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「ヌクシア・コンゲスタ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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特徴: 出典の読み取り方に問題があった為、手直し。果実について加筆。/ 備考: Maundu & Tengnäs 曰く "FRUIT: The calyx persists(...)" との事ですが、これは花期以降も萼が失われないという事でしょうか。
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本種の[[葉]]は鈍緑色で<ref name="ERI" />3出まれに4出、(狭)楕円形か倒卵形、基部は楔形、先端は先鋭形・鈍形・凹形のいずれかで、[[葉縁]]は[[全縁]]あるいはとりわけ若いときに[[鋸歯]]状、1-15×2-7.5センチメートル、無毛であるか星状の微軟毛が生えている<ref name="hjb" />。[[葉柄]]は3-20ミリメートルである<ref name="hjb" />。
本種の[[葉]]は鈍緑色で<ref name="ERI" />3出まれに4出、(狭)楕円形か倒卵形、基部は楔形、先端は先鋭形・鈍形・凹形のいずれかで、[[葉縁]]は[[全縁]]あるいはとりわけ若いときに[[鋸歯]]状、1-15×2-7.5センチメートル、無毛であるか星状の微軟毛が生えている<ref name="hjb" />。[[葉柄]]は3-20ミリメートルである<ref name="hjb" />。


[[花]]はほかのヌクシア属植物と同様に頂生で4部位から成り<ref name="hjb" />、本種は白藤色で<ref name="ERI" />15センチメートルまでの[[円錐花序]]となり<ref name="hjb" />、密な[[頭状花]]が咲く<ref name="ERI" />。[[花冠|花冠筒]]は長さ3-8ミリメートル、裂片は長さ2-5ミリメートルで外側に毛が生え、[[萼]]は2.5-4ミリメートルで<ref name="hjb" />鐘状である<ref name="ERI" />。芳香がある<ref name="ERI" />。
[[花]]は白藤色で<ref name="ERI" />15センチメートルまでの[[円錐花序]]となり<ref name="hjb" />、密な[[頭状花]]が咲く<ref name="ERI" />。[[花冠|花冠筒]]は長さ3-8ミリメートル、裂片は長さ2-5ミリメートルで外側に毛が生え、[[萼]]は2.5-4ミリメートルで<ref name="hjb" />鐘状である<ref name="ERI" />。芳香がある<ref name="ERI" />。


[[果実]]はほかヌクシア属植物と同様に[[蒴果]]であり、種のものは萼よりもわずかながら長い<ref name="hjb" />。
[[果実]]は生えた小さな[[蒴果]]であり、割けて大量の[[子]]を放出する<ref name="m&t">Maundu & Tengnäs (2005).</ref>。こ蒴果は萼よりもわずかながら長い<ref name="hjb" />。


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== 利用 ==
== 利用 ==
ウガンダ、エチオピア、エリトリア、ケニアの東アフリカ4ヶ国では以下のような利用法が見られる<ref name="ERI" /><ref name="ETH" /><ref name="UGA" /><ref name="m&t">Maundu & Tengnäs (2005).</ref>。
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|+ 東アフリカ4ヶ国における利用法
|+ 東アフリカ4ヶ国における利用法

2018年9月30日 (日) 08:10時点における版

ヌクシア・コンゲスタ
ヌクシア・コンゲスタ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク上群 superasterids
階級なし : キク類 asterids
階級なし : asterids I
: シソ目 Lamiales
: スティルベ科 Stilbaceae
: ヌクシア属 Nuxia
: N. congesta
学名
Nuxia congesta
R. Br. ex Fresen
シノニム
  • 本文参照

ヌクシア・コンゲスタ[1]Nuxia congesta)とは、スティルベ科(旧マチン科あるいはフジウツギ科[2])の落葉樹の一種である。種小名congesta頭状花が密になっていることを意味する[3]

シノニム

Hassler (2018) および The Plant List (2013) によれば、Nuxia congesta R. Br. ex Fresenシノニムは以下の通りである。

