010年冬ダイヤ改正(12月12日)ではバーゼル - ミラノ - ヴェネツィア間(ゴッタルド経由)のユーロシティが新設されている<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|p=37}}</ref>。当時はその他のゴッタルド経由のユーロシティはETR470型電車の運行であったが、この系統にはスイス連邦鉄道のETR610型電車が使用されている<ref>{{Cite web|author=スイス連邦鉄道|date=2010-12-07|url=http://www.sbb.ch/sbb-konzern/medien/archiv.newsdetail.2010-12-84401.html|title=Aktuelle Informationen zum Italienverkehr auf der Gotthardachse.|language=ドイツ語 |accessdate=2011-08-04 |work=スイス連邦鉄道メディアリリース}}</ref>。

=== 過去の系統 ===
==== パリ - ブリュッセル - アムステルダム ====
{{seealso|パリ・ブリュッセル・アムステルダム間の列車|タリス}}
[[フランス]]の[[パリ]]と[[ベルギー]]の[[ブリュッセル]]の間は、かつて最大6往復の[[TEE]]の運行されていた区間であり、1987年のユーロシティ創設時にも5往復([[アムステルダム]]および[[ケルン]]へ直通する各1往復を含む)が運行された。そのうち「ブラバント」と「ルーベンス」はユーロシティでありながらTEE時代と同様[[一等車]]のみの編成であった<ref name="TE_F-B">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=48-50}}</ref>。

[[1993年]]からパリ - ブリュッセル間のみの列車は再度TEEに種別を変更した。これらの列車は[[1995年]]に[[TGV]]に置き換えられて廃止された。さらに[[1996年]]にはEC「エトワール・デュ・ノール」(パリ - ブリュッセル - アムステルダム)が、[[1997年]]にはEC「ジャック・ブレル」(パリ - ブリュッセル - ケルン)がそれぞれ同区間の[[タリス]]に置き換えられて廃止され、パリ・ブリュッセル間からユーロシティは姿を消した<ref name="TE_F-B" />。

[[2010年]]現在ではパリ - アムステルダム間はタリスがほぼ1時間間隔で、パリ - ブリュッセル間ではそれ以上の頻度で運行されている<ref name="Cook18">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 18}}</ref>。このほかブリュッセルとパリ以外のフランス各地を結ぶTGVも存在する<ref name="Cook11">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 11}}</ref>。

==== パリ - ケルン、ドルトムント ====
{{seealso|モリエール (列車)|パルジファル (列車)|タリス}}
1987年当時、パリと[[西ドイツ]]北西部の[[ケルン]]や[[ドルトムント]]の間ではユーロシティが三往復運行されていた。うち2往復(「モリエール」: パリ - ドルトムント、「パルジファル」: パリ - ケルン)はベルギー南部経由であり、1往復(「ギュスターヴ・エッフェル」: パリ - ケルン)はやや遠回りのブリュッセル経由である<ref name="TE_ThalysPBK">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=66-68}}</ref>。ギュスターヴ・エッフェルはその後一旦急行列車に格下げされた後、1993年に「ジャック・ブレイユ」の名で再びユーロシティとなった<ref name="TE_BK">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=102-104}}</ref>。

これらはいずれも1997年にタリスに置き換えられて廃止された<ref name="TE_ThalysPBK" />。2010年現在ではパリ - ケルン間は直通のタリス5往復(2時間から4時間間隔)またはタリスと[[ICE]]を[[ブリュッセル南駅]]で乗り継ぐことで連絡される<ref name="Cook20">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 20}}</ref>。

==== パリ - フランクフルト、ルクセンブルク ====
1987年当時、パリ - [[フランクフルト・アム・マイン]]間には2往復のユーロシティがあり、うち1往復は途中[[メス (フランス)|メス]]で[[ルクセンブルク市]]への編成を分割していた。パリ - ルクセンブルク間にはこれとは別にもう1往復のユーロシティがあった<ref name="TE2_87table" />。パリ - フランクフルト間のユーロシティはその後増発され、一時はドイツ東部の[[ドレスデン]]や[[チェコ]]の[[プラハ]]まで延長されていたものもあった<ref>{{harvnb|Malaspina|2005|pp=65-66}}</ref>。

[[2007年]]の[[LGV東ヨーロッパ線]]開業時にパリ - フランクフルト間のユーロシティはICEに置き換えられて廃止された<ref name="Cook_2007snew">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable June 2007|Ref=Thomas_Cook_ER|p=46}}</ref>。2010年現在同区間には一日5往復(平日)のICEまたはTGVがある。このほかタリスとICEをブリュッセルまたはケルンで乗り継ぐことでも連絡される<ref name="Cook21">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 21}}</ref><ref name="Cook30">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 30}}</ref>。

==== パリ - ミュンヘン ====
パリと[[ミュンヘン]]を[[ストラスブール]]経由で結ぶ経路では、TEEは一度も運行されたことはなく、ユーロシティも1987年時点では存在しなかった。しかし[[1989年]]に2往復(「モーツァルト」: パリ - ウィーン、「モーリス・ラヴェル」)がユーロシティとなった。パリ - ウィーン間の直通は2002年に廃止されたものの、パリ - ミュンヘン間やそのうちの一部のみを走るユーロシティは増発された<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=64-66}}</ref>。

2007年にこれらのユーロシティは、ストラスブール - ミュンヘン間の1往復を除いてTGVに置き換えられ廃止された<ref name="Cook_2007snew" />。

==== パリ - バーゼル - チューリッヒ ====
{{seealso|アルバレート (列車)|リリア (列車)}}
かつてTEE[[アルバレート (列車)|アルバレート]]の走っていた区間であり、1987年にはアルバレートとル・コルビュジエの2往復がユーロシティとなった<ref name="TE_PZ">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=33-36}}</ref>。

[[1997年]]6月にはル・コルビュジエがパリ - バーゼル間に短縮されてユーロシティではなくなり<ref name="Cook_1997new">{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable June 1997|Ref=Thomas_Cook_E|p=28}}</ref>、同年9月にはパリ - チューリッヒ間を[[ベルン]]経由で結ぶTGV(のちに「[[リリア (列車)|リリア]]」のブランド名がつけられる)が新設されたことにともない、アルバレートも区間を短縮されてユーロシティではなくなった<ref name="TE_PZ" />。その後[[2007年]]のLGV東ヨーロッパ線開業にともない、パリ - チューリッヒ間のTGVは[[ストラスブール]]、バーゼル経由となった<ref name="Cook_2007snew" />。

==== リヨン - ミラノ ====
{{seealso|モン・スニ (列車)}}
フランスの[[リヨン]]と[[イタリア]]の[[ミラノ]]を[[フレジュス鉄道トンネル]]経由で結んでいたTEE[[モン・スニ (列車)|モン・スニ]]は1972年に一般の特急列車に格下げされたのち、1980年には国際インターシティとなっていた。しかし1987年には[[表定速度]]の遅さなどを理由にユーロシティとはされなかった<ref name="TE_LM">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=126-128}}</ref>。

[[1997年]]9月になって、[[振り子式車両]]ETR460電車が投入されるとともに、モン・スニとリヨン - [[トリノ]]間の2往復がユーロシティとされた。しかし[[2000年]]には客車列車に戻され、[[2003年]]にこの区間のユーロシティは廃止された<ref name="TE_LM" />。

==== ブリュッセル - ケルン ====
{{seealso|サフィール (列車)|タリス}}
ブリュッセルとケルンを[[リエージュ]]、[[アーヘン]]経由で結ぶ路線は[[1984年]]に[[ベルギー国鉄]]のインターシティB線とされ、2時間間隔の等間隔ダイヤで列車が運行されていた<ref>{{harvnb|Malaspina|2006|p=28}}</ref><ref name="TE_BK" />。1987年には、この区間を含む列車のうち[[オーステンデ]] - ケルン間の「メムリンク」とパリ - ケルン間の「ギュスターヴ・エッフェル」の2往復がユーロシティとなった<ref name="TE_BK" />。

[[1993年]]にはブリュッセル - [[ベルリン]]間の「アレクサンダー・フォン・フンボルト」などが新設されて同区間のユーロシティは4往復となった。しかし1997年のタリスのケルン乗り入れにともないこれらのユーロシティは全て廃止された<ref name="TE_BK" />。

[[2002年]]から同区間ではタリスのほか[[ICE]]も運行されている<ref name="TE_BK" />。2010年現在ではタリスの運行区間はパリ - ブリュッセル - ケルン間、ICEはブリュッセル - ケルン - フランクフルト間である<ref name="Cook21" />。

==== アムステルダム - ケルン、フランクフルト ====
オランダとドイツ(西ドイツ)を[[ライン川]]沿いに結ぶ経路では、一時4往復のTEEが運行されていた。1987年にはアムステルダムと[[ミュンヘン]]、[[インスブルック]](オーストリア)、[[クール (グラウビュンデン州)|クール]](スイス)を結ぶ計3往復がユーロシティとなった。[[1991年]]には増発されてアムステルダム - [[ケルン]]間では2時間間隔の等間隔ダイヤとなった<ref name="TE_AK">{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=98-101}}</ref>。

これらのユーロシティは[[2000年]]11月にICEに置き換えられて廃止された。ICEの運行区間は当初ほとんどがアムステルダム - ケルン間のみであったが、2002年の[[ケルン-ライン=マイン高速線]]開業にともないアムステルダム - フランクフルト間に延長された<ref name="TE_AK" />。2010年現在ではアムステルダム - フランクフルト間で6往復(平日)、アムステルダム - バーゼル間に1往復のICEがある<ref name="Cook28">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 28}}</ref>。

==== フランクフルト - ウィーン ====
{{seealso|プリンツ・オイゲン (列車)}}
ドイツ(西ドイツ)とオーストリアの国境を[[パッサウ]]で越える経路では、1987年に「[[プリンツ・オイゲン (列車)|プリンツ・オイゲン]]」([[ハンブルク]] - [[ウィーン]])と「ヨハン・シュトラウス」(ケルン - フランクフルト - ウィーン)がユーロシティとなった<ref name="TE2_87table" />。その後[[1989年]]には「フランツ・リスト(Franz Liszt)」(ドルトムント - ブダペスト)が加わっている<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Timetable June 1989|Ref=Thomas_Cook_E|p=5}}</ref>。[[1991年]]にはパッサウ経由のユーロシティは2時間間隔の等間隔ダイヤとなった<ref>{{Harvnb|Pillmann|THD|2008|pp=60-61|Ref=BE_IC_91}}</ref>。

プリンツ・オイゲンは[[1998年]]にICEに置き換えられ、[[2003年]]にはさらに1往復のユーロシティがICEに置き換えられた<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=90-92}}</ref>。そして[[2007年]]に同経路のユーロシティはすべてICEに変わり、同時にブダペストへの直通列車もなくなった<ref name="Cook_2007wnew">{{Harvnb|Thomas Cook European RailTimetable December 2007|Ref=Thomas_Cook_ER|p=41}}</ref>。

==== ミュンヘン - ウィーン ====
ミュンヘン - ウィーン間の列車がTEEになったことは一度もなかったが、1987年には同区間の「スタチャス」がユーロシティとなった<ref name="TE2_87table" />。その後パリ - ウィーン間の「モーツァルト」やミュンヘン - ブダペスト間の「バルトーク・ベーラ」なども加わったが、[[2002年]]にはユーロシティはミュンヘン - ウィーン間とミュンヘン - ブダペスト間の2往復のみとなった<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|p=94}}</ref>。そして[[2009年]]にはこれらのユーロシティは段階的に[[レイルジェット]]に置き換えられた<ref name="Cook_2008new">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2008|Ref=Thomas_Cook_ER|p=41}}</ref><ref name="Akiyama_RJ" />。

==== ハンブルク - オーフス ====
ハンブルクと[[デンマーク]]の[[オーフス]]の間では[[2002年]]12月に2往復のユーロシティが新設された。うち1往復は[[ベルリン]]経由チェコの[[プラハ]]まで直通していた<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|p=197}}</ref>。

