「V-22 (航空機)」の版間の差分
Toshinori baba (会話 | 投稿記録) |
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: 垂直離着陸モードでの緊急時の着陸では[[ヘリコプター#オートローテーション|オートローテーション]]を行えるという情報がある<ref name="オスプレイは危険な航空機なのか?"/>一方で、{{要検証範囲|垂直離着陸モードでは110[[ノット]]毎時(約200km/h)以上の速度がないとオートローテーションが行えないという情報がある|date=2012年7月}}。固定翼モードでは飛行中に両エンジンが停止した場合に垂直離着陸モードに切り替えることはできず、着陸には固定翼のみを使用する<ref name="ryukyushimpo20120621">{{Cite news |title=オスプレイ緊急着陸 固定翼のみ 米軍操縦士が説明 |author=松堂秀樹 |newspaper=琉球新報 |date=2012-01-21 |url=http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-186500-storytopic-53.html |accessdate=2012-06-21}}</ref>。回転翼は緊急着陸などで地面に接触した場合、脱落するように設計されている<ref name="ryukyushimpo20120621"/>。但し、片側のエンジンが作動している場合は、そのまま飛行可能であり、転換モードおよび垂直離着陸モードへの切り替えが可能である<ref>[https://web.archive.org/web/20120927052903/http://www2g.biglobe.ne.jp/aviation/v220903.html Aviation Now/航空の現代](2012年9月27日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。 |
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2017年9月4日 (月) 14:33時点における版
V-22 オスプレイ
V-22は、アメリカ合衆国のベル・ヘリコプター社とボーイング・バートル(現ボーイング・ロータークラフト・システムズ)社が共同で開発した航空機(垂直離着陸機)である。
愛称のオスプレイ(英: Osprey[注釈 1][注釈 2][2][3])とは、タカ目の猛禽類の一種である「ミサゴ」を意味する[4]。
2012年以降のV-107(CH-46)の退役後を担う機体である。新たにヘリコプターの垂直離着陸能力を持ちながら長距離飛行移動が可能であり、速度約2倍、航続距離約5.6倍、行動半径4倍、輸送兵員数2倍、飛行高度約3.5倍、物資積載量約3倍などの性能を活用して国内外の被災地救助の物資輸送にも役立っている[5][6][7][8][9][10][11][12][13]。
概要
回転翼軸の角度を変更するティルトローター方式を採用することで、飛行中に固定翼機とヘリコプターの特性を切り替え可能な垂直離着陸機である。従来方式のヘリコプターに比べ、高速かつ航続距離に勝る特性がある[14]。固定翼機には不可能な垂直離着陸やホバリング(空中停止) とヘリコプターの弱点である速度の遅さと航続距離の短さを解消したヘリと固定翼機の“良いとこ取り”をした機体である[12]。
1980年代初頭より開発が開始され、技術的困難や冷戦の終結に伴う予算の削減などで開発・量産および配備計画は当初の予定より大幅に遅延したものの、2000年代よりアメリカ海兵隊を始めとして海軍や空軍へも配備が始まっており、2013年からはアメリカ合衆国大統領随行要員の搭乗機としても運用されている。
日本への売却も決定しているほか、いくつかの友好国からの購入交渉も進んでいる。
MV-22B | UH-1Y | CH-46E | CH-53E | CH-47F | Mi-26 | |
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画像 | ||||||
全長(回転翼含む) | 17.5m | 17.78m | 25.40m | 30.2m | 30.1m | 40.0025m |
全幅(回転翼含む) | 25.54m | 14.88m | 15.24m | 24.1m | 18.3m | 32.0m |
全高 | 6.73m | 4.5m | 5.09m | 8.46m | 5.7m | 8.145m |
空虚重量 | 15,032kg | 5,370kg | 5,255kg | 15,071kg | 10,185kg | 28,200kg |
積載量 | 9,070kg | 1,460kg | 2,270kg | 13,610kg | 10,886kg | 22,000kg |
最大離陸重量 | 27,400kg | 8,390kg | 8,618kg | 33,300kg | 22,680kg | 56,000kg |
乗員数 | 乗員4名 乗客24-32名 |
乗員2-4名 乗客6-10名 |
乗員3名 乗客25名 |
乗員5名 乗客37-55名 |
乗員3名 乗客33–55名 |
乗員3名 乗客63–150名 |
動力 | T406/AE 1107C ×2 |
T700-GE401C ×2 |
T58-GE-16 ×2 |
T64-GE-416/416A ×3 |
T55-GA-714A ×2 |
D-136 ×2 |
出力 | 6,150hp(4,590kW) ×2 |
1,828shp(1,360kW) ×2 |
1,870shp(1,400kW) ×2 |
4,380shp(3,270kW) ×3 |
4,733hp(3,529kW) ×2 |
11,240hp ×2 |
最大速度 | 565km/h | 304km/h | 267km/h | 315km/h | 315km/h | 295km/h |
巡航速度 | 446km/h | 293km/h | 241km/h | 278km/h | 240km/h | 225km/h |
航続距離 | 3,590km | 648km | 1,110km | 1,833km | 2,252km | 1,952km |
開発
ヘリコプターは、垂直離着陸・ホバリング(空中停止)・超低空での地形追従飛行ができるが、速度が遅く航続距離も短い欠点がある。対して通常の固定翼機は、高速移動や航続距離の面では優れているものの、離着陸のために2,000-3,000m以上の滑走路が必須な上、垂直離着陸もホバリングも超低空での地形追従飛行もできなかった。
もしヘリコプターの利点である垂直離着陸・ホバリング・超低空での地形追従飛行をこなしつつ、通常の固定翼機のように高速移動かつ長い航続距離が可能ならば、戦略上非常に有用なことであるため、アメリカ軍は第二次世界大戦直後から両者の利点を併せ持つ航空機を求め研究を開始した。
XV-3 開発計画
V-22の2代前にあたる実験機"XV-3"は、アメリカ陸軍・空軍共同で進めていた「転換式航空機計画」に米ベル社が加わって開発された。ベル社では1940年代からティルトローター方式の航空機を研究しており、この成果が3つの設計案となって提示され、この内の1案が採用されて開発が進められた。
1955年8月11日にXV-3は初めてホバリングを行い、1956年7月11日にプロップ・ローターを傾けての飛行に成功した。XV-3は、エンジン部は固定でローター軸部分だけが傾くデザインになっていた。XV-3は計250回以上の合計125時間の飛行を行い、最大高度3,570m、最大水平飛行速度115ktを記録した。本機は操縦性が悪く、固定翼モードでの機動を行うとプロップ・ローターが激しいフラッピングを起こすなど、直ちに実用化できる状況ではなかった[15]。
XV-15 開発計画
