「日本国有鉄道清算事業団」の版間の差分
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2020年1月25日 (土) 03:37時点における版
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略称 | 国鉄清算事業団、清算事業団 |
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設立 | 1949年6月1日(日本国有鉄道)[1] |
解散 | 1998年10月22日 |
種類 | 特殊法人 |
目的 | 日本国有鉄道の財産処分、権利継承など |
本部 | 東京都港区西新橋二丁目8番6号 |
関連組織 |
日本鉄道建設公団 本州四国連絡橋公団 |
日本国有鉄道清算事業団(にほんこくゆうてつどうせいさんじぎょうだん、英文名称:Japanese National Railways Settlement Corporation)は、1987年(昭和62年)4月1日にJRグループ各社へ分割・民営化された日本国有鉄道(国鉄)から名称を変更して発足した、国鉄の固定資産売却益による長期債務償還や余剰人員の再就職促進などを行うことを目的とする特殊法人である。略称は国鉄清算事業団または清算事業団、英語略称はJNRSC。1998年(平成10年)10月22日に解散した。
概要
清算事業団としての安定収入源がないままに国鉄債務の一部を継承したほか、日本国有鉄道改革法(国鉄改革法)によって以下のような債務も負うこととなった。
- 日本鉄道建設公団(鉄道公団)の債務(国鉄への無償貸付線、北海道、四国、九州の有償貸付線のほか、新幹線、青函トンネル、JR各社が経営を行なわないとされた新線の建設費に関するもの) (※鉄道公団の資産のうち、廃止路線や開業のめどが立たない新線などに関する部分も同時に継承)
- 本州四国連絡橋公団(本四公団)の債務の一部(大鳴門橋およびいわゆる「瀬戸大橋」の鉄道関連部分のための借入金。※当該施設は本四公団が資産として保有)
- JR各社に引き継がれない鉄道車両の処分。そのほとんどは、動力集中方式の機関車や客車、貨車であった。このうちのごく一部は、後にJRや地方私鉄に売却されている。
- 当初より赤字経営が見込まれた北海道・四国・九州の各旅客鉄道会社に対する経営安定基金(毎年の経営損失を預かり資産の預金利息や債券運用益によって補填する基金。本州三社以外のこれら三島会社に対するものであったこと(九州は株式上場により2016年に離脱)から、俗に「三島基金」とも呼ばれる)
これらを合わせた債務の総額は37兆1100億円であり、このうち約6割にあたる25兆5200億円を国鉄清算事業団が引き継ぐことになった。
問題
売却できずにいた優良資産は、その後のバブル崩壊によって、当初見積もりよりもさらに安価に放出せざるを得ず、売れずにいた資産は、清算事業団の解散直前に一斉処分が行なわれたこともあり、債務償還計画は達成できなかった。
国鉄の分割・民営化においては、大企業の清算によく見られる「債権の(一部)放棄」や「利払いの停止」が行なわれず、その一方で「事業の継続による収入」が無いばかりか、清算事業に関わる人件費の拠出や資産売却の不調も相まって、ほとんどの売却可能資産を処分し、またJR各社(特に本州三社)に追加の債務負担をさせたにも拘らず、約30兆円もの長期債務が返済できないまま、1998年(平成10年)10月22日に日本国有鉄道清算事業団法の廃止と共に解散した。
理事長
- 杉浦喬也 - 1987年4月1日 - 1990年3月31日
- 石月昭二 - 1990年4月1日 - 1993年3月31日
- 西村康雄 - 1993年4月1日 - 1998年10月22日
解散後
解散後、固定資産やJR株式などの処分資産は、日本鉄道建設公団(鉄道公団)が継承した。その一方、債務(24兆98億円)については「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律」によって、日本国政府の一般会計に組み入れられ、国自体の借金とされるとともに、「たばこ特別税」の形で日本の喫煙者が負うこととされた。
鉄道公団は、さらにその後2003年(平成15年)10月1日に、運輸施設整備事業団(前身の一つが新幹線鉄道保有機構)と統合されて独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構となり、同機構の国鉄清算事業本部が業務を継承した。2008年(平成20年)4月には、清算事業の進捗により事業本部制を解かれ、国鉄清算事業管理部・国鉄清算事業用地部など、清算業務を行なう組織の総称として「国鉄清算事業関係」の名称が用いられている。
道路公団民営化という似たケースを推進した猪瀬直樹は、国鉄分割民営化を失敗と評している。現在も毎年国の一般会計で元本4000億円・利子6600億円、合わせて1兆円以上を税金で支払っていることを、自身が発行するメールマガジンにおいて「国民を騙した」と表現している。
関連会社
関連会社として清算事業団が直接行っていた不動産開発事業を移譲する目的でレールシティ東開発[2]・レールシティ西開発[3]・レールシティ関東[4]などが設立されたが、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構発足後の2004年4月時点にはレールシティ東開発1社に整理され[5]、2009年にレールシティ東開発も解散している[6]。
開発担当物件
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レールシティ東開発
- 住宅
- 新宿マインズタワー
- タカシマヤタイムズスクエア
- NTTドコモ代々木ビル
- JRタワー(大丸札幌店区画)
- 富士ソフト秋葉原ビル
レールシティ西開発
- 住宅
- レールシティ名称のマンション(主に多摩・神奈川・東海・西日本地域)
- 日石横浜ビル
- カシオ計算機本社ビル
- 富士ソフト東京ビル
- 協和エクシオ本社ビル
- 恵比寿ネオナートビル
- 近鉄新難波ビル
- オオサカガーデンシティ
- ヨドバシ梅田
脚注
- ^ 1987年4月1日に日本国有鉄道清算事業団へ改組
- ^ タイムズスクエアビルなどを保有。大規模小売店舗立地法届出内容一覧(東京都・平成17年度) (PDF) - 2012年7月12日閲覧
- ^ 梅田ダイビルや明治安田生命大阪梅田ビル・みなとみらい地区の物件の一部を保有。
- ^ 子会社等の概要について(日本鉄道建設公団) (PDF) - 国土交通省、2012年7月12日閲覧
- ^ 国土交通省所管新設独立行政法人概要説明に関する追加質問について(回答) (PDF) - 総務省 政策評価・独立行政法人評価委員会、2012年7月12日閲覧
- ^ 平成21年度 財務諸表 (PDF) - 鉄道建設・運輸施設整備支援機