2010年現在、同区間の国際列車はICEに置き換えられている<ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2008|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 700, 710, 823}}</ref>。

==== ミラノ - ニース ====
{{seealso|リーグレ (列車)}}
元TEEであった国際インターシティの「[[リーグレ (列車)|リーグレ]]」([[ミラノ]] - [[マルセイユ]])は1987年以降もインターシティのままであった。1992年にはミラノ - [[ニース]]間に短縮された。[[2004年]]12月にリーグレは他の2往復とともに'''ユーロシティ'''となった<ref>{{Harvnb|Mertens|Malaspina|2007|pp=194-199}}</ref>。これらのユーロシティはTreni Riviera([[リグーリア海岸|リヴィエラ]]の列車)と総称された<ref name="TE2">{{Harvnb|Malaspina|2006|pp=53-54}}</ref>。

しかし[[2009年]]12月13日には同区間のユーロシティがすべて廃止され、ミラノ - ヴェンティミリア間のイタリア国内[[インターシティ]]と置き換えられた<ref>{{Cite web|和書|author=鹿野博規|date=2009-12-18|url=http://arkatalog.weblogs.jp/railtrain/2009/12/ec-6584.html|title=ECリヴィエラ廃止と日本製高速列車ジャヴェリン本営業開始|language=日本語 |accessdate=2010-07-18 |work=[[地球の歩き方]]編集部 鉄道担当 鹿ちゃんの鉄道ブログ}}</ref><ref>{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable February 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|p=3}}</ref>。

==== ウィーン - ヴェネツィア ====
[[2004年]]12月から[[ウィーン]] - [[ヴェネツィア]]間のユーロシティ2往復は「アレグロ(Allegro)」のブランド名で運行されていた<ref>{{Harvnb|Malaspina|2006|p=51}}</ref>。しかし[[2008年]]に1往復削減され<ref name="Cook_2008new" />、残る1往復も[[2009年]]12月に廃止された<ref name="Cook_2009new" />。

2010年時点においては、[[フィラッハ]]でオーストリア国内ユーロシティとバス(ÖBBインターシティ・バス)を乗り継ぐ必要がある<ref name="Cook88">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 88}}</ref>。

==== プラハ - ウィーン - ウィーナー・ノイシュタット ====
プラハからチェコ南東部の[[ブジェツラフ]]、[[オーストリア]]の[[ウィーン]]を経由して[[ウィーナー・ノイシュタット]]までの区間ではユーロシティが2時間(一部3時間)間隔で運行されていた<ref name="Cook60" />。2010年冬ダイヤ改正までは同区間に[[チェコ鉄道]]の[[チェコ鉄道680系電車|680系電車]]を用いた[[スーパーシティ]]も運行されていたが、これはオーストリア国内ではユーロシティ扱いとなっていた<ref name="TE2_act" /><ref name="Cook2010J_60">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable June 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 60}}</ref>。

かつては[[ウィーン南駅]]発着であったが、[[ウィーン中央駅]]の工事に伴う南駅の一部閉鎖のため、[[2009年]]12月からウィーナー・ノイシュタットまで延長され、ウィーンでの停車駅はマイドリング駅([[:de:Bahnhof Wien Meidling|Bahnhof Wien Meidling]])に変更された<ref name="Cook_2009new">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2009|Ref=Thomas_Cook_ER|pp=38-39}}</ref>。

全列車が[[railjet]]に置き換えられた。

==== チューリッヒ - ミュンヘン ====
[[スイス]]の[[チューリッヒ]]とドイツの[[ミュンヘン]]を結ぶ経路では一日4往復のユーロシティが運行されていた。途中短距離ではあるが[[オーストリア]]領を経由していた<ref name="Cook75">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 75}}</ref>。

元はTEEバヴァリアの経路であり、1987年にバヴァリアを含め3往復がユーロシティとなった。[[2001年]]に同区間にはICE-TD車両による[[ICE]]が新設されたが、車両のトラブルにより2003年に客車列車のユーロシティに変更されている。また、かつてはスイス側では[[ベルン]]や[[ジュネーヴ]]へ、ドイツ側では[[ニュルンベルク]]経由チェコのプラハへ直通していた列車もあった<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=142-144}}</ref>。

==== チューリッヒ - ウィーン ====
スイスの[[チューリッヒ]]とオーストリアのウィーンを結ぶ。途中[[クーフシュタイン]]と[[ザルツブルク]]の間でドイツ国内を[[回廊列車]]として通過する。

1987年に「トランスアルピン」<ref name=ANN>[https://www.telecomstaff.co.jp/featurestories/2017/01/12/1598/ 「アルプスと湖の絶景に出会う オーストリア周遊の旅」]テレビ朝日「世界の車窓から」</ref>など3往復がユーロシティとなった<ref>{{Harvnb|Malaspina|2005|pp=184-189}}</ref>。

全列車が[[railjet]]に置き換えられた。

== 列車一覧 ==
=== 1987年夏ダイヤ ===
1987年5月31日のユーロシティ創設時に運行されていたユーロシティは以下の通り<ref name="TE2_87table" />。昼行ユーロシティの「改正前」欄が空欄であるものは同名の国際インターシティであった。
==== 昼行 ====
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
! 列車番号 !! 列車名 !! 区間 !! 沿線国 !! style="width:20%" | 改正前<ref name="TE2_EC1987" />
|-
| EC 3/2 || レンブラント<br />Rembrandt
| [[アムステルダム]] - [[ケルン]] - [[バーゼル]] - [[クール (グラウビュンデン州)|クール]]
| {{Flagicon|オランダ}}{{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}
|
|-
| EC 5/4 || カルロ・マーニョ<br />Carlo Magno
| [[ドルトムント]] - バーゼル - [[ミラノ]] - [[セストリ・レヴァンテ]]
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
| IC「メトロポリタノ(Metropolitano)」 : ドルトムント - ミラノ
|-
| EC 7/6 || レッチュベルク<br />Lötschberg
| [[ハノーファー]] - ケルン - バーゼル - [[ブリーク]]
| rowspan="2" | {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}
|
|-
| EC 9/8 || [[ラインプファイル]]<br />Rheinpfeil
| ハノーファー - ケルン - バーゼル - クール
|
|-
| EC 11-12/13-10 || レオナルド・ダ・ヴィンチ<br />Leonardo da Vinci
| ドルトムント - [[マンハイム]] - [[ミュンヘン]] - [[インスブルック]] - ミラノ
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|オーストリア}}{{Flagicon|イタリア}}
| IC「メディオラヌム(Mediolanum)」
|-
| EC 21/20 || [[ブラウエル・エンツィアン]]<br />Blauer Enzian
| ドルトムント - [[フランクフルト・アム・マイン]] - ミュンヘン - [[クラーゲンフルト]]
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
|-
| EC 21/24 || ルテチア<ref group="注" name="Lausanne">ローザンヌで同名の列車と接続</ref><br />Lutetia
| rowspan="3" | [[パリ]] - [[ローザンヌ]] ([[TGV]])
| rowspan="4" | {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|スイス}}
|
|-
| EC 23/26 || [[シザルパン]]<ref group="注" name="Lausanne"/><br />Cisalpin
|
|-
| EC 25/28 || レマノ<ref group="注" name="Lausanne"/><br />Lemano
|
|-
| EC 27/22 || シャンゼリゼ<br />Champs-Élysées
| パリ - フラーヌ([[:fr:Frasne|Frasne]]) - ローザンヌ、[[ベルン]] (TGV)<ref group="注">フラーヌで分割、併合を行なう{{Harv|Thomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987|loc=table 55}}。</ref>
|
|-
| EC 25/24 || エラスムス<br />Erasmus
| アムステルダム - ケルン - フランクフルト - ミュンヘン - インスブルック
| {{Flagicon|オランダ}}{{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
|-
| EC 27/26 || [[フランス・ハルス]]<br />Frans Hals
| アムステルダム - ケルン - フランクフルト - ミュンヘン
| {{Flagicon|オランダ}}{{Flagicon|FRG}}
| 新設
|-
| EC 29/28 || ヨハン・シュトラウス<br />Johan Strauss
| ケルン - フランクフルト - [[ウィーン]]
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
|-
| EC 31/30 || メルクール<br />Merkur
| フランクフルト - ケルン - [[ハンブルク]] - [[コペンハーゲン]]
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|デンマーク}}
|
|-
| EC 31/34 || ルテチア<ref group="注" name="Lausanne"/><br />Lutetia
| rowspan="4" | [[ジュネーヴ]] - ローザンヌ - ミラノ
| rowspan="4" | {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
|
|-
| EC 33/36 || シザルパン<ref group="注" name="Lausanne"/><br />Cisalpin
|
|-
| EC 35/38 || レマノ<ref group="注" name="Lausanne"/><br />Lemano
|
|-
| EC 39/40 || モンテヴェルディ<br />Monteverdi
| IC「リアルト(Rialto)」
|-
| EC 37/30 || ロムルス<br />Romulus
| ウィーン - [[ヴェネツィア]] - [[ローマ]]
| {{Flagicon|オーストリア}}{{Flagicon|イタリア}}
| 急行列車(Express)
|-
| EC 33/32 || スカンディナヴィアン<br />Scandinavien
| rowspan="2" | ハンブルク - コペンハーゲン
| rowspan="2" | {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|デンマーク}}
|
|-
| EC 35/34 || ハンザ<br />Hansa
| 急行列車(D-Zug)「ハンブルク急行(Hamburg Express)」
|-
| EC 41/40 || [[モリエール (列車)|モリエール]]<br />Molière
| パリ - [[ナミュール]] - ドルトムント
| rowspan="3" | {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|ベルギー}}{{Flagicon|FRG}}
|
|-
| EC 43/42 || ギュスターヴ・エッフェル<br />Gustave Eiffel
| パリ - [[ブリュッセル]] - ケルン
| IC「ディアマント(Diamant)」
|-
| EC 45/44 || [[パルジファル (列車)|パルジファル]]<br />Parsifal
| パリ - ナミュール - ケルン
|
|-
| EC 49/48 || [[サフィール (列車)|メムリンク]]<br />Memling
| [[オーステンデ]] - ブリュッセル - ケルン
| {{Flagicon|ベルギー}}{{Flagicon|FRG}}
| IC「サフィール(Saphir)」
|-
| EC 53/52 || ヴィクトル・ユーゴー<br />Victor Hugo
| rowspan="2" | パリ - [[メス (フランス)|メス]] - フランクフルト
| rowspan="2" | {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|FRG}}
|
|-
| EC 57/56 || ゲーテ<br />Goethe
|
|-
| EC 53/56 || ロッシーニ<br />Rossini
| [[シャフハウゼン]] → [[チューリッヒ]] → キアッソ([[:it:Chiasso|Chiasso]]) → ミラノ<br />
ミラノ → キアッソ → チューリッヒ
| {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
|
|-
| EC 61/60 || マリア・テレジア<br />Maria Theresia
| チューリッヒ - インスブルック - ウィーン
| rowspan="3" | {{Flagicon|スイス}}({{Flagicon|FRG}}){{Flagicon|オーストリア}}<ref group="注">西ドイツ国内は[[回廊列車]]として通過。</ref>
|
|-
| EC 63/62 || トランスアルピン<ref name=ANN/><br />Transalpin
| rowspan="2" | バーゼル - チューリッヒ - インスブルック - ウィーン
|
|-
| EC 65/64 || フランツ・シューベルト<br />Franz Schubert
|
|-
| EC 63/62 || ベンジャミン・ブリテン<br />Benjamin Britten
| rowspan="2" | [[ロンドン]] - [[ハリッジ]]([[:en:Harwich|Harwich]])<ref group="注">ハリッジ - フーク・ファン・ホラント間は船舶連絡。ベンジャミン・ブリテンはこの間夜行連絡船。なおThomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987, table 10Xによればイギリス側の列車はユーロシティとしての列車番号がつかない。</ref><br />[[フーク・ファン・ホラント]]([[:nl:Hoek van Holland|Hoek van Holland]]) - アムステルダム
| rowspan="2" | ({{Flagicon|イギリス}}){{Flagicon|オランダ}}
| 「フーク・コンティネンタル(Hook Continental)」(イギリス側)<br />「ボートレイン・アムステルダム(Bootrein Amsterdam)」、「ボートレイン・ロンドン(Bootrein London)」(オランダ側)<ref group="注" name="bootrein">アムステルダム行きがボートレイン・アムステルダム、フーク・ファン・ホラント行きがボートレイン・ロンドンで、ともに1日2本運転。</ref>
|-
| EC 67/66 || アドミラル・デ・ロイテル<br />Admiraal De Ruyter
| 「デイ・コンティネンタル(Day Continental)」(イギリス側)<br />「ボートレイン・アムステルダム(Bootrein Amsterdam)」、「ボートレイン・ロンドン(Bootrein London)」(オランダ側)<ref group="注" name="bootrein" />
|-
| EC 67/66 || スタチャス<br />Stachus
| ミュンヘン - [[ウィーン]]
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|オーストリア}}
| 急行列車
|-
| EC70-71/72-73 || [[カタラン・タルゴ]]<br />Catalan Talgo
| ジュネーヴ - [[アヴィニョン]] - [[ポルトボウ]] - [[バルセロナ]]
| {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|スペイン}}
|
|-
| EC 71/70 || レティア<br />Rätia
| ハンブルク - フランクフルト - バーゼル - チューリッヒ - [[クール (グラウビュンデン州)|クール]]
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}
|
|-
| EC 75/74 || ティチアーノ<br />Tiziano
| ハンブルク - フランクフルト - バーゼル - ミラノ
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
|
|-
| EC 77/76 || モンブラン<br />Mont Blanc
| ハンブルク - フランクフルト - バーゼル - ジュネーヴ
| rowspan="2" | {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}
|
|-
| EC 79/78 || [[ヘルヴェティア (列車)|ヘルヴェティア]]<br />Helvetia
| ハンブルク - フランクフルト - バーゼル - チューリッヒ
|
|-
| EC 81/80 || カーヴェンデル <br /> Karwendel
| ハンブルク - ミュンヘン - [[ガルミッシュ=パルテンキルヒェン]] - インスブルック
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
|-
| EC 81/84 || [[パリ・ブリュッセル・アムステルダム間の列車#インターシティ・ユーロシティ|ルーベンス]]<br />Rubens
| rowspan="3" | パリ - ブリュッセル
| rowspan="3" | {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|ベルギー}}
|
|-
| EC 83/86 || ブラバント<br />Brabant
|
|-
| EC 85/80 || イル・ド・フランス<br />Ile de France
|
|-
| EC 87/82 || エトワール・デュ・ノール<br />Etoile du Nord
| パリ - ブリュッセル - アムステルダム
| {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|ベルギー}}{{Flagicon|オランダ}}
|
|-
| EC 83/82 || ヘルマン・ヘッセ<br />Hermann Hesse
| [[シュトットガルト]] → チューリッヒ → キアッソ([[:it:Chiasso|Chiasso]]) → ミラノ<br />
キアッソ → チューリッヒ → シュトットガルト
| rowspan="2" | {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
| 新設
|-
| EC 85/84 || バルバロッサ<br />Barbarossa
| [[シュトットガルト]] - チューリッヒ - キアッソ - ミラノ
|
|-
| EC 87/86 || シュヴァーベンラント<br />Schwabenland
| シュトットガルト → チューリッヒ → キアッソ<br />チューリッヒ → シュトットガルト
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}
| 新設
|-
| EC 91/90 || [[プリンツ・オイゲン (列車)|プリンツ・オイゲン]]<br />Prinz Eugen
| ハンブルク - ウィーン
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
|-
| EC 93/92 || シュヴァイツァーラント<br />Schweitzerland
| rowspan="3" | チューリッヒ - [[リンダウ]] - ミュンヘン
| rowspan="3" | {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|オーストリア}}{{Flagicon|FRG}}
| 無名の急行列車<ref group="注">「シュヴァイツァーラント」という列車名はシュトットガルト - チューリッヒ間の急行列車につけられていた。</ref>
|-
| EC 97/96 || ゴットフリート・ケラー<br />Gottfried Keller
| 急行列車(D-Zug)
|-
| EC 99/98 || バヴァリア<br />Bavaria
|
|-
| EC 95/94 || [[エーデルヴァイス (列車)|イリス]]<br />Iris
| ブリュッセル - [[ルクセンブルク市]] - [[ストラスブール]] - バーゼル - チューリッヒ - クール
| {{Flagicon|ベルギー}}{{Flagicon|ルクセンブルク}}{{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|スイス}}
|
|-
| EC 113/116 || ル・コルビュジエ<br />Le Corbusier
| rowspan="2" | パリ - バーゼル - チューリッヒ
| rowspan="2" | {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|スイス}}
|
|-
| EC 115/114 || [[アルバレート (列車)|アルバレート]]<br />Arbalète
|
|-
| EC 203-202/209-208 || ロベール・シューマン<br />Robert Schuman
| パリ - メス - ルクセンブルク
| rowspan="3" | {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|ルクセンブルク}}
|
|-
| EC 205 || ゲーテ<br />Goethe
| ルクセンブルク → メス<ref group="注">メス - パリ間EC56ゲーテに併結。</ref>
|
|-
| EC 1342 || ヴィクトル・ユーゴー<br />Victor Hugo
| メス → ルクセンブルク<ref group="注">パリ - メス間EC53ヴィクトル・ユーゴーに併結。</ref>
|
|-
| EC 921/928 || ジュネヴォア<br />Genevois
| rowspan="4" | パリ - ジュネーヴ (TGV)
| rowspan="4" | {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|スイス}}
|
|-
| EC 923/924 || ヴォルテール<br />Voltaire
|
|-
| EC 925/926 || ヴェルサイユ<br />Versailles
|
|-
| EC 927/920 || ジャン=ジャック・ルソー<br />Jean-Jacque Rousseau
|
|}
{{Reflist|group=注}}

