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2009-10シーズンもレギュラーの座を守り、開幕から8試合でクラブ新記録となる4完封を記録した。2009年9月には月間最優秀選手賞を受賞したが、これは2008年8月にマルセイユの[[スティーヴ・マンダンダ]]が栄誉に浴して以来のゴールキーパーの受賞であった。[[2009年]][[10月20日]]に[[アンフィールド]]で行われた[[UEFAチャンピオンズリーグ 2009-10|チャンピオンズリーグ]]の[[リヴァプールFC|リヴァプール]]戦では[[ディルク・カイト]]のヘディング、[[ダビド・ヌゴグ]]のボレー、[[ファビオ・アウレリオ・ロドリゲス|ファビオ・アウレリオ]]のヘディング、[[ハビエル・マスチェラーノ]]のミドル等リヴァプールの決定機を次々と防ぎ、前半の1失点のみに抑えて2-1で逆転勝利しフランスメディアに称賛された<ref>[http://jp.uefa.com/uefachampionsleague/season=2010/matches/round=2000028/match=2000405/postmatch/report/index.html リヨン、アンフィールドで逆転勝利]Uefa.com 2009年10月21日</ref>。[[11月5日]]の[[スタッド・ジェルラン]]でのリヴァプール戦では前半だけで[[フェルナンド・トーレス]]や[[ディルク・カイト]]、[[アンドレイ・ヴォロニン]]などのシュートを次々に止め、後半も鋭い反射神経で[[ルーカス・レイバ]]のミドルシュートをセーブした。試合は後半ロスタイムに[[リサンドロ・ロペス]]の得点で1-1に追い付き、イングランドきってのクラブをグループリーグ敗退に追いやり、決勝トーナメント進出を決めた<ref>{{cite news |url=http://www.fifa.com/worldfootball/clubfootball/news/newsid=1128744.html | title = Lyon delight, Liverpool despair |date= 4 November 2009 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = FIFA }}</ref><ref>{{cite news |url=http://www.uefa.com/uefachampionsleague/matches/season=2010/round=2000028/match=2000413/index.html | title = Lyon through as Liverpool teeter |date= 4 November 2009 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = UEFA }}</ref>。[[2009年]][[11月8日]]のマルセイユ戦(5-5)はマンダンダとのフランス代表対決になったが、両クラブの監督やメディアが「'''ザル守備 (slack defending)'''」とこき下ろしたように両クラブとも5得点ずつを挙げる展開になり、この両者の対戦では最も得点数の多い試合となった<ref>{{cite news |url=http://www.lfp.fr/ligue1/feuilleMatch.asp?saison=2009/2010&code_evt=&code_jr_tr=J13&num_ordre=4&no_groupe=0 | title = Lyon v. Marseille Match Report |date= 8 November 2009 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = LFP }}</ref><ref name="Reuters">{{cite news |url=http://in.reuters.com/article/sportsNews/idINIndia-43808320091109 | title = Lyon vs. Marseille – The game of the year |date= 9 November 2009 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = Reuters}}</ref><ref name="Reuters"/>。[[12月20日]]には2009年のフランス最優秀選手が発表され、[[チェルシーFC|チェルシー]]の[[ニコラ・アネルカ]]とボルドーの[[ヨアン・グルキュフ]]に次ぐ3位の得票を得た<ref>{{cite news |title=Gourcuff et Blanc décorés |url=http://www.francefootball.fr/FF/breves2009/20091220_114320_gourcuff-et-blanc-decores.html |work= France Football |date=20 December 2009 |accessdate=21 December 2009}}</ref>。
2009-10シーズンもレギュラーの座を守り、開幕から8試合でクラブ新記録となる4完封を記録した。2009年9月には月間最優秀選手賞を受賞したが、これは2008年8月にマルセイユの[[スティーヴ・マンダンダ]]が栄誉に浴して以来のゴールキーパーの受賞であった。[[2009年]][[10月20日]]に[[アンフィールド]]で行われた[[UEFAチャンピオンズリーグ 2009-10|チャンピオンズリーグ]]の[[リヴァプールFC|リヴァプール]]戦では[[ディルク・カイト]]のヘディング、[[ダビド・ヌゴグ]]のボレー、[[ファビオ・アウレリオ・ロドリゲス|ファビオ・アウレリオ]]のヘディング、[[ハビエル・マスチェラーノ]]のミドル等リヴァプールの決定機を次々と防ぎ、前半の1失点のみに抑えて2-1で逆転勝利しフランスメディアに称賛された<ref>[http://jp.uefa.com/uefachampionsleague/season=2010/matches/round=2000028/match=2000405/postmatch/report/index.html リヨン、アンフィールドで逆転勝利]Uefa.com 2009年10月21日</ref>。[[11月5日]]の[[スタッド・ジェルラン]]でのリヴァプール戦では前半だけで[[フェルナンド・トーレス]]や[[ディルク・カイト]]、[[アンドレイ・ヴォロニン]]などのシュートを次々に止め、後半も鋭い反射神経で[[ルーカス・レイバ]]のミドルシュートをセーブした。試合は後半ロスタイムに[[リサンドロ・ロペス]]の得点で1-1に追い付き、イングランドきってのクラブをグループリーグ敗退に追いやり、決勝トーナメント進出を決めた<ref>{{cite news |url=http://www.fifa.com/worldfootball/clubfootball/news/newsid=1128744.html | title = Lyon delight, Liverpool despair |date= 4 November 2009 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = FIFA }}</ref><ref>{{cite news |url=http://www.uefa.com/uefachampionsleague/matches/season=2010/round=2000028/match=2000413/index.html | title = Lyon through as Liverpool teeter |date= 4 November 2009 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = UEFA }}</ref>。[[2009年]][[11月8日]]のマルセイユ戦(5-5)はマンダンダとのフランス代表対決になったが、両クラブの監督やメディアが「'''ザル守備 (slack defending)'''」とこき下ろしたように両クラブとも5得点ずつを挙げる展開になり、この両者の対戦では最も得点数の多い試合となった<ref>{{cite news |url=http://www.lfp.fr/ligue1/feuilleMatch.asp?saison=2009/2010&code_evt=&code_jr_tr=J13&num_ordre=4&no_groupe=0 | title = Lyon v. Marseille Match Report |date= 8 November 2009 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = LFP }}</ref><ref name="Reuters">{{cite news |url=http://in.reuters.com/article/sportsNews/idINIndia-43808320091109 | title = Lyon vs. Marseille – The game of the year |date= 9 November 2009 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = Reuters}}</ref><ref name="Reuters"/>。[[12月20日]]には2009年のフランス最優秀選手が発表され、[[チェルシーFC|チェルシー]]の[[ニコラ・アネルカ]]とボルドーの[[ヨアン・グルキュフ]]に次ぐ3位の得票を得た<ref>{{cite news |title=Gourcuff et Blanc décorés |url=http://www.francefootball.fr/FF/breves2009/20091220_114320_gourcuff-et-blanc-decores.html |work= France Football |date=20 December 2009 |accessdate=21 December 2009}}</ref>。