XV-3での研究は結局、実機の生産へと結びつかなかったが、1971年にアメリカ陸軍とNASAが共同で「垂直および短距離離着陸機研究」によってティルトローター機の研究を開始し、米ベル社ではティルトローター式の"Model 300"開発案を提示して採用され、1973年4月にはそれに若干改良を加えた"Model 301"が「ティルトローター研究機」(TRRA)という名称となって"XV-15"の製造計画が決定された。
XV-15は、1977年5月3日に初めてホバリングに成功し、1979年5月5日にはエンジンとローターを前方に5度だけ傾けての飛行に成功した。1979年7月24日には完全に前方の水平方向に傾けての飛行に成功した[15][注釈 3]。
JVX 開発計画
1981年12月にアレクサンダー・ヘイグ国務長官から、国防総省が4軍(陸海空と海兵隊)が使用する航空機を開発すると発表され[注釈 4]、1982年12月には、先進の垂直離着陸可能な航空機とする統合軍運用要求(JSOR)として提示された。これに基づいて4軍共同の「統合垂直離着陸研究」(JVX, Joint-service Vertical take-off/landing eXperimental)という名称の計画で新型機の開発が始められた[15]。JVXはヘリコプターの特性と固定翼機の性能を持ち合わせる航空機の開発計画であり、ティルトローターである必要はなかったが、当時はティルトローター以外の選択肢は現実的では無かった。当初は陸軍を中心とした計画であったが、後に4軍の要求を統合し海軍の主導で進めることとなった。
1982年12月に初期設計のための提案要求(RFP)が提示され、アエロスパシアル、ベル、ボーイング・バートル、グラマン、ロッキード、ウエストランドが関心を示した。ティルトローターの実験機を以前にも開発していたベルと、CH-47などの大型ヘリを開発していたボーイング・バートルがパートナーシップを結び、1985年、ベルXV-15をベースとする設計案を提出、最終的に提出されたのはこの1件だけでありのまま承認されることとなった。
1985年にはJVXで開発する機体の名称が"V-22 Osprey"(オスプレイ)と決定され、米海兵隊向けをMV-22、米空軍向けをCV-22とした。航空母艦(CV)との重複を避けたため、本来の用途とは名称が反対となっている。
開発の遅れ
1986年5月2日には全規模開発(FSD)が認められ、6機のMV-22試作機が製造されることとなった。開発は電子機器や胴体部分をボーイング・バートルが、ナセルや駆動系を含む主翼部分と尾翼部分をベルが担当した。1・3・6号機(その後予算削減で6号機は中止された)がベル、2・4・5号機がボーイング・バートルで組み立てられることとなった。
初飛行は1989年3月19日であった。当初は1988年に初飛行を行い、1991年頃に量産型の引渡しが予定されていたが、SDI計画や先進戦術戦闘機計画(後のF-22)などに比べ優先度が低く、予算の削減が行われた影響で計画が遅れた。
1989年12月には、国防長官であったディック・チェイニーが予算削減の一環として開発の中止を発表するが、その後の審査の結果、計画は続行されることとなった。その後何度か計画の中断が予定されたが結局中止となることはなかった。
量産の決定
試作機段階では2回、重大な航空事故もあった(後述)が、技術的問題はほとんど解決されたとの結論に至っており[16]、V-22は1994年に量産が認められた。軽量化や製造の効率化などの製造費用の削減を含む再設計が行われ、1995年量産試作機(EMD)が4機製造された。最初の7号機の初飛行は1997年2月5日に行われた。
1997年4月には低率初期生産(LRIP)が承認され、まず5機の生産が決定し、2000年度までにさらに25機の生産が認められた。1999年4月には量産初号機が初飛行し、2000年までには艦上運用試験などが実施され、空軍仕様のCV-22BもEMD7号機と9号機を改修して試作試験が開始された。
機体
回転翼とエンジン
大きな3枚の「プロップ・ローター」(Prop-roter)と呼ばれる回転翼がエンジンと共に固定主翼の両端に備わっている。このプロップ・ローターを駆動するターボシャフトエンジンは、減速ギアや補機などと共にエンジンナセル内に収められ、固定翼の両端に取り付けられている。このポッド状のエンジンナセルとプロップ・ローターは一体となって、固定翼内端部のティルト軸ギアボックス(TGAB)での油圧機構によって前方から上方へ向きを変更できる。この全体が「ティルトローター・システム」と呼ばれる。左右のTGABは固定主翼内のシャフトで連接されており、左右共に角度が同調するようになっている。TGABによる角度変更は毎秒8度で動くため、90度の変更には11秒程度かかる。
左右のエンジンは片発停止となってもすぐには機体が墜落しないように、左右の駆動出力軸が固定主翼内部のクロスシャフトで連結されており、左右のプロップ・ローターを駆動させることができる。1基だけでの飛行時には、エンジンの最大定格出力4,586kWであるところを、短時間ながら緊急時最大出力5,093kWを得ることができる。エンジン吸気口にはEAPS(エンジン空気/粒子セパレータ)が、排気口にはIRサプレッサー(赤外線排出抑制装置)が備わっている。
直径11.61mのプロップローターの3枚のブレードは、ブレード長が4.90m、翼弦長は付け根部で87.1cm、先端部で66.9cmであり、42度の捻り下げが付いている。この回転翼は長いために、地上に降着した状態でローターを前方に向けて回転させるとブレード先端が地面に接触してしまうので、保守点検時のような特定の状態を除けば地上で固定翼モードの角度までティルトすることは避け、約45度で固定する。プロップローターはピッチ可変式のハブを持つ。
プロップローターは左右に互いに逆回転するため、カウンタートルクを打ち消しあうようになっている。地上駐機時や輸送時での占有スペースを小さくするために、ローターのハブが定位置に止まり、ブレードが自動で折り畳めるようになっている。同様の機能を持つ他のヘリコプターと異なり、左右の3枚のブレードの内の各2枚のブレードはハブより少し離れた位置で折れ曲がる折り畳み機構を持っているが、残り各1枚のブレードは折り畳み機構を持っていない。つまり、折り畳み可能な2枚のブレードは、折り畳み不可な1枚に沿うよう折り畳まれる。
- 回転円盤面積(片側):105.36m2[15]
固定翼
固定翼機での主翼に相当する高翼配置の固定主翼はわずかな上反角といくぶん前進翼である点を除けば単純な矩形翼であり、地上駐機時の占有スペースを小さくするために、中央取り付け部を中心に右方向へ90度回転するようになっている。ブレードを内側に折り畳み、ナセルも水平に倒した状態で右に90度回転するため、ローター半径などをそのまま加えた通常の幅25.78m、長さ17.48m、高さ6.73mから、幅5.77m、長さ19.20m、高さ5.56mにまで小さくできる。
主翼後端部には内外に2分割された広いフラッペロンが付いており、固定翼モードでの操縦翼面として機能すると同時に、ヘリコプター・モードでは垂直下方へ大きく折れ曲がることで、固定翼の(回転翼のダウンウオッシュを遮る)面積を減じるようになっている。固定主翼内部には片側に4個に分かれた燃料タンクが収められており、そこにクロスシャフトやTGAB用のリンク、それに配管類が走っている。
尾翼はテールブームの先に1枚の水平尾翼とその左右に2枚の垂直尾翼がH型に取り付けられており、それぞれには水平安定板と垂直安定板の後端部に動翼として昇降舵と方向舵が取付けられている。
- 主翼面積(フラッペロン、中央翼部分を含む左右合計):35.49m2
- フラッペロン面積(左右合計):8.25m2
- 垂直安定板面積(左右合計):21.63m2
- ラダー面積(左右合計):3.27m2
- 水平安定板面積(合計):8.22m2
- エレベーター面積(合計):4.79m2[15]
燃料タンク