==== 夜行 ====
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
! 列車番号 !! 列車名 !! 区間 !! 沿線国
|-
| EC 213/212 || パラティーノ<br />Palatino
| [[パリ]] - [[シャンベリ]] - [[ジェノヴァ]] - [[ローマ]]
| rowspan="2" | {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|イタリア}}
|-
| EC 217/216 || スタンダール<br />Stendhal
| パリ - [[トリノ]] - [[ミラノ]]
|-
| EC 223/222 || ガリレイ<br />Galilei
| パリ - [[ローザンヌ]] - [[ブリーク]] - ミラノ - [[ヴェネツィア]]、[[フィレンツェ]]<ref group="注">パリ発列車はミラノで分割を、パリ行き列車はブリークで併合を行なう。フィレンツェ - ブリーク間は列車番号412{{Harv|Thomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987|loc=table 37}}。</ref>
| {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
|-
| EC 391(491)/390(490) || アルフレッド・ノーベル<br />Alfred Nobel
| [[ハンブルク]] - [[プットガルテン]]([[:de:Puttgarden|Puttgarden]]) - [[ロービュ]]([[:da:Rødby|Rødby]]) - [[ヘルシンゲル]] - [[ヘルシンボリ]] - [[ストックホルム]]、[[オスロ]]<ref group="注">プットガルテン - ロービュ間([[渡り鳥コース]])とヘルシンゲル - ヘルシンボリは[[車両航送]]を行なう。ヘルシンボリ - オスロ間は列車番号EC491/490。</ref>
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|デンマーク}}{{Flagicon|スウェーデン}}{{Flagicon|ノルウェー}}
|-
| EC 407-406/409-408 || パリ・マドリード・タルゴ<br />Paris-Madrid Talgo
| [[マドリード]] - [[ボルドー]] - パリ
| {{Flagicon|スペイン}}{{Flagicon|フランス}}
|-
| EC 471/470 || コメット<br />Komet
| [[ハンブルク]] - [[ハノーファー]] - [[バーゼル]] - [[チューリッヒ]] - [[クール (グラウビュンデン州)|クール]]、バーゼル - [[ブリーク]]<ref group="注">バーゼルで分割、併合を行なう{{Harv|Thomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987|loc=table 73}}。</ref>
| {{Flagicon|FRG}}{{Flagicon|スイス}}
|-
| EC 475-474/477-466 || バルセロナ・タルゴ<br />Barcelona Talgo
| [[バルセロナ]] - [[ナルボンヌ]] - パリ
| {{Flagicon|スペイン}}{{Flagicon|フランス}}
|}
{{Reflist|group=注}}

