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11月24日、京都府は公募型プロポーザル方式で一部修正基本設計及び実施設計業務の設計者として東畑建築事務所を選定した<ref>{{Cite web|title=京都スタジアム(仮称)実施設計等業務の委託候補者を公募型プロポーザル方式により選定しました。 |url=https://www.pref.kyoto.jp/kyoto_sports/news/proposal.html |accessdate=2020-02-23 |publisher=京都府}}</ref>。
11月24日、京都府は公募型プロポーザル方式で一部修正基本設計及び実施設計業務の設計者として東畑建築事務所を選定した<ref>{{Cite web|title=京都スタジアム(仮称)実施設計等業務の委託候補者を公募型プロポーザル方式により選定しました。 |url=https://www.pref.kyoto.jp/kyoto_sports/news/proposal.html |accessdate=2020-02-23 |publisher=京都府}}</ref>。


12月2日、内閣府の「平成28年度PPP/PFIに関する支援」の支援対象に選定されたことが公表された<ref>[http://www8.cao.go.jp/pfi/shien/h28/pdf/h28_c_shienkettei.pdf 平成 28 年度 PPP/PFI に関する支援 支援対象の決定及び二次募集について:内閣府 民間資金等活用事業推進室]</ref>。
12月2日、内閣府の「平成28年度PPP/PFIに関する支援」の支援対象に選定されたことが公表された<ref>[https://www8.cao.go.jp/pfi/shien/h28/pdf/h28_c_shienkettei.pdf 平成 28 年度 PPP/PFI に関する支援 支援対象の決定及び二次募集について:内閣府 民間資金等活用事業推進室]</ref>。


12月12日、設計者によるスタジアムの概要案が報道された。建設予定地が変更され敷地が4分の1以下になったことに伴い、スタジアムの形は楕円形から八角形に変わり、スタンドは2層式が採用された<ref>{{Cite news|title=球技専用スタジアム、用地縮小で八角形に 京都、概要案が判明 |url=http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20161212000057 |date=2016-12-12 |newspaper=京都新聞 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20161220215928/http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20161212000057 |archivedate=2020-12-20}}</ref>。
12月12日、設計者によるスタジアムの概要案が報道された。建設予定地が変更され敷地が4分の1以下になったことに伴い、スタジアムの形は楕円形から八角形に変わり、スタンドは2層式が採用された<ref>{{Cite news|title=球技専用スタジアム、用地縮小で八角形に 京都、概要案が判明 |url=http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20161212000057 |date=2016-12-12 |newspaper=京都新聞 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20161220215928/http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20161212000057 |archivedate=2020-12-20}}</ref>。

2020年2月27日 (木) 12:45時点における版

京都府立京都スタジアム
サンガスタジアム by KYOCERA


サンガスタジアム by KYOCERA (2020年1月撮影)

地図
地図
施設情報
所在地 京都府亀岡市追分町
位置 北緯35度1分1秒 東経135度35分5秒 / 北緯35.01694度 東経135.58472度 / 35.01694; 135.58472座標: 北緯35度1分1秒 東経135度35分5秒 / 北緯35.01694度 東経135.58472度 / 35.01694; 135.58472
起工 2018年1月20日[1]
開場 2020年1月11日[2]
所有者 京都府[1]
運用者 合同会社ビバ&サンガ
グラウンド 天然芝(120m x 77m)
大型映像装置 2基(6.7m x 11.5m)
建設費 156億円[3]
設計者
建設者 竹中工務店・公成建設・長村組JV[5]
使用チーム、大会
京都サンガF.C.[6]
収容人員
21,600人[2]
アクセス
#アクセスを参照。

サンガスタジアム by KYOCERA(サンガスタジアム バイ きょうセラ)は、京都府亀岡市に存在するサッカーラグビーアメリカンフットボールなどの専用球技場である。条例上の名称は「京都府立京都スタジアム」(きょうとふりつきょうとスタジアム)[7]。なお、Jリーグでの略称は「サンガS」。