固有の燃料タンクは、主翼内に左右各4個と降着装置のあるスポンソン前部に左右各1個の計10個により、6,513リットルの容量がある[注釈 5]。これらは自己防漏対策が施されており、12.7mmの徹甲弾の貫通までは燃料漏れを起こさない。
また、キャビン内に任意補助タンク(MAT)を搭載することで搭載燃料を増やすことができる。空中で燃料を捨てる必要が生じれば、右主脚部のベント口から毎分303リットルの割合で空中投棄できる[15]。
降着装置
降着装置は、前脚式の3脚すべてが二輪横並びのタイヤを持ち、油圧による完全引込式になっている。左右に各75度まで操向できる前脚は、後方へ畳んで格納され、胴体左右二本の主脚は前方へ畳んでスポンソン内に格納される。油圧が失われれば窒素ボトルによって19.3MPaの空気圧で脚下げを行う。各脚柱には通常時で3.7m/secまで、交換修理を受容する前提でのクラッシュランディング時には7.3m/secまでの着地衝撃から機体を守る衝撃緩衝装置が組み込まれている。
- ホイールトラック:4.64m
- ホイールベース:7.62m[15]。
装備
アビオニクス
グラスコックピットが採用されているが完全ではなく、機長席(右側席)側の姿勢指示器などにアナログ式を採用している。
操縦席の計器類は各正面に15.2x15.2cmのカラー液晶による多機能表示装置(MFD)が左右に並んで2枚あり、中央パネルには正面左にMFDより小型のシステム表示用単色液晶画面が、正面右に高度計や対気速度計といった通常の個別計器が配置されている。中央パネルの下部3分の2以上は15.2x20.3cmの横長単色液晶によるEICAS/CDU表示画面1つと多数の操作キーが並んでいる[注釈 6]。各2面のMFDには、機体姿勢や飛行諸元といった一次飛行表示や、航法情報、センサー画像情報、搭載システム情報が自由に表示できる。
航法装置としては、軽量慣性航法装置(LWINS)、AN/ARN-147全方位無線標識/計器着陸装置(VOR/ILS)、マーカービーコン装置、OA-8697/ARC VHF/UHF自動方位測定装置(ADF)、VHF FMホーミングモジュール、AN/APN-194(V)電波高度計、AN/APN-153(V)戦術航法装置(TACAN)、小型航空機搭載全地球測位システム(MAGR)が備わっている。
LWINSは3重の冗長性を備え、加速度、速度、位置、高度、磁方位、真方位についての情報を得る。
各軍共通の装備として、下方全方位へ指向できる赤外線センサとしてAN/AAQ-27A(mid-wavelength infrared(MWIR)imaging system)[17]を備える。このMWIRは機首下面に搭載される。
米海軍型と米空軍型は地形追随および地形回避機能を持つAN/APQ-174レーダーを備える。米空軍では低高度での地形追随機能を高めたAN/APQ-186レーダーの搭載も進めている。レーダーは機首部左に搭載される[15]。
操縦系統
機長席はヘリコプターと同じく右座席である。
飛行操縦システムは、自動飛行操縦システム(AFCS)を含む3重のデジタル式フライ・バイ・ワイヤによって構成されている。AFCSは、ピッチ安定、ロール安定、ヨー安定、機首方位維持、自動旋回調整、昇降速度補正といった機能を有している。航空機ではバックアップ用として油圧やワイヤーなど機械的なリンクを有するが、V-22では特殊な操縦特性(後述)を実現するため予備系もフライ・バイ・ワイヤとなっている。
主にピッチとロールの操作を行うサイクリック操縦桿は両足中間にあって右手で操作する。ヨー操作は足先左右のラダーペダルで行う。エンジン出力調整は出力制御レバー(TCL)で行う。通常のヘリコプターにあるコレクティブピッチレバー(を握って捻る)と異なるのは、相当するTCLが固定翼機のスロットルレバーと同様に前方に倒すことでエンジン出力が上昇する点である。エンジンナセルの角度調整は、TCLのグリップ内側の回転式ノブ「ナセル制御スイッチ」で制御する[15]。並列複座式の固定翼機ではスロットルレバーは機体中央にあるため機長(左座席)は右手、副操縦士は左手で操作するが、V-22では両座席の左側にTCLが設置されているため、両操縦士の操作は『足と右手で操舵、左手で出力調整』となる。
操縦翼面は、ピッチ可変式プロップ・ローターとフラッペロン、エレベータ、ラダーが存在する。フラッペロンはロール操縦時にはエルロンとして機能し、揚力が必要な場合には高揚力装置のフラップとして機能する。エレベータとラダーは通常の固定翼機と同じ機能を果たす。
自衛装備
輸送機であるためミサイルやロケット弾などは搭載しないが、後部ランプの左脇に銃架を設置出来るほか、自衛用として以下の装備が用意されている。
- 米空軍型
IDWS
- 米海兵隊向けとして暫定防御兵器システム(IDWS)と呼ばれるRWSの航空機版ともいえるシステムの開発が進められている。
- BAEシステムズ製の電子・赤外線センサ・ターレットと、機内搭載も可能なM134 7.62mmミニガン・ターレットと連動させて、機内の液晶ディスプレイとコントローラによって使用する。VMM-365部隊に最初に装備されて、アフガニスタンでの試験運用が行われると考えられている[15]。
- 後部ランプの銃座はホイストと干渉するため同時に使用出来ないが、IDWSのミニガン・ターレットは干渉しない位置に設置できるため、隊員の降下・回収中にも安全を確保できる。
-
後部ランプの脇に設置されたAN/AAR-47とAN/APR-39A
増槽・受油・給油装備
- 増槽
- 任務補助タンク(MAT)をキャビン内に搭載すれば、燃料を増やし航続距離の延伸ができる。1個で1,628リットルの燃料を収めるMATは、キャビン内に最大3個まで搭載でき、搭載燃料の最大容量は11,397リットルとなる。
- 受油装備
- 機首部右側に受油用プローブ(プローブアンドドローグ方式)を装備しており、空中給油機から空中で燃料を受け取ることができる。
- 給油装備
- 既に開発済みの給油装備に「迅速地上再給油キット(RGR)がある。これは、燃料供給ポンプ、ホース、コネクター、再給油ノズル3個から構成され、地上に駐機した状態で機内のMATから、地上の他の航空機や地上の車両へ燃料を供給するものである。
- 計画中の装備であるが、MATをキャビン内の前後に2個だけ搭載し、中央にリール式のホース&ドローグ・ユニットを備えることで、機体中央底部からこのホースを空中で垂れ下げ、他機へ空中給油する空中給油キット開発計画がある。これが完成すればV-22は空中給油機として利用できる。回転翼機への空中給油なら120ノットほどで飛行し、固定翼機なら最大250ノットで飛行しながら給油を可能とするものである[15]。一例を挙げると、近接航空支援機に対しては200nmi進出して1時間在空し、10,000ポンド(約4,536kg)ほどの燃料を他機に空中給油可能となる[18]。
ホイスト
- 戦闘捜索救難や特殊作戦用として、隊員の降下や回収に利用できるホイストをキャビンの後部隔壁直前の天井部に設置できる。
- 76.2mの長さのワイヤーで最大272kgまで吊り下げられ、停止から最大1.14m/secでの上下無段階の速度制御が行える。
- ホイストは銃座の上部にあるため同時使用は出来ない。
-
ロープで降下する様子
-
後部ランプの銃座。天井にはホイストが見える
搭載量と機内
搭載重量
- 最大離陸重量
- 垂直離陸時:23,859kg
- 短距離離陸時:25,855kg
- 自己展開時:27,442kg[15]
機内配置
降着装置や燃料タンクが機体底部のスポンソンに、主翼構造全体が機体の最上部に位置しており、機内は最前部の操縦室に続いて左右に分かれた電子装置収容区画と通路があり、その後ろに貨物室/客室となるキャビンがある。乗降はキャビン右側前方の乗降口と最後部の貨物扉から行える。貨物室は非与圧である。当初はNBC防護が要求されていたが、初期の運用テストにおいて気密シールに多大な問題が発生し、キャビンの圧力を維持できなかったことから、システムが使用できず最終的にNBC防護の要求は取り下げられた[19]。そのため、高高度を飛行する際は酸素マスクが必須であり、また機内ヒーターについても外気より10度高くすることができる程度であることから低体温症にも注意が必要である[20]。
