「ナイツ&マジック」の版間の差分
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: 声 - [[天神英貴]] |
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: エルの父。元々は騎操士として活躍していたが現在は一線を退き、ライヒアラ騎操士学園で教官を務めている。 |
: エルの父。元々は騎操士として活躍していたが現在は一線を退き、ライヒアラ騎操士学園で教官を務めている。 |
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; ステファニア・セラーティ |
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: 声 - [[千本木彩花]] |
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: ライヒアラ騎操士学園の講師たち。 |
: ライヒアラ騎操士学園の講師たち。 |
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==== 王族・貴族 |
==== 王族・貴族 ==== |
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; アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラ |
; アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラ |
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: 声 - [[菅生隆之]]、[[竹内良太]](青年期) |
: 声 - [[菅生隆之]]、[[竹内良太]](青年期) |
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; リオタムス・ハールス・フレメヴィーラ |
; リオタムス・ハールス・フレメヴィーラ |
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: 声 - [[相馬康一]] |
: 声 - [[相馬康一]] |
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: アンブロシウスの長男であり、彼の跡を継いでフレメヴィーラ王国第11代国王となる。略称「リオ」。 |
: アンブロシウスの長男であり、彼の跡を継いでフレメヴィーラ王国第11代国王となる。略称は「リオ」。 |
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: 性格はアンブロシウスにはあまり似ず冷静沈着であり、彼自身もまた王として有能。文庫版では西方暦1280年夏(web版では西方暦の記述が始まる前)の王位継承後、政治の描写場面ではほぼリオタムスがメインとなる。エルの暴走に振り回されるのが悩みの種ではあるが、手綱の取り方自体は上手く、いつも国益に叶ういい落としどころに落ち着かせる。 |
: 性格はアンブロシウスにはあまり似ず冷静沈着であり、彼自身もまた王として有能。文庫版では西方暦1280年夏(web版では西方暦の記述が始まる前)の王位継承後、政治の描写場面ではほぼリオタムスがメインとなる。エルの暴走に振り回されるのが悩みの種ではあるが、手綱の取り方自体は上手く、いつも国益に叶ういい落としどころに落ち着かせる。 |
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; エムリス・イェイエル・フレメヴィーラ |
; エムリス・イェイエル・フレメヴィーラ |
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==== その他 ==== |
==== その他 ==== |
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; ペッレルヴォ・カイタラ |
; ペッレルヴォ・カイタラ |
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: Web版に登場する、フレメヴィーラ国内では有名な城砦建築の専門家。恰幅のよい男性。ボキューズ大森海に面する重要な砦のいくつかや、オルヴェシウス砦の設計を行った。 |
: Web版に登場する、フレメヴィーラ国内では有名な城砦建築の専門家。恰幅のよい男性。ボキューズ大森海に面する重要な砦のいくつかや、オルヴェシウス砦の設計を行った。 |
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: 主な装備は長大な斧槍と先端が尖った縦に細長いランス代わりにも使える盾で、突撃の際の槍の保持を補助する固定具が下半身に付けられている。また軽量化のために装甲を薄めにしている下半身の防御力をカバーするために、可動式追加装甲と同じ機構を持つ可動装甲が機体そのものに組み込まれている。機動時にはこの可動装甲をカウンターウェイトとして用いる事で、騎馬では考えられないような驚異的な旋回機動を見せる。 |
: 主な装備は長大な斧槍と先端が尖った縦に細長いランス代わりにも使える盾で、突撃の際の槍の保持を補助する固定具が下半身に付けられている。また軽量化のために装甲を薄めにしている下半身の防御力をカバーするために、可動式追加装甲と同じ機構を持つ可動装甲が機体そのものに組み込まれている。機動時にはこの可動装甲をカウンターウェイトとして用いる事で、騎馬では考えられないような驚異的な旋回機動を見せる。 |
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: 銀鳳騎士団のお披露目を兼ねた模擬戦では、アーキッドとアデルトルートの双子を騎操士に据えて使用され、人間の[[歩兵]]と騎馬の比較に倣い戦力比を3対1とされた。模擬戦後は制式採用機であるツェンドリンブルの量産が開始されたため登場しなくなる。 |
: 銀鳳騎士団のお披露目を兼ねた模擬戦では、アーキッドとアデルトルートの双子を騎操士に据えて使用され、人間の[[歩兵]]と騎馬の比較に倣い戦力比を3対1とされた。模擬戦後は制式採用機であるツェンドリンブルの量産が開始されたため登場しなくなる。 |
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:; ツェンドリンブル |
:; ツェンドリンブル |
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:: ツェンドルグを元に機構の見直しと最適化を行った量産向けの機体。ツェンドルグにて機体操作のための術式が完成したため、ツェンドリンブルでは1人乗りになっている。 |
:: ツェンドルグを元に機構の見直しと最適化を行った量産向けの機体。ツェンドルグにて機体操作のための術式が完成したため、ツェンドリンブルでは1人乗りになっている。 |
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: 西方暦1277年から西方暦1278年にかけては、厳冬期直前に[[年]]が切り替わっている{{Efn|この表現は西方暦が、[[ヒジュラ暦]]の様に、非[[太陽暦]]である可能性に配慮している。}}。 |
: 西方暦1277年から西方暦1278年にかけては、厳冬期直前に[[年]]が切り替わっている{{Efn|この表現は西方暦が、[[ヒジュラ暦]]の様に、非[[太陽暦]]である可能性に配慮している。}}。 |
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: 文庫版の物語の開始は、エル約満3歳時で西方暦1268年。Web版では、エルがライヒアラ騎操士学園中等部を卒業し、銀鳳騎士団がライヒアラ騎操士学園内からオルヴェシウス砦に拠点を移す時に、西方暦1288年と初めて西方暦が登場するが、この時は文庫版では西方暦1280年と記述されているので、web版と文庫版の間には西方暦上のズレがある。 |
: 文庫版の物語の開始は、エル約満3歳時で西方暦1268年。Web版では、エルがライヒアラ騎操士学園中等部を卒業し、銀鳳騎士団がライヒアラ騎操士学園内からオルヴェシウス砦に拠点を移す時に、西方暦1288年と初めて西方暦が登場するが、この時は文庫版では西方暦1280年と記述されているので、web版と文庫版の間には西方暦上のズレがある。 |
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:; 小鬼族(ゴブリン)→小人族(ヒューマン) |
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:: 種族的には、人類とほぼ同じ。詳細は「[[#小鬼族(ゴブリン)→小人族(ヒューマン)|小鬼族(ゴブリン)→小人族(ヒューマン)]]」を参照。 |
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:種族的には、人類とほぼ同じ。詳しくは[[#ボキューズ大森海(用語)]]を参照のこと。 |
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=== 国家・組織・地名 === |
=== 国家・組織・地名 === |
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:: かつて存在した西域統一王政国家。幻晶騎士を以て西域から魔獣をほぼ駆逐し尽くし、失敗に終わったボキュース大森海への森伐遠征軍を派遣し、敗退・撤兵する際にオービニエ山脈東側に後にフレメヴィーラ王国となる占領地や、後の小鬼族(ゴブリン)の元となる残存部隊を遺した。ジャロウデク王国・クシェペルカ王国・ロカール諸国連合・孤独なる十一国(イレブンフラッグス)は、世界の父が分裂して個々独立した国家群。web版では分裂は1000年近く前としているが、アンブロシウスがフレメヴィーラ王国第10代国王であることと矛盾する可能性がある。文庫版ではフレメヴィーラ王国が建国から数世紀となって矛盾を解消している。 |
:: かつて存在した西域統一王政国家。幻晶騎士を以て西域から魔獣をほぼ駆逐し尽くし、失敗に終わったボキュース大森海への森伐遠征軍を派遣し、敗退・撤兵する際にオービニエ山脈東側に後にフレメヴィーラ王国となる占領地や、後の小鬼族(ゴブリン)の元となる残存部隊を遺した。ジャロウデク王国・クシェペルカ王国・ロカール諸国連合・孤独なる十一国(イレブンフラッグス)は、世界の父が分裂して個々独立した国家群。web版では分裂は1000年近く前としているが、アンブロシウスがフレメヴィーラ王国第10代国王であることと矛盾する可能性がある。文庫版ではフレメヴィーラ王国が建国から数世紀となって矛盾を解消している。 |
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:: カルリトスは世界の父復活を大義名分に、西域統一戦争=後世呼称:大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)を開始した。 |
:: カルリトスは世界の父復活を大義名分に、西域統一戦争=後世呼称:大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)を開始した。 |
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<!-- 主に『種族』セクションからリンクする為の見出し追加。 登場人物の方と名前が被る為、重複を避けるために、こちらには『(用語)』を付けました。これは、既に登場人物の方へとリンクしている場合を想定しての事です。--> |
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: セッテルンド大陸東方のフレメヴィーラ王国領より更に東側に存在する非常に広大な樹海。イラスト化されている大陸地図からすると、いくつもの国家が入るほどの広大さとなっている。小動物から師団級魔獣まで含むあらゆる種類の獣が多数棲息。西側の人類にとっては人跡未踏の地で、魔境として恐れられている。太古の昔から大森海の生物の頂点は穢れの獣(クレトヴァスティア)だったが、巨人戦争編において銀鳳騎士団とエルによってほぼ駆逐され、エルは今後大きく勢力図が書き換えられるだろうと予想している。奥地には壁のように巨大な山脈があり、その麓で巨人族が勢力を築き、小鬼族(ゴブリン)と呼ばれる第一次森伐遠征軍の生き残りも共に生活していた。 |
: セッテルンド大陸東方のフレメヴィーラ王国領より更に東側に存在する非常に広大な樹海。イラスト化されている大陸地図からすると、いくつもの国家が入るほどの広大さとなっている。小動物から師団級魔獣まで含むあらゆる種類の獣が多数棲息。西側の人類にとっては人跡未踏の地で、魔境として恐れられている。太古の昔から大森海の生物の頂点は穢れの獣(クレトヴァスティア)だったが、巨人戦争編において銀鳳騎士団とエルによってほぼ駆逐され、エルは今後大きく勢力図が書き換えられるだろうと予想している。奥地には壁のように巨大な山脈があり、その麓で巨人族が勢力を築き、小鬼族(ゴブリン)と呼ばれる第一次森伐遠征軍の生き残りも共に生活していた。 |
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:; 巨人族(アストラガリ) |
:; {{Anchor|巨人族(アストラガリ)(用語)}} |
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:: 同一種族内で眼の数が異なり、一眼位~六眼位まで存在する。眼が増えるに従って身体能力と魔力が上がって[[社会階級]]も高くなり、勇者と呼ばれる氏族を代表する戦士は三眼位以上から、集落の長は四眼位以上から、王位は稀に生まれる六眼位の巨人のみが継承できる。巨人の神である百眼神を信仰しており、巨人の王位とは人間の王位と若干異なり神と交感出来る巫女や神官を兼ねている。基本的に大森海奥地で氏族毎の集落を作り各々独立して[[狩猟採集社会]]を営むが、王が存在する期間は王のもとに統一される。 |
:: 同一種族内で眼の数が異なり、一眼位~六眼位まで存在する。眼が増えるに従って身体能力と魔力が上がって[[社会階級]]も高くなり、勇者と呼ばれる氏族を代表する戦士は三眼位以上から、集落の長は四眼位以上から、王位は稀に生まれる六眼位の巨人のみが継承できる。巨人の神である百眼神を信仰しており、巨人の王位とは人間の王位と若干異なり神と交感出来る巫女や神官を兼ねている。基本的に大森海奥地で氏族毎の集落を作り各々独立して[[狩猟採集社会]]を営むが、王が存在する期間は王のもとに統一される。 |
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:: 死ぬことを瞳を返す、格上を眼上、格下を眼下と独特の言葉遣いをする。言い回しや一部の言葉が古めかしいものの、何故か人間族の常用言語での会話が可能。この事実にはエルやアディも驚いている。Web版では森伐遠征軍の影響であるとしている。幻晶騎士以上の体躯と決闘級魔獣に勝るとも劣らない戦闘力を有し、争いは「問い」と呼ぶ戦いでの解決を旨とする。会話可能でそれなりの文化を持つ知的種族だが、基本は脳筋で話し合いよりすぐに力での解決に走る傾向がある。 |
:: 死ぬことを瞳を返す、格上を眼上、格下を眼下と独特の言葉遣いをする。言い回しや一部の言葉が古めかしいものの、何故か人間族の常用言語での会話が可能。この事実にはエルやアディも驚いている。Web版では森伐遠征軍の影響であるとしている。幻晶騎士以上の体躯と決闘級魔獣に勝るとも劣らない戦闘力を有し、争いは「問い」と呼ぶ戦いでの解決を旨とする。会話可能でそれなりの文化を持つ知的種族だが、基本は脳筋で話し合いよりすぐに力での解決に走る傾向がある。 |
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::; ルーベル氏族(ゲノス・デ・ルーベル) |
::; ルーベル氏族(ゲノス・デ・ルーベル) |
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::: 第一次森伐遠征軍の生き残りが遭遇した巨人の氏族。彼らを隷属させていた。過去の真眼の乱にて、隷下の小鬼族が使役する穢れの獣の力で他の同規模だった大氏族を全て滅ぼし、物語時点では巨人族最大の氏族として覇権を確立。驕り高ぶって巨人族の絶対の掟すら無視するようになっていた。エルと小魔導師が成した諸氏族連合軍との二度目の戦争で、裏で暗躍していた小王の裏切りにもあい氏族の大半を失い失墜した。氏族を象徴する色は赤で、赤い飾りを装備に付けている。 |
::: 第一次森伐遠征軍の生き残りが遭遇した巨人の氏族。彼らを隷属させていた。過去の真眼の乱にて、隷下の小鬼族が使役する穢れの獣の力で他の同規模だった大氏族を全て滅ぼし、物語時点では巨人族最大の氏族として覇権を確立。驕り高ぶって巨人族の絶対の掟すら無視するようになっていた。エルと小魔導師が成した諸氏族連合軍との二度目の戦争で、裏で暗躍していた小王の裏切りにもあい氏族の大半を失い失墜した。氏族を象徴する色は赤で、赤い飾りを装備に付けている。 |
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:; 小鬼族(ゴブリン)→小人族(ヒューマン) |
:; {{Anchor|小鬼族(ゴブリン)→小人族(ヒューマン)}} |
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:: 世界の父の統治時代に行われた第一次森伐遠征軍が敗北した際に、ボキュース大森海に取り残された将兵の末裔達。ルーベル氏族に隷属して穢れの獣を使役しつつ、彼らの防具となる魔獣素材の加工などをやらされていた。支配する小王がアルヴであるため、上街に住む貴族階級には当時の情報が詳しく残されているが、下村に住む平民達にはまともな教育が施されていないため自分たちのルーツを知らない。取り残されて数百年を経ても[[言語]]はそれほど大きく変化しておらず、フレメヴィーラ王国民との間で不自由なく会話が可能。巨人戦争終結後にルーベル氏族の支配から脱し、小鬼族から小人族に改称した。 |
:: 世界の父の統治時代に行われた第一次森伐遠征軍が敗北した際に、ボキュース大森海に取り残された将兵の末裔達。ルーベル氏族に隷属して穢れの獣を使役しつつ、彼らの防具となる魔獣素材の加工などをやらされていた。支配する小王がアルヴであるため、上街に住む貴族階級には当時の情報が詳しく残されているが、下村に住む平民達にはまともな教育が施されていないため自分たちのルーツを知らない。取り残されて数百年を経ても[[言語]]はそれほど大きく変化しておらず、フレメヴィーラ王国民との間で不自由なく会話が可能。巨人戦争終結後にルーベル氏族の支配から脱し、小鬼族から小人族に改称した。 |
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2017年9月23日 (土) 02:41時点における版
ナイツ&マジック | |
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ジャンル | ファンタジー、ロボット |
小説 | |
著者 | 天酒之瓢 |
イラスト | 黒銀 |
出版社 | 主婦の友社 |
レーベル | ヒーロー文庫 |
刊行期間 | 2013年2月28日 - |
巻数 | 既刊7巻(2017年5月現在) |
漫画 | |
原作・原案など | 天酒之瓢(原作) |
作画 | 加藤拓弐 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | ヤングガンガン |
レーベル | ヤングガンガンコミックス |
発表号 | 2016年9号 - |
発表期間 | 2016年4月15日 - |
巻数 | 既刊3巻(2017年6月現在) |
アニメ | |
原作 | 天酒之瓢 |
監督 | 山本裕介 |
シリーズ構成 | 横手美智子 |
キャラクターデザイン | 桂憲一郎 |
メカニックデザイン | 黒銀(シルエットナイト) 天神英貴 |
音楽 | 甲田雅人 |
アニメーション制作 | エイトビット |
製作 | ナイツ&マジック製作委員会 |
放送局 | AT-X・TOKYO MX・BS11ほか |
放送期間 | 2017年7月 - 9月 |
話数 | 全13話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
『ナイツ&マジック』(Knight's & Magic)は、天酒之瓢によるライトノベル、オンライン小説。小説投稿サイト『小説家になろう』に掲載され(以下、これを「Web版」と呼ぶ)、ヒーロー文庫より刊行(以下、これを「文庫版」と呼ぶ)された。2016年より漫画化された(以下、これを「漫画版」と呼ぶ)。また、2017年にはアニメ化された(以下、これを「アニメ版」と呼ぶ)。なお、Web版のタイトルは『Knight's & Magic』と英語表記である。
概要
異世界転生、魔法、巨大ロボットを主軸としたファンタジー作品。2010年に『小説家になろう』にて掲載を開始し、2017年8月現在も連載が続いている。
2013年からヒーロー文庫より順次刊行されている。売上は2017年6月時点で計60万部[1]、2017年7月時点で漫画版も含めたシリーズ総計で公称120万部[2]。なお、文庫版では主人公の設定やストーリーにWeb版から変更されている部分がある。文庫版のイラストレーターは黒銀。
2016年より加藤拓弐により『ヤングガンガン』にて漫画化連載開始され、2017年9月現在も連載が続いている。この漫画版は主婦の友社のWebコミックサイト『COMICAWA』でも一部が閲覧可能となっている。逐次ヤングガンガンコミックスより単行本化されている。
2016年9月にテレビアニメ化がアナウンスされ[3]、2017年7月より放送中(後述)。なお、テレビアニメ化に伴い、公式略称が『ナイツマ』と定められた[4]。
あらすじ
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
交通事故で命を落としたロボットオタクの倉田翼は、異世界のエルネスティ・エチェバルリアに転生する。その世界は「幻晶騎士(シルエットナイト)」と呼ばれる巨大ロボットが、主戦力として存在する世界だった。
前世のロボットオタクの血が抑えきれないエルネスティは、幻晶騎士のパイロットである「騎操士(ナイトランナー)」を志し、幼少時より勉学などに励む。そして学園生時代の訓練中に現れた師団級魔獣「陸皇亀(ベヘモス)」を討伐した事を切っ掛けに、自らが理想とするロボットを一から作り上げるために奮闘、その才能と実績で国王から幻晶騎士開発を主目的とした騎士団「銀鳳騎士団」を任されて団長となった。
その後もエルネスティは、西方諸国(オクシデンツ)で起きた大乱に派遣されたり、人類未踏の地「ボキューズ大森海」の探索に深く関わるなど、数多の功績を打ち立てていくのであった。
登場人物
主要人物
- エルネスティ・エチェバルリア
- 声 - 高橋李依[5]
- 本作の主人公。通称は「エル」。作中で「狂人」と書かれるほど周囲を顧みず目的へと一直線に邁進する性質を持ち、その行動の数々には暴走という表記が多くなされる。
- 前世は日本人の天才プログラマーで、重度のロボットオタク「倉田翼(声 - 阪口大助)」。交通事故で死亡したが、前世の記憶と知識を持ったまま異世界に転生し、フレメヴィーラ王国のとある一家の子供に生まれ変わる。
- 前世の記憶があるため知識や理解力・思考力こそ大人並だが、基本はこの世界に生きる年齢相応の子供であり、倉田翼であると同時にエルネスティであるという状態。そのため精神年齢や反応の仕方などは年相応のもの。Web版では「前世は関西出身」という設定のため、心の声では関西弁を使う。また倉田翼としての意識が強く残っているため、二重人格的な思考描写がなされていた。書籍版及びアニメ版ではその設定が削除されたため心の声は標準語となり、思考もエルネスティに統一されているため二重人格的な描写はされていない。Web版でもこういった思考描写は序盤のうちだけで、途中から描写されなくなっている。
- 男性だが、小柄な体格で紫銀のセミロング、美形な顔立ちなどから美少女と誤解されることが多く、幼少時には「図書館の姫君」なる異名を付けられたことがある。
- 前世で身につけたプログラム言語の論理法則がこの世界の「魔法術式」にも応用できること、この世界の生物なら生まれつき持っている「魔法演算領域」を仮想のコンピュータとして扱えるのに気づいた事で、それを活かして既存の魔法を組み替えて改良し効率的な運用を行ったり、新しい術式を生み出す事に長けるようになった。5歳時から騎操士を目指して体力向上と魔力向上のための独自トレーニングを積み重ねていたため、体力と魔力が大人と比較してもずば抜けている。[6]