=== 2010年-11年冬ダイヤ ===
2010年 - 11年冬ダイヤ(12月12日改正)で運行されているユーロシティは以下の通り。以下ではThomas Cook Eurppean Rail Timetableにおいて列車種別が"EC"とされている列車のうち、オーストリア国内列車を除いたものを記している。「運行本数」は一日あたりの運行数であり、空欄のものは一日一往復である。ただし曜日により運休となったり運行区間を変更したりする列車もある。「供食」欄が○のものは[[食堂車]]を連結し、△のものはバーまたは[[車内販売]]による軽食の提供がある。
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
! 列車番号 !! 列車名 !! 区間 !! 沿線国 !! 運行本数 !! 供食 !! 出典
|-
| EC 361 / 360
|
| [[ストラスブール]] - [[シュトットガルト]] - [[ミュンヘン]]
| {{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|ドイツ}}
|
| ○
| <ref name="Cook32">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 32}}</ref>
|-
| EC 91 / 90
| {{仮リンク|ヴォーバン (列車)|en|Vauban (train)|label=ヴォーバン}} <br /> Vauban
| [[ブリュッセル]] → [[ルクセンブルク]] → ストラスブール → [[バーゼル]] → [[チューリッヒ]] → [[クール (グラウビュンデン州)|クール]]<br />
チューリッヒ → ブリュッセル<ref group="注">ブリュッセル行はスイス国内では{{仮リンク|インターレギオ|en|Interregio}}扱い。</ref>
| rowspan="3" | {{Flagicon|ベルギー}}{{Flagicon|ルクセンブルク}}{{Flagicon|フランス}}{{Flagicon|スイス}}
|
| ×
| rowspan="3" | <ref name="Cook40">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 40}}</ref>
|-
| EC 97 / 96
| [[イリス (列車)|イリス]] <br /> Iris
| ブリュッセル - ルクセンブルク - ストラスブール - バーゼル ( - チューリッヒ)<ref group="注">スイス国内ではインターレギオ扱い。</ref>
|
| ×
|-
| EC 295 / 296
| {{仮リンク|ジャン・モネ (列車)|en|Jean Monnet (train)|label=ジャン・モネ}} <br /> Jean Monnet
| ブリュッセル - ルクセンブルク - ストラスブール - バーゼル
|
| ×
|-
| EC 31 / 30
|
| [[ハンブルク]] - [[コペンハーゲン]]
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|デンマーク}}
| 1往復<ref group="注">1月中旬から4月上旬まで運休</ref>
| △
| <ref name="Cook50" />
|-
| EC 41, 43, 45, 47 / 46, 44, 42, 40
| [[ベルリン-ワルシャワエクスプレス]] <br /> Berlin Warszawa Express
| [[ベルリン]] - [[ポズナン]] - [[ワルシャワ]]
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|ポーランド}}
| 4往復
| ○
| rowspan="2" | <ref name="Cook56" />
|-
| EC 249 / 248
| {{仮リンク|ヴァヴェル (列車)|en|Wawel (train)|label=ヴァヴェル}} <br /> Wawel
| ハンブルク - ベルリン - [[ヴロツワフ]] - [[クラクフ]]
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|ポーランド}}
|
| △
|-
| EC 71 / 70
| グスタフ・マーラー <br /> Gustav Mahler
| rowspan="4" | [[プラハ]] - [[ウィーン]] - [[ウィーナー・ノイシュタット]]
| rowspan="5" | {{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
| rowspan="4" | ○
| rowspan="5" | <ref name="Cook60" />
|-
| EC 73 / 72
| {{仮リンク|スメタナ (列車)|nl|Smetana (trein)|label=スメタナ}} <br /> Smetana
|
|-
| EC 75/74
| フランツ・シューベルト <br /> Franz Schubert
|
|-
| EC 77/76
| アントニン・ドヴォルザーク <br /> Antonín Dvořák
|
|-
| EC 79/78
| グスタフ・クリムト <br /> Gustav Klimt
| プラハ → ウィーン<br />[[グラーツ]] → ウィーナー・ノイシュタット → ウィーン → プラハ
|
| ○
|-
| EC 137 / 136
| モラヴィア <br /> Moravia
| ([[ワルシャワ]] - ) [[ボフーミン]]([[:cs:Bohumín|Bohumín]]) - [[オストラヴァ]] - [[ブラチスラヴァ]] - [[ブダペスト]]<ref group="注">ワルシャワ - ブダペスト間直通は二等車のみ。ワルシャワ - ボフーミン間ではEC 110/111 Prahaと併結。</ref>
| {{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|スロバキア}}{{Flagicon|ハンガリー}}
|
| ○
| <ref name="Cook60" /><ref name="Cook99">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 99}}</ref>
|-
| EC 171 / 170
| {{仮リンク|ハンガリア (列車)|en|Hungaria (train)|label=ハンガリア}} <br /> Hungaria
| ベルリン - プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|スロバキア}}{{Flagicon|ハンガリー}}
|
| ○
| rowspan="9" | <ref name="Cook60" />
|-
| EC 173 / 172
| {{仮リンク|ヴィンドボナ (列車)|en|Vindobona (train)|label=ヴィンドボナ}} <br /> Vindobona
| ハンブルク - ベルリン - プラハ - ウィーン - [[フィラッハ]]
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
| ○
|-
| EC 175 / 174
| {{仮リンク|ヤン・イェゼニウス (列車)|nl|Johannes Brahms (trein)|label=ヤン・イェゼニウス}} <br /> Ján Jesenius <br /> Jeszensky János
| ハンブルク - ベルリン - プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|スロバキア}}{{Flagicon|ハンガリー}}
|
| ○
|-
| EC 177 / 176
| {{仮リンク|ヨハネス・ブラームス (列車)|nl|Johannes Brahms (trein)|label=ヨハネス・ブラームス}} <br /> Johannes Brahms
| ベルリン → プラハ → ウィーン<br />[[ブルノ]] → プラハ → ベルリン → ハンブルク
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
| ○
|-
| EC 179 / 178
| {{仮リンク|アロイス・ネグレッリ (列車)|nl|Alois Negrelli (trein)|label=アロイス・ネグレッリ}} <br /> Alois Negrelli
| [[シュチェチン]] - ベルリン - プラハ
| {{Flagicon|ポーランド}}{{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|チェコ}}
|
| ○
|-
| EC 273 / 272
| ヤロスラフ・ハシェク <br /> Jaroslav Hašek
| プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト
| {{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|スロバキア}}{{Flagicon|ハンガリー}}
|
| ○
|-
| EC 275 / 274
| スロヴァン <br /> Slovan
| プラハ - ブラチスラヴァ
| {{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|スロバキア}}
|
| ○
|-
| EC 345 / 344
| アヴァラ <br /> Avala
| プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト - [[ベオグラード]]
| {{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|スロバキア}}{{Flagicon|ハンガリー}}{{Flagicon|セルビア}}
|
| ○
|-
| EC 379 / 378
| {{仮リンク|カール・マリア・フォン・ウェーバー (列車)|nl|Carl Maria von Weber (trein)|label=カール・マリア・フォン・ウェーバー}} <br /> Carl Maria von Weber
| [[シュトラールズント]] → ベルリン → プラハ → ブルノ<br />ウィーン → ブルノ → プラハ → ベルリン → シュトラールズント
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|チェコ}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
| ○
|-
| EC 111 / 110
|
| ミュンヘン - [[ザルツブルク]] - フィラッハ - [[クラーゲンフルト]]
| rowspan="4" | {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
| △
| <ref name="Cook68" />
|-
| EC 113 / 112
|
| [[ジーゲン]] - [[フランクフルト・アム・マイン]] - シュトットガルト - ミュンヘン - フィラッハ - クラーゲンフルト
|
| △
| <ref name="Cook68" /><ref name="Cook807">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 807}}</ref>
|-
| EC 115 / 114
| ヴェルターゼー <br /> Wörthersee
| [[ミュンスター]] → [[ケルン]] → シュトットガルト → ミュンヘン → クラーゲンフルト<br />クラーゲンフルト → ケルン → [[ドルトムント]]
|
| ○
| rowspan="2" | <ref name="Cook68" />
|-
| EC 117
|
| フランクフルト・アム・マイン→ ミュンヘン → クラーゲンフルト
| 片道のみ
| △
|-
| EC 111-211 / 210-110
| サヴァ <br /> Sava
| ミュンヘン - フィラッハ - [[リュブリャナ]] - [[ザグレブ]] - ベオグラード<ref group="注">ミュンヘン - フィラッハ間EC111/110と併結。</ref>
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|オーストリア}}{{Flagicon|スロベニア}}{{Flagicon|クロアチア}}{{Flagicon|セルビア}}
|
| ○<ref group="注">[[イェセニツェ]] - ベオグラード間で連結。</ref>
| <ref name="Cook62">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 62}}</ref><ref name="Cook68" /><ref name="Cook1300">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 1300}}</ref>
|-
| EC 113-213 / 212-112
| ミマラ <br /> Mimara
| フランクフルト・アム・マイン - ミュンヘン - フィラッハ - リュブリャナ - ザグレブ<ref group="注">フランクフルト - フィラッハ間EC113/112と併結。</ref>
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|オーストリア}}{{Flagicon|スロベニア}}{{Flagicon|クロアチア}}
|
| ○<ref group="注">ミュンヘン - フィラッハ間で連結。</ref>
| <ref name="Cook62" /><ref name="Cook68" /><ref name="Cook807" /><ref name="Cook1300" />
|-
| EC 217 / 216
|
| [[ザールブリュッケン]] - [[マンハイム]] - シュトットガルト - ミュンヘン - ザルツブルク - [[グラーツ]]
| rowspan="2" | {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
| △
| <ref name="Cook68" /><ref name="Cook919">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 919}}</ref>
|-
| EC 219 / 218
|
| フランクフルト・アム・マイン - シュトットガルト - ミュンヘン - グラーツ
|
| △
| <ref name="Cook68" />
|-
| EC 391 / 390
|
| ミュンヘン - ザルツブルク - [[リンツ]]
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
| ×
| <ref name="Cook65">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 65}}</ref>
|-
| EC 81, 83 / 80, 188
|
| ミュンヘン - [[インスブルック]] - [[ヴェローナ]]
| rowspan="4" | {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|オーストリア}}{{Flagicon|イタリア}}
| 2往復
| ○
| rowspan="5" | <ref name="Cook70" />
|-
| EC 85/ 84
|
| ミュンヘン - インスブルック - ヴェローナ - [[ボローニャ]]
|
| ○
|-
| EC 87/ 86
|
| ミュンヘン - インスブルック - ヴェローナ - [[ヴェネツィア]]
|
| ○
|-
| EC 89-92 / 93-88
|
| ミュンヘン - インスブルック - ヴェローナ - [[ミラノ]]
|
| ○
|-
| EC 189 / 82
|
| ミュンヘン - インスブルック
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|オーストリア}}
|
| ○
|-
| EC 7, 101 / 6, 100-102
|
| ハンブルク - ケルン - バーゼル - チューリッヒ - クール
| {{Flagicon|ドイツ}}{{Flagicon|スイス}}
|
| ○
| <ref name="Cook73" />
|-
| EC 191, 193, 195, 197 / 190, 192, 194, 196
|
| チューリッヒ - [[ブレゲンツ]] - [[リンダウ]] - ミュンヘン
| {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|オーストリア}}{{Flagicon|ドイツ}}
| 4往復
| ○
| <ref name="Cook75" />
|-
| EC 35, 39, 41 / 32, 34, 36
|
| [[ジュネーヴ]] - [[ローザンヌ]] - [[ブリーク]] - ミラノ
| rowspan="2" | {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
| 3往復
| △
| rowspan="5" | <ref name="Cook82" />
|-
| EC 37 / 42
|
| ジュネーヴ - ローザンヌ - ブリーク - ミラノ - ヴェネツィア
|
| △
|-
| EC 51, 57, 59 / 50, 52, 56
|
| バーゼル - [[ベルン]] - ブリーク - ミラノ
| {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
| 3往復
| △
|-
| EC 153 / 158
|
| バーゼル - [[ルツェルン]] - [[ルガーノ]] - ミラノ - ヴェネツィア
| {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
|
| ○
|-
| EC 13, 15, 17, 19, 21, 23, 25 / 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24
|
| チューリッヒ - ルガーノ - ミラノ
| {{Flagicon|スイス}}{{Flagicon|イタリア}}
| 7往復
| △
|-
| EC 165 / 166
|
| チューリッヒ - インスブルック - ザルツブルク - ウィーン
| {{Flagicon|スイス}}({{Flagicon|FRG}}){{Flagicon|オーストリア}}<ref group="注">ドイツ国内では停車せず。</ref>
|
| △
| <ref name="Cook86">{{Harvnb|Thomas Cook European Rail Timetable December 2010|Ref=Thomas_Cook_ER|loc=table 86}}</ref>
|-
| EC 151 / 150
| エモナ <br /> Emona
| ウィーン - グラーツ - [[マリボル]] - リュブリャナ (- [[リエカ]])<ref group="注">リュブリャナ - リエカ間(列車番号483/482)はユーロシティ扱いではない。ウィーン - リエカ間を直通するのは二等車のみ。</ref>
| {{Flagicon|オーストリア}}{{Flagicon|スロベニア}}({{Flagicon|クロアチア}})
|
| ○
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|
| ○
|-
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|
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|-
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|
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|
| ○
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| EC 103 / 102
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|
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|
| ○
|-
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|
| ○
|}

{{Reflist|group=注}}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注釈}}
=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
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|title=Thomas Cook European Timetable
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== 関連項目 ==
* [[国際列車]]
* [[ユーロナイト]]
* [[ユーロナイト]]
* [[TEE]]
* [[TEE]] - [[インターシティ]]
* [[TGV]] - [[ICE]] - [[ユーロスター]] - [[タリス]] - [[チザルピーノ]] - [[スーパーシティ]] - [[レイルジェット]]


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ユーロシティのロゴ
ジュネーヴヴェネツィア行のユーロシティ37

ユーロシティ(EuroCity, 略称 EC)はヨーロッパにおける国際列車列車種別である。「ヨーロッパ都市間特急」などとも訳される。主要駅にのみ停車する優等列車であるが、一般に最高速度は200km/h以下であり、ICEなどの高速列車の運行されている国ではこれらに次ぐ種別と位置づけられている。

TEEや国際インターシティの後継といえる列車であるが、TEEとは異なり一等車二等車の双方を連結するのが原則である。

1987年の夏ダイヤから西ヨーロッパで運行を開始した。当時は夜行列車のユーロシティも存在したが、1993年ユーロナイトとして分離され、以後は昼行列車のみとなった。その後東ヨーロッパへ運行範囲を拡大する一方で、西ヨーロッパでは高速鉄道網の発達により減少傾向にある。

なおオーストリアオーストリア連邦鉄道では、1996年から同国内のみを走る列車にもユーロシティという種別を用いている[1]

