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動物の[[心臓]]も一種のポンプである。また、機械的なポンプのようにエネルギーの蓄積や移送を行う目的の仕組みに「ポンプ」の語を当てることがある([[ヒートポンプ]]など)。
動物の[[心臓]]も一種のポンプである。また、機械的なポンプのようにエネルギーの蓄積や移送を行う目的の仕組みに「ポンプ」の語を当てることがある([[ヒートポンプ]]、チャージポンプ、プロトンポンプなど)。


動作原理により、非容積型、容積型、特殊型に分類される。
動作原理により、非容積型、容積型、特殊型に分類される。


== 動作原理による分類 ==
== 非容積(ターボ形)ポンプ ==
=== 非容積ターボ形ポンプ ===
羽根状の回転子「[[インペラー]]」(impeller)をつかうもの。[[タービン]]も参照のこと。
羽根状の回転子「[[インペラー]]」(impeller)をつかうもの。[[タービン]]も参照のこと。


===遠心===
==== 遠心 ====
半径方向に遠心力で液体に圧力を与える方式のポンプ。
半径方向に遠心力で液体に圧力を与える方式のポンプ。
:'''[[渦巻きポンプ]]'''
* [[渦巻きポンプ]] : 渦巻き羽根で[[遠心力]]により半径方向に圧力を与えるもの。ポンプとしては最も多く製作・納入されている形式である。[[水道]]・[[下水道]]の送水ポンプから化学プラント用のプロセスポンプまで、多様な用途に使用されている。軸受の個数やケーシングの分割方法などにより、さらに細かく分類される。
:: 渦巻き羽根で[[遠心力]]により半径方向に圧力を与えるもの。ポンプとしては最も多く製作・納入されている形式である。[[水道]]・[[下水道]]の送水ポンプから化学プラント用のプロセスポンプまで、多様な用途に使用されている。軸受の個数やケーシングの分割方法などにより、さらに細かく分類される。
* '''ディフューザポンプ'''({{lang-en-short|diffuser pump}}) : 渦巻き羽根の外側の固定案内羽根(guide vane)で高圧力を得られるようにしたもの。高圧の小水量の給水ポンプに用いられる。渦巻ポンプに比べ効率が高くなるが、効率の高い運転範囲は狭くなる。運転圧力の変動が少ない箇所に適している。<!--[[ディフューザポンプ]]を#REDIRECT [[拡散ポンプ]]にしたのですが、[[拡散ポンプ]]には真空ポンプの説明しかないのでリンクにはしないでおきます-->
:'''ディフューザポンプ'''({{lang-en-short|diffuser pump}})
* '''カスケードポンプ'''(うず流れ・粘性・摩擦・再生)多数の小さな溝の刻まれた円盤状の羽根をケーシング中で高速回転させ、液体をほぼ1回転させることにより高圧を得るもの。小流量・高圧に適する。
:: 渦巻き羽根の外側の固定案内羽根 (guide vane) で高圧力を得られるようにしたもの。高圧の小水量の給水ポンプに用いられる。渦巻ポンプに比べ効率が高くなるが、効率の高い運転範囲は狭くなる。運転圧力の変動が少ない箇所に適している。<!--[[ディフューザポンプ]]を#REDIRECT [[拡散ポンプ]]にしたのですが、[[拡散ポンプ]]には真空ポンプの説明しかないのでリンクにはしないでおきます-->
:'''カスケードポンプ'''(うず流れ・粘性・摩擦・再生)
:: 多数の小さな溝の刻まれた円盤状の羽根をケーシング中で高速回転させ、液体をほぼ1回転させることにより高圧を得るもの。小流量・高圧に適する。


