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「プロット (物語)」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2013年12月11日 (水) 12:25 (UTC)}}
'''プロット''' ({{lang-en|plot}}) とは、[[ストーリー]]の要約である。プロットは、出来事を原因と結果の順序で並べた文章である。原因と結果の順序とは、「X によって Y が起こり、Y によって Z が起こる」という並びである。このとき、因果関係にない出来事は省略されるため、プロットは出来事の要約になる。「王女は雪山に逃げた女王を追う。'''だから'''、王女は雪山で女王を見つける」<ref>{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=35-65.}}</ref>はプロットである。一方で、ストーリーは、出来事を起こる時間の順序どおり、省略せずに並べた文章であり、プロットとは区別される。「王女は雪山に逃げた女王を追う。'''それから'''、女王は魔法で氷の城を造る」<ref>{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=35-38.}}</ref>はストーリーである。このように、'''「だから」で出来事のつながるものがプロット'''であり、ただ単に「それから」でつながるものがストーリーである。すなわち、'''プロットは論理'''であり、ストーリーは時間である。プロットは時間ではないが、「始まり」「中間」「終わり」があり、それら3つの部分は、原因と結果の関係で結びついている<ref>ここまで。{{Cite web|author=[[井上健 (比較文学者)|井上健]]|title=ストーリー 【すとーりー】|work=[[知恵蔵|知恵蔵2007]]|publisher=[[朝日新聞出版]]|url=http://kotobank.jp/word/ストーリー|accessdate=2014-07-24|language=Japanese|archivedate=2014-07-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140705095847/http://kotobank.jp/word/ストーリー}}</ref><ref>ここまで。{{Cite book|和書|author=ジェラルド・プリンス|title=物語論辞典|publisher=松柏社|series=松柏社叢書|edition=増補版|date=1997-07|language=Japanese|isbn=978-4881988763}}</ref><ref>ここまで。{{Citebook|author=Ansen Dibell, Ph.D.|title=Plot|date=1999-07-15|publisher=Writer's Digest Books||series=Elements of Fiction Writing|language=English|page=6.|isbn=978-0898799460}}</ref><ref>ここまで。{{Cite web|author=Joan Vinall-Cox, Ph.D.|title=Story Includes Plot|url=http://www.slideshare.net/vinall/story-and-plot|accessdate=2014-07-12|language=English|archivedate=2014-05-30|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140530025029/http://www.slideshare.net/vinall/story-and-plot}}</ref>。通常、映画の脚本は、そのような「[[三幕構成]]」とプロットに基づいて書かれる。構成とプロットをまとめた文書が「トリートメント」である<ref>ここまで。{{Cite web|work=シネマセンス|title=トリートメント|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-07-11|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/treatment.jsp|archivedate=2014-07-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140710185425/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/treatment.jsp}}</ref>。一方、日本では、あらすじの書かれた文書それ自体も〈プロット〉と呼ばれている (後述)。
'''プロット'''({{lang-en|plot}})は、創作分野の[[専門用語]]としては、[[小説]]・[[戯曲]]・[[映画]]・[[漫画]]等の創作物における、枠組み・構成のことを言う。[[ストーリー]]とは区別される。
<!--(編者注: 出典がありません。)「国王が亡くなり、王妃も亡くなった」はストーリーであり、「国王が亡くなり、『悲しみのあまり』王妃も亡くなった」はプロットである。-->
<!-- [[日本語]]として創作分野での用法のほかに[[外来語]]として用いられている例は、{{節stub}}|あるようなら記述を。
<!-- [[日本語]]として創作分野での用法のほかに[[外来語]]として用いられている例は、{{節stub}}|あるようなら記述を。
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[[ファイル:Plot and Story.png|thumb|right|350px|プロットとストーリー。プロットは因果関係である。]]
== 概説 ==
== 概要 ==
[[文芸評論]]では、[[物語]]の中で起きている出来事が時間に沿って並べられたものが「ストーリー」であるのに対して、その出来事を再構成したものを「プロット」と呼ぶ。プロットは[[時間#時間の向き|時間軸]]に沿っているとは限らないが、出来事の因果関係を示している。例えば「妻が重い病気になった。夫は毎日泣き暮らすようになった」はストーリー、「夫は毎日泣き暮らすようになった。理由がわからなかったが、妻が重い病気になったからだとわかった」はプロットである、などと説明されることが多い。
プロットによって、ストーリーが要約され、その全体像を把握することが可能になる<ref> Jenna Blum, 2013, ''The Modern Scholar'' published by Recorded Books, ''The Author at Work: The Art of Writing Fiction'', Disk 1, Track 10, ISBN 978-1-4703-8437-1</ref>。このため、プロットは'''ストーリーライン''' (Storyline) とも呼ばれる<ref>''Random House Dictionary.'' "[http://dictionary.reference.com/browse/plot?s=t plot]." </ref><ref>''Oxford Dictionaries.'' "[http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/storyline?q=storyline storyline]."</ref>。プロットは、[[時間#時間の向き|時間軸]]にしたがっているとは限らないが、出来事の原因と結果、すなわち因果関係で最初から最後までつながっている。A⇢B⇢C までがストーリーとすれば、A によって C が起こり、かつ、B が C とは直接に関係がないとき、 B を省いた A→C がプロットである。例えば、「王子が靴を手がかりに[[シンデレラ]]を探す」「靴はシンデレラの意地悪な姉たちの足には合わない」「靴が足に合ったのは王国でシンデレラだけである」というストーリーのうち、靴が姉たちの足に合わないという出来事は、プロットでは省略される。また、映画『[[タイタニック (1997年の映画)|タイタニック]]』('97) では、ストーリーの上で、主人公が船首で両腕を広げる場面や、楽団が船の沈むまで演奏を続ける場面といった有名なシーンがあるが、それらは以後の出来事に影響しないため、プロットでは重視されない。このように、プロットは原因と結果の連鎖である<ref>ここまで。{{Cite web|author=[[井上健 (比較文学者)|井上健]]|title=ストーリー 【すとーりー】|work=[[知恵蔵|知恵蔵2007]]|publisher=[[朝日新聞出版]]|url=http://kotobank.jp/word/ストーリー|accessdate=2014-07-24|language=Japanese|archivedate=2014-07-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140705095847/http://kotobank.jp/word/ストーリー}}</ref><ref>ここまで。{{Cite book|和書|author=ジェラルド・プリンス|title=物語論辞典|publisher=松柏社|series=松柏社叢書|edition=増補版|date=1997-07|language=Japanese|isbn=978-4881988763}}</ref><ref>ここまで。{{Citebook|author=Ansen Dibell, Ph.D.|title=Plot|date=1999-08|publisher=Writer's Digest Books|series=Elements of Fiction Writing|language=English|page=6.|isbn=978-0898799460}}</ref><ref>ここまで。{{Cite web|author=Joan Vinall-Cox, Ph.D.|title=Story Includes Plot|url=http://www.slideshare.net/vinall/story-and-plot|accessdate=2014-07-12|language=English|archivedate=2014-05-30|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140530025029/http://www.slideshare.net/vinall/story-and-plot}}</ref><ref>ここまで。{{Cite web|author=Chapman, Harvey|title=What Is a Plot In a Novel?|work=Novel Writing Help|publisher=Novel-Writing-Help.com|url=http://www.novel-writing-help.com/what-is-a-plot.html|accessdate=2014-07-11|language=English|archivedate=2014-07-11|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140711074451/http://www.novel-writing-help.com/what-is-a-plot.html}}</ref>。プロットとストーリーについては、イギリスの作家[[E・M・フォースター]]が[[1927年]]に発表した『[[小説の諸相]]』での解説が有名である<ref>『[[ブリタニカ百科事典|ブリタニカ国際大百科事典]]』 「小項目事典」 Britannica Japan Co., Ltd. 「[http://kotobank.jp/word/プロット?dic=britannica&oid=10524600 プロット plot]」の頁。</ref>。
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(編者注: 出典がありません。)<!--例えば「妻が重い病気になった。夫は毎日泣き暮らすようになった」はストーリー、「夫は毎日泣き暮らすようになった。理由がわからなかったが、妻が重い病気になったからだとわかった」はプロットである。
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(編者注: 出典がありません。)[[純文学]]や[[短編小説]]では、プロットらしいプロットのない作品も少なからずあるが、[[エンターテインメント]]や[[長編小説]]などの構成力を必要とする創作では、プロットを練ることが不可欠であると考えられている。ただし、[[スティーヴン・キング]]のように、プロット無しで長編エンターテインメント小説を書き、大成した作家もいないわけではない。
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フィクション・ライティングについて複数の著作のあるスティーブ・アルコーンによれば、映画『[[オズの魔法使]]』(1939) のプロットは、究極的にはこれだけである。
[[純文学]]や[[短編小説]]では、プロットらしいプロットのない作品も少なからずあるが、[[エンターテインメント]]や[[長編小説]]などの構成力を必要とする創作では、プロットを練ることが不可欠であると考えられている。ただし、[[スティーヴン・キング]]のように、プロット無しで長編エンターテインメント小説を書き、大成した作家もいないわけではない。
{{Quotation|家が竜巻に巻き込まれて、少女は魔女のところに落ちる。面白い旅の仲間と出会う。一人の魔法使いがあるミッションを出す。バケツの水をかけて魔女を溶かす。}}
ここでは、主人公のドロシーがストーリーの過程で感じる感情は省略されている。プロットのみでは読者や観客の感情的な共感は得られないが、プロットが無ければストーリーを前に進められない。プロットに感情を肉付けしたものがストーリーである。その肉付けの程度を変えることによって、物語のペースは適度の速さにコントロールできる。物語の進行が速すぎる場合には、心情描写を増やせば物語は減速し、 逆に遅すぎる場合には、出来事を増やせば物語は加速する<ref>ここまで。{{Cite web|last=Alcorn|first=Steve|title=小説を書く際のヒント:「プロット(筋書き)」と「ストーリー」の違いを理解する|publisher=Tejix|url=http://www.tejix.com/jp/PaperPlot.html|accessdate= 2014-07-21|language=Japanese|archivedate=2014-07-21|archiveurl=http://web.archive.org/web/20140721024129/http://www.tejix.com/jp/PaperPlot.html}} </ref>。


