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2016年11月12日 (土) 01:09時点における版

チャック・ベリー
チャック・ベリー(2007年スウェーデン
基本情報
出生名 Charles Edward Anderson Berry
別名 Chuck Berry
生誕 (1926-10-18) 1926年10月18日(98歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ミズーリ州セントルイス
ジャンル ロックンロール
ブルース
職業 ミュージシャン
ソングライター
担当楽器 ギター
ボーカル
活動期間 1955年 -
レーベル チェス・レコード
共同作業者 ジョニー・ジョンソン
公式サイト http://www.chuckberry.com/
著名使用楽器
ギブソン・ES-335
Chuck Berry, You can't catch me, 1956.

チャールズ・エドワード・アンダーソン・ベリー(Charles Edward Anderson Berry、1926年10月18日 - )はアメリカミュージシャンギタリスト。「チャック・ベリー(Chuck Berry)」の名で知られている。
ロックンロールの創始者の1人と言われている。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第41位[1]

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第5位。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第6位、2011年の改訂版では第7位。

概要

特徴的なギターリフを使った音楽スタイルは後輩ロックミュージシャン達に多大な影響を与えた。また、社会的メッセージが込められた数々の歌は、1950~60年代の若者に共感された。80歳を超えた現在もステージ活動を続けている。

ベリーを敬愛しているジョン・レノンは「ロックンロールに別名を与えるとすれば『チャック・ベリー』だ」と述べている[2]

1986年ロックの殿堂入りを果たした際に殿堂は「ロックンロールを創造した者を一人に限定することはできないが最も近い存在はチャック・ベリー」としている[3]

経歴

1926年、6人兄弟の3人目の子としてミズーリ州セントルイスに生まれる(一部の伝記では、カリフォルニア州サンノゼ生とする説もあり)。父親はバプテスト教会の執事も務める建設請負業者で、母親は教師というセントルイスの中流家庭で育った彼は幼少時から音楽に興味を示した。6歳の頃から聖歌隊に加わり、高校時代には初めて人前で演奏した。一方、不良仲間に影響され様々な悪事に手を染めた。高校卒業直前の1944年に自動車強盗の罪で感化院へ送られるが、1947年に釈放された。

1953年ピアニストのジョニー・ジョンソン率いるサー・ジョン・トリオにギタリストとして加入する。間もなく、ジョンソンに代わってベリーがこのバンドのリーダーとなった。彼のステージを見たマディ・ウォーターズの口利きによって1955年チェス・レコードと契約し、シングル「メイベリーン」(全米5位)でデビューした。独特のギター奏法とギターを弾きながら腰を曲げて歩く「ダックウォーク」が話題となった。

1956年にはシングル「ロール・オーヴァー・ベートーヴェン」(全米29位)等がヒット。1957年、最初のアルバム『アフター・スクール・セッション』を発表した。シングル「スクール・デイズ」(全米3位)、「ロックンロール・ミュージック」(全米8位)等がヒット。翌1958年には2枚目のアルバム『ワン・ダズン・ベリーズ』を発表し、シングル「スウィート・リトル・シックスティーン」(全米2位)、「ジョニー・B.グッド」(全米8位)、「キャロル」(全米18位)等がヒットした。1959年には3枚目のアルバム『ベリー・イズ・オン・トップ』を発表した。

いくつかのヒット曲を発表し、公演旅行を行った後の1959年12月、ベリーはメキシコで出会った14歳のウェイトレスを連れ回し売春を強要した容疑で、マン法(Mann Act, 不道徳な目的のために女性を州境を越えさせることを禁じる)に違反したとして逮捕され「懲役5年と罰金5,000ドル」が下った。

やがて、ロックにとって最初の闇の時代が始まった。エルヴィス・プレスリーの徴兵とリトル・リチャードの引退(1958年)とバディ・ホリーの事故死(1959年)が続き、さらに翌1960年にはイギリスでも、エディ・コクランジーン・ヴィンセントが交通事故に遭い、コクランが死亡している。ベリーに対する判決・懲役5年は後に3年に減刑されたが、マン法はベリーのようなアーティスト達を狙い打ちするための法律とも言われており、その逮捕と判決には黒人差別意識も少なからず影響していると考えられている。べリーは刑に服した後1963年に釈放された。

3年間の刑務所生活があったにも関わらず、ベリーはデビューからの10年間で30枚以上のシングルを発表し、1960年には4枚目のアルバム『ロッキン・アット・ザ・ホップス』を発表している。しかし、必ずしも全てがヒットとなった訳ではなかった。1964年ビートルズローリング・ストーンズ等の人気バンドがベリーの曲をカバーした[4]ため、ベリー自身の人気も再浮上し、シングル「ネイディーン」(全米23位)、「ノー・パティキュラー・プレイス・トゥ・ゴー」(全米10位)、「ユー・ネヴァー・キャン・テル」(全米14位)等がヒットした。