===軸流===
==== 軸流 ====
軸方向に液体を吐き出すものを'''軸流ポンプ'''({{Lang-en-short|axial pump}})という。低揚程・大流量に適する。一般に低流量・高揚程側での運転は不可。斜流ポンプに比べケーシング(casing,羽根車が収まるポンプ容器のこと)を小さくできるので、安価となる。吸込性能は他形式のポンプに比べると悪く、[[キャビテーション]](液体が[[気化]]し元に戻るときに衝撃が起こる現象)に注意を要する。ポンプ効率も低い。河川排水ポンプに適している。一般的に、全揚程は5[[メートル|m]]程度まで使用可能である。
軸方向に液体を吐き出すものを'''軸流ポンプ'''({{Lang-en-short|axial pump}})という。低揚程・大流量に適する。一般に低流量・高揚程側での運転は不可。斜流ポンプに比べケーシング(casing,羽根車が収まるポンプ容器のこと)を小さくできるので、安価となる。吸込性能は他形式のポンプに比べると悪く、[[キャビテーション]](液体が[[気化]]し元に戻るときに衝撃が起こる現象)に注意を要する。ポンプ効率も低い。河川排水ポンプに適している。一般的に、全揚程は5[[メートル]]程度まで使用可能である。


===斜流===
==== 斜流 ====
斜め方向に液体を吐き出すポンプを斜流ポンプ({{Lang-en|mixed flow pump}},あるいは{{Lang-en-short|diagonal flow pump.}})。遠心ポンプと軸流ポンプの特性を併せ持つ。
斜め方向に液体を吐き出すポンプを斜流ポンプ({{Lang-en|mixed flow pump}},あるいは{{Lang-en-short|diagonal flow pump.}})。遠心ポンプと軸流ポンプの特性を併せ持つ。
* 渦巻き斜流ポンプ:渦巻ケーシングを有しており、比較的高揚程に適している。下水道用の汚水ポンプに多い形式である。
* 渦巻き斜流ポンプ:渦巻ケーシングを有しており、比較的高揚程に適している。下水道用の汚水ポンプに多い形式である。
* ディフューザ斜流ポンプ:案内羽根を有しており、流体はインペラの吸込方向と同方向に吐出される。どちらかと言えば、大容量のポンプに適している。河川排水ポンプや雨水排水ポンプに多い形式である。
* ディフューザ斜流ポンプ:案内羽根を有しており、流体はインペラの吸込方向と同方向に吐出される。どちらかと言えば、大容量のポンプに適している。河川排水ポンプや雨水排水ポンプに多い形式である。


===クロスフロー===
==== クロスフロー ====
* [[踏車]]:動力が人力であるという特徴があるが、動作原理としてはターボ形ポンプに分類される。
* [[踏車]]:動力が人力であるという特徴があるが、動作原理としてはターボ形ポンプに分類される。


== 容積ポンプ ==
=== 容積ポンプ ===
==== 回転 ====
[[ファイル:GearPump.gif|thumb|120px|ギアポンプ]]
[[File:Progressive cavity pump animation.gif|thumb|ねじポンプ]]
===回転===
回転する部品で圧力を与えるもの。
回転する部品で圧力を与えるもの。
* [[歯車ポンプ|ギヤポンプ]] : [[歯車]]のかみ合わせをつかう。[[粘度]]の高い液体の輸送に使用される。内接式の[[トロコイド]]ポンプは[[内燃機関|エンジン]]の[[オイルポンプ]]で一般的。
* [[歯車ポンプ]] : [[歯車]]のかみ合わせをつかう。[[粘度]]の高い液体の輸送に使用される。内接式の[[トロコイド]]ポンプは[[内燃機関|エンジン]]の[[オイルポンプ]]で一般的。
* ねじポンプ : [[ねじ]]型の回転子を持ち、[[汚泥]]などの高粘度で異物を含んだものを輸送する。
* ねじポンプ : [[ねじ]]型の[[回転子]](ローター)を持ち、[[汚泥]]などの高粘度で異物を含んだものを輸送する。
{{Main2|気体の圧縮に用いるもの|[[リショルム・コンプレッサ]]}}
{{For2|気体の圧縮に用いるもの|リショルム・コンプレッサ}}
* ベーンポンプ : ケーシングに偏心して取り付けられた回転子に取り付けられた可動ベーンで液体を輸送する。攪拌を嫌う液体に適する。分解清掃も容易。自動車の[[パワーステアリング]]用ポンプとして一般的。


