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'''倉本 寿彦'''(くらもと としひこ、[[1991年]][[1月7日]] - )は、[[横浜DeNAベイスターズ]]に所属する[[神奈川県]][[茅ヶ崎市]]出身の[[プロ野球選手]]([[内野手]])。右投左打。愛称は苗字('''倉本''')にちなんで「'''クララ'''」「'''クラ'''
'''倉本 寿彦'''(くらもと としひこ、[[1991年]][[1月7日]] - )は、[[横浜DeNAベイスターズ]]に所属する[[神奈川県]][[茅ヶ崎市]]出身の[[プロ野球選手]]([[内野手]])。右投左打。愛称は苗字('''倉本''')にちなんで「'''クララ'''」ファンからは守備が下手なことから倉本前ヒットと呼ばれる


== 経歴 ==
== 経歴 ==

2020年1月1日 (水) 08:53時点における版

倉本 寿彦
横浜DeNAベイスターズ #5
2015年3月15日、横浜スタジアムにて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 神奈川県茅ヶ崎市
生年月日 (1991-01-07) 1991年1月7日(33歳)
身長
体重
180 cm
82 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 遊撃手二塁手三塁手
プロ入り 2014年 ドラフト3位
初出場 2015年3月27日
年俸 5,000万円(2020年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

倉本 寿彦(くらもと としひこ、1991年1月7日 - )は、横浜DeNAベイスターズに所属する神奈川県茅ヶ崎市出身のプロ野球選手内野手)。右投左打。愛称は苗字(倉本)にちなんで「クララ」ファンからは守備が下手なことから「倉本前ヒット」と呼ばれる

経歴

プロ入り前

小学校から野球を始める。

横浜高等学校では2年時からレギュラーに定着。3年時には同学年の土屋健二、1学年後輩の筒香嘉智と共に、第90回全国高等学校野球選手権全国大会でチームを準決勝にまで進出させた[2]

高校卒業後に進学した創価大学では、東京新大学野球のリーグ戦で、3年秋と4年春にベストナインを獲得。同学年のチームメイトに小川泰弘がいた。

大学4年生だった2012年プロ志望届日本学生野球連盟に提出したが、小川がNPBドラフト会議東京ヤクルトスワローズから2巡目で指名されたのに対して、自身はどの球団からも指名されなかった[3]。このため、2013年日本新薬へ入社すると、硬式野球部で1年目から正遊撃手に定着。社会人野球日本選手権大会に出場したほか、2014年の仁川アジア大会には、野球日本代表の一員として出場した。

2014年のNPBドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズから3巡目で指名。契約金6,000万円、年俸1,200万円(金額は推定)という条件で入団する[4]とともに、横浜高校から直接入団した筒香や、北海道日本ハムファイターズから2013年に移籍していた土屋と再びチームメイトになった。背番号は5。なお、入団決定後の12月8日には、遊撃手として社会人野球のベストナインに選ばれている[5]

DeNA時代

2015年には、開幕一軍入りを果たすと、3月27日に読売ジャイアンツ(巨人)との開幕戦(東京ドーム)で「7番・遊撃手」としてスタメンで一軍公式戦にデビュー。5回表の第2打席で、菅野智之からプロ初安打[6]。前半戦ではスタメンでの起用が続いたが、打撃不振や失策の増加などから、シーズンを通して一軍と二軍を2回往復[7]。一軍公式戦全体では、遊撃手として65試合にスタメンで起用されたが、102試合の出場で打率.208にとどまった。

