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「東京喰種トーキョーグール」の版間の差分

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『'''東京喰種トーキョーグール'''』(トーキョーグール、{{Lang-en-short|Tokyo Ghoul}})は、[[石田スイ]]による[[日本]]の[[漫画]]作品。略称は「'''TG'''」<ref>[[石田スイ]]『東京喰種トーキョーグール リマスター版』[[集英社]]、各巻1、2頁参照。</ref>。石田のデビュー作として『[[週刊ヤングジャンプ]]』([[集英社]])にて[[2011年]]41号から[[2014年]]42号まで連載された後<ref>{{Cite web|url=https://natalie.mu/comic/news/56201 |title=人を捕食する怪人描く新連載「東京喰種」がヤンジャンで |publisher=コミックナタリー |date=2011-09-08 |accessdate=2018-06-20}}</ref>、新編となる『'''東京喰種トーキョーグール:re'''』(トーキョーグール アールイー)が、同誌2014年46号から[[2018年]]31号まで連載された<ref>{{Cite web|url=http://www.oricon.co.jp/news/2043213/full/|title=『東京喰種』、新連載&アニメ2期正式発表|accessdate=2014-11-30|date=2014-10-11|work=ORICON STYLE|publisher=[[オリコン]]}}</ref>。
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現代の[[東京]]を舞台に、人の姿をしながら人肉を喰らうことで生きる「'''喰種'''」([[グール]])をテーマにした作品。コンセプトは[[ダーク・ファンタジー]]となっているが、[[サイエンス・ファンタジー]]の要素もある。2018年9月の時点でシリーズ累計発行部数は全世界3700万部を突破している<ref>{{Cite web|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0103732|title=『東京喰種』続編が決定!窪田正孝×松田翔太×山本舞香が共演|work=[[シネマトゥデイ]]|date=2018-09-22|accessdate=2019-02-26}}</ref>2019年4月時点で発行部数4400万部{{要出典|date=2019年9月}}。
現代の[[東京]]を舞台に、人の姿をしながら人肉を喰らうことで生きる「'''喰種'''」([[グール]])をテーマにした作品。コンセプトは[[ダーク・ファンタジー]]となっているが、[[サイエンス・ファンタジー]]の要素もある。2018年9月の時点でシリーズ累計発行部数は全世界3,700万部を突破<ref>{{Cite web|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0103732|title=『東京喰種』続編が決定!窪田正孝×松田翔太×山本舞香が共演|work=[[シネマトゥデイ]]|date=2018-09-22|accessdate=2019-02-26}}</ref>2019年3月時点では4,400万部以上を記録している<ref>{{Cite news|date=2019-03-15|url=https://www.famitsu.com/news/201903/15173318.html|title=『東京喰種』作者・石田スイ×BROCCOLI 新プロジェクト『ジャックジャンヌ』が始動。石田スイ描きおろしのキービジュアル&ティザーサイトが公開|newspaper=ファミ通.com|publisher=KADOKAWA Game Linkage|accessdate=2020-09-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200927143124/https://www.famitsu.com/news/201903/15173318.html|archivedate=2020-09-27}}</ref>


2013年7月から十和田シンによる小説版が発売された。2013年8月から同年9月までデジタル漫画雑誌『ジャンプLIVE』にてスピンオフ漫画『'''東京喰種トーキョーグール [JACK]'''』(トーキョーグール ジャック)が連載され、また『[[週刊少年ジャンプ]]』([[集英社]])2014年31号に読み切り作品『'''東京喰種トーキョーグール [JOKER]'''』(トーキョーグール ジョーカー)が掲載された。2014年からテレビアニメ化、2015年から舞台化、2017年から実写映画化された。
2013年7月から十和田シンによる小説版が発売された。2013年8月から同年9月までデジタル漫画雑誌『ジャンプLIVE』にてスピンオフ漫画『'''東京喰種トーキョーグール [JACK]'''』(トーキョーグール ジャック)が連載され、また『[[週刊少年ジャンプ]]』([[集英社]])2014年31号に読み切り作品『'''東京喰種トーキョーグール [JOKER]'''』(トーキョーグール ジョーカー)が掲載された。2014年からテレビアニメ化、2015年から舞台化、2017年から実写映画化された。

2020年9月27日 (日) 14:35時点における版

東京喰種トーキョーグール
ジャンル 青年漫画サスペンスホラー
ダーク・ファンタジーバトルアクション
漫画:東京喰種トーキョーグール(第1部)
東京喰種トーキョーグール:re(第2部)
作者 石田スイ
出版社 集英社
掲載誌 週刊ヤングジャンプ
レーベル ヤングジャンプ・コミックス
発表号 第1部:2011年41号 - 2014年42号
第2部:2014年46号 - 2018年31号
発表期間 第1部:2011年9月8日 - 2014年9月18日
第2部:2014年10月16日 - 2018年7月5日
巻数 第1部:全14巻
第2部:全16巻
話数 第1部:全143話
第2部:全179話
アニメ:東京喰種トーキョーグール(第1期)
東京喰種トーキョーグール√A(第2期)
東京喰種トーキョーグール:re(第3期・最終章)
原作 石田スイ
監督 森田修平(第1期・第2期)
渡部穏寛(第3期・最終章)
シリーズ構成 御笠ノ忠次
脚本 御笠ノ忠次
キャラクターデザイン 三輪和宏(第1期・第2期)
中嶋敦子(第3期・最終章)
音楽 やまだ豊
アニメーション制作 studioぴえろ
製作 東京喰種製作委員会
(第1期・第2期)
東京喰種:re製作委員会
(第3期・最終章)
放送局 TOKYO MXほか
放送期間 第1期:2014年7月 - 9月
第2期:2015年1月 - 3月
第3期:2018年4月 - 6月
最終章:2018年10月 - 12月
話数 第1期:全12話
第2期:全12話
第3期:全12話
第4期:全12話
OVA:東京喰種トーキョーグール【JACK】
原作 石田スイ
監督 嶌田惣一
脚本 御笠ノ忠次
キャラクターデザイン 三輪和宏
アニメーション制作 studioぴえろ
製作 東京喰種製作委員会
発売日 2015年9月30日
話数 全1話
OVA:東京喰種トーキョーグール【PINTO】
原作 石田スイ、十和田シン
監督 松林唯人
脚本 嶌田惣一
キャラクターデザイン 栗原学、三輪和宏
アニメーション制作 studioぴえろ
製作 東京喰種製作委員会
発売日 2015年12月25日
話数 全1話
ゲーム:東京喰種 JAIL
対応機種 PlayStation Vita
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
メディア PS Vitaカード
発売日 2015年10月1日
レイティング CEROC(15才以上対象)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

東京喰種トーキョーグール』(トーキョーグール、: Tokyo Ghoul)は、石田スイによる日本漫画作品。略称は「TG[1]。石田のデビュー作として『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2011年41号から2014年42号まで連載された後[2]、新編となる『東京喰種トーキョーグール:re』(トーキョーグール アールイー)が、同誌2014年46号から2018年31号まで連載された[3]

現代の東京を舞台に、人の姿をしながら人肉を喰らうことで生きる「喰種」(グール)をテーマにした作品。コンセプトはダーク・ファンタジーとなっているが、サイエンス・ファンタジーの要素もある。2018年9月の時点でシリーズ累計発行部数は全世界3,700万部を突破[4]、2019年3月時点では4,400万部以上を記録している[5]

2013年7月から十和田シンによる小説版が発売された。2013年8月から同年9月までデジタル漫画雑誌『ジャンプLIVE』にてスピンオフ漫画『東京喰種トーキョーグール [JACK]』(トーキョーグール ジャック)が連載され、また『週刊少年ジャンプ』(集英社)2014年31号に読み切り作品『東京喰種トーキョーグール [JOKER]』(トーキョーグール ジョーカー)が掲載された。2014年からテレビアニメ化、2015年から舞台化、2017年から実写映画化された。

物語

東京喰種トーキョーグール

人間社会に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人喰種が蔓延する東京。

上井大学に通う青年金木 研(カネキ ケン)は女性の喰種神代 利世(カミシロ リゼ)に襲われ瀕死となるが、工事現場から落下した鉄骨がリゼに当たったことで捕食を免れ、一命を取り留める。しかし事故による手術の際に、喰種であるリゼの臓器を移植されたことで、カネキは半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる。

序章 (第1巻)
読書好きの平凡な大学生金木研は、喫茶店あんていくにて、好意を寄せていた少女神代利世と小説「黒山羊の卵」がきっかけで知り合い、本屋デートをすることになる。だがそのデートの別れ際にカネキは、喰種の本性を現したリゼに襲われ瀕死の重傷を負うが、突然リゼの頭上に鉄骨が落下したことにより、危機を逃れ、その後病院に搬送される。しかし重傷であったカネキは、嘉納 明博(カノウ アキヒロ)という医師の判断により、喰種であるリゼの臓器が無断で移植されることになる。
手術後、目を覚ましたカネキの体にはある異変が起こっていた。今まで食べてきた食物を口にできなくなり(野菜や肉、魚などを不味く感じるようになった)、代わりに人肉に食欲をそそられるようになってしまった。人肉にそそられ苦悩するカネキはある時、喫茶店あんていくの従業員である少女霧島 董香(キリシマ トーカ)と同店の店長を務める芳村(ヨシムラ)、二人の喰種に出会う。そこで人肉を分け与えてもらうが、空腹による飢えと、人としての尊厳を守ることとの間で激しく葛藤するカネキは、精神的にも肉体的にも追い詰められていく。そんな時、カネキは同じ大学に通う喰種の西尾 錦(ニシオ ニシキ)に目をつけられ、帰り際に親友であるヒデが捕食されそうになる。親友の命の危機を感じたカネキは赫子を発現させニシキを撃退するが、そのまま我を失いヒデを捕食しかける。だがトーカに救われヒデと共にあんていくに運ばれる。目が覚めて、半端者の自分には居場所はどこにもないと悲嘆にくれるカネキだったが、芳村から「人と喰種のどちらの世界にも居場所を持てる唯一の存在である」と諭されたことで、喰種としての生き方を学ぶためにあんていくの店員として勤務することになる。 アニメ版は、第1話から第3話として放送。
白鳩(ハト)の出現 (第2巻~第3巻)
カネキがあんていくに勤務し始めて間もない頃、喰種の母娘フエグチ リョーコヒナミが訪れる。人を狩ることができない彼女達は、あんていくに食料を貰いに来ていたのだった。そんな中、喰種対策局 (CCG) に所属する人間である一等捜査官亜門 鋼太朗(アモン コウタロウ)とそのパートナーである上等捜査官真戸 呉緒(マド クレオ)がリョーコを追いかけて20区に現れ、彼らによってリョーコはヒナミの目の前で駆逐されてしまう。この事件を受け、トーカはリョーコの仇を討つため、カネキは捜査官に対抗するために行動を起こす。
真戸はリョーコの遺体でヒナミをおびき出し、ヒナミを探しにやってきたトーカと対峙する。笛口夫妻の赫子を用いたクインケで真戸はトーカを追い詰めるが、ヒナミの赫子の不意打ちで手足を失ったことで形勢は逆転。トーカの攻撃で致命傷を負った真戸は、彼女ら喰種に対し激しい憎悪と侮蔑の言葉を吐きながら死亡する。その頃、亜門と対峙していたカネキは、再び喰種の力を使用することで亜門のクインケを破壊し、戦闘不能に追いやり勝利するが、わずかに残った理性で彼に止めを刺さず、撤退するよう促した。戦いの後、カネキは憔悴するヒナミにリョーコの遺志を伝える。カネキは戦いの最中亜門が発した「この世界は間違っている」という言葉を受け、自らの生き方を模索しつつ、世界を正す方法を探す決意をする。その後亜門は深手を負いながらも真戸の援護に駆けつけるが、真戸は既に息絶えていた。亜門は彼の悲惨な死に様の前に涙を流し、慟哭するのだった。アニメ版は、第6話中盤から第8話として放送。
月山登場 (第4巻~第5巻)
カネキとトーカがあんていくの勤務と訓練を行いつつ平穏に過ごしていたある日、喰種の一人である月山習(ツキヤマ シュウ)があんていくに現れる。食事に独自の美学を持つ月山は不思議な匂いを放つカネキに興味を抱く。
カネキは四方 蓮示(ヨモ レンジ)に誘われ、イトリが経営するバーを訪れる。そこでカネキは、リゼの死は事故ではなく、「第三者によって殺された可能性がある」という事実と、人間と喰種のハーフである隻眼の喰種の存在を知る。カネキはリゼの死の真相を知るため、情報の交換条件として、月山が出入りする喰種のレストランの調査することとなるが、月山に騙されカネキ自身が喰種達のディナーとして招かれてしまう。だが解体屋(スクラッパー)に追い詰められた際に発現した片目の赫眼から、カネキが隻眼の喰種であることを知った月山は、貴重な食材を独り占めするためカネキを危機から救う。
難を逃れたカネキの下に、人間である貴未(キミ)が恋人のニシキの容態について相談に訪れる(ニシキは金木に撃退された際の傷が治っていなかった)。そこで月山はカネキをおびき寄せるために貴未を拉致し、カネキとニシキ、そして援助に駆けつけたトーカは貴未の救出のため月山と戦う。苦戦の末に月山を倒すことに成功するが、トーカは自分達の正体を知る貴未を口封じのために殺そうとする。しかし、貴未の思わぬ発言に殺害を止めたトーカは、その場から逃げるように立ち去り一人葛藤する。戦いの後ニシキはあんていくでアルバイトを始めることになる。
アニメ版は、第4話から第6話序盤として放送(喰種のレストランの調査部分はカットされた)。
アオギリの騒乱 / アオギリ編 (第6巻~第8巻)
月山撃退後、カネキはイトリからリゼに関する情報を入手する。その頃、好戦的な喰種集団アオギリの樹の襲来による11区の支部の無力化に伴い、危険区域に指定された20区に特等捜査官の篠原幸紀(シノハラ ユキノリ)や特例で入局した三等捜査官の鈴屋什造(スズヤ ジューゾー)ら本局所属の有力捜査官が派遣された。
ある日、かつてのリゼを知る喰種万丈数壱(バンジョウ カズイチ)と彼の取り巻き達がリゼを探すためにあんていくに訪れる。だが時を同じくしてリゼを探しにあんていくを襲撃したトーカの弟霧嶋絢都(キリシマアヤト)ヤモリ(ジェイソン)ニコによって、トーカの反撃も虚しくカネキは連れ去られてしまう。
アオギリのアジトに囚われたカネキは、組織の幹部であるタタラに「戦力にならない」とアヤトに下げ渡された後、アヤトの配下になっていた万丈とその仲間達と共に脱出を試みるが、瓶兄弟(ビンキョウダイ)とヤモリ、ニコに阻まれ失敗に終わる。
その後カネキはヤモリの執拗な拷問を受け続けることになるが、その際に現れたリゼの幻影との対話を経て喰種の本質を受け入れたことで赫子を自在に操れるようになり、ヤモリを圧倒し瀕死まで追い込む。その後カネキは、カネキ救出のためにアジトに潜入していたトーカとニシキを、アヤトの猛攻から救ったのちその場を引き受けると、終始アヤトを圧倒する。CCGの部隊の介入もあり、壊滅したアオギリのアジトからの脱出後、カネキはあんていくのメンバーと再会するが、自分の大切なものを脅かすものを摘み取るためにはさらに自分が力をつける必要があると感じたカネキは、あんていくに戻らずに、万丈や月山と共に反アオギリなる組織を結成する。
一方その頃、警備が手薄になっていた喰種専用の監獄コクリアを狙ったアオギリの樹の別働隊の襲撃によって、多くのSS級以下の喰種が脱走していた。
アニメ版は、第9話から第12話として放送。ヤモリを撃破したシーンで終わった。
それぞれの動き / 新天地6区編 (第9巻~第12巻前半)
アオギリの騒乱から半年後、その戦いでの功績が認められ上等捜査官となった亜門は、真戸の娘である真戸 暁(マド アキラ)をパートナーとして迎え、ジューゾーは二等捜査官となり、駆逐したヤモリの赫子を元に制作されたクインケ13’sジェイソンを手に入れていた。
その頃、カネキ達反アオギリは、リゼの経緯を辿ってたどり着いた6区を拠点に定めると、自らを喰種に変えた嘉納の情報を求めて、彼と繋がりがあるとされるマダムAのいる喰種レストランを襲撃する。しかし自分と同じリゼベースである半喰種の二人の少女、安久奈白(シロ)安久黒奈(クロ)の介入によって、カネキはマダムAの捕獲に失敗する。その後、カネキはイトリのバーでニコと再び出会い、アオギリの樹について情報を得る。カネキはアオギリの樹、そして嘉納についての情報を得るため、20区にある嘉納総合病院へ向かう。だが嘉納は「海外へ出張」のため不在で、その後カネキたちは嘉納総合病院の看護師を問い詰めようとする。だが時を同じくしてアオギリ所属でヤモリの弟分ナキや、鯱(シャチ)らと出会い、カネキはシャチに圧倒されてしまう。その後カネキたちはマダムAを問い詰めることに成功し、「嘉納の屋敷」に足を運ぶが、そこの地下室でシロやクロ、ナキや鯱、エトらのアオギリの樹のメンバーと出会い、カネキはついに嘉納と遭遇する。カネキはそこで半喰種を生み出すためにリゼが囚われていることを知る。また嘉納はカネキに「アオギリの樹を生み出す原因となったのは芳村」という事実を伝える。その時混乱しているカネキの前にヨモが現れ、リゼを救出し去っていく。カネキはその後、嘉納が放った多くの金木と同じ半喰種の「失敗作」と戦い、暴走を始め、「半赫者」としての姿を現してしまう。カネキは時を同じくして地下室を訪れたシノハラ、ナキと月山は亜門とアキラと、シロやクロは什造と対峙する。カネキはシノハラを圧倒し、シノハラのクインケを捕食するが、亜門や什造の加勢により退散する。カネキは月山や万丈らと合流するも暴走を続けるが、万丈を負傷させてしまい猛省する。
その後カネキは、かつてマスクの製作を頼んだことのあるウタのもとを訪れ、ウタやヨモが4区にいた頃の話を聞く。カネキはヨモのもとを訪れ、そこで極度の飢餓状態に陥ったリゼに出会う。
同じ頃、上井大学を志望していたトーカは、ニシキに連れられ、かつてカネキが通っていた上井大学に足を運ぶ。トーカはそこでヒデに出会い、カネキの過去について話を聞く。
カネキはあんていくを訪れ、芳村に「隻眼の梟」のことについて問う。そこで芳村は自分の過去をカネキに語り、カネキにあんていくに戻ってくることを進める。
アニメ版2期は1話から8話として放送されるが、カネキがアオギリの樹に参加するなど設定が大きく異なる。
あんていく襲撃 (第12巻後半~第14巻)
多くの葛藤の末、6区のアジトを解散し“ただの自分”を取り戻すため、あんていくに戻る決意をしたカネキ。だが期を同じくして、SSS級駆逐対象“梟(フクロウ)”の居場所を突き止めたCCGは、特等捜査官の有馬 貴将(アリマ キショウ)も含めた歴戦のCCG捜査官をあんていくに集結させ、「20区隻眼の梟討伐作戦」を開始してしまう。
アニメ版2期は、9話から12話として放送。
終章
20区隻眼の梟討伐戦において多くの死傷者、行方不明者を出しながらもCCGはほぼ全ての喰種の駆逐完了を宣言。同作戦は終結した。
それからしばらく後、[アマツ]の有用性を認められたアキラは一等捜査官に昇任。有馬率いる対アオギリの特別チームに配属され、彼の命を受け、指導官(メンター)としてある三等捜査官の教育を任される。彼がアキラの元を訪れ、佐々木 琲世(ササキ ハイセ)と名乗った所で物語は幕を閉じる。

東京喰種トーキョーグール [JACK]

本編開始の12年前。13区の高校に通う不良少年富良太志は幼馴染達をカボチャの仮面を被った人物に殺傷され、彼自身も殺されそうになるがクラスメイトの転校生有馬貴将に助けられる。幼馴染の仇討ちを誓った富良は、有馬から仇が喰種という存在で、カボチャの仮面の喰種が“ランタン”と呼ばれていることを聞き、有馬と共にランタンの行方を追う。富良と有馬は順調に喰種を狩る中、ランタンの意外な正体を突き止める。

東京喰種トーキョーグール [JOKER]

第一部終了後から第二部『:re』開始までの間、二等捜査官の阿原半兵衛を主人公とし、パートナーである上等捜査官の鈴屋什造との物語が展開する[6]。臆病な半兵衛が骸骨のマスクをした喰種達に追われ逃げ惑っているところを什造の介入で救われ、彼から軽い叱責を受ける。CCG13区支部に戻り「スカルマスク」という集団の調査・討伐の報告の最中、「スカルマスク」の犯行の報告があり、現場である暗敷通りへ向かう。死体を見た什造は、無駄のない殺し方からここでの犯行は「スカルマスク」のボスの仕業であると確信する。半兵衛が捜査中、電車内で身長や行動、香水の匂いがしたなどとプロファイリングしている最中に痴漢の現場に遭遇。助けるべきか否か葛藤している間に什造によって痴漢行為が止められるが、この際什造は"鉄臭い"という理由で痴漢を追いかける。移動中、近くに居たのになぜ止めなかったのかを什造に問われ、半兵衛は臆病であることの原因を語り、一区切りついた時に悲鳴が上がる。現場に駆けつけると、先ほどの痴漢が「スカルマスク」に襲われていた。ボスであることを什造が確認し、宣戦布告をした所で「スカルマスク」のメンバーに囲まれてしまう。腰を抜かしている半兵衛をよそに、什造はクインケ[13'sジェイソン]でメンバーを掃討、ボスにあと一歩というところでわざとらしく[13'sジェイソン]を弾き飛ばされてしまう。ボスの追撃に対して動かない什造に半兵衛が焦り、勇気を振り絞ってボスを背後から一突きの元に葬る。什造になぜ「スカルマスク」が現れるのがわかったのか問うと、電車内でした香水と血の匂いが暗敷の現場の匂いとが一致したためとのこと。ボスのマスクを外すと、そこには電車内で痴漢されていた少女が横たわっていた。

東京喰種トーキョーグール:re

トルソー捜査編(単行本第1巻に相当)
20区隻眼の梟討伐戦からしばらく経ち、佐々木琲世が真戸暁の下に来てから2年。ハイセは一等捜査官に、アキラは上等捜査官に昇進していた。そんな時、CCGでクインクス計画なるものが始まり、ハイセは実験体集団 クインクスのメンターに任命される。「まともな人間でない」彼らに振り回され、業績も振るわず、ハイセはCCGで肩身の狭い思いをしていた。
あるとき、ハイセ、クインクス含む真戸班は下口班とともにトルソーと呼ばれる喰種の調査をすることになる。ウリエシラズがトルソーの正体を突き止め、彼を追い詰めているときに強力な喰種オロチが乱入。2人は彼に終始圧倒されるが、そこにハイセが現れ、オロチと交戦を始める。クインケだけでは太刀打ちできず、ハイセは赫子を発現させる。彼はオロチと渡り合っていたが、あることを言われたことで苦しみ始め、オロチを追っていた平子班とアキラに暴走とみなされ動きを封じられる。結局、トルソー、オロチ共に取り逃してしまう。また、身元がCCGに発覚してしまったトルソーは以前から情報をやり取りしていたアオギリの樹に正式加入する。
ナッツクラッカー調査 / オークション掃討戦編(単行本第2巻 - 第3巻に相当)
トルソーを取り逃した佐々木班は、鈴屋班のサポートとしてA級喰種ナッツクラッカーの捜査に当たる。ナッツクラッカーは喰種の中でも強い権力を持つ富裕層 マダムに人材斡旋を行っており、彼女から人間オークションへの足がかりが掴める可能性があった。ハイセはシラズ、トオル、そしてウリエの言葉に危機感を覚えたサイコとともにナッツクラッカーと接触を試みる。一方、月山家に仕える喰種カナエは主である月山習の回復のために食材を求めオークションに参加、そしてオークションにおけるマダムの護衛としてアヤトらアオギリの樹も動き出していた。
ロゼヴァルト家関連勢力捜査 / 月山家殲滅戦編(単行本第4巻 - 第6巻に相当)
オークション掃討戦から半年後、優秀な成果を収めた佐々木班はそれぞれ昇進し、喰種集団による大量誘拐事件の存在を知る。特等に昇進した和修政の分析によりこの事件はかつて自身が壊滅させたロゼヴァルト家に縁のある喰種によるものと判明。S1班長を務める宇井郡特等の指揮の元、捜査が開始された。また、佐々木は自身のルーツや隻眼の喰種について調べ始める。その頃、金木研と瓜二つの佐々木琲世の存在を知った月山は彼との接触を試みようとしていた。
コクリア襲撃 / 流島上陸作戦編(単行本第7巻 - 第9巻に相当)
ロゼヴァルト討伐から半年、CCGは本格的にアオギリの樹の殲滅へ注力していた。ロゼヴァルト討伐戦に突如乱入した隻眼の梟を退けた佐々木はその功績により准特等へ昇進。佐々木が指導者の任を離れるのと同時に新たにメンバーが加入したクインクス班は、再び班長となった瓜江一等を中心として作戦に臨んでいた。ついにアオギリの樹の本拠地・流島を突き止めたCCGは大規模な部隊を編成し、これらの殲滅を決行。0番隊・有馬特等らとともに本土のコクリアの警護を任された琲世は、自分自身の望みを果たすために一つの決心をする。
黒山羊結成 / ラボ潜入編(単行本第10巻 - 第12巻〈第126話〉に相当)
有馬貴将との死闘を終え、彼の望みを聞き届けた佐々木琲世こと金木研は、自らを「隻眼の王」と名乗り、トーカら喰種と有馬の遺志を継ぐ平子ら0番隊とともにコクリアを脱出する。一方、流島のアオギリ本拠はCCGによっては壊滅するが、秘密裏に調査を進めていた丸手特等により、CCGのトップ「和修家」の正体が喰種であったことが明らかになる。また、コクリア脱走に助力していたエトの隙をつき、一瞬で戦闘不能に追いやった旧多は、時を同じくコクリアから脱獄したドナートらピエロやVと結託し、和修本家一族を殺害する。
旧あんていく組、月山、アオギリの樹の残党を仲間に迎え入れたカネキは、喰種と人とが理解し合える世界をつくるための組織「黒山羊(ゴート)」を立ち上げる。
24区編(単行本第12巻〈第127話〉 - 第13巻に相当)
黒山羊結成からしばらくしたのち、旧多が立ち上げたオッガイによって喰種の多くが殲滅されてしまう。黒山羊も24区中腹に身をひそめるが、地上で捜査官に追い込まれた喰種を保護し、アヤトはカネキの命で24区深部の調査に赴く。不自由な生活の中トーカの妊娠が発覚してカネキと結婚し、ささやかな幸せをかみしめる。
自殺者の肉も入手できなくなり食料の確保が困難となったため、カネキが月山やニシキらと共に食糧確保のために「樹海」に赴いた矢先、黒山羊のアジトがオッガイとS3班に襲撃されてしまう。
時を同じくして旧多に不信感を抱いたウリエは、黒磐 巌と共に旧多を追及する。
喰種・CCG共闘編