京都府が建設主体となって整備し、フィットネスクラブ・スイミングクラブの経営を手がける株式会社ビバと、Jリーグ・京都サンガF.C.の運営会社である株式会社京都パープルサンガの2社が設立した合同会社ビバ&サンガが指定管理者として運営している[8]

経過

W杯およびオリンピック開催会場としての建設計画

2002 FIFAワールドカップの開催会場に立候補した京都府は、京都府城陽市の元々は山砂利の採取地であった木津川右岸東部丘陵地西端部に43,000人規模の国際試合規格のサッカー専用スタジアムを含む京都府立木津川右岸運動公園を建設することを1995年1月に発表。1996年3月に事業認可され用地買収に着手したが、ワールドカップが大韓民国との共同開催となり、日本で開催地に立候補していた15自治体から開催地を10に絞り込む作業が行われ、1996年12月に京都府が開催地選定で落選したため、建設計画は中止された[9]

1998年9月に京都府は大阪オリンピック構想に対応するため、サッカー競技の開催地として建設計画を見直し、スタンドの規模を3万人収容に縮小して建設することを一旦発表したものの、財政難に加え、オリンピック開催地から落選したことや収益面で困難が想定されたことにより、2003年7月に木津川右岸でのスタジアム建設計画そのものが凍結された[9]

京都府内の球技場建設計画

2003年1月1日、京都新聞朝刊一面記事にて「伏見に『サンガ』スタジアム」と報道され、記事では京都市が横大路運動公園の一部を提供し、サンガ側が建設をする官民協力のパートナーシップ方式で2万人規模のスタジアムを整備すると報じられた。当時は前年8月頃からサッカースタジアム建設要望の署名活動がなされていた。また、京都サンガF.C.(当時の名称は京都パープルサンガ)が第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会2003年1月)にて優勝し、更に前述の署名が35万人集まった[10]ことも受けて、京都府と京都市は京都市内での建設を検討したが費用面で折り合いがつかず中止された。2004年には京セラ名誉会長の稲盛和夫が「来季にJ1昇格できなくともスタジアムは着工したい」と私財を提供して3万人の専用スタジアムを作る事を公言した[11]。その後は地元経済界一体で建設費の一部65億円を提供し、京都市横大路運動公園にスタジアムを建設することが自治体と経済界の間で合意されたが、費用負担をめぐり京都市会の同意が得られず、また稲盛も「本来行政が整備すべきもので、私が資金を出すことに誤解や反発もあるようだ」とし、私財提供を撤回した[12]。計画は中止された[13]

2005年、京都市等によるスタジアム検討委員会が設置され、京都市横大路運動公園ではアクセスの問題を解決するにあたり、京阪本線の新駅を建設する必要がある等の問題があり、実現は2020年頃となるであろうと発表されたが、横大路では「交通アクセスなどの面から整備は困難」、「維持管理費などで年間1億3,000万円余りの赤字が見込まれる」として新スタジアムの建設案は断念となった[14]。また、梅小路公園下京区北緯34度59分11.91秒 東経135度44分43.21秒)や京都府立植物園左京区北緯35度2分53.7秒 東経135度45分39.86秒)への整備の可能性についても、京都市は貴重な植物の移植などの問題があるとして「府市民の同意が得られない」との理由で見送った[15][16]。一方で2007年4月に京都市は伏見区に新たに伏見桃山城運動公園北緯34度56分23.71秒 東経135度46分44.0秒)を整備し、野球場や多目的グラウンドなどを建設した。

その後、サンガのホームスタジアムである京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場北緯34度59分36.52秒 東経135度42分50.26秒)の改修を目指し、可動式スタンドや2階席の新設などを行う方針を決定したが、改修期間中のサンガの代替施設の目途が立たず、立ち消えとなった[17]

2009年12月にサンガは京都府立山城総合運動公園北緯34度52分10.72秒 東経135度48分14.34秒)をスタジアム候補地とするよう、京都府に提案した[18]が、立ち消えとなった。