* ベーンポンプ : ケーシングに[[偏心]]して取り付けられた回転子に取り付けられた可動ベーンで液体を輸送する。攪拌による[[泡|発泡]]を嫌うシステムに適する。分解清掃も容易。自動車の油圧式[[パワーステアリング]]用ポンプとして一般的。
===往復===
* [[蠕動ポンプ]]: チューブをしごいて液体を輸送するポンプ。医療用ドージング、食品製造、コンクリート圧送に使われる。
{{中央|<gallery widths="160px" heights="120px">
GearPump.gif|ギアポンプ
Progressive cavity pump animation.gif|ねじポンプ
</gallery>}}

==== 往復 ====
[[ファイル:Hand pump - Animation with soil.gif|thumb|手押しポンプの動き]]
往復運動で圧力を与えるもの。
往復運動で圧力を与えるもの。
* [[ダイヤフラムポンプ]] : [[ダイアフラム]]の容積変化で流体を輸送するもの。液体を攪拌せずに定容積の輸送が可能。薬品注入などに用いられる。
* [[ダイヤフラムポンプ]] : [[ダイアフラム]]の容積変化で流体を輸送するもの。液体を攪拌せずに定容積の輸送が可能。薬品注入などに用いられる。
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** [[アキシャル]]・ピストン・ポンプ(斜板式): 回転するバルブプレートによる弁機構と、回転する傾斜した板によるピストンの往復運動で圧力を与えるもの。
** [[アキシャル]]・ピストン・ポンプ(斜板式): 回転するバルブプレートによる弁機構と、回転する傾斜した板によるピストンの往復運動で圧力を与えるもの。
** ウォーシントンポンプ : 蒸気ピストンで駆動されるもの。蒸気[[ボイラー]]などに使用される。
** ウォーシントンポンプ : 蒸気ピストンで駆動されるもの。蒸気[[ボイラー]]などに使用される。
** [[手押しポンプ]] : 手動でピストンを上下させ液体を吸い上げるもの。
* [[ピストンレスポンプ]] : ピストンの代わりにガスで液体を押し出す。
* プランジャーポンプ : プランジャーの往復運動で液体を輸送するもの。
* プランジャーポンプ : プランジャーの往復運動で液体を輸送するもの。
** ロータリー式プランジャーポンプ
** ロータリー式プランジャーポンプ
** ユニフローポンプ
** ユニフローポンプ
* [[手押しポンプ]] : 手動でピストンを上下させを吸い上げるもの。