歴史

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前史

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1974年-75年冬のTEE網

西ヨーロッパでは1957年一等専用の国際列車であるTEEの運行が始まった。TEEは最盛期の1974年冬ダイヤ期間には45往復(うち国際列車30往復)が運行され、11ヶ国を結んでいた[2]

しかし1970年代になると国際列車でも二等車の需要が増え、TEEの中にも二等車を含む通常の特急・急行列車に置き換えられるものが現れた。1979年には西ドイツの国内列車であるインターシティがすべて二等車を連結するようになり、元TEEであった国際列車の一部も西ドイツ国内ではインターシティ扱いされるようになった[3]

1980年6月1日のダイヤ改正から国際列車に対しても「インターシティ」の種別名が用いられるようになり、18往復の国際インターシティとされた[3]。その後も国際インターシティの新設やTEEから国際インターシティへの置き換えが進んだ。また1984年1月22日にはフランスパリスイスジュネーヴローザンヌを結ぶ国際TGVがインターシティ扱いされるようになった[4]

1986年冬ダイヤでは53往復の国際インターシティがあり、うち9往復はTGVであった。このとき国際TEEは4往復にまで減少していた[5]

ユーロシティの発足

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1987年夏ダイヤにおけるユーロシティ網。
緑 : ユーロシティ(昼行在来線列車)
橙 : ユーロシティとして扱われる国際TGV
青 : ユーロシティ(夜行)
赤 : 国際TEE
灰色 : 国際インターシティ

1987年5月31日のダイヤ改正で、TEEや国際インターシティに代わる新たな種別としてユーロシティが発足した。種別名は当初EuroCity(英語)、EuroCité(フランス語)、EuroCitta(イタリア語)の3原語を併記する案もあったが、EuroCityの単独表記とされた[6]

列車がユーロシティとされるためには、以下のような条件を満たす必要があった。

ただしすべての条件が必ずしも満たされていたわけではなく、昼行列車のおよそ4割が表定速度90km/h未満であった[6]。また停車時刻についても、6時以前に発車したり24時以降に終着駅に到着する昼行列車があり、夜行列車でも深夜に客扱いを行なうものがあった[10]

1987年夏ダイヤで運行されていたユーロシティは64往復で、うち7往復は夜行列車であった。これらの列車は13ヶ国(イギリスイタリアオーストリアオランダスイススウェーデン[注釈 1]スペインデンマーク西ドイツノルウェー[注釈 1]フランスベルギールクセンブルク)のおよそ200の都市を結んでいた[6]

昼行ユーロシティの多くは国際インターシティから変更されたものであるが、新たに設定された列車や、インターシティではない特急・急行列車からユーロシティになった列車もある。パリ - ブリュッセル間の「ルーベンス」、「イル・ド・フランス」はTEEからユーロシティになった列車であり、ユーロシティ化後も一等車のみの編成であった。この時のダイヤ改正でTEEラインゴルトアムステルダム - バーゼル)は廃止されており、国際TEEとして残ったのはゴッタルドのみとなっていた[6]

なおすべての国際インターシティがユーロシティになったわけではなく、モン・スニリヨン - ミラノ)、リーグレ(ミラノ - マルセイユ)、ノルトプライン(ハンブルク - フレゼリクスハウン)の3往復はインターシティのままであった[6]

東ヨーロッパへの拡大

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チェコ国内を走るユーロシティ(2005年)

ユーロシティの誕生した1987年は東欧革命以前であり、ユーロシティは西側ブロック(ただしスイスとオーストリアも含む)でのみ運行されていた。しかし1988年夏にはEC「レハール」(ウィーン - ブダペスト)がハンガリーに乗り入れた[11][12]

東欧革命後、1991年夏ダイヤ改正でEC「アントニン・ドヴォルザーク」(ウィーン - プラハ)によりチェコスロバキア[注釈 2]がユーロシティ網に加わるとともに、パリ - フランクフルト・アム・マイン間の列車であった「ギュスターヴ・エッフェル」、「ハインリッヒ・ハイネ」がドレスデンまで延長され、旧東ドイツ地域にユーロシティが乗り入れた[13]1992年夏にはEC「ベロリナ英語版」(ベルリン - ワルシャワ)、「ミマラ」(ミュンヘン - リュブリャナ - ザグレブ)が新設されポーランドスロベニアクロアチアにユーロシティが乗り入れた[14]

さらに1993年夏ダイヤ改正でも中央・東ヨーロッパに新たなユーロシティが多数生まれた[15]。中でも「ウィンドボナ」(ベルリン - プラハ - ウィーン)と「ハンガリア」(ハンブルク - ベルリン - プラハ - ブダペスト)は、元は冷戦時代にはTEEに対抗して運行されていた東側ブロックの国際急行列車であった[14][16]

サービスの変遷

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ユーロシティは発足時には一つの系統につき1から数往復程度の運行であったが[17]、後には国境を挟む主要区間で2時間間隔などの等間隔ダイヤを導入する例も現れ、例えばアムステルダム - ケルン間のユーロシティは1991年夏から2時間間隔となった[18]。一方でサービスが簡素化され、食堂車が廃止されて車内販売のみとなった列車も存在する[19]

また、2000年代に入ると列車名のないユーロシティも現れた。例えばパリ - フランクフルト・アム・マイン系統では2003年にユーロシティから列車名が外された[20]TEE以来の伝統を持つ列車名も多くが消滅した[21]

高速鉄道による置き換え

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ブリュッセル南駅に停車するICEとタリス

1987年のユーロシティ発足当時は、フランススイスを結ぶ国際TGVもユーロシティの一部として位置づけられていた。しかし1992年に運行を始めたドイツ・スイス間のICEはユーロシティとはされず、二国間のユーロシティを置き換えていった[22][23]。TGVについても1995年に運行を始めたパリ - ブリュッセル系統などはユーロシティとはされず、これを引き継いだタリスもユーロシティとは別の種別である[23][19]。ただし1996年運行開始のフランス・イタリア間のTGV(2000年より「アルテシア」のブランド名を使用)はユーロシティとされ[24]、2010年現在においても"EuroCity Artesia"と表記されることがある[25]

このほか1996年からスイス・イタリア間で運行を始めた振り子式車両ペンドリーノ使用のチザルピーノもユーロシティとは別に位置づけられていた[注釈 3][26][27]。ただし同様にペンドリーノで運行されていたチェコ・オーストリア間やスロベニア・イタリア間の列車(いずれも2010年現在は廃止)はユーロシティであった[28]。また、2008年オーストリアで導入されたレイルジェットも周辺国との間のユーロシティを置き換えつつある[29]

また、一部区間がTGVで置き換えられて区間が短縮されるとともにユーロシティから格下げされたカタラン・タルゴのような例もある[23]。これらの影響で、西ヨーロッパからはユーロシティが姿を消しつつある。2010年時点では、ユーロシティの残っているのは中欧諸国のほかは高速化から取り残された系統が主になっている[19]。すでにイギリススペインオランダにはユーロシティが存在せず、フランスでは東部の一部に残るのみである。

車両

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ユーロシティのほとんどは電気機関車の牽引する客車列車である。使用される客車は一般に各国のインターシティまたはこれに相当する優等列車用の客車である。複数の国の客車を混結した編成が用いられることもある[19][28]

少数ながら電車気動車によるユーロシティも存在する。用いられている車両は以下の通り。

またTGV Sud-EstおよびTGV Réseauを用いるパリジュネーヴミラノの間の国際TGVもユーロシティとみなされる[28]

過去にユーロシティに用いられていた電車には以下がある。

料金・座席指定

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ユーロシティの利用には運賃のほか特急料金が必要である。ただしユーレイルパスなどの鉄道パスは特急料金分も含んでいる。座席の指定にはこのほか指定料金が必要である。ポーランドにおいてはユーロシティは全車指定席となっており予約が必須である[37]

イタリア発着のユーロシティとベルリン - ワルシャワ間の「ベルリン-ワルシャワエクスプレス」は包括運賃制度を採用しており、予約が必須であり切符の購入時期などによって料金が変わる[37]

主な系統

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2014年現在

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2010年冬ダイヤにおけるユーロシティ網(TGVを除く)。線の太さはその区間の列車数に対応する。

2014年-15年の冬ダイヤにおいて運行されているユーロシティ(TGVを除く)の主な系統は以下の通り。詳細は#列車一覧節を参照。

ブリュッセル - バーゼル

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ベルギーブリュッセル南駅)からルクセンブルク市フランスメスストラスブールミュールーズなどを経由しスイスバーゼルに至る。1日2往復のユーロシティが運行されている。

かつての国際寝台車会社のプルマン列車「エーデルヴァイス」の経路の一部であり、TEE時代にもエーデルヴァイス、イリスが走っていた[38]。イリスはTEE時代と同じ列車名、ほぼ同じ区間で運行されている稀な例の一つである[21]

ハンブルク - コペンハーゲン

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ドイツハンブルクハンブルク=アルトナ駅デンマークコペンハーゲンを結ぶ。途中プットガルテン(Puttgarden)とロービュ(Rødby)の間は車両航送が行なわれる[30]

同区間はIC3型気動車によるユーロシティ1往復のほか、ICE TD車両(605形気動車)によるICEも運行されており[30]、ユーロシティとICEを合わせれば2時間間隔の等間隔ダイヤとなっている[39]

ベルリン - ワルシャワ

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ドイツのベルリンポーランドワルシャワの間では「ベルリン-ワルシャワエクスプレス」と名付けられたユーロシティが1日4往復運行されている[40]

ベルリン - ワルシャワ間の国際急行列車であった「ベロニナ」が1992年にユーロシティとなり[14]、その後1993年にVarsovia[15]1998年にPaderewskiが加わって3往復となった[41]2002年には固有の列車名がなくなり「ベルリン-ワルシャワエクスプレス」と総称されるようになり[42]2010年には一往復増発されて一日4往復となっている[33]

ベルリン - プラハ

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ベルリンとチェコプラハの間ではドレスデン経由のユーロシティが2時間間隔で運行されている。一部はベルリンからハンブルクなどへ、またプラハからウィーンブラチスラヴァブダペスト方面へ延長されている[43]

プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト

[編集]

プラハからブジェツラフを経由してスロバキアブラチスラヴァまではベルリン方面からの直通列車を含め7往復が運行されており、2時間間隔の等間隔ダイヤとなっている。さらにブダペストまでは6往復が直通する[43]

フランクフルト・アム・マイン、ミュンヘン - クラーゲンフルト、グラーツ

[編集]

ドイツのミュンヘンからオーストリアザルツブルクを経由してオーストリア南東部のフィラッハクラーゲンフルトあるいはグラーツに至る。ドイツ側では一部がフランクフルト・アム・マインなどまで直通する[44]

ミュンヘン - ビショフスホーフェン(クラーゲンフルト方面とグラーツ方面の分岐点)間では約2時間間隔でユーロシティ間が運行されている。ザルツブルクでのオーストリア国内列車との乗り継ぎを含めればミュンヘン - フィラッハ間は完全な2時間間隔となる[44][45]

ミュンヘン - イタリア

[編集]

ミュンヘンからオーストリアのインスブルックを経由しイタリアヴェローナに至る。ヴェローナからはミラノヴェネツィアボローニャへ各1往復が直通する。ミュンヘン - ヴェローナ間では2時間間隔で運転される[46]

TEE「メディオラヌム」の走っていた路線であり、1987年に列車名を「レオナルド・ダ・ヴィンチ」と改めてユーロシティとなった。かつてはドイツ側ではドルトムントなどドイツ北西部へ、イタリア側ではローマへ直通していた列車もあったが、いずれも現存しない[47]

ハンブルク - バーゼル - クール

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ドイツのハンブルクから、ルール地方およびライン川沿いを経由しバーゼルで国境を越え、チューリッヒを経てクールに至る。一日2往復のユーロシティが運行されている[48]