1972年、アルバム『ロンドン・チャック・ベリー・セッションズ』(全米8位)、シングル「マイ・ディンガリング」(全米1位)、「リーリン・アンド・ロッキン」(全米27位)がヒットした。

1979年、脱税の罪で逮捕されるが、年内に釈放された。

1981年に初の日本公演を行っている。

1986年ロックの殿堂入りを果たした際に殿堂は「ロックンロールを創造した者を一人に限定することはできないが最も近い存在はチャック・ベリー」としている[5]

また同年、キース・リチャーズがオールスターのバンド・メンバーを集め、ベリーの故郷セントルイスで、生誕60周年記念コンサートが行われた。このときの様子は、テイラー・ハックフォード監督によって記録され、翌年映画『ヘイル!ヘイル!ロックンロール』として公開された。ひとりのファンとしてベリーの音楽を記録したいというキース・リチャーズの熱意が感じられるのと同時に、ベリーの破天荒な性格が伝わる興味深い内容となっている。[独自研究?]

2000年舞台芸術分野における貢献者に与えられるケネディ・センター名誉賞を授与される。

2005年、著作権を侵害されたとしてカラオケ業社3社を訴えた。2008年には、日本テレビ開局55年のキャンペーン「日テレ55」にて「Johnny B. Goode」の替え歌を自ら披露している[6]

ディスコグラフィ

シングル

発表年 曲名 チャート
US Hot 100 US R&B UK


1955 "Maybellene" (A-Side) #5 #1
→ "Wee Wee Hours" (B-Side) #10
1955 "Thirty Days" #2
1955 "No Money Down" #8
1956 "Roll Over Beethoven" #29 #2
1956 "Too Much Monkey Business" #4
→ "Brown Eyed Handsome Man" (B-Side) #5
1956 "You Can't Catch Me"
1957 "School Days" #3 #1 #24
1957 "Oh Baby Doll" #57 #12
1957 "Rock and Roll Music" #8 #6
1958 "Sweet Little Sixteen" #2 #1 #16
1958 "Johnny B. Goode" #8 #2
1958 "Beautiful Delilah" #81
1958 "Carol" #18 #9
1958 "Sweet Little Rock and Roller" (A-Side) #47 #13
→ "Jo Jo Gunne" (B-Side) #83
1958 "Merry Christmas Baby" (A-Side) #71
→ "Run Rudolph Run" (B-Side) #69 #36
1959 "Anthony Boy" #60
1959 "Almost Grown" (A-Side) #32 #3
→ "Little Queenie" (B-Side) #80
1959 "Back In The USA" (A-Side) #37 #16
→ "Memphis, Tennessee" (B-Side) #6
1959 "Broken Arrow" #108
1960 "Too Pooped To Pop (Casey)" (A-Side) #42 #18
→ "Let It Rock" (B-Side) #64 #6
1960 "Bye Bye Johnny"
1960 "I Got To Find My Baby"
1960 "Jaguar and Thunderbird" #109
1961 "I'm Talking About You"
1961 "Come On" (A-Side)
→"Go Go Go" (B-Side) #38
1963 "Diploma For Two"
1964 "Nadine (Is It You?)" #23 #27
1964 "No Particular Place To Go" #10 #3
1964 "You Never Can Tell" #14 #23
1964 "Little Marie" #54
1964 "Promised Land" #41 #26
1965 "Dear Dad" #95
1965 "It Wasn't Me"
1966 "Ramona Say Yes"
1967 "Laugh and Cry"
1967 "Back to Memphis"
1967 "Feelin' It"
1968 "Louie to Frisco"
1969 "Good Looking Woman"
1970 "Tulane"
1972 "My Ding-A-Ling" (live) #1 #42 #1
1972 "Reelin' and Rockin'" (live) #27 #18
1973 "Bio"
1975 "Shake, Rattle and Roll"
1979 "California"

*イギリスで発表されたシングルは全てがアメリカ盤と同時に発表されたわけではない。また、A面/B面の配置が異なった物も存在する。
*ビルボードは1964年にR&Bシングル・チャートを発表しなかったため、NadineからPromised Landまでがチャートから外れている。

