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[[Image:StreetLive(Japan).jpg|thumb|240px|right|路上ライブを行っている若者達、観客、そして通行人]] |
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'''路上ライブ'''(ろじょうライブ)、または'''ストリートライブ(street live) |
'''路上ライブ'''(ろじょうライブ)、または'''ストリートライブ''' (street live) は、[[大道芸|路上パフォーマンス]]のひとつで、[[歩道]]や[[公園]]などの屋外で音楽を[[演奏]]すること。路上ライブの演奏者を'''路上ミュージシャン'''(ろじょうミュージシャン)、または'''ストリートミュージシャン'''と呼び、路上ライブの演奏者のうち、[[歌唱]]を行う者を'''路上シンガー'''(ろじょうシンガー)、または'''ストリートシンガー'''と呼ぶこともある。 |
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[[漫才]]や[[コント]]、[[ダンス]]パフォーマンス、アートパフォーマンスなどを路上で実演することについても路上ライブと呼ぶことがある。また、音楽演奏のみではなく、演奏の前後や合間に音楽演奏以外のパフォーマンスを行う場合もある。 |
[[漫才]]や[[コント]]、[[ダンス]]パフォーマンス、アートパフォーマンスなどを路上で実演することについても路上ライブと呼ぶことがある。また、音楽演奏のみではなく、演奏の前後や合間に音楽演奏以外のパフォーマンスを行う場合もある。 |
2017年3月1日 (水) 01:03時点における版
路上ライブ(ろじょうライブ)、またはストリートライブ (street live) は、路上パフォーマンスのひとつで、歩道や公園などの屋外で音楽を演奏すること。路上ライブの演奏者を路上ミュージシャン(ろじょうミュージシャン)、またはストリートミュージシャンと呼び、路上ライブの演奏者のうち、歌唱を行う者を路上シンガー(ろじょうシンガー)、またはストリートシンガーと呼ぶこともある。
漫才やコント、ダンスパフォーマンス、アートパフォーマンスなどを路上で実演することについても路上ライブと呼ぶことがある。また、音楽演奏のみではなく、演奏の前後や合間に音楽演奏以外のパフォーマンスを行う場合もある。
本記事では音楽活動について記述する。音楽活動以外については大道芸の記事を参照。
歴史
日本でのブームの訪れには諸説があり、泉谷しげるが参加していた1969年(昭和44年)頃の「新宿西口フォークゲリラ」や、大正デモクラシー時代の路上演歌師の活動を含めて考える説もあるが、一般には1980年代後期、休日の歩行者天国などでパントマイムや音楽活動を行う渡航者に合わせるかのように日本人演奏者が増えた時代を第1次ブームと考え[1]、先の路上演歌師を路上ライブのルーツと考えるものが多い[2]。第2次ブームはゆずなどのストリートミュージシャンが多数現れる1997年(平成9年)頃とされ、2003年(平成15年)あたりから終息に向かったとされる[3]。2005年(平成17年)以降の微増に対しては、「ブーム再来」と考える者もいれば「定着」と考える者もいるという[3]。
アメリカでは、1929年の世界恐慌の直後に職を探して大陸中を歩いたとされるウディ・ガスリー、1930年代にブルースの弾き語りでアメリカ大陸中を旅したロバート・ジョンソンなどが路上ライブの興りとして扱われる。
ロンドンでは、地下鉄で路上パフォーマンスを行う人をバスカーと呼んでいる。地下鉄職員とバスカー、あるいはバスカー同士のトラブルの多発を受けて、ロンドン地下鉄は2003年5月にライセンス制度を設け、以降は演奏許可証(バスキング・ライセンス)なしには演奏できないこととなった。また、演奏可能な場所や時間帯はオーディションによって決められる。
民族音楽を中心とする一部の音楽、例示するならコンガやジャンベなどを用いる奏者にとっては、路上あるいは屋外でライブをすることが日常的であるが故、路上ライブということを意識しないで演奏している者もいる[4]。日本での第1次ブームに記した「音楽活動を行う渡航者」にはそういった者たちも含まれる。日本の盆踊りの音頭や祭囃子などもこの類といえる。
目的
アーティストが、費用をあまりかけずに自分たちの作品を知ってもらうための手段として行われる。CD・MD・カセットテープやライブチケットなどの販売も併せて行われることが多い。