- 操縦室
- 機体先端の操縦室に左右2席ある操縦席は、通常はヘリコプターと同様に右側が機長席、左側が副操縦士席であり、その後方中央に予備のジャンプシートが1席ある。操縦席は方向が変化する荷重に対して14.5G、横方向だけなら20Gまでの衝撃荷重に耐えられ、上下方向に40.6cmの緩衝ストロークを持っている。
- キャビン
- キャビン内は横断面で見れば正方形に近い矩形断面であり、大きな凹凸の無い長い機内搭載空間が得られる。このキャビンを兵員輸送仕様にすれば、左右の壁面に背を付ける向きで座面跳ね上げ式のトループシートを24席と右側最前方にクルーチーフ用の1席の計25席を配置することができる。後部の貨物扉は飛行速度240ノットまで空中で開閉できるので、空挺隊員の降下や貨物の空中投下が行える。非常脱出口がキャビン後部天井に1つある。傷病兵輸送仕様では、縦3床x4箇所で12床にする組合せや、縦3床x3箇所での9床に加えて看護員や軽症者などのための5名分のトループシートを配置することもできる。
- キャビン最後部の下開き式ランプ兼用貨物扉は尾部側半分が天井方向へ、前方側半分が床方向へ開き、テイルブームが高い位置にあるために水平に大きな開口部が得られ、長尺物の搭載が容易である[15]。
- アメリカ海兵隊では大型のCH-53E スーパースタリオンと小型のUH-1Y ヴェノムの中間サイズのヘリとして採用されている。
- 日本の陸上自衛隊が採用している機種と比較するとUH-60Jよりは大きいが、CH-47よりは小さい。具体的には、キャビン寸法では長さ、幅、高さ、のいずれにおいてもCH-47に劣り、キャビン容積が少ないために、軽くても嵩張る貨物の積載では相対的に不利で、搭乗可能な人員も少ない。
機内搭載
- 機内最大ペイロード:9,072kg[注釈 8]
- キャビン
- キャビン長:7.37m
- キャビン最大幅:1.80m
- キャビン最大高:1.83m
- 有効面積
- 有効総容積:24.3m3
- 貨物
- 貨物最大幅:1.72m
- 貨物最大高:1.68m[15]
機外搭載
胴体下面の前後に計2個のカーゴフックを備え、機内に搭載できない貨物類を吊り下げて運搬することができる。
カーゴフック容量は4,536kg×2である(ただし、2つのフックを合わせた機外吊り下げ最大容量は6,804kgである)[15]。
-
機内の様子
-
キャビン内座席配置図
-
ハンヴィーを輸送する様子
操縦
飛行モード
V-22は固定翼機の特性を持つ『固定翼モード』、ヘリコプターの特性を持つ『垂直離着陸モード』、その中間の『転換モード』の3つのモードを切り替えて飛行する[21]。
- 固定翼モード
- エンジンナセルが水平の状態。固定翼機と同じ特性となる[21]。
- 巡航時に利用することでヘリコプターよりも高速移動が可能となる。
- この場合、回転翼は広い面積を有し十分な推力を得られるので、通常の固定翼機に比べゆっくりな回転を示している。
- 垂直離着陸モード
- エンジンナセルが垂直の状態。ヘリコプターに近い特性となる[21]。
- エンジンナセルは僅かだが後方まで向けることが可能で、低速ながら後退飛行もできる。
- 転換モード
- エンジンナセルが1度から84度の状態[21]。
- 離陸時の加速や着陸時の減速に利用される[21]。
- V-22の回転翼は大型のため、固定翼モードで離着陸すると地面に擦ってしまうが、エンジンナセルを傾けることにより、固定翼機に近い挙動で離着陸が可能となる。
- この状態では傾けて回転翼と固定翼の両方の揚力を得て上昇できるため、固定翼機よりも短距離で離着陸することが可能である。
- 駐機時
- 陸上での駐機時にはエンジンナセルを45度程度に固定している。
- 艦載時には甲板上では垂直、格納庫やエレベーターでは固定翼を回転させるため水平にする。
操作
同じインターフェイスで固定翼機とヘリコプターを操縦することになるため、操縦桿やスロットルレバーはAFCSを介し対応するモードに合わせた操作として機体に伝達される。
- 離陸
- 転換モード(75度~60度)で短距離離着陸(STOL)する。通常の固定翼航空機のように地上滑走によって固定翼面だけで揚力を得る離陸はできない。
- 積載量が少なく滑走距離が短い条件では、垂直離着陸モードによる離着陸もできる。[15]。
- 巡航
-
- 垂直離着陸モード
- 垂直離着陸モードによる飛行制御はヘリコプターの操縦に近い。両足中間のサイクリック操縦桿と座席左側の出力制御レバー(TCL)、足先のラダーペダルによって行う。サイクリック操縦桿を左右方向へ倒すことで、2つのプロップ・ローターでコレクティブ・ピッチに差を作ることで左右の揚力差が生じ、また、同時にラテラル・サイクリックによる操作でプロップ・ローターの回転面が傾くことも加わって、ロール操作が行える。サイクリック操縦桿を前後方向へ倒せば、プロップ・ローターが前後に傾きピッチ操作が行える。ラダーペダルの片側を踏み込めば、2つのプロップ・ローターが互いに前方と後方に傾くことで機首の向きが変えられ、ヨー操作が行える[15]。
- 固定翼モード
- 固定翼機モードによる飛行制御は固定翼機の操縦と同じである。サイクリック操縦桿は操縦桿に、TCLがスロットルレバーに相当し、ラダーペダルはそのままラダーペダルとして機能する。サイクリック操縦桿を左右方向へ倒すことで、左右互い違いに動く主翼後縁のフラッペロンが上下運動し、ロール操作が行える。サイクリック操縦桿を前後方向へ倒すことで、水平安定板後縁のエレベーターが上下運動し、ピッチ操作が行える。ラダーペダルの片側を踏み込めば、垂直安定板後縁のラダー2枚が連動して動くことでヨー操作が行える[15]。
- 着陸
- ランディングゾーンが十分に得られれば、転換モードで減速してから着陸することで自らが作る下降気流(ボルテックスリング)によって失速を招く危険を避けられる。
- ランディングゾーンが狭い場合や重量が軽ければ、 垂直離着陸モードでほぼ垂直に降下して着陸する[15]。
- 予防着陸
この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。 (2012年7月) |
- 垂直離着陸モードでの緊急時の着陸ではオートローテーションを行えるという情報がある[15]一方で、垂直離着陸モードでは110ノット毎時(約200km/h)以上の速度がないとオートローテーションが行えないという情報がある[要検証 ]。固定翼モードでは飛行中に両エンジンが停止した場合に垂直離着陸モードに切り替えることはできず、着陸には固定翼のみを使用する[22]。回転翼は緊急着陸などで地面に接触した場合、脱落するように設計されている[22]。但し、片側のエンジンが作動している場合は、そのまま飛行可能であり、転換モードおよび垂直離着陸モードへの切り替えが可能である[23]。
性能
ティルトローター機であるV-22の最高速度は300kt(約555km/h)を超える。これは、現在米軍が採用している同規模のヘリコプターCH-53E(170kt(約315km/h)自重15t)と比べて実に130kt(約240km/h)ほど高速である。速度に特化した高速ヘリコプター(最大速度200kt(約370km/h)程度)と比べても1.5倍の速度差であり、シコルスキー社が開発している高速ヘリコプターの実験機シコルスキー X2(225kt(約418km/h)程度)よりも速い。
回送時(貨物積載無し)の航続距離は1,940nmi(3,593km)あり、空中給油が可能であるためさらに延長できる。これはCH-53Eの倍近い距離となっている。垂直離着陸をした場合には航続距離は短くなる[24]。
固定翼を併用するために、回転翼だけよりエンジンの単位出力当たり大きな揚力を得られる。また、回転翼機よりも上昇限度が高い。またローターと主翼は折りたたむことが可能であり空母だけでなく強襲揚陸艦でも運用できる。例としてサン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦ではヘリコプター甲板に4機・格納庫に1機の積載とヘリコプター甲板から同時に2機の発着が可能とされている。
2007年9月にイラク配備のための輸送では、ワスプ級強襲揚陸艦「ワスプ」に10機が積載された。
-
「バターン」の飛行甲板に並べられたMV-22B
調達
アメリカ国防総省では458機のV-22を調達することを計画している。内訳は海兵隊用の輸送機MV-22が360機、アメリカ特殊作戦軍向けの空中突撃用機CV-22が50機、海軍向けのHV-22が48機である。特殊作戦軍の調達については空軍からも予算が支出される[1]。
2000年の開発段階での事故以降は大きな問題も発生せず、2005年に運用評価を完了した。2005年9月19日にCV-22量産1号機が空軍に引き渡された。2005年10月28日に国防調達会議は全規模量産(FRP)の開始を承認した。2007年12月からイラク西部の戦闘作戦に初めて参加し、初のヘリボーン作戦は、2008年3月18日にMV-263所属の2機のMV-22Bがイラクにおいて行った。
FY2010までに216機が調達されている(内訳はMV-22が185機、CV-22が31機)2008年3月28日に結ばれた契約ではFY2008からFY2012までに167機を104億ドルで調達することが取り決められた[1]。
米陸軍は、UH-60とCH-47で十分任務を果たせるとしてV-22を採用していない[25]。
2015年1月17日、米海軍は、C-2艦上輸送機の後継にV-22にすると発表。
配備
量産された機体はすでに米国の海兵隊から順番に海軍や空軍へも配備が始まっており、以下に2015年時点の配備状況と配備予定を示す。
米海兵隊
- MAG-26:ノースカロライナ州、ニューリバー
- 7個海兵中型輸送飛行隊[注釈 9]
- MAG-16:カリフォルニア州、ミラマー
- 7個海兵中型輸送飛行隊[注釈 10]
- MAG-36:沖縄、普天間
- 2個海兵中型輸送飛行隊[注釈 11]
- MAG-39:カリフォルニア州、キャンプ・ペンドルトン
- 2個海兵中型輸送飛行隊[注釈 12]
- 予備役
- 1個海兵中型輸送飛行隊[注釈 13]
米海軍
戦闘捜索救難、特殊作戦用にHV-22Bが48機、C-2輸送機の後継機としてCMV-22が44機が装備される予定。
米空軍
- AETC(航空教育訓練コマンド):ニューメキシコ州、カートランド空軍基地
- 58SOW/71SOS "Strike Swifty"
- AFSOC:
日本国内への配備計画
在日米軍の再編で沖縄県宜野湾市の普天間飛行場の移設に伴う代替施設(名護市辺野古)への配備が計画されていることが、米軍作成資料から明らかになっているが、日本国政府は承知していないとしていた。しかし、2008年4月22日、外務大臣(当時)の高村正彦は、参議院外交防衛委員会で山内徳信議員の質問に対して「配備の可能性がある」との認識を日本政府として初めて示した[27]。
その後、鳩山由紀夫内閣下で普天間基地移設問題が混乱し、2014年までの普天間飛行場移設が困難となったため、2011年6月6日、米国防総省は2012年後半に、MV-22を沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に配備すると正式に発表した。それを受けて2011年6月13日、北澤俊美防衛大臣は、沖縄県庁で仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場へのMV-22配備を説明した。2012年7月23日にはMV-22Bが岩国飛行場に搬入され、9月21日に日本国内初の試験飛行が山口県沖や福岡県沖で行われた[28]。9月27日は日本の政府関係者を載せて飛行を行った。10月1日に、6機、2日には3機が普天間飛行場に移され、4日午前に訓練飛行が行われた。これに対し仲井真弘多沖縄県知事は、「これだけ県民が反対しているものを使い出すのは、非常にむちゃな話だ」と批判した[29]。
米政府は2015年5月8日、2017年から空軍向けの特殊作戦型CV-22を横田基地に10機配備する方針を決め、日本政府に伝えた。2017年後半に3機、数年以内にさらに7機を配備する予定[30]。
防衛省は2015年10月30日、国際入札により沖縄駐留海兵隊のオスプレイの定期整備拠点が、千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地に決まったと発表した。整備は富士重工業が行い、陸上自衛隊が導入する機体も同地で共同整備される[31]。
同盟国への導入計画
アラブ首長国連邦
遭難救助機としての採用を検討していたが[32]、UAEはアグスタウェストランド社のAW609を選択[33]、V-22の採用は見送られた[34]。
日本
日本の防衛省は、平成25年(2013年)度予算案にオスプレイ調査費を計上し、災害救援や輸送など自衛隊の活動目的に照らすとともに、離島対処に対する運用を研究することとなった[35]。日本国内での取り扱いは三井物産エアロスペース株式会社が担当している[36]。日本の導入価格は2012年12月時点で一機当たり約100億円と見られていた[37]。
2015年5月5日、アメリカ合衆国国務省が17機のV-22BブロックC及び40機分の各種電子機器を含む、推定30億ドル(約3600億円)分の装備を日本に売却する事を承認し[38][39]、同年7月14日、平成27年(2015年)度予算分の最初の5機を3億3250万ドル(約410億円)で購入する事に日本が合意したと発表した[40][41]。これにより、米国以外の国としては初めての導入となった。
2015年12月24日、平成28年(2016年)度予算案にてオスプレイの残り12機分を1321億円で一括購入する案が見送られた[42]。
2016年12月2日、防衛省は陸上自衛隊が導入する予定のV-22「オスプレイ」について、国内での修理にかかる技術援助契約を締結する修理事業者を富士重工業(現SUBARU)に決定したと発表した[43]
2017年8月26日、テキサス州アマリノにあるベル・ヘリコプター社の施設内において、完成した日本向けのカモフラージュ塗装を機体に施した初号機が地上でエンジンテストが行われているのが確認されており、9月には初飛行が行われる予定である[44] 。
予算計上年度 | 調達数 |
---|---|
平成27年度(2015年) | 5機[45] |
平成28年度(2016年) | 4機[46] |
平成29年度(2017年) | 4機[46] |
合計 | 13機 |
イスラエル
イスラエル政府は現在導入が決定しているCH-53Kと共に特殊作戦、および遭難救助能力強化のため、V-22数機を導入することに強い関心を示している[47][48]。
カナダ
遭難救助機としてのトライアルのため、ボーイング社から2機を供与されている[49]。
インド
海軍が現在建造中の空母「ヴィクラント」での運用を想定して、ボーイング社とアメリカ海兵隊主催の実機を用いた説明会に参加した。現在運用中のKa-31早期警戒ヘリコプターの後継機として取得を検討している[50]。
派生型
- CMV-22
- アメリカ海軍向けの輸送型。他の型より燃料タンクが大型になり航続距離も伸びる予定。空中給油装置付きの外装燃料タンクを搭載、艦載機に空中給油が可能とされている。44機が装備される予定
- EV-22
- イギリス海軍が提案・研究している早期警戒機[51]。現在、インド海軍が導入を検討している[52]
仕様
- 全長:17.47m(ピトー管含まず)
- 全幅:25.54m(ローター含む)
- 全高:6.63m(VTOL時)
- ローター直径:11.58m
- 航続距離:
