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「阪神5700系電車」の版間の差分

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先頭車は0.5Mユニット方式。
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'''阪神5700系電車'''(はんしん5700けいでんしゃ)は、[[阪神電気鉄道]]が所有する[[各駅停車]]用の[[通勤形車両 (鉄道)|通勤形電車]]。[[2015年]][[8月24日]]に営業運転を開始した。
'''阪神5700系電車'''(はんしん5700けいでんしゃ)は、[[阪神電気鉄道]]が所有する[[各駅停車]]用の[[通勤形車両 (鉄道)|通勤形電車]]。[[2015年]][[8月24日]]に営業運転を開始した。


== 概要 ==
== 概要 ==
旧型[[ジェットカー]]の[[阪神5001形電車 (2代)|5001形]]、[[阪神5131形・5331形電車|5131形・5331形]]の置き換えを目的として登場した{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。1000系を基本とし、「人と地球へのやさしさ」を追求し、サービス向上と新技術などの導入で環境負担の低減が図られている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。ジェット・カーとしては13形式目にあたる<ref>{{Cite journal |和書 |title=阪神電気鉄道5700系 ジェット・シルバー5700 |journal=鉄道ファン |publisher=[[交友社]] |year=2015 |month=10 |issue=654}}</ref>。車両に搭載されている全ての照明器具には[[発光ダイオード|LED]]が使用されている<ref name="pressrelease">{{Cite press release |url=http://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20150330-5700kei.pdf |format=PDF |title=人と地球へのやさしさを追求した新型普通用車両5700系を導入します 〜普通用車両で20年振りの新型を今夏から導入〜 |author=阪神電気鉄道株式会社 |publisher=阪神電車 |date=2015-03-30 |accessdate=2015-12-09}}</ref>。
[[阪神1000系電車|1000系]]の増備が一段落し、[[阪神8000系電車|8000系]]のリニューアルが佳境に達したため、今度は旧型ジェットカーの[[阪神5001形電車 (2代)|
5001形]]、[[阪神5131形・5331形電車|5131形・5331形]]の置き換えが行われることになった。ベースは、阪神1000系になっている。


[[永久磁石同期電動機]](PMSM)を用いた[[VVVFインバータ制御]]を採用し、消費電力を5001形[[抵抗制御]]車と比べ50%、5500系と比べ33%削減している。電動機出力は阪神最大の190kwである。
[[File:Hanshin-5700.ogg|right|阪神5700系 走行音(新在家→石屋川)]]
[[File:Hanshin-5700.ogg|right|阪神5700系 走行音(新在家→石屋川)]]


試作車として製造された阪神の[[阪神5101形・5201形電車|5201形]](5201,5202)以来、約半世紀ぶりにステンレス車体を採用した阪神量産ジェットカーである。量産型と試作車の違いはあるが、「2代目ジェットシルバー」または「ジェットシルバー5700」と呼ばれている。
試作車として製造された阪神の[[阪神5101形・5201形電車|5201形]] (5201,5202) 以来、約半世紀ぶりにステンレス車体を採用している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。ま、普通用車両としては[[阪神5500系電車|5500系]]以来20年ぶり車両である{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}<ref name="pressrelease" />。「2代目ジェットシルバー」または「ジェットシルバー5700」と呼ばれている<ref>{{Cite web |url=http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2015/07/5700_1.html |title=【阪神】5700系試乗会開催|RMニュース|鉄道ホビダス |publisher=ネコ・パブリッシング |date=2015-07-28 |accessdate=2016-03-18}}</ref>