登場キャラクター

本作品の登場人物は特に必要とされる場合を除き、片仮名で呼称されるのが基本である。声の項は、アニメ版の声優。演の項は、舞台版 / 映画版の順である。

主人公

金木 研(かねき けん)
声 - 花江夏樹小堀友里絵(第一部 子供時代)、櫻井優輝(『:re』 少年)/ 演(舞) - 小越勇輝(1作目)→ 松田凌(2作目) / 演(映) - 窪田正孝
本作第一部の主人公12月20日生まれのいて座。物語開始時点で18歳。血液型AB型。愛称は「カネキ」。上井大学文学部国文科一年生で、20区内のマンションで一人暮らしをしていた。
喰種リゼに捕食されかけ瀕死の重傷を負うものの、彼女の頭上に鉄骨が落下してきたことにより生き延びる。搬送された病院でリゼの赫包[注 1]移植されるが、その結果半喰種となり、喰種の世界に関わってゆくことになる。人肉を食べなければ生きていけないということに苦悩し、さらにリゼの幻影からも「喰種の本能」に従うよう誘惑されるが、そんな時に喰種芳村に救われ、区内に暮らす喰種の集まる場所でもある「あんていく」で働くこととなる。
人間と喰種双方の苦悩に触れながら自らの生き方を模索していくが、アオギリの樹による拉致と喰種ヤモリの拷問を契機に、今まで忌避していた喰種の本質を受け入れ、大切な人々を守るために戦う道を選ぶ。
元来の性格は内向的かつ温厚で、幼い頃に亡くした母の影響で自己犠牲を尊ぶ受け身な考え方を持っていたが、アオギリの騒乱による一連の事件を経て、敵対者には容赦しない冷徹かつ攻撃的な一面を持つに至った。また、喰種ヤモリによる執拗な拷問が彼の思考や人格にパラダイムシフトをもたらしたためか、彼の人格や癖を模倣し共喰いを行うようになる。その際は、特に強力な喰種を選んで喰らうことが多い。
アオギリの本拠地から脱出した後はあんていくに戻らず、バンジョーや月山、ヒナミたちと反アオギリを掲げて行動を共にする。(アニメ√Aでは改変されており、大切な場所を守る力を得るためアオギリに加入する)
その後、半年間共喰いのみを行った結果、不完全ながらも赫者(半赫者)となる。嘉納を追い詰める際に対峙した篠原を、防戦一方に追い込み、彼からSSレート認定を受けるほどの実力を発揮するが、その際に自我を失った錯乱状態となってしまう。
その後、自身の疑問からあんていくで芳村と会話。彼の過去を知り、その直後再会したトーカに叱咤を受けたことから自分の間違いに気づいたため反アオギリを解散し、あんていくの元に戻ることを決意する。
しかし、時を同じくしてCCGによる「隻眼の梟討伐作戦」が決行。あんていくが襲撃されたことを知り、芳村たちの救援に単身あんていくへ向かう。途中円児とカヤたちがそれぞれ対峙していた捜査官を圧倒し、二人の窮地を助けるが、あんていくに繋がる道にて亜門と遭遇。彼のクインケ[クラ]を破壊し彼を追い詰めたが、新しいクインケの[アラタ・弍<proto>]により爆発的な身体能力を得た亜門の反撃を受けたことで無意識に半赫者の力を解放。亜門の右腕を切断したものの、彼のクインケ[ドウジマ・改]の直撃を受け、自身も再生が追いつかないほどの深手を負ってしまう。
逃げ込んだ地下道で極度の飢餓状態に陥り、リゼやヤモリの幻覚にうなされ錯乱するも、ヒデと再会を果たし、自身の変容を見抜いていた彼から激励を受ける。ここから先の記憶は途切れ、ルートV14にて、逃げ延びた数十体の喰種を全滅させた有馬と遭遇。ヒデの助言に従い理性と狂気を総動員した持ち得る能力の全てを駆使し[IXA]の防御壁を損傷させ、有馬の頬に傷を負わせるほどの奮戦を見せるが、圧倒された末に両眼を貫かれて駆逐され、生死不明となった。
半喰種であるため食性や身体能力は喰種と同等だが、赫眼は左目だけに現れる。また、初期は自分の意思で赫眼の発現をコントロールできなかったため、外出時は常に眼帯をつけていた。正体を隠すためのマスクは普段とは逆に赫眼のみを露出する構造になっている。このマスクの特徴により亜門からは「眼帯の喰種」と呼ばれている。
赫子はリゼと同じ先端が鉤爪状になった鱗赫で、右の腎臓付近から発生する。自身やヒデの通う大学の先輩だった西尾がヒデを捕食するのを阻止しようとした時に、半ば怒りに任せる形で初めて発現させた。当初は赫子を出してしまうと人間としての自我を失ってしまう為、赫子の使用自体を避けていたが、ヤモリとの交戦以降は完全にコントロールする事が可能になり、戦闘にも積極的に使用するようになった。
半赫者となった際には、平常時よりも長大な百足のような赫子に、左顔を覆って胸元に向けて尖って伸びた一つ目の面が現れた。(この赫子の特徴からCCGにより「ムカデ」の呼称が付けられる)1部終盤での有馬との対決時に、左頭部を貫かれた後は、腹部からも赫子を発生させ、手のように変形させて貫通したクインケを自ら抜き取ったりするなど、自在に形状を変化させられるようになる。
標準的な喰種に比べると体の堅牢さに劣るが、同族からも異常と見られるほどの回復力と羽赫クインケの射撃すら容易に回避する機動性を持つ。嗅覚の優れた喰種たちに言わせると喰種や人間とも違う体臭であると指摘されているが、リゼと面識のある者からは彼女の匂いを感じ取られている。生きた人間の肉を食らった後に、リゼを思わせる人格が現れることがある。
当初は黒髪だったが、ヤモリの拷問による過度なストレスから白髪となり、爪は赤黒く変色した。
幼くして父母を亡くしたことで孤児になり伯母一家に引き取られて暮らしていたが、伯母による日常的なネグレクトに遭っていたため、親友のヒデとの交流を唯一の心の支えとしていた。読書が趣味で主にミステリーを好んで読んでおり、作家・高槻泉のファンである。その為か独白シーンでは度々小説からの引用で自身の心境が語られている。
『√A』ではヤモリを倒した後、エトの誘いを受け、アオギリに幹部として加入する。原作に比べるとより冷徹な性格となっており、感情の起伏も乏しくなっている。しかし人間の殺害には躊躇する様子を見せ、捜査官との戦闘では不殺を徹底しており、クインケの破壊、もしくは致命傷に至らない程度の打撃のみ行っている。
アオギリに加入してからはアヤトと共に行動しており、実働部隊員としてナキの護送車脱走の手引きを行い、コクリア襲撃にも参加した。原作よりも早期にアオギリの構成員として前述のような反社会的行動を行い、その存在を認識された結果か、CCGからは一貫して「眼帯の喰種」と呼称されている。コクリア襲撃時には逆上した鯱と交戦し敗北、コクリアに廃棄されていた喰種の死体を喰らい、半赫者としての覚醒を果たす。
20区梟討伐作戦では原作同様亜門と対峙。[ドウジマ・改]の直撃を受け、一時は半赫者として暴走しかけるも、コクリアで亜門に投げかけられた言葉を思い出し、辛うじて踏み止まる。戦いの末に相討ちとなるも、ヒデによって運び込まれたあんていくで目を覚まし、彼と再会を果たす。最終的にヒデの死を看取り、作戦終了後のCCGの集合地点で有馬と対峙、その後の行方は不明。
『:re』ではハイセの潜在意識内で彼に語りかける「前の自分」として登場。力と引き換えに自身と向き合うよう彼に要求しているが、拒絶され続けていた。
オークション掃討戦にてオウルと交戦し、重体に陥ったハイセの混濁した意識にも現れ、自分を見るよう懇願する。覚悟を決めたハイセが向き合ったカネキは白髪の子供の姿で、幼いカネキもハイセと同様に、自身が消えてしまうことを恐れていたことを伝える。
掃討戦後は以前よりも頻繁にハイセの意識に表出するようになり、自身と彼の関係を「冬虫夏草と寄生される虫」と揶揄。ハイセが自身に誓った「救う」という思いに否定的な考えを持つ。月山家殲滅戦において、ハイセとの対話を経て彼の意識に表層化し、覚醒。エトに強化を施されたカナエを一蹴し、続けて交戦したエトをも圧倒、彼女に重傷を負わせて撃退に成功する。
以降、表向きはハイセとして活動しながら、親友ヒデが自分にしたように「誰かのために命を懸けて、かっこよく死にたい」という願望を叶える為に生きることを決意する。流島上陸作戦には参加せず、コクリアで処分が決定していたヒナミを救出し、旧多を退けた後にヨモと有馬の戦闘に介入。トーカたちを逃がし有馬と戦って死ぬことを目的に戦うが覚悟の甘さを指摘され、一度は半赫者化し[IXA]を破壊するも[フクロウ]の斬撃により四肢を切断され行動不能に陥る。しかし、精神世界で再会したヒデとの会話と彼の願いを受け止め、「かっこ悪くても、生きる」ことを決意し再起。穏やかな表情で矛盾だらけだった自分を受け入れ、冷静な判断力と圧倒的な量の赫子を駆使し有馬の隙を突き[フクロウ]を破壊し、無力化に成功する。
敗北を受け入れた有馬の自死を看取り、有馬の遺志でカネキの逃走の幇助を頼まれた0番隊と合流し、有馬に感謝の言葉を告げその場を立ち去る。
脱出途中、重傷を負ったエトと遭遇。有馬とエトの真の目的を知り、彼らが築き上げてきた王座を受け継いで自らを「隻眼の王」と名乗る。その後は安浦特等・田中丸特等に重傷を負わせてトーカらと合流、脱出に成功し、流島から脱出した喰種も合わせて自らを首領とした組織「黒山羊(ゴート)」を結成する。以降は旧多が率いるCCGやピエロ、Vと敵対しつつ「喰種とヒトが理解し合える世界」をつくることを目指し、行動を開始する。
時間が経つにつれて再会したトーカとは想いを通じ合わせていき、六月の「:re」襲撃をきっかけにして一夜を共した。それ以降はトーカと恋人のような関係となり、彼女が自身の子供を身籠ったことを告げられた際に結婚を申し込んだ。
過度の再生の繰り返しによって、捜査官であった頃から視力や再生能力の低下などの身体が衰えていることを確信しており、内心焦りを抱いている。「黒山羊」傘下の大勢の喰種の食料問題を解決するため、食料班の遠征を計画する。
食料班の遠征の道中、黒山羊アジトに不穏な気配を感じたことで単身帰還し、そこで鈴屋特等、阿原一等と対峙する。アラタを装備した二人になす術もなく四肢を切断され戦闘不能な状態にまで追い込まれるが、脳内での佐々木琲世を含めた複数の自分との対話を経て、退かずに前に進み続けることを決意する。しかし、およそ100体のオッガイとCCG捜査官、そして旧多の持つ「核」を捕食した結果、巨大な赫子の化物のような姿(旧多曰く”竜”)に変わり果ててしまう。竜として取り込まれた後に精神世界にてリゼと再会し、オッガイたちがリゼの赫包から生み出されたこと、それを捕食したことで竜の中で再生されたことを告げる。必死で現実世界に戻ろうとするも、リゼから自分の現状を、組織を崩壊させ、竜として多くの人間たちを食らっている光景を見せつけられ「人と喰種が分かり合える」世界のために話し合うという目的のための手段を「独裁者」と皮肉られてしまう。これまでの行動からリゼからカネキが自分と同じ自分を慰めるために他人を顧みない無責任な自己愛者だと指摘され、都合の良いところしか見ようとしなかったなどと散々に言葉で抉られるも、リゼの言う通り自分がただ誰かに必要とされたかったこと、戦い続ければ求められている気分になっていたことを告白。自分を恨んでいないのかと問いかけるリゼに対し、これまでの出会いや別れ、多くの人たちに必要とされていたことを思い出し、自分が幸福であったのだと改めて実感する。意を決して現実世界に戻ることを決断し、自分の罪を背負えるか試してみるとリゼに告げた。
肉体の方はヒデの計らいによりCCGと黒山羊の喰種が協力し救出作戦に動き出しており、トーカや初期のクインクスメンバーたちによって救出される。竜に変じた際に肉体が変容しており、切り落とされた四肢は赫子によって形作られ、貴未の台詞から、通常の喰種にはない器官が作られている。目を覚ましたところで、才子やトーカ、ヒナミら黒山羊のメンバーたちと再会し、亜門からヒデがCCGと喰種を繋げたことを知らされヒデが生きていることを知る。自分の行いを確かめるため瓜江、才子と共に外に出歩くも、そこで喰種と化した人間と遭遇し、直後に旧多が流した映像にて竜から産まれた大量の落とし仔が人を襲っている場面、落とし仔が爆発した際に撒き散らされた毒により人間がROSを発症し、喰種と化している場面を見せつけられる。落とし仔たちに囲まれた中、才子が自らの救出の際に毒を浴びたせいでROSを発症してしまい、部下たちの窮地に「何もできないのは嫌だ」と無力感に抵抗する中、自らの赫子が落とし仔たちを一掃。戻った後に貴未に確認を受けると自分に落とし仔たちの毒に耐性があることを知らされる。その後トーカの案内でヒデと再会し、自分が食った後として鼻から下が酷く損傷したヒデの顔を見て、ヒデの献身に感謝を述べ、ヒデの傷と共にこれまでの罪を背負っていくことを改めて誓った。
喰種化の拡大を食い止めるべく、「毒」への耐性を理由に「毒の元」を断つためアヤトと共に卵管へと調査に訪れるも、毒を持った落とし仔たちの襲撃に遭遇する。アヤトが落とし仔を相手取る間向かった先で、不遜な態度を見せる旧多と対峙。旧多のクインケ操術と赫子の前に一時は返り討ちに遭いそうになるが、今まで負け続けてきたからこそ彼に勝ってヒトも喰種も守りたいと奮い立ち、赫者化した旧多に勝利を収める。
力尽きうずくまる旧多の「いつか死ぬのなら人生の全てが無駄に思えはしないか」という問いかけに対し、この世界の有り様、自らの人生という「悲劇」に答えを出し、襲いくる竜の赫子を押し退け、ついにリゼの下へと辿り着き、涙ながら止めを刺した。その後、竜の崩壊に伴う赫子の濁流に飲み込まれるが、アヤトに救われる。
トーカとの間に、『一花』という名の娘を儲け、本来彼が最も望んだ家族との平穏な日々を手にした。それからは東京の街を破壊した際に一般市民を巻き込んだ罪の意識に苛まれつつも未来のヒトと喰種のために勤める日々を過ごしている。
佐々木 琲世(ささき はいせ)
声 - 花江夏樹[7]
本作第二部『:re』の主人公。4月2日生まれのおひつじ座。登場時22歳。血液型AB型。髪色は毛先が白髪、生え際は黒髪のツートンカラー。愛称は「ハイセ[注 2]。自称「鼻赫子」を頼りに喫茶店を巡るのを二等捜査官時代からの趣味としている。
喰種捜査官であり、第一部エピローグ時は三等捜査官。『:re』では一等捜査官。オークション掃討戦後からは上等捜査官、月山家殲滅戦終結後は准特等捜査官。
隻眼の梟討伐作戦からしばらく後、一等捜査官に昇進したアキラから教育を受けることとなった。「有馬貴将を超える捜査官をつくる」という目的から、喰種の能力を持った「クインクス」と呼ばれる4人をメンターとして統率する。有馬を超える捜査官を育成するためには、まず自分自身が彼を超えなければならないと考えている。
一筋縄ではいかない問題児の部下に振り回される日々を送るが、部下であるクインクス班への想いは深く、上官であるアキラや有馬のことも母や父のように慕っている。
快活で冗談好きだが責任感の強い篤実な性格でもある。また読書家であり、本で得た知識を捜査で活かすこともできるが、カネキと違い陰惨な結末を迎えることの多い高槻作品は苦手だと月山に語っている。
嘉納の喰種化実験の被害者であり、CCGでは普段は人間として扱われているものの、万一暴走した場合はSSレート喰種「ハイセ」として駆逐されるということが取り決められている。また過去20年間の記憶を失っているが、過去を思い出すことを自身の死と同義と考え非常に恐れている。その特異な出自と喰種の即殺を良しとしない穏やかな心柄から彼を敵視する捜査官も存在し、CCG内では彼に対する風当たりは強い。
戦闘技術は有馬から直接指導を受けていることもあるため実力は相当なもので、白単翼賞や金木犀賞も受勲している[注 3]。またクインケ操作以外に体術にも優れており、訓練でクインケを持ったクインクス班数名を素手で圧倒している。
使用するクインケは甲赫の[ユキムラ1/3]、赫子は鱗赫。戦闘時は極力クインケを使用するが、クインケだけでは対処できない喰種相手には赫子を巨大な爪状に展開して併用する戦法を取ることもある。赫眼は左目に発現し、自身の内の「前の自分」が表層化した際には赫子の形状は自在に変化し、性格や言動も別人のように変貌する。また、表層化を繰り返すたび「前の自分」との記憶が混在し、暴走の危険性も次第に高まっている。
正体は、記憶を失った状態で喰種捜査官として育てられたカネキケン。無印の20区梟討伐戦で敗北したカネキが精神崩壊・記憶喪失を引き起こした後に、CCGの更生プログラムにより捜査官登用を受けた姿である。こちらの人格にとって有馬は親代わりのような存在として強く信頼しており、名前も有馬と2人で決めたもの。またカネキとしての記憶・能力は封印されており、戦闘能力は当時に比べ弱体化している。
オークション掃討戦ではクインクスらを率いて先行して潜入していた透の救出に成功。瓜江に彼女を託した後に管理棟へ向かうも付近で半喰種となったオウルの奇襲を受ける。不知や才子らを辛うじて逃がすが、絶大な能力を有する彼に終始圧倒される。その後も蹂躙され続け、止めを刺されかけた所をヒナミに救われた。彼女の奮戦を目の当たりにしたことで自身の存在と引き換えにしてでも「前の自分」に向き合い、力を手にする決意を固めた。
しかし初めて向き合った「カネキケン」は白髪の子供の姿であり、彼もまた自分と同じく、ハイセという人格に消されてしまうことを恐れていたことを知る。そして彼の願いを受け入れ、カネキのことも救うために死力を振り絞りオウルと相討ちとなるも生き残り、作戦終了後は特別功労者に認定され、上等捜査官に昇任した。その後、カネキと向き合ったことをきっかけにそれまで忌避していた自身の過去について模索し始める。
その折、宇井郡率いるS1班と共に大量誘拐を繰り返すロゼヴァルト家関連勢力、通称「ロゼ」の捜査を担当することになるが、富裕層の喰種相手には通常捜査だけでは限界があると判断し、自身とクインクスらの特性を活かし「喰種に変装しての潜入捜査」を考案するも、宇井からの了承を得られなかったため計画は頓挫する。ロゼヴァルト家の一人であるカナエの手引きでアオギリ少数メンバーの奇襲を受けた際は、赫子と[ユキムラ]を同時併用した戦闘スタイルを用い、終始彼らを圧倒。承正、ホオグロ以外の白スーツを全て討伐し両名にも負傷させた。その後、捜査官らの多数決の結果潜入捜査が行われることになり、その調査の過程で自分が「眼帯の喰種」と呼ばれていたことを知る。
月山家殲滅戦では投降勧告を一蹴した月山と交戦するが、エトに改造を施されたカナエの乱入により阻まれてしまう。奮闘の末にカナエを追い詰めるが、一部始終を観察していたエトの介入で態勢を崩される。カナエに蹂躙される中で潜在意識内のカネキと対峙し、以前の自分の境遇や彼の願望を知ったことで全てを受け入れて眠りにつく。その後カナエ、エトを圧倒的な実力差で叩き伏せ、エトの上半身と下半身を分断させて撃退する。
作戦終了後、「隻眼の梟」を単独で撃退した功績により准特等捜査官に就任すると同時にクインクス班メンターの任を退いた。
オークション掃討戦においての「カネキケン」との対話以降、白髪の割合が減っており、また時折眼鏡をかけるなど視力の低下が見られていた。月山家殲滅戦後にはそれが顕著に表れ、完全な黒髪で、常時眼鏡をかけるようになる。服装は黒づくめとなり、赫子で喰種を次々と駆逐していくその姿はさながら「死神」と呼ばれる有馬のようで、頭髪や服装が白い彼と対比され、喰種からは「黒い死神」と呼ばれるようになる。赫子にも変化が見られ、エトの赫包を捕食した影響からか、彼女と同様に言葉を話す赫子を繰り出すようになった。その時のパートナーは旧多。また、吉時の許可の下、特等会議に参加し、アオギリの本拠地は流島という孤島であることを明かした。
流島上陸作戦には参加せず、有馬班のメンバーとしてコクリア防衛に配属された。しかし任務途中、捜査官としての任を逸脱して独房を開放、ヒナミ救出を決行する。
速やかに駆け付けた旧多を一蹴すると、同じくヒナミ救出のためコクリアに侵入してきたかつての仲間たちと合流。有馬との激闘の中瀕死の重症を負うも脳内で邂逅したヒデの「かっこ悪くても生きろ」という言葉を受け白髪の姿で復活し、勝利を収める。死にゆく有馬から「V」や白日庭、和修家の真実を告げられると共に「隻眼の王」の座を託された後、平子率いる0班と合流。安浦、田中丸相手に苦戦する旧20区メンバーを救出した。やがて流島上陸メンバーとの合流を経て、0番隊や喰種、旧あんていくメンバーとアオギリ残党の合同という呉越同舟の新組織「黒山羊」の設立を宣言した。
カネキの人格が完全に復帰したものの、ハイセが感じた有馬への感情はカネキにも影響を与えており、有馬との殺し合いを望まないという想いや彼の死に対する悼みは、カネキが有馬の遺志を受け継いで「隻眼の王」を名乗る理由の一つにもなっている。

喰種

黒山羊(ゴート)

アオギリの樹崩壊後、隻眼の王を受け継いだ金木が喰種を守るために作り出した組織。アオギリの樹の崩壊と、旧多の台頭による喰種への弾圧により、現状で喰種たちの最後の拠り所となった。竜戦後は組織名を『共同戦線』と変え、月山家当主となった月山習が代表、反アオギリメンバー時代の仲間であった万丈が副代表としてリーダーの座を降りた金木に代わりTSCをはじめとする人間社会への共存を図る。