ハンブルク - バーゼル間はハノーファーフランクフルト・アム・マイン経由と比べて遠回りであり、さらにケルン - マインツ間もケルン-ライン=マイン高速線ではなく在来線を走行する。このためICEと比べるとハンブルク - バーゼル、チューリッヒ間では2時間以上、ケルン - バーゼル間でも1時間近く所要時間が長い[48]

バーゼルで国境を越える列車はTEEの時代から多数存在し、ドイツ側ではフランクフルト、ハノーファー経由ハンブルク方面やケルン経由オランダアムステルダムへ、またスイス側でもジュネーヴイタリアミラノなどへ直通していたユーロシティもあった。しかしこれらのほとんどは、ICEに置き換えられるかバーゼルを境に別の列車に分割されるかしている[22]

スイス - イタリア

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2014年現在、スイスとイタリアを結ぶユーロシティには以下の4つの系統が存在する[49]

1987年のユーロシティ発足当時はジュネーヴ発着のシンプロントンネル経由の系統、バーゼルからゴッタルドトンネル経由の系統、チューリッヒからゴッタルドトンネル経由の系統が存在していた。ジュネーヴ発着系統はローザンヌでパリからのTGV(ユーロシティ扱い)と接続していた。またバーゼル系統はドイツのドルトムントあるいはハンブルクへ直通しており、チューリッヒ発着系統はシュトットガルトまで直通していた[51]

1996年からユーロシティとは別の列車種別としてチザルピーノの運行が始まった。一方の客車ユーロシティはインターシティに格下げされるものや逆にインターシティから格上げされるものがあり、一時南はローマまで、北はバーゼルからストラスブール経由ブリュッセルまで延長されていたものもある。また2004年からは客車のユーロシティもチザルピーノ社による運行となった[51]

2007年にレッチュベルクベーストンネルが開業したことでバーゼルとミラノの間の主要経路は同トンネル経由に移った[52]2009年にチザルピーノ社は列車の運行から撤退し、「チザルピーノ」の種別で運行されていた列車はユーロシティに変更された。またこのときからスイス・イタリア間のユーロシティはすべて振り子式電車となった[53]。2010年冬ダイヤ改正(12月12日)ではバーゼル - ミラノ - ヴェネツィア間(ゴッタルド経由)のユーロシティが新設されている[54]。当時はその他のゴッタルド経由のユーロシティはETR470型電車の運行であったが、この系統にはスイス連邦鉄道のETR610型電車が使用されている[55]

過去の系統

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パリ - ブリュッセル - アムステルダム

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フランスパリベルギーブリュッセルの間は、かつて最大6往復のTEEの運行されていた区間であり、1987年のユーロシティ創設時にも5往復(アムステルダムおよびケルンへ直通する各1往復を含む)が運行された。そのうち「ブラバント」と「ルーベンス」はユーロシティでありながらTEE時代と同様一等車のみの編成であった[56]

1993年からパリ - ブリュッセル間のみの列車は再度TEEに種別を変更した。これらの列車は1995年TGVに置き換えられて廃止された。さらに1996年にはEC「エトワール・デュ・ノール」(パリ - ブリュッセル - アムステルダム)が、1997年にはEC「ジャック・ブレル」(パリ - ブリュッセル - ケルン)がそれぞれ同区間のタリスに置き換えられて廃止され、パリ・ブリュッセル間からユーロシティは姿を消した[56]

2010年現在ではパリ - アムステルダム間はタリスがほぼ1時間間隔で、パリ - ブリュッセル間ではそれ以上の頻度で運行されている[57]。このほかブリュッセルとパリ以外のフランス各地を結ぶTGVも存在する[58]

パリ - ケルン、ドルトムント

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1987年当時、パリと西ドイツ北西部のケルンドルトムントの間ではユーロシティが三往復運行されていた。うち2往復(「モリエール」: パリ - ドルトムント、「パルジファル」: パリ - ケルン)はベルギー南部経由であり、1往復(「ギュスターヴ・エッフェル」: パリ - ケルン)はやや遠回りのブリュッセル経由である[59]。ギュスターヴ・エッフェルはその後一旦急行列車に格下げされた後、1993年に「ジャック・ブレイユ」の名で再びユーロシティとなった[60]

これらはいずれも1997年にタリスに置き換えられて廃止された[59]。2010年現在ではパリ - ケルン間は直通のタリス5往復(2時間から4時間間隔)またはタリスとICEブリュッセル南駅で乗り継ぐことで連絡される[61]

パリ - フランクフルト、ルクセンブルク

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1987年当時、パリ - フランクフルト・アム・マイン間には2往復のユーロシティがあり、うち1往復は途中メスルクセンブルク市への編成を分割していた。パリ - ルクセンブルク間にはこれとは別にもう1往復のユーロシティがあった[17]。パリ - フランクフルト間のユーロシティはその後増発され、一時はドイツ東部のドレスデンチェコプラハまで延長されていたものもあった[62]

2007年LGV東ヨーロッパ線開業時にパリ - フランクフルト間のユーロシティはICEに置き換えられて廃止された[63]。2010年現在同区間には一日5往復(平日)のICEまたはTGVがある。このほかタリスとICEをブリュッセルまたはケルンで乗り継ぐことでも連絡される[64][65]

パリ - ミュンヘン

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パリとミュンヘンストラスブール経由で結ぶ経路では、TEEは一度も運行されたことはなく、ユーロシティも1987年時点では存在しなかった。しかし1989年に2往復(「モーツァルト」: パリ - ウィーン、「モーリス・ラヴェル」)がユーロシティとなった。パリ - ウィーン間の直通は2002年に廃止されたものの、パリ - ミュンヘン間やそのうちの一部のみを走るユーロシティは増発された[66]

2007年にこれらのユーロシティは、ストラスブール - ミュンヘン間の1往復を除いてTGVに置き換えられ廃止された[63]

パリ - バーゼル - チューリッヒ

[編集]

かつてTEEアルバレートの走っていた区間であり、1987年にはアルバレートとル・コルビュジエの2往復がユーロシティとなった[67]

1997年6月にはル・コルビュジエがパリ - バーゼル間に短縮されてユーロシティではなくなり[68]、同年9月にはパリ - チューリッヒ間をベルン経由で結ぶTGV(のちに「リリア」のブランド名がつけられる)が新設されたことにともない、アルバレートも区間を短縮されてユーロシティではなくなった[67]。その後2007年のLGV東ヨーロッパ線開業にともない、パリ - チューリッヒ間のTGVはストラスブール、バーゼル経由となった[63]

リヨン - ミラノ

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フランスのリヨンイタリアミラノフレジュス鉄道トンネル経由で結んでいたTEEモン・スニは1972年に一般の特急列車に格下げされたのち、1980年には国際インターシティとなっていた。しかし1987年には表定速度の遅さなどを理由にユーロシティとはされなかった[69]

1997年9月になって、振り子式車両ETR460電車が投入されるとともに、モン・スニとリヨン - トリノ間の2往復がユーロシティとされた。しかし2000年には客車列車に戻され、2003年にこの区間のユーロシティは廃止された[69]

ブリュッセル - ケルン

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ブリュッセルとケルンをリエージュアーヘン経由で結ぶ路線は1984年ベルギー国鉄のインターシティB線とされ、2時間間隔の等間隔ダイヤで列車が運行されていた[70][60]。1987年には、この区間を含む列車のうちオーステンデ - ケルン間の「メムリンク」とパリ - ケルン間の「ギュスターヴ・エッフェル」の2往復がユーロシティとなった[60]

1993年にはブリュッセル - ベルリン間の「アレクサンダー・フォン・フンボルト」などが新設されて同区間のユーロシティは4往復となった。しかし1997年のタリスのケルン乗り入れにともないこれらのユーロシティは全て廃止された[60]

2002年から同区間ではタリスのほかICEも運行されている[60]。2010年現在ではタリスの運行区間はパリ - ブリュッセル - ケルン間、ICEはブリュッセル - ケルン - フランクフルト間である[64]

アムステルダム - ケルン、フランクフルト

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オランダとドイツ(西ドイツ)をライン川沿いに結ぶ経路では、一時4往復のTEEが運行されていた。1987年にはアムステルダムとミュンヘンインスブルック(オーストリア)、クール(スイス)を結ぶ計3往復がユーロシティとなった。1991年には増発されてアムステルダム - ケルン間では2時間間隔の等間隔ダイヤとなった[71]

これらのユーロシティは2000年11月にICEに置き換えられて廃止された。ICEの運行区間は当初ほとんどがアムステルダム - ケルン間のみであったが、2002年のケルン-ライン=マイン高速線開業にともないアムステルダム - フランクフルト間に延長された[71]。2010年現在ではアムステルダム - フランクフルト間で6往復(平日)、アムステルダム - バーゼル間に1往復のICEがある[72]

フランクフルト - ウィーン

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ドイツ(西ドイツ)とオーストリアの国境をパッサウで越える経路では、1987年に「プリンツ・オイゲン」(ハンブルク - ウィーン)と「ヨハン・シュトラウス」(ケルン - フランクフルト - ウィーン)がユーロシティとなった[17]。その後1989年には「フランツ・リスト(Franz Liszt)」(ドルトムント - ブダペスト)が加わっている[73]1991年にはパッサウ経由のユーロシティは2時間間隔の等間隔ダイヤとなった[74]

プリンツ・オイゲンは1998年にICEに置き換えられ、2003年にはさらに1往復のユーロシティがICEに置き換えられた[75]。そして2007年に同経路のユーロシティはすべてICEに変わり、同時にブダペストへの直通列車もなくなった[76]

ミュンヘン - ウィーン

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ミュンヘン - ウィーン間の列車がTEEになったことは一度もなかったが、1987年には同区間の「スタチャス」がユーロシティとなった[17]。その後パリ - ウィーン間の「モーツァルト」やミュンヘン - ブダペスト間の「バルトーク・ベーラ」なども加わったが、2002年にはユーロシティはミュンヘン - ウィーン間とミュンヘン - ブダペスト間の2往復のみとなった[77]。そして2009年にはこれらのユーロシティは段階的にレイルジェットに置き換えられた[78][29]

ハンブルク - オーフス

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ハンブルクとデンマークオーフスの間では2002年12月に2往復のユーロシティが新設された。うち1往復はベルリン経由チェコのプラハまで直通していた[79]

2010年現在、同区間の国際列車はICEに置き換えられている[80]

ミラノ - ニース

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元TEEであった国際インターシティの「リーグレ」(ミラノ - マルセイユ)は1987年以降もインターシティのままであった。1992年にはミラノ - ニース間に短縮された。2004年12月にリーグレは他の2往復とともにユーロシティとなった[81]。これらのユーロシティはTreni Riviera(リヴィエラの列車)と総称された[82]

しかし2009年12月13日には同区間のユーロシティがすべて廃止され、ミラノ - ヴェンティミリア間のイタリア国内インターシティと置き換えられた[83][84]

ウィーン - ヴェネツィア

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2004年12月からウィーン - ヴェネツィア間のユーロシティ2往復は「アレグロ(Allegro)」のブランド名で運行されていた[85]。しかし2008年に1往復削減され[78]、残る1往復も2009年12月に廃止された[86]

2010年時点においては、フィラッハでオーストリア国内ユーロシティとバス(ÖBBインターシティ・バス)を乗り継ぐ必要がある[87]

プラハ - ウィーン - ウィーナー・ノイシュタット

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プラハからチェコ南東部のブジェツラフオーストリアウィーンを経由してウィーナー・ノイシュタットまでの区間ではユーロシティが2時間(一部3時間)間隔で運行されていた[43]。2010年冬ダイヤ改正までは同区間にチェコ鉄道680系電車を用いたスーパーシティも運行されていたが、これはオーストリア国内ではユーロシティ扱いとなっていた[28][88]

かつてはウィーン南駅発着であったが、ウィーン中央駅の工事に伴う南駅の一部閉鎖のため、2009年12月からウィーナー・ノイシュタットまで延長され、ウィーンでの停車駅はマイドリング駅(Bahnhof Wien Meidling)に変更された[86]