2010年、「京都市がスタジアム建設を断念」と報じられたことを機に、京都商工会議所などを中心に「京都・サッカースタジアムを推進する会」が発足。署名活動を行い、スタジアム建設を求める47万人の署名が提出された[19]のをうけて、京都府は2010年から新球場の建設検討をはじめた[20]。2011年になり敷地の無償提供を条件に候補地を募ったところ、亀岡市[21][22]城陽市[23]舞鶴市[24]京丹波町[24]が立候補した他、過去に建設を断念した京都市も立候補を申し出た[25]

2012年5月、京都市、城陽市、亀岡市の3自治体に絞って新スタジアムの建設地を選定すると「専用球技場用地調査委員会」(委員長・大西有三京都大学副学長)よりリリースがあった[26]。同年12月3日、委員会は各候補地は一長一短で委員の全員一致で決定することが難しいと京都府に報告し、京都府は年内中に決定するとした[27]

2012年12月26日、専用球技場が亀岡市に建設されることが正式に決定された[28]。なお、京都府は当スタジアムをサンガがホームスタジアムとして使用するよう、誘致活動を行った[29][30]

立候補した自治体と建設候補地

全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
自治体 住所 位置 最寄駅 出典
京都市 京都市伏見区横大路下ノ坪(京都市横大路運動公園内) 北緯34度54分51.18秒 東経135度44分4.39秒 京阪電鉄淀駅北東約1,600メートル [31]
城陽市 城陽市富野別所ヶ谷(京都府立木津川右岸運動公園内) 北緯34度50分49.3秒 東経135度47分47.74秒 JR長池駅北東約600メートル [31] 
亀岡市 亀岡市保津町上中島 北緯35度1分14.27秒 東経135度34分47.23秒 JR亀岡駅北約250メートル [31] 
京丹波町 京丹波町豊田下川原166-1 北緯35度10分23.69秒 東経135度24分59.22秒 JR園部駅(距離記載無し) [31] 
舞鶴市 舞鶴市字白屋地内(青葉山ろく公園内) 北緯35度29分50.66秒 東経135度26分42.88秒 JR東舞鶴駅北東約5,000メートル [31] 

亀岡市の候補地は、現在のスタジアム所在地とは異なる。

建設地内定後

建設予定地に内定した亀岡駅北口の遠景(2008年1月撮影)

毎日放送(MBS)は、2013年1月21日放送の報道番組でこの問題を取り上げた。同番組は立地面から集客は容易ではないと指摘した。これに対し、京都府は府内に一つは大規模競技場が必要であり交通アクセスの面で集客の問題はないと説明した。また、維持費の点について、黒字で運営する神戸市のスタジアム例を紹介した。さらに同番組は、アユモドキの生息への影響について指摘した。岡山では、小学生がアユモドキを水槽で人工的に飼育していることも紹介している。京都府知事はアユモドキの保護地区を設けることを説明し、維持費については体育館よりも安くなる場合があるとして費用対効果の面で府民からの納得が得られると説明した[32]

建設予定地は希少野生動植物種であるアユモドキの貴重な生息地であることから、日本魚類学会木村清志会長)が、毎日新聞で建設反対を表明した[33]が、地元自治会から無責任な学者による責任の押し付けであるという批判を受け[34]、スタジアム建設に反対しているわけではないとコメントした[35]

2013年3月5日、日本魚類学会、日本生態学会近畿地区会、関西自然保護機構は、京都府亀岡市で京都府が開発するサッカースタジアムが“実効的な配慮”をせず、アユモドキが絶滅する恐れがあるとした[33]。スタジアムを誘致した亀岡市は予定地に人工の生息域を設ける予定だが、魚類学会は「効果が期待できない」と指摘し、日本魚類学会や日本生態学会近畿地区会などは、事業主の京都府と亀岡市に計画の白紙撤回を求める要望書を近く提出する運びとなり[33]、12日に、スタジアムの建設の見直しを求める要望書を京都府と亀岡市に提出した[36][37]。要請への回答は同年4月12日とされ、また回答期限が同じの、公開質問状も出され、それらの回答期限は同年4月12日である[38]