あんていく
霧嶋 董香(きりしま とうか)
声 - 雨宮天 / 演(舞) - 田畑亜弥 / 演(映) - 清水富美加(1作目)→ 山本舞香(2作目)
本作のヒロイン。清巳高等学校普通科二年生。7月1日生まれのかに座。登場時17歳。血液型O型。羽赫。愛称は「トーカ」。右眼を前髪で隠している。本人は告げられていないものの、四方の姪にあたる。
「あんていく」でアルバイトをしており、カネキの先輩店員にあたる。ウサギのマスコットを好み、マスクもそれに合わせていることから、CCGからは「ラビット」の呼称が付けられている。親友である依子の手料理を度々口にしていることからほとんどの場面で戦闘能力を十全に発揮できていない。加えて赫包の発達度もそれほど高くないため、赫子は左肩からしか出せない[注 4]。また、本来の実力が発揮できる状態の場合は赫眼の周りに花弁状の痣が発生する。
幼児期捜査の手を逃れる際、保護していた雀チュンタに攻撃されて以来鳥を苦手とし、あんていくで飼っていた鳥ヘタレからも逃げ回っている。
男勝りな性格で、他者にぶっきらぼうな言動をとることが多いものの、弱い立場の者にも気遣いを忘れない心優しさを見せる。その反面、激情に駆られると人間を躊躇なく殺害するなど凶暴な一面を持っており、カネキはこの極端な生命観を喰種としての生き方から来ていると考えている。
平穏な暮らしを営める人間を羨んでおり、半喰種であるカネキに対しては複雑な感情を抱いている。そのため物語序盤は彼に対して苛烈に振る舞うことが多かったが、次第に仲間として認識するようになる。
母親を有馬に殺され、父アラタは篠原に捕縛されており、同居していた弟のアヤトは物語の数年前に家出・音信不通となっている。その後しばらくは一人暮らしをしていたが、家族を失ったヒナミを引き取り、一緒に暮らし始める。しかし、アオギリの騒乱の後に彼女はカネキについていくことを選んだため、元の一人暮らしに戻った。
カネキが芳村に面会した際に再会するが、彼の態度に激昂。カネキを激しく叱咤し拒絶するが、そのことが彼が6区での反アオギリグループの解散を決意するきっかけになる。CCGによる梟討伐を目的としたあんていく襲撃をテレビで知り、芳村らの救援に向かおうとするが四方に止められてしまう。その後、討伐戦の後に取り壊されるあんていくを見ながら、カネキがいつか帰ってくることを信じ、四方とともに20区を脱出した。
『:re』では淡い青色の髪で登場。四方を対外的に兄とし、彼と二人で芳村の意思を継ぎ、第二のあんていく、そして金木の「帰ってくる場所」として喫茶店「:re」を営んでいる。依子と別離し、彼女の料理を口にする事もなくなった為、本来の実力で戦えるようになっており、両肩から赫子を射出できるようになっている。
店を訪れたハイセと邂逅するが、彼がふたたび喰種側に戻り、喰種と人間の間で苦悩してしまうことを望んでおらずハイセ自身の決断に任せる姿勢を見せていた。その姿勢とは反対に強引にでもハイセを喰種側に引き戻そうと考える月山をエゴと非難するも、月山の心情には理解を示している様子。
月山家殲滅戦において、ヨモと共に月山と観母を救助して以降ニシキも含め「旧あんていく組」として行動を開始する。アヤトやバンジョー達がヒナミ救出のためコクリアを襲撃した際には、ヨモと共にバンジョー一味に紛れ込み同行する。コクリア内部にて有馬特等相手にアヤト、ヨモと三人がかりでも劣勢に追いやられるが、そこにカネキが現れる。有馬の相手を引き受け撤退を促すカネキと約束を交わし、合流したヒナミと共に地下排出口に向かう。
以後社会的に追われる立場となったカネキをはじめ、黒山羊の面々を「:re」に受け入れている。また、親を亡くした幼い喰種達の面倒も見ている。
再会したカネキに対して自身の想いを告白したが、その後すぐに六月とオッガイの「:re」襲撃を受ける。喰種駆除の為なら手段を厭わない六月に依子がCCGに拘束されていることを聞き[注 5]、投降するよう脅迫されるが白を切ってその場を切り抜けカネキと共に逃走する。逃げた先でカネキと一夜を共にし男女の関係となる[注 6]
地下24区に黒山羊の面々と移り住むと、身籠ったカネキの子供を生かすために人間の食料を口にするようになる[注 7]。すでに多くの負担を背負うカネキに、子供ができたことを告げるべきかどうか逡巡するが、そんな折、カネキが持っていた依子の死刑宣告の書類を見つけてしまう。しかし、カネキとの未来を選択した彼女はそのことには触れずカネキに子供ができたことを伝え、彼から結婚を申し込まれて受諾する。
CCGの24区襲撃時は地下におり、腹の中の子を庇いつつ鈴屋、阿原と交戦。逃走先で大量の捜査官に阻まれるも竜の発現に乗じて難を逃れる。変わり果てた金木の姿に悲嘆するが、喰種、CCG双方の協力を得て金木の身体を探索。六月、安浦の襲撃を受けるも瓜江らに助けられ、彼らと共に金木の救出に成功する。金木が竜の体内に調査へ向かった際は毒を受けた才子と共に彼の帰還を待ち受けた。
竜戦後、第一子の一花を産む。また最終話時点で第二子も妊娠している。
芳村 功善(よしむら くぜん)
声 - 菅生隆之楠大典(功善時代) / 演(舞) - 加藤忠可 / 演(映) - 村井國夫
あんていくの店長である初老の男性喰種。温厚で物腰の柔らかな人物だが、感情に流されずに判断を下せる大局観を兼ね備えている。
半喰種化して思い悩むカネキを人間と喰種の「二つの世界に居場所を持てる唯一人の存在」と励まし、自分たちをもっと知ってもらうためにあんていくの仲間として迎え入れる。カネキとリゼが遭遇した事故の真相を本人に隠すなどの窺い知れない一面を持つ。
SSSレートと同等の実力を有し、ほぼ完全にその能力をコントロールしている数少ない赫者である。加えてショットガンやブレード、ランス状と多彩に展開される羽赫を用いることで遠距離戦と近接格闘の双方において隙の無い戦闘を行うことが可能。
かつては「功善(くぜん)」という名で、孤独感に苛まれながらも実力を買われ「Ⅴ」専属の掃除屋として人間や同族すらも屠ってきた極めて強大な喰種であった。しかし正体を知りながらも自らと愛を育んだ人間の女性・憂那との出会いと死別を経て、人間と喰種の共存について考え始めている。
ちなみに現在の「あんていく」という店の名は、憂那と出会った喫茶店から取っている。この過去から隻眼の梟の正体が我が子であることを確信しており、11区アオギリ戦ではCCGから庇うために自らその姿を模し、隻眼の梟に成り代わっていた。しかし、篠原と黒磐のビデオ検証により10年前とアオギリ戦とではマスクの形や体躯が微妙に異なることから隻眼の梟とは別個体であることを看破される。
アキラをはじめ、この事情を知る一部の捜査官からは「(不殺の)梟」と区別されて呼称されている。カネキの警告以前にCCGがあんていく周辺を嗅ぎまわっていることを察していたようである。あんていく襲撃の際には他の従業員に対する追及を断つために古間、カヤらと共にCCGを迎え撃つ。赫者としての圧倒的な力で捜査官達を倒していくが、ジューゾーや特等捜査官らの連携攻撃を受け次第に疲弊。法寺の[赤舌]により致命傷を受け敗北するが、直後に現れた隻眼の梟によって嘉納の元へ連れ去られた。
その後はかつてのリゼと同じように赫包の培養器の中に入れられ、喰種捜査官を素体とした半喰種化施術のドナーにされる。
彼の赫包を元に生み出された半喰種はヨシムラベースと呼称されており、オークション掃討戦においてはその唯一の成功体「オウル」が投入され、多大な人的被害がもたらされた。
また、ヨシムラベースの失敗作フロッピーとして亜門鋼太郎が復活を遂げている。
『:re』において回想を除き芳村自身は未登場であるが、嘉納の発言から未だ赫包のドナーとして実験に利用されている模様。旧友であった鯱からは「死したも同然」と見做されている。
四方 蓮示(よも れんじ)
声 - 中村悠一 / 演(舞) - 吉田友一 / 演(映) - 柳俊太郎
大柄な体格に銀髪が特徴の男性喰種。7月9日生まれのかに座。血液型A型。羽赫。愛称は「ヨモ」。
トーカとアヤトの母親・ヒカリの実弟であり彼ら姉弟にとっては叔父に当たるが、そのことは芳村以外には一切秘している。
過去には店頭に出ていたが、現在は情報収集や自殺者の遺体集めといった任務を担当している。寡黙で無愛想だが誠実な人柄で、周囲からの信頼も厚い。トーカやカネキに格闘の手ほどきをするなど蹴り技を始め高い戦闘能力を持ち、作中トップクラスの強敵と何度も交戦しながら生き延びている。
ウタやイトリとは4区で暮らしていた頃からの知人であるが、ウタとはかつて4区を混乱に陥れるほどの敵対関係にあった。幼少期に姉を有馬に殺されており、ウタとその仲間とともに彼に復讐しようとするが返り討ちとなる。その際に芳村に助けられたことで行動を共にするようになった。カネキのことを親族以外では唯一「研」とファーストネームで呼ぶ。
嘉納のラボで突然現れ(実はこれは鯱の頼みを受けた芳村の命によるもの)、カネキに意味深長な言葉を残しリゼを連れ去る。その後カネキに隻眼の梟は芳村の子であることを示唆。あんていく襲撃時には、あんていくに向かおうとしたトーカを悟し、彼女と共に20区を脱出した。
『:re』ではトーカの兄を装いながら二人で喫茶店「:re」を営んでいる。無愛想な性格ゆえ客が来ても挨拶しないことをトーカに咎められている。あんていくのメンバーとは今も交流がある。ホリチエの頼みを受けてトーカと共にルナ・エクリプスビルまで向かい、その道中で拘束から逃げ出した観母とビル到着後に捜査官に駆逐されそうになっていた月山を救出する。アヤトとバンジョーらがヒナミ救出を目的にコクリア襲撃を敢行した際には、トーカと共にバンジョー一味に紛れ込み参戦。アヤトには正体を明かさず行動していたが、彼には看破されていた。有馬と遭遇し、トーカやアヤトと三人がかりで交戦するも圧倒され、トーカを庇って[ナルカミ]で首を切り裂かれて重傷を負う。二人を守るため、捨て身で放った雷撃状の赫子で有馬の[ナルカミ]を損傷させるも、返し刀で放たれた[ナルカミ]の雷撃にピンチになるが乱入したカネキにより助けられた。カネキが有馬の足止めを行う間にトーカらと共にコクリアを脱出するも、安浦や田中丸ら率いる捜査官達の妨害を受ける。彼らと交戦し、至近距離から田中丸の[ハイアーマインド]の直撃を喰らい、再び窮地に陥るが、0番隊の介入によりカネキに救出された。コクリアからの脱出後、有馬の真実を聞かされてもなお恨みを捨てることができずにいたが、平子との対話で「金木研」を信じることを落とし所とした。CCGによる黒山羊襲撃の際は、既にクインクス班でも突出した実力者となっていた六月と晋三平を返り討ちにしメンバーの逃走を助けた。
竜の発現に際し地下の崩落に巻き込まれそうになったところをイトリとウタに救出される。目を覚ましCCGと喰種の共同戦線を妨害するウタを止めに向かい、彼と交戦する。
西尾 錦(にしお にしき)
声 - 浅沼晋太郎阿久津秀寿(子供時代) / 演(舞) - 鈴木勝吾 / 演(映) - 白石隼也
眼鏡をかけた茶髪の青年。上井大学薬学部薬学科二年生。2月4日生まれのみずがめ座。血液型O型。尾赫。愛称は「ニシキ」。カネキの大学の先輩。
神経質で攻撃的な性格をしており、口の悪さが目立つが、本来は情に厚い。親代わりの姉が人間の恋人に裏切られて駆逐された経験から他人を信用しておらず、徹底的な個人主義を貫いていた。
物語初期は、喰場に偶然居合わせたカネキをテリトリー荒らしと誤解し、報復でヒデを捕食しようとするが返り討ちにされて姿を隠す。後に再会した際、負傷のために14区で喰種の集団に共食いの餌食になりかけていたところをカネキに救われる。月山に拉致された恋人の貴未をカネキたちの協力のもとに救出し、以降はカネキの善意を受け入れ和解する。喰種である自分を受け入れてくれた貴未へのけじめから人を殺さずに食物を得る生き方を選び、あんていくに勤務することになった。以降、口は悪いがカネキとトーカに対し気遣いを見せる。あんていく襲撃時には、芳村らの救援に向かうカネキと言葉を交わし、月山とともに見送った。討伐戦終結後は貴未と決別し、憔悴する月山にも声をかけている。
『:re』では、西尾錦としての身分を捨て生活する一方で、嘉納を探すためにアオギリ狩りを行っていた。かなりの激戦を繰り返してきたのか、喰種としても相当の実力を付けており、前作よりも赫子は巨大化し、相性の悪いシラズの羽赫の射撃を物ともせず、トルソーを追って遭遇したハイセの赫子に破壊されても即座に再生するなど、戦闘能力、耐久力共に格段に上昇している。蛇を模したマスクを被っていることからCCGからは「オロチ」と呼ばれ、単騎で准特等捜査官率いるチームを返り討ちにしたことからS〜レートに認定されている。
流島上陸作戦に乗じて嘉納のラボに潜入。ロマと死堪、嘉納式Qsに阻まれ、劣勢に立たされるも、居合わせたクロがニシキ側に付いた事で形勢逆転し、死堪を撃退。目的であった嘉納の拉致には失敗するものの、ロマを捕獲した上でクロと共に流島からの脱出を果たした。その後黒山羊の一員としてピエロ撃退や大規模遠征に動向。また、竜戦に際し喰種とCCGの協力が決まった際には、喰種に精通する医師として大きく成長した貴未と再会している。Vらの襲撃に応戦し、再び死ぬこととなったかつての同胞を前に涙を流した。
竜戦後は、新体制の中で、貴未と共に喰種でも食べることが出来る食物の開発に勤しんでいる。
笛口 雛実(ふえぐち ひなみ)
声 - 諸星すみれ / 演(映) - 桜田ひより
あんていくを度々訪れる少女。5月21日生まれのふたご座。登場時14歳。血液型AB型。甲赫および鱗赫。愛称は「ヒナミ」。登場以前に父親を殺されており[注 8]、母親と共にあんていくから食料を受け取る生活をしていた。学校には通っていないため文字の読み書きなどはカネキに教えてもらっている。真戸に母親を殺されてからは一時あんていくに身を隠し、ほとぼりが冷めてからはトーカの家で暮らしていた。11区でのアオギリの騒乱後はカネキについていくことを選び、彼や万丈らと行動を共にしている。両親を共に喰種捜査官に殺害されたが、憎しみよりも寂しさを強く感じる心優しい性格。故に本来戦いには向かないが、真戸との戦闘では両親の赫子の優れた部分を受け継いだ「二種持ち」の喰種としての力を見せた。腕力や身体能力は突出していないが五感が鋭く、特に聴覚と嗅覚に優れる。アオギリの騒乱ではカネキの居場所を聞き当て、カネキと行動を共にしてからは敵の進行方向や速度を把握、指示を出して敵を囲い込む参謀役に就くこともある。
『:re』ではアオギリの樹の一員として行動しており、非常に大人びた雰囲気を持つ女性に成長した。アオギリ内では「ヨツメ」と呼ばれており、ずば抜けた知覚能力を活かしてトルソーから回収した音声媒体を複数同時に解析し、度々情報収集を行っている。同様の理由から直接的な戦闘よりも部隊の指揮役を務めることが多い。
オークション掃討戦では構成員を統率しながらCCGの動向を把握し、戦況不利と判断してアヤトやミザらに撤退を指示。自身も脱出の手筈を整えていたが、タキザワに蹂躙されるハイセの悲鳴を聞いて彼が記憶を失ったカネキであると確信し、ハイセを救うために任務を放棄してタキザワと対峙した。アヤトらの援護に回るよう指示するも拒まれ、鱗赫の赫子を用いた総攻撃で一度追い詰めたが、タキザワが半赫者の力を解放し暴走状態となったことで形勢は逆転。赫子を破壊され、窮地に陥るもハイセの介入と奮戦により救われその決着を見届ける。掃討戦終盤、有馬と遭遇したことで死を覚悟するも、ハイセが「彼女を追い詰めたのは自分である」として所有権を主張したことにより討伐を免れ、コクリアに収監される。収監後もハイセと交流を持ち、捜査に対しても協力的な姿勢を見せていたが、月山家殲滅戦のカネキの意識の表層化に伴い疎遠になってしまったと目された。CCGとしても彼女から目ぼしい情報を得られなくなったため、廃棄処分が決定。廃棄を待つ日々を送っていたが、再び行われたコクリア破りにおいて、カネキにより独房から解放され、旧多を撃退しエトの助力を経てアヤトやヨモ、トーカらと共に脱出。
流島から救出されたアキラは互いに仇のような関係であったが和解。その後24区襲撃を受けた際は子供らとトーカを守りハジメと交戦。逃げた先でS3班を蹂躙するも鈴屋と阿原の連携の前に重症を負う。力を振り絞り、防御を捨てた攻撃中心の赫子で応戦するものの力及ばず、追い詰められトーカへの憧れ、カネキへの想いを回想する。間一髪カネキの赫子が間に合い死を免れ、その場を離れる。竜戦ではカネキの帰還を切に願い、梟を操るピエロの居場所を感知するなど貢献した。
竜戦後は、新体制の中、アヤトと共に家庭を持った姉や姪に会いに行っていた。
古間 円児(こま えんじ)
声 - 勝杏里 / 演(映) - 浜野謙太
あんていくの男性従業員。尾赫。気さくな性格で、コーヒーの淹れ方においてはカネキの師匠格である
度々自身が元「魔猿」と呼ばれたワルだったと言っているが、芳村とカヤ以外の従業員からは適当に聞き流されていた。しかし、実際に自身の言う通り、揃いの猿面を付けた「猿」という喰種集団のリーダー「魔猿(まえん)」として各区の優秀な捜査官を殺しまわっていたSSレートの喰種という過去をもつ。特等捜査官とも互角に戦うことができる強力な喰種。 あんていくが襲撃された際には、人と触れあう中で自らが犯した罪を償う為、嘗ての「猿」の仲間たちとともに捜査官たちを次々と倒していく。しかし田中丸に重傷を負い殺されかけるもカネキにより救出され、そのままルートV14へと退避するも、有馬率いる0番隊の襲撃に遭う。(『JAIL』においてはカヤと共に梟討伐作戦で死亡するエンドが存在する)。
第二部『:re』では再び店員としてカヤ、トーカやヨモ達と共におり、流島でもカヤと共に彼とおぼしき人物が宇井らと交戦している。その後24区襲撃時、連絡隊として入見らとともに待機していたところ何者かにに襲われたらしい描写があり生死不明となっていたが、嘉納による自立式人型クインケ「シュピールドーゼ」(別名「オルゴール」)として稼働していたことが明らかとなり、同じくオルゴールと化した「猿」を率い、カヤと共にCCG、黒山羊の共同戦線を襲撃する。

竜戦の中でVらと共に倒され四方に最後に詫びの言葉を残し完全に死亡する。

第一部のアオギリ襲撃と第二部でのCCG突入の際、戦うメンバー選定の時に「(自分)魔猿はどうします?」「魔猿には留守を頼む」 「承知!」というやり取りがパターンとして使われている。(アオギリ襲撃時は芳村との間で。CCGの時はカネキとの間でこのやり取りが交わされた。)
入見 カヤ(いりみ カヤ)
声 - 大浦冬華 / 演(映) - 佐々木希
あんていくの女性従業員。羽赫。優れた探索能力を備えており、遠隔地の建物内の様子も足音や律動、内部の反響などを聞き分けて正確に把握する。近接戦闘においても応用が利き、敵の行動を察知することで攻撃の回避に役立てることもできる。
かつては、 「ブラックドーベル」という喰種集団の首領で「黒狗(くろいぬ)」と呼ばれており、鉢川の上司や同期を殺害したことから彼の怨みを買った。特等捜査官とも互角に戦うことができる強力なSSレートの喰種。あんていく襲撃時には、自らが犯した罪を償う為、嘗ての「黒狗」時代の仲間たちとともに捜査官たちを次々と倒していく。因縁の相手である鉢川率いる第三隊と交戦、戦闘中に逃げ遅れた老婆を庇って負傷。温存していた羽赫を用いて奮戦するも、平子らの連携に追い詰められ、敗北。鉢川により駆逐されかけたがカネキにより救出され、カネキとルートV14での合流を約束し別れる。ルートV14の状況からカネキには有馬に駆逐されて死亡。ところが喫茶「:re」にて再び姿を見せ、部下の奮戦によりルートV14から離脱し、遅れて到着したカネキが有馬との死闘を経て捕獲されている間に20区からの脱出に成功、生存していたと説明した[注 9]
『:re』では「:re」の店員としてトーカやヨモ達と共に生活していた。流島上陸作戦では「20区の亡霊」の一人として参戦。倉元や郡、富良らと死闘を繰り広げた後、アオギリ残党と共に脱出する。24区襲撃時には「黒山羊」の食料班と待機者の連絡隊として23区と郊外の狭間で古間らとともに待機していたところ何者かに襲われたらしい描写があり生死不明となっていたが、竜戦にてブラックドーベルを率い古間と共にCCGと黒山羊を襲撃。嘉納の手により自律式人型クインケに改造されており、竜戦の中で芥子やVらと共に倒され、今度こそ完全に、心安らかに死亡した。
月山財閥(月山家)
月山家の関係者
月山 習(つきやま しゅう)
声 - 宮野真守、山崎智史(少年) / 演(舞台)- 佐々木喜英 / 演(映画) - 松田翔太
20区に暮らす青年。月山財閥の御曹司で、晴南学院大学人間科学部社会福祉学科四年生。3月3日生まれのうお座。血液型A型。甲赫。捕食対象の特定部位を選り好みするなど食事に対する強いこだわりを持っており、CCGからはSレートの喰種「美食家(グルメ)」と呼ばれている。
性格は当初喰種としての性質や、財閥の御曹司という社会的地位の高さから非常に利己的な部分が強く、「美食家」の名の通り、自らが美味を味わうためならどのような行動も厭わない性格であった。また、ナルシストの一面もあり、普段は気取った言い回しをしているが、感情的な部分も強く、感情が昂ると激情に任せて行動することが多い。しかし、認めた相手には敬意を払っており、身内である月山家の者たちには親愛を向けている。その独特な性格と行動に惹かれる者も多い。
その実力は他の喰種や捜査官にも一目置かれており、ゆえに駆逐対象として捜査官を20区に引き寄せてしまうため、トーカからは「20区の厄介モン」と称されている。リゼとは旧知の仲であったが、食に関するこだわりの行き違いから決別した。喰種のレストランの会員でもありレストランでは「MM」と呼ばれている。赫子は右肩甲骨から発現、右腕を螺旋状に覆うように展開し、剣に似た形状に変形する。愛用のマスクは三日月を模している。ファッションなどのコーディネートも好み、カネキに初対面でモデルと思わせた端正な美形である。言葉の端々にフランス語英語を混ぜることが多い。小説版では政財界に多大な影響を及ぼす由緒ある名家の子息であることが明かされており、眉目秀麗な財閥の御曹司として女子達の人気を集めていた。喰種でありながら人の匂いを色濃く醸しているカネキに興味を示し、彼を騙して喰種レストランで会員たちと共に喰らおうとしたが、彼が「隻眼の喰種」である事を知ると独占するために解体屋のタロちゃんを身代わりにし、カネキを助け出す。その後、貴未を人質に取りカネキを捕食しようとしたが本人とトーカ、ニシキを相手に戦う羽目になり、トーカに右腕を切断され敗北。致命傷を負ったものの、自らの血肉を喰らうことで辛うじて生存した。カネキがアオギリに拉致された際には、下心を持ちながらも芳村との利害の一致により協力関係を結び、11区のアオギリのアジトに潜入する。カネキ救出後、カネキやバンジョー一味と共に反アオギリを結成。自分を「主(カネキ)の剣」と称し、月山家の財力や後述の掘ちえからの情報で積極的にカネキをサポートする。誘拐事件を起こした経緯やカネキの救出を優先させるあまりに意見の別れたイチミらを殺そうとしたことからヒナミ以外の反アオギリメンバーからは長らく信用されていなかったが、後にあんていくに戻ることを決意したカネキには仲間として認められており、自身もまたカネキを単なる「食材」ではなく本当の意味で仲間・友人として大切に思うようになっていた。梟討伐戦におけるあんていく襲撃時には芳村らを助けに行こうとするカネキを赫子を用いて全力で止めようとするも、かつてとは比べ物にならない程に力を付けたカネキには敵わず敗北。行かないように懇願したがカネキからは謝罪と止めに来てくれたことへの感謝の言葉をかけられ、号泣しながら見送った。
『:re』ではカネキの死のショックで精神を病み、床に伏し人間および喰種双方に対する無差別かつ大量の悪食を繰り返していた。彼の食事を用意するため月山家は人間の大量誘拐を実行し、CCGの本格的捜査の的となった。血族間での近親婚を行ってきた家系から、生来Rc細胞の干渉を受けやすい体質である為、同種喰らいによって赫子は強化されたものの制御出来なくなり、錯乱状態に陥ることも多々あった。また、同様の理由から月山家で赫者になった者はいないとされる。しかしカナエや掘ちえの尽力によりカネキの生存を知り症状は劇的に回復。カネキの記憶を取り戻し、捕らわれた使用人ユウマを救出するために奮走、ハイセとの接触を図る。月山家駆逐作戦では事前に屋敷から逃がされてルナ・エクリプス屋上に逃亡した先でハイセと遭遇。父、観母や松前ら使用人が自分を生かすため自らを犠牲に立ち向かっていく姿に同じようにあんていくの仲間を守ろうとした芳村たちと、彼らを救おうとしたカネキの姿を思い出し、彼らの気持ちを理解する。新たな当主としての覚悟からハイセの投降の提案を一蹴し、対決。一時は圧倒していたものの、記憶を断片的に取り戻したハイセによって攻撃のパターンを読まれ敗北。救出に来たカナエ共々覚醒したカネキには勝てず、乱入してきたエトの撃退後には駆逐すると称して屋上から投げ飛ばされるも(これはCCGの目をごまかしつつ月山を逃がすためのカネキの危険な策であった)、カナエの命を賭した行動により死を免れた。満身創痍の状態で捜査官に見つかり駆逐されそうになるが、突如現れたヨモ・トーカによって救助され、観母との再会を果たす。これ以降月山家当主としての自覚が芽生え、自らの快楽のためにのみ行動する一面が影を潜めていった。流島上陸作戦でカヤらと共に「20区の亡霊」の一人として参戦。倉元や郡、富良らと死闘を繰り広げた後、ナキらアオギリ残党と共に脱出した。
カネキが帰還し「黒山羊」を組織して以降はカネキを王として仰ぎ、彼の右腕、剣として忠節を尽くした。カネキが旧多の策略により竜とされてしまったときには、自分が止めていればと激しく後悔し、イトリの煽りによりカネキが喰種の復讐のために戦ってくれていると黒山羊配下の喰種たちが騒ぎ立てた際には怒声をもってそれを否定。カネキがどれほど人間と自分たち喰種を想っていたかを語り、彼の幸せをひたすらに願うなど、本当の意味でカネキの仲間として彼の未来を守ろうとした。竜戦から6年後には月山家当主と同時にカネキに代わり黒山羊の後継組織である「共同戦線」代表の座についた。カネキとトーカの娘である一花を自分の娘同然に溺愛している。
月山 観母(つきやま みるも)
声 - 宮本充
『:re』から登場。月山 習の父親。甲赫。息子を溺愛しており、「習くん」と呼んでいる。息子を案じ、食材を求めて単独で人間オークションに参加した。周囲から「クロックムッシュ」と呼ばれており、派手なスーツが特徴。ビッグマダムに並ぶ富豪喰種の一人。月山家駆逐作戦では月山を松前に託して自身はCCGに投降した。その後、拘束された車にて月山を救うためのヘリが墜落したことを知り、彼の元へ駆けつけるために自らの赫子によって車を両断、偶然遭遇したヨモ・トーカによって習との再会を果たす。
流島上陸作戦のときはホリチエと共に流島の「表側でない」埠頭で待機し、月山やカヤ、ニシキ、クロナ、アオギリ残党などを出迎えた。
黒山羊では表向きの行動は行っていなかったものの、竜戦にてカネキを救うため習からの要請により、旧知の仲であった総理大臣とのコネクションを利用し、カネキ救出に貢献した。
竜戦から6年後には当主の座を習に譲り、イチミ三兄弟と共に「共同戦線」の現場にて活動している。
彼の赫子は月山と同様に腕に纏うようにして発現するが、各部がより尖った形状をしており、より巨大化している。実力も高く、松前を手合わせで圧倒している。
松前(まつまえ)
声 - 中村千絵
本編では『:re』から登場。月山家の使用人の一人である黒目がちの女性の喰種。甲赫。赫子は剣と盾のような形状を持ち、攻防一体の戦闘を可能とする。分離赫子の使い手であり、赫子の防護壁で攻撃を阻み逃走の時間稼ぎとする、逆に壁の隙間から味方の赫子の攻撃を通して連携攻撃の礎とするなど優れた汎用性を持つ。赫子の熟練度や月山家の使用人達から「室長」と呼ばれ信頼されていることから、かなりの実力者である模様。月山の身を案じ、ユウマらを引き連れ「収穫」に赴くが、それは捜査官である旧多を囮とした罠であり、待ち構えていたハイルやキジマを始めとするS1班メンバーに包囲され、敗走。 月山家殲滅戦では、観母から月山の身を託され、ルナ・エクリプスビル屋上付近にてハイル率いる先行隊と対峙。月山を弟のように愛していると回想し、彼が逃走する時間を稼ぐ為ハイルと激戦を繰り広げる。想いの強さが勝敗を分け、彼女に深手を負わせ、マイロの奮戦と最期の攻撃によりキジマを殺害。ユウマやアリザ、マイロの復仇を果たすも旧多の奇襲を受け、駆逐された。
本編以前にも小説作品に登場しており、教諭として高校に潜入。学生時代の月山をサポートしていた。
カナエ=フォン・ロゼヴァルト
声 - 小林ゆう
『:re』から登場した月山家の使用人。登場時18歳。4月23日生まれのおうし座。血液型B型。愛称は「叶(カナエ)」。鱗赫。
ロゼヴァルト家唯一の生き残りであり、月山家先代の孫でもあったことから観母の一存で使用人として引き取られた過去がある。日本語が堪能であるがドイツ語を織り交ぜた発言をすることが多い。月山に心酔しており、カネキの死により精神を病んだ月山のために、カネキと同一人物と睨むハイセの私物を掘を介して集めていた。カナエ自身はハイセ及びカネキを月山の心を惑わせる者とし憎しみに近い感情を抱いている。憔悴し続ける月山の身を案じ、良質な食材を手に入れるべく人間オークションに参加。CCG突入の混乱に乗じて囮として出品されていたトオルを捕縛するが、同じくトオルを狙うトルソーに襲撃される。しかしすぐに逆襲し彼を一方的に痛めつけ、再びトオルを追跡。再度捕獲を試みるがハイセとウリエ、シラズの連携に敗れ、松前の救援を受けて戦線を離脱する。掃討戦終結後は観母、松前とともにオークション会場を脱出した。その後は月山の症状を回復させるためにホリチエの手を借りつつ尽力。月山とハイセが話す時間を作るためにアオギリの樹にクインクス襲撃を依頼し、自らもウリエ、シラズと交戦。シラズの赫子を封じるも半年間の鍛錬で急成長を遂げたウリエに圧倒されて負傷、敗走する。エトに目をつけられ、洗脳とともに彼女の赫子を埋め込まれしばらく行方をくらますも月山家殲滅戦にて姿を現し、[注 10]ルナ・エクリプスビルで遭遇した下口班を全滅させた後に屋上へ到達。月山と交戦していたハイセを襲撃する。強化を施された後は飛躍的に能力が上昇。特に再生能力はずば抜けて高くなっており、ハイセの反撃で頭部を吹き飛ばされた際には傷口から無数の赫子を発生させ、瞬時に回復している。覚醒したハイセに対してはその向上した身体能力や再生能力を以ってしても敵わずに敗北。乱入したエトをハイセが撃退した後、彼によって屋上から投げ飛ばされ落とされた月山を救わんと自らも飛び降りる。最期の力で赫子を発現、月山に想いを受け止められ、自分らしく死ねることを幸福に想いながら、彼を上空に投げ上げて身代わりとなる形で自身は地面に激突し、死亡。
実は「カレン=フォン・ロゼヴァルト」という名の男装の女性。家族構成は父と母であるエマ、兄のナタナエル、アルノルトで彼らのイニシャルを取ってカナエとしている。 10年前、和修政も属していたCCGドイツ支部の捜査官達による屋敷への襲撃で父や母、そして逃亡中に兄達が死亡し、自力で総本家である月山家に辿りつく。そして後継ぎとして父の一族復興の願いを叶えるべく兄達の代わりになろうと性を偽り男として振る舞うようになった。しかし固い決意とは裏腹に女性として月山を愛し、衰弱して眠る彼と過ごすにつれて歪んだ独占欲を抱くようになる。その為、表では主の為に尽力してはいたが本心では回復を望んでいなかった旨をエトに指摘されている。松前曰くカナエが女性であることは月山以外周知していたそうだが、月山もその事実や彼女の本名を知悉しており、その上でカナエに対して男性として接していた。なお、叶という字は横に倒すと女性の記号♀️となる。
マイロ
声 - 田所陽向
本編では『:re』から登場。月山家の執事。甲赫。月山家殲滅戦では、ルナ・エクリプスビル屋上付近にて松前と共にハイルら先行隊と交戦。松前を庇い、ハイルの[T-human]の電撃を食らって半身を失いながらも彼女に特攻を仕掛け死亡せしめ、その後も最期の力でキジマに対して不意討ちで負傷させる活躍を見せた。彼の最期の攻撃は松前の反撃の礎となり、アリザやユウマの復仇を果たすのに一役買う形となった。
ユウマ
声 -
本編では『:re』から登場。月山家の使用人。ハイルらS1班メンバーと交戦し、松前を庇いキジマにより捕獲される。キジマからは高い忠誠心を看破され、尋問は無意味と判断した彼により自身が拷問にかけられる様を撮影され、他の「ロゼ」構成員を炙り出す囮にされる。アリザとは恋仲であった模様で、彼女はユウマを救おうとキジマを襲撃するも、実際は動画公開直後に殺害されていた。
アリザ
声 - 宮原永海
本編では『:re』から登場。月山家のメイド。ユウマとは恋仲であった模様で、彼が「収穫」に赴き帰って来なかった際は激しく取り乱していた。更に彼がキジマによって捕らえられ拷問にかけられる動画が公開されたことから独断で行動し、ネット上の目撃情報を元にキジマを襲撃。しかし、その行動を予期していたキジマに捕縛され、尋問の末「ロゼ」の正体が月山家であることを露呈してしまう。その後は[ロッテンフォロウ]で首を刎ねられ殺害され、彼女からの情報で月山家殲滅戦が決行されることとなる。
月山グループの関係者
浅田 二郎(あさだ じろう)
声 - ボルケーノ太田
「アサダ貨物」の代表。月山家殲滅戦で駆逐された模様。
ティコ・ヨハネス
声 - 五味洸一
「ジュエリー・ティコ」の代表。ヨハネス家は月山家の分家である為、彼も月山の遠縁である可能性が高い。月山家殲滅戦で生き残った数少ない関係者であり、流島上陸作戦終了後に月山からその名が語られた。月山グループの直下でなかったことから彼の経営する工房もCCGの目を逃れて稼働しており、後に月山の命を受け、黒山羊に白スーツを提供した。
呉井(くれい)
声 -
ルナ・エクリプスビル所有企業であるアポログループ「アポロTEC」の代表。月山家殲滅戦でキジマに駆逐される。
バンジョー一味