20世紀初頭、[[ロシア・フォルマリズム]]の文学理論は、物語を構成する要素を{{仮リンク|ファーブラとシュジェート|en|Fabula and syuzhet}}に分けた。それ以降、[[物語論]]においては、[[ロシア語]]の'''ファーブラ''' (Fabula) が「ストーリー」として、同じく'''シュジェート''' (Syuzhet) が「プロット」として、それぞれ置き換えられる場合がある<ref>ここまで。{{Cite journal|author=小方孝|title=「物語論の情報学」の実践としての物語生成システム|journal=知能と情報 (日本知能情報ファジィ学会誌)|volume=23|issue=5|pages=14-24.|publisher=日本知能情報ファジィ学会|date=2011-10|language=Japanese|url=http://www.ogata.soft.iwate-pu.ac.jp/LCC2_Web/Proceedings/Proceedings(26)/26W-02ogata.pdf|accessdate=2014-07-23}}</ref>。ファーブラは、出来事を起こった時間の順に並べたものであるのに対して、シュジェートは、それらの出来事を語られる順に並べ直したものである<ref>{{Cite book|和書|author=[[廣野由美子]]|title=批評理論入門: "フランケンシュタイン" 解剖講義|publisher=[[中央公論新社]]|series=[[中公新書]]|date=2005-03|page=9|language=Japanese|isbn=978-4121017901}}</ref>。[[ボリス・トマシェフスキー]]は、「要するに、ファーブラというのは実際に起こったことであり、シュジェートとは読者がその内容を知った仕方である」と説明している<ref>{{Cite book|和書|editor=水野忠夫|title=ロシア・フォルマリズム文学論集|publisher=[[せりか書房]]|volume=2|date=1995-09|pages=64 f.|language=Japanese|isbn=978-4796701327}}</ref><ref>{{Cite journal|author=後藤尚人|title=読解理論のレトリック(4)|journal=Artes Liberales (岩手大学人文社会科学部紀要)|volume=54|page=100.|publisher=岩手大学人文社会科学部|date= 1994|language=Japanese|url=http://hdl.handle.net/10140/2555|accessdate=2014-07-24}}</ref>。
== 諸論 ==
元々は、単に筋に関連する出来事がひとつの形を形成したもののことをプロットと呼んだ。[[紀元前4世紀]]、[[古代ギリシア]]の[[哲学者]][[アリストテレス]]が『 [[詩学 (アリストテレス)|詩学]]』の中で既に「始め・中・終り」の3つに区分するという基本的なプロットについて述べている( 「[[三幕構成]]」)。この基本的な意味でのプロットという用語は、現代でも小説などの創作の現場でよく使われ、[[物語]]を作るときの設計図・構想のことを指す。物語のあらすじ、登場人物の設定や相関図、事件、小道具、[[世界観]]などがプロットに含まれる。