- 「ライヒアラ騎操士学園」に入学後、遠征訓練において自身の魔法演算だけで幻晶騎士を動かす「直接制御」を行い、魔獣「陸皇亀(ベヘモス)」との初陣で勝利。この事で国王アンブロシウスにその存在を知られ、謁見の間での約束を果たすため、前世のロボットオタク知識を活かしたそれまでの常識に捕らわれない新しい発想でテレスターレを作り上げる。これに纏わる一連の騒動を経て、国王直属の「銀鳳騎士団」が設立され団長に就任。次々と新しい幻晶騎士を開発する傍ら、隣国で勃発した戦争への介入やボキューズ大森海探索などの国家の一大事にも深く関わるようになる。その結果打ち立てた数多の功績により、幻晶騎士や魔獣に関わる案件において国王並の権力を有した破格の存在と化していった[7]。
- Web版では、アデルトルートと婚約に至る。
- アデルトルート・オルター
- 声 - 大橋彩香[5]
- 本作のヒロイン。通称は「アディ」。勝気な性格でキッドの双子の妹。
- 可愛いものが大好きで、可愛いものが無ければ不機嫌になるが、それさえ愛でていれば機嫌が良くなるという部分がある。可愛さ基準は彼女独自の感性に基づくもので、幻晶騎士のデザインでも可愛いの範疇に入る事がある。
- キッドと同じくエルに惹かれて共にトレーニングを重ね、学園に入学した。出会ったときからエルのことを好きで、エルに近付くステファニアやノーラに嫉妬し、ずっと抱っこしていたいと考えている。そのためエルに頻繁に抱き着いたり膝枕を要求したり、添い寝したりする事もある。エルへの想いは年々強まっており、暴走気味な妄想をしたり行動をとる事も増えてきている。尚、アニメ版6話では、そこまで意識していないような節も有った。Web版では、エルネスティと婚約に至る。
- エルの直弟子としてキッドと同様に魔法に長けるが、兄と違い緻密な制御が得意。兄妹揃って直接制御のレクチャーを受けている。
- 父親の事はあまり好きではなく、父親に会いたくないという理由でキッドと家出をしようとした時、トレーニングに励むエルと出会った。
- 銀鳳騎士団結成後はキッドと共に団長補佐をしているが、大西域戦争の最中にキッドの想いに気づき、戦争終結後に彼をクシェペルカ王国に置いていけないかと無茶を言い出したりした。
- 騎士団でも有数の騎操士と認識されているが、飛翔騎士に関しては騎士団でも最上位クラスで、彼女より上はエルくらいしか存在しない。モートルビートを自在に乗りこなし、ツェンドルグ(馬体側)・シルフィアーネ(一・二世)の試運転を行い、Web版巨人戦争編ではぶっつけ本番でカササギの一部機能操縦やかなり危なっかしいが一時操縦を行い、操縦訓練を経て普及品級魔力転換炉双発仕様で飛行可能にしたイカルガで飛行・戦闘し、ぶっつけ本番でマガツイカルガの一部機能操縦をこなしている。ただし理論より感覚に頼る面が強く、他人に物を教えるのが恐ろしく下手。擬音混じりの彼女の説明を理解するのは困難を極める。
- アーキッド・オルター
- 声 - 菅原慎介[5]、東内マリ子(幼少期)
- エルと同年代の双子で、アデルトルートの兄。通称は「キッド」。8歳の時に独自トレーニングに励んでいるエルと屋根の上で出会い運命が変わる。魔法に長けたエルに師事して彼のトレーニングを共にこなして来たことでずば抜けた魔力・体力・魔法演算能力を獲得するに至り、エルに次ぐレベルの魔法の使い手となっている。三人のなかで一番剣の才能がある。威力を重視する傾向が強く、力任せな魔法を扱う。
- 父親はセラーティ侯爵家当主ヨアキム・セラーティだが、母親は庶民出の妾。そのため、嫉妬深い正妻に対する母親の配慮で母子共に別の家に住んでいる。異母姉で双子を本当の家族だと思っているステファニアとの仲は良いが、嫉妬深い正妻の性質を強く受け継いだ異母兄バルトサールからは目の敵にされている。
- 銀鳳騎士団結成後も団長補佐という立場で常に傍らにあったが、大西域戦争で出会ったクシェペルカ第一王女エレオノーラの騎士となる事を誓い、彼女を支えて戦う内に想いを寄せるようになる。他国の騎士ということで戦争終結とともに帰還せざるをえなくなったが、エムリスの計らいで新生したクシェペルカ王国に出向することになり、現在は別行動をとっている。
フレメヴィーラ王国
騎士団員・軍人
銀鳳騎士団
- エドガー・C・ブランシュ
- 声 - 内匠靖明
- 騎操士学科の先輩の1人。純白の幻晶騎士・アールカンバー(後にアルディラッドカンバー)の搭乗者。守りを得意とする。真面目かつ質実剛健な性格で、学生時点でその実力は正騎士に匹敵していた。
- ベヘモス戦で規格外の動きをするエルのグゥエールを目撃しており、以降も彼の規格外の才能と暴走の数々に度々驚かされ呆れている。銀鳳騎士団設立後は第一中隊長となる。
- 少々朴念仁であり、ヘルヴィから頬にキスされるまでその気持ちにまったく気づいていなかった。
- 銅牙騎士団団長ケルヒルトにヘルヴィのトランドオーケスを奪われ敗北したことをずっと悔いていたが、大西域戦争において再び対峙した際には完全勝利し彼女を討ち取った。戦争終結後は飛翔騎士の指導者として紫燕騎士団を教育するが、この際に教官として目覚めた模様で、その厳しい指導と容赦のない採点は鬼教官として恐れられた。数々の戦いを経てその実力は王国屈指のものとなっており、その功績を評価され他の貴族より騎士団長にならないかと誘いを受けていた。しかし、大森海にエルが消えた際にこのまま騎士団を去る事は出来ないと任官を断って探索に参加。騎士団長になる件は一度潰えたが、大森海からの帰還後、組織再編に伴い銀鳳騎士団の各中隊を独立させて新設した騎士団の団長となる。
- ディートリヒ・クーニッツ
- 声 - 興津和幸
- 騎操士学科の先輩の1人。通称は「ディー」で、隊員からは「ディータイチョ(後にディーダンチョ)」と呼ばれる。赤色の幻晶騎士・グゥエール(後にグゥエラリンデ)の搭乗者。攻めを得意とする。本来の実力はエドガーに匹敵するものの、軽薄かつムラのある性格が災いして実力を発揮しきれず、学生時点では彼に一歩及ばなかった。
- ベヘモスと戦った際、同級生のゲパードの惨死を目の当たりにしたことから恐怖心に駆られ、戦友たちを見捨てて1人逃げ出した。この時にそれを追ったエルにグゥエールを奪われ、ベヘモス戦に巻き込まれる形で参戦。彼の規格外の力を目の当たりにしてそれまでの己を悔い、騎士としての覚悟が定まった事で勇敢かつ冷静な判断を見せるようになる。この事で実力が開花し、決闘級魔獣の群れを前にしても二度と騎士の矜持を捨てはしないと奮闘した。銀鳳騎士団設立後には第二中隊長となる。
- 騎士団の中でエルに最も恩義を感じている人物であり、一度戦士として死にかけた自分に道を見せてくれたとして強い忠誠を抱いている。二枚目なのになぜか女性との出会いがなく、エドガーにすら春が訪れているのに自分だけ独り身なのを不貞腐れていた事がある。
- 大西域戦争で強敵グスターボと出会い、彼のソードマンと互角の戦いを繰り広げるが、相打ちになってグゥエラリンデが大破。決戦時にはノーラの率いる藍鷹騎士団と裏方に回り、エドガーとエムリスに戦いを譲った。戦争終結後はエドガーと共に飛翔騎士の教官を務めるが、化け物並の体力を誇る彼の訓練に付いていくのは困難であり、エドガーと共に鬼教官として恐れられた。エドガーと同じく、数々の修羅場をくぐり抜けた経験はその実力を王国屈指のものへと押し上げており、騎士団長としての誘いを受けた事もある。しかし、自分はそういうのに向いていないと即座に断った。大森海にエルが消えた際に一番最初に行動を起こした人物であり、国王の下に直接乗り込んで暴言にも等しい救出宣言を噛まし、意気消沈するダーヴィドを殴りつけて再起動させ、探索へ赴くための切っ掛けを作った。大森海からの帰還後、組織再編に伴い銀鳳騎士団の各中隊を独立させて新設した騎士団の団長となる。
- ヘルヴィ・オーバーリ
- 声 - 伊藤静
- 騎操士学科の先輩の1人。エドガーやディーの学年の紅一点。桃色の幻晶騎士・トランドオーケス(後のテレスターレ一号機)の搭乗者。テレスターレのテストパイロットも務めた。女性ながら騎士として優れた腕を持ち、勝気な性格も相まって戦闘では先陣を切ることが多い。Web版では騎士団成立後は出番がないが、書籍版では第三中隊が設立され隊長になっているため大幅に出番が増えている。
- よくエドガーと勝負したがり、二人でいる事も多かったが、後に彼を好いていたことが発覚した。Web版 Knight's & Magic 設定資料兼備忘録では、後にエドガーと結婚する事が予定されていた。銀鳳騎士団がオルヴェシウス砦に活動拠点を移した後は第三中隊長となる。第三中隊は隊長含めて新しいもの好きで構成されており、人馬騎士や飛翔騎士を運用する隊となっている。
- バトソン・テルモネン
- 声 - 藤原夏海
- 鍛冶屋の息子。ドワーフ。いじめられていたところをエルたちに助けられて以降、親友関係を結ぶ。Web版では騎士団成立後は出番がないが、書籍版では鍛冶師隊に所属するため大幅に出番が増えている。
- エル・キッド・アディと同期であり、ライヒアラ騎操士学園入学(鍛冶学科)、銀鳳騎士団編成入団一期(鍛冶師隊)、ライヒアラ騎操士学園卒業(中等部)、銀鳳騎士団のオルヴェシウス砦への移動、キッド銀鳳騎士団離脱直前まで、学科・地位・部署に違いはあっても、行動を共にしてきた。ウィンチェスター受注・木部加工、幻晶甲冑シリーズおよび幻晶甲冑用装備開発・試作、一部選択装備(オプションワークス)詳細設計・試作、魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)試作、魔導噴流推進器実験用幻晶騎士改造、イカルガ建造現場作業、魔道飛鎗(ミッシレジャベリン)・垂直投射式連装投鎗器(バーティカルロンチドジャベリンスローワ)試作・初期生産、ジャロウデク王国製鹵獲品解体調査、飛翼母船(ウィングキャリアー)詳細設計・一番船イズモ建造指揮を行った。文庫版では対空衝角艦(ジルバヴェール)やイズモの船橋で操縦を行っている。
- ダーヴィド・ヘプケン
- 声 - 伊丸岡篤
- 鍛冶学科に在学した先輩の1人。通称は「親方」。ドワーフ族であるため見た目は厳つく、血の気が多い性格。本来は豊かな髭を持つが、あまりにも学生離れした容姿になるため日々剃っていた。
- 学生でありながらも確かな技術を持ち、仕事への熱心さから目上の者にも臆せず立ち回る態度で一目置かれており、元々は学園所有の幻晶騎士のメンテナンスなどを担当していた。エルと出会って以降は、考案された新たな幻晶騎士を実際に開発・製造する重責を担うようになり、エルが設計し親方が形にという体制になった。銀鳳騎士団の設立後は直属の鍛冶師隊隊長となる。ワーカーホリック気味で連日の徹夜を物ともせず仕事に邁進するため、部下の鍛冶師達が悲鳴を上げる事もしばしば。
- 元より一流の鍛冶師だったが、東方様式の幻晶騎士のみならず、人馬騎士・飛空船・飛翔騎士といった異形の技術にも通じ、新技術の数々をエルと一緒に開発する技術革新における両輪となっているため、現在では王国において彼に次ぐ重要度の要人とされている。
- 鍛冶師であるため基本的に前線には参加しなかったが、大西域戦争時に鹵獲した飛空船を指揮したのを機に前線に出るようになり、飛翼母船イズモ完成後は船長の任もこなす事となった。
- ノーラ・フリュクバリ
- 声 - 加隈亜衣
- 藍鷹騎士団所属の女性騎士。諜報防諜工作関連の要員。立場上、エルと2人きりの密談も行なう。アディに嫉妬されるほどの美女でもある。
- 銀鳳騎士団が設立されたライヒアラ騎操士学園の新入生として入学し、エルや藍鷹騎士団への指揮権をアンブロシウスから移譲されたクヌート公爵への連絡要員としての任務にあたる。その傍らで、学園・銀鳳騎士団内外の防諜も担当する。銀鳳騎士団の幻晶甲冑運用を元に、隠密仕様の「シャドウラート」を発案しており、web版では余談としてシャドウラートを駆って夜間城塞への潜入試験を成功させる話がある。
- 銀鳳騎士団のオルヴェシウス砦への移動後も任務を続行し、銀鳳騎士団の(旧)クシェペルカ王国領派遣へも他の藍鷹騎士団員らと共に同行。諜報・工作任務にあたった。潜入工作・連絡用にと藍鷹騎士団に優先配備された飛翔騎士の操縦訓練も受けており、同じ訓練を積んだ団員達と共にボキューズ大森海第二次先遣調査船団(=エル・アディ奪回船団)にも参加する。
- デシレア・ヨーハンソン
- ガイスカの孫娘。元は国機研第一工房に所属しており、ダーヴィドが飛空船や飛翔騎士絡みでラボに出張していた時によく話していた相手。
- 銀鳳騎士団の大森海遠征帰還後、団が再編されて新体制へと移行したのを機に、国機研からの転属組として同僚の若手鍛冶師達を率いてやってきた。着任早々に巨人族と引き合わされ、彼らを幻晶騎士に偽装するための鎧作りを任された。巨人族との初遭遇に言葉を失うほど唖然としていたが、なぜ銀鳳騎士団が怖れられるのか急速に理解した模様。
紫燕騎士団
- トルスティ・コスケンサロ
- 近衛騎士団付の特設飛空船団団長を務め、当時まだ少数しかなかった飛空船の船長として魔獣との戦闘経験も積んでいた数少ない騎士。紫燕騎士団新設にあたり、その経歴を買われて初代騎士団長に抜擢された。第二次森伐遠征軍の先遣調査船団にもエルと同格の騎士団長として同行。穢れの獣との戦いでエルが森に消えたあと、無理やり戦場に引き返そうとするダーヴィドを彼の戦いが無駄になると説き伏せて王国へと帰還させた。
- ラーファエル・キヴィラハティ
- フレメヴィーラ王国東部にある小貴族キヴィラハティ子爵家の出身で、長子制の王国では家の後を継ぐ事がまずない三男坊として生まれる。学生だったときから騎士としての才能を示しており、幸運も手伝って紫燕騎士団の第一期生として選抜された。エドガー達の厳しい指導の中でその実力が開花していき、同僚の中でも最優秀の成績とリーダーシップを発揮するに至る。そして諸侯へのお披露目を兼ねた魔獣との実戦を控える紫燕騎士団において、最初に編成された実働部隊「キヴィラハティ中隊」の中隊長に任じられた。王国初の飛翔騎士を扱う紫燕騎士団に選抜されるということは、新時代の英雄となれるチャンスを掴んだ事と同義であるため、ここで身を立てて出世してやろうという若者らしい野心を持っている(これは騎士団員全員が大なり小なり持っている野心でもある)。
アルヴァンズ
- アーニィス
- 声 - 深川和征
- 国立機操開発研究工房との模擬戦で銀鳳騎士団が戦った秘匿部隊アルヴァンズのリーダー。剣捌きは隊内でも1、2を争う。
- 第1小隊を率いる。カルダトア・ダーシュ6機で迎え撃ち、自身はエドガーと一騎打ちしてお互いの腕を認め合った。
- ツーヴァ、イドラ
- 声 - 岩澤俊樹(ツーヴァ)、佐原誠(イドラ)
- アルヴァンズ第1小隊の隊員たち。ディーやエドガーと対戦した。
- ゼルクス、ユンフ、フィリア
- 声 - 中村和正(ゼルクス)、猪股慧士(ユンフ)、櫻庭有紗(フィリア)
- アルヴァンズ第2小隊の隊員たち。フィリアは紅一点。トイボックスやツェンドルグとの模擬戦闘で敗北する。
その他の軍人
- モルテン・フレドホルム
- 声 - 小柳良寛
- カザドシュ砦に駐留するディスクゴード公爵旗下の朱兎騎士団団長。乗機は騎士団長専用と位置付けられるウォートシリーズの幻晶騎士「ハイマウォート」。カザドシュ事変の際には、エルネスティと協力して賊に対処した。その後カルダトア20機を率いてライヒアラ騎操士学園へと来訪。エルが公爵と約束していた機体の受け渡しを行った。
- フィリップ・ハルハーゲン
- 声 - 間宮康弘
- ヤントゥネン守護騎士団団長。乗機は専用幻晶騎士「ソルドウォート」。ステファンの報を受けて守護騎士団を率い、ベヘモス退治に出撃した。
- ゴトフリート・ヒュバリネン
- 声 - 林大地
- ヤントゥネン守護騎士団副団長。乗機はカルディアリア。
- カーン、キュッヒル、ステファン、アーロ、ベンヤミン、クラエス(アーロ以下はアニメ未登場)
- 声 - 松本忍(カーン)、笠間淳(キュッヒル)、熊谷健太郎(ステファン)
- ベヘモスが襲撃したバルゲリー砦に所属した10名の騎士たちのうち、アニメ版では3名(カーン、キュッヒル、ステファン)が命名されている。Web版および書籍版では伝令役のアーロ、ベンヤミン、クラエス以外の名前は出ず。隊長のカーンはベヘモスの猛威の前に砦の陥落と自分たちが助からない事を悟り、この情報を後方の守護騎士団へ伝えさせるため、死ぬにはまだ早い若手騎士ステファン(Web版および書籍版ではアーロ、ベンヤミン、クラエス)を選び逃がした。その後残った5機で遅滞戦闘を行った末に全滅したが、実に数時間もの時間稼ぎに成功し逃がされた者たちは役目を果たした。またカーンの命を懸けた最後の一撃がベヘモスの瞼に傷をつけており、それがエルの勝利の切っ掛けとなった。
ライヒアラ騎操士学園
- ラウリ・エチェバルリア
- 声 - 池田勝
- エルの祖父。ライヒアラ騎操士学園の学長を務めている。アンブロシウスとも旧知の仲。
- マティアス・エチェバルリア
- 声 - 天神英貴
- エルの父。元々は騎操士として活躍していたが現在は一線を退き、ライヒアラ騎操士学園で教官を務めている。
- セレスティナ・エチェバルリア
- 声 - 大原さやか
- エルの母。エルと同じ銀色の髪を持つ。愛称はティナ。
- おっとりとした性格で少々天然ボケ。エルが幻晶騎士に出会う前まで、ずっと退屈で寂しそうな日々を送っていたのを心配していた。魔法に長けており、幼少期のエルにその手解きをしている。大きな出来事の後には、エルがティナにその内容を報告するのが一連の話の流れとなっている。
- ステファニア・セラーティ
- 声 - 千本木彩花
- キッドとアディの異母姉。ライヒアラ騎操士学園騎士学科に在籍し、キッドとアディより2学年上級になる。中等部2年時 - 3年時に生徒会長を務めた記述がある。
- 「可愛くて賢い子が大好き」を自称し、「図書館の姫君」と呼ばれていたころのエルに着目し、疲れている時など癒やしを求めてエルに抱きつくこともしばしば。弟のバルトサールとは違ってキッドとアディのことは本当の家族と見なし、優しく見守っている。文庫版では、陸皇(ベヘモス)事変後は卒業時期も含めて動静は不明だが、web版『Knight's & Magic 設定資料兼備忘録』では、ライヒアラ卒業後はセラーティ侯爵領に戻り、数年後には隣の領地の子息と結婚し、3児を授かる設定となっている。
- バルトサール・セラーティ
- ステファニアの弟にして、キッドとアディの異母兄。ヨアキムの次男。ライヒアラ騎操士学園騎士学科に在籍し、キッドとアディより1学年上級になる。テレビアニメ版では決闘シーンがカットされており、登場していない。
- 妾腹であるキッドとアディのことを目の敵にしており、学園内でアディを拉致してキッドを散々痛めつけるが、エルがアディを救ったことで形勢は逆転して惨敗し、学園や実家に叱られ、実家での謹慎を経て緋犀騎士団で扱かれる。その後、Web版では退学となって侯爵領の守護騎士団へ叩き込まれ、性根を鍛え直される姿を最後に登場しなくなる。
- ゲパード
- 声 - 西谷修一
- 騎操士学科の先輩の1人。ベヘモス戦で最初にディーと共に突っ込んで手柄の取り合いをするが、ブレスで消し炭にされた。
- サロネン、デマイネ、ティポー
- 声 - 野瀬育二(サロネン)、柳田淳一(デマイネ)、相馬康一(ティポー)
- ライヒアラ騎操士学園の講師たち。
王族・貴族
- アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラ
- 声 - 菅生隆之、竹内良太(青年期)
- フレメヴィーラ王国第10代国王。一般には「獅子王」の異名を取る名君だが、即位前はむしろ悪戯好きで暴走癖があり、作中では「エルに新機種の開発をけしかける」「銀鳳騎士団の設立を(事実上の独断で)決める」など、その性格が垣間見える動きも見せた。
- 若いころから騎操士として相当な腕前を誇り、数々の武勇伝を持つ。国内随一の槍の名手でもあり、老いてなおその腕前は健在である。
- 文庫版では西方暦1280年夏(web版では西方暦の記述が始まる前)に、新鋭機カルディトーレの完成を迎え、新しい時代の幕開けを悟って、在位36年で王位を引退し、第一王子のリオタムスに後を譲る。その後は出番が減少する一方、生来の悪戯好きが再び表に出つつあるため、騒動を治めるどころか大きくする傾向がある。
- 退屈な余生を過ごさないために必要だとエルに自身の乗騎製作を依頼し、その場に居合わせたエムリスの意見も聞き届けて2機分を発注した。届いた金獅子と銀虎を巡ってエムリスと一騎打ちを演じたりもしたが、結果としてそれを彼の成長につなげたりと名君ぶりは変わっていない。一騎打ちで負けたために銀虎(ジルバティーガ)を乗騎としたが、エルに確認はしたものの、中身はまったく同じものだと見越しており笑って受け入れていた。
- リオタムス・ハールス・フレメヴィーラ
- 声 - 相馬康一
- アンブロシウスの長男であり、彼の跡を継いでフレメヴィーラ王国第11代国王となる。略称は「リオ」。
- 性格はアンブロシウスにはあまり似ず冷静沈着であり、彼自身もまた王として有能。文庫版では西方暦1280年夏(web版では西方暦の記述が始まる前)の王位継承後、政治の描写場面ではほぼリオタムスがメインとなる。エルの暴走に振り回されるのが悩みの種ではあるが、手綱の取り方自体は上手く、いつも国益に叶ういい落としどころに落ち着かせる。
- エムリス・イェイエル・フレメヴィーラ
- 声 - 小野大輔
- アンブロシウスの孫にしてリオタムスの次男。専用機は金獅子(ゴルドリーオ)。
- 王族とは思えない粗野な言動や振る舞いが目立ったため、教育のため友好国であるクシェペルカ王国に3年ほど留学に出されていた。王宮関係者からは「若いころのアンブロシウスに瓜二つ」、エル(テレビアニメ版ではアディ)に「脳筋」と評される。破天荒なエルのことを(ひいては銀鳳騎士団を)気に入り、行動を共にすることが多い。騎操士としての腕前は相当に高いが、アンブロシウスからすればまだまだ未熟らしい。それでも一騎打ちで良い勝負をしたうえ、一か八かで突貫して勝利をもぎ取り、エルが造った王族専用騎の金獅子を獲得した。
- クシェペルカ事変では、留学していた関係で先方の王族と面識があることから、銀鳳商会を率いる若旦那としてクシェペルカの救援に向かった。戦争終結後は救国の立役者としてクシェペルカ王国へ大きな影響力を持つようになり、大使として派遣される。その際に補佐役としてキッドを指名し、供に連れて旅立っている(これは、エレオノーラとキッドの関係を知ったうえでの配慮でもある)。
- クヌート・ディクスゴード
- 声 - 土師孝也、間島淳司(青年期)
- フレメヴィーラ王国の公爵にしてアンブロシウスの側近。若いころは暴走癖のあったアンブロシウスを諌める役割を担っていたため、王宮では陰で「猛獣使い」と呼ばれている。
- テレスターレ開発後にエルの政治的野心を疑い、自領に軟禁して詰問するが、その過程で彼とアンブロシウスが非常に似た者同士であることに気づく。これ以降はエルを認めて彼の最大の支援者となり、エルの方もディクスゴードのことを信頼している。
- 文庫版では西方暦1280年夏(web版では西方暦の記述が始まる前)のアンブロシウスの国王譲位と同時に公爵位を息子に譲位しているが、それでもまだ大きな影響力を持っている模様。
- エルとアディがボキューズ大森海に消えた際にも、彼らを探しに行こうとする銀鳳騎士団のスポンサーとなった。
- ヨアキム・セラーティ
- 声 - 木下浩之
- フレメヴィーラ王国の侯爵にしてキッド、アディ、ステファニア、バルトサールの父。妾であるイルマタルのことは本来は側室に迎えるはずだったが、正室があまりに嫉妬深かったために愛妾という形にせざるをえなかった経緯がある。そのため、態度には出さないが妾腹であるキッドやアディのことも大切な我が子としているが、彼らには誤解されてかなり苦手に思われている。
- 当初はディクスゴード公爵と同様にエルの存在に危惧を抱いており、新型機を考案するエルのことを報告してほしいと、キッドとアディに頼み込んだ。テレスターレの一件が落ち着いてからはディクスゴードと同様にエルを認めたようで、探りを入れたりはしなくなった。
- エルとアディがボキューズ大森海に消えた際に、ディクスゴードと共に彼らを探しに行こうとする銀鳳騎士団のスポンサーとなった。その際に娘のアディのことを心配する様子を見せるが、キッドやアディとの親子関係は一部の要人を除き表沙汰になっていない案件であるため、銀鳳騎士団はその態度に疑問を抱いていた。
国立機操開発研究工房
- オルヴァー・ブロムダール
- 声 - 松岡禎丞
- 国立機操開発研究工房の所長。さわやかな青年という容姿に落ち着いた性格で、ナイトスミスたちをまとめ上げる。
- その素性は、森都より衛使として徒人(人類)との橋渡しの役目を負って派遣されているアルヴの民であり、年齢も80を超えている。アルヴとしてはまだまだ若く徒人(人間族)のように感情が豊かであり、エルが巻き起こす騒動や新技術を楽しみにしている。
- ガイスカ・ヨーハンソン
- 声 - 麦人
- 国立機操開発研究工房第一開発工房の工房長。ナイトスミスたちを取りまとめ、新型機開発に情熱を燃やす。
- 登場当初は、長年停滞したままの幻晶騎士開発に諦念を抱いて技術者の志を失っており、得た権力にただしがみ付くだけの老人だった。功名心に駆られるあまり、所長のオルヴァーのことも心よく思っていなかった。しかし、銀鳳騎士団との模擬戦を経て数々の新技術に触れた事で失った情熱を取り戻し、憑き物が落ちた様に考えを改めラボを上げてのエル達との協力体制を築く。
- 東方様式の最新鋭機量産化に、新時代を拓く飛空船や飛翔騎士の量産化といった数々の功績によって図らずも鍛冶師の歴史に名を残す事になるが、寄る年波には勝てず引退。後進に後を託して隠居……とはいかず、今でも有り余る元気さで度々ラボに顔を出して槌を振っており、そのたびに孫娘のデシレアに連れ帰られていた模様。