11区がアオギリに制圧されてからはアオギリの配下にされていたが、アオギリの騒乱以後生存者は反アオギリ側に回った模様。

万丈 数壱(ばんじょう かずいち)
声 - 伊藤健太郎
反アオギリのリーダーを務める元11区の喰種。10月11日生まれのてんびん座。血液型AB型。羽赫。愛称は「バンジョー」。
屈強な体格をしているが、部下曰く「頑丈さだけが取り柄」で、戦闘能力自体は極めて低く、当初は赫子を出すことすら出来なかった。赫子は攻撃には使用出来ないものの、自身や他者の肉体回復に特化しており、アヤトやアキラの治療も行っている。
リゼの招いた混乱によって崩壊状態にあった11区の喰種社会を糾合するが、侵略してきたアオギリの樹に制圧される。11区の元リーダーとして不器用ながらも仲間想いで責任感のある性格からカネキや反アオギリのメンバーから慕われ、自分の弱さを嘆いている。大半の仲間を亡くしながらもアオギリから脱出した後、助けられた恩からカネキの行動に協力する。嘉納を追い詰める際、エトに肋骨をくり貫かれ瀕死に陥ったが、それがきっかけで羽赫の赫子を出せるようになり、その後、暴走したカネキに腹を貫かれた際も赫子による肉体修復が行われている。 自分の名前しか書けなかったが、カネキに文字の読み書きを教えてもらっている。また、リゼの自由奔放な性格に惹かれ、彼女に想いを寄せていた。
『:re』では鯱に代わる6区のリーダーとして活動を行っており、部下が増えている模様。アヤトにヒナミ救出を目的としたコクリア襲撃を提案され、彼女の為にこれを受け入れる。コクリア破りの際にはアヤトと共に多数の部下を率いて参戦し、部下の大半を失いながらもアヤトやヒナミ達と共にコクリアからの脱出を果たす。カネキと再会後は黒山羊のメンバーとして再びカネキを支えた。竜戦では赫子による肉体修復能力を使い、錦や月山たちをサポートした。
竜戦から6年後には黒山羊の後継組織「共同戦線」の副代表に就いた。また、ジロと結婚している。
イチミ、ジロ、サンテ
声 - 宮崎秋人(イチミ)、上田麗奈(ジロ)、 荒井聡太(サンテ)
バンジョーの取り巻き。ジロのみ女性。全員常にガスマスクをつけている。連携を生かした波状攻撃を得意とする。アオギリからの脱出に失敗した後、バンジョーらと共に囚われていたが、カネキに助けられた。その後は助けられた恩からカネキの行動に協力する。マスクを外している場面もあるが、素顔が良くわからないように描写される。
『:re』では万丈とは長く別行動を取っていて、カネキが竜とされてから万丈たちと合流し、強力。6年後も「共同戦線」にて変わらず万丈を支えており、ジロは万丈の妻となった。
ウス
反アオギリのメンバー。アオギリからの脱出に失敗した後、バンジョーらと共に囚われていたが、カネキに助けられた。
モク、テツ
反アオギリのメンバー。アオギリからの脱出に失敗した直後、ヤモリに惨殺された。
コウト
反アオギリのメンバー。母親を守るために反アオギリに所属している。アオギリからの脱出に失敗した後、拷問を受けていたカネキの目の前でヤモリに扼殺された。
ケイ
反アオギリのメンバー。コウトの母親。アオギリからの脱出に失敗した後、拷問を受けていたカネキの目の前でヤモリに殺された。
シュウ、ハル
声 - 青山耕平(シュウ)、小堀友里絵(ハル)
アニメ版にのみ登場。バンジョーの部下。原作におけるコウト及びケイに相当する。カネキ救出のために動いていたが、ヤモリに捕らえられ、カネキにどちらを殺すか選択させるという拷問に利用される。シュウはハルを助けるためカネキに自分を選ぶよう懇願するが、カネキがどちらも選べなかった結果、ヤモリにハルは扼殺され、シュウは赫子で刺殺された。恋人同士だった模様。
元アオギリの樹
霧嶋 絢都(きりしま あやと)
声 - 梶裕貴高垣彩陽(子供時代)、榎吉麻弥(子供時代、re)
アオギリの幹部。トーカの弟。7月4日生まれのかに座。血液型O型。羽赫。愛称は「アヤト」。姉とよく似た美形と評されている。孤児になる原因になった事件の経験から人間を嫌い、力を遵奉するようになる。極めて粗暴かつ陰険な性格をした激情家だが、拉致したカネキに忠告を与えたり、戦闘でさりげなく姉を庇うなど、本来の優しさを垣間見せる。トーカと共に生活していたが、人間との関わり方への相違から決別。都内各地で暴れ回っていた時にタタラと出会い、アオギリの樹に参加。万丈らを従える。数年後あんていく襲撃時にトーカと再会した際には姉弟関係は敵対に至るまで悪化した。しかし、心の隅では彼女に愛情を抱いており、トーカを守るために行動していた。それをカネキに見抜かれていた。11区アオギリ戦でもトーカと交戦。彼女の赫子を喰らって死なない程度に戦闘不能に追いやったが、カネキの介入で阻まれ、全身の骨の半分を折られて文字通りの「半殺し」にされた。カネキにやられた傷が癒えた後もアオギリの樹で活動しており、「黒ラビット」として各地で捜査官狩りを行い、ラビットとしてトーカに成り代わることで彼女に及ぶの捜査の手を自身に集めることに成功した。
羽赫特有の遠距離攻撃を中心に攻め立てる、羽根状の赫子を盾にしながら飛びかかり、そのまま赫子を開いて敵を切り裂くなど多様な攻撃方法を持つが、本人いわく最も得意なのは近接戦である。
『√A』では、主人公のカネキがアオギリに加入したため、原作よりも出番が多く、コクリア襲撃や梟討伐作戦にも登場している。カネキと共に行動する場面が多く見られるが関係は良好とは言い難い。コクリア襲撃の際、篠原と交戦し、父親の赫包から造り出されたクインケ[アラタ]を目撃する。戦いの末に敗北するも、[アラタ]に拳を当て悲痛な表情を浮かべていた。その後、隻眼の梟によってカネキと共に回収される。
『:re』では過去のトーカによる捜査官殺しもCCGではラビット=黒ラビット=アヤトによる犯行とされており、呼称は「ラビット」で統一され、SSレートに認定されている。年齢を重ね鯱の影響も受け、アオギリ内では古参メンバーとして中間管理職的な役割を担うようになった結果、前作の粗暴さは鳴りを潜め、落ち着いた性格となり、かなり身長も伸び、タタラに迫るほどになっている。アオギリではヒナミと共に行動しており、独自にハイセの情報も集めている。SSレートの評価に違わず戦闘のバリエーションは増え、芳村と同様にブレード状に展開した赫子を用いた接近戦にも長けている。トルソーの自宅を捜索していた下口班を襲撃、ほぼ全員を殉職させ同班を壊滅させた。オークション掃討戦ではマダムの警護を担当していたが、囮として潜入していたジューゾーと対峙。潜入任務のために装備が整っていなかったジューゾーを退け、マダムの護衛に戻ろうとするが、窮地に陥っていたナキを見捨てることが出来ず、彼の救援に向かった。 その結果マダムは討伐され、オークション護衛任務は失敗。施設内に取り残されたヒナミの救出に向かおうとするが、圧倒的不利な状況下でのその判断の無謀さをナキに諌められ、撤退する。彼女がコクリアに収監された後もタタラに対して幾度もヒナミ救出を進言している模様だが、彼からは相手にされず、その非常な態度から組織に対する反発を強めていた。月山家殲滅戦後はコクリア襲撃とヒナミ救出の協力をバンジョーに持ちかける。コクリア防衛戦ではカネキと時を同じくしてコクリア破りを敢行、バンジョーの呼びかけで参加していたトーカ、ヨモと合流し有馬と対峙するが劣勢に追い込まれたところをカネキに救われる。ヒナミと再会し脱出を図るが、立ちはだかった安浦清子のクインケ[是毘図]の直撃を受け戦闘不能に陥ってしまい、バンジョーの治療を受ける。その後は0番隊とカネキの助力によって無事コクリアから脱出している。
黒山羊傘下に入ってからは真戸暁の治療のため、カネキ、クロ、滝澤とCCGに潜入しRc抑制剤を奪取。その後は単独で24区の地下に行き、喰種たちの状況の調査を行う。そこで出会った喰種の子供たちから、竜の情報を得る[8]。黒山羊とCCGの協力により、竜による毒の調査と根絶のため、カネキと共に調査班として竜の内部に潜入。途中襲い掛かってきた落とし児たちを抑えるため、カネキを単独で向かわせた。カネキとは今まで良好な関係とは言えなかったものの、コクリア破りから協力し続け、この時点で彼を義兄として認めた。竜の崩壊後、竜の体液に流されていたカネキを連れ出し帰還する。
6年後には「共同戦線」の活動に従事し、保安官と協力して、高い統率力によって竜遺児たちの掃討を行う。ヒナミとは郊外への買い物に付き合っており、よく共に行動している模様。姪の一花のことを可愛がっている。
ナキ
声 - 下野紘
元13区の喰種。1月28日生まれのみずがめ座。血液型B型。甲赫。23区の喰種収容所に収容されていたSレートの喰種で、アオギリの樹の収容所襲撃の際に脱走した。脱走後はアオギリの樹のメンバーとして嘉納を探しつつ、ヤモリの仇敵にあたるカネキを討つことを目的にする。涙脆い性格でヤモリを「神兄貴」と呼んで慕っており、喰種収容所に収容されていた理由も彼を庇ったためである。高い実力を持つ反面で知性が非常に乏しく、日常的に用いる慣用句さえ間違えて覚えているものが多い(ナキの発言のみ、簡単な熟語でも平仮名で表記される)ため、嘉納からは「教育機会が欠落しがちな"喰種"という種の典型的な一例」と称されている。しかし、仲間が危機に晒された際は身を挺して守ろうとする真っ直ぐな信念の持ち主でもあり、死んでいった仲間の名前を一つとして忘れず夜通し彼らを悼み泣く姿は部下やミザの好感を呼び、月山でさえ一目置くほど部下からは信頼されている。黒山羊への加入後は努力が実ったのか、以前に比べるとかなり高度な単語を使いこなせるようになっている。
『√A』では、護送車でコクリアへ収容される前にカネキとアヤトの襲撃により脱走する。カネキをヤモリの仇と知らずに出会い、彼にヤモリの文字を教えてもらった事から彼を「良い奴」と認識している[注 11]。コクリア襲撃や梟討伐作戦にも部下を率いて参戦していた。第三話のEDでヤモリとの出会いが描かれており、かつて13区で暴れ回っていたが、噂を聞きつけたヤモリに完膚なきまでに叩のめされるも、彼の強さに惹かれて慕うようになったという経緯がある。
『:re』でもヤモリを慕うその姿勢は変わっておらず、度々言動にその片鱗を見せている。オークション掃討戦ではアキラと交戦するが、予想を上回る彼女のクインケ操術によって深手を負わされる。その後、多数の捜査官に包囲されるも、部下であるガギ、グゲが己の身体を盾としたことで攻撃を凌ぐ。彼らの最期とその他多くの部下の献身を目の当たりにしたことで我を忘れ、号泣しながら奮戦するも劣勢は変わらず、多数の部下を失ってしまう。自身も重傷が災いし窮地に陥ったが、駆けつけたアヤトの援護により態勢を立て直した。しかし、その後は護衛対象であったマダムの討伐や特等捜査官を含む別戦力の合流が重なってしまい、アオギリが敗色濃厚となった為、アヤトやミザらと撤退した。
月山殲滅戦において、Qs手術を研究すればガギグゲが(ある意味)生き返るという嘉納の言葉を受け、シラズを含む捜査官の遺体を乗せた移送車を襲撃。
CCGが行った流島上陸作戦では、宇井らと交戦。劣勢に追い込まれているところを月山らの援護を受ける。流島を脱出した後、カネキから黒山羊の誘いを受け、拒否し続けるが「強いヤツが上に立つ」という13区の流儀でカネキと交戦。彼に圧倒された後に「神兄貴」ヤモリの赫子がカネキに受け継がれている事を知り、協力することを認め、彼に白スーツの着用を許可し共にピエロを襲撃した。
黒山羊では武闘派の喰種の代表格として活躍し、カネキの指導により義務教育を終えたレベルの言葉を扱えるようになった。組織の代表格である月山ともよく話すようになる。旧多による黒山羊殲滅作戦にて、フレームアウトしたオッガイたちから仲間を守り、奮闘した結果自らもダメージを負い、長らく昏倒していた。竜戦にて操られたエトと芥子ら「V」と戦うCCGと黒山羊たちのもとに援軍として参戦。「共同戦線だ」の一言とともに白スーツ組を率い形成を逆転させ「V」を壊滅させた。ナキが月山や他勢力と共闘するときによく使う「共同戦線」という言葉が黒山羊のその後の名前として使われている。
6年後にはミザと結婚し、「草刈ナキ」となり、9人の子供を授かる。「共同戦線」の活動を行い、喰種の遺児たちの教育や、戦線への協力を志願する喰種たちの育成に努める。
井寺 承正(いでら しょうせい)
声 - 木内太郎
『:re』から登場。大柄な男性の喰種。A+レート。羽赫。ヤモリ一門。ヤモリ首領時代にナキの手で倒されたことをきっかけに加入。カナエに依頼されクインクス達を襲撃。ホオグロや部下と共にハイセと交戦するが、彼の圧倒的な力に圧され敗走する。
竜戦後は「共同戦線」の活動をし、人間の知識を吸収し、喰種たちの教育を行う。ナキに生涯の忠誠を尽くした。
ホオグロ
声 - 森嶋秀太
『:re』から登場。男性の喰種。A+レート。鱗赫。ヤモリ一門。承正加入後に承正と引き分けた後に加入した。カナエに依頼されクインクス達を襲撃。承正や部下と共にハイセと交戦するが、彼の圧倒的な力に圧され、敗走する。
竜戦後は「共同戦線」の活動を行う。「共同戦線」で出会った人間の女性に一目ぼれし、喰種式の婚姻の儀を経て妻とした。ナキに生涯を尽くした。承正と共にナキの子供の世話も行っている。
草刈 ミザ(くさかり みざ)
声 - 花守ゆみり
『:re』から登場。高い位置で髪をまとめた小柄な女性の喰種。11月4日生まれの31歳で、年下のナキからは「ババア」と言われることもある。Sレート。尾赫。三本に分かれた赫子の形状から捜査官からは「三枚刃」の呼称で呼ばれる。かつては瓶兄弟と縄張り争いをしており、18区で「刃」という集団を率いていた。オークション掃討戦ではアキラとの交戦で負傷したナキの援護に回ったが、自身もアキラに決定打を与えられず、劣勢を強いられる。ヒナミが任務を放棄しハイセの救援に向かった際には、彼女に代わり部隊を統率。マダムが討伐され護衛任務が失敗に終わった後は全滅を避ける為に分散して逃走するよう兵らに命を下し、自身もナキやアヤトと共に撤退する。独断専行しがちなナキの扱いには手を焼いているものの本心では一人として死んだ仲間を忘れない彼に好意を抱いており、なかなか伝えられずにいる。仲間想いな性格であり、ヒナミがコクリアに収監された際もその才能を評価し、彼女を救出せんとするアヤトの意見を支持する考えを示した。流島上陸作戦では鈴屋班によって部隊を蹂躙された上、先行追撃してきた半兵衛のクインケ[銀髑髏]により深手を負う。しかしながらその後のクロナの介入やナキの奮闘により止めから免れると白スーツや「20区の亡霊」と共闘し、流島から脱出。「黒山羊」の傘下につく。
カネキが竜と化した後、ヒデや亜門たちの仲介でCCGと協力。ヒナミと共に梟(エト)を操るピエロを感知し、「V」との闘いで前線に復帰したナキと共に敵を壊滅させた。
6年後は共同戦線の活動を行っている。ナキと結婚し9人の子供を授かる。子供はシロイ(長男)、ナギ(次男)・ナゲ(三男)=双子、ミレイ(長女)、マリン(次女)、ゼイ(四男)、ソンキ(五男)、ヤナギ(六男)、ワライ(三女)である。ヤナギとワライはまだ赤ん坊であるため、承正、ホオグロが面倒を見ることが多い。

「20区」の喰種

神代 利世(かみしろ りぜ)
声 - 花澤香菜 / 演(舞) - 浜田由梨 / 演(映) - 蒼井優[9]
本作のキーパーソンとなる女性。S〜レート。鱗赫。愛称は「リゼ」。カネキが喰種の世界に足を踏み入れる原因を作った張本人。
趣味は読書で日頃はお淑やかで理知的に振る舞い、カネキも惚れていたが、本性は奔放かつ貪欲であり、無差別に人を襲って食欲を満たしているためCCGからは「大喰い」と呼ばれており、他の喰種からも恐れられている。明確な実力は不明だが、彼女の持つ赫子は鱗赫の中でも非常に強力なタイプであるとされており、彼女の赫包を移植された半喰種はいずれも高い実力を持つ。
彼女の無分別な捕食が原因で以前暮らしていた11区にCCGの本格介入を招いてしまい、粛正に動いた有力喰種たちをも殺害してしまったために11区の喰種社会は混乱し、アオギリの樹を呼び寄せる遠因を作った。20区に移り住んだ後も行いを改めることはなく厄介者扱いされていたが、カネキを襲った工事現場にて落下してきた鉄骨が自身を直撃したことにより死亡したとされていた。搬送された病院で赫包を摘出され、それを移植されたカネキは半喰種となる。彼を始め、リゼの赫包を基に生み出された半喰種はリゼベースと呼称される。
実は嘉納によって生かされており、彼のラボで半喰種生成の為の赫包培養器として扱われていた。そしてそもそもの発端である事故とされていた鉄骨落下も人為的に起こされたものであることが複数の喰種達により示唆されている(実際に仕組んだのは旧多であり、後に本人もそれを認めている)。カネキと嘉納の前に突如現れたヨモによって連れ去られ、コンテナに監禁されていたときは無力化を図るために最低限の食事しか与えられず、極度の飢餓状態にされており、食糧以外は認識出来なかった。
『:re』でかつては和修家の喰種であったが、旧多二福の手でVから逃走し、行き倒れていた所を鯱こと神代叉栄に拾われ、『神代利世』を名乗るようになったことが明かされた。
旧多に協力している嘉納の元で再び赫包培養器に囚われており、CCGの新生クインクス「オッガイ」及びの半喰種は、彼女の赫包がベースとなっていた。
旧多の体内に「核」が埋め込まれ、カネキがオッガイと共に核を取り込んだことで巨大赫子となり、その卵管の1つから「毒」を持つ落とし仔を生成する「竜」として復活を果たしたが、旧多を下したカネキによって「ありがとう」という言葉と共に命を断たれた。
本作の重要なキャラクターであり、第一話から最終巻まで生きて登場するにも関わらず、回想や幻覚を除いてニュートラルな状態で活動していたのは第一話のみである。
笛口 リョーコ(ふえぐち リョーコ)
声 - 折笠富美子 / 演(映) - 相田翔子
ヒナミの母親。花弁のような形状の攻防一体の甲赫を持つ。本編登場以前に夫を失い、温厚な性格から人を狩ることが出来ず、あんていくから食糧を受け取る生活をしていた。しかし、芳村の厚意に甘え続けることを良しとせず、自殺の名所を喰場とすることで人を傷つけずに自ら食糧を得る決意をする。亜門が夫の墓を暴きマスクを掘り出したことで自身も喰種であることを看破され、真戸らに包囲され追い詰められる。自身が足止めすることで辛うじてヒナミを逃がすも戦闘慣れしておらず、敗北。真戸のクインケが夫の赫子から作られたものであることに気付き、絶望の内に駆逐された。死後、その赫包は彼のクインケ[フエグチ弐]に加工された。
彼女の死は金木が己の無力を知るきっかけであり、ヒナミは後に「あの日からアナタ(金木)は少しずつ変わっていったように思う」と述べている。
吉田 カズオ(よしだ カズオ)
声 - 丹沢晃之
フィットネスクラブに勤務する41歳の男性。普段は捕食を除いてごく普通の生活を送っており、芳村よりリゼの喰場を譲り受けるが、所有権を主張するニシキに殺害された。
序盤で命を落とすため、本編での登場は少ないが初期の巻末のおまけ漫画では頻繁に登場している。小説[日々]では彼が主役の一編まである。
桃池 育馬(ももち いくま)
[日々][空白]に登場。ミュージシャンを目指して田舎から上京してきた男性。甲赫。愛称は「イクマ」。元来穏和な性格であることに加えて養母が人間の医師であった為、人としての価値観を持ち、人を殺めることなく生活していた。上京したての頃は稼ぐことが出来ず、母からの仕送りだけで食い繋いでいたが、それも底をついた為、自殺の名所である崖で食料調達をしていた。その際、ヨモと遭遇するも人間性の高さを見込まれて見逃される。その後、月山に襲われて負傷。飢餓状態に陥っていた所を居合わせたカネキに救われ、最終的にはあんていくの協力で当初ヨモと出会った崖を喰場として提供してもらい、食糧を確保できるようになった。その後も20区でミュージシャンを目指して励んでおり、ホリチエとも親交がある。
三晃(さんこう)
声 - 伊藤かな恵
[日々]に登場する長髪の女性喰種。上井大学のオカルト研究会の一員。陰気な性格で、トーカにも煙たがられている。月山の高校時代の同級生であり、彼からは「ミス・イカル」と呼ばれている。
木山と共に行動しており、喰種疑惑のある人物のリストを作成していた。カインの襲撃に遭うが、ヒデに助けられた。実はカインに脅迫されており、前記の捕食に協力するよう要求されていた。聴覚に優れている。