2016年には、一軍の開幕戦から「6番・遊撃手」としてスタメンに定着。5月12日の対中日ドラゴンズ戦では、同点で迎えた10回裏無死満塁の打席で、プロ入り後初めてのサヨナラ安打。打撃面では、9月19日の対広島東洋カープ戦(いずれも横浜スタジアム)まで打率3割をキープ。7月29日にマツダスタジアムで催された対広島戦では、プロ入り後初めて1試合5安打を記録した。結局、レギュラーシーズンを打率3割で終えられなかったものの、セントラル・リーグ(セ・リーグ)の最終規定打席に到達。シーズンを通じて正遊撃手に定着するとともに、6番打者として82試合、7番打者として36試合、5番打者として14試合に出場した末に、チームを球団史上初めてのクライマックスシリーズ(CS)進出に導いた。守備面では、失策数を6にとどめたことから、遊撃手としてはリーグ2位の守備率.989を記録している。

2017年には、4月14日の対ヤクルト戦(横浜)で初めて9番打者に起用され、5月4日の対巨人戦(東京ドーム)を境に9番へ定着した。打線の8番に投手を組み込むアレックス・ラミレス監督の方針(詳細後述)によるもので、打撃が復調しても、NPB全12球団で規定打席を満たしている野手ではただ1人9番打者への起用を継続[8]。前述の巨人戦以降に9番以外の打順で出場した試合は、6番で起用された6月14日の対ロッテ戦(横浜)だけであった。8月16日の対中日戦(横浜)では、2-2の同点で迎えた9回裏1死1塁の打席で、前年に続く自身2度目のサヨナラ安打を記録[9]。9月12日の対広島戦(マツダ)2回表の打席で2点適時打を放ったことによって、プロ入り後自己最多のシーズン44打点を達成する[8]と、50打点にまで伸ばしてレギュラーシーズンを終えた。さらに、レギュラーシーズンで一軍公式戦全143試合フルイニング出場[10]を初めて果たすなど、正遊撃手としてチームの2年連続クライマックスシリーズ進出に貢献した。ただし、打率(.262)が前年の.294から大幅に低下したほか、102三振を記録。守備面では、失策数(14)が前年から倍増したほか、守備率も.979にまで低下した。チームのCS突破を経て臨んだ福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズでは、1点リードで迎えた第2戦7回裏1死1塁の場面で今宮健太がゴロを放ったところ、ゴロを捌いた二塁手・柴田竜拓からの送球を落球[11][12][13]。このプレーで併殺を完成させられなかったことを境に、チームはソフトバンクに逆転負けを喫した[11][12][13][14]。しかし、第3戦では3安打を放つと共に、遊撃の守備でも好プレーを見せた[14]。チームは第6戦での延長11回サヨナラ負けで日本一を逃したが、倉本自身は全6試合に出場、打率.333。最終的にレギュラーシーズン、クライマックスシリーズ、日本シリーズの156試合全てにフルイニング出場を果たし、不動のレギュラーかつチームの看板選手としての地位を確立した[15]

2018年には、国内FA権の行使によって阪神から移籍した大和を正遊撃手へ起用するチーム方針の下で、「9番・二塁手」として一軍公式戦をスタート。開幕4戦目であった4月4日の対阪神戦では、8回裏の第4打席で四球を選んで出塁した後に宮本秀明代走へ送られたため、フルイニング出場記録が途切れた[16]。開幕当初からの打撃不振に加え、課題としていた守備にもミスが目立ち5月31日には出場選手登録を抹消された[17]。6月29日から一軍に復帰するが、7月の月間打率は.188と打撃の状態は向上せず、8月以降はスタメン出場は相性の良い広島戦に限定されるようになっていった。最終的に出場試合数は85試合と前年より大きく減少した。得意としていた得点圏打率も前年の.342から.255と大きく成績を落とした。

2019年には、首脳陣に「もう一度遊撃で勝負させてほしい」と直訴[18]し、大和と正遊撃手を争う形となった。開幕一軍入りは果たしたものの、オープン戦から打率.031・OPS.092を記録する程の極度の打撃不振に陥る。レギュラーシーズンに入っても打撃が上向かず出場試合数は24試合で打率.121、本塁打も0本に終わるなどキャリアワーストのシーズンとなった。