この他に、多くの人達に見てもらい知名度を向上する、声をかけてくれる人との面識を深める、曲を聞いた人からの投げ銭によりお金を稼ぐ、人前での実演を繰り返すことによって技量の向上が見込まれるなど、実演者により目的は様々である。
実演場所
人通りの多い駅前の歩道や、都心の公園などが選ばれることが多い。
楽器を広げたり人が集まったりするためのスペースと、周りに商店や住宅が無いなどある程度の音を出せる環境が求められる。また、音の拡散防止という観点では、屋根があることも1つの要素である。
例外的に、電車がひっきりなしに走る東京の高架下や深夜の六本木など、周辺が極度の騒音に囲まれているスペースも、ある程度の音が出せる環境となりうる[5]。
実演方法
音楽の実演の場合、一番シンプルなものは、体一つでのア・カペラであり、つづいてアコースティック・ギターなどの電源不要な楽器を使用した弾き語りなどがある。その他の電源不要な楽器としては、アルパなどギター以外の弦楽器、カホンやジャンベや和太鼓などの打楽器、トランペットなどの管系など様々である。
拡声器を使用する場合もあり、充電式の小型なものから、外部電源式のやや本格的なものまである。屋外で使用可能なアンプは日本では、第2次ブーム1999年(平成11年)に登場し、その後2005年(平成17年)頃に出回りだした。エレキ・ギターや、シンセサイザーなどの電気楽器を使用する場合も電源が必要であり、外部電源を用いる場合は可搬型の発動発電機が使われることが多い。いずれにしても、持ち運びを容易にするためにコンパクトな物が選ばれ、設置や撤収が簡単なように工夫されている。
慣習として、実演者の前に投げ銭を入れるためのギターケースや空き缶などが置かれる。曲を聞いた上で聞いた人がその演奏に対してお金を払っても良いと思った場合、投げ銭をすることができる。ミュージシャンによってはアルバムやシングルを即売している事もある。
問題点
道路、歩道などの公道で、一般交通に著しい影響を及ぼす可能性がある行為を行う場合は、道路交通法第77条により所轄する警察署の許可を取る必要があり、無許可の場合には処罰されることがある。公園などでの演奏行為や、拡声器を使って大きな音を流すことについても、自治体の条例などで禁止されていることが多い。仮に禁止されていなかったとしても、興味のない人にとっては単なる騒音であり、聴衆が増えれば通行妨害で迷惑となる(交番に通報され中止・撤収命令を出されることになる)。実際、1999年(平成11年)に郷ひろみが渋谷で行った路上ライブでは警察署への許可を取らなかったために大きな混乱と交通渋滞を引き起こし、企画したプロデューサーなどが書類送検された。
また、同じ場所に多くの実演者がいる場合、拡声器を使用しない者は使用する者の中で実演できないなど、実演者間の環境や目的の違いにも問題がある。これらの問題が原因で実演者間のトラブルに発展する場合もある。
井の頭公園ではパフォーマンスの出展を登録制で行う「井の頭公園アートマーケッツ」という試みを開催している[6]。
現状
CD売り上げが減少する中、各レコード会社は新人発掘に慎重となっており、宣伝費もなかなか掛けられなくなっている。そんな中でも自分の作品を世に問いたいアーティストは依然多く、規制が厳しくなった中でも活路を求めて路上に出る者が後を絶たない。
日本以外では、場所を決めて路上パフォーマーに提供している所も多く、これにならって東京都ではヘブンアーティストの制度を始めた。しかしながら、CD、DVDなどの販売は禁止され、演奏の場所、日時が限られていている。ヘブンアーティストは大道芸人などのパフォーマンス部門と音楽部門に大別されている。
その他
ニューヨーク市地下鉄では、1985年より経営体であるMTAがオーディション([1])を行っており、合格したストリートミュージシャン350組による駅構内での合法的な演奏活動が一部(25か所)駅で行われている[7]。
類似例では、東京駅構内の「駅コン」→「赤煉瓦コンサート」(2006年より休止)があるが、ニューヨーク市地下鉄と異なり、有名な音楽監督を迎えてクラシック音楽の演奏会を行うものであり、本稿でいう「路上ライブ」ではない。
脚注
- ^ 青柳2009 & p.19.
- ^ 青柳2009 & p.32.
- ^ a b 青柳2009 & p.21.
- ^ 青柳2009 & p.35.
- ^ 青柳2009 & p.68.
- ^ “井の頭公園アートマーケッツ”. 2015年9月16日閲覧。 井の頭公園公式サイト
- ^ ニューヨークの地下鉄で演奏するための“オーディション”開催されるlivedoor ニュース、2010年5月13日
参考文献
- 青柳文信『路上ライブを楽しむ本〜なぜ駅前広場の人気を独占することができるのか』スタイルノート、2009年10月1日。ISBN 978-4-903238-35-7。