== 日本におけるプロット ==
プロットとストーリーについては、[[イギリス]]の[[作家]][[E・M・フォースター]]が[[1927年]]に発表した『小説の諸相』での解説が有名である。
日本の映像および漫画産業では、本来の意味から転じて、〈プロット〉が「あらすじの文書」を指す表現としても用いられている<ref name="saito01">ここまで。{{Cite book|和書|author=[[斉藤ひろし]]|title=斉藤ひろしのシナリオ教室: 1週間でマスター|publisher=雷鳥社|date=2006-03-15|pages=42, 82 f.|language=Japanese|isbn=978-4844134480}}</ref><ref>{{Cite book|和書|author=竹宮惠子|title=マンガの脚本概論|publisher=角川学芸出版|date=2010-04-08|page=114|isbn=978-4046538017|language=Japanese}}</ref>。一方で、映画の "plot" は本来、{{仮リンク|ストーリーライン|en|Storyline}}のことである。すなわち、その場合のプロットは、映画の始まりから終わりまでを通したアクション (行動) であり、論理的に一続きの出来事を意味する。そこでは、プロットは特定の文書のことではない<ref>ここまで。{{Cite web|work=シネマセンス|title=プロット(筋)|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-07-13|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/plot.jsp|archivedate=2011-12-08|archiveurl=http://web.archive.org/web/20111208001056/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/plot.jsp}}</ref><ref>ここまで。{{Cite web|work=CinemaSense|title=Plot|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=English|accessdate=2014-07-14|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/english/study_material/screenplay/juoni.jsp|archivedate=2007-07-05|archiveurl=http://web.archive.org/web/20070705222238/http://elokuvantaju.uiah.fi/english/study_material/screenplay/juoni.jsp}}</ref>。


日本の映像産業では、[[脚本]]などを執筆する前に、ストーリーの大まかな構成を理解するために書かれる文書も〈プロット〉と呼ばれている。それは、脚本家自らの執筆のためだけのものではなく、企画書に添付して[[プロデューサー]]に提出される。この場合の〈プロット〉は、[[製作|製作者]]が読むことを前提としたビジネス文書である。そのとき、〈プロット〉の枚数は、[[ワープロソフト|ワープロ]]で1枚ほどの梗概 (シノプシス) から、同30枚以上まで様々である。脚本家の[[斉藤ひろし]]は、日本では、コンクールに応募するときにはワープロで1-2枚程度、新人がプロデューサーに企画を持ち込むときには同5-10枚程度が望ましいとしている。このように、日本の映像産業においては、脚本の前段階の文書が〈プロット〉と呼称されている<ref name="saito01"/>。一方で、脚本の前段階は、英語では一般的に「'''{{仮リンク|トリートメント|en|Film treatment}}'''」(treatment) と呼ばれており、そのような用法での〈プロット〉は[[和製英語]]である。トリートメントは、ストーリーラインという本来の意味でのプロットを含むが、「プロット」とは呼ばれない<ref>ここまで。{{Cite web|work=シネマセンス|title=トリートメント|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-07-11|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/treatment.jsp|archivedate=2014-07-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140710185425/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/treatment.jsp}}</ref><ref>ここまで。[[#シガー]] pp. 26 f.</ref>。

また、日本の漫画制作での〈プロット〉は、[[ネーム (漫画)|ネーム]] ([[絵コンテ]]) の前段階のメモ書きを意味する和製英語である。日本の漫画の〈プロット〉は、あらすじ、もしくは[[脚本#ハコ書き|ハコ書き]]、または脚本そのままの形などで書かれるが、いずれにしても、演出の指定を含めた簡単な小説体のものが一般的である。日本の漫画における〈プロット〉は、日本の映像産業の場合と同じく、ストーリーの構成を事前に把握するための文書である<ref>ここまで。{{Cite book|和書|author=竹宮惠子|title=マンガの脚本概論|publisher=角川学芸出版|date=2010-04-08|pages=114-118, 186 f.|isbn=978-4046538017|language=Japanese}}</ref>。漫画家で[[京都精華大学]][[マンガ学部|マンガ学部長]] (当時、後に学長) の[[竹宮惠子]]によれば、〈プロット〉は A4用紙2枚程度まで (多くとも3枚) に収めなければ、自分自身や編集者がそれを〈プロット〉として読むことは困難である<ref>{{Cite book|和書|author=竹宮惠子|title=マンガの脚本概論|publisher=角川学芸出版|date=2010-04-08|page=125|isbn=978-4046538017|language=Japanese}}</ref>。