- (強襲揚陸時):515nmi(953km)
- (ペイロード4,536kg、垂直離陸):350nmi(648km)以上
- (ペイロード2,721kg、垂直離陸):700nmi(1,295km)以上
- (ペイロード4,536kg、短距離離陸):950nmi(1,758km)以上
- フェリー距離: 補助燃料タンク使用時 1,940nmi(3,593km)
- 短距離離陸滑走距離:152m以下[注釈 16]
- 実用上昇限度:26,000ft(7,925m)
- 上昇率:2,320ft/min(11.8m/s)
- ホバリング限界高度
- 地面効果内:3,139m
- 地面効果外:610m以上(22,680kg時)、1,829m(20,866kg時)、4,267m(15,422kg時、95%出力)
- 空虚重量:15.032t[注釈 17]
- 円盤荷重:20.9lb/ft(102.23kg/m2)(自重247,500lb時)
- 飛行荷重制限:+4G/-1G[15]
- 最大離陸重量
- 垂直離陸時:23.981t
- 短距離離陸時:27.442t
- エンジン:ロールス・ロイスアリソン社製T406(ロールス・ロイス社内名称 AE 1107C-リバティー)×2基(最大定格出力:4,586kW(6,150shp)、緊急時最大出力:5,093kW)
- 最高速度
- 失速速度:110ktM=0.17(204km/h)(固定翼モード)[53]
- 離着陸距離[54]
価格
- MV-22
- 2015年7月には、5機332.5ミリオンドル(1機あたり66.5ミリオン)での販売を日本と合意した[55]。
- CV-22
- 2016年8月には、1機を約73ミリオンドルで受注している[56]。
組立て/派生技術
- 米ベル社がローターシステム、翼部、エンジン取付、変速機を担当し、最終組立もテキサス州アマリロのベル社の工場で行われている[57]。
- 米ボーイング社では2010年8月より観測用小型UAVである "Scan Eagle Compressed Carriage"(SECC)を使って飛行中のV-22の後部ハッチからScan Eagleを発射する開発を始めている[58]。
諸問題
安全性
事故に関してはV-22の事故を参照
試作段階
ベルがティルトローター機の研究をスタートした時点では先例がなく、研究成果のほとんどはベルが行っていた研究と開発過程で得られたデータを元にしている。研究のスタートから60年近くが経過しV-22の量産が始まった時点でも他社のティルトローター機は試験・研究段階にとどまっており、初の民間機であるAW609 (航空機)もベルがV-22の開発により得られた成果で完成している。
AW609が登場するまで民間機としての申請もないため連邦航空局はティルトローターやティルトウイングなどの『転換式航空機』の区分を明確にしていなかったが、V-22の量産が決定された1997年に『パワード・リフト』というカテゴリーを設置した。なおこの基準は軍用機には適用されないため、V-22の運用には直接関係しないが、V-22が民間空港や軍民共用の飛行場を利用する際には管制からパワード・リフトとして扱われる。
飛行中に3種の操縦方式を切り替えるというパイロットにとって経験のない機種であったため、試作段階では事故が多発し『タイム』誌は2007年10月8日号において、同機を「空飛ぶ恥(Flying Shame)」と紹介した[59]。
量産開始後
在日米軍基地に配備が予定されているアメリカ海兵隊所属のMV-22[60]の10万時間当たりの平均事故率は、2012年4月11日の事故後に1.93となっている。事故前は1.12であり、いずれも米海兵隊所属の飛行機平均の2.45を大きく下回っている[61]。配備期間の短さを考慮する必要はあるものの、現在、MV-22の事故率はヘリコプターより低い(在日米軍に配備されているCH-53D(米国内配備開始:1969年)の事故率は4.15である)。
アメリカ空軍向けの特殊作戦型であるCV-22の事故率は2012年6月15日の時点で13.47[61]でMV-22よりかなり高いものの、同種の任務に使われるヘリコプター、MH-53 ペイブロウの十年間平均の事故率が12.34であり、これと比べてCV-22の事故率が特段に高いとはいえない。また、CV-22は前述のとおり特殊作戦型であり、危険な任務につくことが多いためMV-22と比較して事故率が高いのは当然であるといえる。なお、当初CV-22は在日米軍基地に配備される予定はなかったが、2015年5月8日に横田基地に配備される方針が米政府から日本政府に伝えられた。その際、米政府は第一候補として沖縄嘉手納基地を想定していたが海兵隊普天間基地移転問題や同基地に配備されている系列機MV-22以外に同県にこれ以上の負担をかけられないとする日本政府との協議で横田基地に落ち着いたとされている。
また、V-22自体が耐空証明が取得できないため、民間機としては飛行できないという報道もある[62][63]が、そもそも計画当初から民間用に販売する予定がないため耐空証明などを取得する必要がない。なお、オスプレイの開発経験を基にベル社がアグスタウェストランド社と合弁で開発に着手したBA609はFAAの形式証明を取得し、民間向けに販売する予定である(名称は後にAW609に変更)。
要人輸送
2008年7月22日、次期大統領候補のバラク・オバマ上院議員(当時)がイラク電撃訪問の際に搭乗した[64]。
アメリカ合衆国大統領を輸送する専用ヘリコプターであるマリーンワンとして用いられているVH-3の後継機として、EH101、S-92などとともにV-22も候補に挙げられた。後継機には EH101の派生型VH-71の採用が決定したが、その後予算超過を理由としてVH-71の調達計画はキャンセルされた。ボーイングでは仕切り直しとなったマリーンワン後継機の選定にV-22を再度提案すると報道されたが[65]、2014年5月7日S-92の派生型VH-92が採用された[66]。
2012年、大統領に随行するホワイトハウスのスタッフや報道陣を搭乗させる輸送機として利用されることが決定した[67]。
2013年8月10日、大統領専用機仕様のオスプレイによる随行要員輸送が実際の運用として行われた。
エンジン熱に対する懸念
- オスプレイのエンジン熱、正確には「エンジン排気プルームがもたらす過剰な熱の作用」(excessive heat impact from engine exhaust plumes)が、米海軍の一部の揚陸艦のフライトデッキを損傷する恐れがあることがわかっている。海軍航空システム司令部(NAVAIR)は、エンジンの下に金属製の移動式耐熱板を設置してデッキへの損傷を防止する一時的解決策を考案したが、この問題の長期的解決を図り、V-22やF-35Bを運用するには、まずデッキ自体を耐熱コーティングやパッシプサーマルバリアーを施したものへと再設計し、さらに船体の構造も変える必要があるとしている[68]。これを受け、国防高等研究計画局(DARPA)では、フライトデッキ上に設置可能な堅牢な冷却システムの開発を産業側に求めたという[注釈 18]。海上自衛隊ではアメリカ軍との共同訓練に備え、しもきたなどデッキに対策が施されていない従来の護衛艦には移動式耐熱板を搭載するようになった。
- 2009年5月27日、ノースカロライナ州において、訓練飛行中のMV-22が燃料切れで国営狩猟区に予防着陸した際、同機を給油して離陸しようとしたところ、エンジンの排気熱で植生が燃え始め、機体の外装を損傷する事故が発生したことがあった。2011年6月24日、沖縄県は同事故を含めた「高温排気と周辺への影響」について質問する照会書を防衛省に送付。防衛省は同12月19日の回答書で、過去に火災が発生していることを認めた上で、同機のハワイへの配備に関する環境影響評価書案(DEIS)を引用して、運用措置・手順の改善により安全な運用を確保することを米国側に申し入れる旨回答した[注釈 19]。