京都府と亀岡市は、4月25日の京都府議会で、5月1日に初の環境保全専門家会議を開く予定を明らかにした[39]。 5月1日に亀岡市役所で開かれた初の環境保全専門家会議は、京都大学や京都学園大学、同志社大学、大阪府立大などの魚類研究者、水工水理学者ら10人で構成する委員のうち7人が出席した。会議の座長には、京都府環境審議会委員の村上興正が選ばれ、アユモドキの保全状況の概要説明が行われた後に、JR亀岡駅北側の建設予定地を視察している[40]

4月25日、京都府より新球技場(仮称:京都スタジアム)に関する素案が発表された。亀岡市のJR亀岡駅北側に設置される都市公園内が建設地となり、敷地面積は12.8ヘクタール、入場可能数は25,000人、スタジアムの配置は長軸を南北、メインスタンドを西側とする。また、スタジアム最前列はフィールドと同じレベル(ゼロタッチ)とし、Jリーグだけでなく、ジャパンラグビートップリーグXリーグ日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)などの試合が開催出来るように、日本サッカー協会スタジアム標準やJリーグ規約、Jリーグクラブライセンス交付規則、ジャパンラグビートップリーグ規約等に即したスタジアムとすることなどが主な内容である>[41]

5月、亀岡市で自然保護活動をしている市民団体が、スタジアム建設の是非を問う住民投票実施に向けて7月中にも署名活動を始めることを決め、住民投票条例制定を直接請求できる法的に必要な有権者の50分の1(約1,500人)の署名を集める計画だと発表した[42]

5月29日、「(アユモドキの)絶滅の懸念深まった」と日本魚類学会が京都府と亀岡市に対し、計画の撤回を求める2回目の意見書を提出した。魚類学会は意見書で「環境調査は計画決定の前に行うべきで、2015年に着工し、16年に完成を目指すという事業計画は現時点で不可能」と主張した[43]

12月11日、亀岡市議会の総務文教委員会は住民投票条例案を否決。委員からは「やる意味がない」などと疑問視する声が相次いだ[44]。同月13日、亀岡市議会は同条例案を賛成7、反対18の反対多数で否決した。反対派からは条例案の分かりにくさなどが指摘された[45]

2014年1月17日、京都府は京都スタジアム(仮称)基本案作成業務を指名競争入札で東畑建築事務所に決定[46]。基本構想等策定業務はオオバが担当した[47]

3月6日、亀岡市長は市議会3月定例会の答弁で、スタジアム予定地の用地買収交渉について地権者99人の内98%から同意を得ていることを明らかにした。市は2014年度中に全地権者との売買契約締結を目指すとしている[48]

4月8日、亀岡市は2019年のラグビーワールドカップの会場としてスタジアムを使うよう、京都府と協力して誘致活動を行うことを表明した[49]

5月12日、亀岡市はスタジアム建設を含む「京都・亀岡保津川公園」の都市計画を決定した[50]

8月11日、亀岡市はスタジアムを含む公園用地の内、約11万1,500平方メートルを地権者97名から約12億3,800万円で買収する旨の議案を亀岡市議会に提出すると発表した[51]

9月3日、京都府が基本設計業務の公募型プロポーザルの手続きを開始し[52]、10月31日に日建設計を選定した[53]

2015年6月9日、京都府公共事業評価第三者委員会において、「本体工事に入らなければ、事業をスタートしても良い」と設計費の予算計上が認められた。着工の判断自体は環境保全専門家会議の評価がまとまってから再度第三者委員会が下す予定となった[54][55]

6月18日、京都府議会はスタジアムの設計費用を含む一般会計補正予算案を提出し[56]、可決された。本体工事費は154億円となる[57]

2016年2月10日、京都新聞によると、アユモドキについての影響調査分析が長引いていることを理由として、京都府は着工日を当初予定の2016年4月から少なくとも1年以上先送りする方針と報じられた[57]

建設予定地変更へ

建設中のスタジアム(2019年7月12日)

2016年4月27日、環境保全専門家会議は、アユモドキの保全とスタジアムの早期完成の両立を目指す為にも、スタジアムの建設位置を従来の京都・亀岡保津川公園から既に都市計画区域内となった亀岡駅北土地区画整理事業地に変更する事などをまとめた座長提言を府と亀岡市に提出した。[58]