== 外装 ==
== 構造 ==
車体は[[レーザー溶接]]で組み立てられたステンレス無塗装構造で、環境に配慮している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。補修性を考慮し、前面部は普通鋼製で塗装仕上げとなっている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。前照灯周りは1000系と共通しているが、新色のカインドブルーを配色している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。尾灯は車体下部に縦に設置されている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。前面ガラスは熱線吸収強化合わせガラスを採用し、飛散防止中間膜の他新たに赤外線カット膜を追加している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。側面窓は従来車より6ミリメートル厚い熱線吸収強化ガラスを採用し、巻き上げ式のフリーストップカーテンを設置している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。列車は4両固定編成で、貫通扉を備えているが併結運転は行わない{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。本形式ではMc車を0.5M0.5T構成とした事で5550系と同様に3M1T相当の電動車比率かつ全電動車編成となった{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}<ref name="railf">{{Cite journal |和書 |title=阪神「ジェット・カー」57年のあゆみ |journal=鉄道ファン |publisher=[[交友社]] |year=2015 |month=10 |issue=654 |page=85}}</ref>。これにより回生電力の向上と乗り心地の改善が図られている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。側面は、ドア周りに「一期一駅」のおもてなしの心と青い地球をシンボリックにイメージした青い大円のグラフィックを配している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。これはドアの位置を容易に把握しやすくさせると共に普通用車両の「やさしさ」を表現している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。側面の行先表示器は関西の鉄道車両では初めて次駅表示に対応している<ref name="RJ400">{{Cite journal |和書 |title=阪神電気鉄道 普通用新型車両5700系の導入を開始 |journal=鉄道ダイヤ情報 |publisher=[[交通新聞社]] |issue=400 |pages=70 - 71 |year=2015 |month=8}}</ref>。
エクステリアデザインは、ステンレス車体に青 (カインドブルー) を配色し、ドア周りには青いアクセントを大きい丸で描いた。
前面のデザインは、[[阪神1000系電車|1000系]]の黄色の部分を青色にしたような感じになっている。


== 装 ==
=== 台車・電 ===
台車は[[新日鐵住金]]製<ref name="RJ400" />のモノリンク式ボルスタ付台車のFS-581M(電動台車)・FS-581T(付随台車)を装着する{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。1000系や1995年登場の5500系ではモノリンク式ボルスタレス台車を装着していたが、本形式ではボルスタ付台車に戻っている<ref name="railf" />。これは普通列車が退避線に入線する事が多い事と、ランニングコストを考慮しての判断によるものである{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。騒音低減を目的として、主回路装置には定格出力190キロワットの東芝製全閉自冷式[[永久磁石同期電動機]] (PMSM) を採用している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}<ref>{{Cite press release |url=https://www.toshiba.co.jp/about/press/2015_03/pr_j3104.htm |title=阪神電気鉄道 新型車両向け電気品受注について |publisher=東芝 |date=2015-03-31 |accessdate=2015-12-09}}</ref>。これにより抵抗制御車の5001形に比べて約50パーセントほど消費電力を削減している<ref name="pressrelease" />。制御装置は[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]素子を用いた2レベル方式の[[VVVFインバータ]]制御装置である{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。補助電源装置はスイッチング素子にハイブリッド[[SiC]]インバータを用いた高効率の装置を両先頭車に搭載している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。出力が異なる装置を各車2台搭載し、1台停止してもサービス維持のために必要な電力を供給できるようM1車に受給電装置を設置している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。駆動装置は低騒音化を図った歯車と{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}、風切音を低減した新形式のTD継手を採用している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。ブレーキ装置は、MBSA形回生ブレーキ併用電気司令式空気ブレーキを採用している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。常用ブレーキと非常ブレーキの他、直通予備ブレーキを搭載する{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。Mc-M車の2両を制御するブレーキ受信装置がM車に搭載されている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。常用ブレーキ時は1車単位でブレーキシリンダーの圧力を調整し、回生ブレーキ作動時はM台車のみでブレーキ力を負担するが、それだけで不足する場合は全台車均等に補足空気ブレーキが掛かるようになっている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。
インテリアデザインは、吊り革、座席、床など、[[大阪湾|摂津灘]]をイメージした水模様が施されている。