アルヴの民
web版では種族名のアルヴの代わりにエルフという用語が用いられている。耳が長く体内に触媒結晶を有し、素で大規模高精度な魔法を揮う。寿命は500年内外。100歳を超えると、眠りと思索の間に生きるようになる。
- キトリー・キルヤリンタ
- 声 - 潘恵子
- アルフヘイムに住む
大老 ()の女性。日頃は横たわっており、瞼を開けることすらほどんどない。 - テレビアニメ版第8話では、魔力転換炉の知識を短時間で習得したエルに「
童 ()よ。徒人でありながら徒人とは別なる理 ()を知る者よ。」と言葉をかけるなど、彼が転生者であることに気付いている節が描かれている。 - オルヴァー・ブロムダール
- #国立機操開発研究工房を参照。
その他
- ペッレルヴォ・カイタラ
- Web版に登場する、フレメヴィーラ国内では有名な城砦建築の専門家。恰幅のよい男性。ボキューズ大森海に面する重要な砦のいくつかや、オルヴェシウス砦の設計を行った。
ジャロウデク王国
銅牙騎士団
- ケルヒルト・ヒエタカンナス
- 声 - 井上喜久子
- 銅牙騎士団の団長を務める女性。本文中に記述は無いが隻眼。顔の皺が目立ち始めたとの記述があり、web版では30代の設定。
- フレメヴィーラの王都に潜伏してのスパイ活動中にテレスターレの情報を得て、本国の命令によりカザトシュ事変でテレスターレ(トランドオーケス)を強奪して逃走し、かなりの部下を失いながらも本国への搬入に成功した。web版では、過去の失態による左遷でフレメヴィーラに派遣され、新型幻晶騎士の鹵獲の功績で悲願の本国復帰を果たす。
- ロカール諸国連合征服戦、クシェペルカ王国侵攻およびその後の占領地防衛戦に銅牙騎士団を率いて動員された結果、部下の大半を喪失したうえ、四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦(web版ではデルヴァンクール防衛戦、アニメ版では宿場町ミシリエにおけるエレオノーラ暗殺任務中[8])でエドガーに討たれて死亡する。
- ベルナル、シェニエ、バッカス、グレコ
- 声 - 木内太郎(ベルナル)、岩澤俊樹(シェニエ)、斎藤寛仁(バッカス)、佐原誠(グレコ)
- 銅牙騎士団の団員たち。カザドシュ事変でベルナルとシェニエはケルヒルトと共に逃走し、バッカスとグレコはカザトシュ砦に残って戦った。
王族・その他
- バルドメロ・ビルト・ジャロウデク
- ジャロウデク王国国王。
- 西域統一戦争=後世呼称:大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)の準備を進めるも、大西域戦争開始時点で病魔に倒れており、代わってカルリトスが国王代理として戦争を開始した。
- 文庫版では戦争終結後の消息は不明だが、web版では銀鳳商会(騎士団)が西方撤収した年(西方暦1290年)の年末迄に敗戦による心労と病により逝去する。
- 人物像に付いてはほとんど記述が無いが、Web版では入手したテレスターレを視察する時の会話から専制的国王であることがわかる。
- カルリトス・エンデン・ジャロウデク
- 声 - 綿貫竜之介
- ジャロウデク王国第一王子。
- 病に倒れたバルドメロの国王代理として、昔の西域統一国家:世界の父(ファダーアバーデン)復活を名目に、大西域戦争を開始する。
- 文庫版では銀鳳商会(騎士団)西方撤収開始後の消息は不明だが、web版では敗戦により周辺国に攻め込まれて国土の約六割までも失った責任を問われ、王位を継承することなく諸侯の手により放逐された。
- クリストバル・ハスロ・ジャロウデク
- 声 - 千葉進歩
- ジャロウデク王国第二王子。カタリーナの弟。略称クリス。ロカール諸国連合侵攻戦全期及び、クシェペルカ王国侵攻戦前期の現地指令。騎操士としての実力は高く、王都デルヴァンクール攻略時に国王と一騎打ちを行い討ち取った。苛烈な性格をしており、エレオノーラの事を「辛気臭い女」と評したり、クシェペルカ王国を「ふ抜け共」と評した他、奪われたクシェペルカ王族の奪還に失敗したドロテオを痛めつけたりした。
- 旧クシェペルカ王国東方領最東方の町ミリシエ攻略戦時(web版では旧クシェペルカ王国旧王都デルヴァンクール防衛戦時)に、本陣船上でアルケローリクスに搭乗してイカルガと一騎打ちを行うが全く刃が立たず、急場しのぎにエルを勧誘するも彼の返答[7]の前に絶望して幻晶騎士ごと地上に飛び降り戦死する。アニメ版ではエルの思い通りにはさせんと、船を破壊し共に墜落して戦死する。
- カタリーナ・カミラ・ジャロウデク
- 声 - 櫻井浩美
- ジャロウデク王国第一王女。クリストバルの姉。web版には登場しない。
- クシェペルカ王国王都デルヴァンクール攻略後のクシェペルカ王国侵攻戦前期の占領地統治最高指揮者。クリス戦死後のクシェペルカ王国侵攻戦後期の現地指令。
- 最後の決戦[9]における敗北時にデルヴァンクール王城からの脱出を図らなかったため、人質としてクシェペルカ王国に囚われる。エレオノーラの口から身柄を交渉に使われる事は語られているものの、その後の消息は不明。
- ドロテオ・マルドネス
- 声 - 稲田徹
- クリスの参謀。クリスへの忠誠心は極めて篤い。昔は騎士として身を立て、高齢による引退後にクリスの指南役に命ぜられ、クリスが長ずるにつれ腹心の部下へとなってきた。旧騎士時代の部下や義息グスターボを部下に抱える。未だ全ジャロウデク王国で五指に入る実力者とされる。
- クシェペルカ王国征服後は、旧王都デルヴァンクールのラスペード城指揮官となる。ラスペード城内の尖塔に幽閉していたマルティナ、イサドラ、エレオノーラが奪われ、奪還すべく、飛空船で捜索し捕捉襲撃するも、イカルガの反撃に敗退し、クリスに復命謹慎する。この時オラシオに魔導噴流推進器を独自開発させるヒントとなった、イカルガ飛行の様子を伝えている。
- クリスの敗死後、現地総指揮となったカタリーナへのオラシオの要請により謹慎が解かれ、武装化される飛空船運用戦闘教義を敗残の鋼翼騎士団と共に研究することをカタリーナより命ぜられる。
- クリス戦死への報復を命を賭けて誓い、続いてお蔵入りから新技術の導入により実用状態に入った飛竜戦艦(ヴィーヴィル)の操縦者兼船長となり、各戦地にで惨禍を振り撒きイカルガとの死闘を繰り返す。新コンセプトと新技術が天こ盛りで当時としては複雑極まりなく気難しい巨大ウェポンシステム飛竜戦艦を、その墜落の時まで問題なく操縦指揮運用する能力は、単なる騎操士の範囲に収まらない。
- 四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦で、飛竜戦艦に新装備された竜血炉(ブラッドグレイル)稼動や、通常魔力転換炉への高濃度エーテル供給を、飛行戦闘可能時間の激減を覚悟の上で決行するものの、戦闘開始時に対空衝角艦(ジルバヴェール)に艤装された、内蔵式多連装投鎗器(ベスピアリ)から投ぜられた魔獣油焼夷弾頭魔導飛愴(ミッシレジャベリン)群の斉射で受けたダメージもありイカルガに遂に適わず、最期にイカルガと戦闘を続けつつ、エレオノーラが搭乗するカルトガ・オル・クシェール二世(セカンド)への特攻を行うも、対空衝角艦からの通常徹甲弾頭魔導飛愴群の斉射を受け、最期にキッド操縦のツェンドリンブルによる騎鎗突撃で搭乗する竜騎士像ごと腹部を貫かれ戦死した。
- 操縦を失った飛竜戦艦は、イカルガの力を得た対空衝角艦による横押しと、イカルガからの法撃ダメージによる浮力喪失で落下進路がずれた結果四方楯要塞に落着し、要塞諸共粉砕しただけでなく、要塞内部に後詰めとして待機していた翠玉竜騎士団も巻き添えとなった。
- web版では、登場時名誉男爵で鋼翼騎士団の一翼を担っている。ラスペード城陥落時脱出し、銀鳳騎士団と合流したマルティナ、イサドラ、エレオノーラを飛空船で捜索捕捉し、部隊と共に地上に降下し襲撃するも、銀鳳騎士団の反撃に敗退し、ケルヒルトが指揮する飛空船に回収され、ケルヒルトからフレメヴィーラの介入を知らされ、クリスに復命、クシェペルカ王国南北領征服を命ぜられる。一定の戦果を挙げた後、ジャロウデク混成軍東方領制圧作戦総大将に任ぜられ、妨害を受けつつも前進するも、ジェデオン都市要塞攻略戦で敗退する。クシェペルカ王国北領の侵攻に従事し、デルヴァンクールでクリスに復命中に、クシェペルカ王国軍デルヴァンクール侵攻の報を知る。コデルリエ平原での野戦でストールセイガー他から部下を率いて降下、エレオノーラが搭乗するカルトガ・オル・クシェール二世(セカンド)への強襲を行うも、直衛の金獅子(ゴルドリーオ)に阻まれる。グスターボに担がれ戦場から脱出し、クリスの敗死を知らされ、復讐を誓う。
- 本国でカルリトスに復命し、オラシオの具申で一度は計画中に頓挫した飛竜戦艦の実用化と侵攻してくる諸外国からの本国防衛を命ぜられ、その任務を達成する。クシェペルカ王国領西部国境付近で、クシェペルカ王国軍+銀鳳騎士団と会戦に入り、イカルガとの空戦で最大化戦闘形態(マキシマイズ:源素供給機による魔力転換炉への高濃度エーテル供給で多量の魔力を生み出すモード。魔力転換炉が早期に劣化する)をも投入するも敗れ、エレオノーラが座するストールセイガーに特攻、最期はキッド操縦のツェンドリンブルによる騎鎗突撃で搭乗する竜騎士像ごと腹部を貫かれ戦死し、飛竜戦艦諸共地上に落下した。
- グスターボ・マルドネス
- 声 - 松風雅也
- ドロテオの義子。略称:グスコ。大西域戦争期のジャロウデク王国騎操士。剣は強いから剣を沢山付けた方が強くなる、との狂信じみた考えの元、幻晶騎士(シルエットナイト)や服装も沢山の剣を装備する奇行を、ただその戦闘力とその実績だけで周囲に認めさせている騎操士。他騎士団では受け入れられなかったのか、登場時はドロテオの部下であった。Web版 Knight's & Magic 設定資料兼備忘録では、元はドロテオの同僚の子供であったが、とある戦いにおいて同僚が戦死し、遺された彼をドロテオが引き取ったという設定になっている。
- クリス発ドロテオ経由の命令で、蠢動する銀鳳騎士団討伐に参加し、銅牙騎士団からの情報で、他のドロテオの部下と共に飛空船で銀鳳騎士団第二中隊を、飛礫の雨(カタパルト)及び幻晶騎士の空挺展開で襲撃するも、討伐は不首尾でケルヒルトが指揮する飛空船に回収される。ラスペード城内からマルティナ、イサドラ、エレオノーラを奪われ、奪還失敗に終わったドロテオ共々、クリスの指示で謹慎する。
- クリスの敗死後、現地総指揮となったカタリーナにより謹慎が解かれ、ティラントー地上部隊を率いて、ドロテオが初めて実戦操縦指揮する飛竜戦艦(ヴィーヴィル)と共同の城塞都市に参加。以後、翠玉竜騎士団・飛竜戦艦と共同で城塞都市~砦群攻略戦群を転戦、一連の戦闘の最期で銀鳳騎士団と激突、グスコ騎乗のソードマンは、グゥエラリンデと刺し違える結果となるも、生還する。
- 四方楯要塞(シルダ・ネリャック)及びデルヴァンクール防衛戦に備えて、カタリーナより下賜されたアルケローリクスに沢山の剣を取り付け死者の剣(デッドマンズソード)と改装改称する。四方楯要塞防衛戦では、藍鷹騎士団による工作で降りた城門跳橋上で、単機無双防衛しアルディラッドカンバーと激突、代わりに入ったケルヒルト搭乗のヴェイロキノスに後を任せ、周囲の部隊と共にエレオノーラ騎乗のカルトガ・オル・クシェール二世を強襲、最終防衛の金獅子(ゴルドリーオ)を突破に掛かる。ヴェイロキノスを撃破したアルディラッドカンバーが支援に入り、装着した剣を立てる目覚めよ我が剣(ウエイクアップデッドマンズ)モード+源素供給器からの魔力転換炉への高濃度エーテル供給ブーストで突破を図るも、アルディラッドカンバーが身を挺して拘束し、最期は金獅子から不完全出力の獣王轟咆(ブラストハウリング)の直撃を受け擱座するも、ベースたる王族騎アルケローリクスの操縦席防御性能にも救われ生存する。その後捕虜となってから解放されたのか、自力脱出したのかは不明。
- グスターボは、大西域戦争の全期間に渡って前線で戦い生存した名前の知られた唯一の登場人物で、諸外国にリークされた飛空船技術の実用化に諸外国がリソースを振り向けたという奇貨はあるにせよ、ジャロウデク王国防衛戦に転じた大西域戦争の後半戦に於いて鉛骨騎士団内で一部隊を率いて戦い抜き、作者(地の文)を含め誰からも褒められた記述は無いものの、国土の相当量を失いながらも遂にジャロウデク王国を護りきった、救国の英雄である。
- web版では、ラスペード城陥落時脱出し、銀鳳騎士団と合流したマルティナ、イサドラ、エレオノーラを飛空船から義父の指揮の下、義父・部隊と共に地上に降下し襲撃するも、銀鳳騎士団の反撃に敗退し、ケルヒルトが指揮する飛空船に回収された。以後義父に従い転戦する。デルヴァンクール防衛戦のコデルリエ平原会戦でストールセイガー他から強襲降下、エレオノーラが搭乗するカルトガ・オル・クシェール二世(セカンド)への強襲を行うドロテオの支援の為護衛のグゥエラリンデと戦い、敗北する。カルトガ・オル・クシェール二世直衛の金獅子に敗れた義父を担いで戦場から脱出、本国に帰還する。
- カルリトスの指示により、ズーティルゴを、源素供給器(エーテルサプライヤー)を大量に搭載し、剣だらけに改装した死者の剣(デッドマンズソード)を受領、飛竜戦艦を操縦指揮する義父と共に、侵攻してくる諸外国からの本国防衛にあたる。クシェペルカ王国領西部国境付近で、クシェペルカ王国軍+銀鳳騎士団と会戦に入り、グゥエラリンデとアルディラッドカンバーとの戦闘に入り共倒れとなり、義父を失うも本国に生還する。以後も前線に立ち、文庫版と同じく国土を失いながらもジャロウデク王国存続に成功した。
- オラシオ・コジャーソ
- 声 - 中村悠一
- 若干30歳でジャロウデク王国の開発工房長となった天才技術者。気力が抜けたようなふざけたような独特の喋り方が特徴。アニメ版で初めて容姿がデザイン化され、ぼさぼさの長髪にメガネを付けた男性となっている。
- 一族の研究成果である純エーテル作用論を元に、ジャロウデク王国の支援を得て源素浮揚器(エーテリックレビテータ)を開発し、世界初の飛空船(レビテートシップ)を実用化した。伝聞情報だけ(アニメ版では目視している)を元に魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)を独自再現した他、その技術を用いて飛竜戦艦も完成させた[10]。他にも事実上高濃度エーテル専用の高出力魔力転換炉「竜血炉(ブラッドグレイル)」を開発試作した[11]。
- 彼の空に掛ける情熱はエルネスティに引けをとるものではなく、エルが人型ロボットならオラシオは飛空船と、情熱を向ける先こそ異なるがその開発に執念を燃やす姿には共通点がある。幻晶騎士でありながら飛行可能なイカルガの事を不愉快極まりない代物と評したが、一方で幻晶騎士が空を飛べるなら源素浮揚器なんて作らなかったと語っている。
- 四方楯要塞防衛戦で飛竜戦艦が堕ち、ジャロウデク王国の敗北が決まった時点で味方を見捨ててさっさとクシェペルカ王国から脱出(Web版ではオラシオは本国に留まっていた)、飛竜戦艦に関する基幹技術の大半を抱えたまま本国からも姿を消した。その後の動静は不明。アニメ版ではエルとの戦闘を直で観察するためドロテオと共に飛竜戦艦に乗り込み、戦場に赴く。
クシェペルカ王国
- アウクスティ・ヴァリオ・クシェペルカ
- 声 - 堀秀行
- クシェペルカ王国の国王。
- ジャロウデク王国による王都デルヴァンクール侵攻時には、マルティナ母娘とエレオノーラを逃がすために王城に残り、国王騎カルトガ・オル・クシェールを駆ってクリストバルとの一騎打ちの果てに戦死した。騎操士としての実力は凡庸と記載されている。
- フェルナンド・ネバレス・クシェペルカ
- アウクスティの弟であり大公。
- Web版と書籍版では立ち位置が全く異なる。Web版では生き残ったクシェペルカ王弟として反ジャロウデクを主導し、女王となったエレオノーラを戦争終結まで補佐した。書籍版およびテレビアニメ版では王都陥落後すぐに東都を攻められ、作中に登場することなく戦死した事だけが告げられた。
- エレオノーラ・ミランダ・クシェペルカ
- 声 - 田村ゆかり
- アウクスティの一人娘。王位継承権第1位。
- アウクスティに溺愛され甘やかされて育ったことから心が弱く、王都陥落直後は自失してまともな反応を見せず人形のような状態になっていた。この時マルティナはこのままでは心が持たないと危惧していた。その後、東部への逃避行時にジャロウデク軍に捕まりフォンタニエのラスペード城にて幽閉(Web版では捕まる寸前に銀鳳商会に保護されたため以降の内容が大きく異なる)。クリストバルの妻となるよう強要され、すべてを諦め無気力で陰鬱な雰囲気を漂わせるようになっていた。
- 銀鳳騎士団が救助に来た際にキッドの騎士の誓いを受けて決意を固め脱出したが、その後も中々立ち直れずにおり、エムリスは女王の重責を担うのはとても無理だと判断していた。しかし、即位への説得を皆から丸投げされたキッドに部屋から連れ出されて外の世界を見たことで女王として立つことを決意。覚悟が定まった事で次第に女王らしさを身に着けていった。
- 自身の騎士となり助けてくれるキッドにほのかな想いを抱いており、女王になってからは彼への態度も時に茶目っ気混じりの攻めの姿勢へと変化。身分の差に関係なく、自分がそう呼びたいからという理由でアーキッド様と呼ぶようになる。戦争終結後に銀鳳騎士団が帰還することになった際には、キッドとの別れに涙を見せた。
- マルティナ・オルト・クシェペルカ
- 声 - 田中敦子
- フェルナンドに嫁いだリオタムスの妹であり、大公妃。また、前フレメヴィーラ国王アンブロシウスの娘であり、エムリスの叔母に当たる。女傑であり、覇気を見せる際にはやはりエムリスと血がつながっているのだなと思わせる物言いを見せる。
- Web版ではフェルナンドが生存していることから出番があまりないが、文庫版やテレビアニメ版では戦死した夫に代わり、反ジャロウデクを主導した。
- イサドラ・アダリナ・クシェペルカ
- 声 - 朝井彩加
- 大公妃マルティナの娘。臣籍降下しているとはいえ父親はクシェペルカの王族には違いなく、従妹の王女エレオノーラの数少ない同年代の友人として彼女から色々な相談を受ける立場だった。時と場合によってはエレオノーラにさえ語気を荒げるほど勝気な性格。従兄のエムリスをリース兄と呼び、彼からは妹のような存在と認識されているが、イサドラ自身はどうやら想いを寄せているようであり、エムリスの前ではしおらしい一面も見せる。
- エレオノーラの女王即位後は幻晶騎士を操縦できない彼女に代わり、複座仕様で再建された国王騎カルトガ・オル・クシェール二世の騎操士を務める。
- モデスト・レトンマキ
- 声 - 佐々木義人
- Web版と書籍版で名前が異なり、Web版がカープロ・レトンマキで書籍版(およびアニメ版)がモデスト・レトンマキ。東方領の片隅にあるレトンマキ男爵領を治める小貴族で、山地を活用した要塞じみた関所を所有しており、有事の際の東西間の防壁としての役割を父祖の代から担ってきた。Web版では登場後すぐに戦死するが、書籍版では初期から銀鳳商会と接触した貴族として反抗勢力の中核を担っていた。
- 戦死する展開はWeb版も書籍版も基本的には同じで、女王となったエレオノーラを討つべく進軍してきたクリストバル率いる黒顎騎士団を領地で待ち受け交戦。本来この進軍に対しては戦わずミシリエ(Web版ではフォンタニエ)に退くよう指示されていたが、代々の防壁としての役割を放棄することを好しとせず、寡兵を承知で籠城して少しでも新生王国軍が戦力を整える時間を稼ごうとした。彼と志を同じくして砦から退くことを拒んだ配下の騎士団と共に大軍に立ちむかい、僅かとはいえ時間を稼ぎ戦死した。アニメ版では戦死しておらず、燃える砦を離れた場所から悔しそうに見つめていた。
ボキューズ大森海
#ボキューズ大森海(用語)も参照。
巨人族(アストラガリ)
カエルレウス氏族(ゲノス・デ・カエルレウス)
- 三眼位の勇者(フォルティッシモス・デ・ターシャスオキュリス)
- 大森海の迷子になったエルとアディが遭遇した巨人族(アストラガリ)の勇者で、遭遇当初はルーベル氏族子飼いの小鬼族と誤解して戦いを挑んだ。そこでエルに敗北したことで誤解を正し、以降はエルを小鬼族の勇者と呼ぶようになり、二人を氏族の同胞として集落に迎え入れた。義に厚く頑固なところがある性格で、自身の考え方とまるで異なるエルの行動に振り回される事が多かったが、逆に自らの無知を反省して学んだりといった姿勢もみせた。
- 集落壊滅の際にはエル達と共に村から離れており、長であった魔導師を守れなかったことに激しい後悔を抱き、跡を継いだ小魔導師を今度こそ守ると誓った。逃避行の最中、エルの意見でルーベル氏族の支配領域へと踏み込み、偶然小鬼族の下村へと辿りつく。そこで村人たちとの交流を経て小鬼族と共存できるということを知る。村でエルが造り出した巨人用の魔導兵装の扱いを習熟することで衰えた氏族の戦力を補充。ルーベル氏族との決戦に望み、最終的にはエルと穢れの獣の魔王との決着を見届け彼の事を虹の勇者と呼ぶようになった。銀鳳騎士団が帰還する際に、フレメヴィーラ王国からの遣いが戻ってくるまでの間の下村の小人族(読みはヒューマン、戦いを経て小鬼族から改称した)の護衛をカエルレウス氏族で引き受け、勇者自身はエル達と共に旅立ち小魔導師を支えると宣言した。
- 四眼位の魔導師(マーガ・デ・クォートスオキュリス)
- 巨人族の小氏族の一つであるカエルレウス氏族を率いる四眼の巨人で、かなり高齢の老婆。エルと勇者の戦いを通じて小鬼族の事を知る必要があると見定め、勇者と共にエルとアディの二人を氏族に迎え入れた。ルーベル氏族との戦いの準備を進めていたが、諸氏族連合軍を発足しようとした矢先に我欲に駆られたアーテル氏族の裏切りに合い、彼らの密告を受けたルーベル氏族に操られた穢れの獣による集落襲撃を受け命を落とした。
- 小魔導師(パールヴァ・マーガ)
- 幼名をラーミナという、カエルレウス氏族の新しい指導者。巨人族は号を継いだ時点で幼名は名乗らなくなるのが習わしであるため、以降はパールヴァ・マーガ(通称パール)と呼ばれるようになる。四つ目だが、人間から見ても可愛いと思う容姿である模様。
- 小魔導師を継いだもののまだ幼く、魔法もあまり習わないうちに先代が死去したためにただの非力な子供でしかなかった。そこで強力な魔法を操るエルとアディに師事することを決意。規格外の師匠二人が巨人の魔法水準を知らなかったため、幻晶騎士の戦術級魔法を基準とした教育を施され、巨人族のなかでも異常な魔法能力を育成されることとなった。
- エル達と行動する中でいち早く銀鳳騎士団との出会いを果たし、彼らの助力を得て諸氏族連合軍を発足。ルーベル氏族との決戦に臨んだ。大森海での戦いが終結したあと、小人族の国を自分の目で見る必要があると、帰還するイズモに搭乗してフレメヴィーラ王国へと旅立った。
- ナブ
- Web版では未登場。小魔導師の幼馴染で、三眼位の巨人。いずれ勇者を継ぐのが目標。エルやアディと遊ぶなかで騎士団員と認定され、第四巨人中隊(仮称)の隊員となる。集落が滅ぼされた際にはラーミナを連れて何とか逃げ延びたが、何も出来なかった自身の無力さに涙し、エルが発案した巨人用の魔導兵装の練習に加わって戦う力を身につけようとしている。
- 一眼位の従者
- 三眼位の勇者に仕える従者の役割を持つ一つ目の巨人。勇者の指示でエルの手伝いに駆り出されて主に荷運びなどを担当したが、彼の無茶振りに振り回され精神的に疲弊したりと苦労していた。巨人の中で一番能力の低い一眼位ではあるが、意外と機転が利くためルーベル氏族の支配地域への潜入でも勇者の代わりに敵のルーベル氏族への対応に当たった。
ルーベル氏族(ゲノス・デ・ルーベル)
- 五眼位の偽王
- 巨人族最大の規模を誇るルーベル氏族の長。本来、巨人族の王は六眼位でなければ継承出来ないが、最大氏族という驕りに穢れの獣を従える優位性から、掟を無視して自ら王を名乗った。小鬼族を奴隷として酷使し、他の氏族全てを不要と断じて滅ぼそうとするなど暴虐振りが目立つ。だが最後は小王の策で背後を突かれ、頼みの綱だった穢れの獣の攻撃によって氏族丸ごと瘴気に包まれた。五眼位の耐久力で自身は瀕死になりながらも一命を取り留めたものの、半分にも満たない数しか生き残れなかったルーベル氏族はかつての最大氏族の面影も無いほど落ちぶれた。
小鬼族(ゴブリン)
- 小王(オベロン)
- 小鬼族と呼ばれルーベル氏族に隷属する人間族(第一次森伐遠征軍の末裔)の王。表向きはルーベル氏族に従っているが、内心では両親を穢れの獣の魔王の中枢に封じた巨人族への憎しみが募っている。
- 実は人間を装っているアルヴで、両親の寿命が尽きる前に故郷たる西の地へと連れ帰るのが望みであり目的。数百年前の敗走から、両親が末裔達をどう導いてきたかの経緯を知っている。小鬼族が技術を残せた事とルーベル氏族が獣を従えられた理由がここにあり、両親が魔王を眠らせアルヴの滅びの詩(ネクローリスソング)で獣を操っていたというのが正解だった。
- 末裔を率いる王とはいえ、両親をこの地に連れて来た徒人に対してはあまりいい感情を持っておらず、役に立つ貴族階級(騎操士や鍛冶師の末裔)が住む上街と呼ばれる地域しかまともに保護していない。下層の人間が住む下村は、森に半ば放置して一定期間毎に「御納め」という取り立てをしていただけなため、村々は貧困と魔獣の脅威に常に晒されていたが、彼は毛ほども気にしていなかった。