  • Lachnopylis angolensis (Gilg) Philipson
  • Lachnopylis annobonensis Mildbr.
  • Lachnopylis breviflora (S.Moore) C.A.Sm.
  • Lachnopylis compacta C.A.Sm.
  • Lachnopylis congesta (R. Br. ex Fresen) C.A.Sm.
  • Lachnopylis emarginata (Sond.) C.A.Sm.
  • Lachnopylis emarginata var. brevifolia (Sond.) A.C.Sm.
  • Lachnopylis flocculosa C.A.Sm.
  • Lachnopylis goetzeana (Gilg) Greenway
  • Lachnopylis guineensis Hutch. & M.B.Moss
  • Lachnopylis heterotricha C.A.Sm.
  • Lachnopylis mannii (Gilg) Hutch. & M.B.Moss
  • Lachnopylis montana C.A.Sm.
  • Lachnopylis odorata (Gilg) Greenway
  • Lachnopylis platyphylla (Gilg) Greenway
  • Lachnopylis pubescens (Sond.) C.A.Sm.
  • Lachnopylis sambesina (Gilg) C.A.Sm.
  • Lachnopylis saxatilis C.A.Sm.
  • Lachnopylis schistotricha C.A.Sm.
  • Lachnopylis speciosa C.A.Sm.
  • Lachnopylis ternifolia Hochst.
  • Lachnopylis thomensis Philipson
  • Lachnopylis tomentosa (Sond.) C.A.Sm.
  • Lachnopylis viscidulosa C.A.Sm.
  • Lachnopylis viscosa (Gibbs) C.A.Sm.
  • Nuxia angolensis Gilg
  • Nuxia breviflora S.Moore
  • Nuxia congesta var. brevifolia Sond.
  • Nuxia congesta var. emarginata (Sond.) Prain
  • Nuxia congesta var. tomentosa (Sond.) Cummins
  • Nuxia dekindtiana Gilg
  • Nuxia dentata var. transvaalensis S.Moore
  • Nuxia emarginata Sond.
  • Nuxia gilletii De Wild.
  • Nuxia goetzeana Gilg
  • Nuxia keniensis T.C.E.Fr.
  • Nuxia latifolia T.C.E.Fr.
  • Nuxia mannii Gilg
  • Nuxia odorata Gilg
  • Nuxia platyphylla Gilg
  • Nuxia pubescens Sond.
  • Nuxia rupicola Gilg
  • Nuxia sambesina Gilg
  • Nuxia siebenlistii Gilg
  • Nuxia tomentosa Sond.
  • Nuxia viscosa Gibbs

分布

アンゴラウガンダエチオピアエリトリアガーナカメルーンギニアケニアコートジボワールコンゴ民主共和国サウジアラビアサントメ・プリンシペサントメ島)、ザンビアシエラレオネスーダンスワジランド赤道ギニアアンノボン島ビオコ島)、ソマリアタンザニアトーゴナイジェリアブルンジボツワナマラウイ南アフリカ共和国クワズール・ナタール州ハウテン州東ケープ州フリーステイト州北西州ムプマランガ州リンポポ州)、南スーダンモザンビークルワンダに分布する[4]

アフリカの山林の上限に高木として、あるいは(エチオピアなどにおいて[5])林縁や比較的乾燥した常緑高地林の下層の植生で低木に近い高木として見られる[6]。ウガンダでは高地森林地帯や、高地多雨林の辺縁およびその名残に生育する[7]。エチオピアでは先述の状態で1,700-3,200メートル地帯において見られる[5]。エリトリアではナクファ(Nakfa)、Wogret、Rora-habab (svセメナウィ・バハリ(Semenawi-bahri)あたりの丘の中腹や渓谷といった中央部および北部の高地の1,600-2,600メートル地帯で見られる[6]。ケニアでは1,550-2,850メートル地帯の高地林および山林で普通に見られ、竹林や森縁上の丘の頂上にも見られる[8]