5月、亀岡市は、座長提言に従ってスタジアムの早期完成とアユモドキ保全を両立させる為にも、駅北土地区画整理事業地予定地の土地を取得するかどうか検討していることを示した。また取得にあたって府に財政面での協力を求めることも示した[59]

8月23日、京都新聞によると、新予定地の地権者全員が市への土地の提供に同意したと報じられた[60]

8月24日、京都府は、アユモドキ保全のため当初の予定地であった桂川右岸からJR亀岡駅北側の土地区画整理事業地に変更すると発表した[61]。この建設地変更に伴い当初予定より亀岡駅に近接することとなったほか、当初予定したスタンド下への貯水ピットの整備や周辺整備にも変更があり、その結果、府と市の負担額を合計した枠組みが拡大することはないとし、府は亀岡市への財政面での支援を約束した[62]

11月24日、京都府は公募型プロポーザル方式で一部修正基本設計及び実施設計業務の設計者として東畑建築事務所を選定した[63]

12月2日、内閣府の「平成28年度PPP/PFIに関する支援」の支援対象に選定されたことが公表された[64]

12月12日、設計者によるスタジアムの概要案が報道された。建設予定地が変更され敷地が4分の1以下になったことに伴い、スタジアムの形は楕円形から八角形に変わり、スタンドは2層式が採用された[65]

2017年3月9日、京都府は京都スタジアム(仮称)運営権PFI事業導入可能性調査業務をPwCアドバイザリー合同会社に委託することを公表した[66]

3月22日、京都府議会平成29年2月定例会において、亀岡市と共同で取得する予定地取得費用13億7000万円など計19億9500万円[67](債務負担行為125億2500万円)の専用球技場整備費を含む平成29年度京都府一般会計予算が賛成多数で可決された[68]

3月27日、亀岡市議会において、予定地取得費用20億511万7000円[69]を含む平成29年度亀岡市一般会計予算が可決された[70]

3月30日、京都府亀岡市都市計画審議会において、スタジアム予定地周辺の都市計画変更案が可決された[71]。京都新聞によると、都市公園法における制約がなくなることについて、府スポーツ施設整備課の「よりスタジアムの多機能化が図れ、地域活性化にも貢献できるはず」との意見を報じている[72]

4月12日、スポーツ振興くじtotoオフィシャルサイト上で、京都府の京都スタジアム(仮称)整備事業に対する30億円のスポーツくじ助成が公表された[73]。Jリーグホームスタジアムへの助成としては国内3例目となる。

5月17日、環境保全専門家会議において、第三者委員会に提出する調書の一部修正を前提に、工事の実施を認可した。工事中等にモニタリングで異常が認められた場合は工事を中断するなどの対策を検討する[74]

6月5日、平成29年度第1回京都府公共事業評価に係る第三者委員会において、スタジアム工事着手が認可された[75]

6月26日、亀岡市議会において、スタジアム予定地の土地を買収する市財政取得議案が可決された[76]

7月4日、京都府議会において、スタジアム予定地の土地を買収する議案が可決された[77]。一方で、「京都スタジアム(仮称)用地購入と建設着手の中止を求める決議」は反対多数で否決された[78]

7月10日、亀岡市と府は、第2回京都スタジアム(仮称)建設に係る市民説明会を開催[79]。説明会資料においてフィールド126m×84mなど施設整備に関する正式な情報が公表された。なお、当初より予定していたピッチとスタンドとの高低差を可能な限り無くす「ゼロタッチ」の導入は芝の育成環境確保などから見送られた[80]

9月30日、経済産業省は、地域未来投資促進法に基づいて支援を行う地方自治体の計画の第一陣を公表し[81]、京都府亀岡市の「亀岡市の京都スタジアム等のスポーツ関連インフラを活用した観光・スポーツ分野」を活用した計画[82]が支援対象の1つとなった。スタジアム・アリーナ関連で地域未来投資促進法の支援を受ける国内初のケースである。