- 魔王を支配し制御するため長きに渡って雌伏の時を過ごし、獣を増やして戦力増強を計りながら反逆の機を窺っていたが、西から来たエル達の船団と遭遇した事で時期到来と帰還計画を立案。カエルレウス氏族と行動を共にしていたエルへと接触して彼らに共闘を持ちかけ、切り札たる魔王と穢れの獣を生体改造した指揮官騎「幻操獣騎(ミスティックビースト)」を起動。諸氏族連合軍とルーベル氏族の決戦の最中に背後から牙を剥いた。ルーベル氏族を穢れの獣の瘴気で包んだあと、全ての巨人族を滅ぼして西へ帰還するために銀鳳騎士団の船団に合流しようとしたが、最初から小王を信用していなかったエルによって拒絶され本性を表した。騎士団との戦いの最中、魔王の体内に侵入して中枢部を潰そうとしたマガツイカルガを身を挺して防ごうとしたが、攻撃命中の直前に制御不能となって逃げ出した幻操獣騎により魔王から強制退避させられそれ以降の消息は不明。中枢の巨大な水晶球に封入されていた彼の両親は、エルが確保してフレメヴィーラ王国に持ち帰っており、近いうちにアルヴヘイムの大老キトリーの下へ持ち込まれる予定。図らずも彼の「望み」だけはかなった形になっている。
登場メカニック
幻晶騎士
フレメヴィーラ王国製
従来型
サロドレア | |
---|---|
所属 | フレメヴィーラ王国 ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | 量産機 |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 各種魔導兵装 盾 |
搭乗者 | マティアス・エチェバルリア フレメヴィーラ王国軍兵士 ライヒアラ騎操士学園生徒 |
- サロドレア
- カルダトアの一世代前にあたる旧式機。作中より約300年前に設計・開発された歴史ある骨董品。カラーリングは茶褐色に黄色のアクセント(アニメ版)。
- 一部機構が複雑な部分があり、カルダトアに比べて整備性に劣るが、性能自体は大きな差がない。フレメヴィーラの優れた汎用性と操縦性はこの時点で完成されている。
- 現在一般的に稼働している機体はカルダトアから一部機構を流用し、整備性が改善されたアッパーバージョン。ただし、ライヒアラ騎操士学園の訓練機体や商人に払い下げられたものを含め、大体が原形を留めぬほどに改造されている。
- 設定資料兼備忘録の記載と、文庫のファダーアバーデン設定を会わせると、森伐遠征軍におけるファダーアバーデン王国製の最新鋭機種で、前述の記載から幻獣騎士の原型機でもある模様。
アールカンバー EARLECUMBER | |
---|---|
所属 | ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.1m |
重量 | 18.4t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 魔導兵装「雷の杖(アークゥイバス)」 盾 |
搭乗者 | エドガー・C・ブランシュ |
- アールカンバー
- ライヒアラ騎操士学園が所有する訓練用の機体。搭乗者はエドガー。長剣と盾、魔導兵装として「雷の杖(アークゥイバス)」を装備する。
- サロドレアがベースで、非常に良好な操作性をそのまま維持している。その代わりに型落ちの凡庸な機体止まりであったが、正規の騎操士にも劣らない際立った技量を持つエドガーが操ることにより学園内では最強の騎士であった。
- カザドシュ事変において、ケルヒルトの操るテレスターレと交戦。機体性能で勝る敵に対し善戦するも力及ばず大破。魔力転換炉を損傷するほどのダメージを受け作中から退場した。
- カラーリングは白。この白一色という塗装は御前試合で搭乗したテレスターレや後継機であるアルディラッドカンバーにも受け継がれており、これらエドガー機は「純白の騎士」と形容されることが多い。
グゥエール GUYALE | |
---|---|
所属 | ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | カスタム機 |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣×2 魔導兵装「炎の槍(カルバリン)」(アニメ版) |
搭乗者 | ディートリヒ・クーニッツ エルネスティ・エチェバルリア |
グゥエール改 GUYALE(Repaired)[注釈 1] | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | ライヒアラ騎操士学園 銀鳳騎士団 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.4m |
重量 | 18.7t |
装甲材質 | アウタースキン |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣×4 補助腕及び背面武装「風の刃(カマサ)」 内蔵武装「ライトニングフレイル」 |
搭乗者 | ディートリヒ・クーニッツ |
- グゥエール
- ライヒアラ騎操士学園が所有する訓練用の機体。搭乗者はディートリヒ。武装は二振りの長剣だが、アニメ版では魔導兵装も使用している。
- サロドレアをベースに、二刀流で盾を持たない格闘特化型として大幅に改造されている。だが旧式故の出力不足で満足な性能を出せていない。
- ベヘモス事変ではエルネスティによって半ば強奪される形で運用。エルの直接制御(フルコントロール)を用いた戦闘行動による過大な負荷で損傷し、最後は機体に残る全ての魔力を攻撃魔法に用いた結果、構造強化魔法を維持できなくなり自壊。魔力演算機と魔力転換炉を残してほぼ残骸と化した。
- グゥエール改(グゥエール・テレスターレ)
- あまりの損壊具合に修理を後回しにされていたグゥエールを、カザドシュ事変の直前にテレスターレ仕様で再建した機体。出力不足が改善され、背面武装として「風の刃(カマサ)」が追加された。なお主武装の長剣も予備を含めて4本に増加している。
- カザドシュ事変では強奪されたテレスターレと交戦。ディートリヒの腕もあってケルヒルトの部下が操るテレスターレをほとんど一方的に追い詰めた。
- その後は選択装備の試験運用機として「ライトニングフレイル」などを搭載。エルとエドガーの操るテレスターレ、双子のツェンドルグと共に御前試合に参加した。
- アニメ版ではこの際、後にグゥエラリンデにも搭載される簡易魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)を両肩に搭載し、ライトニングフレイルは装備していない(代わりにエドガー機に装備されることになった)。
- 機体名称について、アニメ版では模擬戦前の名乗りの中で「グゥエール改」と発言している。しかし文庫版ではこの発言はなく、再建前から一貫して「グゥエール」と呼称されている[注釈 2]。
- 本項では混乱を避けるため、再建後の姿=グゥエール改であるとする。
- グゥエール、グゥエール改共にカラーリングは赤と金という非常に派手なものとなっている。これは後継機たるグゥエラリンデにも受け継がれ、「紅の騎士」等と形容されることが多い。
トランドオーケス | |
---|---|
所属 | ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | カスタム機 |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 魔導兵装「炎の槍(カルバリン)」 |
搭乗者 | ヘルヴィ・オーバーリ |
- トランドオーケス
- ライヒアラ騎操士学園が所有する訓練用の機体。搭乗者はヘルヴィ。アールカンバーやグゥエールと同じくサロドレアの改修機だが、アニメ版における外観はカラーリング以外サロドレアと同一である。
- カラーリングはサロドレアより赤みの増した茶褐色。アクセントの黄色は位置も含めて学園のサロドレアと同じ。
- ベヘモス事変で大破しテレスターレ一号機として再建され、引き続きヘルヴィの乗機として各種試験に用いられたが、カザドシュ事変において他のテレスターレと共に銅牙騎士団に強奪される。奪われた機体のうち唯一取り逃がすこととなった一号機は、結果的に後の大西域戦争の引き金の一つとなった。
カルダトア KARRDATOR | |
---|---|
所属 | フレメヴィーラ王国 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 10.0m |
重量 | 18.0t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 槍 魔導兵装「炎の槍(カルバリン)」 盾 |
搭乗者 | フレメヴィーラ王国軍兵士 |
- カルダトア
- フレメヴィーラ王国の制式量産幻晶騎士。制式量産機として大量に生産・配備されているため、フレメヴィーラの幻晶騎士の代名詞となっている。ヤントゥネン守護騎士団や朱兎騎士団など、フレメヴィーラ各地で運用されている。
- 主な武装は長剣や槍、盾に加えて魔導兵装「炎の槍(カルバリン)」等。
- 100年ほど前に設計され、サロドレアと比べて結晶筋肉の張り方が変更されたことで出力が向上し、構造の簡略化で整備性も良くなっている。
- 様々な種類の魔獣に柔軟に対応するため、意図的に平均的な性能となるよう調整がなされている。そのため特徴らしい特徴をもたないが、操作性が極めて良好なことが長所といえる。
- テレスターレ強奪事件で所有機を大きく減じたライヒアラ騎操士学園(銀鳳騎士団)に代替の機体として供与され、選択装備の試験や試作機のベースとして様々な実験に用いられた。
- その後、新たな制式量産機としてカルディトーレが開発され、主力機の座を退いていくことになる。
- カラーリングは茶褐色(文庫版)、ダークグリーン(アニメ版)。アニメ版では朱兎騎士団の機体のみ肩部装甲の色が異なり、騎士団名にちなんだ朱色となっている。
- カルディアリア
- カルダトアをベースとした指揮官向け強化機体。
- カルダトアと比べれば強力な機体だが、従来型としても飛び抜けて高性能という訳ではない。カラーリングは紺。
- ソルドウォート
- ヤントゥネン守護騎士団団長、フィリップ・ハルハーゲンの専用機。カラーリングは紺。
- ハイマウォート
- 朱兎騎士団団長モルテンの専用機。カラーリングは紺と朱(肩部・背面装甲)。
- カルディアリアベースの機体で、朱色を配した滑らかで精密な造形の外装を施され、豪華な外套型追加装甲を纏う。従来型としては特筆すべき重装甲と膂力を誇り、力ならばテレスターレにも対抗できる重量級の機体。武器は両手持ちの長柄のハンマーで盾は持たない。
- ラーパラドス
- Web版のみに登場する学園に予備として残されていた実習機。鎧のあちこちにトゲがあるのが特徴。魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)の実験に使われた。
- 文庫版ではトイボックスが代わりに登場したためこの機体は存在しない。
- レーデス・オル・ヴィーラ
- フレメヴィーラ王国国王騎として国内最高の幻晶騎士に位置づけられる機体。サロドレアベースで、国王を守るため防御に特化した機体とのこと。
- 作中ではほとんど名前しか出てこず、最新鋭機であるカルディトーレ登場後に全面改修されたかどうかは不明。
銀鳳騎士団系統
テレスターレ TELLESTARLE | |
---|---|
所属 | ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 9.8m |
重量 | 18.9t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 斧槍 盾 補助腕及び背面武装「炎の槍(カルバリン)」 |
搭乗者 | エドガー・C・ブランシュ ディートリヒ・クーニッツ ヘルヴィ・オーバーリ ケルヒルト・ヒエタカンナス シェニエ バッカス |
- テレスターレ
- エルが中心となって改良を行った新型機のプロトタイプ。素体としてはベヘモス事変で大破した実習機のサロドレアが使われているが、既存の機体とは基本構造からして異なっているため、パーツの共有率は二割にも満たない。一号機はトランドオーケスがベース。カラーリングはカーキ。アニメ版ではヘルヴィ機(一号機)のみ腰背部の蓄魔力式装甲などが赤く塗られている。
- 綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)の採用で出力が従来機の1.5倍、筋肉の耐久性に至っては10倍に上昇し、補助腕(サブアーム)を用いた背面武装(バックウエポン)システムの追加により攻撃力が強化されている。その一方で、向上した出力と魔力を食うデバイスが増えたことで連続稼働時間が半分ほどにまで低下。魔力貯蔵に特化した板状結晶筋肉の採用である程度は対応したものの、機体重量増等の問題もあり完全な解決には至っていない。
- 他にも、操作系の調整を後回しにしたため出力に振り回されて安定しない劣悪な操縦性と化しており、大きな課題として残されていた。最新鋭機開発のために国機研に開発が移譲された際に、これ幸いとこの課題は丸投げされた。
- 綱型結晶筋肉と背面武装を用いた機体群の原点であり、後に他国の機体でもこの形式のものは東方仕様(イースタンスタイル)と呼称されるようになる。
- カルダトアベース・テレスターレ
- 国から新たに給与されたカルダトアをテレスターレ仕様に改修した機体。
- エドガー機とエル機が登場し、カルダトア・ダーシュとの御前試合でディートリヒのグゥエール改、双子のツェンドルグと共に模擬戦に臨んだ。
- エル機、エドガー機共にアニメ版では仕様が一部変更されている。
- エドガー機
- アールカンバーから白一色の塗装と防御重視の装備構成を受け継ぎ、可動式追加装甲(フレキシブルコート)を試験運用するテレスターレ。
- 文庫版では機体名称については言及されておらず、単にテレスターレ(相手方からは「白の騎士」など)と呼ばれていた。
- アニメ版では手持ちの盾を装備しておらず、グゥエール改に代わってライトニングフレイルを装備している。
トイボックス TOYBOX | |
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所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | 実験機 |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 補助腕 騎車3式装備 |
搭乗者 | エルネスティ・エチェバルリア |
- トイボックス
- エル機。元は魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)の実験失敗により大破したカルダトア。カラーリングはカルダトア時は緑で、テレスターレになってからは地の金属そのままの鋼色(文庫版)。アニメ版は青。
- 修理されて以降も実験台として酷使され続け、一度はあまりにもガタが来たために、修理ついでに全面改修されテレスターレとなった。文庫版での登場時点では魔導噴流推進器の実験台となったカルダトアとの関連や機体名称は明かされておらず、「鋼色のテレスターレ」と呼称されていた。アニメ版では御前試合の時点ですでにトイボックスと呼ばれている。また、魔導噴流推進器の仕様が大きく変更されている[注釈 3]。
- 肩部と腰部に魔導噴流推進器を内蔵した可動式の装甲を有する(アニメ版では脚部や背部にも推進器が搭載されている)。この魔導噴流推進器は改良型であり、加速に際して機体が一歩踏み出すごとに小刻みに噴射することで消費魔力の軽減を実現している。可動式であることを活かし、噴射のベクトルを変更することで回避運動や制動にも利用可能だが、制動には長時間推進器を噴かさなければならず、結局のところ消費魔力の大きさは相変わらずである。
- 魔導噴流推進器に限らず、エルが思い付きで造った様々な装備品の実験台にされており、それを見た団員達から「エルの玩具箱(トイボックス)」という名を贈られ、正式にエルの所有物として扱われることとなる。
- 機体の欠点たる燃費問題への対策として「炉(エーテルリアクタ)」を2つに増やす」という無茶な改造を行った結果、2つ目の炉を始めとする後付け部分が機体構造に余計な負荷を与えており、強化魔法に回す魔力が増大してしまっている。それでも魔力供給量は増加したため、燃費問題はある程度の解決を見たが、機体バランスの悪化などを考慮すると全体的な性能はテレスターレを下回っている。
- 立ち位置としてはイカルガが完成するまでの繋ぎの機体であり、戦場に出たのは女王殻獣との戦闘のみである。
イカルガ IKARUGA | |
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所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | ワンオフ機 |
全高 | 11.2m |
重量 | 21.6t |
装甲材質 | キャパシティブレーム |
フレーム | インナースケルトン |
動力源 | 女皇之冠(クイーンズコロネット) 皇之心臓(ベヘモス・ハート) |
推進機関 | 魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ) |
武装 | 銃装剣(ソーデッドカノン) 斧槍(ハルバード) 執月之手(ラーフフィスト) |
搭乗者 | エルネスティ・エチェバルリア |
カササギ KASASAGI | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | 急造機 |
全高 | 7.5m |
重量 | 13.4t |
装甲材質 | キャパシティブレーム |
フレーム | インナースケルトン |
動力源 | 女皇之冠(クイーンズコロネット) 皇之心臓(ベヘモス・ハート) |
推進機関 | 開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ) 魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ) |
武装 | 連射式魔導兵装(スナイドル) 可動式追加装甲(フレキシブルコート) |
搭乗者 | エルネスティ・エチェバルリア |
- イカルガ (斑鳩)
- 銀鳳騎士団団長となったエルネスティの専用機であり同騎士団の旗機。Web版と文庫版では魔力転換炉の仕様が若干異なるため、基本的には文庫版で記載する。
- 前世の記憶を保有する元日本人であるエルが設計したため、背中に四本の腕を持つ日本の鎧武者をかたどった外観をしている。顔には一般的な幻晶騎士と異なり怒りの形相を浮かべた人面をイメージした仮面が取付けられている。カラーリングは青と金。
- 二基の魔力転換炉を搭載できるよう金属内格からエルによって専用設計された完全なオーダーメイド品で、同じものはこの世に二つと存在しない。[注釈 4]
- 腹部に主転換炉である旅団級魔獣『女王殻獣』から作られた中型炉『女皇之冠(クイーンズコロネット)』を、背部に戦闘時に使用する師団級魔獣『陸皇亀』から作られた大型炉『皇之心臓(ベヘモス・ハート)』を搭載した複数動力機[注釈 5]。
- 全身の装甲が蓄魔力式装甲であり、全方位に対応した可動式の『魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)』を各部に搭載。通常の双腕に加えて艤装された背中の四本の腕『執月之手(ラーフフィスト)』はワイヤーで射出可能であり、搭載された魔導噴流推進器により周囲を自在に旋回。その鋭い指先は強力な強化魔法により分厚い装甲すら容易に穿ち、敵内部に魔導噴流を解き放ち爆砕する。
- 通常の幻晶騎士の操縦桿だけでは機体各所の特殊な機器の全てを補えないため、前世より馴染み深いキーボードを模した操鍵盤も採用されている。その大出力を生かした異常な機動性と戦闘力を有する反面、機械的な制御が追い付かず操縦には直接制御が必須となっており、エルという生きた制御部が乗ることでしかまともに操れなくなっている[注釈 6]。
- 専用武装である『銃装剣(ソーデッドカノン)』は、銃床を模した持ち手がついた肉厚の大剣のような外見をしている。要は幻晶騎士サイズのガンライクロッドで、剣の内部には紋章術式を刻んだ銀板が内蔵されており、剣としての用法のほか魔導兵装としても使用することができる。持ち手にあるレバーにより機能を切り替える。構造的に脆く格闘武器には向かない魔導兵装機能を剣という形に盛り込むために、強力な強化魔法術式も内蔵されており、格闘・法撃どちらにおいても多くの魔力を消費する極めて燃費の悪い武装になっている。これらの弊害として重量も嵩んでおり、イカルガのような大出力機でなければまともに扱うことすらできない。イカルガは、非自力飛行時等魔力に余裕がある場合は、この銃装剣6挺を6腕から斉射可能。
- 上記の仕様から「地上最強の戦闘能力を持つ、史上最高の欠陥機」とも呼ばれ、圧倒的な戦闘能力と外見から「鬼神」の異名で呼ばれる。
- 高空飛行に備えて操縦席与圧機能を実装していたが、戦闘中に初めて高空を飛行した時に判明した、高空の高分圧エーテルによる魔力転換炉(エーテルリアクタ)や人体への有害性のため、この時の高空飛行は短期で打ち切られた。
- Web版巨人戦争編では、大破回収されたシルフィアーネ(二世)から取り出した普及品級魔力転換炉双発仕様とし、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)付き降下用追加装甲(ヘイローコート)と補助用の翼状装甲を増設して、魔力転換炉総主力が低下しても飛行能力を維持し続けた仕様で修復、アディの操縦で参戦した。本国帰還後、普及品級魔力転換炉1基を取り外し、カササギから抜き取った皇之心臓を正規の位置に再艤装した。
- カササギ
- ボキューズ大森海で遭遇した穢れの獣(クレトヴァスティア)との戦闘で、胴体部分を残してほぼ全壊したイカルガを、雲からの救出時に墜落して大破したシルフィアーネの残骸や、地元で入手可能な魔獣素材、魔力を通す銀線神経の代わりになる木材『ホワイトミストー』で急造した特殊機体。材料が足りないために上半身だけしかなく、魔獣素材の外装を纏った骸骨のような異様な見た目になっている。
- 急場でエルが思いついた、大気中に存在する薄いエーテルを一旦魔力転換炉に集めて纏まった魔力とし、更にそれを高濃度のエーテルに再変換して使用する開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ)を使い浮遊ができる。一方で燃費がとてつもなく悪いために大出力が必要であり、女皇之冠(web版では登場しない)と皇之心臓無しでは稼働できない。
- 機体名はカラス科の留鳥、カササギに因んで命名された。
- マガツイカルガ
- 文庫版に先行するWeb版に登場。銀鳳騎士団が運んできた予備パーツ + シルフィアーネの魔力転換炉で再建されたイカルガとカササギがドッキングし、魔力転換炉の連結と魔力演算機を直結させた形態。
- 4基の転換炉による大出力に支えられて空を自在に舞い、大気系魔法の『嵐の衣』を纏って酸の雲を跳ね返すために穢れの獣をものともしない力を見せた。エルに言わせれば所詮は急場しのぎの形態であり、この先も使い続けるなら仕立て直す必要があると語っている。
ゴルドリーオ GORDESLEO | |
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所属 | フレメヴィーラ王国 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.5m |
重量 | 19.5t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 大剣 魔導兵装「獣王轟咆(ブラストハウリング)」 |
搭乗者 | エムリス・イェイエル・フレメヴィーラ |
- 金獅子(ゴルドリーオ)
- エルネスティに直接依頼して製作されたエムリス専用機。胸に獅子の貌の意匠を施された金色の鎧を纏う。カルディトーレをベースにしている。
- エムリスの要望で出力に特化した性能となっており、パワー特化型のティラントーともまともに組み合える程の膂力を誇りつつ機動性も維持しているという、アルケローリクスにも劣らない機体性能を誇っている。王族用ということで装甲も厚め。
- 背面武装と両肩(アニメ版では両肩と膝)に装備された複数の魔導兵装を連動させて放つ「獣王轟咆(ブラストハウリング)」という必殺技が用意されており、多大な魔力消費と引き換えに幻晶騎士の体当たりにも耐える砦の門を一撃で吹き飛ばすほどの威力を発揮する。
- 銀虎(ジルバティーガ)
- 虎の意匠を施された銀色の鎧を纏うアンブロシウス専用機。金獅子と銀虎の違いは外見だけで中身は全くの同一である。
- アンブロシウスはエムリスの様に特段の要望をしたわけではなかったが、先王陛下と殿下に相応しい機体を用意するとのエルの宣言で出来上がった機体は全く同一の代物であった。しかし、そっくりと言われるだけあってアンブロシウスも当然この機体を気に入っている。
人馬幻晶騎士
ツェンドルグ TZENDORG | |
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所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 15.3m |
重量 | 45.5t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 騎槍 斧槍 盾 牽引索(トーイングアンカー) 可動装甲 |
乗員人数 | 2人 |
搭乗者 | アデルトルート・オルター アーキッド・オルター |
ツェンドリンブル TZENDRINBLE | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 15.3m |
重量 | 45.5t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 騎槍 斧槍 盾 牽引索(トーイングアンカー) 可動装甲 |
乗員人数 | 1人 |
搭乗者 | ヘルヴィ・オーバーリ アデルトルート・オルター アーキッド・オルター 銀鳳騎士団員 |
- ツェンドルグ
- 銀鳳騎士団が幻晶騎士の移動能力強化を目的に開発した、人型の上半身と馬型の下半身を持つ人馬騎士と呼ばれるケンタウロス型幻晶騎士のプロトタイプ。後にこの機体の設計がシルフィアーネに流用され、飛翔騎士の祖であるとも言える。
- 並外れて大柄な体躯のために通常機の倍以上の重量をもつが、その分多量の綱型筋肉結晶や蓄魔力式装甲を積んでいるため魔力容量と出力が高い。ただし、その出力や構造の維持のため魔力転換炉を2基必要とし、魔導演算機(マギウスエンジン)、操縦席といった部品は人型の上半身から容量に余裕のある下半身へと移設されている[注釈 7]。操縦に要する術式が未完成であるため、動かすためには上半身と下半身をそれぞれ操る騎操士が2名必要であり、史上初となる2人乗りの操縦席が取り付けられた。実働試験を行いながら術式を最適化していき、いずれは一人乗りにというのが当初からの予定だった。
- 主な装備は長大な斧槍と先端が尖った縦に細長いランス代わりにも使える盾で、突撃の際の槍の保持を補助する固定具が下半身に付けられている。また軽量化のために装甲を薄めにしている下半身の防御力をカバーするために、可動式追加装甲と同じ機構を持つ可動装甲が機体そのものに組み込まれている。機動時にはこの可動装甲をカウンターウェイトとして用いる事で、騎馬では考えられないような驚異的な旋回機動を見せる。
- 銀鳳騎士団のお披露目を兼ねた模擬戦では、アーキッドとアデルトルートの双子を騎操士に据えて使用され、人間の歩兵と騎馬の比較に倣い戦力比を3対1とされた。模擬戦後は制式採用機であるツェンドリンブルの量産が開始されたため登場しなくなる。
- ツェンドリンブル
- ツェンドルグを元に機構の見直しと最適化を行った量産向けの機体。ツェンドルグにて機体操作のための術式が完成したため、ツェンドリンブルでは1人乗りになっている。
- 1人乗りになった反面、操縦の負担は大きくなり、生身で馬に乗る感覚で操縦できる補助機構や一部動作の自動化を取り入れているものの、騎操士の育成が大きな課題として残っている。また、魔力転換炉を2基搭載するがゆえの高コストもあり、登場からしばらくは製造元の銀鳳騎士団で運用される機体だけで国内総数の大半を占め、ヘルヴィを中隊長とした第三中隊でのみ大規模に運用されていた。Web版では撃刺巻貝(デッドリーシェルケース)討伐後にその戦果と有用性から、量産元と思われる国機研にアンブロシウス王が生産計画の修正を命じており、この時点から数年後になる大航空時代前夜編では、荷馬車を牽いて街道をゆく人馬騎士の姿は国民にも見慣れた景色となっている。
- その移動能力に支えられた運搬力や機動力、突撃力は従来の常識を覆すものであり、専用に作られた荷馬車を牽いて人員や幻晶騎士を速やかに遠距離まで移送でき、3式装備『戦馬車(チャリオット)』を用いた時には絶大な戦力を誇る。本体性能も言わずもがなであるため、オプション装備分離後もそのまま騎馬隊の如く戦闘に参加し敵を駆逐できる。特に幻晶騎士の運搬面での効果は大きく、従来は自走させるもしくは部品にばらして馬車により時間を掛けて遠距離移送していたものを、完成状態の複数騎を一気に高速運搬可能というのは画期的なものであった。
- 主な装備はツェンドルグから引き継いでいるが、斧槍の代わりに騎槍を用いる場合もある。大西域戦争において、飛空船に対抗するための垂直投射式連装投槍器が搭載され、対地・対空への遠距離物理攻撃能力も獲得している。
- オプション装備は運搬用の『荷馬車(キャリッジ)』や3式装備『戦馬車(チャリオット)』。
- 『戦馬車(チャリオット)』は装甲で周囲を固め突撃用の分離可能な斬獣剣と搭載用大型魔導兵装『轟炎の槍(ファルコネット)』を展開した馬車で、移動をツェンドリンブルに任せる事で乗り手の幻晶騎士は魔力供給兼砲手に専念出来る。2体の人馬騎士が牽引しながら騎槍を構えて突撃することで正面の敵を蹴散らし、馬車から飛び出た斬獣剣が周囲の敵を餌食にし、搭乗した幻晶騎士が魔導兵装で攻撃するという3段編成で非常に高い戦闘能力を発揮する。
- 但し実在の馬と馬車と戦車(チャリオット)と同様に、『荷馬車(キャリッジ)』や3式装備『戦馬車(チャリオット)』を牽引した場合は、単体のツェンドリンブルに比べて踏破能力が劣る様子も、幾つかの戦闘描写で示されている。
飛翔騎士
- 形式・名称不明の空中浮遊試験用幻晶騎士
- シルフィアーネ(一世・テイク1)設計の前に、幻晶騎士規模となる飛空船用源素浮揚器を背に取り付けた(web版では「くくりつけた」と表現している)、形式・名称・ベース不明の空中試験用幻晶騎士が制作され、空中浮遊試験は成功した。
- シルフィアーネ(一世:ファースト)
- 飛行型幻晶騎士試作第一号機。一応の開発名はシルフィアーネ一世。Web版では一世の代わりにテイク1となっている。
- 双発魔力転換炉や全方向推進が可能なトイボックスやイカルガを目標に、カルディトーレを改造して、飛翔騎士に必要と思われる機能(双発魔力転換炉・小型源素浮揚器・源素供給器・源素晶石など)をすべて胴体に艤装し、その外を保護のために装甲で囲い、それとコックピットと魔導演算機(マギウスエンジン)をも収めた胴体の外に、3軸3次元対応の姿勢制御システム用魔導噴流推進器群を兼ねた装甲で包んだ結果、ボールのように肥大した胴体に手足が付いた不格好な機体となった。また、浮くことはできても、空中独楽踊り事件(初飛行時での制御不能)でアディの操縦技量を以てしても、操縦性や空中での機動に大問題があることが明らかになり、完全な失敗作となった。
- 銀鳳騎士団鍛冶師隊の中では無かったものとして黒歴史扱いされている。
シルフィアーネ SYRPHIRNE | |
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所属 | フレメヴィーラ王国 |
全高 | 17.3m |
重量 | 42.6t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 騎槍 小型連装投槍器(アストラルポッド) 魔導短槍(ショートスピア) 牽引索(トーイングアンカー) |
搭乗者 | アデルトルート・オルター |
- シルフィアーネ(二世:セカンド)
- 空戦仕様機(ウィンジーネスタイル)の試作二号機で、飛翔騎士の基礎はこの機体でほぼ確立された。Web版では二世の代わりにテイク2となっている。一世が銀鳳騎士団内で黒歴史扱いとなっているため、こちらが元祖扱いされている。同時に母艦となる飛翼母船もエルの手で設計された。
- アディの何気ない言葉から着想を得たエルがツェンドルグの設計を基に生み出した機体で、魔力転換炉を2基搭載するなど共通点が多い。その外観は半人半魚の人魚を連想させる姿をしており、魚体部に双発魔力転換炉・小型源素浮揚器・源素供給器・源素晶石及び相当量の結晶筋肉を収め、後方噴射専用魔導噴流推進器で前進のみ行い、魚体部を曲げ、魚体部に取り付いた複数の可動式の鰭翼の空力で空中姿勢制御する様子は、文字通り空中を泳ぐ人魚と言える。
- 腕は二本だが脚は廃し、鰭翼は降着装置を兼用し不格好ながら歩行も可能、源素浮揚器から搭載量が限られるエーテルを抜かぬまま、着陸面に打ち込んだ牽引索(トーイングアンカー)で機体を着陸地へ強引に手繰り寄せて着陸する。
- 脱出の安全性のため、背部に操縦室が設けられている。操縦は降下甲冑を着た状態で行われ、操縦席にて甲冑と周囲の機器を接続し、甲冑の腕を操縦桿として、脚を鐙として用いる。空中での非常脱出時には、操縦室を覆う背部構造・装甲の強化魔法を切って排除し、降下甲冑を着たまま射出、安全に空中から地上・水上に降下する事が、脱出スイッチを押すだけで全自動で行われる。合わせて甲冑射出機構と呼ばれる新機軸の操縦・脱出機構であり、シルフィアーネ(一世・テイク1)空中独楽踊り事件を反省し、シルフィアーネ(二世・テイク2)から開発・実装された。
- トゥエディアーネ
- 紫燕騎士団設立と共に増産された制式量産型飛翔騎士。大幅に洗練こそされてはいるが、基本的な構造はシルフィアーネからあまり変化していない。
- ただし、紫燕騎士団に配備されたトゥエディアーネは先行試作型であり、これらの実際の運用データを基に更に洗練された完成型が、国内に配備された制式量産型となっている。
国機研系統
- カルダトア・ダーシュ
- テレスターレの新技術を取り入れ、カルダトアを進化させた国機研の先行試作機。
- 綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)の量を減らすことで、出力が従来機の3割増しに抑えられたことと引き換えに、テレスターレの操縦性と燃費の問題の解決を図った機体。
- 当初はこれが制式採用される予定だったが、模擬戦を経て更なる改良点が見出されたために後の制式採用機カルディトーレの基とされた。
カルディトーレ KARRDETOLLE | |
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所属 | フレメヴィーラ王国 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 10.1m |
重量 | 18.6t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 一般武装各種 補助腕及び選択装備各種 |
搭乗者 | 銀鳳騎士団員 |
アルディラッドカンバー ERLEDYRADCUMBER | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.5m |
重量 | 22.6t |
装甲材質 | アウタースキン |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 盾 牽引索(トーイングアンカー) 可動式追加装甲(フレキシブルコート) |
搭乗者 | エドガー・C・ブランシュ |
グゥエラリンデ GUYALERINDE | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.4m |
重量 | 20.6t |
装甲材質 | アウタースキン |
フレーム | インナースケルトン |
推進機関 | 簡易魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ) |
武装 | 長剣 魔導兵装「風の刃(カマサ)」 内蔵武装「ライトニングフレイル」 |
搭乗者 | ディートリヒ・クーニッツ |
- カルディトーレ
- カルダトアの後継となるフレメヴィーラ王国の最新鋭制式量産幻晶騎士。模擬戦での結果を経て、カルダトア・ダーシュをベースに再開発された。登場後はこの機体をベースに様々なカスタム機が製作された。
- 銀鳳騎士団のテレスターレに使われた各種新技術と、国機研の王国伝統技術による協同製作の集大成として、良好な操縦性と高い攻撃力がバランスよく両立した破格の高性能を有する傑作機となった。模擬戦で披露された選択装備にも対応しており、様々な局面への対応力がかなり高い。
- テレスターレ系統の一番の課題だった稼働時間も、実用化に至った『容量特化型』の結晶筋肉を用いた蓄魔力式装甲の採用で解決されている。
- この機体の登場で国内の対魔獣戦において多くの余力が生まれ、配備計画が見直された事で生じた余剰魔力転換炉はツェンドリンブルの量産に回された。先行量産された機体は銀鳳騎士団に優先配備された。
- Web版巨人戦争編で、少なくとも銀鳳騎士団第二中隊機には、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)付き降下用追加装甲(ヘイローコート)が増設され、飛空船からの空中降下能力を獲得した。
- アルディラッドカンバー
- 銀鳳騎士団第一中隊旗機。カルディトーレを基に改修されたアールカンバーの後継機といえるエドガー専用機。アールカンバーに似せた外装になっている。エドガーがベースとなったカルディトーレの性能に満足しているため、機体の作りそのものはほとんど弄られていない。
- アールカンバーのころと同じく剣と盾をメイン装備に、装甲と魔導兵装が一体となった特別仕様の可動式追加装甲(フレキシブルコート)を搭載しており、硬い守りを特徴としながら遠近両方にも対応できるバランスの良い機体となっている。盾は可動式追加装甲(フレキシブルコート)との併用を考慮してアールカンバーの物に比べて小型化されているが、代わりに先端が細く鋭く尖っており、盾としてだけでなく打突攻撃に用いることも考慮された形状となっている。
- グゥエラリンデ
- 銀鳳騎士団第二中隊旗機。Web版ではカラングゥールを基に、文庫版ではカルディトーレを基に改修されたディートリヒ専用機。グゥエールに似せた外装になっている。ベース機のカルディトーレから大きく変化していないアルディラッドカンバーとは違い、ディートリヒの意を受けてかなり改修の手が加えられている。
- アルディラッドカンバーとは対となるような、防御を捨てた攻撃特化として調整されており、中近距離戦を得意レンジとする。
- グゥエールから引き継いだ各種武装に加えて、前進に機能限定された簡易魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)も搭載されて高い機動性と突撃性能を誇る。反面、非常に癖の強い機体となっている。
- Web版巨人戦争編で、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)付き降下用追加装甲(ヘイローコート)が増設され、飛空船からの空中降下能力を獲得した。
- カラングゥール
- カルディアリアの流れを汲む指揮官用の近接格闘向け新型機。Web版にのみ登場するシリーズで、文庫版では量産機はカルディトーレ一本に統合されているため登場しない。
ジャロウデク王国製
- ヴェンドバダーラ
- 間者集団である銅牙騎士団の幻晶騎士。潜入工作が目的の特殊機体で、隠密性を重視されている。
- web版、文庫版では刺突短剣(スティレット)を装備し、高い静粛性で死角から奇襲し装甲の薄い部位から操縦席を刺し貫く戦法を取る。
- アニメ版では武装としてショーテル状の曲刀を持つほか、大型化した右腕は4本爪の鋭利なクローとなっており、回転させる事で幻晶騎士の正面装甲をも貫く強力な武器となる。
- ヴェンドバダーラ改
- ヴェンドバダーラの強化改修型。アニメ版オリジナル機体で、ヴェイロキノスが出ない代わりにケルヒルト専用機として登場した。
- 機体構造はアニメ版ヴェンドバダーラと同一だが、装甲にヴェイロキノスに似たスパイクアーマーやフェイスガードを、背部にショーテル状の刀身を有する大型サブアームを追加している。
- ヴィッテンドーラ
- 銅牙騎士団に配備されたヴェンドバダーラの後継機。
- 肩に組み込まれた伸縮機構により腕を射出して刺突武器と化す「伸縮突腕爪(ショットクロー)」を用いる。綱型筋肉結晶を用いており幻晶騎士の装甲すら容易く貫く。
ヴェイロキノス VEYLOCINOS | |
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所属 | 銅牙騎士団 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 11.2m |
重量 | 16.2t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 刺突剣(エストック) 可動式攻撃腕(スタッバーストリッシャ) |
搭乗者 | ケルヒルト・ヒエタカンナス |
- ヴェイロキノス
- 銅牙騎士団長であるケルヒルト専用機。ヴェンドバダーラを基に強化改修を施された。
- 武装は刺突剣(エストック)のほか、背部に多数の隠し腕「可動式攻撃腕(スタッバーストリッシャ)」を持つ。身軽さを生かした一撃離脱や奇襲戦法を得意とする反面、騎操士に極めて複雑な操縦を要求する機体となった。原作者のTwitterによるとアニメ版には予算の都合で登場せず、ケルヒルトの専用機は前述のヴェンドバダーラ改となっている。
ティラントー TYRANTOR | |
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所属 | ジャロウデク王国 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 12.0m |
重量 | 30.8t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 重棍(ヘビーメイス) 戦棍(メイス) 長槍(パイク) 背面武装 |
搭乗者 | ジャロウデク王国各部隊騎操士 |
- ティラントー
- ジャロウデク軍配備の最新鋭主力量産幻晶騎士。強奪したテレスターレの技術を用いて生み出された機体。
- 網型結晶筋肉の特性を最大限に利用するため、筋肉量を増やし高い出力を誇っている。そのパワーを生かして並外れた重装甲にしているため防御力も高い。その半面、燃費は大幅に悪化して機動性や持久力はテレスターレを更に下回る。
- これを解決するため、源素供給機により魔力転換炉へ高濃度エーテルを供給し一時的に魔力を生み出す機能が組み込まれている。しかし、本来地上の薄いエーテル環境下で稼働するように作られた魔力転換炉に高濃度エーテルを注ぎ込むというのは炉の劣化を招く行為であり、生産調達数量が限られた一番高価な部品を使い捨てにするという問題点を抱えている。そのため緊急時以外ではあまり使いたくない機能であるとエルは予想している。
アルケローリクス ALKELORIX | |
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所属 | ジャロウデク王国 |
生産形態 | 少数生産機 |
全高 | 10.7m |
重量 | 18.7t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 背面武装 |
搭乗者 | クリストバル・ハスロ・ジャロウデク |
- アルケローリクス
- ジャロウデク王族のために建造された最高級機。三騎のみ存在し、国王騎に代わって実質的な旗騎の役割を担っている。ティラントー並みの出力と標準機並みの機敏性を併せ持つ。一機は本国にいるカルリトスが、残り二機はクシェペルカに進軍したクリストバルとカタリーナが所有していたが、戦いによって二機は失われ残存したのは本国の一機のみとなった。三機存在するものの、騎操士としての実力がほとんどないカタリーナの機体は兄か弟の機体に何かあった際の予備機という扱いだった。
- Web版では生産数が明記されておらず、カタリーナが登場しないので、生産数が三騎とは限らない。王族専用機であり、ジャロウデク王国侵攻戦には1騎しか持ち込まれていないので、ジャロウデク王国侵攻軍旗機でもあった。
- ソードマン
- グスターボ・マルドネスの専用機。全身に大量の剣をつけた異様な幻晶騎士。Web版ではヴォラキーロをベースに作られていたが、文庫版では特注品だった。ディーのグゥエラリンデとの激闘の末に放棄・破壊される。
- デッドマンズソード
- Web版では試作機ズーティルゴを、文庫版ではカタリーナ用のアルケローリクスを元に、グスターボ専用にカスタマイズしたワンオフ機。
- ソードマンと同様に全身へ大量の剣を装備する他、固定機構の向きを変えハリネズミの様に切先を逆立てた攻撃形態「目覚めよ我が剣(ウェイクアップデッドマンズ)」により動くだけで周囲を切り刻む全身凶器と化す。
- Web版ではオラシオとグスターボの合意の元、魔力転換炉の戦闘毎の使い捨てを覚悟の上で、ベースとなるズーティルゴに源素供給器を大量に増設し、源素供給器を逐次追加起動しながら戦闘した。
- 名称不明、全身くまなく『剣』を取り付けた奇矯な装備形式の幻晶騎士
- 大西域戦争後期に鉛骨騎士団(えんこつきしだん)内に急遽設立され、ジャロウデク王国に完全に止めを刺さんとする国々の侵攻を強力に食い止め続け、ついには押し返した部隊の先頭にあった幻晶騎士。名称・系統記述無し。文脈より騎操士はグスターボと思われる。
- ヴォラキーロ
- Web版にのみ登場する標準的なジャロウデク王国の幻晶騎士。ティラントーに主力を明け渡している。
- アンキュローサ
- 徴発したレスヴァント(アニメ版ではティラントー)を改造した法撃戦仕様幻晶騎士。飛空船の迎撃兵装として配備され、飛竜戦艦の動力源としても使用されている。
- ズーティルゴ
- Web版にのみ登場。ティラントーを超えるべく設計された試作機で、後にデッドマンズソードのベースとなった。
- ティラントーの欠点である機動性を改善すべく設計されたが、機体構造に無理があり出力が安定せず操縦性が極めて劣悪になった。防御力もティラントーに劣る。魔力消費が激しく稼働時間はティラントーの半分程度。完全な失敗作だが、この機体で得られたものはアルケローリクスという形で結実した。
- グスターボに開発経緯を説明する時のオラシオの他人事の様な口調より、オラシオ肝煎りで開発されていない(他部署開発や、部下に丸投げや、中央開発工房長就任前など)事が判る。
クシェペルカ王国製
レスヴァント | |
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所属 | クシェペルカ王国 |
生産形態 | 量産機 |
フレーム | インナースケルトン |
搭乗者 | クシェペルカ王国軍兵士 |
- レスヴァント
- 旧クシェペルカ王国軍の制式量産型幻晶騎士。親方曰くカルダトアより若干優秀だったとの事だが、戦力評価的には新型のティラントー相手では3対1でようやく戦いになるとされる程度。ジャロウデク軍からは案山子と呼ばれ侮られていた。主力たるこの幻晶騎士の能力不足が旧クシェペルカ王国が蹂躙された一因ともなった。
- レスヴァント・ヴィード
- レスヴァントに背面武装と大型の蓄魔力式追加装甲「ウォールローブ」を装着した急造改修機で、従来の倍以上となった魔力貯蓄量に任せた多連装魔導兵装による遠距離法撃に特化している。平時は直立する魔導兵装とウォールローブが相まって塔の様にも見える外観から、塔の騎士と呼ばれた。
- 全身を覆うウォールローブの超重量のために移動能力を大きく損ない、近接戦闘能力はほぼゼロになっているが、向かってくる相手を撃つだけの遠距離戦闘や拠点防衛用としては大活躍した。ウォールローブは着脱式であり、敵に接近されたら邪魔な重りを捨てて逃げる事くらいは出来るようになっている。
- クシェペルカ王国の窮状を凌ぐためにとりあえずエルによって設計されたものだが、ジャロウデク王国の侵攻を挫く大きな原動力となった。その想定以上の活躍もあり、後の世に法撃戦仕様機が広まる流れを作った。
- カルトガ・オル・クシェール
- クシェペルカ王国国王騎。ジャロウデク王国による王都侵攻時に破壊された。
- カルトガ・オル・クシェール二世(セカンド)
- 再建された国王騎。操縦技術のないエレオノーラのために2人乗りとなっている。代わりに操縦しているイサドラの技量も素人よりはマシといった程度であるため、実質的な戦闘能力はほとんどなくあくまで象徴的な存在として従軍した。
- レーヴァンティア
- 銀鳳商会から新生クシェペルカ王国への技術提供により開発された、東方様式の新制式量産型幻晶騎士。設計はエルの手によるもので、急いで戦力拡充を図るためにカルディトーレの設計を一部流用している。レスヴァントより力強いフォルムになっており、一目で別物と分かる模様。初期型は急造品であったため、ティラントーの残骸から回収した部品まで流用したキメラのような機体が当たり前に存在したが、戦争の合間に問題点の改善など色々と練り上げられ、量産に耐える制式機となった。
- カルディトーレを参考にしているだけあってその性能は高く、最大出力こそパワー型のティラントーには及ばないもののそこまで圧倒的な差はない。そのためティラントーの重装甲を穿つ事も可能になり、こちらにはあって相手には欠けている機動性も相まって互角に戦えるようになった。
- この他、背面武装に代わり投槍装備に換装した投槍戦仕様機(ジャベリニーアスタイル)も開発されている。ツェンドリンブルの地対空兵装である垂直投射式連装投槍器とは異なり、一般的な騎操士で一度に誘導できる魔導飛愴(ミッシレジャベリン)が1本に限定されるため、単発式にしたものを装備している。
- 投槍戦仕様機は選択装備の一環でもあり、後にカルディトーレなどにも投槍装備が導入されこの仕様の幻晶騎士全般の呼称となった。
孤独なる十一国製
- ナードナック
- 孤独なる十一国の旧来型の制式幻晶騎士。
幻晶甲冑(シルエットギア)
- モートルビート
- 元々は騎操士の体力と魔力の訓練目的用に作られた最初期の幻晶甲冑。