特徴

花。

4.5-25メートルの低木あるいは高木[8]落葉性[7]、大きな木の幹には縦溝が見られ、樹皮は淡い灰茶色ではげ落ちやすい[8]。以下は部位ごとの説明となる。

本種のは鈍緑色で[6]3出まれに4出、(狭)楕円形か倒卵形、基部は楔形、先端は先鋭形・鈍形・凹形のいずれかで、葉縁全縁あるいはとりわけ若いときに鋸歯状、1-15×2-7.5センチメートル、無毛であるか星状の微軟毛が生えている[8]葉柄は3-20ミリメートルである[8]

は白藤色で[6]15センチメートルまでの円錐花序となり[8]、密な頭状花が咲く[6]花冠筒は長さ3-8ミリメートル、裂片は長さ2-5ミリメートルで外側に毛が生え、は2.5-4ミリメートルで[8]鐘状である[6]。芳香がある[6]

果実は毛の生えた小さな蒴果であり、割けて大量の種子を放出する[9]。この蒴果は萼よりもわずかながら長い[8]

利用

ウガンダ、エチオピア、エリトリア、ケニアの東アフリカ4ヶ国では以下のような利用法が見られる[6][5][7][9]

東アフリカ4ヶ国における利用法
ウガンダの旗 ウガンダ エチオピアの旗 エチオピア エリトリアの旗 エリトリア  ケニア
木炭
薬用 〇(葉および樹皮) 〇(葉) 〇(葉) 〇(葉および樹皮)
蜜蜂の餌
生け垣作り
建材 - - 〇(幹と枝) [8]
火起こし - - -

ケニアのキクユ人の間では mwanda といい、同じ名で呼ばれていたオトギリソウ科オトギリソウ属ヒペリクム・レウォルツムHypericum revolutum)と共に、伝統的に蜜蜂にとって良い木として知られていた[10]

諸言語における名称

ウガンダ:

ケニア:

ボツワナおよび南アフリカ共和国:

南アフリカ共和国など:

脚注

脚注

  1. ^ a b ウガンダのクプサビニィ語、ケニアのキプシギス語、サバオット語、ナンディ語、マラクウェット語はいずれもナイル諸語南ナイル諸語英語版: Southern Nilotic)カレンジン諸語という上位区分に分類され、このうち Sebei の別名を持つクプサビニィ語とサバオット語は特に近い関係にある[11]
  2. ^ a b Beentje (1994) によると、ナンディ語やマラクウェット語の chorua という語はヌクシア・コンゲスタ以外にゴマノハグサ科(旧フジウツギ科フジウツギ属の樹木バドレヤ・ポリスタキアBuddleja polystachya)も表す。
  3. ^ Benson (1964:72) はこの語は Lachnopylis congesta の他にゴマノハグサ科(旧フジウツギ科)フジウツギ属の樹木バドレヤ・サルウィーフォリアBuddleja salviifolia)も表し、こちらは火起こし用の棒に用いられていたとしている。Beentje (1994) では Muchorowe と表記されているが、これはヌクシア・コンゲスタ以外にもフジウツギ属の樹木バドレヤ・ポリスタキアも表すとしている。
  4. ^ Payne & Ole-Kotikash (2008) によると、ol-pírón という語は〈平たい木にこすりつけて火を起こすために用いられる棒切れ〉などを表す。

出典

  1. ^ 能城 (1997).
  2. ^ a b c d e Quattrocchi (2000).
  3. ^ a b c d e f g Grant & Thomas (2005).
  4. ^ Hassler (2018).
  5. ^ a b c Bekele-Tesemma (2007).
  6. ^ a b c d e f g h Bein et al. (1996).
  7. ^ a b c d Katende et al. (2000).
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m Beentje (1994).
  9. ^ a b c Maundu & Tengnäs (2005).
  10. ^ Leakey (1977:1322,1325).
  11. ^ Hammarström et al. (2018).
  12. ^ Benson (1964:72).

参考文献

英語:

日本語: