コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「上野英信」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Kokada jnet (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
Kokada jnet (会話 | 投稿記録)
40行目: 40行目:
[[1954年]]11月、[[千田梅二]]と共同で、初の著作『せんぷりせんじが笑った』を私家版にて出版<ref name="a">[[道場親信]]「上野英信『親と子の夜』その三――倉庫の精神史(3)」9p 『未来(474)』未来社,2006年</ref>。翌[[1955年]]4月には柏林書房より「ルポルタージュ・シリーズ 日本の証言」として再刊され、記録作家として認知されるようになった<ref name="a" />。
[[1954年]]11月、[[千田梅二]]と共同で、初の著作『せんぷりせんじが笑った』を私家版にて出版<ref name="a">[[道場親信]]「上野英信『親と子の夜』その三――倉庫の精神史(3)」9p 『未来(474)』未来社,2006年</ref>。翌[[1955年]]4月には柏林書房より「ルポルタージュ・シリーズ 日本の証言」として再刊され、記録作家として認知されるようになった<ref name="a" />。


その後、[[谷川雁]]、[[森崎和江]]らと筑豊の炭鉱労働者の自立共同体・サークル村を結成し、[[1958年]]、機関誌『サークル村』を刊行。同誌からは[[石牟礼道子]]や[[中村きい子]]らを輩出した。また、[[山本作兵衛]]の紹介など、炭鉱の実情を記した著作もある。
その後、[[谷川雁]]、[[森崎和江]]らと上野夫婦とで福岡県中間市で同居し、筑豊の炭鉱労働者の自立共同体・サークル村を結成し、[[1958年]]、機関誌『サークル村』を刊行。同誌からは[[石牟礼道子]]や[[中村きい子]]らを輩出した。
また、[[山本作兵衛]]の紹介など、炭鉱の実情を記した著作もある。


== 作品 ==
== 作品 ==

2018年11月23日 (金) 12:13時点における版

上野 英信
(うえの えいしん)
ペンネーム 上野 英信(うえの えいしん)
誕生 上野 鋭之進(うえの えいのしん)
(1923-08-07) 1923年8月7日
日本の旗 日本山口県吉敷郡井関村
(現・山口県山口市阿知須
死没 (1987-11-21) 1987年11月21日(64歳没)
職業 記録文学作家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 京都大学文学部支那文学科中退
活動期間 1954年 - 1987年
ジャンル 記録文学
代表作 『追われゆく坑夫たち』(1960年)
『地の底の笑い話』(1967年)
『出ニッポン記』(1977年)
『写真万葉録・筑豊』(1984年-1986年)
主な受賞歴 西日本文化賞(1984年)
日本写真協会賞(1987年)[1]
デビュー作 『せんぷりせんじが笑った』
(1954年)
配偶者 畑晴子(1926年 - 1997年)(1956年 - 1987年死別)[2]
子供 上野朱(1956年 -)
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

上野 英信(うえの えいしん、本名:上野鋭之進1923年(大正12年)8月7日 - 1987年(昭和62年)11月21日)は、日本記録文学作家。

経歴

山口県吉敷郡井関村(現・山口市)生まれ。父の転職により北九州の黒崎に移転。旧制八幡中学から満州国建国大学前期へ進学。 1943年12月1日学徒出陣により関東軍山砲兵第二十八連隊第五中隊へ入営。 1945年8月6日、見習士官として船舶砲兵教導隊第一中隊付の時、広島市宇品において原爆投下に遭遇、被爆する。 復員後は建国大学の閉鎖に伴い、京都大学文学部支那文学科へ編入。青木正児に師事するも、1947年に中退[3]。その後間もなく九州で炭鉱労働者となり、海老津炭鉱高松炭鉱崎戸炭鉱などで働く。炭鉱労働の傍らで労働者による文芸サークルを組織[4]し、自身も作品を発表し始める。

1954年11月、千田梅二と共同で、初の著作『せんぷりせんじが笑った』を私家版にて出版[5]。翌1955年4月には柏林書房より「ルポルタージュ・シリーズ 日本の証言」として再刊され、記録作家として認知されるようになった[5]

その後、谷川雁森崎和江らと上野夫婦とで福岡県中間市で同居し、筑豊の炭鉱労働者の自立共同体・サークル村を結成し、1958年、機関誌『サークル村』を刊行。同誌からは石牟礼道子中村きい子らを輩出した。

また、山本作兵衛の紹介など、炭鉱の実情を記した著作もある。

作品

  • 『せんぷりせんじが笑った!』千田梅二絵 柏林書房(ルポルタージュ・シリーズ―日本の証言〈第7〉) 1955年
  • 『追われゆく坑夫たち』 岩波書店岩波新書〉、1960年 / 岩波同時代ライブラリー、1994年
  • 『日本陥没期』 未來社、1961年
  • 『地の底の笑い話』 岩波書店〈岩波新書〉、1967年 / 2002年
  • 『骨を噛む』 大和書房、1973年
  • 『出ニッポン記』 潮出版社、1977年 / 社会思想社〈現代教養文庫〉、1995年
  • 『廃鉱譜』 筑摩書房〈ちくまブックス〉、1978年
  • 『親と子の夜』 未來社、1982年 
  • 『眉屋私記』 潮出版社、1984年
  • 『天皇陛下萬歳―爆弾三勇士序説』 筑摩書房、1989年(ちくま文庫) / 洋泉社洋泉社MC新書〉、2007年
  • 『上野英信集 (戦後文学エッセイ選)』 影書房、2006年

作品集

  • 『上野英信集』全5巻、経書房、1985年-1986年
    • 第1巻『話の坑口』1985年
    • 第2巻『奈落の星雲』1985年
    • 第3巻『燃やしつくす日日』1985年
    • 第4巻『闇を砦として』1985年
    • 第5巻『長恨の賦』1986年

参考文献

  • 追悼文集刊行会編 『上野英信と沖縄』 ニライ社、1988
  • 追悼録刊行会編 『追悼 上野英信』 同刊行会、1989
  • 岡友幸 『上野英信の肖像』 海鳥社、1989
  • 中野真琴 『上野英信の生誕地にて』 私家版、1992
  • 上野朱坂口博編 『上野英信著書一覧』 花書院、1993
  • 上野晴子 『キジバトの記』 海鳥社、1998
  • 上野朱 『蕨の家』 海鳥社、2000
  • 松原新一 『幻影のコンミューン―サークル村を検証する』 創言社、2001

脚注

  1. ^ http://www.psj.or.jp/psjaward/all.html 2016年10月21日閲覧
  2. ^ 新木安利「上野英信・略年譜」293p 新木安利『サークル村の磁場 上野英信・谷川雁・森崎和江』海鳥社,2011年
  3. ^ 『新潮日本文学辞典』
  4. ^ 筑豊炭坑労仂者文芸工作集団『地下戦線(1)』1953年5月
  5. ^ a b 道場親信「上野英信『親と子の夜』その三――倉庫の精神史(3)」9p 『未来(474)』未来社,2006年

関連項目