== 特殊ポンプ ==
=== 特殊ポンプ ===
* 噴射ポンプ(エジェクタ・[[インジェクタ]]): 流体を吹き込むことにより、回りの体を巻き込んで輸送するもの。内部に弁などの整備の必要な機器が無い。ただし、同じ呼称である[[ディーゼルエンジン]]の[[燃料]][[噴射ポンプ]]は構造が全く異なる{{Sfn|日本舶用機関整備協会}}<ref>{{Cite web |url=http://www.dhtd.co.jp/assets/flash/pdf_pump_diesel/book/book.pdf |title=動力用ポンプ駆動ディーゼルエンジン |publisher=[[ダイハツ工業]] |accessdate=2017-11-1 |page=18 |format=PDF }}</ref>{{refnest|group="注"|ディーゼルエンジンの噴射ポンプも当初は空気噴射式であった<ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3-573669 |title=ディーゼルエンジン でぃーぜるえんじん Diesel engine |publisher=[[コトバンク]] |author=日本大百科全書(ニッポニカ) |accessdate=2017-11-1 }}</ref>}}</ref>
* 噴射ポンプ(エジェクタ・[[インジェクタ]]): 流体を吹き込むことにより、回りの流体または粉体を巻き込んで輸送するもの。内部に弁などの整備の必要な機器が無い。水道蛇口に直結して簡易的に負圧を得るもの、圧縮空気を動力源とした掃除機、粉体輸送などに使われる。ただし、同じ呼称である[[ディーゼルエンジン]]の[[燃料]][[噴射ポンプ]]は構造が全く異なる{{Sfn|日本舶用機関整備協会}}<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.dhtd.co.jp/assets/flash/pdf_pump_diesel/book/book.pdf |title=動力用ポンプ駆動ディーゼルエンジン |publisher=[[ダイハツ工業]] |accessdate=2017-11-1 |page=18 |format=PDF }}</ref>{{refnest|group="注"|ディーゼルエンジンの噴射ポンプも当初は空気噴射式であった<ref>{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3-573669 |title=ディーゼルエンジン でぃーぜるえんじん Diesel engine |publisher=[[コトバンク]] |author=日本大百科全書(ニッポニカ) |accessdate=2017-11-1 }}</ref>}}。
** [[アスピレーター]]
* 気泡ポンプ : 気体を吹き込んで、気泡の浮上で液体をくみ上げるもの。エアーリフトポンプとも呼ばれる。
* 気泡ポンプ : 気体を吹き込んで、気泡の浮上で液体をくみ上げるもの。エアーリフトポンプとも呼ばれる。
* [[水撃ポンプ]] : 管内で液体を[[自由落下]]させ急に弁を閉め、[[水撃作用]]で最初より高い位置に液体をくみ上げるもの。[[位置エネルギー]]と弁の開閉のエネルギーだけで済む。{{要出典範囲|概ね効率10%|date=2012年8月}}
* [[水撃ポンプ]] : 管内で液体を[[自由落下]]させ急に弁を閉め、[[水撃作用]]で最初より高い位置に一部の液体をくみ上げるもの。[[位置エネルギー]]だけを利用しているため、人力や発動機といった外部動力なし動作する反面、全ての液体をくみ上げることできない
* ナッシュポンプ :真空ポンプとして用いられる。楕円形の液体の入ったケーシング内でインペラーを回転させ液面と回転子間にて圧力変化を持たせ、主に気体を吸い込むのに用いられる。
* ナッシュポンプ :真空ポンプとして用いられる。楕円形の液体の入ったケーシング内でインペラーを回転させ液面と回転子間にて圧力変化を持たせ、主に気体を吸い込むのに用いられる。
* エルモポンプ :ケーシングが円形にて基本原理はナッシュポンプに同じ。
* エルモポンプ :ケーシングが円形にて基本原理はナッシュポンプに同じ。
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* [[石油ポンプ]]
* [[石油ポンプ]]
* [[空気入れ]]
* [[空気入れ]]
* [[消防ポンプ]]

== 性能 ==
ポンプの性能を表す指標には以下のものが用いられる。
; 容量 :ポンプの流量であり体積/時間の単位を持つ。
; 揚程、ヘッド :吸込みと吐出の圧力差を[[水頭]]に換算して長さの単位で表示するものである。ターボ形ポンプでは液体の[[密度]]が異なっても揚程はほぼ一定に保たれる。
; 軸動力 :ポンプを駆動するのに必要な[[仕事率]]である。
; 効率 :軸動力のうち流体の機械的[[エネルギー]]に変換された割合のことをいう。損失分は主として[[熱]]エネルギーに転化し流体やポンプ自体を加熱することとなる。
; NPSH、[[有効吸込みヘッド]] :{{Lang|en|Net Positive Suction Head}}の略で、[[キャビテーション]]の発生しにくさを示す。吸込み圧力と液体の[[蒸気圧]]の差を[[水頭]]に換算したもので、この値の最小必要量を所要NPSHという。ポンプの運転条件におけるNPSHが所要NPSHを上回らないと、キャビテーションによる振動、効率低下、機械的損傷などが起こる可能性がある。
; 性能曲線 :各種性能値をグラフとして表現したものである。'''ターボ形ポンプ'''では横軸に容量、縦軸に揚程を取った性能曲線が最も良く使用される。