- しかし、性能面では単なる訓練用を超えた優秀さを示し、幻晶騎士を倒せるほどの攻撃力はないものの渡り合えるほどの機動力を持つ。ただし、操縦には身体強化魔法を常時維持する必要があり、非情に高い魔法演算能力と魔力の両方を必要とするため、一般的な騎士ではとても扱えない事が判明。エドガーやディーでもなんとか動かせる程度が精々で、乗りこなせたのはエル・アディ・キッドのみであったため、事実上3人の専用機となった。10機程生産されたが、前述の3機以外はお蔵入りとなり、時に引っ張り出されワイヤーアンカーや携行型の連射式攻城クロスボウ等の装備の試験台として使われた。この反省を活かして、後継機には小型の魔導演算機が搭載された。
- 人間には余る程の大剣を軽々と片手で扱え、エル発案のワイヤーアンカーや携行型の連射式攻城クロスボウも開発されている。これらの装備は後のモートラートにも採用されている。
- エルの魔力転換炉(エーテルリアクタ)制作において、このモートルビートが使われた。エルを頭脳とし、体部分を幻晶甲冑が担当することで、触媒結晶を生まれつき体内に持ち常時魔法を発動可能なアルヴの疑似状態を再現。これにより、徒人でありながら生命の詩を用いたミスリルの加工を行えるようにした。
- モートリフト
- 普及型幻晶甲冑。
- 簡素な構造で細かな動きを不得意とするが、効率的に力を発揮できる設計となっているため、重量物の扱いに優れ汎用重機として広く用いられている。モートラートと違って五指ではなく、力作業に向いた頑丈な腕の作りをしている。その便利さから一般にも普及し始めている。
- 大多数の人間は乗り始めのころすぐに魔力切れを起こすため長時間の作業が出来ないが、しばらく使っていくうちに魔力が鍛えられて普通に装着したまま作業出来るようになる。銀鳳騎士団の鍛冶師達はこのモートリフトを装着したまま鍛冶作業を行うという荒業を開発し、結果として幻晶騎士の整備や製造に大幅な効率アップを齎した。この革新的な鍛冶技術は学園の教師陣に衝撃を与え、後に王国内の教育機関すべてで授業内容が変更されることになった。
- 最初期のモートリフトは、ディクスゴード公より提供された小型の魔導演算機を艤装したモートルビート=後のモートラート相当品で、銀鳳騎士団首脳部に試作品を紹介した時に銀鳳騎士団首脳部はモートルビートと区別が出来ず、バトソンが操縦している事で漸くモートルビートとの違いに気が付いた程違いは少ない。開発された秋から厳冬期前にかけての初期量産時に、生産工数の軽減の為に後の典型的モートリフトへの簡略化が進んだ。
- モートラート
- 戦闘用幻晶甲冑。モートルビートや初代モートリフトの設計思想を受け継いでおり、騎操士の初期訓練にも使われる。
- 戦闘用として可動の自由度が高く設計されており、五指を備えているため細かい作業にも向いている。その分モートリフトには単純なパワーで劣っており、操縦も複雑になっている。
- 幻晶騎士にこそ及ばないが、その戦闘能力は生身の人間にとって脅威でしかない。小型の魔獣程度ならこれだけで容易に相手にでき、奇襲とそこからの集団による袋叩きで単体相手であれば決闘級魔獣すら倒せる。対幻晶騎士でのかく乱戦法、砦などへの突入に使用されるなど、歩兵部隊にとっては大いに戦力アップとなった。
- シャドウラート
- 藍鷹騎士団正式採用の諜報用幻晶甲冑。
- 銀鳳騎士団との連絡係を務めるノーラ・フリュクバリが、騎士団での幻晶甲冑運用を目の当たりにして、小回りに長け大きな力を発揮しながら静粛性にも優れる点が諜報活動に最適であると思い至り発案した代物。
- モートラートよりも静音性や隠密性に特化しており、闇に紛れての隠密行動では歩哨のかなり近くを通っても存在に気付かれないほど。潜入工作任務で非常に優秀な成果を上げている。
- 降下甲冑(ディセンドラート)
- 飛翔騎士の操縦桿として用いられる、緊急脱出機構も兼ね備えた専用幻晶甲冑。
- 脱出に必要な魔法を騎操士自身が習得していなくても問題が起こらないように甲冑そのものに色々と仕込まれており、着る紋章術式といった代物に仕上がっている。
- 生存性に性能を割り振っているため単純な戦闘能力では他の幻晶甲冑に及ばないが、それでもアディほどの飛びぬけた実力がある者が使えば決闘級魔獣とも戦える。
- 重機動工房(ドワーヴズフィスト)
- ダーヴィド専用の幻晶甲冑。後にバトソン用も登場。
- 幻晶騎士の整備に便利なようにと、銀鳳騎士団所有のモートリフトは大なり小なり鍛冶師ごとに勝手にカスタマイズされているが、これはその中でも異例なほど大改造されている。
- モートリフトの腕を改造した大型クレーンアームに加え、モートラートに採用されている五指を備えた精密作業用の腕まで付いており、ほかにも工具ラック・資材収納箱・魔導式トーチを備え、大規模溶鉱炉を必要とする作業以外はこれ一機で対応できるという規格外の代物に仕上がっている。
飛空船
- 飛空船(レビテートシップ)
- オラシオが、その一族の研究成果である純エーテル作用論を元に、ジャロウデク王国の支援を得て開発した源素浮揚器(エーテリックレビテータ)を基礎技術として、世界で初めて開発実用化した空飛ぶ船。
- ジャロウデク王国で建造された典型的な形状は、一般の水上船を上下反対にしたような形状で、水上船なら船底にあたる中央上部に船橋を有し、船首に騎士像(フィギュアヘッド)と呼ばれる上半身のみの幻晶騎士を搭載し、その両手に繋がれた起風装置(ブローエンジン)で起こした風を舷側に張った帆に当て推力とし、その起風装置で起こす風の方向・出力や、帆の操作で推力方向強度を操作し、浮力源の源素浮揚器操作で基準飛行高度を操作する。起風装置単体で推力を得ることはない。
- 後には巡航用の帆と起風装置に加えて戦闘機動用推進器として或いは代えて、魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)を装備するものが出て来る。
- 初期には飛礫の雨(カタパルト)のみを固定武装としており(飛竜戦艦を除き、船首騎士像が武装している記述は無い)、輸送・空挺専用であった。後に法撃戦仕様幻晶騎士を固定武装として搭載することが一般的になる。アニメ版では火炎弾投下による対地攻撃を行っている。
- 強襲揚陸船(ランディングシップ)
- 従来飛空船の想定任務であった、幻晶騎士を搭載し、主として懸垂下降で地上に展開 (軍事)させて、拠点制圧する事を、戦訓を受けてより装甲をより強化することにより、より確実に達成しようとした飛空船。法撃戦仕様幻晶騎士を搭載し対地攻撃能力を獲得した飛空船の登場により、差別化のため四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦以後に一般化した呼称。Web版ではストールセイガーの形容としてのみ登場する。大西域戦争後各国でも建造されていく。
- ストールセイガー
- Web版にのみ登場するジャロウデク王国軍旗艦。ジャロウデク軍内でも規格外の大型飛空船。エルによって鹵獲され、武装を追加し、各所への輸送・連絡船として使われ、ロカール諸国連合の西端城砦群上空で、エレオノーラ女王座乗のまま飛竜戦艦から襲撃を受けるも残存する。戦闘終了後、エムリスを含む銀鳳騎士団首脳部を乗せ、先行してフレメヴィーラ王国に帰還した。後、飛翼母船(ウィングキャリアー)一番船イズモに改装された。
- 飛竜戦艦(ヴィーヴィル)
- ジャロウデク王国で建造されたドラゴン型の完全戦闘用飛空船。就役後墜落までドロテオが一貫して操縦者兼船長を務めた。
- 古代の魔獣「竜(ドレイク)」を象り、金属内格と結晶筋肉で柔軟に可動する重装甲の船体を誇る。武装は艦首から放つ主砲の超々大型魔導兵装「火竜撃咆(インシニレイトフレイム)」や、近接格闘用の大出力アーム「格闘用竜脚(ドラゴニッククロー)」に加え、幻晶騎士のアンキュローサを艦内に多数埋め込んでの対空防御も苛烈であり、城塞都市すら単艦で蹂躙する圧倒的な戦闘能力を保有する。機械的強度で構造が維持されている一般の飛空船と異なり、幻晶騎士と同様に強化魔法を常時使って船体構造を維持している。
- 元々は他国への技術流出を想定したオラシオが対飛空船を想定した「空の支配者」として試作し、推進力不足からお蔵入りとなっていた物であったが、イカルガの目撃情報から魔導噴流推進器を、法撃戦仕様幻晶騎士から複数の魔力転換炉を並列接続する動力方式を得た事で実用化に至った。
- しかし、騎士像を合わせ13機分の魔力転換炉を以ても魔導噴流推進器を常時稼動させるには魔力出力が足りず、戦闘中でも帆を用いる巡航用の推進方式に切り替え魔力回復を待たなければならない。文庫版では最終決戦前の修理で竜血炉を追加艤装し、それを含む全魔力転換炉へ高濃度エーテルを供給する最大化戦闘形態《マキシマイズ》(web版では通常型魔力転換炉への高濃度エーテル供給のみ)中は魔力不足が解消された。
- 文庫版では四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦、web版ではロカール諸国連合の西端城砦群付近で、イカルガ・対空衝角艦(ジルバヴェール:文庫版)・ストールセイガー(web版)・ツェンドリンブル等に破れ、墜落粉砕した。
- 対空衝角艦(ジルバヴェール)
- 「飛空騎4式装備、空対空突撃仕様飛空船」の略称。Web版には登場しない。銀鳳騎士団が鹵獲したクリストバルの座乗していた旗艦飛空船に、内蔵式多連装投鎗器(ベスピアリ:128基全門斉射時の全弾誘導は作中エルしか行っていない。全門分は搭載不可能だが戦闘中の再装填可能)や、特に船首部の装甲強化と衝角増設などの、対飛竜戦艦用の大改装を施したもの。併せて船橋から各種船内機器へのリモートコントロールシステムを追加し、船橋での集中管理と省船員化を成し遂げている。常時は折り畳んだ帆はエアブレーキ用に残すものの、推進器は起風装置(ブローエンジン)に代えて、全魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)化し、船上に搭載拘束したツェンドリンブル2騎や一時的ではあるがイカルガを魔力源としている。起風装置が撤去され、船尾の魔導噴流推進器が船橋から遠隔操作される為、不要になった騎士像(フィギュアヘッド)が船首に残っているのか、撤去・移設されたのかは記述がない。
- 戦闘終了後武装を降ろし輸送仕様とし、鹵獲物等を満載し、エムリスを含む銀鳳騎士団首脳部を乗せ、先行してフレメヴィーラ王国に帰還した。以後の処遇は不明。船長はダーヴィドが勤めた。
- イズモ
- 銀鳳騎士団開発の飛翼母船(ウィングキャリアー)一番船。Web版ではストールセイガーを元に改造し、文庫版では新規設計・建造している。初代船長はダーヴィドが勤めた。
- 飛翔騎士を一個中隊=10騎までを内部に収容し、船尾の扉付出入口付近の揚重腕機(クレーンアーム)で船外に投射発進し、船外で掴まえて船内に収容する。船内での移動は源素浮揚器(エーテリックレビテータ)で浮いているのを、幻晶甲冑(シルエットギア)で運搬する。
- 運用をするのが詳細設計建造にあたった銀鳳騎士団騎操鍛冶師隊なので、居住性に配慮されている。推進器は起風装置(ブローエンジン)+帆を主とし、魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)による推進は、web版ボキューズ大森海第二次先遣調査作戦(=エル・アディ奪回作戦)時に一時的に行われた。法撃戦仕様機(ウィザードスタイル)を複数搭載し、そのウォール・ローブがイズモに接続共有されて大容量の魔力蓄積能力を有し、その魔力が保つ間は高いバースト法撃戦能力を有する。
- 輸送飛空船(カーゴシップ)
- 国機研開発の飛空船。物資・人員の輸送が主任務。
用語
世界観
- 惑星・大陸
- 舞台となっている大陸はセッテルンド大陸。セッテルンド大陸を中央で東西に別つオービニエ山脈西側で、魔獣をほぼ駆逐し制覇した人類(+ドワーフ+アルヴまたはエルフ)が、魔獣が跋扈・繁殖するオービニエ山脈東側に進出しようとして、フレメヴィーラ王国などの足掛かりを築いて数百年経ったのが、物語開始時点となる。
- Web版 Knight's & Magic 設定資料兼備忘録では、舞台となる世界全体を指す名前は無く、舞台となる惑星の名が無い以前に、惑星であるという認識すら無い、とされていた。「月」と呼ばれる存在が夜間の空に存在する記述があり、恐らくは衛星が舞台となる惑星に存在し、その挙動に基づいて決められたと思われる。「月 (暦)」という時間単位も物語中に登場する。フレメヴィーラ王国に春夏秋冬の季節は存在するが、それが舞台となる惑星の地軸の傾きによるのか、太陽周回軌道が楕円であることによるのかを、判断する記述は無い[注釈 8]。
- 観測された範囲では上空程エーテル分圧が高くなり、空の果てやこの世界の真空は、純粋なエーテルで満たされているのであろうと、エルは予想している。
- アニメ版オープニングでは、舞台となる惑星らしき物が丸く見える程の上空=宇宙に、イカルガが飛んでいるシーンがある。
- 大西域戦争に関する話の最末期の地の文で、飛空船の普及によりセッテルンド大陸外での形を変えた争いの時代=大航空時代の到来が予告されており、セッテルンド大陸外に争奪戦の対象や対外戦争相手となる大地(島礁大陸など)などがあろう事が合理的に予想できる。
- 西方暦
- セッテルンド大陸の、西方諸国(オクシデンツ)~フレメヴィーラ王国内の人類社会で生活する人類・ドワーフ・アルヴ=エルフが共通して用いている暦・暦法・紀年法。アルヴ=エルフ社会・ドワーフ社会や、巨人族(アストラガリ)社会・小鬼族(ゴブリン)社会で用いられている記述は無い。「月」という時間単位も地の文や会話中に登場する。
- 西方暦1277年から西方暦1278年にかけては、厳冬期直前に年が切り替わっている[注釈 9]。
- 文庫版の物語の開始は、エル約満3歳時で西方暦1268年。Web版では、エルがライヒアラ騎操士学園中等部を卒業し、銀鳳騎士団がライヒアラ騎操士学園内からオルヴェシウス砦に拠点を移す時に、西方暦1288年と初めて西方暦が登場するが、この時は文庫版では西方暦1280年と記述されているので、web版と文庫版の間には西方暦上のズレがある。
- 種族
-
- 人間
- 人類の中核を占める種族[13]であり、騎操士は全て人間族である[14]。
- ドワーフ
- 鍛冶を得意とする種族であり、人間と合わせて人類社会を構成する種族。典型的なドワーフのイメージそのままと言ってよく、本作においても立派な髭は、彼らの誇りである[15]。
- アルヴの民
- web版のみ種族名がエルフとなっている。耳が長く体内に触媒結晶を有し、素で大規模高精度な魔法を揮う。寿命は500年内外。100歳を超えると、眠りと思索の間に生きるようになる。人類の事は「徒人(あだびと)」と呼ぶ。ごく一部の例外を除けば、幻晶騎士(シルエットナイト)の心臓部、魔力転換炉(エーテルリアクタ)を作れる唯一の種族で有り、その為に各国で保護されている。
- 巨人族(アストラガリ)
- 同一種族内で眼の数が異なる、巨人種族。詳細は「巨人族(アストラガリ)」を参照。
- 小鬼族(ゴブリン)→小人族(ヒューマン)
- 種族的には、人類とほぼ同じ。詳細は「小鬼族(ゴブリン)→小人族(ヒューマン)」を参照。
国家・組織・地名
- フレメヴィーラ王国
- セッテルンド大陸を中央で東西に別つオービニエ山脈東側の山裾から平野部にかけてを国土とし、同山脈東部で西方諸国(オクシデンツ)に認識される唯一の国家で、世襲王政・世襲貴族制。王位継承は基本現国王の長子(男子限定なのか男女区別無しなのか、出産者により上下が生ずるか否かは、記述は無い)継承とし、その兄弟・姉妹が男女を問わず順に継承権二位以下に続き(出産者により上下が生ずるか否かは、記述は無い)、現国王に孫までいる場合は、現国王の子達の後に続いて、長子の子から順に王位継承権が与えられる。エルネスティの出身国である、本作初期の舞台で、その後のエルネスティ一党の行動の足場となる国家。
- かつて失敗に終わったボキュース大森海への森伐遠征軍が、敗退・撤兵する際にオービニエ山脈東側に建国した。建国より数世紀を経ている。
- カンカネン
- フレメヴィーラ王国首都。前身となる砦の風貌を強く残す王城シュレベール城を擁する。オービニエ山地山麓の前線基地として設けられた要塞都市を起源としている為、堅牢な石造りの町並みで、王城を中心に幾重もの城壁が周囲を囲うが、現在城壁機能は最外周城壁のみが機能している。
- 首都防衛を任務とする近衛騎士団が駐屯し、都市騎士団としては例外的に国王直属扱いされる。騎士団に付属する演習場で、アンブロシウス王他へのカルダトア・ダーシュ披露と、国機研と銀鳳騎士団間の模擬戦と、紫燕騎士団結成式典が行われた。Web版では、この演習場かカンカネン郊外の別の演習場かは不明だが、帰還したボキューズ大森海第二次先遣調査船団(エル・アディ奪回船団)からの荷下ろしと、リオタムス王とアンブロシウス先王(二回目のみ)と巨人族(アストラガリ)の接見が行われた。
- ライヒアラ騎操士学園
- 王都カンカネンから馬車で半日程東方のライヒアラ学園街の過半を占め、フレメヴィーラ王国では最大規模を誇る、騎操士などを養成する学園。初等部(9歳から)・中等部(12歳から)・高等部(15歳から)の3段階からなり、それぞれ3年間の教育を受ける。この作品における高等部は(現実における)大学に相当する機関であり、通常の人間は中等部卒業で社会に出る。毎年春に卒業・入学が行われる。
- 騎操士養成以外にも、同国の子供たちへの様々な教育を行っており、騎士学科以外に農業学科や商業学科、服飾学科なども存在する。
- 幻晶騎士の修理・メンテナンスなどの要員養成のための鍛冶学科、金属の精錬などを担当する錬金術師学科といった学科もあり、学園内で一通り幻晶騎士を製造・運用できるだけの設備と人員が揃っている。さらに、主に操縦訓練の目的で(旧型ではあるが)幻晶騎士も保有しているため、エルはまずそれを利用して実際に幻晶騎士の改良を行うことで実績を積んだ。銀鳳騎士団の設立後も、専用の砦が建設されるまでの間は学園の設備を借り受ける形で運営を行っていた。
- 国立機操開発研究工房(シルエットナイトラボラトリ)
- 首都カンカネンから馬車で数日南方に位置する、城塞都市デュフォール内の過半を占める。
- 通称、国機研(ラボ)。幻晶騎士の研究機関で、銀鳳騎士団とは当初ライバル関係にあった。
- 後に銀鳳騎士団が開発したプロトタイプを元に操縦性などをチューニングするという役割分担をするようになる。
- 銀鳳騎士団(ぎんおうきしだん)
- エルの護衛戦力を兼ねた幻晶騎士開発集団。ライヒアラの騎操士学科・鍛冶学科の卒業生がほぼそのまま在籍するほか、ライヒアラ騎操士学園内に間借りしていた間はまだ在学中の学生も見習い扱いで所属していた。Web版では、オルヴェシウス砦の内部か付属してか別か不明だが、「高等部の学生たちの砦も完成していた」との記述があるので、高等部騎操士科の見習い制度が継続していると思われる。
- 設立当初は幻晶騎士二個中隊だったが、ライヒアラからライヒアラ近郊のオルヴェシウス砦に拠点を移すと三個中隊に増強される。Web版では幻晶騎士二個中隊編成のまま。Web版でオルヴェシウス砦建設は、銀鳳騎士団が自力で、ライヒアラ騎操士学園在学中の見習いが主力となって行われた。
- クシェペルカ編では「銀鳳商会」を名乗り、建前上国家に属さない傭兵として活動したこともある。
- Web版大航空時代前夜編では、第一以下の番号付き中隊は各個に銀鳳騎士団配下の騎士団として独立させ、個々騎士団規模に増勢し、国立機操開発研究工房から銀鳳騎士団(開発部隊)へ一部人員転籍する旨、リオタムス王が下命し、国立機操開発研究工房からの移籍が実行された。
- 第一中隊
- エドガーが中隊長。守勢に強い。
- 第二中隊
- ディートリヒが中隊長。攻勢に強い。周囲からは戦闘狂の集団と見做されている。
- 第三中隊
- ヘルヴィが中隊長。新型機のテストに関わることが多く、隊長含めて新しいもの好きで構成されており、人馬騎士や飛翔騎士を運用する隊となっている。Web版には登場しない。
- 飛翔騎士隊
- 空戦仕様機(ウィンジーネスタイル)シルフィアーネ(二世・テイク2)試作をリオタムス王への書簡報告後、リオタムス王の元に召喚されたエルが、設立の王命を受けた飛翔騎士を専門とする中隊。編成中に銀鳳騎士団外で騎士団新設に話が曲解され、王の権威を以てしても抑え難いとリオタムス王が判断した結果、後に紫燕騎士団(しえんきしだん)と命名される独立した騎士団設立に王命は変更され、実際に稼動することも、ナンバリングされることもなかった。
- 第四巨人中隊
- ボキューズ大森海に取り残されたアディが、巨人族(アストラガリ)カエルレウス氏族内で、同行する騎士団長エルの口頭許可を得て現地臨時編成 (軍事)を宣言した。中隊長のアディの他は巨人で編成された。ある種の『ごっこ遊び』であり、フレメヴィーラ王国政府が公認した記述は無い。Web版には登場しない。
- 騎操鍛冶師(ナイトスミス)隊
- ダーヴィドが率い、開発・研究・試作・生産・改造改良・維持(メンテナンス)・飛空船(レビテートシップ)運用に携わる鍛冶師部門。第一以下の番号付き中隊分離騎士団化後も、銀鳳騎士団の中枢機能として、銀鳳騎士団内に留め置かれる。
- 造船分隊
- 飛翼母船(ウィングキャリアー)一番船イズモ建造にあたって設けられた、騎操鍛冶師隊配下の分隊。バトソンを分隊長とした。
- 藍鷹騎士団(あいおうきしだん)
- 公になっていないフレメヴィーラ国王直属の密偵集団。存在を知るのはごく僅かで全貌を知るのはアンブロシウス及び、王位を継いだ後のリオタムスのみ。但し文庫版ではカザドッシュ事変後藍鷹騎士団の指揮権をアンブロシウス国王がクヌートに委譲している。騎士団員は目立たぬよう凡庸な容姿をしている者が多いが、何故かノーラは美麗な容姿をしている[16]。
- 紫燕騎士団(しえんきしだん)
- 飛翔騎士専門の騎士団。
- 当初は、銀鳳騎士団内に飛翔騎士一個中隊を試験的に増設する話だったが、飛翔騎士専門の騎士団が創設されると噂が大きく広がり、独立した騎士団として創設された。
- これまでの幻晶騎士とは運用形態が全く違う飛翔騎士なら真っ新な新人が覚えたほうが早いだろうという判断で、騎操士は全て各地の学校を卒業したばかりの新人。
- 初代騎士団長トルスティ・コスケンサロ。キヴィラハティ中隊が最初に戦力化され、以後逐次増勢されていく事となっている。
- アルヴァンズ
- フレメヴィーラ王国南西部巨樹庭園(ギガントガーデン)外縁と森都(アルフヘイム)間を、王都カンカネン外壁より高く分厚い城壁で遮断する、アルチュセール山峡関要塞を拠点とし、森都を守護する選り抜きの騎士団。アルフヘイムを守護するため一流の騎操士で編成された特別な秘匿部隊であるため、一般にはその名前を知られていない。
- 森都(アルフヘイム)
- フレメヴィーラ王国南西部オービニエ山地から、巨樹庭園(ギガントガーデン)側に張り出した尾根に囲われた盆地内にあり、人間より遥かに寿命が長い種族「アルヴの民」(web版ではエルフ(の民)と呼ばれる)が、キトリーを大老(エルダー)に戴き、自治する街。中枢機関は森護府(しんごふ)。フレメヴィーラ王国内における唯一の魔力転換炉(エーテルリアクタ)量産地であり、一般には存在すら秘された閉鎖都市。
- アルチュセール山峡関要塞から先、森都側へは如何なる戦力の持ち込みも『法』(フレメヴィーラ王国とアルヴ間の協定)により禁じられ、『衛遣』(従人=人類との橋渡しのため、人類社会内に派遣されているアルヴ)が認め、同行する者しか入場は認められない。同様な郷は他国にもある。
- 西方諸国(オクシデンツ)
- セッテルンド大陸を中央で東西に別つオービニエ山脈より西方にある国家群の自称。魔獣が大量に棲息するボキュース大森海からはフレメヴィーラ王国とオービニエ山脈を間に挟むため、あまり魔獣の侵攻を受けない。西方諸国内では魔獣はほぼ撲滅されている。
- ジャロウデク王国
- 西方の大国の一つ。西方諸国内でも西方寄りに位置する。世襲王政・貴族制。数々の幻晶騎士や飛空船など、強大な軍事力を保有していた。
- 王族に代々受け継がれてきた世界の父(ファダーアバーデン)再来への野心から、ロカール諸国連合征服に続き、クシェペルカ王国へと侵攻を開始する。クシェペルカ王国征服を失敗し、撤退したことで諸外国から侵略を受け、国土の多くを失いながらも、グスターボ他の防衛戦成功と、国土喪失後退に伴い接触した複数の侵略軍間の対立、諸外国にリークされた飛空船(レビテートシップ)技術の実用化に諸外国がリソースを振り向けたことで、大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)後半戦を凌ぎ切り国家は存続した。Web版ではこの間西方暦1290年内に国王バルドメロが崩御し、王位継承権の第一位にあるカルリトスは、大西域戦争劣勢の責で諸侯の手による放逐され、空位となった王座には傍流にあたる公爵家より新たな王が迎え入れられ、ジャロウデク王家による中央集権は緩んだ。
- 銅牙騎士団(どうがきしだん)
- ケルヒルトを団長とする、他国への潜入工作を目的とした間者集団。
- ライヒアラ騎操士学園内に潜入させていた内通者からの知らせで新型幻晶騎士(テレスターレ)の存在を知り、本国へ報告し本国の命令でカザトシュ事変でテレスターレ(トランドオーケス)を奪って逃走、かなりの団員を失いながらも本国への搬入に成功した。web版では、ケルヒルトの過去の失態による左遷でフレメヴィーラに派遣され、新型幻晶騎士の鹵獲の功績で悲願の本国復帰を果たす設定。
- ロカール諸国連合征服戦と続くクシェペルカ王国侵攻及びその後の占領地防衛戦に動員され、ほぼ全団員を喪失し、最期に四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦でケルヒルトが死亡し壊滅(web版ではデルヴァンクール防衛戦)。
- 鋼翼騎士団(こうよくきしだん)