いずれにせよ、政府としては、過去に火災が発生していることから、米国政府に対して、我が国においてMV-22を運用する場合は(1)パイロットに義務付けられている排気デフレクタの作動確認および同装置の継続監視の遵守を徹底すること (2)排気デフレクタを含めた機体システムに故障などが発生しないよう確実な整備を行うこと (3)着陸している時間を制限すること
などといった運用措置・手順を追求することにより、排気ガスによる火災発生のリスクの更なる低減を図り、安全な運用の確保に万全を期すよう、しっかりと申し入れてまいりたい。 — 一川保夫防衛大臣、防防日第15061号 23.12.19 『MV-22オスプレイ配備について(回答)』
騒音
2010年、ジャーナリストの田岡俊次は、エンジン出力の大きさから、V-22は海兵隊のCH-46輸送ヘリコプターより騒音が大きいと主張していたが[69]、調査では垂直離着陸モードで同程度、固定翼モードではV-22の方が若干低いという結果が出た[70]。
2016年10月に防衛省が木更津駐屯地で行った陸上自衛隊のCH-47JA輸送ヘリコプターとの比較では、飛行中の騒音は全てMV-22の方が低い一方で、ホバリング中の近距離での騒音はMV-22が上回っていた[71]。
反対運動
上記のような事故の危険性などを理由として、日本国内への米軍基地や自衛隊への配備計画に反対する者もおり、配備計画の中止を求めるデモ活動が沖縄県や東京都を中心に再三にわたって行われている。以下に主な大規模デモの例を示す。
- 2012年9月9日、沖縄県宜野湾市の宜野湾海浜公園で「オスプレイ配備に反対する県民大会」(no osprey沖縄県民大会)を開催。実行委員会構成31団体と、他の153団体が参加[72]。
- 2012年12月23日、神奈川県綾瀬市の米軍厚木基地周辺で、沖縄や厚木基地への配備・飛行反対を求めるデモ[73]。
- 2013年1月27日、東京都千代田区の日比谷公園で沖縄県民グループ、沖縄県全市町村長(代理含む)などが参加して反対デモ[74]。
- 2013年7月30日、オスプレイの沖縄配備に反対する首都圏ネットワークが東京都千代田区の総理大臣官邸前で沖縄県内への配備反対デモ。オスプレイ配備中止を求める414人分、233団体分の署名を内閣府に提出した[75]。
- 2014年08月30日、佐賀県佐賀市の佐賀市役所前公園で佐賀空港への配備に反対するデモ[76]。
- 沖縄県普天間基地で市民団体による離着陸を妨害する凧揚げと風船飛ばしによる抗議活動が行われている(航空危険行為処罰法違反の疑いがある)。[77]
登場作品
V-22などのティルトローター(ティルトウィング)機は、見た目にも明快に「ヘリコプターの進化系」とも取れる形状であるため、特に近未来を描いたフィクション作品などではV-22、およびそれをモデルにした架空機体が描写される事が多い。
以下はV-22そのものとして登場した作品を挙げている。
映画・テレビドラマ
- 『アイアムアヒーロー』
- C-5 ギャラクシーとともに登場。ZQNが蔓延する中、大挙して練馬区上空を飛行していく。
- 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』
- アメリカ統合防衛軍の奇襲作戦の際に登場する。
- 『世界侵略: ロサンゼルス決戦』
- アメリカ海兵隊の前線基地となったサンタモニカ空港に駐機されている。
- 『ターミネーター4』
- 人類抵抗軍の基地内に駐機している。
- 『地球防衛未亡人』
- アメリカ軍機が登場。JAP(地球防衛軍日本支部)所属の架空機「メスプレイ」とともに、宇宙怪獣ベムラスを浜浦発電所から七ヶ所村まで吊り下げ空輸する。
- 『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』
- 米軍機が登場。物語序盤のミッションでマードックが操縦し、機首の機銃でテロリストのテクニカルを一掃してから、偽造原版と偽札を積んだコンテナを運ぶ。
- 『トランスフォーマー』
- 米軍機が登場。レノックス大尉らを、カタールの米軍基地まで輸送する。
アニメ・漫画
- 『HEROMAN』
- ドクターミナミが使用している。
- 『愛気』
- 「古城編」にて革命勢力の装備として登場。
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
- ヤシマ作戦のシーンで3機編隊で登場する。
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
- 第8使徒の襲来から日本国民を避難させる際に多数機が上空を飛行する。また、3号機の起動実験の際、リツコが現場に到着するシーンで登場。
- 『終わりのセラフ』
- 日本帝鬼軍の装備として登場する。また、作中では通常タイプのV-22のほか、ティルトローターを4機搭載した大型の垂直離着陸機も登場する。
- 『空母いぶき』
- 陸上自衛隊所属機が登場。与那国島奪還作戦に備えて、那覇基地まで水陸機動団を輸送する。
- 『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』
- 漫画版48話で、銀座に向かって進撃している16式機動戦闘車の後方上空を飛行する。
- 『ジパング』
- 第二次世界大戦時にタイムスリップした、架空のイージス護衛艦「みらい」の艦載機として、オスプレイをモデルとした架空機である、MV/SA-32J「海鳥」が登場する。
- 『戦闘妖精雪風』
- OPERATION:4に登場。日本海軍空母「アドミラル56」艦長の記者会見の後、プレス関係者を乗せて同艦より発艦する。
- 『続・戦国自衛隊』
- 「関ヶ原外伝」にて、戦国時代にタイムスリップしたアメリカ海兵隊の装備の1つとして登場。岐阜城の上空まで海兵隊員たちを輸送し、ホバリング状態に移行してから空挺降下させる。
- 『超時空戦艦まほろば』
- リベンジ・オブ・アースの艦載機として登場。なお、この作品でのV-22は開発中の事故により量産中止となっている設定。
- 『日本沈没』
- 一色登希彦版に、陸上自衛隊所属機が登場。
- 『ビビッドレッド・オペレーション』
- 二葉あおいが搭乗していたV-22が登場するが、アローンによる攻撃を受けてブルーアイランドに不時着する。また、UDFもV-22を運用している。
- 『ポケットモンスタークリスタル ライコウ雷の伝説』
- ロケット団特務工作部の装備として登場。
- 『名探偵コナン 純黒の悪夢』
- 黒の組織の新兵器として登場。改造されてクレーンアームが取り付けられているほか、IDWSを装備している。
小説
- 『蒼空の盾 帝都防空戦1945』
- 第二次世界大戦時にタイムスリップした、架空のイージス護衛艦「つるぎ」の艦載機として登場。作中では、上記の『ジパング』の影響で、海上自衛隊にオスプレイが配備されたのではないかと噂されている。
- 『日中尖閣戦争』
- 第1挺進団の移動・回収の際にたびたび登場する。
ゲーム
- 『ARMA 2』
- プレイヤーが操作可能。特徴的な姿勢変更を再現。
- 『エースコンバットシリーズ』
-
- 『エースコンバット3』
- 「V-22B オスプレイII」と名付けられた架空機が民間機として登場。
- 『エースコンバット04』
- 物語終盤でエルジア軍将校が首都を脱出する際に登場する。
- 『凱歌の号砲 エアランドフォース』
- 日本を占拠したアメリカ海軍の機体として登場。プレイヤーも購入して使用できる。
- 『カウンターストライクオンライン』
- ヒューマンシナリオ「追撃:ブレイズ」にて、ラスボスとして登場。
- 『コール オブ デューティシリーズ』
- 『ザ・ドキュメント・オブ メタルギアソリッド2』
- 『MGS2』本編に登場しなかった未使用3Dモデルとして登場。
- 『大戦略シリーズ』
- アメリカ軍を選択すると生産することが可能。
- 『トムクランシーズ H.A.W.X.2』
- 特殊部隊を乗せた護衛対象機として登場。駐機中に破壊される。
