中間持株会社

中間持株会社（ちゅうかんもちかぶがいしゃ）とは、持株会社のうち親会社の傘下で近似の業種に属する複数の子会社を統括する種類の会社のことである。親会社は持株会社でない場合もある。投資事業や開発部門などを事業として手掛ける事業持株会社のケースもある。

主な中間持株会社

• ソニーフィナンシャルホールディングス （ソニー傘下。ソニー生命、ソニー銀行など金融部門を統括）
• ソニー・ミュージックエンタテインメント（ソニー傘下。音楽部門を統括）
• 三菱UFJ証券ホールディングス（三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下。モルガン・スタンレーグループとの証券・投資銀行事業の合弁に伴い、（初代）三菱UFJ証券を中間持株会社化して発足。モルガン・スタンレーグループとの共同出資となっている主要証券会社、（初代）三菱UFJ証券の子会社などを統括）
• リクルート（リクルートホールディングス傘下。グループのメディア＆ソリューション事業を統括）
• スタッフサービス・ホールディングス（リクルートホールディングス傘下。スタッフサービス、テクノサービスなどを統括）
• セブン&アイ・ネットメディア（セブン&アイ・ホールディングス傘下。セブンドリーム・ドットコムやセブンネットショッピングなどIT事業を統括）
• 東武バス（東武鉄道傘下。東武鉄道バス事業本部を解体して設立された「東武バス」ブランドのバス事業を統括）
• 住友建機（住友重機械傘下。住友建機製造（製造部門）及び住友建機販売（販売部門、子会社・関連会社多数）を統括）
• 学研塾ホールディングス（学研ホールディングス傘下。学習塾部門の統括）
• 学研ココファンホールディングス（学研ホールディングス傘下。介護福祉部門の統括）
• 鈴与ホールディングス（鈴与傘下。2000年設立。2008年8月より鈴与との吸収分割で物流事業を除く各グループ企業を統括。）
• ランスタッドグループジャパン（蘭・ランスタッドの日本における持株会社。フジスタッフホールディングスがランスタッド日本を吸収する形で発足）
• 日本ポリケム（三菱ケミカル傘下。日本ポリプロなどを統括）
• D.A.コンソーシアムホールディングス（博報堂DYホールディングス傘下。デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、アイレップなどインターネット関連事業を統括）
• SMFGカード&クレジット（三井住友フィナンシャルグループ傘下。三井住友カード・セディナを統括）
• 伊徳ホールディングス（ユナイトホールディングス傘下。スーパーマーケット部門を新設子会社の伊徳に分割し、デベロッパ部門を手掛ける事業持株会社化。その後、タカヤナギとの経営統合によるユナイトホールディングス傘下入りで、事業持株会社かつ中間持株会社化）
• KNT-CTホールディングス（近鉄グループホールディングス傘下。クラブツーリズムなどグループの旅行事業等を統括）
• 近鉄バスホールディングス（近鉄グループホールディングス傘下。三重交通グループホールディングスグループ以外の近鉄バスを始めとするバス事業を統括）
• 近鉄タクシーホールディングス（近鉄グループホールディングス傘下。近鉄タクシーを始めとするタクシー事業を統括）
• 近鉄技術ホールディングス（近鉄グループホールディングス傘下。鉄道技術系のグループ会社を統括）
• 近鉄リテールホールディングス（近鉄グループホールディングス傘下。グループの小売事業を統括）
• 小田急箱根ホールディングス（小田急電鉄傘下。箱根登山鉄道・箱根登山バス・箱根観光船などグループの箱根エリア事業を統括）
• AFSコーポレーション（イオンフィナンシャルサービス傘下。イオン銀行・イオン住宅ローンサービスなど銀行持株会社グループを統括）
• ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス（イオン傘下。マルエツ・カスミ・マックスバリュ関東などグループのスーパーマーケットブランドを統括）
• ウエルシアホールディングス（イオン傘下。ウエルシア薬局・シミズ薬品・シミズ薬品などグループの薬局事業を統括）
• セガホールディングス（セガサミーホールディングス傘下。セガゲームスなどのコンシューマーゲーム事業、セガ・インタラクティブなどのアミューズメント事業、トムス・エンタテインメントなどのアニメーション事業を統括）
• ソフトバンクグループジャパン（旧：ソフトバンクグループインターナショナル）（ソフトバンクグループ傘下。ソフトバンクなどグループの国内外事業子会社を統括）
  • SBメディアホールディングス（ソフトバンク傘下。SBクリエイティブ、ITmediaなどを統括）
• リソル（リソルホールディングス傘下）
• ABCフロンティアホールディングス（朝日放送グループホールディングス傘下。ABCアニメーション・ABCインターナショナル・ABCライツビジネスを統括）
• ジャパンマルチメディア放送（エフエム東京傘下。VIPや各地域のマルチメディア放送会社など、V-Low帯マルチメディア放送「i-dio」事業及びそれに関する企業を統括）
• CCCエンタテインメント（カルチュア・コンビニエンス・クラブ傘下。CCCグループにおいて生活提案の場としてのTSUTAYA及び蔦屋書店などの企画・FC展開事業、ライフスタイルコンテンツの企画・制作事業、その他生活提案に関する事業を統括）
• キタムラ・ホールディングス（CCCデザイン傘下。キタムラなど写真関連事業を統括）
• 富士レビオ・ホールディングス（みらかホールディングス傘下。富士レビオなど、臨床検査薬事業を統括）
• 日本製紙ロジスティクス（日本製紙傘下。日本製紙物流、南光運輸、旭新運輸など、物流事業を統括）
• エイチ・ツー・オー食品グループ（エイチ・ツー・オー リテイリング傘下。イズミヤ、阪急オアシス等、小売事業を統括）
• 関西みらいフィナンシャルグループ（りそなホールディングス傘下。りそなHD子会社の近畿大阪銀行と三井住友銀行子会社の関西アーバン銀行とみなと銀行が経営統合）
• 楽天インシュアランスホールディングス（楽天カード傘下。保険事業を統括）
• auフィナンシャルホールディングス（KDDI傘下。金融事業を統括）
• オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングス（オートバックスセブン傘下。ディーラー事業を統括）
• ニチレイロジグループ本社（ニチレイ傘下。低温物流事業を統括）
• KADOKAWA Future Publishing（旧：KADOKAWA）（KADOKAWA（旧：カドカワ）傘下。出版関連事業を統括）