== 付帯装置 ==
== 付帯装置 ==
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* [[原動機]]
* [[原動機]]
* [[防振装置]]
* [[防振装置]]

== 性能指標 ==
ポンプの性能を表す指標には以下のものが用いられる。
; 容量 :ポンプの流量であり体積/時間の単位を持つ。
; 揚程、ヘッド :吸込みと吐出の圧力差を[[水頭]]に換算して長さの単位で表示するものである。ターボ形ポンプでは液体の[[密度]]が異なっても揚程はほぼ一定に保たれる。
; 軸動力 :ポンプを駆動するのに必要な[[仕事率]]である。
; 効率 :軸動力のうち流体の機械的[[エネルギー]]に変換された割合のことをいう。損失分は主として[[熱]]エネルギーに転化し流体やポンプ自体を加熱することとなる。
; NPSH、[[有効吸込みヘッド]] :{{Lang|en|Net Positive Suction Head}}の略で、[[キャビテーション]]の発生しにくさを示す。吸込み圧力と液体の[[蒸気圧]]の差を[[水頭]]に換算したもので、この値の最小必要量を所要NPSHという。ポンプの運転条件におけるNPSHが所要NPSHを上回らないと、キャビテーションによる振動、効率低下、機械的損傷などが起こる可能性がある。
; 性能曲線 :各種性能値をグラフとして表現したものである。'''ターボ形ポンプ'''では横軸に容量、縦軸に揚程を取った性能曲線が最も良く使用される。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
; 脚注
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=== 注釈 ===
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; 出典
=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* {{Cite web |url=http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00198/contents/031.htm |title=2級舶用機関整備士指導書 |publisher=[[日本財団]] 図書館 |author=日本舶用機関整備協会 |accessdate=2017-11-1 |Ref={{SfnRef|日本舶用機関整備協会}} }}
* {{Cite web|和書|url=http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00198/contents/031.htm |title=2級舶用機関整備士指導書 |publisher=[[日本財団]] 図書館 |author=日本舶用機関整備協会 |accessdate=2017-11-1 |Ref={{SfnRef|日本舶用機関整備協会}} }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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* [[クテシビオス]] - 発明者とされる
* [[クテシビオス]] - 発明者とされる
* [[アルキメディアン・スクリュー]](揚水機)
* [[アルキメディアン・スクリュー]](揚水機)
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* [[圧縮機]] - 気体を圧縮するもの
* [[圧縮機]] - 気体を圧縮するもの
* [[冷凍機]](ヒートポンプ) - 低温の熱源から高温の熱源に熱エネルギーを移送する仕組み
* [[冷凍機]](ヒートポンプ) - 低温の熱源から高温の熱源に熱エネルギーを移送する仕組み
* チャージポンプ([[コンデンサ]]への[[電荷]]の蓄積を利用した変圧回路など)
* [[チャージポンプ]]([[コンデンサ]]への[[電荷]]の蓄積を利用した変圧回路など)
* [[キャビテーション]]
* [[キャビテーション]]
* [[油圧モーター]]
* [[油圧モーター]]
* [[Na+/K+-ATPアーゼ]](ナトリウムポンプ) - [[生物]]の[[細胞膜]]にある[[陽イオン]]を移送する仕組み
* [[Na+/K+-ATPアーゼ]](ナトリウムポンプ) - [[生物]]の[[細胞膜]]にある[[陽イオン]]を移送する仕組み
* [[ポンプ座]] - [[星座]]のひとつ。
* [[ポンプ座]] - [[星座]]のひとつ。モチーフは真空ポンプ


