コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「サドガエル」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
環境省レッドリストの出典を、専門的でない新聞ではなく環境省のレッドリストそのものに変更
Cewbot (会話 | 投稿記録)
m Bot作業依頼:インターネットアーカイブ - log
58行目: 58行目:
== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*{{PDF|[http://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9103/9103_index.pdf 新種サドガエル ―その誕生と進化の謎―]}} - [[広島大学]]大学院理学研究科両生類研究施設・准教授 三浦郁夫
*{{PDF|[http://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9103/9103_index.pdf 新種サドガエル ―その誕生と進化の謎―]}} - [[広島大学]]大学院理学研究科両生類研究施設・准教授 三浦郁夫
*{{PDF|[https://web.archive.org/web/20130513104027/http://www.hiroshima-u.ac.jp/upload/0/news_events/2012nendo/20121214_kaeru/121211kaeru.pdf 記者会見資料 佐渡島に新種のカエルを発見、命名 平成24年12月11日]}}(2013年5月13日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) - 広島大学東京オフィス
*{{PDF|[https://web.archive.org/web/20130513104027/http://www.hiroshima-u.ac.jp/upload/0/news_events/2012nendo/20121214_kaeru/121211kaeru.pdf 記者会見資料 佐渡島に新種のカエルを発見、命名 平成24年12月11日]}}(2013年5月13日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) - 広島大学東京オフィス


{{Animal-stub}}
{{Animal-stub}}

2017年9月5日 (火) 04:17時点における版

サドガエル
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
亜目 : カエル亜目 Neobatrachia
上科 : アカガエル上科 Ranoidea
: アカガエル科 Ranidae
: ツチガエル属 Glandirana
: サドガエル G. susurra
学名
Glandirana susurra (Sekiya, Miura et Ogata, 2012)[1]
シノニム

Rugosa susurra Sekiya, Miura et Ogata, 2012[2]

和名
サドガエル[1][2]
英名
Sado wrinkled frog

サドガエル (Glandirana susurra) は、無尾目アカガエル科ツチガエル属に分類されるカエル。種小名 susurra はラテン語で「囁く」を意味する[3]。 国内に広く分布しているツチガエルと類似した外見を持ち、隠蔽種としてその発見が遅れた。

分布

日本佐渡島固有種

模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は秋津(佐渡市)[1][2]。佐渡島のうち、国仲平野を中心に一部は小佐渡、大佐渡に渡る範囲に分布している。 島内には従来のツチガエルも生息するが、その分布域は大佐渡山地の外海府側側や小佐渡山地などが主で、その分布域は殆ど本種とは重複していない[3]

形態

体長3.3 - 4.42センチメートル、メス3.81 - 4.96センチメートル[2]。皮膚の表面の疣や隆起は不明瞭[1][2][4]。下顎に斑紋がほとんど入らない[2]。喉は平滑で、顆粒がない[1]。鳴嚢がない[1][4]。胸部より後方の胴体および後肢腹面は濃黄色[1][2][4]。体長 (SVL) は、雄で33.0-44.2 mm、雌で38.1-49.6 mm[3]。腹から後足にかけてが濃い黄色であることが特徴である また、鳴き声に特徴があり「ビューン」または「ギューン」と表現される[5][6]

染色体数2n = 26[1]

分類

飼育下のツチガエルとの交配実験では、雑種致死や精子形成異常が生じた[4]

1997年、それまでツチガエルとされてきた中から鳴声と外部形態に着目され見出されたのが発見の発端である。 その後、様々なデータの収拾や調査のプロセスを経て系統的な位置づけや生態面の知見を経て、2012年12月7日に記載論文が公表、同12月11日に正式な発表が行われることとなった[7][8]。 新種であろうという推論は早期から固まりつつあったため、現地島民や研究者の間ではもっぱら「佐渡の新種ガエル」「黄腹のツチガエル」などと称されていた。 佐渡島からは昆虫・植物の固有種や哺乳類・鳥類の固有亜種が記載されているが、かつてサドサンショウウオと呼ばれたクロサンショウウオが同種と判断された例を除き脊椎動物における固有種が確認されたのは初めてであった。 また、南西諸島を除く日本国内で新種の無尾類が正式に記載され命名されたのは、1990年に記載されたナガレタゴガエル以来、22年振りの事となった。[要出典]

ツチガエルに似ているが遺伝子配列は4-6%異なっている。染色体数2n = 26で、性染色体は持たない。 ミトコンドリアDNAの分子系統解析では、ツチガエルの関東から近畿に分布するグループと近縁と推定されている[1]。 また、佐渡島に同所的に生息しているツチガエルは北陸-東北の系統に属し、本種とは近縁でないことが明らかとなっている[3]

生態

標高11 - 187メートル食性や生活環はおおむねツチガエルに近いものであると考えられている。主要な生息域は水田であり、幼生越冬を行うため江ないし冬期灌水が行われていることを必須とする。吸盤を持たないため物理的な障壁にも脆弱であり、近代的な圃場整備の影響を受け易いとされる。種小名susurraは「囁く」の意で、同所的に分布する他種に対して鳴き声が小さいことに由来する[1]

7月に710個の卵を産んだ例がある[1][2]

保全状態評価

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト[9]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 松井正文 「サドガエル」『ネイチャーウォッチングガイドブック 日本のカエル 分類と生活史 全種の生態、卵、オタマジャクシ』、誠文堂新光社2016年、148-151頁。
  2. ^ a b c d e f g h Kunio Sekiya, Ikuo Miura, Mitsuaki Ogata, "A new frog species of the genus Rugosa from Sado Island, Japan (Anura, Ranidae)," Zootaxa, Volume 3575, 2012, Pages 49-62.
  3. ^ a b c d K SEKIYA, I MIURA, M OGATA (2012). “A new frog species of the genus Rugosa from Sado Island, Japan (Anura, Ranidae)”. Zootaxa 3575: 49-62. http://www.mapress.com/zootaxa/2012/f/zt03575p062.pdf. 
  4. ^ a b c d 三浦郁夫 「新種サドガエル ―その誕生と進化の謎―」『生物工学』第91巻 3号、日本生物工学会、2013年、161-164頁。
  5. ^ “新種のカエル、「サドガエル」に”. 新潟日報 (新潟日報社). (2012年12月11日). オリジナルの2012年12月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121213070553/http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20121211016335.html 
  6. ^ “「ギューン」と鳴くサドガエル、新種と認定”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2012年12月13日). オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20130501082042/http://www.yomiuri.co.jp/otona/naturallife/05/niigata/20121213-OYT8T00456.htm 
  7. ^ “新種「サドガエル」発見=佐渡島分離後進化か-トキの貴重な餌・新潟、広島大”. 時事ドットコム (時事通信社). (2012年12月11日). オリジナルの2013年4月26日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20130426183038/http://www.jiji.com/jc/zc?k=201212/2012121100897 
  8. ^ 新種「サドガエル」と命名産経新聞動画(2012年12月11日)
  9. ^ 環境省レッドリスト2017の公表について 環境省レッドリスト2017環境省・2017年4月16日に利用)

外部リンク