「スパッツ」の版間の差分
GESPENST28 (会話 | 投稿記録) m編集の要約なし |
|||
39行目: | 39行目: | ||
本来はスパッツも[[レギンス]]も同じ衣類の名称であり、混同されているが、今日の日本では、膝上以上の短い丈で、スポーツや見せパンといった用途に着用されるものを'''スパッツ'''、腰から膝下~足首までの丈で、先がレース状のものなど主に女性のファッション用途として着用されるものを'''レギンス'''と呼ぶ傾向にある。 |
本来はスパッツも[[レギンス]]も同じ衣類の名称であり、混同されているが、今日の日本では、膝上以上の短い丈で、スポーツや見せパンといった用途に着用されるものを'''スパッツ'''、腰から膝下~足首までの丈で、先がレース状のものなど主に女性のファッション用途として着用されるものを'''レギンス'''と呼ぶ傾向にある。 |
||
日本では、カルソンパンツやレギンスという名称もスパッツと同一としつつも並行して使われている。カルソンパンツはスパッツほど密着性がないものもみられる。レギンスは2006年頃にファッション業界がおしゃれとしてのスパッツを売り出すため、新ファッション用語として打ち出した名称で、メディア等で浸透し流行した。流行する以前に認知度を高める為か「また“スパッツ”は昨シーズンから“レギンス”と呼ぶことになっているのでご注意を(笑)。年齢がバレますよ」といった強引な記事がインターネット上に蔓延し騒動になった<ref>[[柴崎友香]]は『よそ見津々』([[日本経済新聞出版社]])の2007年のエッセイ"スパッツが「レギンス」に"の中で、ズボン→パンツ、とっくり(セーター)→タートル、チョッキ→ベスト、ジーパン→デニム、シミーズ→キャミソール→スリップというのに驚いている。</ref>。同時期、今までスパッツと呼称していた商品を急にレギンスと名前を変えて売りだしても一部営業や仕入業者の間で取引時にレギンスという商品名では通じず、しばらくスパッツという言葉が使われ続けた。2016年 |
日本では、カルソンパンツやレギンスという名称もスパッツと同一としつつも並行して使われている。カルソンパンツはスパッツほど密着性がないものもみられる。レギンスは2006年頃にファッション業界がおしゃれとしてのスパッツを売り出すため、新ファッション用語として打ち出した名称で、メディア等で浸透し流行した。流行する以前に認知度を高める為か「また“スパッツ”は昨シーズンから“レギンス”と呼ぶことになっているのでご注意を(笑)。年齢がバレますよ」といった強引な記事がインターネット上に蔓延し騒動になった<ref>[[柴崎友香]]は『よそ見津々』([[日本経済新聞出版社]])の2007年のエッセイ"スパッツが「レギンス」に"の中で、ズボン→パンツ、とっくり(セーター)→タートル、チョッキ→ベスト、ジーパン→デニム、シミーズ→キャミソール→スリップというのに驚いている。</ref>。同時期、今までスパッツと呼称していた商品を急にレギンスと名前を変えて売りだしても一部営業や仕入業者の間で取引時にレギンスという商品名では通じず、しばらくスパッツという言葉が使われ続けた。2016年以降は本来の「スパッツ」という名称に戻ったかたちで取り扱っている販売店も多い。 |
||
つまるところレギンスとは当時における新商品の名称であり一種のキャンペーンだったということが伺える。 |
|||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
2019年10月9日 (水) 09:12時点における版
スパッツ(spats)とは、伸縮性のあるアウターウェアまたはボトムスの一種である。 伸縮性のある素材でできた、腰から脚までにぴったりとフィットするズボンまたは、タイツ状の衣類の総称である。
概要
タイツの足先部分がない形状をしている。レギンスと呼ばれることもある。
スポーツ以外の日常的な場面で着るためのスパッツは女性向けの衣類であるが、2008年頃に、コレクションにてコム・デ・ギャルソンなどのブランドからメンズ・スカートなどと共に男性用の衣料として発表されたこともある。タイツ・ストッキングと同じような素材で作った股引(ももひき)のような衣類とも言える。
これらは下着から発展したもので、1980年代中頃からボディラインを強調したファッション(ボディコン)の流行によりアウターとしても注目を浴びるようになった。さらに1990年代においては、女子小学生の間で、丈の長いTシャツに、膝丈の光沢スパッツを合わせるファッションが大流行した。光沢感のあるスパンデックス繊維のスパッツが特に人気であったが、綿素材などのスパッツも流行した。色も黒だけではなく、ピンクなど明るい色を基調としたものや、ロゴが入ったものなど、さまざまなスパッツが商品化され大流行した。
現在ではミニスカートやショートパンツの下に長いスパッツを組み合わせるなど「見せる下着」に戻った着用法も見られる。逆に下着が見えないように短いスパッツをスカートやショートパンツの下にはく女性も多い。この着用の仕方は中学生から高校生を中心に10代の女子が制服スカートの下にパンチラ防止、オーバーパンツ(見せパン)として穿くという用途が最も多い。実際にその年代向けに「下着隠し」とした商品も販売されている。