[[2010年]]に入っても引き続きポジションを守り、年が明けてから最初の4試合で2点しか許さなかった。[[2月16日]]のチャンピオンズリーグラウンド16[[レアル・マドリード]]戦1stレグでは、61分の[[クリスティアーノ・ロナウド]]のシュートを指先で弾いて枠外にそらし、3分後の[[ゴンサロ・イグアイン]]のシュートは体を投げ出して抑え、ホームでの1-0の完封勝利で2ndレグへの期待を高めた<ref>{{cite news |url=http://www.guardian.co.uk/football/2010/feb/16/lyon-real-madrid-latest-score | title = Lyon v Real Madrid – as it happened! |date= 16 February 2010 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = The Guardian | location=London | first=Tom | last=Lutz}}</ref><ref>{{cite news |url=http://www.sportsnetwork.com/merge/tsnform.aspx?c=sportsnetwork&page=soc-cup/news/news.aspx?id=4289941 | title = Rooney, United edge Milan; Lyon stuns Real |date= 16 February 2010 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = Sports Network }}</ref>。[[エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ|ベルナベウ]]での2ndレグでは6分にロナウドに得点を許し、リーグ戦から続けていた620分間連続無失点が途切れたが、その後同点に追い付いて2試合合計2-1で準々決勝に進出した。準々決勝ではボルドーとの同国対決を制してクラブ史上初の準決勝に進んだが、準決勝では準優勝だった[[バイエルン・ミュンヘン|バイエルン]]に敗れた。[[5月2日]]の[[モンペリエHSC|モンペリエ]]戦ではロリスのフィードから[[ミシェル・バストス]]が決勝点を決め、アシストを記録した<ref>{{cite news |url=http://www.lfp.fr/ligue1/feuilleMatch.asp?saison=2009/2010&code_evt=D1&code_jr_tr=J35&num_ordre=7 | title = Montpellier v. Lyon Match Report |date= 2 May 2010 | accessdate = 9 May 2010 | publisher = Ligue de Football Professionnel}}</ref>。リーグ戦は2位に終わったが、リーグ3位の33失点に抑えたため2シーズン連続でリーグ最優秀GKに選出された。
[[2010年]]に入っても引き続きポジションを守り、年が明けてから最初の4試合で2点しか許さなかった。[[2月16日]]のチャンピオンズリーグラウンド16[[レアル・マドリード]]戦1stレグでは、61分の[[クリスティアーノ・ロナウド]]のシュートを指先で弾いて枠外にそらし、3分後の[[ゴンサロ・イグアイン]]のシュートは体を投げ出して抑え、ホームでの1-0の完封勝利で2ndレグへの期待を高めた<ref>{{cite news |url=http://www.guardian.co.uk/football/2010/feb/16/lyon-real-madrid-latest-score | title = Lyon v Real Madrid – as it happened! |date= 16 February 2010 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = The Guardian | location=London | first=Tom | last=Lutz}}</ref><ref>{{cite news |url=http://www.sportsnetwork.com/merge/tsnform.aspx?c=sportsnetwork&page=soc-cup/news/news.aspx?id=4289941 | title = Rooney, United edge Milan; Lyon stuns Real |date= 16 February 2010 | accessdate = 16 April 2010 | publisher = Sports Network }}</ref>。[[エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ|ベルナベウ]]での2ndレグでは6分にロナウドに得点を許し、リーグ戦から続けていた620分間連続無失点が途切れたが、その後同点に追い付いて2試合合計2-1で準々決勝に進出した。準々決勝ではボルドーとの同国対決を制してクラブ史上初の準決勝に進んだが、準決勝では準優勝だった[[FCバイエルン・ミュンヘン|バイエルン]]に敗れた。[[5月2日]]の[[モンペリエHSC|モンペリエ]]戦ではロリスのフィードから[[ミシェル・バストス]]が決勝点を決め、アシストを記録した<ref>{{cite news |url=http://www.lfp.fr/ligue1/feuilleMatch.asp?saison=2009/2010&code_evt=D1&code_jr_tr=J35&num_ordre=7 | title = Montpellier v. Lyon Match Report |date= 2 May 2010 | accessdate = 9 May 2010 | publisher = Ligue de Football Professionnel}}</ref>。リーグ戦は2位に終わったが、リーグ3位の33失点に抑えたため2シーズン連続でリーグ最優秀GKに選出された。