選手としての特徴

日本新薬時代に門田博光から打撃のアドバイスを受けた影響で、DeNA1年目のシーズン中盤までは、門田の現役時代のような一本足打法を採用していた。しかし、打撃不振に陥ったため、シーズンの終盤にすり足打法へ変更した[19]。2年目には、振り子打法を採用し、右方向へ打球を放つことを意識した[20]ことによって、レギュラーシーズンの一軍公式戦でリーグ7位(チーム1位)の157安打と3割近い打率(.294)を記録するまでに至った[20]

また、2017年には得点圏打率でリーグ2位の .342を記録し、通算3度のサヨナラ打を放つなど勝負強いバッティングを持ち味としていた。

その一方で、比較的本塁打が出やすい球場として知られる横浜スタジアムを本拠地としながらも本塁打数は2017年は規定打席に到達した打者の中でリーグワーストタイの2本、2016年も1本に留まっている。2016年にセ・リーグ1位の520本のファールを打った一方で[21]、積極的なバッティングスタイルも相まって四球は2017年に規定打席到達者中リーグワーストの18を記録するなど例年少ない傾向にある。

前述したように、DeNA3年目の2017年には、内野のレギュラーでありながら、ラミレスの方針でおおむね9番打者を任されていた。起用当初は、スタメンから外すことをラミレスに直談判することも考えたほどの打撃不振に見舞われていたため、「不振による打順の降格」と見られていた。9番打者に定着してからは、自身の出塁へ集中することによって、打率が例年の水準にまで上昇。「8番に入れた投手で攻撃を終えても、倉本から始まる次の回の攻撃で上位打線へつなぐことができる」というメリットと相まって、打線全体の得点力の向上にも貢献している[22]。なお、遊撃手から二塁手へ転向した2018年にも、開幕当初は主に9番へ起用されていた。

守備面では、DeNAへの入団1年目から2年連続で.980台の守備率を記録し、堅実な守備が持ち味とされていた。入団2年目からの監督であるラミレスは、倉本の守備について、「僕が求める守備は確実にアウトを取ってくれること。倉本に打球が飛んだ時点で、相手チームはその先の可能性はないと諦める。倉本の守備は相手に絶望を与える」と絶大な信頼を置いていた。[23]。しかし、2016年の契約更改では、三塁手出身の高田繁ゼネラルマネージャーから守備範囲が狭いことを指摘された[24]。翌2017年には、14失策を記録し守備率も.979にとどまった。このため、高田は同年のシーズン終了後に、内外野とも守備力の高い大和の獲得を決断。翌2018年には、ラミレスが正遊撃手の座を大和と競わせた末に、オープン戦の終盤から倉本を二塁手へ転向させた。なお、DELTA算出のUZRでは、2015年に-5.0を記録。2016年に両リーグ10位の-11.7を記録。2017年は両リーグワーストの-17.0と、入団以来一貫してマイナスを記録している守備が下手なことでネタにされることがおおく倉本前ヒットなどと呼ばれユウチューブでは倉本の守備の動画が人気である。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2015 DeNA 102 265 245 11 51 4 0 2 61 20 0 0 7 1 10 0 2 60 8 .208 .244 .249 .493
2016 141 566 534 38 157 19 2 1 183 38 2 3 5 3 22 0 2 98 13 .294 .323 .343 .665
2017 143 539 507 49 133 27 1 2 168 50 3 1 9 1 18 0 4 102 10 .262 .292 .331 .624
2018 85 235 228 11 53 7 0 1 63 14 1 2 0 1 6 0 0 51 5 .232 .251 .276 .527
2019 24 35 33 1 4 1 0 0 5 2 0 1 0 0 2 0 0 7 0 .121 .171 .152 .323
NPB:5年 495 1640 1547 110 398 58 3 6 480 124 6 7 21 6 58 0 8 318 36 .257 .287 .310 .597
  • 2019年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