- 後のフレメヴィーラ王国ボキューズ大森海第一次先遣調査船団をも凌駕する大量の飛空船(レビテートシップ)やティラントーが配属され、ティラントーを含む幻晶騎士を懸垂下降で地上に展開 (軍事)させて、拠点制圧する事を主任務とした空挺(実際の運用はヘリボーンに近い)騎士団。編成は、飛空船1隻あたりティラントー2個小隊=6騎と、飛空船の搭載力の都合上、ジャロウデク王国軍としては変則になっていた。
- クシェペルカ王国王都デルヴァンクール強襲を成功させ、グスコに率いられた飛空船2隻幻晶騎士4個小隊が銀鳳騎士団第二中隊と一戦交え、レトンマキ男爵領攻略戦では搭載した銅牙騎士団ヴィッテンドーラを低空より降下させ、ミシリエ夜間攻略戦では銀鳳騎士団の迎撃で大損害を被り(鋼翼騎士団所有飛空船全24隻中10隻喪失)、降下した一部のティラントーもレーヴァンティアに駆逐された。この後飛空船の武装強化が決定し、その戦闘教義研究をドロテオと行うことをカタリーナより命ぜられる。飛竜戦艦(ヴィーヴィル)の実用化・就役後、飛竜戦艦を旗艦とする翠玉竜騎団に多くの戦力が吸収され再編されたと思われ、四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦時には、鋼翼騎士団所属の飛空船の存在と、翠玉竜騎団が飛空船の大半を保有する旨の記述がある。
- Web版では、ドロテオが所属しており、クシェペルカ王国王都デルヴァンクール強襲を成功させ、そのままクシェペルカ王国南北領攻略にその大半が投入され、ドロテオ率いる部隊が銀鳳騎士団と合流したマルティナ・イサドラ・エレオノーラを飛空船で捜索捕捉降下襲撃するも銀鳳騎士団に敗退した。鋼翼騎士団が擁する飛空船全24隻中10隻がジャロウデク混成軍東方領制圧作戦に動員され、その末尾のフォンタニエ攻略戦で銀鳳騎士団の迎撃により壊滅した(本陣用の飛空船1隻が帰還しているが鋼翼騎士団所属かは不明)。以後飛空船の輸送性能を犠牲にした攻防性能強化と鋼翼騎士団の再訓練が行われた。実戦初投入の旗艦ストールセイガーを含め、デルヴァンクール防衛戦中のコデルリエ平原会戦に投入され、ストールセイガーが銀鳳騎士団に鹵獲され、その他飛空船や搭載幻晶騎士も大被害を受けた。以後飛竜戦艦の所属が鋼翼騎士団か否かは不明で、鋼翼騎士団自体の動静も不明になる。
- 翠玉竜騎団(すいぎょくりゅうきだん)
- 飛竜戦艦(ヴィーヴィル)の実用化・就役後これを旗艦として、被害甚大な各騎士団及び飛空船群を吸収再編して新設したと思われる騎士団。web版には登場しない。
- 四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦時には、翠玉竜騎団が飛空船の大半を保有する旨の記述と、グスターボ騎乗の死者の剣(デッドマンズソード)に率いる翠玉竜騎団地上部隊ティラントー群が、エレオノーラ騎乗のカルトガ・オル・クシェール二世を撃破すべく、新生クシェペルカ王国近衛軍+エムリス騎乗の金獅子(ゴルドリーオ)率いる銀鳳騎士団第二三中隊突破に挑むも失敗壊滅し、飛竜戦艦が墜落した四方楯要塞内に待機していた翠玉竜騎団も壊滅している。
- 黒顎騎士団(こくがいきしだん)
- ティラントーが大量に配備された、ジャロウデク王国地上通常戦最強騎士団。
- 大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)冒頭のロカール諸国連合征服、続くクシェペルカ王国侵攻の冒頭で、一番楯要塞(シルダ・ユクシア)前でクシェペルカ王国主兵力を誘引し、鋼翼騎士団による王都デルヴァンクール空挺強襲を成功させた。
- クシェペルカ王国征服後は旧同国領各所に展開し、銀鳳騎士団の攻撃で部分的に損害を受ける。同国東部の西制圧作戦中のジュデオン都市要塞攻略は失敗し後退する。ミシリエ攻略に動員されるが、魔導飛槍による支援攻撃を得たイカルガ単機の襲撃を受けて壊滅した(web版ではクシェペルカ王国全土征服は遂にできず、途中の損害記述はなく、新生クシェペルカ王国の新王都フォンタニエ攻略戦で同様にほぼ壊滅)。
- 青銅爪騎士団(せいどうそうきしだん)
- ティラントーが大量に配備された、ジャロウデク王国地上通常戦用騎士団。
- ロカール諸国連合侵攻時に動員され、鋼翼騎士団によるクシェペルカ王国王都デルヴァンクール制圧後は各地への制圧に展開した。全土制圧後、東西街道(オクシデンツロード)を扼する、クシェペルカ王国最東端の関所に配属された、ティラントー2個小隊6騎が銀鳳商会の襲撃で撃破され、関所は占拠された。以後具体的な動静は不明。
- Web版ではロカール諸国連合侵攻時に動員された騎士団としてのみ登場。
- 鉛骨騎士団(えんこつきしだん)
- 大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)全期間に渡って、ジャロウデク王国本土防衛にあたった騎士団。
- 銀鳳騎士団が本国に帰還した後、純粋なジャロウデク王国本土防衛戦に転じた大西域戦争後半には、剣だらけ幻晶騎士を駆るグスターボが一隊を率いて所属していた。諸外国にリークされた飛空船技術の実用化に諸外国がリソースを振り向けたという奇貨もあり、相当の国土を奪われながらも国防任務は成功し、ジャロウデク王国は存続した。
- 中央開発工房
- 一族の研究成果である純エーテル作用論をジャロウデク王国に持ち込み、同国の後援を得て発展させたオラシオが、工房長に抜擢・就任している。
- クシェペルカ王国
- 西方の大国の一つ。世襲王政・世襲貴族制。フレメヴィーラ王国にとっては、オービニエ山脈を挟んだ隣国に当たる。
- リオタムスの妹マルティナがクシェペルカ王国東方の大公フェルナンドの元に嫁いでおり、エムリスが留学していたが、帰国した後、ジャロウデク王国の侵攻を受ける。その際、国王アウクスティは戦死するも、一人娘のエレオノーラが生き延び、後にエルネスティら銀鳳騎士団の手を借りて反抗に着手。エレオノーラは新生クシェペルカ王国の女王として即位し、銀鳳騎士団と彼らの技術貸与による自軍の活躍でジャロウデク軍を退けることに成功する。
- 世界の父(ファダーアバーデン)
- かつて存在した西域統一王政国家。幻晶騎士を以て西域から魔獣をほぼ駆逐し尽くし、失敗に終わったボキュース大森海への森伐遠征軍を派遣し、敗退・撤兵する際にオービニエ山脈東側に後にフレメヴィーラ王国となる占領地や、後の小鬼族(ゴブリン)の元となる残存部隊を遺した。ジャロウデク王国・クシェペルカ王国・ロカール諸国連合・孤独なる十一国(イレブンフラッグス)は、世界の父が分裂して個々独立した国家群。web版では分裂は1000年近く前としているが、アンブロシウスがフレメヴィーラ王国第10代国王であることと矛盾する可能性がある。文庫版ではフレメヴィーラ王国が建国から数世紀となって矛盾を解消している。
- カルリトスは世界の父復活を大義名分に、西域統一戦争=後世呼称:大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)を開始した。
- ボキューズ大森海(用語)
- セッテルンド大陸東方のフレメヴィーラ王国領より更に東側に存在する非常に広大な樹海。イラスト化されている大陸地図からすると、いくつもの国家が入るほどの広大さとなっている。小動物から師団級魔獣まで含むあらゆる種類の獣が多数棲息。西側の人類にとっては人跡未踏の地で、魔境として恐れられている。太古の昔から大森海の生物の頂点は穢れの獣(クレトヴァスティア)だったが、巨人戦争編において銀鳳騎士団とエルによってほぼ駆逐され、エルは今後大きく勢力図が書き換えられるだろうと予想している。奥地には壁のように巨大な山脈があり、その麓で巨人族が勢力を築き、小鬼族(ゴブリン)と呼ばれる第一次森伐遠征軍の生き残りも共に生活していた。
- 巨人族(アストラガリ)(用語)
- 同一種族内で眼の数が異なり、一眼位~六眼位まで存在する。眼が増えるに従って身体能力と魔力が上がって社会階級も高くなり、勇者と呼ばれる氏族を代表する戦士は三眼位以上から、集落の長は四眼位以上から、王位は稀に生まれる六眼位の巨人のみが継承できる。巨人の神である百眼神を信仰しており、巨人の王位とは人間の王位と若干異なり神と交感出来る巫女や神官を兼ねている。基本的に大森海奥地で氏族毎の集落を作り各々独立して狩猟採集社会を営むが、王が存在する期間は王のもとに統一される。
- 死ぬことを瞳を返す、格上を眼上、格下を眼下と独特の言葉遣いをする。言い回しや一部の言葉が古めかしいものの、何故か人間族の常用言語での会話が可能。この事実にはエルやアディも驚いている。Web版では森伐遠征軍の影響であるとしている。幻晶騎士以上の体躯と決闘級魔獣に勝るとも劣らない戦闘力を有し、争いは「問い」と呼ぶ戦いでの解決を旨とする。会話可能でそれなりの文化を持つ知的種族だが、基本は脳筋で話し合いよりすぐに力での解決に走る傾向がある。
- 四眼位以上は魔法を行使可能だが、実際はその巨体を支えるためすべての巨人族が無意識で身体強化魔法を使用している。巨人の魔法は感性に任せた代物であるため通常は三眼位以下は使えないとされているが、前述の理由で訓練すれば眼下の者でも意識して魔力を扱えるようになる。そのためエルと関わったカエルレウス氏族は、彼の手引きで巨人用の魔導兵装を使用できるようになった。
- カエルレウス氏族(ゲノス・デ・カエルレウス)
- ボキューズ大森海に取り残されたエルとアディが最初に遭遇し、フレメヴィーラ王国への帰還のために与した巨人族の小氏族。一度集落が滅ぼされたことで生き残りは少なく、氏族としては最も小さい。エルと出会ったことで人間族への認識が180度変わっており、今後共存していくことにも前向き。氏族を象徴する色は青で、青い飾りを装備に付けている。
- ルーベル氏族(ゲノス・デ・ルーベル)
- 第一次森伐遠征軍の生き残りが遭遇した巨人の氏族。彼らを隷属させていた。過去の真眼の乱にて、隷下の小鬼族が使役する穢れの獣の力で他の同規模だった大氏族を全て滅ぼし、物語時点では巨人族最大の氏族として覇権を確立。驕り高ぶって巨人族の絶対の掟すら無視するようになっていた。エルと小魔導師が成した諸氏族連合軍との二度目の戦争で、裏で暗躍していた小王の裏切りにもあい氏族の大半を失い失墜した。氏族を象徴する色は赤で、赤い飾りを装備に付けている。
- 小鬼族(ゴブリン)→小人族(ヒューマン)
- 世界の父の統治時代に行われた第一次森伐遠征軍が敗北した際に、ボキュース大森海に取り残された将兵の末裔達。ルーベル氏族に隷属して穢れの獣を使役しつつ、彼らの防具となる魔獣素材の加工などをやらされていた。支配する小王がアルヴであるため、上街に住む貴族階級には当時の情報が詳しく残されているが、下村に住む平民達にはまともな教育が施されていないため自分たちのルーツを知らない。取り残されて数百年を経ても言語はそれほど大きく変化しておらず、フレメヴィーラ王国民との間で不自由なく会話が可能。巨人戦争終結後にルーベル氏族の支配から脱し、小鬼族から小人族に改称した。
技術・兵器
- 幻晶騎士(シルエットナイト)
- 異世界で各国が主力戦力として使用している、全高約10メートルほどの巨大ロボット。
- 心臓部である魔力転換炉(エーテルリアクタ)から生み出される魔力(マナ)を動力とし、操縦に必要な各種魔法を騎操士に代わって実行する魔導演算機(マギウスエンジン)、そして骨格にあたる金属内格(インナースケルトン)、実際に機体を動かす結晶筋肉(クリスタルティシュー)などで構成される。ただとある事情から魔力転換炉の供給量に限りがあり、大量に増産することができない。
- また骨格となるパーツを一体成形する技術がなく、細かいパーツを複数組み合わせた上で強化魔法により骨格を支える構造となっているため、魔力転換炉からの魔力供給が途絶えると途端に自壊する(通常は魔導演算機内に安全装置があるため供給が途絶えることはない)。実際にエルは、対ベヘモス戦のクライマックスで安全装置をバイパスして魔力転換炉の全魔力を攻撃に用い、結果として自機の自壊を招いたことがある。また骨格ではないが、外装や外部装甲の結合部を補強している強化魔法を停止することにより、これらの部位を切り離すことも可能になる。
- 各国にとっての主力戦力でありその優劣が戦争において非常に大きく影響するため、各国はその改良にやっきになっているが、直近の100年ほどは改良も停滞気味であった。
- 元々は人間の骨格を元に生み出されたため二足歩行型で腕が2本のタイプがメインとなっているが、エルはその常識を覆し、多腕型や四足歩行型などの新しい幻晶騎士を次々と開発している。また当初は盗難防止機構がなかったが、作中で新型機のプロトタイプを他国に盗まれるというトラブルが発生したため、エルが銀の短剣を模した鍵(中に紋章を仕込んである)による認証機構を考案、以後の機体では標準として導入されている。
- 近接戦仕様機(ウォーリアスタイル)
- 剣や盾などを装備した従来型の総称。もっともスタンダードな仕様で、エルネスティの手により様々な用途の仕様が生まれたため、区別するためにこう呼ばれるようになった。
- 投槍戦仕様機(ジャベリニーアスタイル)
- 選択装備の一つである魔導飛愴を装備した対空対地仕様の総称。メインは空の相手への攻撃だが、魔導飛愴を敵集団に撃ち込んだりと地上での遠距離戦にも対応する。単純な格闘力では魔導兵装を使えない分近接戦仕様に劣るが、法撃戦仕様と違って対応は可能。空戦仕様機にも投槍戦仕様機は存在する。
- 法撃戦仕様機(ウィザードスタイル)
- 重装甲かつ大容量の畜魔力式装甲で作られたウォールローブを装備し、複数の魔導兵装を装備した遠距離法撃戦特化型の総称。
- 一般的な機体の倍にも相当する魔力容量に任せた多量の法撃を長時間放ち続けられる。欠点は超重量のウォールローブ装備による機動力および格闘能力の大幅な低下と、大容量ゆえに魔力の再充填に時間がかかる事。そのため輸送の際はそのまま自走させるよりウォールローブをバラして別に輸送した方が早く、運用の際には前線で再度組み立てて魔力を充填するための時間を確保する必要がある。
- 飛空船の艦載兵装として運用される機体の場合には、飛空船の畜魔力式装甲と一体化したウォールローブが用いられ、固定砲台兼補助魔力転換炉として使われる。複数の僚機と飛空船の魔力転換炉を大容量の結晶魔池(クリスタルプール)で連結する事で一つの群れとして大量の魔力を共有し、法撃にも飛空船の機動にも魔力を用いる事ができる。
- 空戦仕様機(ウィンジーネスタイル)
- 閉鎖型源素浮揚器(エーテリックレビテータ)による飛行能力を有する幻晶騎士。飛行能力を持っていても、魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)のみや、開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ)等の、他の手段により飛行能力を獲得した幻晶騎士は含まれていない。
- 銀鳳騎士団首脳部に対する、エルによるシルフィアーネ(二世・テイク2)初期設計図デザインレビュー時に、ダーヴィドが発した、幻晶騎士内におけるこの飛行型幻晶騎士の区分命名要求に応えて、エルが命名。後に飛翔騎士(ウィンジーネ)とも呼ばれる様になる。
- 幻晶甲冑(シルエットギア)
- 幻晶騎士の構造をベースにエルが考案した、全高2.5メートルほどのロボット。最大の特徴が「魔力転換炉を持たず、搭乗する人間自身の魔力により動く」こと。事実上はパワードスーツの一種である。
- 当初作られたプロトタイプでは魔導演算機も省略され、搭乗者が自ら魔法を駆使して結晶筋肉などを動かし操作する形だったが、それではエルなどごく一部の人間にしか動かせないことが判明したため、後の量産型では小型・簡略化した魔導演算機を搭載することで、魔力さえあれば誰でも動かせるようになった。魔力転換炉を持たないため大量生産も可能であり、実際フレメヴィーラ王国内では急速に普及し始めており、友好国にも技術供与されている。作中特に記述は無いが、操縦者直接目視を前提とした、眼球水晶・幻像投影機(ホロモニター)の省略(特にモートリフトは文庫版イラストでも明らかに省略されている)も、生産性調達性軽量小形化稼動時間延長に寄与している。
- 当初エルは騎操士の訓練用として考案したものの、実際に使われだすと、生身の人間よりはるかに重い荷物などを運搬できることから鍛治工作荷役機械建設機械等(異世界には存在しないとされているが、web版では城塞建設現場に人力クレーンなどの様々な建設機械が存在する。但し現在の日本法では人力でつり上げる装置をクレーンと呼ばない)の代替品としても使われるようになり、後に鍛治土木作業専用タイプも開発された。戦闘用は全身に装甲を持ち「巨大な全身鎧」風の外見なのに対し、鍛治土木作業用は中に熱がこもらないよう装甲を最低限まで減らし搭乗者が剥き出しになっている点が大きな違い(ただしアニメ版では「作画の負担を減らすため」という理由で、搭乗者はむき出しになっていない[17])。また稼働時には魔力転換炉の吸気音が大きな騒音となる幻晶騎士に対し、騒音発生が少なく静粛性に優れているため、諜報・潜入任務などを担当する騎士団にも重宝された。
- 文庫版では西方歴1280年春の時点で、幻晶甲冑は様々な分野に大きな影響を及ぼし、ライヒアラ騎操士学園を含む国内全土の教育施設に教育内容の刷新を図らせる迄に至っている。なお文庫版では、モートルビートの開発は西方歴1278年春過ぎ。モートリフト(実態はモートラート)の開発は西方歴1278年秋。その後モートリフトらしい仕様に簡略化されるのが、続く冬の西方歴1279年初冬の年明けまで。
- 騎操士(ナイトランナー)
- 幻晶騎士を操縦する騎士。
- 騎操鍛治師(ナイトスミス)
- 幻晶騎士の作り、整備などをする人(騎操鍛治師という漢字は文庫版から)。
- 幻獣騎士(ミスティックナイト)
- 小鬼族が使う守護騎士。サロドレアなどが原型になっている模様。
- 魔導演算機(マギウスエンジン)
- 幻晶騎士の頭脳ともいえる中枢部。魔法術式で、全身を動かすための魔力の制御や魔力転換炉の出力制御を行う。
- 魔力転換炉(エーテルリアクタ)
- 幻晶騎士の心臓部。吸気中に含まれるエーテルから魔力への転換機能をもつ。
- 周囲にエーテルが存在する限り半永久的に魔力を生み出すが、そのままでは大気中に拡散して再びエーテルへと還元されてしまうため、後述する結晶筋肉で一時的に保持される。
- 吸気中のエーテルが濃くなれば炉からの魔力出力は上がるが、炉の寿命は短くなる。一般に超硬度金属の精霊銀(ミスリル)に魔法で塑性加工して超大規模魔法術式「生命の詩(ライフソング)」を高密度に刻印(普通は一部のアルヴにしか不可能)した物と、触媒結晶と血液晶(エリキシル:人工血液)とを組み合わせて生産される。事実上魔力転換炉生産調達数が幻晶騎士(シルエットナイト)生産数を規定する程の、希少で国家統制された戦略物資。後には飛空船の推進器や動力源の一部段階を為すようになるので、更に需要が高まる。
- 竜血炉(ブラッドグレイル)
- 高濃度エーテル対応と称するが、事実上高濃度エーテル専用の超高出力魔力転換炉(エーテルリアクタ)。web版未登場。
- アルヴの関与の度合いは不明ながら、純エーテル作用論に基づきオラシオ一党が試作し、幻晶騎士の半分程の大きさの試作品一基を、城塞都市群攻略戦でイカルガと一戦交えた後の飛竜戦艦(ヴィーヴィル)に艤装し、四方楯要塞防衛戦で実戦に投入され、四方楯要塞に墜落した飛竜戦艦と共に失われた。飛竜戦艦と異なり周辺国にその存在を知られていなかったので技術争奪の対象にならず、陥落前にデルヴァンクールから脱出したオラシオがその技術(者)を抱えて失踪したものと思われ、以後物語中に出ていない。
- 登場当時の技術水準では、飛空船類に装備し大気中のエーテル分圧の低い低空で使用した場合、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)が必要とし、源素供給器(エーテルサプライヤー)から供給されるエーテルを鯨飲馬食する為、飛行時間の極端な減少を招く問題があった。
- 結晶筋肉(クリスタルティシュー)
- 幻晶騎士の筋肉パーツ。触媒結晶を錬金術で加工した物。魔力転換炉から生み出された魔力を一時的に保持する性質を持つ。
- 綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)
- エル発案の新型結晶筋肉。
- 繊維状のまま使用していた結晶筋肉を綱状に縒り合わせた結果、従来品と比較して出力は1.5倍、耐久性は10倍という大幅な向上をもたらした。消費魔力は向上した出力相応で、畜魔力能力は質量・体積相応のため、従来の結晶筋肉より魔力切れに陥り易くなった。
- 板状結晶筋肉(クリスタルプレート)
- 綱型結晶筋肉化による魔力切れを避ける為、アディの発案を元に新たに開発された魔力蓄積に特化した板状の結晶筋肉。
- 蓄魔力式装甲(キャパシティブレーム)
- エル発案の板状結晶筋肉を一体化させた装甲。綱型結晶筋肉化による魔力切れを避ける手法の一。
- 金属内格(インナースケルトン)
- 幻晶騎士の骨格。
- 外装(アウタースキン)。
- 幻晶騎士の外装鎧。
- 幻像投影機(ホロモニター)
- 幻晶騎士のコクピット内部モニター。
- 魔導兵装(シルエットアームズ)
- 幻晶騎士の遠距離用武装。
- 銀線神経(シルバーナーヴ)
- 魔法術式伝達素材。
- 背面武装(バックウェポン)
- エル発案の補助腕を使った新型武装及び火器管制(システムファイアコントロール)システム。
- 紋章式認証機構(パターンアイデンティフィケータ)
- エル発案の幻晶騎士盗難防止用短剣型の専用認証システム。全ての幻晶騎士に導入され、騎操士の身分を表す代名詞となる。Web版では幻晶甲冑にも実装されている記述がある[注釈 10]。
- 可動式追加装甲(フレキシブルコート)
- エル発案の補助腕を応用した幻晶騎士の防御装備。
- ライトニングフレイル
- エル発案の幻晶騎士の直接電撃兵装。
- 魔導飛槍(ミッシレジャベリン・ロングジャベリン)
- 幻晶騎士が使う大型の飛槍(ジャベリン)に、推進・姿勢制御用の触媒結晶と、魔力と魔法術式を伝える銀線神経を繋げた有線誘導ミサイル。誘導限界距離=有限の銀線神経長を越えると、銀線神経が千切れて慣性飛行する。誘導には特別なセンスが必要で、普通の騎操士では、適正があっても同時に一発を誘導するのが精々で、複数を同時誘導できる騎操士はかなり限られている。
- エル発案・ダーヴィド試作指揮で、(旧)クシェペルカ王国に遠征中の銀鳳騎士団内で開発された。作中人類開発の物としては[注釈 11]、イカルガの執月之手(ラーフフィスト)に続く誘導飛行兵器(ミサイル)。弾頭には徹甲弾頭や魔獣油を詰めた樽の焼夷弾頭が作中使われた。
- ランチャーには軌条腕(レールアーム)が使われ、その装備や発射形態により、外付けの垂直発射式連装投鎗器(バーティカルロンチドジャベリンスローワ)や、単発式[注釈 12]の魔導飛槍投射器や、超多連装(作中では128連装)を内蔵した内蔵式多連装投鎗機(ベスピアリ)と呼ばれた。運搬・発射プラットフォームには幻晶騎士・飛空船が使われ、対空・幻晶騎士・魔獣攻撃に使われた。
- 後に小型連装投鎗器(アストラルポッド)をランチャーとする飛翔騎士用の小型軽量・短射程・高加速度の魔導短槍(ショートスピア)が登場し、在来型の魔導飛槍(ミッシレジャベリン)は「ロングジャベリン」と呼ばれるようになった。
- 複合型空対空槍(トライデント)
- Web版に登場する、格闘用の騎槍と魔導飛槍を集約した飛翔騎士専用装備。側面に魔導飛槍(ロングジャベリン)二本が添えられた、中央の長い騎槍状の槍を飛翔騎士が手に持つ、三本の槍を並べた様な形の武装。魔導飛槍を直接空中に投下・発射する事を前提に軌条腕を省略し、大幅な機構の簡略化と軽量化を成した。
- エーテル
- 大気中の成分の一。上空程分圧が高くなる。固体化した物を源素晶石(エーテライト)と呼び、地中から採掘した源素晶石を地上に放置すると、自然にエーテルを昇華し消滅する。
- 地表付近高度の希薄なエーテル適応した人類を含む生物には、高空などの高濃度エーテルは有害である。
- 魔導演算機(マギウスエンジン)から、銀線神経(シルバーナーヴ)で結線した源素供給器(エーテルサプライヤー)内の源素晶石からのエーテル昇華量は制御可能。
- 源素浮揚器(エーテリックレビテータ)により集められた高濃度エーテル魂の周囲に形成される浮揚力場(レビテートフィールド)は物体を浮揚させ、外力を加えない限りその浮遊高度はエーテル魂内のエーテル量により決定し、そのエーテルが多い程その高度は上がる。
- 魔力(マナ)
- この世界の生物は全てエーテルを体内に取り込んで魔力(マナ)に精製でき、更に体内にある程度ためることができる。
- 魔法
- 魔力(マナ)を現象へ転換する技術である、具体的には、燃料に例えられる魔力に魔法術式(スクリプト)で内容を決めて、触媒を介して現象として発現させる。
- 魔法術式(スクリプト)
- それぞれ現象ごとに決まった図形で表される。基本的な現象を発現するための基礎式(エレメント)と、それをつなげて使うための制御式に分かれる。
- 魔術演算領域(マギウス・サーキット)
- 魔法術式(スクリプト)を構築し処理する、この世界の意志ある生物なら必ず有する機能であり、脳内仮想器官。
- 触媒結晶
- 魔法生物が魔法を使用する為の触媒が結晶化した物質。人類は触媒結晶を体内に有しないので、素では魔法を使えないが、身近の触媒結晶及びその加工品を通じて魔法を行使することは可能。魔法生物体内の他に、地中からも採掘される。
- 杖
- 人類が魔法を行使する為に一般に携帯する、触媒結晶を先端に取り付けた杖状の物体。