== 形式 ==
{{see also|三幕構成}}
=== フィールドの分類 ===
[[三幕構成]]を理論化した脚本家、脚本指導者の[[シド・フィールド]]<ref>「訳者あとがき」 [[#フィールド]] p. 346.</ref>によれば、あらすじには、「要約」と「再現」の2種類がある。'''要約'''は、大まかに出来事の流れをまとめたものである〔編者注: これがプロットにあたる〕。
{{Quotation|女王は生まれ持った魔法の力をコントロールできなくなる。秘密にしていた魔法の力が公になる。女王は山に逃れ、そこで孤独に暮らそうとする<ref>ここまで。{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=32-38.}}</ref>。}}
'''再現'''は、出来事をありのまま具体的に描写することである〔編者注: これがストーリーにあたる〕。
{{Quotation|夜。切り立った雪山の峰を1人で登る若い女王。小雪が降っている。女王は手袋を捨てて氷の魔法を使い始める。雪だるまが作られる。女王がマントを脱ぐ。魔法によって崖に氷の橋がかかる。女王はその橋を渡った後、氷の城を造り始める。女王を中心にして氷の柱と床がせり上がってくる。氷の天井とシャンデリラが出来る。女王は冠を外し、青白色のドレスの姿に変身する。女王は城のバルコニーに出て朝日の光を浴びる<ref>ここまで。{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=36-38.}}</ref>。}}
このように、要約と再現は対照をなすものである〔以上、出典の例を改変〕<ref>ここまで。[[#フィールドII]] pp. 70 f.</ref>。

フィールドは、あらすじを4ページで書くように指導していた。そのうち、ストーリーを連結する4つの重要ポイントでは「再現」、それ以外の部分では「要約」が用いられる。4つの重要ポイントとは、オープニング、プロットポイント I, II、およびエンディングの4つである<ref>ここまで。[[#フィールドII]] pp. 65, 68-76.</ref><ref group="注釈">一方で、脚本家で俳優のウェンデル・ウェルマンは、プロットを作成する段階において、プロットポイント I、ミッドポイント (中間点)、およびプロットポイント II という中間部の三大転換シーンからまず決めることを提案している。その結果、残りのプロット作成は、楽しく容易なものになるという (ウェンデル・ウェルマン 『映画ライターズ・ロードマップ: “プロット構築”最前線の歩き方』 フィルムアート社、2005年、144頁。)。</ref>。プロットポイント (ターニング・ポイント) とは、幕と幕の境目にあり、「アクションを起こさせ、物語を違う方向性に向かわせる事件やエピソードなど」を指している<ref>[[#フィールド]] pp. 22 f.</ref>。

=== シガーの分類 ===
著名な{{仮リンク|スクリプト・ドクター|en|Script doctor}}である{{仮リンク|リンダ・シーガー|label=リンダ・シガー (シーガー)|en|Linda Seger}}<ref>[[#シガー]] 奥付。</ref>は、アイディアを整理する方法として、トリートメント、アウトライン、およびジャーナルを挙げている<ref>[[#シガー]] pp. 25-30.</ref>。

==== トリートメント ====
'''トリートメント'''は、 ストーリーがどのように始まり、どのような対立、衝突があり、どのように終わるのかを要約した文書である〔編者注: 日本で〈プロット〉と呼ばれている文書に近いものを指す〕。トリートメントには、ストーリーの短いあらすじ (シノプシス) との大きな違いはない。トリートメントは、プロット (ストーリーライン) の流れを論理的に書くものである。そのため、トリートメントによって、ストーリーの問題点が明確になる。一方で、脚本家は、満足するまでプロットを自由にリライト (書き直し) できる。トリートメントの枚数は通常、8-15ページである。アメリカにおいても、製作者の依頼により、脚本の要約としてトリートメントを求められる場合がある。その場合の枚数は、通常、5-12ページである<ref>ここまで。[[#シガー]] pp. 26-28.</ref>。トリートメントはシーンに分割されておらず<ref>{{Cite web|work=シネマセンス|title=トリートメント|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-07-11|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/treatment.jsp|archivedate=2014-07-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140710185425/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/treatment.jsp}}</ref>、シーンに分けられるのは次のアウトラインである (後述)。

==== アウトライン ====
'''アウトライン'''は、それぞれのシーンを数行で書き出したものである。これは実際の脚本に最も近い段階であり、シガーによれば、アウトラインの情報だけで脚本を書き始めることが出来る。以下は『[[アナと雪の女王]]』('13) の冒頭の例<ref>{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=2-8.}}</ref>である〔出典の例を改変〕<ref>ここまで。[[#シガー]] pp. 25 f.</ref>。
# 魔法の雪遊び。ここでアナとエルサを設定する。
# アナとエルサの関係を固める。
# アナがエルサの氷の魔法を頭に受ける。
# [[トロール]]の長老の忠告。アナは記憶を消される。
# 国王は姉妹を引き離す。エルサは部屋に隠される。

==== ジャーナル ====
'''ジャーナル'''<ref group="注釈">この箇所は、日本語版では「ライターズ・ノート」となっているが、原文では「ジャーナル」 (journal) である (Linda Seger, ''Making a Good Script Great,'' 3rd Ed, Silman-James Press, 2010.)。</ref>は、キャラクターの掘り下げを行うための手記である。ジャーナルは、キャラクターの内面を描写し、それにより、キャラクターの言動を理解するツールになる。ジャーナルでは、キャラクターの人物描写、行動、人間関係、収入、家族構成、および学歴/学校歴などといった種々の情報が明確にされる。書き手の知人の中に、キャラクターと似ている点を見出すことも方法の一つである。また、ジャーナルによって作品のテーマを考察することも出来る (テーマがキャラクターに与える影響など)。前述のトリートメントは、主にストーリーの把握に用いられる。それに対して、ジャーナルは、キャラクター (およびテーマ) を理解することが主な目的である<ref>ここまで。[[#シガー]] pp. 28-30.</ref>。

=== カード ===
シド・フィールドによれば、カードを用いることにより、プロット (ストーリーライン) は容易かつ効率的に組み立てられる。フィールドの指導法では、'''[[情報カード]]'''<ref group="注釈">原文では、5×3 インチ、12.5×7.5 cm (ほぼ[[B7|'''B7'''サイズ]]に等しい) のカードとなっている。</ref>1枚につき、1つの[[シーン]]の簡潔な説明が書かれる。また、フィールドは、数千人の生徒を指導してきた経験則として、脚本30ページにつき、必要なカードの枚数を14枚としている。それを2時間映画 (120ページ) に当てはめた場合、カードは合計56枚である<ref>ここまで。[[#フィールド]] pp. 236-239.</ref> 。