スタジオアルバム

  • Rock, Rock, Rock (with The Moonglows and Flamingos) (1956)
  • アフター・スクール・セッション - After School Session (1958)
  • ワン・ダズン・ベリーズ - One Dozen Berrys (1958)
  • チャック・ベリー・イズ・オン・トップ - Chuck Berry Is on Top (1959)
  • ロッキン・アット・ザ・ホップス - Rockin' at the Hops (1960)
  • ニュー・ジュークボックス・ヒッツ - New Juke-Box Hits (1961)
  • チャック・ベリー・オン・ステージ- Chuck Berry on Stage (1963)(スタジオ録音に拍手や歓声を被せた擬似ライヴ)
  • Chuck Berry's Greatest Hits (1964)
  • Two Great Guitars Bo Diddley & Chuck Berry (with Bo Diddley) (1964)
  • セント・ルイス・トゥ・リヴァプール - St. Louis to Liverpool (1964)
  • チャック・ベリー・イン・ロンドン - Chuck Berry in London (1965)
  • フレッシュ・ベリーズ - Fresh Berry's (1966)
  • Chuck Berry's Golden Hits (1967)(再録音源集)
  • From St. Louie to Frisco (1968)
  • バック・ホーム - Back Home (1970)
  • サンフランシスコ・デューズ - San Francisco Dues (1971)
  • ザ・ロンドン・チャック・ベリー・セッションズ - The London Chuck Berry Sessions (1972)
  • バイオ - Bio (1973)
  • Sweet Little Rock and Roller (1973)
  • Wild Berrys (1974)
  • Flashback (1974)
  • Chuck and His Friends (1974)
  • チャック・ベリー - Chuck Berry (1975)
  • Rock It (1979)
  • Alive and Rockin' (1981)
  • "Retro Rock" - Chuck Berry - Broadcast Week (1982)
  • Chuck Berry (1982)

ライヴアルバム

  • Chuck Berry in Memphis (1967)
  • Live at the Fillmore Auditorium (1967) (bonus tracks included on 1994 re-release)
  • Concerto in B. Goode (1969)
  • Chuck Berry Live in Concert (1978)
  • Chuck Berry Live (1981)
  • Toronto Rock 'N' Roll Revival 1969 Vol. II (1982)
  • Toronto Rock 'N' Roll Revival 1969 Vol. III (1982)
  • ヘイル!ヘイル!ロックンロール - Hail! Hail! Rock 'n' Roll(1987)
  • Live! (2000)
  • Live on Stage (2000)
  • Chuck Berry - In Concert (2002)

アンソロジー

  • ツイスト - Chuck Berry Twist (1962)
  • Chuck Berry's Golden Decade (1967)
  • Chuck Berry's Golden Hits (1967)
  • Chuck Berry's Golden Decade Vol. 2 (1973)
  • Chuck Berry's Golden Decade Vol. 3 (1974)
  • Chuck Berry's Greatest Hits (1976)
  • The Best of the Best of Chuck Berry (1978)
  • Chuck Berry's 16 Greatest Hits (1978)
  • Chuck Berry All-Time Hits (1979)
  • The Great Twenty-Eight (1982)
  • 20 Hits (1983)
  • Reelin' Rockin' Rollin' (1983)
  • Rock 'N' Roll Rarities (1986)
  • チェス・ボックス - The Chess Box (Box Set) (1988)
  • On the Blues Side (1994)
  • Roll Over Beethoven (1996)
  • Let It Rock (1996)
  • The Best of Chuck Berry (1996)
  • Guitar Legends (1997)
  • Chuck Berry - His Best, Vol. 1 (1997)
  • Chuck Berry - His Best, Vol. 2 (1997)
  • The Latest & The Greatest / You Can Never Tell (1998)
  • Live: Roots of Rock 'N' Roll (1998)
  • Rock & Roll Music (1998)
  • 20th Century Masters - The Best of Chuck Berry (1999)
  • Johnny B. Goode (Legacy) (2000)
  • Anthology (2000)
  • Blast from the Past: Chuck Berry (2001)
  • Johnny B. Goode (Columbia River) (2001)
  • ゴールド - Gold (2005) - Simply 2000's Anthology Repackaged

映像作品

  • ライヴ・ピース・イン・トロント1969 (1999年,DVD) / スウィート・トロント (2002年,DVD) / スウィート・トロント〜プラスティック・オノ・バンドfeat.エリック・クラプトン (2007年,DVD)
  • チャック・ベリー ヘイル! ヘイル! ロックンロール (1986年公開 2007年,DVD)

脚注

  1. ^ Rolling Stone. “100 Greatest Singers: Chuck Berry”. 2013年5月26日閲覧。
  2. ^ 原文:If you tried to give rock and roll another name, you might call it 'Chuck Berry'.
    Brainy Quote - John Lennon”. 2007年6月30日閲覧。
  3. ^ Rock and Roll Hall of Fame: Chuck Berry
  4. ^ ビートルズローリング・ストーンズ共に、「キャロル」「リトル・クイニー」をカバー。その他にビートルズは、「ジョニー・B.グッド」「ロック・アンド・ロール・ミュージック」(両曲ともジョン・レノンボーカル)、「ロール・オーバー・ベートーヴェン」(ボーカル担当:ジョージ・ハリスン)をカバー。ストーンズは最も多くのカバーを残しており、「カム・オン」、「ロック・アンド・アラウンド」、「バイ・バイ・ジョニー」、「スウィート・リトル・シックスティーン」、「レット・イット・ロック」、「ユー・キャント・キャッチ・ミー」、「トーキン・バウト・ユー」、「ロッキン・ブルース」の他、ライヴでしかカバーしなかったものもある。
  5. ^ Rock and Roll Hall of Fame: Chuck Berry
  6. ^ 日テレgo!go!キャンペーンCM

外部リンク