二塁 三塁 遊撃




































2015 DeNA - - 100 109 228 7 47 .980
2016 - 8 3 7 0 3 1.000 139 189 369 6 59 .989
2017 - - 143 233 409 14 80 .979
2018 58 110 134 3 31 .988 29 8 7 0 0 1.000 8 9 17 2 1 .929
2019 - 6 0 2 0 0 1.000 9 13 16 1 2 .967
通算 58 110 134 3 31 .988 43 11 16 0 3 1.000 399 553 1039 30 189 .982
  • 2019年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録

背番号

  • 5 (2015年 - )

登場曲

脚注

  1. ^ DeNA - 契約更改 - プロ野球.日刊スポーツ.2019年12月5日閲覧。
  2. ^ DeNAドラ3一本足打法で特大弾 偵察部隊「3割30発狙える」報知新聞2015年2月5日配信
  3. ^ 2014年ドラフト
  4. ^ “倉本、DeNAと仮契約 日本新薬、ドラフト3位”. 京都新聞. (2014年11月19日). http://www.kyoto-np.co.jp/sports/article/20141119000170 2015年1月8日閲覧。 
  5. ^ 社会人ベストナイン DeNAドラ3倉本らが選出スポーツニッポン2014年12月4日配信
  6. ^ DeNAの新人選手が、遊撃手として一軍の開幕戦にスタメンで起用された事例は、大洋ホエールズ時代の1971年野口善男以来44年振りであった。DeNAドラフト3位倉本 球団44年ぶり開幕新人遊撃!恩師門田氏から激励スポーツニッポン2015年3月27日配信。
  7. ^ 「同じ失敗を繰り返さない」来季DeNAのセンターライン競争で生き残りを誓う、高城・倉本・関根
  8. ^ a b "最強の9番"DeNA倉本 自己新44打点「思い切って」スポーツニッポン2017年8月17日配信
  9. ^ DeNA、守護神&9番野手で劇勝!倉本が自身2度目サヨナラ打サンケイスポーツ2017年8月17日配信
  10. ^ 2017年のNPB公式戦で全試合フルイニング出場を達成した選手は、両リーグで5人のみ。
  11. ^ a b DeNA・倉本、併殺のはずが…痛恨エラーに反省サンケイスポーツ 2017年10月30日
  12. ^ a b DeNA倉本ゲッツーのはずが…逆転招く痛恨エラー 日刊スポーツ 2017年10月30日
  13. ^ a b 焦りが失策呼び、流れ引き渡したDeNA岩村明憲氏の日本シリーズ解説 スポーツナビ 2017年10月30日
  14. ^ a b 日本シリーズ 気持ち切り替え汚名返上 DeNA・倉本 毎日新聞 2017年11月1日
  15. ^ 週刊ベースボール2018年5月7日号 P58
  16. ^ 【DeNA】なぜ先発3本柱欠き快進撃? ラミレス監督、常に代替案用意し勝利第一主義徹底スポーツ報知2018年4月15日配信
  17. ^ 阪神北條ら登録、DeNA倉本ら抹消/公示日刊スポーツ2018年5月31日配信
  18. ^ DeNA・倉本寿彦 軽快な守備で猛アピール/レギュラー争いダークホース週刊ベースボール2019年3月9日配信
  19. ^ 「門田理論を証明したい」。DeNAルーキー倉本寿彦の野望
  20. ^ a b 石井琢朗が認める「背番号5」の後継。DeNA倉本寿彦、2年目での3割死守を。NumberWeb2016年9月9日配信
  21. ^ 日本ハム・中島、侍でもカット打法だ 名人芸でWBCキーマンにスポニチ 2016年11月4日
  22. ^ 2番梶谷、9番倉本、そして3番筒香。ラミレス監督の奇策が成功する理由。NumberWeb2017年7月4日配信
  23. ^ ラミレス監督の計算。「ユーノウ、優勝には10勝投手が4人必要だ」web Sportiva2017年1月2日配信
  24. ^ [1]
  25. ^ これに伴い彼の得点時にはジョン・シナの「you can't see me」(手の甲を見せて左右に振る)をするようになった。

関連項目

外部リンク