フィールドは、カード方式のメリットとして、カードの並べ替え、足し引き、および色分けなどが自由であることを挙げている。[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]による[[脚本#ハコ書き|ハコ書き]] (後述) のような形式は、シーンの並べ替えが不自由になるとして推奨していない<ref>ここまで。[[#フィールド]] pp. 237 f.</ref>。リンダ・シガーによると、そのようなカード方式を用いる脚本家は、まず複数の色の情報カードを購入し、例えば、白のカードは冒険、赤は恋愛、青はキャラクターの設定、および緑は舞台の情報などといったように、色ごとに使い分けている<ref>[[#シガー]] pp. 23 f.</ref>。

脚本家の{{仮リンク|ブレイク・スナイダー|en|Blake Snyder}}によれば、[[アメリカ合衆国の映画|ハリウッド]]では、そうした複数のカードを[[コルク|コルクボード]]にピンで留めるなどしたものは、「'''ボード'''」と呼ばれている。スナイダー自身は40枚のカードを使用していた。スナイダーによれば、ボードは、書く前の準備として、脚本を目で見えるようにし、修正するためのツールである<ref>ここまで。{{Cite book|和書|author={{仮リンク|ブレイク・スナイダー|en|Blake Snyder}}|title=SAVE THE CATの法則: 本当に売れる脚本術|publisher=フィルムアート社|year=2010-10-22|language=Japanese|pages=146 f., 150.|isbn=978-4845910564}}</ref>。

『[[サウンド・オブ・ミュージック (映画)|サウンド・オブ・ミュージック]]』('65)『[[北北西に進路を取れ]]』('59) の脚本家{{仮リンク|アーネスト・レーマン|en|Ernest Lehman}}は、およそ50から100枚のカードを使用していた。他にも、著名な[[脚本家]]が、52枚、56枚、または12枚など、さまざまな枚数のカードによってプロットを組み立てていた。フィールドは、自らの師である[[ジャン・ルノワール]]もカード方式を活用していたと証言している<ref>ここまで。[[#フィールド]] p. 236.</ref>。

=== ハコ書き ===
日本の脚本家は、前述のようなカードシステムと同様の目的のために、'''[[脚本#ハコ書き|ハコ書き]]''' (構成表) を用いる場合があり、日本人の著した脚本の教則本において触れられることがある。ハコ書きは「ハコ」<ref>ここのみ。{{Cite book|和書|author=[[斉藤ひろし]]|title=斉藤ひろしのシナリオ教室: 1週間でマスター|publisher=雷鳥社|date=2006-03-15|page=82.|language=Japanese|isbn=978-4844134480}}</ref>とも略される。ハコ書きは、脚本の執筆を始める前の段階の[[テーブル (情報)|テーブル]] (表) である。ハコ書きは以下の三段階から構成される。'''大バコ'''は、〈プロット〉を[[チャプター]] (章) によって大きく分割したものである。'''中バコ'''は、その大バコを[[シークエンス]]によって分けたものを指す。'''小バコ'''は、その中バコをシーンによって分割したものであり、最も細かな部分である。それぞれのハコには短い要約のみを書き込む<ref name="saito02">ここまで。{{Cite book|和書|author=[[斉藤ひろし]]|title=斉藤ひろしのシナリオ教室: 1週間でマスター|publisher=雷鳥社|date=2006-03-15|pages=153, 156-158.|language=Japanese|isbn=978-4844134480}}</ref>。

そこでは、〈プロット〉から始まって、それを大バコ (チャプター) に分けることにより、これから描こうとしていることが明確にされる。さらに、それらは中バコ (シークエンス) に区切られ、より具体的な展開に落としこまれる。最後に、それらは小バコ (シーン) にまで細分化される。[[斉藤ひろし]]は、小バコ (シーン) から書き始めることを推奨していないが、それは全体の流れが分からなくなるためであるという<ref name="saito02"/>。

== 歴史 ==
[[File:Freytags_pyramid.svg|thumb|right|256px|[[グスタフ・フライターク|フライターク]]のピラミッド (三角形)。]]
[[File:Three_Act_Structure.svg|thumb|right|400px|[[三幕構成]]の見取り図。]]
<!--(編者注: 出典がありません。)
元々は、単に筋に関連する出来事がひとつの形を形成したもののことをプロットと呼んだ。
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[[紀元前4世紀]]、[[古代ギリシア]]の[[哲学|哲学者]][[アリストテレス]]が『[[詩学 (アリストテレス)|詩学]]』の中で既に、「始まり」「中間」「終わり」の3つの部分にドラマを「分割」し、それをドラマに共通の構造として述べている (1450b)<ref>Perseus Digital Library (2006). [http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?lookup=Aristot.+Poet.+1450b Aristotle, ''Poetics'']</ref>。
<!--(編者注: 出典がありません。)
この基本的な意味でのプロットという用語は、現代でも小説などの創作の現場でよく使われ、[[物語]]を作るときの設計図・構想のことを指す。物語のあらすじ、登場人物の設定や相関図、事件、小道具、[[世界観]]などがプロットに含まれる。
-->

[[1863年]]、ドイツの作家[[グスタフ・フライターク]]は、 "Die Technik des Dramas" (戯曲の技法) で、アリストテレスの悲劇論をベースにしながら、画期的な理論を打ち出した ('''フライタークのピラミッド''')。フライタークは、ドラマを5つの部分に「分割」し、なおかつ、それぞれの部分の「機能」を定義した。すなわち、「序幕」「上昇」「クライマックス」「下降」「破局」がその5段階である。フライタークによれば、悲劇はクライマックスを頂点とする三角形の構造を持つ。そのストーリーはクライマックスで上昇から下降へと反転し、結末の破局に向かう。フライタークの分析は、そのまま5幕の演劇に対応している<ref>ここまで。{{Cite journal|author=松永, 知子|title=ドラマの叙事化について|journal=文教大学紀要|volume=11|page=143.|publisher=文教大学|date=1978-03|language=Japanese|url=http://sucra.saitama-u.ac.jp/modules/xoonips/detail.php?id=BKK0001459|accessdate=2014-07-11}}</ref>。映画において[[三幕構成#ミッドポイント|ミッドポイント]] (中間点) から始まる主人公の転落は、フライタークのピラミッド (三角形) に代表される古典劇の構成を継承したものである<ref>{{Cite web|work=シネマセンス|title=中間点|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-07-11|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/chuukanten.jsp|archivedate=2014-07-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140710210444/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/chuukanten.jsp}}</ref>。