アオギリの樹

幹部
エト
声 - 坂本真綾
全身に包帯を巻いた外見の小柄な女性。羽赫の赫者。CCGを11区に陽動させた後、タタラ率いる本隊と共に23区の喰種収容所を襲撃した。
高い戦闘能力を持ち、バンジョーに全く気付かれずに彼の肋骨を切断した。Sレートに分類されている彼女だが、その正体はCCGから最高レートであるSSS級駆逐対象に位置づけられ最も恐れられている喰種「隻眼の梟」。
功善(芳村)と憂那の間に生まれた半喰種で、本名は「芳村 愛支(よしむら えと)」。幼少期を地下で過ごす。育ての親は功善の友人ノロイ(後のノロ)。憂那の手帳を託されていたため、功善やV、和修の情報を把握していたが、自身は母が組織の情報を得るため功善に近づき、その余剰として生まれた存在にすぎないと考えており、世界を強く憎んでいた。天然の隻眼の喰種として才能と大量のRc細胞に恵まれ、喰種らと過ごした路上時代は機転を利かせてスリを働き、また優れた文章によって瞬く間に文壇の天才と相成った。
赫眼は右目に発現する。赫者としての姿は十年前当時は梟として偽装していた芳村の姿のオリジナルであったが、現在は元が人間の形をしていた喰種であるということが疑わしいほどに巨大化した赫子で覆われ、怪獣と形容してもいい単眼異形の姿を持ち、赫者としての力を使わない通常の赫子も、それぞれの器官が別々に言葉を発するなど通常の喰種にはない特徴が見られる。また、彼女の赫子を取り込んだ喰種は彼女の赫子と同様の性質を得る他、通常の喰種を遥かに凌駕する再生能力を得ることが可能であるようだ。
10年前に徒党を組んでCCGの支局を度々襲撃しており、黒磐巌に片腕をもがれ、組織の必要性を痛感。これらの襲撃からレートは徐々に上がり、ついにはSSSレートに到達したのであった。その後若き日の有馬に敗北した際、その目的を「この世界をめちゃくちゃに直してやること」と語ったことから彼の賛同を得、有馬貴将及び彼を超える者を長「隻眼の王」とするアオギリの樹を結成。喰種たちの希望を創るため活動する。
CCGが6区を襲撃した際は同時にコクリア襲撃を敢行。ナキ含むSレート喰種の他、鯱、リオのSSレートを仲間に引き入れた。さらに隻眼の喰種の優れた性質に目をつけた彼女は嘉納を探しだし、仲間に加えた。
20区隻眼の梟討伐戦の際には父親である芳村の敗北後、突如出現。奇襲を仕掛け、特等捜査官らをほぼ全員戦闘不能に追い込み、襲撃を免れた宇井やジューゾーとの交戦でも彼らを終始圧倒した。増援として現れた有馬との戦闘では負傷するも、撤退間際に芳村を飲み込んで嘉納の下へと連れ去り、リゼに代わる新たな半喰種化実験のドナーとして提供した。
『:re』ではオークション掃討戦直前から登場。アヤトに対しマダムの護衛を依頼すると同時に、もしフロッピーの出現が確認できた場合は彼を始末するよう命を下した。掃討戦開始後は嘉納の提案を受けてオークション会場にオウルを投入。管理棟に向かわせ、ハイセやクインクス班と引き合わせた。アオギリ少数メンバーによるクインクス班襲撃時には、捜査官のハイセに因縁を持つカナエに目をつけ、接触。圧倒的な実力差で彼女を追い込み、精神的に揺さぶりをかけた上で拉致。彼女に自身の赫子を埋め込み、洗脳した上でルナ・エクリプスビルに投入し、自らも参戦。覚醒したカネキと激戦を繰り広げるも、圧倒的なカネキの赫子で赫者状態からエト本体を引き剥がされ、結果身体を両断されビルから転落するも、逃走に成功し生存。塩野確保を受け、流島で最終決戦の準備を整えたのち、できることはし終わったとして投降。コクリア防衛戦では塩野のパテを食し回復しトーカたちの救援に現れると同時に「V」の面々を蹂躙、ヒナミらを助け旧多を追い詰めるが、リゼの赫子を移植した旧多の逆襲により敗北し瀕死の重傷を負う。その後なんとか移動しカネキと遭遇、有馬とともに築き上げていた真の目的と「隻眼の王」の王座をカネキに託し死亡。以降その遺体はVの管理下に置かれ、ドナートの分身赫子を応用した能力で操作され、CCG、黒山羊の共同戦線本部を襲撃した。宇井と鈴屋の攻撃に本体を攻撃されるも止まらず、ドナートの死を受けて支配が消えた一瞬意識を取り戻し、芥子の片腕を切り落とした。その後再び死の眠りに落ちたようである。
エトが隻眼の梟であるという事実はアオギリ内でも知られておらず、彼女がアオギリメンバーを集めて流島で行った演説によって初めて周知のものとなる。その圧倒的な実力に加えてアオギリの樹を作ったことから「隻眼の王」と同一人物だと思われがちだが、本人は同演説においてそれを否定した。高槻泉として活動していた際の担当編集者、塩野に対しては相当の情があったようで、彼が喰種疑惑の決定的な証拠を吐露し、拘束されることとなった際にも咎めることはなかった。後に塩野が旧多によって殺害され、自身の食料として加工されたことを悟った際には落胆し、「塩野は無駄にしねえ」と彼の肉を喰らい珍しく怒りを露にした。
彼女に殺された捜査官は実に多く、アキラの母 微や、瓜江の父 幹人などが挙げられる。
教唆術にも長けており、シロクロを心理的に揺さぶり、ヒナミを引き入れカナエを洗脳し、コクリア編ではカネキにも影響を与えた。
高槻 泉(たかつき せん)
エトの小説家としての姿であり、小柄な体型ではねた長髪が特徴的な女性。気さくな性格でサービス精神旺盛。10代でデビューし、処女作「拝啓カフカ」は50万部のベストセラーとなった。その後の著書もいずれも高い評価を受けており、アキラからは「文壇の逸材」と評される。カネキ曰く「綺麗な女の人」であり、作品ではなく本人が好きというファンもいるほどの有名人。サイン会に来たヒナミを「ちゃんヒナ」と呼んで気にかけており、喫茶店で再会した際はアドバイスを送るとともに連絡先を教えた。これが後にヒナミのアオギリ入りのきっかけとなる。CCGに単身乗り込んだ際には「喰種を題材にした作品を記したい」という理由から亜門に対し、取材を申し込む。非常に広い人脈を持ち、取材の対価として捜査官ですら知り得ないCCGの極秘事項を彼に提供した。
『:re』では、ロゼ編後にハイセらによって喰種容疑がかけられる。エトとしてアオギリで演説をしたのちに、事情聴取を受けた塩野からの情報で喰種である可能性が濃厚になったため、CCGに身柄を拘束された。その後も抵抗する様子は見せなかったものの、会見を開いて自らが喰種であることを明かし、最新作「王のビレイグ」を発表し、世間に和修家への不信感を植え付け、喰種擁護の運動を促した。
著書は処女作の「拝啓カフカ」、カネキとリゼが出会うきっかけとなった「黒山羊の卵」[注 12]、「小夜時雨」「虹のモノクロ」「なつにっき」「ルサンチメンズ」「吊るしビトのマクガフィン」などがある。
タタラ
声 - 遊佐浩二
アオギリの幹部。SS〜レート。尾赫と羽赫の赫者。中国出身の男性喰種で、全身白装束に鉄製の赤いマスクを着用している。マスクの下に、エトの洗脳下のカナエと同様の縫合跡が見られる。隻眼の王の側近で、事実上アオギリの樹を統括するなど、他の幹部よりも中心的な立ち位置にいる。冷徹な性格で、必要であれば他の幹部すら平気で切り捨てる。中国の喰種集団「赤舌連」首領・焔の実弟であり、それゆえに赤舌連の壊滅に大きく貢献した法寺に憎悪を抱いている。滝澤が彼から譲り受けたクインケ[ドゥヒ]を構えた際には、赫子の持ち主を即座に看破していた。リゼの赫包を移植された半喰種であるカネキを拉致し、アオギリに迎え入れようとしたが、戦力にならないと判断してアヤトに下げ渡す。CCGを11区に陽動させた後、エトを含む本隊と共にコクリアを襲撃、多数の喰種を脱走させた(ただしロマの勧誘及び殺害には失敗した)。隻眼の梟討伐戦においては、亜門や彼の救援に駆けつけた滝澤、チノムツ率いる第四隊の合流地点にノロと共に突如姿を現し、第四隊を壊滅させた。その後、滝澤や亜門を始めとする多数の喰種捜査官を連れ去り、半喰種施術の素体として嘉納に提供した。
赫者としての力を発揮する際には、四本腕の巨人のような姿の赫子に身をまとい、頭部分より巨大な羽赫の炎を吐いてすべてを焼き尽くす。
『:re』では人間オークション護衛任務と同時にクインケ鋼移送車襲撃作戦を進行。しかし、法寺特等やS3班によって阻まれ襲撃は失敗に終わった。作戦終了後、アヤトから囚われたヒナミの奪還を提案されるも以前の陽動作戦で警備が数倍に強化されたことからコクリア突破は不可能と判断し、彼の進言を拒絶。部下を替えの利くコマと見なす冷酷さを示した。流島のアオギリの樹殲滅戦では因縁の相手である法寺率いる第一隊と交戦。赫者の力を解放し、兄譲りの大振りを攻略されるも兄以上の速さで法寺やアキラ達を圧倒するが、アオギリを裏切ったオウルに法寺の殺害を妨害され、彼に終始圧倒された末に赫子で胸を貫かれて死亡する(オウルをノロに貫かせたのはタタラであり、彼の強い恨みをかっていた)。
今際の間、有馬とエトの事情を理解している描写が描かれ、彼が得た物について欲しかった物は手に入ったかと問い、エトへの名前を呟きながら死亡した。
最愛の家族の復讐を果たせず、思いを寄せた相手にも心は届かず、有馬とエトが夢見た理想すら目にすることも出来ず、望む物を何一つ手にすることが出来ぬまま、悲惨な最後を迎えた。
ノロ
声 - 浜田賢二
アオギリの幹部。SS〜レート。尾赫の赫者[注 13]。長身の男性喰種で、黒のロングコートに鼻と巨大な口のみ描かれたマスクを着用している。隻眼の王の側近であり、他の幹部とは一線を画す。終始無言で行動している。捜査官に手出ししないこともあれば獰猛に襲いかかることもある特殊な個体。エトの赫子をその身に取り込んでおり、その結果一般的な喰種を遥かに逸脱した再生能力を有し、胴体を吹き飛ばされても傷口から発生させた赫子で繋ぎ合わせて即座に修復できる。赫者としての力を発揮した状態では、赫子にヤツメウナギのような口を形成しており、戦闘時には大口を開けた巨大な赫子で対象を直接丸齧りにする。常に時計を持ち歩いており、タイマーが鳴ると戦闘を中断していずこかへ姿を消す。
その正体は24区出身の喰種・ノロイであり、過去に芳村に信用できる人物として赤ん坊のエトを預けられていた。すなわち、彼女の育ての親に当たる。
『:re』では月山家殲滅戦から本格的に登場し、遭遇した伊東班、クインクス班と交戦。サイコの赫子やシラズのクインケ[ナッツクラッカー]などにより何度も身体を吹き飛ばされながらも再生し反撃、伊東班、クインクス班を壊滅状態に追いやる。唯一攻撃を回避したシラズによる羽赫の一斉射撃を喰らって致命傷を負い、反撃で彼に致命傷を負わせるも再生する前にウリエの赫子により身体を両断され駆逐され、死の間際にエトに対し「先に逝く」と告げ、死亡した。死後、彼のマスクが外れた際、そこから覗かせた顔は既に白骨化した状態であった。また、彼の赫包はウリエのクインケ[銀喰]として加工された。
霧嶋 絢都
霧嶋絢都を参照。
瓶兄弟(びんきょうだい)
声 - 藤原祐規(兄)、荒井聡太(弟)
アオギリに所属する兄弟で、墓盗りの兄貴分。両者とも尾赫。2人ともマスクを付けており、メンバーの中では比較的穏健な性格をしている。喰種対策局からは「しっぽブラザーズ」「尾赫兄弟」の呼称がつけられており、連携攻撃を得意とする。
隻眼の王に忠誠を誓っており、アオギリの思想に心酔している。両名共に11区アオギリ戦で亜門の手にかかり、駆逐された。彼らの赫包は後に、亜門が隻眼の梟討伐戦でカネキと戦った際に使用したクインケ[ドウジマ・改]の材料として使われ、彼に致命傷を負わせた。
鯱(しゃち)
声 - 梁田清之
元6区のリーダー。尾赫。本名は「神代 叉栄(かみしろ またさか)」。23区の喰種収容所に収容されていたSSレートの喰種で、アオギリの樹による収容所襲撃の際に脱走した。屈強な体格をした硬派な人物で、漢字交じりの独特な口調で話す。青年期から人間の道場で修行を積んだ武道の達人でもある。赫子はシャチの尾のような形状をしており、これを利用することで常識をはるかに超えた動作が可能。幼い頃のリゼを知っている模様。コクリア脱走後は6区に戻らず、アオギリのメンバーとして嘉納を探している。カネキとは二度に渡って交戦し、圧倒的な実力差で彼を完全敗北に追い込んだ。
『√A』では、アオギリの樹のコクリア襲撃の際にカネキと交戦する。
『:re』では、梟と並ぶ最強クラスの喰種としてその名が知られている。またアニメ版『:re』13話ではSSSレートと設定されている。タタラの発言によると、既にアオギリを離反している可能性が示唆されていた。リゼを匿っているとして「V」によって追跡がなされ、追い詰めた有馬と対峙。命を賭して闘いに挑み、その中で彼の「弱点」を見つけるも、その攻撃全てを読まれ、一切傷を与えることも叶わず、死亡。芳村とは旧知の間柄であり、アオギリに所属している間も連絡を取り合っていた。嘉納の実験体として利用されている芳村を「死したも同然」と見做しており、ヨモとニシキにはこれ以上関わらないよう忠告していた。
笛口 雛実(ふえぐち ひなみ)
笛口雛実を参照
草刈 ミザ(くさかり みざ)
草刈ミザを参照。
ヤモリ一門

ヤモリ率いるアオギリの喰種一門で、部下は彼のことを「アニキ」と呼び非常に慕っている。ヤモリ亡き後はナキが率いているようであり、CCGからは「白スーツ」と呼称される。白いスーツに幾何学模様の入ったホッケーマスクが特徴で、ガギグゲのような体躯の喰種が多い。ヤモリ同様親指で他の指を鳴らしている(鳴らす指はヤモリと違う模様)。義理堅い性格の喰種が多い模様。流島上陸作戦後はナキが金木に敗北。「強い者が上につく」という規律のもと、また金木の赫子の中にヤモリの赫子を見出だしたことで、「黒山羊」の傘下につく。

ヤモリ
声 - 西凜太朗 / 演(舞) - 山神佳誉
アオギリの幹部。3月15日生まれのうお座。血液型B型。Sレート。鱗赫の半赫者。本名は「大守 八雲(おおもり やくも)」。
拷問が趣味で「食」より「遊」で殺しをするサディスト。相当数の共喰いを行った結果、半赫者としての覚醒を果たしており、赫子は肥大化し、複数の赫包が発達している[注 14]。愛用のホッケーマスクと残虐性、出身地の13区からCCGより「ジェイソン」の呼称で警戒されている。手の人差し指を曲げ、親指で押して鳴らす癖がある。過去に母親を亡くしたことと、コクリアで戸影から受けた残虐な拷問によって今の人格になったと述懐している。
隻眼の喰種であるカネキの回復力に目をつけ執拗な拷問を行うが、覚醒した彼の反撃に遭い、交戦。半赫者の力を解放して当初は互角に渡り合うも徐々に追い詰められ敗北。逆に自身が拷問を受けた挙句、赫包を喰われて半死半生に追いやられた。直後に遭遇したジューゾーを捕食し回復を図ろうとするも、逆に全身を切り刻まれて駆逐された。
その後 金木の作り出した幻覚の中で登場している。
上述の通り性格や言動は醜悪であるがニコとナキとは親しい関係にあり、ナキにはそれなりの気遣いを見せていた。その為、彼からは「神兄貴」と呼ばれて慕われていた。
[JACK]にも登場する。本編とは違って当時は黒髪であり、彼も拷問によって白髪になった模様。ランタンとは敵対していたが、利害の一致から彼女と手を組み、廃墟で有馬と別行動を取っていた富良を急襲する。しかし、有馬に天井から[ユキムラ1/3]で串刺しにされて深手を負った為、撤退した。
ナキ
ナキを参照。
ガギ、グゲ
ナキに付き従っている巨漢の双子。常にマスクを被っており、素顔は不明。先天的に赫子が出せない為、肉弾戦で戦う。『:re』では、オークション掃討戦で駆逐されそうになったナキを身を挺して庇い、死亡した。両者共に潜在的に高いRc値を有していた為、嘉納式Qsの素材としてオカヒラらに赫胞を移植されるも、赫子が実際に使われた描写はない。
井寺 承正(いでら しょうせい)
井寺承正を参照。
ホオグロ
ホオグロを参照。
タタラ直属
墓盗り(はかとり)
声 - 西田望見
『:re』から登場。髪を結った女性喰種で、かつては瓶兄弟の義理の妹分だった。そのため、瓶兄弟を駆逐した亜門のことを憎んでいる模様。本名は「巴 ユミツ(ともえ ゆみつ)」。A+レート。尾赫。なぜかクインケ操術の心得があり、赫子は鋭い切れ味を誇るが燃費が悪いため、捜査官から奪ったクインケを使用した戦闘スタイルを取る。滝澤、ホオグロからは「小瓶」と呼ばれているが、本人はその呼び名を嫌っている。カナエに依頼されクインクス達を襲撃。トオルとトルソーの交戦に介入し、彼を援護した。トオルとの対決では、途中クインケを奪われたことから赫子を発現。態勢を立て直し彼女を追い詰めたがウリエとシラズによる援護で機を逃し、相性で不利な羽赫使いであるシラズがいたことから形勢不利と判断、撤退する。流島上陸作戦においてはアオギリを裏切ったタキザワと交戦。彼の圧倒的な力に敵わず返り討ちにされ、戦闘不能に陥る。その後、タキザワに連れられて流島を脱出する。
その後オッガイにより拡大する捜査の中、食糧を得られず消耗していたが、滝澤の助力の申し出を断っている。とはいえその後も彼とは交流があったのか、竜戦時は戦う亜門とドナートの前に共に姿を見せる。瓶兄弟を殺した亜門を憎んでいたはずだが、彼が死ねば彼女の瓶を失った哀しみのやり場を失うため、心の底では亜門の死を願ってはいないのだと滝澤に看破された。
終盤、人間と喰種の共存に賛同出来ない喰種を纏め上げ姿を消した。
その他
スコープ
元傭兵の喰種で、射撃の腕が高い。アオギリの騒乱の際に11区支局から奪った銃で前線の捜査官を苦戦させるが、丸手のバイクでアジトに突入したジューゾーに駆逐される。
冴木 空男(さえき からお)
声 - 手塚ヒロミチ
『:re』から登場。タクシー運転手をしながら捕食をしている男性の喰種。Aレート。鱗赫。傷のある女性の胴体に執着することから「トルソー」と呼ばれる。アオギリの樹から依頼を受け、タクシー内での会話を録音しヒナミを介して度々彼らへ提供していた。タクシーに乗り込んで来たトオルを襲撃し、彼女が女性であることを知るが、直後にウリエとシラズの追跡を受けやむなく逃走。ハイセの手配した警察車両に行く手を阻まれ八方塞がりとなり、彼らとの交戦を開始する。一対ニであったこともあり追い詰められるが、トルソーを追っていたオロチの介入に乗じて逃走に成功。その後は正体や身元がCCGに把握された為、人間社会に居場所はないと判断し、アオギリへの加入を決意した。これらの経緯からトオルに対し変質的な執着心を抱いており、アオギリへ加入した理由には「組織を利用すれば彼女への再接近が図れるのではないか」という思惑もある模様。
人間オークション開催の際、アヤトの勧めもあり自身も護衛任務に参加。彼やヒナミと行動を共にしていたが、出品された人材の中に先行して潜入していたトオルの姿を発見。彼女が世にも珍しい隻眼の喰種として高値で取引される光景に焦燥を募らせ、直後開始された掃討戦の混乱に乗じて現場を離脱。トオルの捜索を開始する。彼女がカナエから襲撃された際には単身乗り込んでこれを阻んだが、彼の逆襲を受け叩きのめされてしまう。その結果トオルの確保には失敗するものの、その後は本隊と合流できたようで、掃討戦終結後はトオルの身を案じながらも会場から撤退した。
アオギリ少数メンバーによるクインクス班襲撃にも参加。トオルと再会を果たすも、彼女の先制攻撃により負傷する。その数か月後、鉢川班の一員として流島へ調査に来たトオルを発見。タキザワらによって班が壊滅状態になり敗走、洞窟に潜伏していた彼女を拉致して自分の隠れ家へ連れ込んだ。自らの欲求を満たすためにトオルの四肢を切断し、同時に歪んだ愛情を吐露する。しかしその後、錯乱状態のトオルの反撃を食らい、胴体のみの無惨な姿で発見された。
幼少期をネグレクト気味な父親と山中で過ごし、父親に喰われたため母親もいなかったが、あまりの空腹に初めて人間の住む街に降り立ったところを人間の少女道乃美(みのみ)と遭遇。心を通わせる。ミノミがトルソーの人格や生涯に与えた影響は大きい。彼女の教育の結果文字が読めるようになり、また、彼女を海の見える街へ連れていくため運転できるようになりたいと考えるようになった。さらに虐待を受けていた彼女の痣を美しいと感じた。そしてミノミがトルソーの父親に補食のため解体された際比較的きれいに残っていたのが彼女の胴体であった。この影響もあり、トルソーは人間に対する負い目から頭を切り離し、女性に対し自分のもとを離れないでほしいという想いから四肢を切断、胴体を恋人と称し収集し出す。なお父親はミノミの一件の直後に殺害。特に感情はなかったと後述している。
オウル(タキザワ)
滝澤政道を参照

道化師(ピエロ)