日本ではよく見かけるが、今日の欧米ではそれほど一般的なものではない。またタイツの意味で使われたり、これにオーバースカートつきの「スカッツ」なるファッションが現れたりして、混同しやすい。
スポーツ用途
スパッツは基本的に下着の上に穿くものであるが、スポーツにおいては、水着同様に直に穿く場合もある。 具体的には自転車競技・マラソンなどの陸上競技では主にユニフォームのズボンとして着用し、それ以外のサッカー・ラグビー・バレーボールなどの球技を中心としたスポーツでは下着として穿いてその上にユニフォームを着用する形態がプロチームでは男女共にほぼ一般化している。スパッツは動きやすく通気性に優れ、男性の場合は日常生活で着ける下着のパンツ(トランクス・ブリーフ・ボクサーパンツなど)と比べて着用時のフィット感も良いからとされる。野球ではスパッツに機能性を持たせた「スライディングパンツ」が基本的に用いられている。
また、サッカースパッツ・ラグビースパッツなどと細分化されているスポーツウェア製品群もある。すそはひざ上あたりまでとやや短めで、色は黒・白・青などの無地モノトーンが主流である。ミズノなどのスポーツ用品メーカーが発売してスポーツ用品店で販売されている。中学・高校・大学などの部活動やアマチュアチーム・クラブでも取り入られているが、既存の下着(トランクスなど)の上にスパッツやスライディングパンツを重ねてはくのは基本的に誤用である。
ユニフォームのズボン(短パン・ハーフパンツ)よりもスパッツの方が丈が長いことがほとんどであるため、ズボンのすそ口やひざ上あたりからスパッツが見える「重ねばき」状態となるケースが大半であり、下着としてスパッツを着用している場合は見せパンの一種となりうる。これを逆手にとり、丈の短いズボンと着こなすファッションもある。
伸縮性に富み吸汗性に優れた衣類であるため、スポーツのトレーニング用として着用される。体操・バレエ・ジョギングなどの全身運動、特に下半身を動かすスポーツに用いられる。練習着としてヨガ教室やスポーツジムといった施設で愛用している女性も多い。 練習着以外では山口祇園祭や丸山華まつりなど日本各地で見られる女性ばかりの神輿、女神輿の担ぎ手の衣装としても幅広く使用されている。
引き締め効果に着目しダイエットのためのウォーキングの効率化を図った、シェイプアップ効果のあるスパッツというものもある。下腹部、臀部、太股をトータルに引き締める為、テーピング効果やマッサージ効果が現れるとされる。
スコートやミニスカート、ショートパンツなどが用いられるスポーツではそれらの下にスパッツやスパッツ型のアンダースコートを着用するケースもある。
呼び名について
スパッツという呼び方は和製英語に分類される。英語本来のspatsは、磨き上げた靴を土ぼこりや泥水の跳ねから守るために靴の上に装着する脚絆(ゲートル)を指す言葉だったが、日本に持ち込まれる際に誤って違うものを指す言葉として導入された。ただし登山用のスパッツは足首から膝までを覆い、本来のこの用法で用いられている(スパッツ(足首)を参照)。
本項で記載しているパンツ状のものは欧米ではレギンス (leggings) もしくはフランス語でカルソン (caleçon) と呼ばれる(ただし、レギンスは前述の「脚絆」を指す言葉としても用いられる)。日本語で最も近い言葉は股引である。
本来はスパッツもレギンスも同じ衣類の名称であり、混同されているが、今日の日本では、膝上以上の短い丈で、スポーツや見せパンといった用途に着用されるものをスパッツ、腰から膝下~足首までの丈で、先がレース状のものなど主に女性のファッション用途として着用されるものをレギンスと呼ぶ傾向にある。
日本では、カルソンパンツやレギンスという名称もスパッツと同一としつつも並行して使われている。カルソンパンツはスパッツほど密着性がないものもみられる。レギンスは2006年頃にファッション業界がおしゃれとしてのスパッツを売り出すため、新ファッション用語として打ち出した名称で、メディア等で浸透し流行した。流行する以前に認知度を高める為か「また“スパッツ”は昨シーズンから“レギンス”と呼ぶことになっているのでご注意を(笑)。年齢がバレますよ」といった強引な記事がインターネット上に蔓延し騒動になった[1]。同時期、今までスパッツと呼称していた商品を急にレギンスと名前を変えて売りだしても一部営業や仕入業者の間で取引時にレギンスという商品名では通じず、しばらくスパッツという言葉が使われ続けた。2016年以降は本来の「スパッツ」という名称に戻ったかたちで取り扱っている販売店も多い。 つまるところレギンスとは当時における新商品の名称であり一種のキャンペーンだったということが伺える。
脚注
- ^ 柴崎友香は『よそ見津々』(日本経済新聞出版社)の2007年のエッセイ"スパッツが「レギンス」に"の中で、ズボン→パンツ、とっくり(セーター)→タートル、チョッキ→ベスト、ジーパン→デニム、シミーズ→キャミソール→スリップというのに驚いている。