かつて存在した中間持株会社

事業会社に合併される等、事業持株会社・事業会社化

• みずほホールディングス：2003年にみずほフィナンシャルグループが新たに持株会社として設立されて以降、2005年9月までは2つの銀行を傘下にもつ中間持株会社となっていた。ただし、中間持株会社としての同社は事実上は消滅しているが、法人格は全くの別事業を行うみずほフィナンシャルストラテジーとして存続している。
• インデックス・ヴィジュアルアンドゲームズ：インデックス・ホールディングス傘下。2008年8月に事業会社のインターチャネル・ホロン（現・インターチャネル）に吸収合併され消滅。
• 大塚化学ホールディングス：大塚製薬傘下。大塚化学、大塚食品、大塚家具製造販売を統括し、オロナミンC事業も行っていた。2009年7月1日に大塚化学を吸収合併して事業会社化し、あわせて大塚化学に社名を復帰した。
• 角川メディアマネジメント：角川グループホールディングス（現・KADOKAWA）傘下。角川・エス・エス・コミュニケーションズ、角川マーケティングなどを統括を統括していたが、2010年4月に（2代目）角川マーケティングと合併し、商号を（3代目）株式会社角川マーケティングに変更、事業持株会社となった。
• 新日鉱ホールディングス：JXホールディングス（現・JXTGホールディングス）傘下。JXHDの発足に伴い中間持株会社化されたが、事業会社再編に伴い、法人上、事業子会社を吸収した上で、JX日鉱日石金属（現・JX金属）へと社名変更し、事業会社化した。
• 日テレ・グループ・ホールディングス：（旧）日本テレビ放送網（現・日本テレビホールディングス）傘下。日テレ・テクニカル・リソーシズ、日テレ アックスオンなどを統括していたが、日本テレビの放送持株会社化に伴い傘下の子会社は同社の直接子会社となり、地方制作プロダクションの経営関連業務に携わる事業会社に業態変更。後に日テレグループ企画へ社名変更した。
• フジ・ダイレクト・マーケティング：フジ・メディア・ホールディングス傘下。ディノス、セシールなど通販事業部門を統括。事業会社２社と合併しディノス・セシールに商号を変更し事業会社化。
• JPNホールディングス：クレディセゾン傘下。ジェーピーエヌ債権回収などを統括していたが、事業会社のヒューマンプラス（現・セゾンパーソナルプラス）に吸収合併され消滅。
• キヤノンMJアイティグループホールディングス：キヤノンマーケティングジャパン傘下。事業会社のキヤノンITソリューションズに吸収合併され消滅。
• 学研出版ホールディングス：学研ホールディングス傘下。グループ出版事業を統括していたが、事業会社の学研プラスに吸収合併され消滅。
• イオンフィナンシャルサービス：イオン傘下。グループ金融事業を統括していたが、2019年4月1日に組織再編を実施し、事業会社に移行。
• トヨタ東京販売ホールディングス：トヨタ自動車傘下。トヨタディーラーやグループ販社の物流・システム事業を統括していたが、2019年4月1日に事業会社4社と合併しトヨタモビリティ東京へ商号変更し事業会社化。