ウタ
声 - 櫻井孝宏 / 演(舞) - 村田充 / 演(映) - 坂東巳之助
4区で「HySy ArtMask Studio」という店を営んでいるマスク職人の男性。赫者。12月2日生まれのいて座。血液型B型。マイペースな性格で、ピアスタトゥー[注 15]の出で立ちが特徴的なパンク・ファッションで装うが、攻撃的な外見とは裏腹に非常に穏やかな性格であり、カネキを驚かせて喜ぶなど茶目っ気のある一面も存在する。常に赫眼が発現しているため外出時はサングラスを着用している。
かつては4区に集う喰種のリーダー格で、ヨモと敵対していた。CCGでの呼称は「ノーフェイス」。レートは原作では不明であったが、アニメ版ではSSレートと設定されている。赫子のマスクを自在に形成する事ができ、相手の親しい人物の顔に擬態して相手の動揺を誘う戦法を取る。11区アオギリ戦ではあんていくのメンバーにアオギリ構成員のマスクとマントを用意し、自身もカネキ救出に参加。ノロと交戦した。
『:re』では人間オークションのオークショニアとして登場。平子との交戦では赫子を使用しないにもかかわらず終始優位に立ち、ジューゾーから[サソリ1/56]数本の投擲を顔面に喰らったり、平子から有馬を模したマスクごと頭部に斬撃を受けても即座に再生するなど戦闘能力、回復力共に非常に卓越している。また、ピエロである旧多の情報からCCGのオークション襲撃の詳細を掴んでいた。
クリスマスにハイセに対し眼帯のマスクを贈ったことにより、製造元を割り出したハイセと邂逅する。ハイセからの依頼を受け、クインクス班のマスクを作製した。ピエロとしての存在が公にされた現在でもかつての「あんていく」のメンバーとは交流があり、四方にピエロのボスの存在を仄めかした。アヤトとバンジョーが行ったコクリア襲撃では、6区のバンジョー一味に紛れ込んでコクリア襲撃に参戦、独房からドナートを解放した。
CCG本部襲撃時は鈴屋と交戦。篠原の顔を模し隙を見せた鈴屋を赫子で攻撃しようとするも、半兵衛の斬撃を受け失敗。その後もしばらく鈴屋と戦闘を続行した後に不安定な六月に興味を示し、彼の分身赫子を用いてハイセに扮し、彼女の歪んだ愛情と力を引き出した。[注 16]
24区襲撃にも捜査官に扮して参加し、四方が戦闘の中死なぬよう忠告を与えた。その後地上にて彼と交戦。純粋な四方と命をかけた闘いをすることが生き甲斐であり、彼が全力で戦わざるをえない状況をつくるために旧多に協力していた。赫者として四方を圧倒するも、避雷針を利用した彼の渾身の一撃をくらい敗北。他人に迷惑をかけなければいつでも本気で相手をするという四方の発言を受けて和解。その後の人生も彼と闘いを繰り返した。
イトリ
声 - 高垣彩陽 / 演(舞) - 富田麻帆 / 演(映) - 知英
14区で「Helter Skelter」というバーを営んでいる若い女性。ヨモやウタとは古くからの知人。くだけた性格であり巨乳の持ち主。左胸にほくろがある。
広い情報網を持ち、喰種の裏情報に通じている。鉄骨事故の情報に興味を持つカネキと情報提供の交換条件として喰種のレストランの調査を依頼した。その後もカネキに情報提供の協力を行っている。
reではしばらく姿を見せなかったが、黒山羊に囚われたロマを救出して登場。ピエロとして、ヒトを中心とする世界に絶望しきっており、喰種の滅びの時代に立ち会おうと考える。ウタの頼みを受け、24区で生き埋めになりかけた四方を救出。竜戦では遠隔視覚と飛行能力を併せ持った赫子でCCG、黒山羊の情報を収集。ウタと四方の和解を受け、ウタには四方が必要だと再確認した。
ウタに想いを寄せており、彼と行動を共にしたが、最期までその想いを告げることはなかったかもしれない、とされている。
ニコ
声 - 津田健次郎
同性愛者の男性(オカマ)。11月2日生まれのさそり座。血液型A型。嗅覚や聴覚が鋭く、バンジョーと同様に自身及び他者の肉体回復に特化した赫子を持つ。
ヤモリに惹かれて一時的にアオギリの樹に出入りしていた。ヤモリの生き方を「クール」だと絶賛しているが、子供殺しを強く諫め、親子の遺体を弔う母性的な一面を持つ。
イトリのことを旧友と呼んでいる。カネキに「隻眼の王はエトかもしれない」と仄めかす一方で、宗太には「隻眼の王は存在しない」と述べている。
11区アオギリ戦以降、及びに『:re』ではアオギリを脱退し、ピエロの一員として生活している模様。
ロマからは「ニコ姉さん」と呼ばれている。流島上陸作戦後に黒山羊アジトを訪れ、アキラの治療に必要な「喰種の知識を持った人間の医師」の情報を提供。旧多とは異なる思惑で動いているのではないかと推測された。
:CCG本部襲撃時は和修政と交戦し、同性愛者の彼に親近感を得られている。竜戦ではドナートの回復にあたるが、彼が望みを果たしたことを悟り、その場を後にした。
生涯いい男を探し続けており、ヤモリの他にタタラやアヤトをして「よりどりみどり」と喜ぶ(ただし相手に選んでもらえるかは別である)。ヤモリを補食したカネキや知的なニシキにも魅力を感じているが、:reのおまけ漫画では四方にアプローチを仕掛けており、「トーカの叔母さんが叔父さんになるかもしれない」と彼を戦慄させている。
終盤は、良い男を探しに世界を回ったという。
帆糸 ロマ(ほいと ロマ)
声 - 三森すずこ
あんていくの女性従業員。尾赫の赫者。頻繁に皿を割ったり、喰種の客に人間用の調味料を提供したりとそそっかしい。カネキに憧れて隣の19区からやって来たが、その思いは「苦しみ悶える姿が美しい」という歪んだ美意識に由来する。20区隻眼の梟討伐戦以降はピエロとして活動する。本人は19区から来たと言及しているが、実はコクリアのSSレートの独房に[ジプシー]という名で収監されていた喰種で、アオギリが行ったコクリア襲撃の際、タタラからアオギリへの勧誘を受けたが拒絶し、脱走していた。
その正体はピエロの創設者にして、SSSレート「うろんの母」。あまりの強さから人生に退屈し、状況を変え刺激を浴び続けるためにわざと捕まったり負傷するなどし、快楽を追求する。実年齢は51歳。かつて地下の王を目の当たりにしているようである。物心ついた時から親はなく、平坦な毎日に対する退屈と華やかな人間社会に対する嫉妬からピエロを結成した。なお、ロマが創設者なのはピエロのメンバーすら知らない。常吉に以前討伐されていた模様。
『:re』ではウタと共に人間オークションのオークショニアとして登場。傷を負った腹部から複数の赫子を出現させるなど赫子の熟練度は非常に高い。接近戦においても俊敏な動作で捜査官らを翻弄した。ハイセのことを嫌っている模様でカネキの人格が戻るのを切望している[注 17]
流島上陸作戦では、旧多の命令により流島に上陸。死堪を従え共に嘉納の逃走を幇助し、対峙したニシキを翻弄するも、クロがニシキ側に付いた事により形勢逆転。更に死堪に逃亡された事で孤立無援となり、捕獲される。
ウリエと黒岩が旧多に詰問を実行した際には総議長室のデスク下から旧多の命令で死堪と共に彼らを襲撃する。一時はウリエに圧倒され、瀕死に陥ったと見せかけていたがウリエが油断した隙を見て返り討ち。本来の赫者の力を解放し、黒岩の右腕をもぎ取り、赫子でウリエを取り込んだが、内部から赫子を破壊し弱点となる本体を分離させた彼に首を切断され、更に顔面を何度も刺されて死亡した。
ドナート・ポルポラ
声 - 井上和彦
壮年の、男性のロシア系喰種。SSレート。甲赫。呼称はそれぞれピエロ内では「クラウン」、CCGでは「神父」。
大量のロザリオが組合わさったような形状の赫子を持ち、優れた伸縮性を持つ。また、赫子で精巧な人形を形成し、指先から伸ばした赫子を介して自在に操る事も可能で、作中ではウリエとの戦闘では自身の分身として戦わせたり、亜門との戦闘では彼の身体を羽交い絞めにして動きを封じると言った戦法を披露している。アニメ版「re」における亜門との戦闘では分身人形を主体とした戦闘方法になっており、複数の分身を操り本体のカモフラージュや連携攻撃を仕掛けている。また、分身人形は一見すると本体と区別がつかないが、体の一部からガス状の赫子があり、これにより本物との見分けが可能という設定も加わっている。
幼少期の亜門の育ての親でもあり、コクリアに収監される以前はカトリック系の孤児院を営み、預かった小児を好んで捕食していた。しかし亜門だけは喰わず、正体が露見した後も彼を殺さずに遺体の解体等を手伝わせていた模様。
過去には捜査官殺害や複数の捕食事件に関与しており、ウリエの父に捕縛されコクリア送りとなった後も、面識の無い喰種ですらその人物像を的確に分析する卓越した洞察力を持つことからCCGから捜査対象のプロファイラーとして生かされており、度々情報提供を行っている。亜門やハイセには(他と比較すれば多少は)好意的に接するが、他の捜査官に対しては辛辣な説教を行うことが多い。
『:re』にも登場。トルソーの人物像を分析しハイセに情報を提供した後は、彼に対して以前の記憶の扉を開く鍵として自身が興味を抱くある喰種の存在を示唆する。コクリア防衛戦では、ウタにより独房から解放され、監獄長である灰崎を殺害してコクリアから脱走。ピエロのボス、3代目クラウンとして旧多による和修家簒奪への協力を手始めとして活動を本格化させる。ピエロらによる各区襲撃の際はウリエと交戦。指先から分離させた分身赫子で彼を圧倒、フレームアウトに追い込んだ。
旧多の和修家惨殺に立ち会い、竜戦ではエトの死体を操作してCCG、黒山羊の連合に甚大な被害を与えるも、覚悟を決めた亜門に殺される。死ぬ前に亜門から、ドナートを父親として愛していたことを告げられ、事切れるまで泣きながら笑い続けた。
宗太(そうた)
声 - 杉山大
旧多二福を参照
ガンボ
声 - 内野孝聡
『:re』に登場。ウタ、ロマとともに人間オークションに参加した巨漢の喰種。武臣に首を折られ死亡した。
死堪(しこらえ)
声 - 小野賢章
『:re』から登場。奇矯な言動が目立ち、ロマからは「(頭が)パア」と言われるなど知能は高くない。格子を模したハーフマスクを着用しており、全身縞模様の格好。A〜レート。補食した喰種のRc細胞を取り込み、自身の赫子として形成する特殊な赫胞を持ち、四種全ての赫子を扱える。。赫子の使用時に目元に格子状の痣が発現する。アオギリの樹のコクリア襲撃の際に脱走した喰種の一人。ニコ同様本来の所属はピエロであるが、エトに勧誘されアオギリの樹に所属して活動を行っていた。
本来クインクス班襲撃への参加は認められていなかったが、独断でホオグロらを尾行し、建物裏で待機していたサイコと遭遇。彼女を拘束し、捕食寸前まで追い詰めたが亜門による奇襲を受け、左腕をもぎ取られるなどの深手を負い撤退する。
流島への斥候に赴いた鉢川班をタキザワと共に急襲。鉢川の鼻を食い千切り、彼を尾赫の赫子で刺殺、即座に赫子を羽赫に切り替えてトオルと穂木を追撃し、二人を撤退に追い込んだ。嘉納の実験施設ではロマと共にニシキやクロと交戦。羽赫と甲赫の赫子を使い分け、クロを翻弄するも、ニシキの奇襲を受けて怯み、ロマを置き去りにする形でその場を逃げ去った。
その後局長室にてウリエと黒磐巌らが旧多に詰め寄った際、机の下から現れ、彼らと交戦。瓜江の渾身の一撃を受けて窓から墜落した。
竜戦時は姿を見せなかったが、竜遺児を補食したことから赫者と化し、記録的な補食数を残し、TSC発足以来最悪の敵性喰種となり半井を負傷させるなどした。
その正体はかつてジェイルと呼ばれたSSレート喰種凜央がキジマの拷問を受け発狂した姿である。
凜央(りお)
声 - 小野賢章
『JAIL』の主人公の少年。死堪の本作第一部時点での姿。当時15歳。C〜SSSレート。羽赫、甲赫、鱗赫、尾赫の四種類全種の極めて稀有な赫子を持ち、状況に応じて臨機応変に使い分ける[注 18]。縞模様の服を好む。名前の由来は「檻(オリ)」から。
兄と共にコクリアに収監されていたが、アオギリの樹によるコクリア襲撃に乗じて脱走する。キジマによる拷問を受けていたこともあって衰弱して倒れていた所を四方に助けられ、あんていくに身を置くこととなる。後にカネキと邂逅し、彼やバンジョーらと行動を共にする。その中で自分と兄の運命を狂わせた存在として、多数の喰種捜査官を殺害し、キジマに深手を負わせた喰種「ジェイル」を追跡する。が、彼こそがジェイルの正体であり、赫子の使用時に目元に格子状の痣が発現することがその呼称の由来となっている。キジマと対峙し、兄の赫包から造り出されたクインケ[ロッテンフォロウ]を目撃し、暴走。ジェイルとしての覚醒を果たす。
梟討伐作戦では「カネキと共に芳村達を助けに行く」または「芳村達を助けに行こうとするカネキを止め、代わりに凜央自身があんていくに向かう[注 19]」という2つのルートが存在し、いずれの場合でも最終的に死亡する。
『JAIL』のシナリオブックに収録されているアナザーエピソードでは、コクリア脱走時に四方ではなくエトらしき人物に助けられる場面が描かれている。

嘉納の関係者

マダムA
声 - 浅野まゆみ
喰種のレストランの会員。5月15日生まれのおうし座。血液型A型。本名は「阿倍 麻衣子(あべ まいこ)」。金髪はウィッグであり、本来はぼさぼさの黒髪。飼いビトのタロちゃんを溺愛していたが、月山の交換条件を受け入れて食材に提供した(アニメ版でも同様に溺愛する様子を見せていたが、タロちゃんが月山に致命傷を負わされた途端に態度が一変。散々な悪口雑言で罵っていた)。実は嘉納と関係があり、タロちゃんは彼から提供された人工喰種の失敗作だった。
『:re』では人間オークションに参加するも、隻眼の喰種が出品されていたことから危機感を感じ、いち早く現場を離脱。ダクトを伝ってオークション会場から脱出した模様。
竜戦後は農業に目覚め食と命の尊さを知る。
タロちゃん
声 - 武虎
喰種レストランでカネキを含む参加者達の解体を担当した解体屋。マダムAの「飼いビト」。本名不明。人間を手掴みできる巨体と怪力を有する反面、マダムAを「まま」と呼び、幼児語を用いる等、知能は低い。クインケを用いてカネキを追い詰めるも、半喰種として片方のみの赫眼を発現させたカネキを独占しようとした月山に、彼に代わる食材として殺害された。実は嘉納によってリゼの赫包を移植されて変貌した元人間であり、前述の知能退行や肥大化した肉体は体内の赫包への拒絶反応に由来する。彼の他にも複数体が存在している。
本作第一部の巻末おまけ漫画では、カズオと共に度々登場している。
安久 黒奈(やすひさ クロナ)
声 - 悠木碧
カネキと同じくリゼの赫包を移植された半喰種。7月7日生まれのかに座。血液型AB型。双子の姉。鱗赫。喰種化後の呼称は「クロ」。
縦縞のマスクに黒いフードという出で立ちをしており、赫眼は左目に現れる。マダムAの護衛を務めており、絶妙なコンビネーションで攻撃を行う。妹同様嘉納を「パパ」と呼んで慕っているが、嘉納自身は彼女らに対して愛情は無く、道具としか見ていなかった。安久七生という資産家の娘で、両親を喰種に殺された後はCCGに保護され施設で育ち、将来妹と共に優秀な捜査官になると期待されていた。同じ施設にいたジューゾー、施設に講演に来ていた亜門と面識がある。 嘉納のラボにてジューゾーと交戦するも、全身に[サソリ1/56]を刺されて重傷を負い、更にシロが致命傷を負った事を受けて彼女と共に撤退する。嘉納にシロの治療を懇願するも、ダメージの重篤さから修復不可能を宣告された。
『:re』ではSSレート喰種「フロッピー」と呼称されている。前作で嘉納に見捨てられたシロを捕食して傷を回復させていた。またその結果、赫眼は通常の喰種と同様に両目に発現するようになっている。腹部に赫子で人の顔らしき腫瘍を形成しており、時折声のような音を発する。[注 20]自分でシロを捕食しておきながら、妹の生存を今だ妄信的に信じて嘉納に頼る等、精神が半ば破綻している節がある。大量の共喰いを行った結果、半赫者としての覚醒を果たしているが、ムカデとはまた別の進化を遂げており、赫子を分離させてブレード状に形成、元来得意とするクインケ操術と組み合わせた白兵戦にも特化する。オークション掃討戦では、敗走するアオギリ構成員のグループを襲撃し、共喰いを行っていた。流島のアオギリの樹殲滅戦ではシロの治療を目的に流島に現れ、鈴屋班の半兵衛と遭遇。彼を圧倒し追い詰めるも、続いて現れた鈴屋班と交戦する。半赫者の力を解放し、[13'sジェイソン]を破壊、更にジューゾーの胸部を貫き殺害したと思いきや、逆に彼の[アラタJOKER]の不意打ちを受け、両腕を切断されるなどの深手を負い、撤退。ジューゾーとの交戦後、流島の嘉納のラボに行き着き、嘉納と再会。シロの治療を懇願するも、彼に前述の赫子の原理を説明され、シロの生存をクロの単なる妄言と断じられ逆上、嘉納を殺害しようとするも、嘉納の造り出したオカヒラらのクインクス実験体に阻まれる。多勢に無勢で徐々に追い詰められるも、嘉納を捕獲しようとするニシキ、旧多の命令で嘉納の流島脱出を幇助しようとするロマと死堪らの嘉納を巡る争奪戦に巻き込まれる。嘉納と敵対する共通の立場からニシキ側に付き共闘、嘉納には逃走を許したものの、ニシキと共にロマを捕獲し流島からの脱出を果たす。流島脱出後は嘉納殺害を目的に黒山羊の一員となり、カネキらと1区CCGラボへ抑制剤奪取に向かう。ラボ内の第四研究施設にて暴走した亜門と対峙した際にはオウルと共に彼への対応を引き受け、交戦を開始する。序盤はオウルと連携し、近接戦で亜門に痛打を浴びせるも即座に再生され、強烈な反撃を喰らい追い詰められる。赫者化したオウルと亜門の激突の後、反動でオウルが暴走しかけた際には機転を利かせ、昏倒した彼にRc抑制剤を浴びせて沈静化させた。その後は亜門とタキザワを連れ帰り、生還した模様。
竜戦に際して嘉納を発見し殺害を図るも、嘉納は謝罪の言葉を残し自殺してしまった。
竜戦後は欧州へ渡り、ヒトを襲う喰種を撃退する活動を行った。中東の紛争地域を渡り歩いたとされるが、その後の足取りは不明。
安久 奈白(やすひさ ナシロ)
声 - 戸松遥
カネキと同じくリゼの赫包を移植された半喰種。7月7日生まれのかに座。血液型AB型。双子の妹。鱗赫。喰種化後の呼称は「シロ」。横縞のマスクに白いフードという出で立ちをしており、赫眼は右目に現れる。マダムAの護衛を務めており、絶妙なコンビネーションで攻撃を行う。姉同様嘉納を「パパ」と呼んで慕っているが、嘉納自身は彼女らに対して愛情は無く、道具としか見ていなかった。安久七生という資産家の娘で、両親を喰種に殺された後はCCGに保護され施設で育ち、将来姉と共に優秀な捜査官になると期待されていた。同じ施設にいたジューゾー、施設に講演に来ていた亜門と面識がある。嘉納の地下研究施設にてジューゾーと交戦するも[13'sジェイソン]の斬撃を受け、姉以上の致命傷を負ってしまう。クロによって嘉納の元へ連れられたが、彼からは赫包の激しい損傷度から修復不可能を宣告され、見限られてしまう。
『:re』では名前のみ登場。嘉納に見捨てられた直後にクロによって捕食され、死亡していた事が彼女から言及された。

V(ヴィー)