- 『ニンジャブレイド』
- 主人公のケン・オガワが属する国連災害対応機関「GUIDE」の所属機として複数のCV-22Bが登場。その中の1機はケンの相棒であるアンディ・ウォーカーがパイロットを務めている。また、ケンが空路移動に用いる際には必要に応じて、重機関銃とグレネードランチャーを一体化させた複合火器を用いて戦闘を行う。なお、登場するCV-22Bは機首の形状が実機とは異なる。
- 『ハーフライフ』
- 海兵隊の輸送機として登場。
- 『バトルフィールドシリーズ』
脚注
注釈
- ^ アメリカ英語発音:[ˈɑːspreɪ] アースプレイ、[ˈɑːspri] アースプリ
- ^ イギリス英語発音:[ˈɒspreɪ] オスプレイ
- ^ 第二次世界大戦中にもF5Uの原型機の試験飛行まで漕ぎ着けている
- ^ イランアメリカ大使館人質事件の救出計画として実施された1980年4月のイーグルクロー作戦の失敗が、政府高官レベルでの新型軍用機の開発要求につながったと言われる
- ^ スポンソン後部にもオプションで燃料タンクを搭載可能とされるが、容量などは不明である
- ^ EICAS/CDU画面とその操作パネルは、右座席の出力制御レバー(TCL)のスペースを確保するため中央より左側に寄っている
- ^ 統合型無線周波数対抗手段装置(SIRFC)は、レーダー警戒受信機、電子支援手段レーダー位置測定、および妨害装置から構成されている
- ^ キャビン床面は1,464kg/m2の積載荷重に耐えられる
- ^
VMMT-204
VMM-162 "Golden Eagles"
VMM-261 "Bulls"
VMM-263 "Thunder Chickens"
VMM-264 "Black Knights"
VMM-266 "Fighting Griffins"
VMM-365 "Blue Knights", - ^
VMM-161 "Greyhawks"
VMM-163 "Ridge Runners"
VMM-165 "White Knights"
VMM-166 "Sea Elk"
VMM-268 "Red Dragons"
VMM-363 "Red Lions"
VMM-764 "Moonlight" - ^
VMM-262 "Flying Tigers"
VMM-265 "Dragons" - ^
VMM-164 "Kightriders"
VMM-364 "Purple Foxes"
- ^
VMM-774 "Wild Goose"
- ^ 米空軍へ3機の海兵隊型MV-22型が改造後に導入される
- ^ 米空軍の購入計画は以下のとおりとなっている。+で示したのはGWOT(世界規模での対テロ戦争)の追加予算で加えられた分である
2002年度発注-2005年度納入分2機
2004年度発注-2006年度納入分2機
2005年度発注-2007年度納入分3機
2006年度発注-2008年度納入分5機
2007年度発注-2009年度納入分2機+1機
2008年度発注-2010/2012年度納入分5機
2009年度発注-2011-2012年度納入分6機
2010年度発注-2012-2013年度納入分5機
2011年度発注-2013年度納入分5機
2012年度発注-2014年度納入分5機
2013年度発注-2015年度納入分4機
2014年度発注-2016年度納入分3機 - ^ 短距離離陸滑走距離は、短距離離陸時最大離陸重量でもエンジン角度を75度にして91m以下で離陸が可能であり、60度にすると183mとなる
- ^ 空虚重量は15,177kgという情報もある。航空ファン2010年12月号
- ^ 国防高等研究計画局 (DARPA) (16 November 2009). DARPA-BAA 10-10, Thermal Management System (TMS) (Report). 2012年4月24日閲覧。
MV-22 Osprey has resulted in ship flight deck buckling that has been attributed to the excessive heat impact from engine exhaust plumes. Navy studies have indicated that repeated deck buckling will likely cause deck failure before planned ship life.
{{cite report}}
: 不明な引数|coauthors=
は無視されます。(もしかして:|author=
) (説明)(いずれも英語版Wikipediaより) - ^ 防衛省 (19 December 2011). 防防日第15061号 MV-22オスプレイ配備について(回答) (PDF) (Report). p. 15-17. 2012年4月24日閲覧。
ハワイへのMV-22等の配備に係る環境影響評価書案(DEIS)によれば、「未舗装地でのMV-22の運用は安全に達成することが可能である。航空機直下の植生の回避、未舗装着陸帯での航空機着陸時間の制限といった追加的運用措置により、すでにわずかにしか起こりえない危険性を更に小さくすることができる。MV-22はカネオヘベイ基地においては舗装された飛行場及び着陸帯において運用される。これらの条件、排気デフレクタ、及び、当該基地における既存の原野火災管理対応マニュアルに鑑み、MV-22の排気により原野火災が引き起こされる危険性は低く、追加的措置を必要とされない。」と評価されている。
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: 不明な引数|coauthors=
が空白で指定されています。 (説明)
出典
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- ^ オスプレイ撤回要求 東京で反対集会 - 2013年1月27日
- ^ オスプレイ配備中止を 官邸前で150人抗議 - 琉球新報、2013年7月30日
- ^ オスプレイ配備反対で市民ら600人デモ行進 - 佐賀新聞、2014年08月30日
- ^ 米軍航空基地及び自衛隊航空基地における凧等による妨害行為に関する質問に対する答弁書 - 防衛省、2012年11月9日
参考文献
- 坪田敦史「V-22初取材レポート」(『JWings』2006年8月号 イカロス出版)
- 真喜志好一、リムピース+非核都市宣言運動・ヨコスカ『オスプレイ配備の危険性』(2012年8月、七つ森書館)
- 赤旗政治部「安保・外交」班『狙われる日本配備 オスプレイの真実』(2012年9月、新日本出版社)
- 青木謙知『V-22オスプレイ 増補版(世界の名機シリーズ)』(2012年10月、イカロス出版)
- 青木謙知『徹底検証! V-22オスプレイ ティルトローター方式の技術解説から性能、輸送能力、気になる安全性まで』 (2012年10月、サイエンス・アイ新書)
関連項目
- 垂直離着陸機
- 航空機の離着陸方法
- AW609 - アグスタウェストランド社が開発中の、V-22より小型の民間向けティルトローター機。遭難救助機としては市場が競合する。
- ベル V-280
- X-18 - X-22
- GAU-19(固定武装として採用された)
- 統合多用途・将来型垂直離着陸機計画 ( JMR / FVL ( Joint Multi-R'ole / Future Vertical Lift )
- イランアメリカ大使館人質事件
外部リンク
- ボーイング公式
- V-22オスプレイ - ボーイング・ジャパン
- V-22 Osprey
- 他
- オスプレイについて - 防衛省が公表しているV-22関連の情報
- MV-22オスプレイ -米海兵隊の最新鋭の航空機 - 防衛省によるV-22の解説
- Air Force Technology V-22 Osprey
- GlobalSecurity.org V-22 Osprey