10月27日、「京都スタジアム(仮称)新築工事(主体工事)」の一般競争入札において、93億円(税込)で応札した竹中工務店・公成建設・長村組JVに決定[5]。その後、府議会12月定例会において本工事契約関連予算が可決された[83]

2018年1月20日、起工式が行われた[1]

2019年3月13日、京都府議会で条例が可決され、正式名称が「京都府立京都スタジアム」に決まる。

2020年1月11日、竣工式が行われ、併設されている大河ドラマ館とフードコートもオープンした。2020年2月9日のプレシーズンマッチ・サンガvsセレッソ大阪の試合が球技場のこけら落としとなった[2]

概要

球技場施設

フィールドの広さは南北126m×東西84mであり、建物は鉄筋コンクリート造、鉄骨造で地上4階、高さは27.6m[84]亀岡駅の東側に位置する。

  • 建築面積 - 約16,000m2
  • 延床面積 - 約33,000m2
  • 敷地面積 - 約33,140m2

観客席の最前列より2メートル前へ張り出す屋根が特徴で、南スタンドのみガラス屋根となる。ピッチの芝はバミューダグラスのセレブレーション[85]。ピッチとスタンドとは1.2メートルの高低差があり、南北のスタンドの下に通風口がある[86]。映像設備は、縦6.7メートル×横11.5メートルの装置が北東と南西のコーナーに、帯状装置が東スタンド(バックスタンド)の1階壁面と南北のスタンド前に設置され、2階のオープンコンコースにディスプレイが並ぶ[87]。スタンドの下に商業店舗(1800m2)、4階にテラス席のあるレストラン(500m2)も設置される[88]

西スタンド(メイン)から撮影したスタジアムのパノラマ

クライミングウォールエリア

バックスタンドの下にクライミング施設(1,100m2)が備わる。屋内施設としては日本で初めて、ボルダリングリードスピードの3種目で国際競技基準を満たす[89]

  • リードウォール - 幅19.8メートル×高さ16.5メートル
  • スピードウォール - 幅6メートル×高さ15.8メートル(2レーン)
  • スピード練習ウオール(スピードウオールを4分割した個別練習ウオール)
  • ボルダリングウォール - 幅27メートル×高さ4.8メートル
  • キッズウォール - 幅14メートル×高さ3.2メートル

大河ドラマ館

命名権

オープン後のスタジアムの整備に伴う公共的機能の維持・向上に資する財源確保のため、京都府内に本社・支店を置く企業を対象に「年間1億円以上、供用開始から10年間以上」の条件で2019年4月1日からネーミングライツパートナー(命名権者)を募集。これに京都市伏見区に本社を置く京セラが唯一応募。2019年6月25日付で京セラを優先交渉者に選定し、開場時より「サンガスタジアム by KYOCERA」の名称が用いられる[90]

アユモドキとの関係

アユモドキ。アユモドキは絶滅危惧IA類に指定されており、変更前のスタジアム建設予定地に生息している。

アユモドキは岡山県と京都府亀岡市の計3か所にしか生息しない日本固有の希少種である[32]。亀岡市の生息地には500〜1000匹いると推定されている[33]。2004年には種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定されている。2007年には、アユモドキの生息する河川の上流部を含む地域一帯での開発事業において、本種の生存に対する“実効的な配慮”がなされない場合は本種の絶滅は避けられないと、学会誌上において報告されている[91]。京都スタジアムの誘致予定地の駅北には、天然記念物のアユモドキが棲息し、主な産卵場所[37]にしていることがわかっている。

地元自治会による要望

地元の保津町自治会は、京都府域の均衡ある発展の中心として駅近くにスタジアムができることに賛成している。アユモドキは人為的に作った農業用灌漑ダムによって産卵環境が用意されており、「原状回復」ではなく公的管理による共生ゾーンを作る当初の案を支持していた(その後に建設地変更)。これらの負担を担ってきた農業者と保津地域の住民にとっては、アユモドキの為に将来の希望であるスタジアム建設が閉ざされることになってはいけない、としている[34][92]