== 車内 ==
急停車時や事故などに備えて枕木方向に吊り革が、座席間には握り棒が増設された他、扉上部には[[阪急1000系電車 (2代)|阪急1000系・1300系]]と同じハーフサイズ32インチの[[液晶ディスプレイ|LCD]]式[[車内案内表示装置]]が設置されている。
インテリアデザインは、吊り革、座席、床など、[[大阪湾|摂津灘]]をイメージした水模様が施されている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。これは、車内でも一目で普通列車だと判るようにもなっている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。全車両に優先席と車椅子・ベビーカースペースを設けており、これらのスペースを明確にするために優先席の表地や吊革の色は緑色となっている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。また、車椅子利用者に配慮して横手摺りと非常通話装置が設置されている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。座席は片持ち式のオールロングシートで、出入口付近のスペースを拡大するために座席数はこれまでの8席から7席に減少している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。衝突時の二次衝突の軽減効果を狙ってそれぞれ2・3・2席単位で仕切られている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。出入口側には大型の袖仕切を設置している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。この仕切りは、座席側が窪んでおり、出入口側に向けて出っ張っている構造であるため、立客の腰当てとなるほか、着席する乗客の肘当てにもなる{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。梅田寄り先頭車(5701号車)には短時間の乗車に対応して乗降しやすいように座面を30ミリメートル高めた「ちょい乗りシート」が試験的に設置されている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。各袖仕切りには立客の姿勢保持のためにスタションポールが併設されている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。急停車時や事故などに備えて枕木方向に吊り手が、座席間には握り棒が増設された{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。つり手については、背の低い乗客に配慮してこれまでより低い吊り手も設置している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。乗降扉は2001年以降の製造車両と同様に幅は1300ミリメートルとし、ガラスにはUVカットの[[複層ガラス]]を採用している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。戸袋への吸い込み対策として、ブロック状のCR皮膜付きのスポンジゴムを取り付けている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。また、車内側には車内乗車位置表示板が貼られている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。扉上部には[[阪急1000系電車 (2代)|阪急1000系]]と同じ東芝製のハーフサイズ32[[インチ]][[液晶ディスプレイ|LCD]]式[[車内案内表示装置]]が各車3箇所千鳥設置されている<ref name="RJ400" />{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}<ref>{{Cite web |url=http://ascii.jp/elem/000/000/995/995123/ |title=[[東京地下鉄|メトロ]]や阪急に続いて! 阪神電鉄が消費電力半減の東芝製「全閉PMSM」と「VVVFインバータ」導入 |publisher=ASCII.jp |date=2015-04-01 |accessdate=2015-12-09}}</ref>。日英中韓の4か国語で表示し、全画面で駅名を表示するほか、静止画・動画コンテンツと運行情報を分割しての2画面表示も行う{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。この他、ブザー、開閉予告灯と誘導鈴を設けている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。安全性と視認性の向上のために車外のステップと車内の水切り部に黄色の識別帯を引いている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。また、車椅子の乗降をスムーズにするために、車椅子スペース付近のドアはタイヤの通行部分に合わせて下レールの一部が切り欠いている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。


[[エア・コンディショナー|空調装置]]は24.4キロワットのセミ集中式クーラーを1両につき2台搭載し、低騒音型のラインフローファンを併用し体感温度を下げることで冷房効果を向上させている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。暖房装置は各座席下に吊り下げられている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。空調の制御にはマイコン制御方式を採用し、外の天候や車両の状態を加味し、更に体感温度を考慮してきめ細かく制御される{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=91}}。
阪神電鉄の車両としては初めて、また日本の大手私鉄全体でも[[西武4000系電車|西武4000系]]に次いで2例目となる、[[西宮駅 (阪神)|西宮駅]]や[[御影駅 (阪神)|御影駅]]など長時間停車する駅での車内保温対策として、[[自動ドア#ボタン式半自動|半自動ドア]]ボタンを設置した。


関西の大手私鉄の車両としては初めて、長時間停車する駅での車内保温対策として、各扉に[[自動ドア#ボタン式半自動|半自動ドア]]ボタンを設置している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。
運転台は、5550系と同様に、[[鉄道車両のモニタ装置|モニター]]と[[マスター・コントローラー#縦横軸併用ツインレバー型マスコン|縦横軸併用マスコン]]を採用している。

梅田寄り先頭車(5701号車)には短時間の乗車に対応して乗り降りしやすいように座面を高めた「ちょい乗りシート」が試験的に設置されている。


<gallery>
<gallery>
File:Hanshin5700-button.jpg|半自動ドア開閉ボタン
File:Hanshin5700-shanai.jpg|車内
File:Hanshin_5701_seat.jpg|座席(2人掛け座席はちょい乗りシート)
File:Hanshin_5701_seat.jpg|座席(2人掛け座席はちょい乗りシート)
File:Hanshin5700-button.jpg|半自動ドア開閉ボタン
File:Hanshin57-lcd.JPG|車内LCD
File:Hanshin57-lcd.JPG|車内LCD
File:IMG 3696 poster.JPG|扉上の路線図の下にある阪神5700系のポスター
File:Hanshin5700-shanai.jpg|車内
</gallery>
</gallery>