==外部リンク==
== 外部リンク ==
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* {{Kotobank|2=世界大百科事典 第版、日本大百科全書(ニッポニカ)}}
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2024年11月13日 (水) 07:13時点における最新版

井戸ポンプ(手押しポンプ

ポンプ喞筒、オランダ語: pomp)は圧力の作用によって液体気体を吸い上げたり送ったりするための機械[1]。機械的なエネルギーで圧力差を発生させ液体や気体の運動エネルギーに変換させる流体機械である。喞筒(そくとう 、しょくとう)ともいう。

動物の心臓も一種のポンプである。また、機械的なポンプのようにエネルギーの蓄積や移送を行う目的の仕組みに「ポンプ」の語を当てることがある(ヒートポンプ、チャージポンプ、プロトンポンプなど)。

動作原理により、非容積型、容積型、特殊型に分類される。

動作原理による分類

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非容積(ターボ形)ポンプ

[編集]

羽根状の回転子「インペラー」(impeller)をつかうもの。タービンも参照のこと。

遠心

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半径方向に遠心力で液体に圧力を与える方式のポンプ。

渦巻きポンプ
渦巻き羽根で遠心力により半径方向に圧力を与えるもの。ポンプとしては最も多く製作・納入されている形式である。水道下水道の送水ポンプから化学プラント用のプロセスポンプまで、多様な用途に使用されている。軸受の個数やケーシングの分割方法などにより、さらに細かく分類される。
ディフューザポンプ: diffuser pump
渦巻き羽根の外側の固定案内羽根 (guide vane) で高圧力を得られるようにしたもの。高圧の小水量の給水ポンプに用いられる。渦巻ポンプに比べ効率が高くなるが、効率の高い運転範囲は狭くなる。運転圧力の変動が少ない箇所に適している。
カスケードポンプ(うず流れ・粘性・摩擦・再生)
多数の小さな溝の刻まれた円盤状の羽根をケーシング中で高速回転させ、液体をほぼ1回転させることにより高圧を得るもの。小流量・高圧に適する。

軸流

[編集]

軸方向に液体を吐き出すものを軸流ポンプ: axial pump)という。低揚程・大流量に適する。一般に低流量・高揚程側での運転は不可。斜流ポンプに比べケーシング(casing,羽根車が収まるポンプ容器のこと)を小さくできるので、安価となる。吸込性能は他形式のポンプに比べると悪く、キャビテーション(液体が気化し元に戻るときに衝撃が起こる現象)に注意を要する。ポンプ効率も低い。河川排水ポンプに適している。一般的に、全揚程は5メートル程度まで使用可能である。

斜流

[編集]

斜め方向に液体を吐き出すポンプを斜流ポンプ(英語: mixed flow pump,あるいは: diagonal flow pump.)。遠心ポンプと軸流ポンプの特性を併せ持つ。

  • 渦巻き斜流ポンプ:渦巻ケーシングを有しており、比較的高揚程に適している。下水道用の汚水ポンプに多い形式である。
  • ディフューザ斜流ポンプ:案内羽根を有しており、流体はインペラの吸込方向と同方向に吐出される。どちらかと言えば、大容量のポンプに適している。河川排水ポンプや雨水排水ポンプに多い形式である。

クロスフロー

[編集]
  • 踏車:動力が人力であるという特徴があるが、動作原理としてはターボ形ポンプに分類される。

容積ポンプ

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回転

[編集]

回転する部品で圧力を与えるもの。

  • ベーンポンプ : ケーシングに偏心して取り付けられた回転子に取り付けられた可動ベーンで液体を輸送する。攪拌による発泡を嫌うシステムに適する。分解清掃も容易。自動車の油圧式パワーステアリング用ポンプとして一般的。
  • 蠕動ポンプ: チューブをしごいて液体を輸送するポンプ。医療用ドージング、食品製造、コンクリート圧送に使われる。