2010-11シーズン開幕前、[[UEFAクラブ・フットボール・アワード]]の最優秀GK賞にノミネートされたが、チャンピオンズリーグを制した[[インテルナツィオナーレ・ミラノ|インテル]]の[[ジュリオ・セザル・ソアレス・エスピンドラ|ジュリオ・セザル]]が受賞した<ref>{{cite news |url=http://soccernet.espn.go.com/news/story?id=814888&sec=uefachampionsleague&cc=5901 | title = Inter Milan players lead UEFA award nominations |date= 16 August 2010 | accessdate = 2 September 2010 | publisher = ESPN}}</ref><ref>{{cite news |url=http://www.independent.co.uk/sport/football/european/inters-champions-beat-allcomers-at-uefa-club-awards-2063126.html | title = Inter's champions beat all-comers at Uefa club awards |date= 27 August 2010 | accessdate = 2 September 2010 | publisher=The Independent | location=London | first=Gordon | last=Tynan}}</ref>。シーズンでは引き続きゴールを守り、37試合出場で40失点とリーグ4位の数字を残したが、リーグ戦では3位・[[UEFAチャンピオンズリーグ 2010-11|チャンピオンズリーグ]]ではレアルに前年の借りを返されてベスト16に終わり、国内カップ戦でも早期敗退して3季連続の無冠に終わった。
2010-11シーズン開幕前、[[UEFAクラブ・フットボール・アワード]]の最優秀GK賞にノミネートされたが、チャンピオンズリーグを制した[[インテルナツィオナーレ・ミラノ|インテル]]の[[ジュリオ・セザル・ソアレス・エスピンドラ|ジュリオ・セザル]]が受賞した<ref>{{cite news |url=http://soccernet.espn.go.com/news/story?id=814888&sec=uefachampionsleague&cc=5901 | title = Inter Milan players lead UEFA award nominations |date= 16 August 2010 | accessdate = 2 September 2010 | publisher = ESPN}}</ref><ref>{{cite news |url=http://www.independent.co.uk/sport/football/european/inters-champions-beat-allcomers-at-uefa-club-awards-2063126.html | title = Inter's champions beat all-comers at Uefa club awards |date= 27 August 2010 | accessdate = 2 September 2010 | publisher=The Independent | location=London | first=Gordon | last=Tynan}}</ref>。シーズンでは引き続きゴールを守り、37試合出場で40失点とリーグ4位の数字を残したが、リーグ戦では3位・[[UEFAチャンピオンズリーグ 2010-11|チャンピオンズリーグ]]ではレアルに前年の借りを返されてベスト16に終わり、国内カップ戦でも早期敗退して3季連続の無冠に終わった。