=== 乗務員室 ===
==台車・電装品==
運転台は、5550系と同様に[[鉄道車両のモニタ装置|モニター]]と[[マスター・コントローラー#縦横軸併用ツインレバー型マスコン|縦横軸併用マスコン]]を採用している{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。増えつつある女性乗務員の操作性を考慮して一部のスイッチとブレーカーの位置が低くなり、手掛けや踏み台も設置されている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=92}}。放送装置はAVC付増幅方式で、放送回路の切り替えモードに加えて車内外同時に放送可能とする機能と乗降促進放送機能が追加された{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。また、半自動ドア使用時や急ブレーキ使用時に自動放送が流れる{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=93}}。
台車は新日鐵住金製のモノリンク式ボルスタ付台車のFS-581M(電動台車用)・FS-581Tを装着する。1995年登場の5500系以来、普通系急行系共にモノリンク式ボルスタレス台車を装着していたので、阪神電車の車両としては20年振りのボルスタ付台車装着車である。主回路は騒音低減を目的として、東芝製の全閉自冷式永久磁石同期電動機(PMSM)を用いたVVVFインバータ制御装置を採用している。これはグループ会社である阪急の1000系車両のものを参考としている。
<gallery>
File:Hanshin 5700 cab.JPG|運転台
</gallery>


== 現状 ==
== 運用 ==
2015年8月現在4両×1編成の4両が在籍している。当は1日4往復の運用としており、運転時刻ホームページや乗降扉を手動扱いとする駅のホームに掲示されている。
2015年現在4両×1編成の4両が在籍している<ref name="RJ400" />今後、5001形・5131形・5331形全13編成を順次置き換えていく{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。運転開始1日4往復の固定運用、運転時刻ホームページや乗降扉を手動扱いとする駅のホームに掲示されていた<ref>{{Cite web |url=http://rail.hanshin.co.jp/car_5700/ |title=5700系車両の運行スケジュールについて |publisher=阪神電車 |accessdate=2015-12-09 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20150918215649/http://rail.hanshin.co.jp/car_5700/ |archivedate=2015-09-18}}</ref>。2015年12月1日以降は、日ごとに異な運用となり、運転時刻の掲示もなくなった


== 編成 ==
== 編成 ==
列車はMc-M車の各2両のユニットで構成されている{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。車番は大阪寄りには奇数の連番、神戸寄りには偶数の連番が付与される{{sfn|鉄道ジャーナル第588号|page=90}}。
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|-
88行目: 87行目:
|5701||5801||5802||5702
|5701||5801||5802||5702
|}
|}
梅田寄り、元町寄りの先頭車はそれぞれ0.5Mユニット方式。実質3M1T。


== テレビ番組での登場 ==
== テレビ番組での登場 ==
『[[ザ!鉄腕!DASH!!]]』([[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系)の20周年企画のコーナー「TOKIOvs阪神電車 リレー対決」で5700系と[[TOKIO]]の5人<ref>TOKIOは50m×5人のリレーでった</ref>[[打出駅]]で250m競争を行った
2015年11月8日に放送された『[[ザ!鉄腕!DASH!!]]』([[日本テレビ放送網|日本テレビ]][[日本テレビネットワーク協議会|]])の20周年企画のコーナー「TOKIOvs阪神電車 リレー対決」で[[打出駅]]にて5700系と[[TOKIO]]の5人が50メートル×5人のリレー方式250m競走を行った<ref name="ntv">{{Cite web |url=http://www.ntv.co.jp/dash/tetsuwan_new/past/2015/1108/02/ |title=2015年11月8日 放送内容 20周年企画 TOKIOvs阪神電車 リレー対決 〜平均年齢41歳のTOKIOは勝てるのか!?〜 |publisher=[[日本テレビ放送網|日テレ]] |accessdate=2015-12-09}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.oricon.co.jp/news/2061607/full/ |title=TOKIO、阪神電車“ジェットカー”と17年ぶり対決 城島「グループの意地は出せた」 |publisher=ORICON STYLE |date=2015-10-31 |accessdate=2015-12-09}}</ref>。1998年には同様の企画が5500系用いてわれている<ref name="ntv" />