和修宗家
和修 常吉(わしゅう つねよし)
声 - 堀勝之祐
CCG総議長。和修 吉時、和修旧多 宗太の父親、和修 政の祖父。峻峭な面差しから「鬼ツネ」と呼ばれ、恐れられている。アカデミーを卒業していない有馬やジューゾー、ハイセを特例で喰種捜査官として対策局に入局させた。丸手によると、現役時代にSSSレート喰種「胡乱の母」を討伐したことがある模様。流島上陸作戦後、旧多率いるピエロとVの襲撃を受け、他の和修一族共々殺害された。
幼少期の旧多を取り分け可愛がっていた。
和修 吉時(わしゅう よしとき)
声 - 咲野俊介
CCG本局局長。和修 常吉の息子、和修 政の父親。局長就任の名跡をする以前は「和修 時(ちか)」という名前だった。丸手と親交がある。温和で親しみやすい性格。
かつてピエロがCCGを襲撃した際、有馬班に本局を任せ複数の支局に集中防衛を施す布陣を敷いて対抗した。式典で亜門やジューゾーに昇任の辞令書を手渡した。梟討伐作戦では作戦総指揮を務める。
『:re』では本局局長に加え、クインクス計画の総責任者を務める。流島のアオギリの樹殲滅戦では、総指揮を執る。作戦中、丸手に和修家の正体について糾弾され、彼による銃撃で喰種であることが露見。丸手に襲い掛かるも、政が現場に駆けつけた際には、何者かの赫子らしきものに貫かれて死亡していた。
後に芥子をはじめとする和修本家に反逆し旧多についた『V』の一派に殺害されたことが言及された。
回想では青年の貴将と共に幼少の旧多を見かける場面があり、旧多の才能を評価しながらも和修の末席であることから冷たく突き放すなど、上記の温和さから一転して「支配者」の立場からの冷酷な一面を見せた。
和修 政(わしゅう まつり)
声 - 川原慶久
『:re』から登場。対策II課所属の男性捜査官。和修吉時の息子で、和修常吉の孫に当たる。18歳でドイツのアカデミーに入学し、卒業後は捜査官として喰種一族ロゼヴァルト家の壊滅など多大な成果を挙げる。CCGの始祖である和修家こそが至上であると考えており、階級を問わず他人を見下す姿勢をとっているが、その家柄の重みに息苦しさを感じてもいる。温和な性格の父親とは違い無駄を嫌う合理的思考の持ち主であり、成果を挙げるためならば犠牲をいとわない。作戦指揮を「少し頭を使ったゲーム」と称するなど、人道的にもかなり問題を抱えているため、父親の吉時と親しい丸手は政を危険視しており、内心では強く非難している。
冷酷な合理主義者として振る舞っているが、実はニコ同様「オネエ」であり、同性愛者であった。Q'sの瓜江に対してその従順な態度(瓜江としては出世のために利用しているだけ)から好意の対象として見ていた。登場初期のころは上記の性格のような振る舞いでその素振りを一切見せなかったが(所々にわずかな伏線があった)、流島作戦において父の吉時の死に直面し、感情を爆発させた際に泣き叫ぶなど、素の口調と性格が表れた。以降の口調は以前と同じであるが、所々にオネエとしての仕草が出ており、好意の対象である瓜江が絡むと服を脱ぎだすなど、今までの冷酷な性格から考えられない行動を見せた(旧多の仕組んだピエロとの戦闘でVの襲撃に遭った際には、裸でVやピエロたちを切り伏せていき、その場面を監視していた丸手を絶句させた)。旧多が指揮したピエロ戦にてニコの襲撃を受けた際にはニコに対し直感的にシンパシーを感じていた。父親である吉時との確執については詳細は語られなかったものの、和修本家の跡取りとしての責務と自分の性癖に苦悩していたと思われ、上記の和修至上主義も、自らの立場を肯定するため、自分自身に言い聞かせる意味もあった可能性がある。
オークション掃討戦では指揮官として、多大な被害を出しながらもビッグマダムを含む多数の喰種の掃討戦を成功させ、作戦後は特別功労者に認定。ジューゾーと共に特等捜査官に就任した。 月山家殲滅戦では指揮官補佐に任命される。同作戦において容易に投降した観母らの行動に不信感を抱き、彼らが死守せんとする月山家子息の存在を看破する。ヘリによる空中からの作戦指揮を担当していたが、隻眼の梟による急襲の余波を受けヘリを撃墜されたが受け身を取り、負傷しながらも一命を取り留め、捜査官達を率いて隻眼の梟討伐を目的として前線に参加する。
流島上陸作戦においても船上から指揮にあたるも、和修家の正体を悟った丸手が間隙を縫って吉時と戦闘。それまで反発していたはずの吉時の遺体を発見した途端、肉親としての情を露にして号泣した。吉時の死と共に丸手の殉死をも通達するも、彼自身は丸手の遺体を発見できておらず、和修家の秘密を守るためにも、捜索(と殺害)を決意する。本部に戻って以降は吉時の死と、和修宗家を旧多に継がせるという常吉の遺言から立ち直れず、精神的にも実務能力的にも非常に不安定な状態となっている。
ピエロによる襲撃に旧多の指示のもと作戦が開始されたときは、局長代理である自分が無視されたことに不満を抱きながらも作戦に従う。その最中、ピエロのニコや反逆した芥子たちVの襲撃を受け、頭を刀で貫かれるという言い訳のできない傷から回復したことで、喰種であることが周りの捜査官たちにも露見し、まとめて刀で切り伏せていくも、芥子との戦闘で行方知れずとなる。その後は地下に潜伏していた丸手たちと合流していたようで、瓜江と黒磐特等を追い詰めた旧多への攻撃を丸手たちと行う。その後は喰種であることが露見したため、自分の保身と父の本当の仇であるVの一派への報復のため、丸手や瓜江たちに協力する。
竜戦時は作戦本部で捜査官、喰種を支援。局長継承権は放棄している。妻とも別れ子をもうけることもなく、和修直系の血は途絶えた。一般TSC職員として活動し、和修家の歴史などをまとめ、「竜遺児」の研究活動に貢献した。離婚後は鈴木政と改名。
和修分家
旧多 二福(ふるた にむら)
声 - 岸尾だいすけ / 演(映) - 新田真剣佑
右目下にほくろがある中性的な男性捜査官。2月29日生まれ。和修常吉の息子であり、吉時の弟、政の叔父。キジマのパートナー。本名は「和修旧多 宗太」。CCG最後の局長に就任し和修吉福と改名。本作第一部にも僅かに登場しており、嘉納を襲撃したマダムAを返り討ちにし、上井大学で邂逅したトーカが喰種であることを見抜いていた。長身だが華奢な体格であり言動からして一見気弱な性格のようであるが、赫子を出していないカネキにクインケを手放した状態で渡り合うなど高い戦闘能力を持つ。剣術や処世術なども、有馬貴将や和修吉時に一目置かれるほどの才能を持ち、局長就任時は女性ファンが着くほど。人心掌握にも長けており、宇井郡や六月を自陣に引き入れた。その本性は文字通りピエロじみており、あらゆる事柄に対して喜劇役者のようにふざけた口調と態度で振る舞い、真意を全くつかませない。また、非人道的な行為を平然とヘラヘラした様子で行うなど冷酷であり、目的のためなら民間人すら平然と積極的に利用、犠牲にする。その根底には、平凡な人生すらままならない半人間の身からくる、いつか消えてしまう世界を無意味なものと見なす価値観がある。そのため、全てを望みながらも心が満ちることはなく、自分を含む全てのものを遊びの感覚で嘲笑し、弄んでいる。和修家の分家として喰種と人間の間に生まれた半人間であり、更に嘉納の手術によりリゼの赫子を得た人工の半喰種でもある。
ロゼヴァルト家関連勢力捜査をキジマと共に担当。同捜査において囮役を務め、ロゼらを誘き寄せることに成功する。 月山家殲滅戦にもキジマと共に先行隊に所属、参加する。彼やハイルの殉職後に宇井に連絡を取り、援護を要請した後その本性を現した。今までの柔和な表情を捨て、口調も荒く人命をものともしない冷徹な姿を見せ、同僚である岡平を盾にして松前の攻撃を防ぎ、キジマのクインケ[ロッテンフォロウ]を用いて松前を駆逐。一部始終を目撃した捜査官も彼女から剥ぎ取った赫子で口封じに殺害し[注 21]、後からやって来た宇井に対しても虚偽報告を行い、凶行の真相を隠蔽した。月山家掃討戦後はハイセのパートナーとして活動し、高槻泉の喰種疑惑に関する調査を行う。その裏で有馬と共に「V」としての活動も並行しており、「V」の立場として、コクリアにいるエトと面会する中で、後述するような暗躍を行っていたことが発覚した。彼女によって和修家の一員であることも露呈したが分家の立場と和修家の秘密から公にできず、それを告げたエトに対して罵倒を繰り返し憔悴しきっていた。
後にヒナミを脱走させようとコクリア破りを敢行したカネキと交戦するが、隙を突かれてヒナミの赫子に腹を貫かれ戦闘を放棄。しかし、その後廃棄プレス場から脱出を試みていた四方たちの前に何事もなかったかのように立ちはだかった。プレス機を破壊しに現れたエトに一瞬にしてVの仲間を殺され逃げ回っていたが、仲間が全滅し追い詰められると一転して赫子を出しエトを瀕死に追い込んだ。
実はピエロのメンバー、宗太その人である[注 22]。喰種のレストランにおいては「PG」と呼ばれ、亜美を食材として太らせレストランの解体ショーに誘い込んだ。月山とも面識があり、彼の会員名を用いて「MMさん」と呼ぶ[注 23]
リゼとカネキが遭遇した鉄骨落下事故を引き起こした張本人であり、このためにカネキは半喰種として生きることになってしまった。また、自身も嘉納から赫子を移植されたことを示唆しており、リゼベースの鱗赫を持つ。
ピエロとしての活動の他に、リゼを「V」から逃がしたり、アオギリと通じて死体護送車を襲撃させ、シラズの死体を奪うように仕向けたり、そのアオギリの一員である嘉納個人へ喰種化の実験体を提供する、「V」の一員として活動するなど、人・喰種問わず多くの組織との繋がりを持ち、第一部より暗躍していた。リゼとは「V」に属する関係で古くから親交があり、それゆえに彼女は宗太として自分に鉄骨を落としてきたことに対し非常に驚いていた。本土にてピエロのメンバーと共に和修家の血筋の者を全員殺害。その際に「和修の王」として名乗りを上げ自身の目的のために暗躍を始める。公的に自らの身分を明かし、和修総議長の遺言を捏造してCCGの局長の座に座り、ピエロを利用したマッチポンプによってCCGの支持を獲得。さらに人間を利用してピエロの喰種に偽装し捜査官たちに駆逐させ罪悪感を植え付け、その後局長就任式で全ての罪をカネキに擦り付け、彼の偽物を公開処刑し、喰種の完全殲滅という過激な宣誓を立ててCCGたちを狂的に煽り立てた。局長の立場を利用して、リゼの赫包から生み出した新生のQ's、「オッガイ」たちによって喰種たちの一斉駆逐を行い、オッガイらの感知能力で喰種たちを追い詰めた。偽の金木の処刑パフォーマンスや、喰種隠匿の罪で民間人である依子に対し一方的に死刑判決を下したことがきっかけとなり、政の忠告を受けていた瓜江と黒磐巌らに外部組織からの調査を突き付けられるも、手駒であるロマと死堪を使った強攻策で瓜江たちの口封じを画策。重症を負った黒磐の首を刀で貫き、ロマと死堪を排除た満身創痍の瓜江に止めを刺そうとしたが、丸手たちの乱入により逃走する。その6時間後、黒山羊のアジトに何事もなかったかのように現れ、黒山羊の殲滅を指揮する。危機を察したカネキが戻ったカネキを利用し、オッガイたちを生贄に自身の持つ核を与え竜を生み出すことに成功した。
その後は局長の座を捨て、落とし児や竜の毒による人間のROSの末の喰種化を映像にて茶化しながら状況を流す。竜の体内から再生されたリゼと対面し、ピエロやVのメンバーを使い、CCGと黒山羊たちの妨害をしながら竜の内部へと向かう。そこで、事態の解決に現れたカネキと対峙し、当初はエト同様に逃げ惑う振りをしながらカネキに一撃を加える。その後剣術と半喰種化した赫子と使いカネキを追い詰めるも、竜の細胞を取り込んだカネキの変貌した赫子に力負けし、逆に追い詰められる。カネキの過去の失敗をあげつらって動揺を誘うも、余裕のなさを見透かされ、狂気を帯びながら赫者となってカネキに畳みかけるも赫子の一閃にて致命傷を受ける。最期にカネキに自分の考えや本意を伝え、カネキにも「リゼに出会わなければこんな役目を押し付けられずに済んだ」と同情するも、カネキから今までの経験を振り返り、最後まで足掻き続ける事を選んだカネキにわからないなと苦笑をこぼす。そして世界への呪い文句を最期までふざけた口調で口ずさんだ後にカネキに「普通に生きたかったなんて言ったら嗤いますよねぇ」と本音をこぼし死亡した。死に際の幻覚として和修の家でリゼと遊んだ幼少期を縁側で眺め、平和な暮らしが歳をとっても続けばいい、きっと楽しいだろうという子供の自分の言葉に微笑みながら賛同した。
クインケは尾赫[ツナギ<custum>]。
有馬 貴将
有馬貴将を参照。
神代 利世(かみしろ りぜ)
神代利世を参照。
芥子(カイコ)
声 - 斉藤次郎
「V」の一員。長年「V」に仕えており、芳村を「V」に勧誘した張本人。会話するときに口から咀嚼音を立てる癖がある。あんていく襲撃直前、CCGに狙われる芳村を救う代償として隻眼の梟を差し出すよう要求するが拒絶され、彼を切り捨てる。
『:re』では、旧多にエトを捕獲したカネキ及びエト本人の監視を、有馬にリゼの追跡を命じる。その際同席していた旧多によってCCGの関連機関「白日庭」出身であることが示唆されている。
Vによる彼らに都合のよい統治を理想にし、流島上陸作戦時吉時をフクロウクインケにて殺害、直後に本土にて、ピエロやVのメンバーらと共に和修家を襲撃し、壊滅させた。その後、本局襲撃に乗じて用済みとなった政を襲撃したが、逃がした模様。
半人間の寿命の短さを解決することが目的であり、身体の不均衡を正す竜の毒を「恵み」と称して受け入れている。
旧多の回想から、常吉によって芥子が和修の分家の一つであることが言及された。
幼少期有馬を稽古していたほどであり、その実力は高く竜の毒を浴びて喰種化した際はフクロウクインケによって0番隊、鈴屋班Qs、あんていくメンバーを圧倒するも、意識を一時的に取り戻したエトの最期の一撃を受け負傷、平子によって頭部を寸断され死亡した。
アニメ版「re」では平子と一対一の戦いを展開し、序盤は赫子で圧倒するも徐々に形成を逆転され、最後は胴体を縦に両断され死亡した。
構成員
功善(くぜん)
芳村功善を参照

ブラックドーベル

入見 カヤ(いりみ カヤ)
入見カヤを参照
ルチ
『JAIL』に登場。ガラの悪い男性の喰種で、左目に格子状の刺青がある。Aレート。羽赫。本名は「加々美 竜地(かがみ りゅうち)」。
粗暴な性格で縄張り意識が強く、18区を拠点に捜査官殺しも行っていた。名前の由来は「留置(りゅうち)」から。元ブラックドーベル所属の喰種であり、カヤの側近だったが、ブラックドーベル解散の命令に納得できず、旧体制派の部下を引き連れて暴れ回っていた。後に凛央に現在のカヤの姿を見せられ、考えを改める。梟討伐作戦ではかつての仲間を率いてカヤの元に現れ、CCGと交戦する。

その他の喰種

御手洗(みたらい)
喰種のレストランの会員で「TR」と呼ばれる男性。食通家として知り合った小鉢を食材として解体ショーに誘い込んだ。
笛口 アサキ(ふえぐち アサキ)[注 24]
声 - 鳥海浩輔 / 演(舞) - 奥野正明
ヒナミの父親。鱗赫。原作では既に真戸によって駆逐されており、本編には赫子しか登場しない[注 25]
アニメ版では喰種を診る医者として登場。過去にジェイソンの仕事を手伝っていた時期があったが所帯を持ったことを期に手を引いていた。しかし再びジェイソンから拷問用の器具を作る仕事を半ば強制的に依頼され、身の危険を察知し妻と娘をあんていくに預ける。最終的にはジェイソンが彼に接触するとの情報を掴んだ真戸と亜門が彼の家を急襲。ジェイソンは取り逃がしたが、真戸により殺される。その赫子は真戸のクインケとなり、妻であるリョーコの殺傷に用いられた。
霧嶋 新(きりしま あらた)
声 - 内田夕夜
トーカとアヤトの父親。1月1日生まれのやぎ座。血液型A型。甲赫の赫者。
温厚な性格の持ち主で、トーカとアヤトに対しては人間との共存を図る生き方を教え諭していたが、その一方で妻のヒカリを殺された復讐として捜査官狩りや多くの共食いを繰り返していた。人間の死体を拾って喰べることからCCGではSSレート「骸拾い(ムクロひろい)」と呼称されている。
大量の共喰いを繰り返した結果、完全な赫者となっており、戦闘時は全身に黒色の西洋甲冑のような形状の赫子を纏う。
死体を拾っている途中で篠原、真戸の捜査により発見され、死闘の末に捕獲される。その後の生死は不明だが、彼の赫包から生み出されたクインケ[アラタ]が幾度も登場している。トーカとアヤトは彼を故人だと考えている。
霧嶋 ヒカリ(きりしま ヒカリ)
声 - 藤田曜子
トーカとアヤトの母親で、ヨモの姉。羽赫。2人が幼い頃に有馬に遭遇、駆逐された。劇中では穏やかな女性のようだが、アラタと結婚するまでは荒れた精神のまま捕食殺人を行っていたという。ヨモは彼女が殺された際アラタを責め、以降アラタはトーカとアヤトを守るために強い力を求めるようになったという。
彼女の赫包から、有馬のクインケ、ナルカミが作成された。
ニシキの姉
声 - 内山夕実
少女期からニシキの親代わりとして世話をしてきた。人間であるアルバイト先の店長と恋愛関係になるが、彼の通報でCCGに発見、駆逐されたこのことがニシキが当初人間を憎悪する要因となった。
村松 キエ(むらまつ キエ)
声 - 土井美加
亜門がCCGに入局した頃に活動していた17区の連続殺人鬼の老婆。登場時68歳。1年で50件以上の捕食殺害を起こしており、目撃情報による継ぎ接ぎだらけの丸い顔から「アップルヘッド」と呼ばれている。亜門に襲いかかったところを真戸に駆逐された。活動当時は継ぎ接ぎの顔がマスクだと思われていたが、駆逐後にそれこそが素顔であり、老婦人としての顔がマスクであったことが判明した。
ハギ
かつて11区のリーダーとして11区を仕切っていた喰種。区の掟に厳しく、新入りであるにもかかわらずルールを守らず奔放に活動を続けるリゼを快く思っていなかった。リゼの暴食によって11区のCCGの活動が活発化、それにより仲間を殺されたことから、他の仲間を連れて粛清に赴くも、彼女に返り討ちにされて死亡した。
ギル
6区の鯱の部下。幼い頃のリゼを知っていた模様。カネキら反アオギリを快く思わず反感を抱いており、一度彼らを襲撃したこともあった。 鯱が6区に戻らずアオギリに所属していることを知った際には困惑していた。
オニヤマダ
筋骨隆々の体格を持つ男性喰種で、鬼のようなマスクを被っている。Sレート。尾赫。自分の力を誇示したがる粗暴な性格で、「腕試し」と称して捜査官狩りを行い、准特等及び上等捜査官数名が彼により殺害されている。当時一等捜査官だった篠原により駆逐され、その赫包は篠原のクインケ[オニヤマダ]に加工された。
大瀬(おおせ)
フランケンシュタインのようなマスクを被った男性喰種。Sレート。鱗赫。人間の犯罪者を率いて強盗を行っていた。警官の被捕食者が多数出たため、赴いた黒磐により駆逐され、その赫包は黒磐のクインケ[クロイワSpecial]に加工された。
ビッグマダム
声 - 斉藤貴美子
喰種の富裕層「マダム」の重鎮で、肥満体の男性(ニューハーフ)の喰種。SSレート。尾赫。ビッグマダムの戦闘力自体はSSレートに値するものではないが、他の喰種への影響力も加味され認定された。しかし、それでもマダム界をのし上がってきた実力は本物。幼少期の鈴屋玲を「娘の代用品」にあたる飼いビトとして愛玩し、同時に解体屋「什造」として育成していた。長年に渡る様々な残虐行為を彼に加え、遂には玲の少女のような魅力を永遠のものにしようと彼の男性器をハンマーで打ち砕いている。後にCCGの介入により逃亡。その後、幾度もCCGによる追跡を受けるが、いずれも捕獲や討伐は失敗に終わっている。
『:re』では人間オークションに参加。トオルを自身の飼いビトとして落札するも、直後に始まったジューゾーの奇襲とそれを合図に開始された掃討戦により会場は混乱。護衛と共に地下大倉庫まで避難、ウリエに発見され彼との交戦を開始。終始彼を圧倒するも集結した鈴屋班の連携で追い詰められ、ジューゾーの[13'sジェイソン]の斬撃で深手を負う。ジューゾーに命乞いをするが、それに対する彼の「今まであなたを恨んだことなどない、ビッグマダムの駆逐はあくまで仕事」という言葉を受けると一転して暴言を吐き散らすも[注 26]、最期は鈴屋班員の総攻撃を受けて駆逐された。
三波 麗花(みなみ うるか)
声 - 早見沙織
[JACK]に登場。富良の高校時代の同級生。 Aレート。尾赫。捕食時にはカボチャのマスクを被るため「ランタン」と呼ばれている。富良の友人であるリョウとアキを襲撃。リョウを殺害し、アキに生涯残る深手を負わせたことと有馬の駆逐対象であったことから、富良と有馬に追跡されることになる。三波としての顔では彼らに協力する素振りを見せたが、自身の正体を看破していた有馬と交戦。致命傷を負い、最期の力で富良に飛びかかるも彼に止めを刺された。人間としての普通の生活に憧れており、リョウらを襲ったのも日常的な暴走行為でそれを脅かしたことによる苛立ちと人として平穏に暮らしていける彼らへの嫉妬からであった。死後、その赫包はクインケ[ランタン]として加工され、富良の所有物となった。
加藤 澄晴(かとう すみはる)
声 - 竹本英史
[JACK]に登場。羽赫。美容師として人間社会に溶け込んでおり、客の髪の毛から獲物を選別し、気に入った客を捕食していた。店の常連客の三波を彼女の身体に染みついた血の匂いから人間と勘違いして襲撃するが、富良と共闘した有馬の手によって討伐された。
カイン
[日々]に登場。尾赫。上井大学のオカルト研究会に度々顔を出すオカルトマニアの男性。捕食と口封じを兼ねてヒデとオカルト研究会のメンバーに襲いかかるが、ヒデの策略で返り討ちにされ、現場に駆けつけた捜査官により駆逐された。
電車の少女
[JOKER]に登場。Aレート。羽赫。電車内にて痴漢被害を受けていたところをジューゾーに助けられる。その際には少女らしい嫋やかな態度を取っていたが、その正体は鈴屋班が追跡していた喰種集団「スカルマスク」のリーダーであり自分に痴漢をしていた男性の利き腕を切断、捕食しようとしていたところをジューゾー、半兵衛に発見され、交戦を開始。アクシデントに見舞われたジューゾーに襲いかかった所を背後から半兵衛の一撃を受け、駆逐された。
小林(こばやし)
声 - 内野孝聡
『:re』第1話に登場した男性の喰種。B+レート。鱗赫。トルソーと同じくタクシー運転手をしている。トルソーの捜査をしていたウリエに正体を見破られ、襲い掛かるも、ウリエとシラズによって倒され、最終的にハイセに拘束される。
ナッツクラッカー
声 - 三日尻望
『:re』から登場。お歯黒をした女性の喰種。A〜→Sレート。甲赫および尾赫。強い偏食性を持った喰種で、男性の睾丸を粉砕し啜る趣味がある。金銭に執着があり喰種の富裕層「マダム」から依頼を受け、人身売買の斡旋を行うことでそれを得ていた。当初はA〜レートに認定されていたが、二種の赫子を使い分け、上等捜査官含む班を単身で壊滅させたことからSレートに格上げとなる。尾赫は分離させトラップとして使用することが出来るが、分離した赫子は自身の意思で起爆することは出来ず、接近した物体に反応して作動する自動的なものである。トラップの一連の動きからそれを解析、仕掛けた箇所を看破したシラズの策により自滅。動きを止められた後にサイコの一撃で重傷を負い、シラズによってとどめを刺され駆逐された。死の間際の回想では幼少期からの美に対する強い憧れが描かれ、偏食や金銭欲はそれに由来するものであることが明かされた。
死後、彼女の赫包はキメラクインケ[ナッツクラッカー]に加工され、シラズが所有することとなった。シラズの死後の所有者は不明となっている。
冴木の父親
冴木空男の父親。人間を信用しない喰種で空腹のあまり妻を捕食し、冴木にも最低限の世話はしていたものの「いざという時に足手まといになるから人間と付き合うな」と命令していた。空男と仲良くなった道乃美の両手足と首を切断して捕食。それを目撃して絶望した冴木の赫子で殺害された。
スケアクロウ
『:re』から登場。「へのへのもへじ」と書かれた袋を頭からかぶった案山子姿の喰種。Cレート。素性、目的共に一切不明。
発声能力に難があるようであり、その台詞は不可思議かつ解読困難である。人間オークションに参加し、放送室で何らかの操作をしてタキザワに蹂躙されていたハイセの叫び声を館内放送で会場中に流した。これに反応したヒナミが動き、結果的に彼を助けることとなった。鉢川班がアオギリの本拠地とされる流島へ斥候に赴いた際にはトオルが流島から離れていく彼の姿を目撃している。また、半喰種化した亜門に助力し、その逃走を手引きしていた。その正体はヒデ
ロウ
『JAIL』に登場。妙齢の女性の喰種で、目元に格子状のメイクを施している。甲赫。喰種レストランの常連であり、自らの美貌の為に必要以上の捕食を行い、また「若さの維持には赫包の活性化が不可欠」という考えから喰種の共喰いも行っている。名前の由来は「牢(ろう)」から。リオに敗北してからは、彼を共喰いの対象として執着し、付きまとっている。
キンコ
『JAIL』に登場。巨漢の男性喰種で、顔面に格子状の傷跡が広がっている。Sレート。鱗赫。草花や動物を愛する心優しい性格だが、それらをないがしろにする相手に対しては怒り狂い、暴走する烈しい一面も持ち合わせている。名前の由来は「禁固(きんこ)」から。リオと同様、コクリアに収監されていたが、アオギリの樹の襲撃に乗じて脱走。最終的に複数の捜査官らの手によって駆逐された。
凛央の兄
『JAIL』においてリオの回想の中で存在のみが明かされた。Sレート。鱗赫。リオの術懐からすると、弟想いな性格であったようで、食糧調達も殆ど彼が行っていた模様。弟と共にキジマによって捕縛されコクリアに収監されていた。ジェイルであると疑われているリオを庇い、彼ではなく自身がジェイルであると主張していたが、キジマにより駆逐された。その赫包は彼のクインケ[ロッテンフォロウ]となり、リオの追跡の際に用いられた。多くのエンドでは前述の結末を迎えるが、早期に勝利条件を整えてキジマを倒し殺害することで、彼が生存するエンドも存在する。『:re』では彼の赫包から造り出されたクインケ[ロッテンフォロウ]のみ登場しており、原作の世界線においては既に駆逐されている模様。
亜門 鋼太朗(あもん こうたろう)
亜門鋼太朗を参照。
府河(ふか)
『:re』から登場。モヒカンヘッドにサメのような顔立ちが特徴の男性喰種。甲赫。Sレート。コクリアに収監されていたが、カネキがヒナミ救出の為に行ったコクリア破りの際、捜査官を撹乱する目的でカネキに独房から解放され、混乱に乗じて脱走に成功。独房の喰種を解放するカネキの姿を目撃しており、コクリア脱走後は他の脱走喰種を率いて「隻眼の王」たるカネキの下に参上し、黒山羊の一員として活動を行う。
24区襲撃時、仲間と共にハジメに惨殺された。