往復

[編集]
手押しポンプの動き

往復運動で圧力を与えるもの。

  • ダイヤフラムポンプ : ダイアフラムの容積変化で流体を輸送するもの。液体を攪拌せずに定容積の輸送が可能。薬品注入などに用いられる。
  • ピストンポンプ : ピストンの往復運動で流体を輸送するもの。
    • アキシャル・ピストン・ポンプ(斜板式): 回転するバルブプレートによる弁機構と、回転する傾斜した板によるピストンの往復運動で圧力を与えるもの。
    • ウォーシントンポンプ : 蒸気ピストンで駆動されるもの。蒸気ボイラーなどに使用される。
    • 手押しポンプ : 手動でピストンを上下させ液体を吸い上げるもの。
  • ピストンレスポンプ : ピストンの代わりにガスで液体を押し出す。
  • プランジャーポンプ : プランジャーの往復運動で液体を輸送するもの。
    • ロータリー式プランジャーポンプ
    • ユニフローポンプ

特殊ポンプ

[編集]
  • 噴射ポンプ(エジェクタ・インジェクタ): 流体を吹き込むことにより、回りの流体または粉体を巻き込んで輸送するもの。内部に弁などの整備の必要な機器が無い。水道蛇口に直結して簡易的に負圧を得るもの、圧縮空気を動力源とした掃除機、粉体輸送などに使われる。ただし、同じ呼称であるディーゼルエンジン燃料噴射ポンプは構造が全く異なる[2][3][注 1]
  • 気泡ポンプ : 気体を吹き込んで、気泡の浮上で液体をくみ上げるもの。エアーリフトポンプとも呼ばれる。
  • 水撃ポンプ : 管内で液体を自由落下させ急に弁を閉め、水撃作用で最初より高い位置に一部の液体をくみ上げるもの。位置エネルギーだけを利用しているため、人力や発動機といった外部動力なしで動作する反面、全ての液体をくみ上げることはできない。
  • ナッシュポンプ :真空ポンプとして用いられる。楕円形の液体の入ったケーシング内でインペラーを回転させ液面と回転子間にて圧力変化を持たせ、主に気体を吸い込むのに用いられる。
  • エルモポンプ :ケーシングが円形にて基本原理はナッシュポンプに同じ。
  • スクィーズポンプ(ペリスタティックポンプ):弾力のあるチューブを外部からローラーで潰し、媒体を絞り出すように作動する。コンクリートポンプ車や人工心肺、輸液などに使われる。
  • シリンジポンプ:微量の薬剤を持続的に投与するのに用いられる。

用途別分類

[編集]

付帯装置

[編集]

性能指標

[編集]

ポンプの性能を表す指標には以下のものが用いられる。

容量
ポンプの流量であり体積/時間の単位を持つ。
揚程、ヘッド
吸込みと吐出の圧力差を水頭に換算して長さの単位で表示するものである。ターボ形ポンプでは液体の密度が異なっても揚程はほぼ一定に保たれる。
軸動力
ポンプを駆動するのに必要な仕事率である。
効率
軸動力のうち流体の機械的エネルギーに変換された割合のことをいう。損失分は主としてエネルギーに転化し流体やポンプ自体を加熱することとなる。
NPSH、有効吸込みヘッド
Net Positive Suction Headの略で、キャビテーションの発生しにくさを示す。吸込み圧力と液体の蒸気圧の差を水頭に換算したもので、この値の最小必要量を所要NPSHという。ポンプの運転条件におけるNPSHが所要NPSHを上回らないと、キャビテーションによる振動、効率低下、機械的損傷などが起こる可能性がある。
性能曲線
各種性能値をグラフとして表現したものである。ターボ形ポンプでは横軸に容量、縦軸に揚程を取った性能曲線が最も良く使用される。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ ディーゼルエンジンの噴射ポンプも当初は空気噴射式であった[4]

出典

[編集]

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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