== 出典 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite journal |和書 |title=阪神電気鉄道普通用車両5700系 ジェット・シルバー 5700 |journal=鉄道ジャーナル |publisher=鉄道ジャーナル社 |year=2015 |month=10 |issue=588 |pages=90 - 93 |ref={{SfnRef|鉄道ジャーナル第588号}}}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20150330-5700kei.pdf#search='%E9%98%AA%E7%A5%9E5700%E7%B3%BB' 人と地球へのやさしさを追求した新型普通用車両5700系を導入します] - 阪神電気鉄道プレスリリース、2015年3月30日。
* [http://rail.hanshin.co.jp/car_5700/ 5700系車両の運行スケジュールについて] - 阪神電気鉄道ホームページ、2015年9月5日閲覧。
* [http://rail.hanshin.co.jp/car_5700/ 5700系車両の運行スケジュールについて] - 阪神電気鉄道ホームページ、2015年9月5日閲覧。
* [https://www.hankyu-hanshin.co.jp/corporate/about_us/newsletter/file/newsletter_06.pdf 阪急阪神ホールディングスグループ都市交通事業の節電・省エネへのさまざまな取り組み] - 阪急阪神ホールディングスグループホームページ、2015年11月7日閲覧。
* [https://www.hankyu-hanshin.co.jp/corporate/about_us/newsletter/file/newsletter_06.pdf 阪急阪神ホールディングスグループ都市交通事業の節電・省エネへのさまざまな取り組み] - 阪急阪神ホールディングスグループホームページ、2015年11月7日閲覧。
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[[Category:2015年製の鉄道車両]]
[[Category:2015年製の鉄道車両]]
[[Category:近畿車輛製の電車]]
[[Category:近畿車輛製の電車]]

{{rail-stub}}

2016年3月18日 (金) 10:01時点における版

阪神5700系電車
尼崎駅付近を営業運転中の5700系
基本情報
製造所 近畿車輛
主要諸元
編成 4両
軌間 1,435
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 91
設計最高速度 110
起動加速度 4.0
車両定員 先頭車140人
中間車150人
全長 18,880 mm
5701形 18,980
全幅 2,800
車体 ステンレス鋼
台車 FS-581M, FS-581T
主電動機

全閉自冷式永久磁石同期電動機 (PMSM)

(形式:SEA538A)
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
歯車比 81:14 (5.77)
編成出力 190kw×12=2280kw
制御装置 VVVFインバータ制御
制動装置 MBSA 回生制動併用全電気指令式空気制動抑速制動
保安装置 阪神・山陽・阪急形ATS
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阪神5700系電車(はんしん5700けいでんしゃ)は、阪神電気鉄道が所有する各駅停車用の通勤形電車2015年8月24日に営業運転を開始した。

概要

旧型ジェットカー5001形5131形・5331形の置き換えを目的として登場した[1]。1000系を基本とし、「人と地球へのやさしさ」を追求し、サービス向上と新技術などの導入で環境負担の低減が図られている[1]。ジェット・カーとしては13形式目にあたる[2]。車両に搭載されている全ての照明器具にはLEDが使用されている[3]

阪神5700系 走行音(新在家→石屋川)

試作車として製造された阪神の5201形 (5201,5202) 以来、約半世紀ぶりにステンレス車体を採用している[4]。また、普通用車両としては5500系以来20年ぶりの新型車両である[1][3]。「2代目ジェットシルバー」または「ジェットシルバー5700」と呼ばれている[5]

構造

車体はレーザー溶接で組み立てられたステンレス無塗装構造で、環境に配慮している[1]。補修性を考慮し、前面部は普通鋼製で塗装仕上げとなっている[1]。前照灯周りは1000系と共通しているが、新色のカインドブルーを配色している[4]。尾灯は車体下部に縦に設置されている[1]。前面ガラスは熱線吸収強化合わせガラスを採用し、飛散防止中間膜の他新たに赤外線カット膜を追加している[6]。側面窓は従来車より6ミリメートル厚い熱線吸収強化ガラスを採用し、巻き上げ式のフリーストップカーテンを設置している[4]。列車は4両固定編成で、貫通扉を備えているが併結運転は行わない[4]。本形式ではMc車を0.5M0.5T構成とした事で5550系と同様に3M1T相当の電動車比率かつ全電動車編成となった[1][7]。これにより回生電力の向上と乗り心地の改善が図られている[1]。側面は、ドア周りに「一期一駅」のおもてなしの心と青い地球をシンボリックにイメージした青い大円のグラフィックを配している[4]。これはドアの位置を容易に把握しやすくさせると共に普通用車両の「やさしさ」を表現している[4]。側面の行先表示器は関西の鉄道車両では初めて次駅表示に対応している[8]