全列車がrailjetに置き換えられた。

チューリッヒ - ミュンヘン

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スイスチューリッヒとドイツのミュンヘンを結ぶ経路では一日4往復のユーロシティが運行されていた。途中短距離ではあるがオーストリア領を経由していた[89]

元はTEEバヴァリアの経路であり、1987年にバヴァリアを含め3往復がユーロシティとなった。2001年に同区間にはICE-TD車両によるICEが新設されたが、車両のトラブルにより2003年に客車列車のユーロシティに変更されている。また、かつてはスイス側ではベルンジュネーヴへ、ドイツ側ではニュルンベルク経由チェコのプラハへ直通していた列車もあった[90]

チューリッヒ - ウィーン

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スイスのチューリッヒとオーストリアのウィーンを結ぶ。途中クーフシュタインザルツブルクの間でドイツ国内を回廊列車として通過する。

1987年に「トランスアルピン」[91]など3往復がユーロシティとなった[92]

全列車がrailjetに置き換えられた。

列車一覧

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1987年夏ダイヤ

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1987年5月31日のユーロシティ創設時に運行されていたユーロシティは以下の通り[17]。昼行ユーロシティの「改正前」欄が空欄であるものは同名の国際インターシティであった。

昼行

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列車番号 列車名 区間 沿線国 改正前[6]
EC 3/2 レンブラント
Rembrandt
アムステルダム - ケルン - バーゼル - クール オランダの旗西ドイツの旗スイスの旗
EC 5/4 カルロ・マーニョ
Carlo Magno
ドルトムント - バーゼル - ミラノ - セストリ・レヴァンテ 西ドイツの旗スイスの旗イタリアの旗 IC「メトロポリタノ(Metropolitano)」 : ドルトムント - ミラノ
EC 7/6 レッチュベルク
Lötschberg
ハノーファー - ケルン - バーゼル - ブリーク 西ドイツの旗スイスの旗
EC 9/8 ラインプファイル
Rheinpfeil
ハノーファー - ケルン - バーゼル - クール
EC 11-12/13-10 レオナルド・ダ・ヴィンチ
Leonardo da Vinci
ドルトムント - マンハイム - ミュンヘン - インスブルック - ミラノ 西ドイツの旗オーストリアの旗イタリアの旗 IC「メディオラヌム(Mediolanum)」
EC 21/20 ブラウエル・エンツィアン
Blauer Enzian
ドルトムント - フランクフルト・アム・マイン - ミュンヘン - クラーゲンフルト 西ドイツの旗オーストリアの旗
EC 21/24 ルテチア[注 1]
Lutetia
パリ - ローザンヌ (TGV) フランスの旗スイスの旗
EC 23/26 シザルパン[注 1]
Cisalpin
EC 25/28 レマノ[注 1]
Lemano
EC 27/22 シャンゼリゼ
Champs-Élysées
パリ - フラーヌ(Frasne) - ローザンヌ、ベルン (TGV)[注 2]
EC 25/24 エラスムス
Erasmus
アムステルダム - ケルン - フランクフルト - ミュンヘン - インスブルック オランダの旗西ドイツの旗オーストリアの旗
EC 27/26 フランス・ハルス
Frans Hals
アムステルダム - ケルン - フランクフルト - ミュンヘン オランダの旗西ドイツの旗 新設
EC 29/28 ヨハン・シュトラウス
Johan Strauss
ケルン - フランクフルト - ウィーン 西ドイツの旗オーストリアの旗
EC 31/30 メルクール
Merkur
フランクフルト - ケルン - ハンブルク - コペンハーゲン 西ドイツの旗デンマークの旗
EC 31/34 ルテチア[注 1]
Lutetia
ジュネーヴ - ローザンヌ - ミラノ スイスの旗イタリアの旗
EC 33/36 シザルパン[注 1]
Cisalpin
EC 35/38 レマノ[注 1]
Lemano
EC 39/40 モンテヴェルディ
Monteverdi
IC「リアルト(Rialto)」
EC 37/30 ロムルス
Romulus
ウィーン - ヴェネツィア - ローマ オーストリアの旗イタリアの旗 急行列車(Express)
EC 33/32 スカンディナヴィアン
Scandinavien
ハンブルク - コペンハーゲン 西ドイツの旗デンマークの旗
EC 35/34 ハンザ
Hansa
急行列車(D-Zug)「ハンブルク急行(Hamburg Express)」
EC 41/40 モリエール
Molière
パリ - ナミュール - ドルトムント フランスの旗ベルギーの旗西ドイツの旗
EC 43/42 ギュスターヴ・エッフェル
Gustave Eiffel
パリ - ブリュッセル - ケルン IC「ディアマント(Diamant)」
EC 45/44 パルジファル
Parsifal
パリ - ナミュール - ケルン
EC 49/48 メムリンク
Memling
オーステンデ - ブリュッセル - ケルン ベルギーの旗西ドイツの旗 IC「サフィール(Saphir)」
EC 53/52 ヴィクトル・ユーゴー
Victor Hugo
パリ - メス - フランクフルト フランスの旗西ドイツの旗
EC 57/56 ゲーテ
Goethe
EC 53/56 ロッシーニ
Rossini
シャフハウゼンチューリッヒ → キアッソ(Chiasso) → ミラノ

ミラノ → キアッソ → チューリッヒ

スイスの旗イタリアの旗
EC 61/60 マリア・テレジア
Maria Theresia
チューリッヒ - インスブルック - ウィーン スイスの旗西ドイツの旗オーストリアの旗[注 3]
EC 63/62 トランスアルピン[91]
Transalpin
バーゼル - チューリッヒ - インスブルック - ウィーン
EC 65/64 フランツ・シューベルト
Franz Schubert
EC 63/62 ベンジャミン・ブリテン
Benjamin Britten
ロンドン - ハリッジ(Harwich)[注 4]
フーク・ファン・ホラント(Hoek van Holland) - アムステルダム
イギリスの旗オランダの旗 「フーク・コンティネンタル(Hook Continental)」(イギリス側)
「ボートレイン・アムステルダム(Bootrein Amsterdam)」、「ボートレイン・ロンドン(Bootrein London)」(オランダ側)[注 5]
EC 67/66 アドミラル・デ・ロイテル
Admiraal De Ruyter
「デイ・コンティネンタル(Day Continental)」(イギリス側)
「ボートレイン・アムステルダム(Bootrein Amsterdam)」、「ボートレイン・ロンドン(Bootrein London)」(オランダ側)[注 5]
EC 67/66 スタチャス
Stachus
ミュンヘン - ウィーン 西ドイツの旗オーストリアの旗 急行列車
EC70-71/72-73 カタラン・タルゴ
Catalan Talgo
ジュネーヴ - アヴィニョン - ポルトボウ - バルセロナ スイスの旗フランスの旗スペインの旗
EC 71/70 レティア
Rätia
ハンブルク - フランクフルト - バーゼル - チューリッヒ - クール 西ドイツの旗スイスの旗
EC 75/74 ティチアーノ
Tiziano
ハンブルク - フランクフルト - バーゼル - ミラノ 西ドイツの旗スイスの旗イタリアの旗
EC 77/76 モンブラン
Mont Blanc
ハンブルク - フランクフルト - バーゼル - ジュネーヴ 西ドイツの旗スイスの旗
EC 79/78 ヘルヴェティア
Helvetia
ハンブルク - フランクフルト - バーゼル - チューリッヒ
EC 81/80 カーヴェンデル
Karwendel
ハンブルク - ミュンヘン - ガルミッシュ=パルテンキルヒェン - インスブルック 西ドイツの旗オーストリアの旗
EC 81/84 ルーベンス
Rubens
パリ - ブリュッセル フランスの旗ベルギーの旗
EC 83/86 ブラバント
Brabant
EC 85/80 イル・ド・フランス
Ile de France
EC 87/82 エトワール・デュ・ノール
Etoile du Nord
パリ - ブリュッセル - アムステルダム フランスの旗ベルギーの旗オランダの旗
EC 83/82 ヘルマン・ヘッセ
Hermann Hesse
シュトットガルト → チューリッヒ → キアッソ(Chiasso) → ミラノ

キアッソ → チューリッヒ → シュトットガルト

西ドイツの旗スイスの旗イタリアの旗 新設
EC 85/84 バルバロッサ
Barbarossa
シュトットガルト - チューリッヒ - キアッソ - ミラノ
EC 87/86 シュヴァーベンラント
Schwabenland
シュトットガルト → チューリッヒ → キアッソ
チューリッヒ → シュトットガルト
西ドイツの旗スイスの旗 新設
EC 91/90 プリンツ・オイゲン
Prinz Eugen
ハンブルク - ウィーン 西ドイツの旗オーストリアの旗
EC 93/92 シュヴァイツァーラント
Schweitzerland
チューリッヒ - リンダウ - ミュンヘン スイスの旗オーストリアの旗西ドイツの旗 無名の急行列車[注 6]
EC 97/96 ゴットフリート・ケラー
Gottfried Keller
急行列車(D-Zug)
EC 99/98 バヴァリア
Bavaria
EC 95/94 イリス
Iris
ブリュッセル - ルクセンブルク市 - ストラスブール - バーゼル - チューリッヒ - クール ベルギーの旗ルクセンブルクの旗フランスの旗スイスの旗
EC 113/116 ル・コルビュジエ
Le Corbusier
パリ - バーゼル - チューリッヒ フランスの旗スイスの旗
EC 115/114 アルバレート
Arbalète
EC 203-202/209-208 ロベール・シューマン
Robert Schuman
パリ - メス - ルクセンブルク フランスの旗ルクセンブルクの旗
EC 205 ゲーテ
Goethe
ルクセンブルク → メス[注 7]
EC 1342 ヴィクトル・ユーゴー
Victor Hugo
メス → ルクセンブルク[注 8]
EC 921/928 ジュネヴォア
Genevois
パリ - ジュネーヴ (TGV) フランスの旗スイスの旗
EC 923/924 ヴォルテール
Voltaire
EC 925/926 ヴェルサイユ
Versailles
EC 927/920 ジャン=ジャック・ルソー
Jean-Jacque Rousseau
  1. ^ a b c d e f ローザンヌで同名の列車と接続
  2. ^ フラーヌで分割、併合を行なう(Thomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987, table 55)。
  3. ^ 西ドイツ国内は回廊列車として通過。
  4. ^ ハリッジ - フーク・ファン・ホラント間は船舶連絡。ベンジャミン・ブリテンはこの間夜行連絡船。なおThomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987, table 10Xによればイギリス側の列車はユーロシティとしての列車番号がつかない。
  5. ^ a b アムステルダム行きがボートレイン・アムステルダム、フーク・ファン・ホラント行きがボートレイン・ロンドンで、ともに1日2本運転。
  6. ^ 「シュヴァイツァーラント」という列車名はシュトットガルト - チューリッヒ間の急行列車につけられていた。
  7. ^ メス - パリ間EC56ゲーテに併結。
  8. ^ パリ - メス間EC53ヴィクトル・ユーゴーに併結。