[[1979年]]、アメリカの脚本家[[シド・フィールド]]は、映画のストーリーを3つの部分に「分割」し、また、その3つの部分の「機能」を分類した。これは映画に共通する基礎を分析したものであり、'''[[三幕構成]]''' (Three-act structure) と呼ばれる<ref>ここまで。「訳者あとがき」 [[#フィールド]] p. 346.</ref><ref>ここまで。[[#フィールド]] pp. 15-27.</ref>。映画における三幕構成では、映画は3つの幕 (act) に分けられ、それぞれの幕は「設定」「対立」<ref>{{Cite web|url=http://sydfield.com/writers-tools/the-paradigm-worksheet/|title=THE PARADIGM WORKSHEET|accessdate=2014-03-27|last=Field|first=Syd|year=2013|publisher=sydfield.com|language=English|archivedate=2013-09-06|archiveurl=http://web.archive.org/web/20140327003711/http://sydfield.com/writers-tools/the-paradigm-worksheet/|ref=paradigm}}</ref>「解決」の役割を持っている<ref>[[#フィールド]] pp. 17-22.</ref>。幕と幕はプロットポイント (転換点) でつながっている<ref>[[#フィールド]] p. 23.</ref>。このモデルは分析のツールとしての有効性が認められ、映画の制作においては、三幕構成に基づいて脚本を作成することが一般的になっている<ref>{{Cite web|work=シネマセンス|title=構造|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-04-29|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/kouzou.jsp|archivedate=2014-04-28|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140428020425/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/kouzou.jsp}}</ref><ref>{{Cite web|work=シネマセンス|title=幕|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-04-26|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/maku.jsp|archivedate=2014-04-26|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140426012928/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/maku.jsp}}</ref>。

== 脚注 ==
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author={{仮リンク|リンダ・シーガー|label=リンダ・シガー (リンダ・シーガー)|en|Linda Seger}}|title=ハリウッド・リライティング・バイブル|publisher=愛育社|year=2000|isbn=4750000655|language=Japanese|ref=シガー}}
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* {{Cite book|和書|author=[[シド・フィールド]]|title=素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック: シド・フィールドの脚本術2|publisher=フィルムアート社||year=2012|isbn=4845911779|language=Japanese|ref=フィールドII}}
== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Wiktionary|plot}}
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* [[文学]]
* [[三幕構成]]
* [[三幕構成]]
* [[起承転結]]
* [[起承転結]]

* [[序破急]]
* [[語り手]]


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2014年7月31日 (木) 14:41時点における版

プロット (英語: plot) とは、ストーリーの要約である。プロットは、出来事を原因と結果の順序で並べた文章である。原因と結果の順序とは、「X によって Y が起こり、Y によって Z が起こる」という並びである。このとき、因果関係にない出来事は省略されるため、プロットは出来事の要約になる。「王女は雪山に逃げた女王を追う。だから、王女は雪山で女王を見つける」[1]はプロットである。一方で、ストーリーは、出来事を起こる時間の順序どおり、省略せずに並べた文章であり、プロットとは区別される。「王女は雪山に逃げた女王を追う。それから、女王は魔法で氷の城を造る」[2]はストーリーである。このように、「だから」で出来事のつながるものがプロットであり、ただ単に「それから」でつながるものがストーリーである。すなわち、プロットは論理であり、ストーリーは時間である。プロットは時間ではないが、「始まり」「中間」「終わり」があり、それら3つの部分は、原因と結果の関係で結びついている[3][4][5][6]。通常、映画の脚本は、そのような「三幕構成」とプロットに基づいて書かれる。構成とプロットをまとめた文書が「トリートメント」である[7]。一方、日本では、あらすじの書かれた文書それ自体も〈プロット〉と呼ばれている (後述)。

プロットとストーリー。プロットは因果関係である。

概要

プロットによって、ストーリーが要約され、その全体像を把握することが可能になる[8]。このため、プロットはストーリーライン (Storyline) とも呼ばれる[9][10]。プロットは、時間軸にしたがっているとは限らないが、出来事の原因と結果、すなわち因果関係で最初から最後までつながっている。A⇢B⇢C までがストーリーとすれば、A によって C が起こり、かつ、B が C とは直接に関係がないとき、 B を省いた A→C がプロットである。例えば、「王子が靴を手がかりにシンデレラを探す」「靴はシンデレラの意地悪な姉たちの足には合わない」「靴が足に合ったのは王国でシンデレラだけである」というストーリーのうち、靴が姉たちの足に合わないという出来事は、プロットでは省略される。また、映画『タイタニック』('97) では、ストーリーの上で、主人公が船首で両腕を広げる場面や、楽団が船の沈むまで演奏を続ける場面といった有名なシーンがあるが、それらは以後の出来事に影響しないため、プロットでは重視されない。このように、プロットは原因と結果の連鎖である[11][12][13][14][15]。プロットとストーリーについては、イギリスの作家E・M・フォースター1927年に発表した『小説の諸相』での解説が有名である[16]

フィクション・ライティングについて複数の著作のあるスティーブ・アルコーンによれば、映画『オズの魔法使』(1939) のプロットは、究極的にはこれだけである。

家が竜巻に巻き込まれて、少女は魔女のところに落ちる。面白い旅の仲間と出会う。一人の魔法使いがあるミッションを出す。バケツの水をかけて魔女を溶かす。

ここでは、主人公のドロシーがストーリーの過程で感じる感情は省略されている。プロットのみでは読者や観客の感情的な共感は得られないが、プロットが無ければストーリーを前に進められない。プロットに感情を肉付けしたものがストーリーである。その肉付けの程度を変えることによって、物語のペースは適度の速さにコントロールできる。物語の進行が速すぎる場合には、心情描写を増やせば物語は減速し、 逆に遅すぎる場合には、出来事を増やせば物語は加速する[17]