台車・電装品

台車は新日鐵住金[8]のモノリンク式ボルスタ付台車のFS-581M(電動台車)・FS-581T(付随台車)を装着する[6]。1000系や1995年登場の5500系ではモノリンク式ボルスタレス台車を装着していたが、本形式ではボルスタ付台車に戻っている[7]。これは普通列車が退避線に入線する事が多い事と、ランニングコストを考慮しての判断によるものである[6]。騒音低減を目的として、主回路装置には定格出力190キロワットの東芝製全閉自冷式永久磁石同期電動機 (PMSM) を採用している[9][10]。これにより抵抗制御車の5001形に比べて約50パーセントほど消費電力を削減している[3]。制御装置はIGBT素子を用いた2レベル方式のVVVFインバータ制御装置である[9]。補助電源装置はスイッチング素子にハイブリッドSiCインバータを用いた高効率の装置を両先頭車に搭載している[4][9]。出力が異なる装置を各車2台搭載し、1台停止してもサービス維持のために必要な電力を供給できるようM1車に受給電装置を設置している[9]。駆動装置は低騒音化を図った歯車と[6]、風切音を低減した新形式のTD継手を採用している[9]。ブレーキ装置は、MBSA形回生ブレーキ併用電気司令式空気ブレーキを採用している[9]。常用ブレーキと非常ブレーキの他、直通予備ブレーキを搭載する[9]。Mc-M車の2両を制御するブレーキ受信装置がM車に搭載されている[9]。常用ブレーキ時は1車単位でブレーキシリンダーの圧力を調整し、回生ブレーキ作動時はM台車のみでブレーキ力を負担するが、それだけで不足する場合は全台車均等に補足空気ブレーキが掛かるようになっている[9]

車内

インテリアデザインは、吊り革、座席、床など、摂津灘をイメージした水模様が施されている[4]。これは、車内でも一目で普通列車だと判るようにもなっている[4]。全車両に優先席と車椅子・ベビーカースペースを設けており、これらのスペースを明確にするために優先席の表地や吊革の色は緑色となっている[6]。また、車椅子利用者に配慮して横手摺りと非常通話装置が設置されている[6]。座席は片持ち式のオールロングシートで、出入口付近のスペースを拡大するために座席数はこれまでの8席から7席に減少している[4]。衝突時の二次衝突の軽減効果を狙ってそれぞれ2・3・2席単位で仕切られている[4]。出入口側には大型の袖仕切を設置している[4]。この仕切りは、座席側が窪んでおり、出入口側に向けて出っ張っている構造であるため、立客の腰当てとなるほか、着席する乗客の肘当てにもなる[4]。梅田寄り先頭車(5701号車)には短時間の乗車に対応して乗降しやすいように座面を30ミリメートル高めた「ちょい乗りシート」が試験的に設置されている[4]。各袖仕切りには立客の姿勢保持のためにスタションポールが併設されている[4]。急停車時や事故などに備えて枕木方向に吊り手が、座席間には握り棒が増設された[4]。つり手については、背の低い乗客に配慮してこれまでより低い吊り手も設置している[4]。乗降扉は2001年以降の製造車両と同様に幅は1300ミリメートルとし、ガラスにはUVカットの複層ガラスを採用している[6]。戸袋への吸い込み対策として、ブロック状のCR皮膜付きのスポンジゴムを取り付けている[6]。また、車内側には車内乗車位置表示板が貼られている[6]。扉上部には阪急1000系と同じ東芝製のハーフサイズ32インチLCD車内案内表示装置が各車3箇所千鳥設置されている[8][9][11]。日英中韓の4か国語で表示し、全画面で駅名を表示するほか、静止画・動画コンテンツと運行情報を分割しての2画面表示も行う[9]。この他、ブザー、開閉予告灯と誘導鈴を設けている[6]。安全性と視認性の向上のために車外のステップと車内の水切り部に黄色の識別帯を引いている[6]。また、車椅子の乗降をスムーズにするために、車椅子スペース付近のドアはタイヤの通行部分に合わせて下レールの一部が切り欠いている[6]