夜行

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列車番号 列車名 区間 沿線国
EC 213/212 パラティーノ
Palatino
パリ - シャンベリ - ジェノヴァ - ローマ フランスの旗イタリアの旗
EC 217/216 スタンダール
Stendhal
パリ - トリノ - ミラノ
EC 223/222 ガリレイ
Galilei
パリ - ローザンヌ - ブリーク - ミラノ - ヴェネツィアフィレンツェ[注 1] フランスの旗スイスの旗イタリアの旗
EC 391(491)/390(490) アルフレッド・ノーベル
Alfred Nobel
ハンブルク - プットガルテン(Puttgarden) - ロービュ(Rødby) - ヘルシンゲル - ヘルシンボリ - ストックホルムオスロ[注 2] 西ドイツの旗デンマークの旗スウェーデンの旗ノルウェーの旗
EC 407-406/409-408 パリ・マドリード・タルゴ
Paris-Madrid Talgo
マドリード - ボルドー - パリ スペインの旗フランスの旗
EC 471/470 コメット
Komet
ハンブルク - ハノーファー - バーゼル - チューリッヒ - クール、バーゼル - ブリーク[注 3] 西ドイツの旗スイスの旗
EC 475-474/477-466 バルセロナ・タルゴ
Barcelona Talgo
バルセロナ - ナルボンヌ - パリ スペインの旗フランスの旗
  1. ^ パリ発列車はミラノで分割を、パリ行き列車はブリークで併合を行なう。フィレンツェ - ブリーク間は列車番号412(Thomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987, table 37)。
  2. ^ プットガルテン - ロービュ間(渡り鳥コース)とヘルシンゲル - ヘルシンボリは車両航送を行なう。ヘルシンボリ - オスロ間は列車番号EC491/490。
  3. ^ バーゼルで分割、併合を行なう(Thomas Cook Continental Timetable May 31 - June 30 1987, table 73)。

2010年-11年冬ダイヤ

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2010年 - 11年冬ダイヤ(12月12日改正)で運行されているユーロシティは以下の通り。以下ではThomas Cook Eurppean Rail Timetableにおいて列車種別が"EC"とされている列車のうち、オーストリア国内列車を除いたものを記している。「運行本数」は一日あたりの運行数であり、空欄のものは一日一往復である。ただし曜日により運休となったり運行区間を変更したりする列車もある。「供食」欄が○のものは食堂車を連結し、△のものはバーまたは車内販売による軽食の提供がある。

列車番号 列車名 区間 沿線国 運行本数 供食 出典
EC 361 / 360 ストラスブール - シュトットガルト - ミュンヘン フランスの旗ドイツの旗 [93]
EC 91 / 90 ヴォーバン英語版
Vauban
ブリュッセルルクセンブルク → ストラスブール → バーゼルチューリッヒクール

チューリッヒ → ブリュッセル[注 1]

ベルギーの旗ルクセンブルクの旗フランスの旗スイスの旗 × [94]
EC 97 / 96 イリス
Iris
ブリュッセル - ルクセンブルク - ストラスブール - バーゼル ( - チューリッヒ)[注 2] ×
EC 295 / 296 ジャン・モネ英語版
Jean Monnet
ブリュッセル - ルクセンブルク - ストラスブール - バーゼル ×
EC 31 / 30 ハンブルク - コペンハーゲン ドイツの旗デンマークの旗 1往復[注 3] [39]
EC 41, 43, 45, 47 / 46, 44, 42, 40 ベルリン-ワルシャワエクスプレス
Berlin Warszawa Express
ベルリン - ポズナン - ワルシャワ ドイツの旗ポーランドの旗 4往復 [40]
EC 249 / 248 ヴァヴェル英語版
Wawel
ハンブルク - ベルリン - ヴロツワフ - クラクフ ドイツの旗ポーランドの旗
EC 71 / 70 グスタフ・マーラー
Gustav Mahler
プラハ - ウィーン - ウィーナー・ノイシュタット チェコの旗オーストリアの旗 [43]
EC 73 / 72 スメタナオランダ語版
Smetana
EC 75/74 フランツ・シューベルト
Franz Schubert
EC 77/76 アントニン・ドヴォルザーク
Antonín Dvořák
EC 79/78 グスタフ・クリムト
Gustav Klimt
プラハ → ウィーン
グラーツ → ウィーナー・ノイシュタット → ウィーン → プラハ
EC 137 / 136 モラヴィア
Moravia
ワルシャワ - ) ボフーミン(Bohumín) - オストラヴァ - ブラチスラヴァ - ブダペスト[注 4] チェコの旗スロバキアの旗ハンガリーの旗 [43][95]
EC 171 / 170 ハンガリア英語版
Hungaria
ベルリン - プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト ドイツの旗チェコの旗スロバキアの旗ハンガリーの旗 [43]
EC 173 / 172 ヴィンドボナ英語版
Vindobona
ハンブルク - ベルリン - プラハ - ウィーン - フィラッハ ドイツの旗チェコの旗オーストリアの旗
EC 175 / 174 ヤン・イェゼニウスオランダ語版
Ján Jesenius
Jeszensky János
ハンブルク - ベルリン - プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト ドイツの旗チェコの旗スロバキアの旗ハンガリーの旗
EC 177 / 176 ヨハネス・ブラームスオランダ語版
Johannes Brahms
ベルリン → プラハ → ウィーン
ブルノ → プラハ → ベルリン → ハンブルク
ドイツの旗チェコの旗オーストリアの旗
EC 179 / 178 アロイス・ネグレッリオランダ語版
Alois Negrelli
シュチェチン - ベルリン - プラハ ポーランドの旗ドイツの旗チェコの旗
EC 273 / 272 ヤロスラフ・ハシェク
Jaroslav Hašek
プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト チェコの旗スロバキアの旗ハンガリーの旗
EC 275 / 274 スロヴァン
Slovan
プラハ - ブラチスラヴァ チェコの旗スロバキアの旗
EC 345 / 344 アヴァラ
Avala
プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト - ベオグラード チェコの旗スロバキアの旗ハンガリーの旗セルビアの旗
EC 379 / 378 カール・マリア・フォン・ウェーバーオランダ語版
Carl Maria von Weber
シュトラールズント → ベルリン → プラハ → ブルノ
ウィーン → ブルノ → プラハ → ベルリン → シュトラールズント
ドイツの旗チェコの旗オーストリアの旗
EC 111 / 110 ミュンヘン - ザルツブルク - フィラッハ - クラーゲンフルト ドイツの旗オーストリアの旗 [44]
EC 113 / 112 ジーゲン - フランクフルト・アム・マイン - シュトットガルト - ミュンヘン - フィラッハ - クラーゲンフルト [44][96]
EC 115 / 114 ヴェルターゼー
Wörthersee
ミュンスターケルン → シュトットガルト → ミュンヘン → クラーゲンフルト
クラーゲンフルト → ケルン → ドルトムント
[44]
EC 117 フランクフルト・アム・マイン→ ミュンヘン → クラーゲンフルト 片道のみ
EC 111-211 / 210-110 サヴァ
Sava
ミュンヘン - フィラッハ - リュブリャナ - ザグレブ - ベオグラード[注 5] ドイツの旗オーストリアの旗スロベニアの旗クロアチアの旗セルビアの旗 [注 6] [97][44][98]
EC 113-213 / 212-112 ミマラ
Mimara
フランクフルト・アム・マイン - ミュンヘン - フィラッハ - リュブリャナ - ザグレブ[注 7] ドイツの旗オーストリアの旗スロベニアの旗クロアチアの旗 [注 8] [97][44][96][98]
EC 217 / 216 ザールブリュッケン - マンハイム - シュトットガルト - ミュンヘン - ザルツブルク - グラーツ ドイツの旗オーストリアの旗 [44][99]
EC 219 / 218 フランクフルト・アム・マイン - シュトットガルト - ミュンヘン - グラーツ [44]
EC 391 / 390 ミュンヘン - ザルツブルク - リンツ ドイツの旗オーストリアの旗 × [100]
EC 81, 83 / 80, 188 ミュンヘン - インスブルック - ヴェローナ ドイツの旗オーストリアの旗イタリアの旗 2往復 [46]
EC 85/ 84 ミュンヘン - インスブルック - ヴェローナ - ボローニャ
EC 87/ 86 ミュンヘン - インスブルック - ヴェローナ - ヴェネツィア
EC 89-92 / 93-88 ミュンヘン - インスブルック - ヴェローナ - ミラノ
EC 189 / 82 ミュンヘン - インスブルック ドイツの旗オーストリアの旗
EC 7, 101 / 6, 100-102 ハンブルク - ケルン - バーゼル - チューリッヒ - クール ドイツの旗スイスの旗 [48]
EC 191, 193, 195, 197 / 190, 192, 194, 196 チューリッヒ - ブレゲンツ - リンダウ - ミュンヘン スイスの旗オーストリアの旗ドイツの旗 4往復 [89]
EC 35, 39, 41 / 32, 34, 36 ジュネーヴ - ローザンヌ - ブリーク - ミラノ スイスの旗イタリアの旗 3往復 [49]
EC 37 / 42 ジュネーヴ - ローザンヌ - ブリーク - ミラノ - ヴェネツィア
EC 51, 57, 59 / 50, 52, 56 バーゼル - ベルン - ブリーク - ミラノ スイスの旗イタリアの旗 3往復
EC 153 / 158 バーゼル - ルツェルン - ルガーノ - ミラノ - ヴェネツィア スイスの旗イタリアの旗
EC 13, 15, 17, 19, 21, 23, 25 / 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24 チューリッヒ - ルガーノ - ミラノ スイスの旗イタリアの旗 7往復
EC 165 / 166 チューリッヒ - インスブルック - ザルツブルク - ウィーン スイスの旗西ドイツの旗オーストリアの旗[注 9] [101]
EC 151 / 150 エモナ
Emona
ウィーン - グラーツ - マリボル - リュブリャナ (- リエカ[注 10] オーストリアの旗スロベニアの旗クロアチアの旗 [102]
EC 159 / 158 クロアチア
Croatia
ウィーン - グラーツ - マリボル - ザグレブ オーストリアの旗スロベニアの旗クロアチアの旗
EC 251, 255 / 252, 256 ウィーン - グラーツ - マリボル[注 11] オーストリアの旗スロベニアの旗 2往復
EC 121 / 120 プラハ - ジリナ - コシツェ チェコの旗スロバキアの旗 [103]
EC 103 / 102 ポロニア英語版
Polonia
ワルシャワ - オストラヴァ - ウィーン - フィラッハ ポーランドの旗チェコの旗オーストリアの旗 [95]
EC 105 / 104 ソビェスキ英語版
Sobieski
ワルシャワ - オストラヴァ - ウィーン
EC 111 / 110 プラハ英語版
Praha
プラハ - オストラヴァ - ワルシャワ チェコの旗ポーランドの旗
  1. ^ ブリュッセル行はスイス国内ではインターレギオ英語版扱い。
  2. ^ スイス国内ではインターレギオ扱い。
  3. ^ 1月中旬から4月上旬まで運休
  4. ^ ワルシャワ - ブダペスト間直通は二等車のみ。ワルシャワ - ボフーミン間ではEC 110/111 Prahaと併結。
  5. ^ ミュンヘン - フィラッハ間EC111/110と併結。
  6. ^ イェセニツェ - ベオグラード間で連結。
  7. ^ フランクフルト - フィラッハ間EC113/112と併結。
  8. ^ ミュンヘン - フィラッハ間で連結。
  9. ^ ドイツ国内では停車せず。
  10. ^ リュブリャナ - リエカ間(列車番号483/482)はユーロシティ扱いではない。ウィーン - リエカ間を直通するのは二等車のみ。
  11. ^ マリボル行の1本(EC 251)はグラーツ始発。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ a b 夜行列車のみ
  2. ^ 当時はチェコスロバキアの分離(ビロード離婚)前。
  3. ^ ただしチザルピーノ社が2004年から運行を担当した客車列車はユーロシティであった。
  4. ^ 2010年12月からETR680はプラハ - ブラチスラヴァ間の国際スーパーシティに用いられているが、これがユーロシティとしても扱われるかは時刻表に記載がない。

出典

[編集]
  1. ^ Thomas Cook European Timetable June 1996, p. 28
  2. ^ Mertens & Malaspina 2007, pp. 22–25
  3. ^ a b Malaspina 2006, pp. 16–19
  4. ^ Malaspina 2006, p. 26
  5. ^ Malaspina 2006, p. 28
  6. ^ a b c d e f Malaspina 2006, pp. 34, 40–41
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参考文献

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  • Thomas Cook European Timetable, Thomas Cook, ISSN 0952-620X  各号
  • Thomas Cook European Rail Timetable, Thomas Cook, ISSN 0952-620X  各号

関連項目

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