20世紀初頭、ロシア・フォルマリズムの文学理論は、物語を構成する要素をファーブラとシュジェート英語版に分けた。それ以降、物語論においては、ロシア語ファーブラ (Fabula) が「ストーリー」として、同じくシュジェート (Syuzhet) が「プロット」として、それぞれ置き換えられる場合がある[18]。ファーブラは、出来事を起こった時間の順に並べたものであるのに対して、シュジェートは、それらの出来事を語られる順に並べ直したものである[19]ボリス・トマシェフスキーは、「要するに、ファーブラというのは実際に起こったことであり、シュジェートとは読者がその内容を知った仕方である」と説明している[20][21]

日本におけるプロット

日本の映像および漫画産業では、本来の意味から転じて、〈プロット〉が「あらすじの文書」を指す表現としても用いられている[22][23]。一方で、映画の "plot" は本来、ストーリーライン英語版のことである。すなわち、その場合のプロットは、映画の始まりから終わりまでを通したアクション (行動) であり、論理的に一続きの出来事を意味する。そこでは、プロットは特定の文書のことではない[24][25]

日本の映像産業では、脚本などを執筆する前に、ストーリーの大まかな構成を理解するために書かれる文書も〈プロット〉と呼ばれている。それは、脚本家自らの執筆のためだけのものではなく、企画書に添付してプロデューサーに提出される。この場合の〈プロット〉は、製作者が読むことを前提としたビジネス文書である。そのとき、〈プロット〉の枚数は、ワープロで1枚ほどの梗概 (シノプシス) から、同30枚以上まで様々である。脚本家の斉藤ひろしは、日本では、コンクールに応募するときにはワープロで1-2枚程度、新人がプロデューサーに企画を持ち込むときには同5-10枚程度が望ましいとしている。このように、日本の映像産業においては、脚本の前段階の文書が〈プロット〉と呼称されている[22]。一方で、脚本の前段階は、英語では一般的に「トリートメント英語版」(treatment) と呼ばれており、そのような用法での〈プロット〉は和製英語である。トリートメントは、ストーリーラインという本来の意味でのプロットを含むが、「プロット」とは呼ばれない[26][27]

また、日本の漫画制作での〈プロット〉は、ネーム (絵コンテ) の前段階のメモ書きを意味する和製英語である。日本の漫画の〈プロット〉は、あらすじ、もしくはハコ書き、または脚本そのままの形などで書かれるが、いずれにしても、演出の指定を含めた簡単な小説体のものが一般的である。日本の漫画における〈プロット〉は、日本の映像産業の場合と同じく、ストーリーの構成を事前に把握するための文書である[28]。漫画家で京都精華大学マンガ学部長 (当時、後に学長) の竹宮惠子によれば、〈プロット〉は A4用紙2枚程度まで (多くとも3枚) に収めなければ、自分自身や編集者がそれを〈プロット〉として読むことは困難である[29]

形式

フィールドの分類

三幕構成を理論化した脚本家、脚本指導者のシド・フィールド[30]によれば、あらすじには、「要約」と「再現」の2種類がある。要約は、大まかに出来事の流れをまとめたものである〔編者注: これがプロットにあたる〕。

女王は生まれ持った魔法の力をコントロールできなくなる。秘密にしていた魔法の力が公になる。女王は山に逃れ、そこで孤独に暮らそうとする[31]

再現は、出来事をありのまま具体的に描写することである〔編者注: これがストーリーにあたる〕。

夜。切り立った雪山の峰を1人で登る若い女王。小雪が降っている。女王は手袋を捨てて氷の魔法を使い始める。雪だるまが作られる。女王がマントを脱ぐ。魔法によって崖に氷の橋がかかる。女王はその橋を渡った後、氷の城を造り始める。女王を中心にして氷の柱と床がせり上がってくる。氷の天井とシャンデリラが出来る。女王は冠を外し、青白色のドレスの姿に変身する。女王は城のバルコニーに出て朝日の光を浴びる[32]

このように、要約と再現は対照をなすものである〔以上、出典の例を改変〕[33]

フィールドは、あらすじを4ページで書くように指導していた。そのうち、ストーリーを連結する4つの重要ポイントでは「再現」、それ以外の部分では「要約」が用いられる。4つの重要ポイントとは、オープニング、プロットポイント I, II、およびエンディングの4つである[34][注釈 1]。プロットポイント (ターニング・ポイント) とは、幕と幕の境目にあり、「アクションを起こさせ、物語を違う方向性に向かわせる事件やエピソードなど」を指している[35]

シガーの分類

著名なスクリプト・ドクター英語版であるリンダ・シガー (シーガー)英語版[36]は、アイディアを整理する方法として、トリートメント、アウトライン、およびジャーナルを挙げている[37]

トリートメント

トリートメントは、 ストーリーがどのように始まり、どのような対立、衝突があり、どのように終わるのかを要約した文書である〔編者注: 日本で〈プロット〉と呼ばれている文書に近いものを指す〕。トリートメントには、ストーリーの短いあらすじ (シノプシス) との大きな違いはない。トリートメントは、プロット (ストーリーライン) の流れを論理的に書くものである。そのため、トリートメントによって、ストーリーの問題点が明確になる。一方で、脚本家は、満足するまでプロットを自由にリライト (書き直し) できる。トリートメントの枚数は通常、8-15ページである。アメリカにおいても、製作者の依頼により、脚本の要約としてトリートメントを求められる場合がある。その場合の枚数は、通常、5-12ページである[38]。トリートメントはシーンに分割されておらず[39]、シーンに分けられるのは次のアウトラインである (後述)。

アウトライン

アウトラインは、それぞれのシーンを数行で書き出したものである。これは実際の脚本に最も近い段階であり、シガーによれば、アウトラインの情報だけで脚本を書き始めることが出来る。以下は『アナと雪の女王』('13) の冒頭の例[40]である〔出典の例を改変〕[41]

  1. 魔法の雪遊び。ここでアナとエルサを設定する。
  2. アナとエルサの関係を固める。
  3. アナがエルサの氷の魔法を頭に受ける。
  4. トロールの長老の忠告。アナは記憶を消される。
  5. 国王は姉妹を引き離す。エルサは部屋に隠される。