- ウィンチェスター(I&II)
- エルが魔法を行使する為にハドソンに特注で造らせたレバーアクション銃形の折りたたみ式銃剣付き杖の固有名詞・又はモデル名。ウィンチェスターライフルに由来するネーミングで、形状は前世時所有していたウィンチェスターM1894の玩具銃をベースとしている。一般名詞としては銃杖(ガンライクロッド)とも称する。「I&II」と区別されるのはweb版で、文庫版では最初に制作された方と、次に制作された方は区別されない。
- エルは受領後一緒に造らせた鞘に収め、腰回りに装着しほぼ常時携帯している。
- ヴァーテックス
- Web版でのキッド・アディ用の銃スタイルの杖(ガンライクロッド)のモデル名で、拳銃形。ライヒアラ騎操士学園騎士学科野外演習で、ヤントゥネンに向かう馬車の屋根上で、エルよりキッドに少なくとも一挺が、アディに少なくとも二挺が寄贈された。
- ガーンデーヴァ
- 文庫版でのキッド・アディ用の銃スタイルの杖(ガンライクロッド)のモデル名で、拳銃形。エル設計で、テルモネン工房制作。
- キッドは一挺を常用し、比較的大振りな剣にガーンデーヴァを取り付けることがある。アディは二挺を常用し、細身の剣二振(双剣流)にガーンデーヴァを各一挺取り付けることがある。
- ホワイトミストー
- 木の種類の一で、その木材も意味する。以後その木材について述べる。木材としては例外的に魔力を良く伝達する。杖の柄に多用される。カササギの魔法術式伝達素材に用いられ、巨人族(アストラガリ)用魔導兵装(シルエットアームズ)機能材兼構造材としても用いられた。
魔獣
総じて何らかの魔法が使える獣のことを指す。討伐するのに必要な戦力で、師団級魔獣(幻晶騎士一個師団=約300騎)、旅団級魔獣(幻晶騎士一個旅団=約100騎)、決闘級魔獣(幻晶騎士一騎分)等と、個体評価は討伐するのに幻晶騎士何機分が必要になるか(等級が決められた時期が昔であるため旧型基準)で判断される。他にも小隊~大隊級といったランクもある模様。決闘級未満の弱い魔獣は小型魔獣とされる。
- 陸皇亀(ベヘモス)
- 巨大な陸ガメのような姿の師団級魔獣。作中に登場した魔獣としては最上位クラス。尻尾がハンマー状になっており甲羅にあたる部分には自重を支えるために強化魔法を使う器官が備わってる。口からは強力なブレスを吐く。その心臓は幻晶騎士100体分にも相当するとされる魔力を生み出し、大魔力に支えられた強化魔法で守られているため生半可な攻撃では傷つけるのも困難。
- ベヘモス事変では、王国守備隊の幻晶騎士を壊したことでエルの怒りを買い、眼に刺さった剣から直接脳髄に電撃魔法を叩き込まれて死亡。肉体は強化魔法の維持が失われて自重で自壊した。この時討伐された個体の心臓より採取された触媒結晶をエルが加工し、幻晶騎士100体分もの魔力を生み出す規格外の大型魔力転換炉「皇之心臓(ベヘモス・ハート)」が製作された[18]。
- 殻獣(シェルケース)類
- 外骨格に相当する甲殻を有するヤドカリの様な形状をした、6本の歩行脚と2本の鋏脚を有する魔獣。
- 蟻によく似た社会性昆虫のごとき生態を持っており、群の女王のみが卵を産む。女王毎に大規模な群を形成し、新女王が誕生すると巣分けをする。大規模な群の脅威は師団級魔獣に匹敵する。兵隊蟻に相当する兵士殻獣は決闘級魔獣程度だが、女王ともなると旅団級魔獣に認定されている。
- web版の撃刺巻貝(デッドリーシェルケース)の設定を元に、群の規模を巨大化し、機能別の高度な社会性設定が追加された魔獣。
- 女皇殻獣(クイーンシェルケース)
- 殻獣類で唯一産卵能力を持つ個体で、群を率いる旅団級魔獣。
- 一般的には、産卵能力を持つ前に巣分けにより群の一部を率いて親から分かれていく性質を持つ。長じた女皇殻獣は殻を持たず、代わりに産卵機能を持つ胴体の数倍に達する孵卵殻(インキュベートシェルター)を胴体下に吊すため、とても歩行脚が長く、群中最大の個体となる。孵卵殻は外部からの攻撃で失われても再生するが時間は掛かる。殻獣の災禍の女皇殻獣は、稀に起こる巣分けの遅れにより、孵卵殻を有して大規模な群を率いるようになった個体で、通常の巣分けと異なり大被害が予想されていた。アニメ版ではベヘモスと同等の大きさに描写されている[19]。
- このとき討伐された女皇殻獣の触媒結晶を加工して、エル自身の手で普及品の魔力転換炉とは比較にならない大魔力を生み出す中型魔力転換炉「女皇之冠(クイーンズコロネット)」が製作された。(web版では登場しない)[18]。
- 撃刺殻獣(デッドリーシェルケース)
- 前方に長い槍のような砲身となる鋏脚とカウンターウエイトとなる細長い殻を後方に延ばした殻獣。
- 肺から鋏脚内へ送り込んだ空気を魔法で爆発膨張させ、鋏脚砲身内に生成した棘弾を敵に射出し直射砲撃する、中距離直射砲撃殻獣。棘弾は連射可能。
- 砕甲殻獣(デモリッションシェルケース)
- 兵士殻獣の数倍で、幻晶騎士の全高をも凌駕する程の巨体で、相応に大質量であり、頑強な甲殻に覆われるが、殻は相対的に小さい殻獣。
- 単体の強力な格闘攻撃・防御力を以て敵を打ち破る。
- 兵士殻獣(ソルジャーシェルケース)
- 巨大な鋏脚と殻を有するヤドカリの様な形状をした一般兵級の殻獣。
- 蟻では働き蟻に相当する。単体では辛うじて決闘級魔獣に相当する脅威だが、損害を意識する必要のない数を頼りに敵を打ち破る。
- 撃刺巻貝(デッドリーシェルケース)
- web版のみに登場する、殻獣類設定の元ネタとなった外骨格決闘級魔獣。
- 数匹単位の小規模な群れで行動し、その“巣:わな”として人間の村などのある程度開けた場所を求める習性があり、別名“村喰らい”とも呼ばれる。
- 人間を含む肉食性。概ね兵士殻獣と同様の形状で、肉体である殻と2本の鋏脚と本数記述無しだが複数の歩行脚を有し、鋏脚と殻に沢山の棘を有する。少なくとも殻の棘は毒針になっており、殻の表面に送り込んだ空気を孔から吐き出す際に、大気操作系の魔法を使用して発生した急激な膨張圧力で、殻表面をびっしりと覆う細かな刺を吹き飛ばし、標的域に大量毒針一斉曲射散布攻撃する。自種の毒針に対する解毒能力がある。
- 穢れの獣(クレトヴァスティア)
- ボキューズ大森海に生息する昆虫型魔獣の一種で、大森海の生物の頂点に位置する最強の魔獣種。
- 魔獣の甲殻を溶かすために非常に強い酸性を持つ体液を獲得しており、金属ですらあっという間に溶解させる。このため森の生物だけに限らず幻晶騎士の天敵にもなっている。この体液は高い揮発性と強毒性も有しており、体液がまき散らされると瞬時に致死性の霧が発生。この霧は瘴気と呼ばれ、人間程度の強度の生物では吸入すると即死する。巨人や魔獣でさえ耐えるのは困難で、瘴気に包まれた一帯は文字通り死の世界と化す。本来なら何物にも束縛されない存在であるが、アルヴの滅びの詩によって操られ、ルーベル氏族の手駒となっていた。一回り大きく赤い甲殻を持つ指揮官的な個体は生体改造されて幻操獣騎(ミスティックビースト)となっており、騎操士を乗せて穢れの獣の群れを統率する。そのため人間の戦術による部隊行動が可能となっており、より群れの脅威度を増していた。
- 魔王
- 穢れの獣の王に相当する個体で、ベヘモスすら軽く上回る1つの街と同規模程度という巨体を誇る。それだけの巨体にも拘わらず空をも飛べ、現時点では作中最強の魔獣。穢れの獣の発着場としての役割も持っており、空中要塞と形容されている。経緯は語られていないが、水晶球に封じられた小王の両親を中枢に埋め込む事によって制御され眠らされていた。この中枢は滅びの詩を発動して穢れの獣を操るが、それだけに留まらずアルヴの多様な攻撃魔法を魔王のとてつもない魔力を用いて発動するため、ただでさえ強大な魔王の戦闘力が更に高まっている。機械化された中枢だけでなく生体も改造も受けており、防衛機構として下半身が魔王の触腕と一体化した幻獣騎士(ミスティックナイト)の軍団を体内に格納しており、必要に応じて展開する。
- 巨人戦争において覚醒させられるが、マガツイカルガを操るエルとアディによって中枢は破壊され、内部からのイカルガの攻撃と外部からの飛空船団による度重なる法撃で身体が真っ二つに折れ墜落。ここに穢れの獣という魔獣種はほぼ駆逐された。魔王の墜落地点は多量の瘴気によって死の大地と化しており、その地は穢れの獣を戦に用いた愚かな行為への戒めとして巨人族に長らく伝えられていくことになった。
- Web版に登場し、文庫版はそこまで話が進んでいない(2017年9月時点)。
書誌情報
ヒーロー文庫より刊行。
巻数 | 初版発行日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1 | ナイツ&マジック 1 | 2013年2月28日 | ISBN 978-4-07-288159-0 |
2 | ナイツ&マジック 2 | 2013年6月30日 | ISBN 978-4-07-289667-9 |
3 | ナイツ&マジック 3 | 2013年10月31日 | ISBN 978-4-07-292729-8 |
4 | ナイツ&マジック 4 | 2014年5月31日 | ISBN 978-4-07-296348-7 |
5 | ナイツ&マジック 5 | 2015年4月30日 | ISBN 978-4-07-412412-1 |
6 | ナイツ&マジック 6 | 2016年4月30日 | ISBN 978-4-07-416172-0 |
7 | ナイツ&マジック 7 | 2017年3月25日 | ISBN 978-4-07-424154-5 |
漫画
作画は加藤拓弐。ヤングガンガンコミックスより刊行。
巻数 | 初版発行日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1 | ナイツ&マジック 1 | 2016年9月24日 | ISBN 978-4-7575-5108-4 |
2 | ナイツ&マジック 2 | 2017年3月23日 | ISBN 978-4-7575-5254-8 |
3 | ナイツ&マジック 3 | 2017年6月24日 | ISBN 978-4-7575-5389-7 |
テレビアニメ
2017年7月よりAT-X・TOKYO MX・BS11ほかにて放送中[20]。ナレーションはセレスティナ・エチェバルリア役の大原さやかが担当する[21]。初回は本編と振り返り特番をセットにした、1時間スペシャルとして放送された。
放送開始前の2017年7月1日には、同じくヒーロー文庫からのアニメ化にして同時期放送開始の『異世界食堂』と合同で第1話の先行上映会がTOHOシネマズ新宿にて開催され、舞台挨拶に本作からはエルネスティ・エチェバルリア役の高橋李依が登壇した[4]。
構成の都合上、削除や省略に遭ったエピソードが多く、キャラクターによっては登場を見送られている。
スタッフ
- 原作 - 天酒之瓢[5]
- 原作イラスト・シルエットナイトデザイン - 黒銀[20]
- 監督 - 山本裕介[5]
- シリーズ構成 - 横手美智子[5]
- 脚本 - 横手美智子、木村暢[20]
- キャラクターデザイン - 桂憲一郎[5]
- 総作画監督 - 桂憲一郎、福永智子、山田裕子[20]、高岡じゅんいち(第6話 - )
- エフェクト作画監督 - 梅田貴嗣[20]
- メカニックデザイン - 天神英貴[20]
- コンセプトデザイン - 宮武一貴、岸田隆宏[20]
- プロップデザイン - 入江篤[20]
- 美術監督 - 益田健太[20]
- 美術設定 - 藤井一志[20]
- 色彩設計 - 藤木由香里[20]
- 2Dデザイン - 荒木宏文[20]
- CGディレクター - 井野元英二[20]
- 撮影監督 - 佐藤洋[20]
- 編集 - 内田恵[20]
- 音響監督 - 明田川仁[20]
- 音楽 - 甲田雅人[5]
- 音楽制作 - ランティス
- 音楽プロデューサー - 木皿陽平
- チーフプロデューサー - 大澤信博、仲吉治人、浅賀孝郎
- プロデューサー - 川上竜太郎、尾崎亮太、鹿志村絵美
- アニメーションプロデューサー - 大友寿也
- プロデュース - ジェンコ
- アニメーション制作 - エイトビット
- 製作 - ナイツ&マジック製作委員会(主婦の友社、バンダイビジュアル、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、ランティス、AT-X、キュー・テック、ジェンコ)
主題歌
- オープニングテーマ「Hello!My World!!」[20]
- 作詞 - 林英樹 / 作曲 - 佐藤純一 / 編曲 - fhána、A-bee / 歌 - fhána
- 第1話ではエンディングテーマ位置で使用。
- オープニングアニメーションは第9話から幻晶騎士を中心に効果音が追加され、第10話から間奏部分に本編のハイライトが挿入されるようになった。
- エンディングテーマ「ユー&アイ」[20]
- 作詞 - 中村彼方 / 作曲・編曲 - 秋浦智裕 (onetrap) / 歌 - 大橋彩香
- 第1話では未使用。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | メカ作監 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1章 | Robots & Fantasy | 横手美智子 | 山本裕介 | 中山敦史 | 桂憲一郎 | - | 重原克也 |
第2章 | Hero & Beast | 笹木信作 | 重原克也 | 谷川政輝、八尋裕子 | 桂憲一郎、福永智子 山田裕子 | - | |
第3章 | Scrap & Build | 山本裕介 | 森義博 | 山内則康、梶浦紳一郎 木下由美子、猿渡聖加 | 桂憲一郎、福永智子 | 重原克也 | |
第4章 | Light & Shadow | 河本昇悟 | 守奏佑 | Won chang hee | 桂憲一郎、山田裕子 | ||
第5章 | Hide & Seek | 笹木信作 | 重原克也 | 酒井秀基、中島美子 小島彰 | 桂憲一郎、山田裕子 福永智子、高岡淳一 | 村松尚雄 安藤義信 |
|
第6章 | Trial & Error | 木村暢 | 河本昇悟 | 中山敦史 | 米澤優、谷川政輝 | 桂憲一郎、福永智子 高岡じゅんいち | 村松尚雄 |
第7章 | New & Old | 小島正士 | 森義博 | 梶浦紳一郎、山内則康 猿渡聖加 | 桂憲一郎、高岡じゅんいち 山田裕子 |
||
第8章 | Secret & Quest | 河本昇悟 | 名和宗則 | 八木澤修平、菊池康仁 入江篤、梅田貴嗣 山本真理子、酒井秀基 佐藤好 | 桂憲一郎、山田裕子 福永智子 |
||
第9章 | Force & Justice | 横手美智子 | 笹木信作 | 藤代和也 | 飯飼一幸、服部憲知 鰐淵和彦、Kim Myung Sim | 桂憲一郎、福永智子 高岡じゅんいち | - |
第10章 | War & Princess | 斎藤哲人 | 重原克也 | 小島彰、小菅和久 柴田篤史、谷川政輝 望月俊平、山中正博 | 桂憲一郎、山田裕子 福永智子、高岡じゅんいち | 安藤義信 重原克也 村松尚雄 |
|
第11章 | Hit & Away | 木村暢 | 河本昇悟 | 森義博 | 山内則康、猿渡聖加 木下由美子、酒井秀基 柴田篤史、小島彰 | 村松尚雄 | |
第12章 | Knight & Dragon | 小島正士 河本昇悟 | 中山敦史 | 酒井秀基、櫻井拓郎 清水勝祐、中島美子 八木澤修平、山本真理子 | 安藤義信 村松尚雄 |
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [23] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2017年7月2日 - 9月24日 | 日曜 21:00 - 21:30 | AT-X | 日本全域 | 製作委員会参加 / CS放送 / リピート放送あり |
日曜 22:30 - 23:00 | TOKYO MX | 東京都 | ||
日曜 23:00 - 23:30 | KBS京都 | 京都府 | ||
2017年7月3日 - 9月25日 | 月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) | サンテレビ | 兵庫県 | |
2017年7月5日 - 9月27日 | 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) | BS11 | 日本全域 | BS放送 / 『ANIME+』枠 |
配信期間 | 配信時間 | 配信サイト |
---|---|---|
2017年7月3日 - 9月25日 | 月曜 12:00 更新 |
BD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 |
---|---|---|---|
1 | 2017年10月27日予定 | 第1話 - 第4話 | BCXA-1292 |
2 | 2017年12月22日予定 | 第5話 - 第8話 | BCXA-1293 |
3 | 2018年2月23日予定 | 第9話 - 第13話 | BCXA-1294 |
商品化
バンダイのロボットフィギュアブランド「ROBOT魂」から、2017年10月に幻晶騎士2体(アールカンバー、グゥエール)が商品化される予定。同年5月の展示会で試作品が披露されている[24]。
また、グッドスマイルカンパニーが、エルネスティをねんどろいど化することを発表している[25]。
脚注
注釈
- ^ グゥエール(修復後)。
- ^ 第2巻巻頭の機体解説欄において「グゥエール」とされているのは再建後の姿である。
- ^ アニメ版では加速の際に断続的に噴射しており、加速時のモーションが「走る」から「飛ぶ」に変更されている。また制動噴射を行っておらず、魔力消費の問題は加速の際の噴射が原因とされている。
- ^ 但し、ボキュース大森海にハードランディングした後、大破したイカルガで使用可能な部材・部品等は殆どカササギ建造に投入されており、web版の現地でのイカルガ再建(最早修理とは呼べない)は、殆ど銀鳳騎士団が本国より持ち込んだ丸一騎分の予備部品とシルフィアーネ(二世)から取り出した普及品級魔力転換炉2基で賄われており、これはもう二騎目のイカルガ新造と言って良い。
- ^ Web版は主動力が皇之心臓で副動力が通常の魔力転換炉の計2基搭載。
- ^ Web版では後に、直接制御が使える直弟子のアディなら、ある程度戦闘も可能である事が示されている。
- ^ アニメ版ではこの設定は改変されて、操縦席は上半身、魔力転換炉は下半身と別々に設置されている。魔導演算機の設置場所は不明。
- ^ 日の傾きの変化や日照時間の変化に、季節が僅かに遅れて同期していれば、惑星の地軸]の傾きによる影響が優越していると判断できる。
- ^ この表現は西方暦が、ヒジュラ暦の様に、非太陽暦である可能性に配慮している。
- ^ オルヴェシウス砦建設中の騎操士訓練用のモートラートやモートリフトに実装。他の幻晶甲冑に実装されている記述はない。鍵の必要性があっても、騎操士の身分を表す代名詞となってしまった短剣形紋章式認証機構を、一般向け幻晶甲冑に使う事がタブーとなる事は合理的に予想できる。
- ^ 後に登場する穢れの獣(クレトヴァスティア)は非人造=自然由来の遠隔誘導兵器で、恐らくは執月之手に先行する
- ^ 作中の用語、正しくは単装。
出典
- ^ “「ヒーロー文庫」(主婦の友社)の2点、同時アニメ化”. 新文化. 2017年9月4日閲覧。
- ^ ヤングガンガン2017年8月3日のツイート、2017年8月12日閲覧。
- ^ “『ナイツ&マジック』アニメ化のお知らせ”. ヒーロー文庫. 2017年8月12日閲覧。
- ^ a b “夏アニメ『ナイツ&マジック』&『異世界食堂』ヒーロー文庫夏の異世界コラボで、店主役・諏訪部順一さんがコック姿に!?”. アニメイトタイムズ. 2017年7月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “異世界ロボットファンタジー『ナイツ&マジック』が2017年夏にTVアニメ化。制作:エイトビット/キャスト:高橋李依ほか”. moca (2017年3月15日). 2017年3月15日閲覧。
- ^ 目指す切っ掛けについては、原作とアニメ版で多少の差異がみられる。
- ^ a b アニメ版11話によると、ジャロウデク王国によるミリシエ攻略戦の時点で既に、クリストバルからすれば「冗談」あるいは「大言」としか思えない程の権限を有していた。
- ^ 一応は奪還任務となっているが、もはや生死は問わないとされている為、事実上の暗殺任務。「学生あがり」と侮っていたが同じ手は通用せず、返り討ちとなった。
- ^ 旧クシェペルカ王国四方楯要塞(シルダ・ネリャック)及び旧王都デルヴァンクール防衛戦。
- ^ 一度は実用化を諦めていたが、爆発を推進力に変える発想により完成できたことが、アニメ版11話で語られている。
- ^ 竜血炉は、飛竜戦艦の浮力源である源素晶石を浪費して一般魔力転換炉群に(文庫版では竜血炉にも)送り込む、飛竜戦艦の「最大化戦闘形態(マキシマイズ)」と混同され易い。
- ^ a b アニメ版(8話など)では、アーキッド機が青、アデルトルート機が赤と、それぞれ機体の胸部のカラーリングが異なっている。
- ^ フレメヴィーラ王国をはじめとする複数の国家の王家は人間である為
- ^ アニメ第1話でバトソンが、ドワーフが騎操士を目指す訳がないという主旨の事を話している。
- ^ 便宜上とはいえ、髭を日々剃っているドワーフもいるなど、絶対的な信仰とまではいかない模様。
- ^ 文庫版3巻P17の記述による。
- ^ 天酒之瓢 2017年8月6日のツイート、2017年8月12日閲覧。
- ^ a b アニメ第2話によると、「ベヘモス・ハート」とは、ベヘモスの触媒結晶そのものを表す言葉であり、それがそのままエーテルリアクタの名前になったと思われる。また、この事から、「クイーンズコロネット」も同様だと思われる。
- ^ アニメ第8話において、クイーンを発見した際にアディが「あんなのベヘモス級じゃない」と叫んでいる。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r “TVアニメ『ナイツ&マジック』放送日決定 キービジュアル、放送情報、OP・ED情報など最新情報を公開”. SPICE. イープラス (2017年5月25日). 2017年5月25日閲覧。
- ^ 大原さやか 2017年7月1日のツイート、2017年8月12日閲覧。
- ^ a b “オンエア/ 配信”. ナイツ&マジック│TVアニメ公式サイト. 2017年6月22日閲覧。
- ^ テレビ放送対象地域の出典:
- 政府規制等と競争政策に関する研究会 (2009年10月9日). “放送分野の動向及び規制・制度(資料2)” (PDF). 通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2. 2018年10月24日閲覧。
- “基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号. 総務省 (1988年10月1日). 2022年5月11日閲覧。
- “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2022年8月5日閲覧。
- ^ “『ナイツ&マジック』シルエットナイト立体化、ロボ魂がサンライズ作品以外にも展開開始か”. マイナビニュース. 2017年5月26日閲覧。
- ^ “『Re:CREATORS』メテオラ、『ガヴリールドロップアウト』ガヴリール、『ゼルダの伝説 BOW』リンクなど!ねんどろいどの新作アイテムが展示!【ワンフェス2017夏速報レポート】”. 電撃ホビーウェブ. 2017年7月30日閲覧。
外部リンク
- Knight's & Magic - 小説家になろう
- Knight's & Magic 設定資料兼備忘録 - 小説家になろう
- ナイツ&マジック - COMICAWA
- ナイツ&マジック│TVアニメ公式サイト
- 「ナイツ&マジック」TVアニメ公式 (@naitsuma_anime) - X(旧Twitter)
- 日本のライトノベル
- 2010年の小説
- 小説家になろう
- ヒーロー文庫
- ハイファンタジー小説
- 異世界への転生を題材とした作品
- 転生を題材とした小説
- 巨大ロボットを題材とした小説
- 魔法・呪術を題材とした小説
- 漫画作品 な
- ヤングガンガン
- ハイファンタジー漫画
- 転生を題材とした漫画作品
- 巨大ロボットを題材とした漫画作品
- 魔法・呪術を題材とした漫画作品
- アニメ作品 な
- 2017年のテレビアニメ
- UHFアニメ
- AT-Xのアニメ
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- バンダイビジュアルのアニメ作品
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- ランティスのアニメ作品
- メモリーテックのアニメ作品
- ジェンコ
- ライトノベルを原作とするアニメ作品
- ハイファンタジーアニメ
- 転生を題材としたアニメ作品
- 巨大ロボットを題材としたアニメ作品
- 魔法・呪術を題材としたアニメ作品
- 継続中の作品