コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「ナイロン」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
誤記?修正
ZairanTD (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
1行目: 1行目:
{{Otheruses|合成樹脂|その他}}
{{Otheruses|合成樹脂|その他}}
[[ファイル:Nylon6 and Nylon6,6 structure.svg|thumb|300px|ナイロン6とナイロン6,6の分子構造]]
[[ファイル:Nylon6 and Nylon6,6 structure.svg|thumb|300px|ナイロン6とナイロン6,6の分子構造]]
'''ナイロン'''('''Nylon''')は、[[ポリアミド]][[合成樹脂]]の種類である。当初は主に繊維として使われた。世界初の合成繊維の'''ナイロン6,6'''('''6,6-ナイロン'''などとも)が含まれる。
'''ナイロン'''(nylon)は、[[ポリアミド]][[合成樹脂]]の種類である。当初は主に繊維として使われた。世界初の合成繊維の'''ナイロン6,6'''('''6,6-ナイロン'''などとも)が含まれる。


[[1935年]]、[[アメリカ]]の[[デュポン]]社の[[ウォーレス・カロザース]]が合成に成功した。ナイロンは本来、インビスタ社(旧デュポン・テキスタイル・アンド・インテリア社)の商品名だが、現在ではポリアミド系繊維([[単量体]]が[[アミド|アミド結合]] (-CO-NH-) により次々に縮合した[[高分子]])の総称として定着している。
[[1935年]]、[[アメリカ]]の[[デュポン]]社の[[ウォーレス・カロザース]]が合成に成功した。ナイロンは本来、インビスタ社(旧デュポン・テキスタイル・アンド・インテリア社)の商品名だが、現在ではポリアミド系繊維([[単量体]]が[[アミド|アミド結合]] (-CO-NH-) により次々に縮合した[[高分子]])の総称として定着している。

2017年2月7日 (火) 21:50時点における版

ナイロン6とナイロン6,6の分子構造

ナイロン(nylon)は、ポリアミド合成樹脂の種類である。当初は主に繊維として使われた。世界初の合成繊維のナイロン6,66,6-ナイロンなどとも)が含まれる。

1935年アメリカデュポン社のウォーレス・カロザースが合成に成功した。ナイロンは本来、インビスタ社(旧デュポン・テキスタイル・アンド・インテリア社)の商品名だが、現在ではポリアミド系繊維(単量体アミド結合 (-CO-NH-) により次々に縮合した高分子)の総称として定着している。

ナイロン(nylon)の名称は、「伝線(run)しないパンティストッキング用の繊維」を意図した「norun」に由来する[1]

種類としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6などがある。これらの数字は、合成原料の炭素原子の数に由来す

構造(右図)は、

  • ナイロン6:{CO-(CH2)5-NH}n
  • ナイロン6,6:{CO-(CH2)4-CO-NH-(CH2)6-NH}n

歴史

ウォーレス・カロザースが合成したナイロン6,6は、アジピン酸ヘキサメチレンジアミン重合して作られる。一方、1941年日本東洋レーヨン(現・東レ)星野孝平らにより合成された[2]ナイロン6(合成当時の名はアミラン[3])はε-カプロラクタム開環重合して作られる。1960年代にはデュポン社により、ニッケル触媒を利用した1,3-ブタジエンヒドロシアノ化によるナイロン6,6の合成法が開発された。ほかにプロピレンアンモ酸化したアクリロニトリルを原料に、モンサント社が開発した電解ヒドロ二量化法により中間体のアジポニトリルを合成する方法もあり、ベンゼンブタジエンプロピレンの価格動向や電力価格により優劣が変動する[4]

女性のストッキング用として使われたのが始まり。石炭空気から作られ、鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い、というのが当時のキャッチフレーズだった。

一般的にはナイロン6,6は絹、ナイロン6は木綿に近い肌触りとされている。

軽量で水分を吸う性質があり、登山用のロープとしても使われたが、突然切れるという事故が発生して問題になったことがある。

用途

主に合羽ウインドブレーカー、スキーウェアなど冬用のスポーツウエアなどの衣類に用いられるほか、ギターの弦、ストッキングや水着、釣り糸などにも用いられている。

脚注

  1. ^ DuPont. “デュポン200年の軌跡 5-2”. 2015年12月29日閲覧。
  2. ^ ちなみに、1937年にはドイツIGファルベンパウル・シュラックらにより合成されており、1942年に"Perlon"の名で生産が開始されている
  3. ^ 現在では、アミラン®東レのナイロン製品の登録商標となっている
  4. ^ Whyman, Robin 著、碇屋隆雄・山田徹 訳『有機金属と触媒 -工業プロセスへの展開』化学同人、2003年。ISBN 978-4759809480 

関連項目