空調装置は24.4キロワットのセミ集中式クーラーを1両につき2台搭載し、低騒音型のラインフローファンを併用し体感温度を下げることで冷房効果を向上させている[9]。暖房装置は各座席下に吊り下げられている[9]。空調の制御にはマイコン制御方式を採用し、外の天候や車両の状態を加味し、更に体感温度を考慮してきめ細かく制御される[4]

関西の大手私鉄の車両としては初めて、長時間停車する駅での車内保温対策として、各扉に半自動ドアボタンを設置している[6]

乗務員室

運転台は、5550系と同様にモニター縦横軸併用マスコンを採用している[9]。増えつつある女性乗務員の操作性を考慮して一部のスイッチとブレーカーの位置が低くなり、手掛けや踏み台も設置されている[6]。放送装置はAVC付増幅方式で、放送回路の切り替えモードに加えて車内外同時に放送可能とする機能と乗降促進放送機能が追加された[9]。また、半自動ドア使用時や急ブレーキ使用時に自動放送が流れる[9]

運用

2015年現在は4両×1編成の4両が在籍している[8]。今後、5001形・5131形・5331形全13編成を順次置き換えていく[1]。運転開始当初は、1日4往復の固定運用で、運転時刻もホームページや乗降扉を手動扱いとする駅のホームに掲示されていた[12]。2015年12月1日以降は、日ごとに異なる運用となり、運転時刻の掲示もなくなった。

編成

列車はMc-M車の各2両のユニットで構成されている[1]。車番は大阪寄りには奇数の連番、神戸寄りには偶数の連番が付与される[1]

← 梅田
元町 →
5700
(Mc1)

0.5M

5800
(M1)
5800
(M2)
5700
(Mc2)

0.5M

5701 5801 5802 5702

テレビ番組での登場

2015年11月8日に放送された『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)の20周年企画のコーナー「TOKIOvs阪神電車 リレー対決」で打出駅にて5700系とTOKIOの5人が50メートル×5人のリレー方式で250m競走を行った[13][14]。1998年には同様の企画が5500系を用いて行われている[13]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 鉄道ジャーナル第588号, p. 90.
  2. ^ 「阪神電気鉄道5700系 ジェット・シルバー5700」『鉄道ファン』第654号、交友社、2015年10月。 
  3. ^ a b c 阪神電気鉄道株式会社 (30 March 2015). "人と地球へのやさしさを追求した新型普通用車両5700系を導入します 〜普通用車両で20年振りの新型を今夏から導入〜" (PDF) (Press release). 阪神電車. 2015年12月9日閲覧
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 鉄道ジャーナル第588号, p. 91.
  5. ^ 【阪神】5700系試乗会開催|RMニュース|鉄道ホビダス”. ネコ・パブリッシング (2015年7月28日). 2016年3月18日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n 鉄道ジャーナル第588号, p. 92.
  7. ^ a b 「阪神「ジェット・カー」57年のあゆみ」『鉄道ファン』第654号、交友社、2015年10月、85頁。 
  8. ^ a b c d 「阪神電気鉄道 普通用新型車両5700系の導入を開始」『鉄道ダイヤ情報』第400号、交通新聞社、2015年8月、70 - 71頁。 
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 鉄道ジャーナル第588号, p. 93.
  10. ^ "阪神電気鉄道 新型車両向け電気品受注について" (Press release). 東芝. 31 March 2015. 2015年12月9日閲覧
  11. ^ メトロや阪急に続いて! 阪神電鉄が消費電力半減の東芝製「全閉PMSM」と「VVVFインバータ」導入”. ASCII.jp (2015年4月1日). 2015年12月9日閲覧。
  12. ^ 5700系車両の運行スケジュールについて”. 阪神電車. 2015年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月9日閲覧。
  13. ^ a b 2015年11月8日 放送内容 20周年企画 TOKIOvs阪神電車 リレー対決 〜平均年齢41歳のTOKIOは勝てるのか!?〜”. 日テレ. 2015年12月9日閲覧。
  14. ^ TOKIO、阪神電車“ジェットカー”と17年ぶり対決 城島「グループの意地は出せた」”. ORICON STYLE (2015年10月31日). 2015年12月9日閲覧。

参考文献

  • 「阪神電気鉄道普通用車両5700系 ジェット・シルバー 5700」『鉄道ジャーナル』第588号、鉄道ジャーナル社、2015年10月、90 - 93頁。 

外部リンク