日本魚類学会などの主張

日本魚類学会は要望書で、「用水路の大部分を埋め立てると、甚大な悪影響を与える」と指摘し、亀岡市計画の共生ゾーンの効果は「市の希望的な目標に過ぎない」とコメントした[33]。日本魚類学会自然保護委員長で近畿大学教授(魚類学)の細谷和海(ほそやかずみ)は「共生ゾーンの効果は未知数で、十分な検討もせずに着工すれば、取り返しがつかない。建設ありきの姿勢で進む現計画は、国有財産であるアユモドキの存在を脅かす」と指摘した[33]

3月12日、細谷は要望書提出の際に、予定地はアユモドキの主な産卵場所であると語った[37]。また日本魚類学会は、アユモドキは環境の変化に弱く、計画では産卵のため遡上(そじょう)する水路を埋め立てることになっており、このままでは絶滅も危惧されるとして、「科学的な調査が行われないままスタジアムを建設するという現在の計画は無謀」として、計画の見直しを求めた[36]。京都府との面談で、細谷和海は「生息地が破壊されれば、近畿から絶滅する」と述べた[93]

緊急要請と公開質問

2013年3月12日の要望書は、日本魚類学会の会長・木村清志が、京都府知事・山田啓二と亀岡市長・栗山正隆の両者連名で宛てたもので[38]、それぞれの首長への公開質問状も同様である[94][95]。日本魚類学会は魚類学および保全生物学の専門的見地から、京都府や亀岡市のアユモドキとの「共生」の実現性に大きな疑いをもち、一旦計画を白紙に戻し、科学的調査と合理的判断に基づき、建設の妥当性について再検討を要請した。又、アユモドキ「共生ゾーン」について関係省庁との協議を行っていない点も指摘した[38]。また、同日、関西自然保護機構は日本魚類学会・日本生態学会近畿地区会とともに以下の同様の主旨の要望書を提出した[96][97][98]

保津町自治会の見解

保津町自治会は学会による反対意見は無責任であるとコメントしている。長年、同地域は環境に配慮した農業を初めアユモドキの渇水対策や密漁対策などに取り組んできた。昭和52年には天然記念物に指定されているのだから、他地域におけるアユモドキ絶滅の責任は「専門家」にもあると指摘している。にも関わらず、その専門家が僅か550世帯にすぎない同地域に保護の負担と責任を声高に押し付けることは無責任であり、スタジアム建設を希望と捉える同地域はやりきれない、としている[34][92]

この要望書は日本魚類学会にも送付され、後日同学会は回答書を公表した。その中では、スタジアム建設に反対しているわけではないと回答している。他地域での絶滅の責任については反省と今後の努力を表明している。しかし、回答では「貢献」「協力」「努力」などの抽象的な表現に留まり保護の為の具体的な方策は示されていない[35]

琵琶湖博物館による見解

琵琶湖博物館MBSの取材に、アユモドキは田の中で繁殖する魚であり、(昔ながらの)田と水路が存在し、水路に落差がないことが重要。(従来型の)開発で都市化が進めば、生態系に必須の生息環境が失われる可能性が高く、そうなれば『アユモドキ』たちの生息地が減ると考えられる、と述べた[32]

行政の対応

亀岡市は予定地の約3.6ヘクタールをアユモドキとの「共生ゾーン」とし、人工水路などを設けて生息環境を維持する方針であった[33][99]。2014年度に予定地内の魚類・植物などの生態を調査し、専門家の助言を得て2014年度中に保護方法を最終決定するという[33]。京都府自然環境保全課は「本格的な環境調査はこれからで、共生ゾーンに産卵場所を設けるなど、建設の影響が最小限になるよう学識者と検討していきたい」と説明した[33]

3月11日、府の整備素案では、スタジアム建設地の近くに生息する天然記念物のアユモドキに極力影響を与えない工法を採用し、(スタジアム完成後は)スタジアムを保護・発信拠点とすると、京都府議会文教常任委員会にて公表したが、2016年8月に建設予定地を変更すると発表した[61]

アクセス

ギャラリー

脚注

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外部リンク