持株会社同士の合併により消滅

• ソニー・カルチャーエンタテインメント：ソニー傘下。2006年12月付で同子会社のソニー・ミュージックエンタテインメントに吸収合併され消滅。
• フジスタッフホールディングス：元は、フジスタッフとアイラインを傘下に持つ人材派遣を手がける、ジャスダック市場上場の持株会社であったが、ランスタッド日本合同会社によるTOBに伴うランスタッド日本の完全子会社化により、中間持株会社傘下の中間持株会社状態となっていたが、2011年7月1日付で、親会社のランスタッド日本を吸収合併し、ランスタッドグループジャパンに改称。
• ランスタッド日本：オランダ王国で人材派遣などを手がける持株会社、ランスタッド・ホールディングの日本における統括（厳密には、ランスタッド・ホールディングにおけるアジア事業を統括する中間持株会社、ランスタッド・アジア・パシフィック・ビー・ヴィーの資本が両社間にある）および投資事業を手がける事業持株会社かつ合同会社であった。傘下にランスタッド2代目日本法人とフジスタッフホールディングスを抱えていたが、フジスタッフホールディングスに吸収され消滅。
• モバイルテック・BBモバイル：ソフトバンクグループ傘下。当初はBBモバイルが自社系列内で携帯電話事業を行うための会社であったが、ボーダフォン日本法人を買収しソフトバンクモバイル株式会社（現・ソフトバンク株式会社）となったため、中間持株会社となっていた。資本関係は「ソフトバンクグループ → モバイルテック → BBモバイル → ソフトバンク」となる。2015年12月1日付で親会社のソフトバンクグループへ吸収合併され消滅。
• 富士でりかぐるーぷ本社：フジパングループ本社傘下。2008年7月1日付で親会社のフジパングループ本社へ吸収合併され消滅。
• ソフトバンクグループジャパン（旧法人）：ソフトバンクグループ傘下。当初は、グループの国内事業会社を統括していたが、2017年4月24日付でソフトバンクグループインターナショナルへ吸収合併され消滅。
• 吉野家インターナショナル：吉野家ホールディングス傘下。グループ国際事業を統括していたが、2016年12月1日付で親会社の吉野家ホールディングスへ吸収合併され消滅。
• 吉野家資産管理サービス：吉野家ホールディングス傘下。グループ牛丼関連事業を統括していたが、2019年2月1日付で親会社の吉野家ホールディングスへ吸収合併され消滅。
• キリン：キリンホールディングス傘下。グループ国内綜合飲料事業を統括していたが、2019年7月1日に親会社のキリンホールディングスへ吸収合併され消滅。

持株会社以外の合併により消滅

• 京阪バスシステムズ：（旧）京阪電気鉄道（現・京阪ホールディングス）傘下。京阪バスなどバス事業を統括。2009年10月1日に親会社の京阪電気鉄道に吸収合併され消滅。
• 阪急阪神交通社ホールディングス：阪急阪神ホールディングス傘下。旅行・国際輸送事業を統括していたが、事業見直しにより事業会社の阪急阪神エクスプレスに吸収合併され消滅。
• インテックホールディングス：ITホールディングス（現・TIS）傘下。インテックなどインテックグループ会社を統括。2009年10月1日付でインテックに吸収合併され消滅。
• メディアリーヴス：角川グループホールディングス（現・KADOKAWA）傘下。エンターブレインを統括していたが、2010年10月に同社に吸収合併され消滅。
• 東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス：東芝傘下。白物家電事業を統括。2014年1月に親会社の東芝へ吸収合併され消滅。

倒産・解散による清算

• ダイエーホールディングコーポレーション：ダイエー傘下。2002年に清算
• ゲームズアリーナ：ドワンゴ傘下。ゲオ子会社であったSpike（スパイク）や、元独立系ソフトハウスであったチュンソフト（現・スパイク・チュンソフト）やT&E SOFTの買収子会社3社を統括。2012年6月30日に解散。傘下会社はドワンゴの直接子会社となっている。

関連項目

• 金融持株会社
• 放送持株会社
• 事業持株会社