2017年8月29日 (火) 11:36時点における版

ウーゴ・ロリス
フランス代表でのロリス (2012年)
名前
ラテン文字 Hugo LLORIS
基本情報
国籍 フランスの旗 フランス
生年月日 (1986-12-26) 1986年12月26日(37歳)
出身地 ニース
身長 188cm
体重 78kg
選手情報
在籍チーム イングランドの旗 トッテナム・ホットスパーFC
ポジション GK
背番号 1
利き足 左足
ユース
1993-1997 フランスの旗 CEDACシミエ
1997-2005 フランスの旗 OGCニース
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2004-2006 フランスの旗 OGCニースB 20 (0)
2005-2008 フランスの旗 OGCニース 72 (0)
2008-2012 フランスの旗 オリンピック・リヨン 146 (0)
2012- イングランドの旗 トッテナム・ホットスパーFC 169 (0)
代表歴2
2004  フランス U-18 3 (0)
2004-2005  フランス U-19 14 (0)
2006  フランス U-20 4 (0)
2006-2008  フランス U-21 5 (0)
2008- フランスの旗 フランス 87 (0)
1. 国内リーグ戦に限る。2017年5月25日現在。
2. 2017年3月28日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

ウーゴ・ロリスHugo Lloris, 1986年12月26日 - )は、フランスアルプ=マリティーム県ニース出身のサッカー選手プレミアリーグトッテナム・ホットスパーFC所属。フランス代表。ポジションはゴールキーパー
トッテナム・ホットスパーFCフランス代表の両方で主将を務める。

経歴

幼少期

1986年12月26日、南フランスのニースにある上流階級の家庭に生まれた。彼の父親はカタルーニャ系のモンテカルロを拠点とする銀行員であり、母親は弁護士である[1][2][3]。 9歳年下の弟ゴティエ・ロリス英語版も、兄ウーゴの古巣であるOGCニースディフェンダーとしてプレーするサッカー選手である。6歳の時、ニース郊外のシミエ(Cimiez)にあるカルチャーセンターでサッカーを始めた[4][5]。そこでは様々なポジションをこなし、コーチがのボール扱いの巧さやキャッチング能力の高さに気付く前にはストライカーとしてプレーしたこともあった[4]。13歳まではテニス選手としても優秀であった[1]。かつてニースに在籍し、フランス代表としてもプレーしたドミニク・バラテリが古巣に獲得を進言し、10歳の時にニースの下部組織に入団した[4]

クラブ経歴

ニース

2005年のニース時代

3年ほどリザーブチームで過ごし、トップチームに昇格するとすぐさま背番号1を与えられた。リーグカップでは正GKのダミアン・グレゴリーニに代わってレギュラーを任せられ、2005年10月25日シャトールー戦でプロデビューを果たし、その試合は2-0の完封勝利を収めた[6]。次のラウンドのCSスダン戦も完封勝利し、さらに準々決勝と準決勝ではボルドーと南フランスのライバルモナコから金星を挙げて、クラブ史上初めて決勝に到達した[7][8][9]。決勝のナンシー戦にもフル出場したが、1-2で敗れて初優勝を逃した[10]

リーグ・アンデビュー戦となった2006年3月18日のナンシー戦は1-0で完封勝利した[11]。その後リーグ戦4試合に出場し、2005-06シーズンは計5試合に出場した。2006-07シーズンは長年ニースの最後尾に君臨してきたグレゴリーニを差し置いてレギュラーポジションを獲得した。38試合中37試合に出場し、16位と低迷したチームで13完封を記録した。一時は最下位に落ちるなど我慢のシーズンであったが、活躍を見せ失点数はリーグ6位の少なさだった。

2007-08シーズン序盤戦は左膝靭帯の負傷に苦しみ、9月には3週間の離脱を強いられた。10月6日ル・マン戦で復帰したが、負傷した箇所を再び痛めて71分に途中交代した[12] [13]。6週間の離脱の後に11月24日PSG戦で復帰して2-1で勝利を収めた[14]。怪我もあったが残り試合にも継続して出場し、1988-89シーズンの6位以来となる好成績の8位でリーグ戦を終えた。出場30試合で24失点に抑え、13完封を記録した。チーム全体でも30失点に抑え、ナンシーのジェンナーロ・ブラチッリャーノ(Gennaro Bracigliano)と並んでリーグ最少失点の栄誉を手にした。欧州のビッグクラブからアプローチされるようになり、将来的な契約が期待された。

リヨン

ニースでの活躍を受け、グレゴリー・クーペの後釜を探していたリーグ7連覇の王者リヨンジーダに代わる存在を探していたミランポール・ロビンソンの代役を探していたトッテナムなどの興味を引いた[15][16][17]。ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ(Adriano Galliani)副会長は「ロリスとの契約はすべて完了しており、ほとんど我々の選手といってよかったが、クリスティアン・アッビアーティパレルモへの移籍を拒否したためにお釈迦になった」と後に発言した[18][19][20]。リヨンのチャンピオンズリーグでの野望を移籍理由に挙げ、ミランではレギュラーとしての保証がないことも付け足した[21]。はじめは移籍金額が公開されなかったが、後に850万ユーロであると発表された[22]2008年6月1日に5年契約を結び、背番号はニース時代と同じ1に決定。クーペの後釜としてレギュラーポジションも確約された[23]

8月9日にシーズン開幕戦のトゥールーズ戦で移籍後初出場を果たし、3-0で勝利して初完封を記録。10月31日のライバルサンテティエンヌ戦(0-1)までに5完封をマークした。2008-09シーズンは27失点・16完封(いずれもトゥールーズのセドリック・カラッソに次ぐリーグ2位)を記録したにも関わらずボルドー・マルセイユに次ぐ3位に終わり、リーグ8連覇達成はならなかった。しかし個人の活躍が認められ、リーグ最優秀GK賞とリーグ最優秀選手賞にノミネートされた。

サインを書くロリス(2010年)

2009-10シーズンもレギュラーの座を守り、開幕から8試合でクラブ新記録となる4完封を記録した。2009年9月には月間最優秀選手賞を受賞したが、これは2008年8月にマルセイユのスティーヴ・マンダンダが栄誉に浴して以来のゴールキーパーの受賞であった。2009年10月20日アンフィールドで行われたチャンピオンズリーグリヴァプール戦ではディルク・カイトのヘディング、ダビド・ヌゴグのボレー、ファビオ・アウレリオのヘディング、ハビエル・マスチェラーノのミドル等リヴァプールの決定機を次々と防ぎ、前半の1失点のみに抑えて2-1で逆転勝利しフランスメディアに称賛された[24]11月5日スタッド・ジェルランでのリヴァプール戦では前半だけでフェルナンド・トーレスディルク・カイトアンドレイ・ヴォロニンなどのシュートを次々に止め、後半も鋭い反射神経でルーカス・レイバのミドルシュートをセーブした。試合は後半ロスタイムにリサンドロ・ロペスの得点で1-1に追い付き、イングランドきってのクラブをグループリーグ敗退に追いやり、決勝トーナメント進出を決めた[25][26]2009年11月8日のマルセイユ戦(5-5)はマンダンダとのフランス代表対決になったが、両クラブの監督やメディアが「ザル守備 (slack defending)」とこき下ろしたように両クラブとも5得点ずつを挙げる展開になり、この両者の対戦では最も得点数の多い試合となった[27][28][28]12月20日には2009年のフランス最優秀選手が発表され、チェルシーニコラ・アネルカとボルドーのヨアン・グルキュフに次ぐ3位の得票を得た[29]

2010年に入っても引き続きポジションを守り、年が明けてから最初の4試合で2点しか許さなかった。2月16日のチャンピオンズリーグラウンド16レアル・マドリード戦1stレグでは、61分のクリスティアーノ・ロナウドのシュートを指先で弾いて枠外にそらし、3分後のゴンサロ・イグアインのシュートは体を投げ出して抑え、ホームでの1-0の完封勝利で2ndレグへの期待を高めた[30][31]ベルナベウでの2ndレグでは6分にロナウドに得点を許し、リーグ戦から続けていた620分間連続無失点が途切れたが、その後同点に追い付いて2試合合計2-1で準々決勝に進出した。準々決勝ではボルドーとの同国対決を制してクラブ史上初の準決勝に進んだが、準決勝では準優勝だったバイエルンに敗れた。5月2日モンペリエ戦ではロリスのフィードからミシェル・バストスが決勝点を決め、アシストを記録した[32]。リーグ戦は2位に終わったが、リーグ3位の33失点に抑えたため2シーズン連続でリーグ最優秀GKに選出された。

2010-11シーズン開幕前、UEFAクラブ・フットボール・アワードの最優秀GK賞にノミネートされたが、チャンピオンズリーグを制したインテルジュリオ・セザルが受賞した[33][34]。シーズンでは引き続きゴールを守り、37試合出場で40失点とリーグ4位の数字を残したが、リーグ戦では3位・チャンピオンズリーグではレアルに前年の借りを返されてベスト16に終わり、国内カップ戦でも早期敗退して3季連続の無冠に終わった。

クロード・ピュエル監督が退任して、レミ・ガルデ新監督が就任した2011-12シーズンは36試合で49失点と前年より失点が増えてリーグ戦では4位に終わり9季連続で獲得してきたチャンピオンズリーグ出場権をついに手放し、チャンピオンズリーグでもキプロスアポエルにPK戦の末に敗れて2季連続のベスト16に終わったが、クープ・ドゥ・フランスでは3部クヴィイーを破って4季ぶりに優勝した。リーグ・カップでも決勝に進出したが、3連覇を狙ったマルセイユに敗れて準優勝だった。

2011年10月3日には契約を2015年まで延長した[35]

トッテナム

2012年8月31日、1200万ポンドでイングランドトッテナム・ホットスパーFCに移籍[36]9月20日ヨーロッパリーグラツィオ戦(0-0)でトッテナム移籍後初めて出場した。当初は連続試合出場記録を更新し続けるブラッド・フリーデルの控えであったが、10月7日アストン・ヴィラ戦(2-0)でプレミアリーグにデビューした。 2014-15シーズンより副主将に就任。 2015-16シーズンからは主将に就任した。 2016年12月トッテナムとの契約を2022年まで延長した[37]。2016-17年シーズンは最終節までクリーンシート数15とクルトワと並ぶ可能性があったが、ハル戦では1失点[38]、クリーンシートランキング2位となった。

代表経歴

フランスの代表チームにはU-18フランス代表で初めて招集され、2004年3月11日のU-18ドイツ代表との親善試合でデビューした。U-19フランス代表に移ると2005年のUEFA U-19欧州選手権に出場し、クリスティアン・グルキュフらとともに優勝を飾った。2006年にはU-20世代の各国代表が集うトゥーロン国際大会に出場して優勝した。U-19フランス代表としては20試合に出場したが、A代表と掛け持ちしたU-21フランス代表では5試合しか出場していない。2007年以降はU-21フランス代表としての出場がなかったにもかかわらず、UEFA U-21欧州選手権出場がかかったプレーオフのために14ヶ月ぶりに招集された。

2008年2月6日スペイン戦でフランスA代表に初招集されたが、A代表でプレーする代わりにB代表のコンゴ民主共和国戦に出場した。その後も何回かA代表に招集され、11月19日ウルグアイ戦でついに初キャップを記録した。2009年9月9日セルビア戦ではペナルティエリア内でニコラ・ジギッチを倒したと判定され、代表戦で初のレッドカードを受けた。しかし、リプレイ映像ではロリスのファールではなかったことが確認されている[39]。出場停止処分を経て、10月14日オーストリア戦ではフル出場して3-1の勝利に貢献した。

2010 FIFAワールドカップ本大会出場をかけたプレーオフのアイルランド戦でのプレーはメディアや選手から称賛されるものであった。かつてフランス代表の正GKだったグレゴリー・クーペはロリスの活躍を「並はずれている」(phenomenal) と表現し、フランスメディアは「聖ロリス(Saint Lloris)」 [注 1]との愛称を付けた[40][41][42]。2010年5月中旬にはFIFAワールドカップに出場するフランス代表候補30人に選出され、その後発表された23人の本大会出場メンバーにも順当に選ばれた。6月11日、グループリーグ初戦のウルグアイ戦でFIFAワールドカップデビューを果たし、0-0で完封した。続くメキシコ戦では後半に2点を奪われ0-2で敗れた。3戦目の地元南アフリカ戦では相手の先制点につながるミスを犯したが、その後は度重なる好セーブを見せた。しかし、試合には1-2で敗れて1分け2敗のリーグ最下位での敗退が決まった。

2010年11月17日ウェンブリー・スタジアムでのイングランド戦ではローラン・ブラン監督に指名されてフランス代表のキャプテンに就任してプレーし2-1で勝利を飾った。2012年2月29日ドイツ戦からは正式にキャプテンに就任した[43]。2014年FIFAワールドカップにもキャプテンとして出場、予選リーグを1位通過し、決勝トーナメントのナィジェリア戦に勝利しベスト8に進むが、この大会で優勝するドイツに敗れた。UEFA EURO 2016ではキャプテンとして決勝進出に貢献したが、決勝でポルトガルに敗れ準優勝に終わった。

人物

2008年、OGCニースでプレーしていた時に母親が死去した。フレデリック・アントネッティ監督はその2日後の試合を欠場することを薦めたが、自ら出場を懇願したために国中の尊敬を集め[44]、その試合で見事な活躍をした。2010年8月にはフランス代表のチームメイトのカリム・ベンゼマとともにFIFA 11フランス版の表紙に採用された[45]。2010年9月23日、第1子となる娘が誕生した[46]

個人成績

クラブでの出場記録

クラブ シーズン 背番号 リーグ カップ リーグカップ 欧州カップ その他[注 2] 通算
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
ニース 2005-06 1 5 0 0 0 5 0 0 0 0 0 10 0
2006-07 37 0 0 0 0 0 0 0 0 0 37 0
2007-08 30 0 0 0 0 0 0 0 0 0 30 0
合計 72 0 0 0 5 0 0 0 0 0 77 0
リヨン 2008-09 1 35 0 2 0 0 0 8 0 1 0 45 0
2009-10 36 0 2 0 0 0 14 0 0 0 52 0
2010-11 37 0 2 0 0 0 8 0 0 0 47 0
2011-12 36 0 3 0 1 0 10 0 0 0 50 0
2012-13 2 0 0 0 0 0 0 0 1 0 3 0
合計 146 0 9 0 1 0 40 0 2 0 198 0
トッテナム 2012-13 25 27 0 0 0 1 0 5 0 0 0 33 0
2013-14 37 0 1 0 1 0 6 0 0 0 45 0
2014-15 1 35 0 0 0 1 0 8 0 0 0 44 0
2015-16 36 0 0 0 0 0 9 0 0 0 45 0
2016-17 33 0 1 0 0 0 8 0 0 0 42 0
合計 169 0 2 0 3 0 36 0 0 0 210 0
通算 407 0 11 0 9 0 74 0 1 0 502 0

フランス代表での出場試合

2017年3月29日現在


フランス代表国際Aマッチ
出場得点
2008 1 0
2009 7 0
2010 11 0
2011 11 0
2012 13 0
2013 11 0
2014 11 0
2015 7 0
2016 3 0
2017 2 0
通算 87 0

タイトル

クラブ

オリンピック・リヨン

代表

U-19フランス代表

個人

脚注

注釈

  1. ^ 聖イケル」と呼ばれるレアル・マドリードイケル・カシージャスをもじっている
  2. ^ トロフェ・デ・シャンピオン, UEFAスーパーカップ, インターコンチネンタルカップ, FIFAクラブワールドカップ

脚注

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外部リンク