ジャーナル

ジャーナル[注釈 2]は、キャラクターの掘り下げを行うための手記である。ジャーナルは、キャラクターの内面を描写し、それにより、キャラクターの言動を理解するツールになる。ジャーナルでは、キャラクターの人物描写、行動、人間関係、収入、家族構成、および学歴/学校歴などといった種々の情報が明確にされる。書き手の知人の中に、キャラクターと似ている点を見出すことも方法の一つである。また、ジャーナルによって作品のテーマを考察することも出来る (テーマがキャラクターに与える影響など)。前述のトリートメントは、主にストーリーの把握に用いられる。それに対して、ジャーナルは、キャラクター (およびテーマ) を理解することが主な目的である[42]

カード

シド・フィールドによれば、カードを用いることにより、プロット (ストーリーライン) は容易かつ効率的に組み立てられる。フィールドの指導法では、情報カード[注釈 3]1枚につき、1つのシーンの簡潔な説明が書かれる。また、フィールドは、数千人の生徒を指導してきた経験則として、脚本30ページにつき、必要なカードの枚数を14枚としている。それを2時間映画 (120ページ) に当てはめた場合、カードは合計56枚である[43]

フィールドは、カード方式のメリットとして、カードの並べ替え、足し引き、および色分けなどが自由であることを挙げている。パソコンによるハコ書き (後述) のような形式は、シーンの並べ替えが不自由になるとして推奨していない[44]。リンダ・シガーによると、そのようなカード方式を用いる脚本家は、まず複数の色の情報カードを購入し、例えば、白のカードは冒険、赤は恋愛、青はキャラクターの設定、および緑は舞台の情報などといったように、色ごとに使い分けている[45]

脚本家のブレイク・スナイダー英語版によれば、ハリウッドでは、そうした複数のカードをコルクボードにピンで留めるなどしたものは、「ボード」と呼ばれている。スナイダー自身は40枚のカードを使用していた。スナイダーによれば、ボードは、書く前の準備として、脚本を目で見えるようにし、修正するためのツールである[46]

サウンド・オブ・ミュージック』('65)『北北西に進路を取れ』('59) の脚本家アーネスト・レーマンは、およそ50から100枚のカードを使用していた。他にも、著名な脚本家が、52枚、56枚、または12枚など、さまざまな枚数のカードによってプロットを組み立てていた。フィールドは、自らの師であるジャン・ルノワールもカード方式を活用していたと証言している[47]

ハコ書き

日本の脚本家は、前述のようなカードシステムと同様の目的のために、ハコ書き (構成表) を用いる場合があり、日本人の著した脚本の教則本において触れられることがある。ハコ書きは「ハコ」[48]とも略される。ハコ書きは、脚本の執筆を始める前の段階のテーブル (表) である。ハコ書きは以下の三段階から構成される。大バコは、〈プロット〉をチャプター (章) によって大きく分割したものである。中バコは、その大バコをシークエンスによって分けたものを指す。小バコは、その中バコをシーンによって分割したものであり、最も細かな部分である。それぞれのハコには短い要約のみを書き込む[49]

そこでは、〈プロット〉から始まって、それを大バコ (チャプター) に分けることにより、これから描こうとしていることが明確にされる。さらに、それらは中バコ (シークエンス) に区切られ、より具体的な展開に落としこまれる。最後に、それらは小バコ (シーン) にまで細分化される。斉藤ひろしは、小バコ (シーン) から書き始めることを推奨していないが、それは全体の流れが分からなくなるためであるという[49]

歴史

ファイル:Freytags pyramid.svg
フライタークのピラミッド (三角形)。
三幕構成の見取り図。

紀元前4世紀古代ギリシア哲学者アリストテレスが『詩学』の中で既に、「始まり」「中間」「終わり」の3つの部分にドラマを「分割」し、それをドラマに共通の構造として述べている (1450b)[50]

1863年、ドイツの作家グスタフ・フライタークは、 "Die Technik des Dramas" (戯曲の技法) で、アリストテレスの悲劇論をベースにしながら、画期的な理論を打ち出した (フライタークのピラミッド)。フライタークは、ドラマを5つの部分に「分割」し、なおかつ、それぞれの部分の「機能」を定義した。すなわち、「序幕」「上昇」「クライマックス」「下降」「破局」がその5段階である。フライタークによれば、悲劇はクライマックスを頂点とする三角形の構造を持つ。そのストーリーはクライマックスで上昇から下降へと反転し、結末の破局に向かう。フライタークの分析は、そのまま5幕の演劇に対応している[51]。映画においてミッドポイント (中間点) から始まる主人公の転落は、フライタークのピラミッド (三角形) に代表される古典劇の構成を継承したものである[52]

1979年、アメリカの脚本家シド・フィールドは、映画のストーリーを3つの部分に「分割」し、また、その3つの部分の「機能」を分類した。これは映画に共通する基礎を分析したものであり、三幕構成 (Three-act structure) と呼ばれる[53][54]。映画における三幕構成では、映画は3つの幕 (act) に分けられ、それぞれの幕は「設定」「対立」[55]「解決」の役割を持っている[56]。幕と幕はプロットポイント (転換点) でつながっている[57]。このモデルは分析のツールとしての有効性が認められ、映画の制作においては、三幕構成に基づいて脚本を作成することが一般的になっている[58][59]

脚注

注釈

  1. ^ 一方で、脚本家で俳優のウェンデル・ウェルマンは、プロットを作成する段階において、プロットポイント I、ミッドポイント (中間点)、およびプロットポイント II という中間部の三大転換シーンからまず決めることを提案している。その結果、残りのプロット作成は、楽しく容易なものになるという (ウェンデル・ウェルマン 『映画ライターズ・ロードマップ: “プロット構築”最前線の歩き方』 フィルムアート社、2005年、144頁。)。
  2. ^ この箇所は、日本語版では「ライターズ・ノート」となっているが、原文では「ジャーナル」 (journal) である (Linda Seger, Making a Good Script Great, 3rd Ed, Silman-James Press, 2010.)。
  3. ^ 原文では、5×3 インチ、12.5×7.5 cm (ほぼB7サイズに等しい) のカードとなっている。

出典

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参考文献

関連項目