人間

喰種対策局

各々の階級は現職の捜査官は最新巻時点で記述。殉職、あるいは事実上離脱した捜査官においては最終的な階級で記述している。
幹部の人間
和修 常吉(わしゅう つねよし)
和修常吉を参照。
和修 吉時(わしゅう よしとき)
和修吉時を参照。
特等捜査官
有馬 貴将(ありま きしょう)
声 - 浪川大輔
1区および24区担当の男性捜査官。金木と同じ12月20日生まれのいて座。総議長に見出された白日庭出身者で、特例でアカデミーを経ずに三等捜査官に就任、異例の早さで特等捜査官まで昇進した逸材。
数多の逸話を持ち、中でも二等捜査官時代に隻眼の梟を単独で撃退、二階級特進を果たしたことでその名を馳せた。両手でそれぞれ形状や種類の全く異なるクインケを自在に扱い、装備の整わない状態でSSSレート喰種を圧倒するなど、特等捜査官の中で別次元とも言える戦闘能力を有することから「CCGの死神」とも呼ばれる。また、彼が率いる有馬班に所属していた捜査官も総じて高い能力を持つ。
少年期から捜査官として活躍していた天才肌であるが、平子からは「天然」と評されている。梟討伐作戦では0番隊の隊長を務め、ルートV14にて地下に逃げた多数の喰種を討伐。後に遭遇したカネキも[ⅨA]を損傷させられながらも圧倒的な実力で叩き伏せた。その後、地上に上がり隻眼の梟と交戦。負傷させ、単独での撃退に成功する。
『√A』における梟討伐作戦では、カネキと対峙する前に隻眼の梟と交戦して撃退し[注 27]、その後ヒデの遺体を抱えたカネキと対峙する。
[JACK]時点では三等捜査官。学生時代にランタンを追って13区の富良の通う高校に潜入捜査を目的に転校してきた。富良と共闘し、13区内の喰種を多数駆逐。彼と同じく協力的な姿勢を見せていた三波がランタンの正体であることを看破しており、襲撃してきた彼女に[ユキムラ]の斬撃で致命傷を与え、富良を襲っていたヤモリにも深手を負わせ、撤退に追い込んでいる。
クインケは優れた防御性能を有し、遠隔起動も可能な甲赫[IXA(イグザ)]と雷のような赫子を発生させる羽赫[ナルカミ]だが、入局当初はギターケースに収納されたサーベル型の甲赫[ユキムラ1/3]を使用していた。
『:re』ではS3班の班長としてアオギリ捜査、及びに24区探索を行っている。
ハイセ(カネキ)を捕獲した張本人であるが、彼からは先達にして父親同然の存在として慕われている。有馬自身も彼なりにハイセを気にかけており、定期的に交流している。だがハイセが暴走、または以前の人格が表層化した際には私情を交えずに即座に鎮圧している。
その正体は、Vに所属する半人間にしてアオギリの樹首領・「隻眼の王[注 28]
若くしてVの一員として他者から奪い続けるだけの自分の人生を内心嫌悪しており、かつてエトと交戦した際には彼女の語った行動原理に共感し「自分を殺しうる実力を持つ隻眼の王を作る」という目的の下で密かな協力関係を結んでいた。故に、20区隻眼の梟討伐戦で自身にかすり傷を負わせ[IXA]を破壊したカネキを「隻眼の王」になりうる存在と見込み、彼を殺さずに捕獲していた。
オークション掃討戦と同時に行われたクインケ鋼移送車護衛任務に就き、タタラ率いるアオギリの樹を撃退後はオークション会場へ合流した。
流島上陸作戦には参加せず、0番隊の隊長としてコクリア防衛を担当。コクリア破りを敢行したアヤト、トーカ、ヨモの三人を同時に相手取り圧倒するが、ヨモが捨て身で放った赫子の一撃で[ナルカミ]を損傷し、更に乱入したカネキとの戦闘で[IXA]を完全に破壊される。半赫者の力を解放したカネキに対して芳村の赫包から造り出されたSSSレートクインケ[フクロウ]を使用。彼の四肢を切断し圧倒するも、覚醒したカネキの大量の赫子を用いたフェイントに掛かり、隙を突かれ[フクロウ]を破壊され、損傷したクインケでの応戦も無駄と分かると完全に対抗手段を無くす。最終的に自身の敗北を認め、カネキに自分を殺す意思がないことを悟ると、破損した[フクロウ]で首を切り裂いて自ら命を絶つ。今際の際に自身を始めとする白日庭出身者の出自や和修家の正体を伝え、「何かを残せたこと」や「もう殺さずに済むこと」に安堵しながらカネキに看取られ、生涯を終えた。
またその死は彼の遺志通り、隻眼の王たるカネキに殺害されたものとして数多の喰種や捜査官の周知することとなった。
[JACK]時点では黒髪だったが、徐々に髪色が白くなっており、[注 29]原作第一部や『:re』においては完全な白髪となっている。
鈴屋 什造(すずや じゅうぞう)
声 - 釘宮理恵
20区担当の男性捜査官。6月8日生まれのふたご座。血液型AB型。愛称は「ジューゾー」。初登場時は三等捜査官で、篠原のパートナー。アカデミーに入学することなく特例として喰種捜査官に就任し、アオギリの騒乱から半年後に二等捜査官に昇進。中性的な容姿をしており、カネキと同様に喰種を惹きつける体臭を持つ。男性としては小柄で華奢な体格であるが極めて高い身体能力と動体視力を持ち、小型のクインケで重傷を負っていたとはいえS+レート喰種であるジェイソンを駆逐し、クロナとナシロを同時に相手取って余裕を崩さず勝利している。アニメでは人体の数倍の体高の梟より遥か高所へ跳躍したり、建造物の上層階から下層階へ着地したり、瞬間移動のごとく速度で動くなど、より人間離れした身体能力で描かれている。また「re」におけるカネキとの戦いではアラタを装着した状態で貫手や蹴り等の徒手格闘を主体とした戦法も披露している。天真爛漫な性格であるが常識感とモラルが欠如しており、気軽に窃盗を行い、機嫌を損ねた相手に障害が残る傷害を躊躇せずに行う残忍な一面を持っている。痛覚が鈍い故か人体を物体のように表現することがあり、クロナとナシロとの交戦で腹部を裂かれる深手を負わされるも、痛がる素振りを見せず軽く受け流すに留めている。また、喰種化しているとはいえ元アカデミーメイトである安久姉妹を「壊す」とも発言している。20区隻眼の梟討伐戦では宇井と共に特等らの応援として参戦。芳村に手傷を与えようとするが、隙を突かれて右足を切断される[注 30]。隻眼の梟によって篠原を弄ばれた際に、かつて彼が語っていた言葉の意味を理解。欠落していた感情と人間性を取り戻し、作戦終了後は植物状態となった篠原の前で再び捜査官として働くことを誓った。
捜査官になる前の本名は「鈴屋 玲(すずや れい)」。幼少期にビッグマダムの喰種の飼いビトとして過ごし、サーカスでの曲芸や解体屋を行っていた。その一方で執拗な虐待をされており、痛覚の鈍化はその影響で起こったもの。ビッグマダムから「娘の代用品」として扱われた上、「可愛いままでいてほしい」と願うビッグマダムの歪んだ愛情により男性器を潰されている。アカデミー候補生時代にクロナ、ナシロと同じ施設に居たため面識があり、彼女らとの交戦を「同窓会のよう」と比喩している。
クインケはナイフ状の尾赫[サソリ1/56]×56 と内部から赫子を出現させるギミックを搭載した大鎌型の鱗赫[13'sジェイソン]。後に攻防一体の甲赫[アラタ JOKER]も加わる。
『:re』では登場時点で准特等捜査官として13区の班長を務めている。白かった髪色も黒くなっており、白双翼賞や金木犀賞を含む数多の賞を受勲。13区の完塞に成功した天才として名を馳せている。ハイセやクインクスとの関係は良好であり、同い年の彼をフォローしたり、篠原からの教えを用いながら悩みを抱えるトオルを諭してナイフ操術を指南する等、人間的に大きく成長している。部下からの信頼も非常に篤く、班員は全て熱烈な志願により鈴屋班に所属している。戦闘面では装備の不足した状態でSSレートのアヤトと渡り合い、喰種からも脅威の存在としてその名を知られている。また、失った右脚はナイフ型クインケを収納可能な義足で補っている。オークション掃討戦では集結した鈴屋班員と共にビッグマダムと対峙、班員らを統率して彼を追い詰め、自身の一撃で深手を負わせ、その最期を見届けた。作戦後は鈴屋班各員と共に特別功労者に認定され、特等捜査官へ就任した[注 31]。流島上陸作戦には二番隊隊長として参戦。班員らと共に独断専行してミザの部隊を壊滅させ、クロナと再会。彼女に[13'sジェイソン]を破壊され、赫子の痛打を受けるも甲赫[アラタJOKER]を起動。彼女を圧倒し、撤退に追い込んだ。
ピエロの本局襲撃時はウタと交戦。篠原の顔を模したウタに隙を見せるも鈴屋班のメンバーの援護もあって撃退。
有馬亡き後死神の名を引き継ぎ、篠原の治療維持のためSSS班を率いて24区を襲撃。彼のポップな魅力が精鋭を呼び、有馬SSS班を拡大したかのような戦力を誇った。阿原と共にトーカ、ヒナミと交戦。トーカを取り逃がすもヒナミの片足を切り落とし重症を負わせる。あと一歩の所で金木が乱入。阿原と共にアラタを起動し死闘を繰り広げる。カネキはハイセとして捜査官時代交流を深めた仲であったが、「大事なこと(篠原に変わって任務をこなす)には順番がある」として躊躇なく攻撃。阿原の捨て身の一撃もあってカネキケンを討ち取る。しかし四肢を切り落とし再生・戦闘不能にまで追い込むも止めは刺さなかった。アニメ版ではカネキと一対一の戦闘になり、終始互角の戦況で実力での決着はつかなかったが、六月に追い込まれたトーカの姿に意識を反らした一瞬の隙をつきカネキに致命傷を負わせている。
竜の発現による地盤の崩落に巻き込まれるも環によって救出され、彼に捕まりぶら下がった状態で竜の赫子を凌いだ。喰種の協力要請に対し、「篠原ならば人間たちの手で決着をつけると言うだろう」と判断し初めは難色を示したが、丸手の「大人として自分の判断を下せ」という助言を受け、これを受諾。彼の強い影響力が喰種とCCGとを結びつけた。
Vの作戦本部襲撃に際して梟(エトの死体)と交戦し、弱点であるはずの首を斬り落とすも、梟はドナートに操られていたため効果なく、弾き飛ばされた。梟の赫子の射出をアラタで防ぎ宇井を守る。芥子と戦闘では金木との闘いがアラタと自身にダメージを残しており、追い込まれたところを六月を初めとするQsに助けられる。
TSCでは保安活動の最有力部隊を率い、最高位「竜将」として東京の街を守り続け、尊敬を集めた。また、意識を取り戻した篠原と邂逅しかつてのように涙を流した。
篠原 幸紀(しのはら ゆきのり)
声 - 仲野裕
20区担当の男性捜査官。ジューゾーの最初のパートナー。人当たりのよい性格の人物で、ジューゾーの問題行動にも怒ることなく諭すように指導している。ジューゾーをパートナーにした当初は彼の奇行に手を焼いていたが、後に互いに信頼関係を築くようになる。トーカとアヤトの父であるアラタの捕獲や一等捜査官時代にSレート喰種、オニヤマダを駆逐するなど数多の功績を持つ歴戦の捜査官。真戸呉緒の初代パートナーでもあり、アカデミー時代の亜門の教官も務めていた。堅実かつ確実に成果を残すタイプであり、「不屈のシノハラ」と呼ばれている。梟討伐作戦では第一隊の副隊長として芳村と戦うが、その直後に現れた隻眼の梟に出会い頭に吹き飛ばされ、さらにブレード状の赫子が右足を切断および腹部を貫通。大量出血のため脳への深刻なダメージを負い、植物状態となる。作戦終了後も存命しているものの、受けた傷の重篤さから医師からは回復の見込みはないと宣告された。しかし、彼の離脱がジューゾーの人間性獲得と精神的成長に多大な影響を与え、捜査官として活動し続ける最大の動機となる。
竜戦の6年後、落とし仔の再生能力を模した治療により、昏睡状態から回復、什造と再開することが出来た。
『√A』における梟討伐作戦では隻眼の梟の攻撃からジューゾーを庇って重傷を負う。原作とは異なり脚は切断されていないが、意識不明の重体に陥る。
討伐戦から時を経た『:re』においても意識の波を彷徨い続けているが、彼の遺した言葉や教えは最後のパートナーであるジューゾーに受け継がれている。
クインケは鉈状の尾赫[オニヤマダ壱]→[オニヤマダ]と鎧状の甲赫[アラタproto]→[アラタβ0.8]→[アラタ]。
黒磐 巌(くろいわ いわお)
声 - 大友龍三郎
13区担当の男性捜査官。黒磐 武臣の父親。実戦経験豊富なベテラン捜査官で隻眼の梟と二度交戦、致命傷を負わせた経歴を持つ。無口で「うむ」が口癖。アオギリの11区襲撃事件に対処する11区特別対策班の副指揮官を務める。梟討伐作戦では第一隊の隊長として芳村と戦い手傷を負わせるが、その代償として左腕を失った。
『:re』でも義手をはめ現役捜査官として喰種の駆逐を含めた捜査活動を続けており、多くの捜査官から変わらず畏敬の念を抱かれている。かつてはウリエの父率いるS3班に所属しており、幼少期のウリエに彼の父の殉職を言い渡した。また、倉元の発言から武臣同様、素手で喰種を駆逐した経験がある模様。
息子の武臣と依子の結婚式では涙を見せ、次は孫かという清子の言葉に照れる表情を(端から見ても平時と見分けがつかないが)見せた。
依子の処刑宣告を受け、瓜江と共に旧多の行きすぎた措置に対する外部調査の通告へ向かったところ、机下に潜んでいたロマと死堪の逆襲に遭う。通常の刀剣で赫子を切り裂くなどの技術を見せ、死堪を気絶させたが、赫者形態になったロマから瓜江を守り続け重症を負う。さらに旧多によって首を刀で貫かれ、駆けつけた丸手と瓜江に見守られ意識を失う。死亡したかに見えたが生存しており、首の怪我も癒えたことが後に明らかになった。TSCでは丸手長官の補佐をつとめる。
クインケは鱗赫[クロイワSpecial]と、鎧状の甲赫[アラタproto]→[アラタ]。
丸手 斎(まるで いつき)
声 - うえだゆうじ
対策II課所属の男性捜査官。和修 吉時と親交があり、捜査や指揮の勘所は彼から学んだ。一方、嫌味な性格をしており、自慢するために職場へハーレーで乗り付けたり、他者を見下す発言や陰口を繰り返すため、局員たちからの印象はあまりよくない。クインケを「オモチャ」と称して嫌っているが、喰種にアサルトライフルで正確な射撃を行うなど捜査官としての実力は確かである。アオギリの11区襲撃事件に対処する11区特別対策班の指揮官を務めるが、23区の喰種収容所の襲撃を予測できなかった。20区隻眼の梟討伐戦では副指揮を務めた。 入局当初はI課の最前線で身体を張っていたものの、自身が率いた班で死者を出した事をきっかけに現場を退き、II課へと移った経緯を持つ。
[JACK]にも登場しており、ランタンに襲われた富良から事情聴取をし、独断で喰種を駆逐した有馬の判断を咎めていた。
『:re』でも特等捜査官として活動しており、流島上陸作戦では捜査指揮として参戦。作戦の最中に和修家が喰種一族である事を確かめる為に吉時に対してQバレットの銃弾を放ち、喰種としての正体を現した彼に襲われる。作戦終了後、政によって「何者かの襲撃により吉時が死亡したことで乱心し、海に投身して自害した」と報じられ、公式には死亡したとされたが、実際には生存。岸に上陸してそのまま姿を消した。
瓜江と黒岩巌が旧多に詰め寄った際、彼の部下と共に姿を現し、「CCGを取り戻す」と叫び、新兵器を用いて彼を撃退。
竜戦の際は混乱したCCGを統括。ヒデの提案を受け、鈴屋に彼自身の判断を引き出すよう告げると共にCCGと喰種の提携を受諾。作戦本部から彼らを指揮した。
TSCトップの長官に就任し、TSC黎明期を支えた。
法寺 項介(ほうじ こうすけ)
声 - 速水奨
20区担当の男性捜査官。滝澤のパートナー。第一部時点では准特等捜査官。目下にも敬語を使う穏やかで紳士的な性格だが、時折辛辣になることもある。13区のピエロマスク掃討戦だけでなく、中国の「赤舌連(チーシャーリェン)」という喰種集団を相手にして功績を残した実力者であり、武闘派として知られる。真戸呉緒の二代目パートナーだっであり、梟討伐作戦では第一隊の班長を務め、芳村に真戸への餞として致命傷となる一撃を与え、同作戦終結後は特別功労者に認定されている。
『√A』ではコクリア襲撃の際にタタラと対峙、交戦するも決着はつかなかった。梟討伐作戦では原作同様他の特等捜査官らと共に芳村を追い詰めたが、作戦終盤で血の付いた[ドゥヒ]が彼の元へ届けられたことから滝澤の殉職を悟り、悲痛な面持ちとなった。また、ヒデを運ぶカネキの姿を目撃しており、丸手へ報告した。
『:re』では特等捜査官に昇進。鍛錬を重ね、真戸を凌ぐクインケ操術を身に着けている。S3班の一員としてクインケ鋼移送車護衛任務に就き、タタラ率いるアオギリ構成員らを撃退。オークション掃討戦に合流し、作戦成功に貢献した。流島上陸作戦には第一隊の隊長として参戦。彼の潰した赤舌連の生き残りタタラとの交戦し、その兄譲りの攻撃を攻略するが、兄以上の速さを持つタタラに攻撃を負わせられかけ、乱入してきたオウルに助けられる。作戦開始以前からその正体を看破しつつ、彼がタタラを倒した後は涙ながらにかつての部下をSSレート喰種として駆逐する苦渋の決断を下すも、逆上したオウルに殺害されてしまった。オウル曰く、法寺はオウルに負けるはずもなく、人殺しに堕ちた彼は殺処分を免れないと考え、それよりは元上司の手で殺そうと決断したが、負傷を負わせるも結局かつての部下に手を下すことはできなかった。
なお彼の叔父、法寺隆はTSCの2代目長官。
クインケは羽赫[ホロウ]と甲赫[赤舌(チーシャ)]。流島上陸作戦ではランス状の甲赫[イイツウ]も使用。
宇井 郡(うい こおり)
声 - 織田圭祐成瀬誠(:re)
4区担当の男性捜査官。一人称が「私」の中性的な青年。実家は裕福。
勤勉だがやや融通に欠ける性格であり、愛煙家。平子同様に有馬の世間ズレした言動に振り回されていたが、彼に対する信頼の念は深い。
第一部時点では准特等捜査官であり、それながら4区の指揮権と特等会議への参加権を持つ元・有馬班のホープと称される。その待遇に違わない高い戦闘能力を持ち、20区隻眼の梟討伐作戦では第0隊の副隊長を務め、隻眼の梟が奇襲を掛けて来た時は唯一その攻撃を回避することに成功。反撃するも劣勢を強いられたが、有馬を始めとする増援が到着するまで持ち堪えた。作戦終結後は特別功労者に認定されている。
『:re』では特等捜査官に昇進しS1班の班長に就任。クインケ鋼移送車護衛任務に参加し、移送車襲撃に現れたアオギリ構成員を撃退後は同時進行していたオークション掃討戦へ合流した。突出した戦闘能力は健在であり、オークション会場では[タルヒ]のギミックを活かして一瞬で複数の喰種を駆逐する活躍を見せている。その後は富良やハイル、クインクス班と共にロゼヴァルト家関連勢力捜査を担当、政との仲が極めて険悪な状況で同捜査の指揮を務める。かつて自身と同じ有馬班に所属していたハイセが暴走状態に陥るのを幾度も目撃している模様。その為か彼に対して警戒心を抱いており、ハイセやクインクスらが功績を挙げることも危険視している。ハイセから自身とクインクス班による喰種のマスクを用いた潜入作戦を提案されるも難色を示し、許可を出さなかった。月山家殲滅戦では指揮官に任命される。観母を確保するも、彼らが無抵抗で投降したことに不審感を抱き、月山家子息の存在と逃亡先のビル、ルナ・エクリプスの特定後は全喰種殲滅を目標としてハイルらを先行させる。自身もハイセ達と共にビル内へ突入、彼に屋上の索敵を指示する。旧多の要請を受けて援護に向かい、唯一の「生存者」である彼からハイルやキジマら他の捜査官の最期を知り、大きなショックを受ける。作戦終了後は優秀な捜査官を失ったのにも関わらず月山家当主及びその子息を取り逃がした失態から、他の捜査官からの評価が下がっている。流島上陸作戦には三番隊隊長として参戦。ミザを追い詰めるもナキを始めとする白スーツ残党や「20区の亡霊」達に阻まれ、ハイルの仇とも言える月山と交戦するも、彼を討つことは叶わなかった。ハイルに続く有馬の死、ハイセや平子、0番隊がCCGを裏切り追い討ちをかけるようにピエロの作戦でヒトを殺すこととなり精神的に追い詰められ、かつての吉時を思わせる旧多を信用してしまう。彼の後見人の立場をとり、局長補佐に就任。そのエスカレートする言動に困惑し詰め寄るも、ハイルや有馬を生き返らせる技術を示唆され、彼の下に付く。彼らの復活を唯一の拠り所とし、以前にも増して敵対勢力の殲滅に尽力する。
24区襲撃時かつての仲間である平子ら0番隊と交戦。死人が出る寸前で竜の落とし仔が現れ、共闘。死者復活の望みが絶たれたことを理解し絶望するも、平子らと和解しCCGと喰種の協力へ誘導。
作戦本部が梟に狙われたときはその身体[タルヒ]で貫くなど手腕を発揮し、「有馬貴将はここにいない」と言い放ち自分の力で戦うことを決意した。オルゴール化した黒狗とも交戦。
TSCではアカデミーの教頭として保安官候補に戦闘術を指導した。
クインケは内蔵ギミックにより尾赫のようなしなやかな刃を作り出せる甲赫[タルヒ]。劇中未使用だが甲赫[アジテ]も所有。
田中丸 望元(たなかまる もうがん)
声 - 小山剛志
2区担当の男性捜査官。2区の支部長として、捜査官の職務と2区の統括役を兼任している。「ンン…ボーイ」が口癖。戦闘時にはクインケ名を叫ぶことが多く、戦いを喜劇として捉えている。実家は寺であり、幼少期から数々の霊体験に見舞われ、それを避ける為に捜査官となった異色の経歴を持つ。親族から住職を引き継ぐよう、口うるさく言われているらしい。 また、彼が写真を撮ると必ずと言っていいほどそれが心霊写真となる。強い霊感を持つ一方で本人には霊的存在への耐性がないらしく、霊体験に見舞われる度に丸手を始めとする他の捜査官に泣きつくこともしばしばである。
20区隻眼の梟討伐戦では第二隊の隊長として参戦。古間と交戦では彼に致命傷を負わせるも、突如出現したカネキにクインケを破壊され、古間を取り逃がしてしまう[注 32]
『:re』でも引き続き特等捜査官として活動している。流島上陸作戦には参戦せず、五番隊の隊長として本土防衛を担当。コクリアの応援に駆け付け、脱出を試みるトーカらの道を安浦と共に阻む。トーカを行動不能に追いやり、ヨモに重傷を負わせるも、カネキの脱出を幇助した平子率いる0番隊の妨害を受け、カネキに重傷を負わされた模様。だがその後は安浦と異なり、すぐに復帰して捜査会議に参加している。
竜戦ではシュピールドーゼから平子と宇井を守るなど活躍。
その後実家を継いで出家。暇なのか宇井の様子を見に顔を出した。
クインケは衝撃波のような赫子を発生させ、モードの変更で遠近両用で対応できる羽赫[ハイアーマインド(高次元精神領域)]もしくは[天使の羽ばたき(エンジェルビート)]。
安浦 清子(あうら きよこ)
声 - 赤﨑千夏
1区担当の女性捜査官。対策I課課長。女性で初めて特等捜査官に就任した人物である為、多くの同性捜査官からの羨望を集めている。真戸呉緒の亡き妻、微とは同期であった為、彼女と並んでその優秀さを讃えられることも多い。分離させた[是毘図]を同時併用する二刀流に長け、その戦法は彼女自身の指導をもって有馬や半井、真戸呉緒に引き継がれている。第一部では戦闘描写はないものの、特等会議に参加。有馬の欠席に難色を示している。
『:re』においても特等捜査官として活動し、女性捜査官の理想として変わらず名を馳せる。彼女の甥(妹の息子)の安浦 晋三平がクインクスの新たな班員として登場している。彼との親族としての関係は良好であり、度々会食に出かける等の交流がある。流島のアオギリの樹殲滅戦には参戦せず、四番隊の隊長として本土防衛を担当。コクリア襲撃時には田中丸と共に応援に駆け付け、トーカやアヤト達と交戦。田中丸との連携により徐々に追い詰めるものの、突如として現れた0番隊とカネキにより両脚を失い、戦線離脱した。その後入院していたが、伯母を傷付けられたことからハイセに対して憎悪を抱く晋三平の身を案じており、かつて自身の班に所属していた半井に対して彼を気にかけるように頼んでいる。
竜戦時はアキラの押す車椅子に乗り現場で指示を出す。
クインケは追尾式ロケットランチャー型の羽赫[是毘図]。
和修 政(わしゅう まつり)
和修政を参照。
灰崎 深目(はいさき しんめ)
声 - 内野孝聡
対策II課所属の男性捜査官。コクリア現監獄長。アオギリの樹のコクリア襲撃による前任者の失態を経て副監獄長から昇進した。過去にはコクリア尋問官を務めた経歴があり、Vとも何らかの関係があったことが示唆される。
流島のアオギリ殲滅戦と平行して行われたコクリア防衛戦において、全コクリア看守の指揮を執っていたが、モニター室にてハイセの手で収容喰種が多数脱走する様を目の当たりにしたことで恐慌。独房から脱走していたドナートに背後から隙を突かれ、首を捥ぎ取られて死亡した。
御坂 矜持(みさか きょうじ)
声 - かわのをとや
コクリア元監獄長。灰崎の前任者であり、原作では名前のみ登場。第一部における11区アオギリ戦でCCGが陽動された隙に、アオギリ本隊によって行われたコクリア襲撃の際に命を落としたことが言及されている。
『√A』では存命しており、アオギリのコクリア襲撃以前に灰崎の代わりに特等会議に参加している。コクリア襲撃の際にはタタラと交戦。彼をクインケで捕縛するも油断して近づいた所に彼の不意討ちを受けて殺害された。
伊庭 藤重(いば ふじしげ)
声 - かわのをとや
篠原や真戸、黒磐の元上司で尾赫使いのベテラン捜査官。過去の梟戦において利き腕を切断された為、捜査官を引退する。20区の梟討伐戦終結後には植物状態となった篠原を見舞い、彼を真戸と合わせて「上司不孝」と評する。
亜門 鋼太朗(あもん こうたろう)
声 - 小西克幸吉永拓斗(子供時代) / 演(舞) - 君沢ユウキ / 演(映) - 鈴木伸之劇団EXILE[9]
20区担当の男性捜査官。 本作第一部においてCCG側の狂言回しを務める人物。4月7日生まれのおひつじ座。血液型A型。十字架のペンダントを常に身に付けている。極度の甘党で、辛いものが非常に苦手。初登場時は一等捜査官、11区戦後は上等捜査官に昇進し、20区戦で殉職扱いとなり2階級特進で特等捜査官に。真戸呉緒の最後のパートナー。アカデミーを首席で卒業したエリートで「この世界は間違っており、歪めているのは喰種である」という考えと、それに基づく「この世界を変える」という信念の元に活動している。基本的に涙脆く正義感に溢れた好青年であるが、直情的な性格や凄絶な使命感からしばし暴走し、倫理や規則を無視した行動を取ることがある。その出自は孤児であり、小児喰らいの喰種、ドナート・ポルポラの営む孤児院で生活していた。彼の捕食現場を目撃したことで今まで養親に引き取られたとされていた仲間達の末路や養父の正体を知るも、何故かドナートは亜門を捕食せず手元に置き続けた。この過去からドナートには複雑な感情を向けており、肌身離さず身に付けている十字架には孤児院暮らしの裏で繰り返されていた彼による殺戮の日々を忘れない自戒の意味を込めている。しかし後にそれは過去や父親としてのドナートへの未練であったと自覚した。ラビットと交戦する真戸との合流を図ろうとした最中、カネキと遭遇。体術と[ドウジマ]による攻撃で彼を圧倒するも、赫子を解放したカネキに[ドウジマ]を破壊されて負傷。戦闘不能に追いやられるも、彼に見逃されたことに衝撃を受け、かつてドナートが自身を殺さなかった理由を求める目的も合わせてその後も「眼帯の喰種」として行方を追っている。なお、カネキに足止めを食らったことから結果的に真戸の援護に間に合わず、彼が殉職したことに悔恨と自責の念を抱き続けている[注 33]。11区アオギリ戦においては瓶兄弟を始めとする多数の喰種を駆逐。半年後、その功績から上等捜査官に昇進し、真戸の娘のアキラとコンビを組む。当初は性格や捜査方法の相違から彼女と多々衝突するが、次第に信頼関係を築いて行く。養親が喰種であった経緯とカネキとの接点の多さ、また嘉納の地下研究施設で対峙した際も彼を追い詰めながら止めを刺さず、追撃もしなかったことからエトと嘉納に興味を抱かれる。取材を申し込む為にCCGへ単身乗り込んで来た高槻から得た極秘情報からある疑念を抱くが、あくまで推察に過ぎず、確証がないことから口外はせず自身の胸の内に収めるに留めた。
身長191cm、体重94kgの偉丈夫であることに加えて日常的にトレーニングで体を鍛えており、男性捜査官の中でも卓越した格闘能力を有する。その為、能力の低い喰種であればクインケなしでも対処でき、重量級である甲赫クインケを最も得意とする。装備の整った状態での戦闘能力も非常に高く、その戦いぶりを見た他の捜査官からは感嘆と共に「特等並」と称えられた。
クインケは棍棒状の甲赫[ドウジマ1/2]→二刀に分割する能力を持った大剣状の甲赫[クラ][注 34]→[ドウジマ]に瓶兄弟の赫子を組み込み、修繕と強化を施した槍状のキメラクインケ[ドウジマ・改]と身体能力のブースト機能を備えた鎧状の甲赫[アラタ・弐<proto>]。
20区隻眼の梟討伐戦では第四隊の班長を務め、カネキと再び対峙する。[クラ]を破壊されるも現場に駆けつけた地行が渡した[アラタ・弐<proto>]を纏い[ドウジマ・改]で彼に致命傷を負わせるが、自身もカネキの一撃で右腕を失った。その後、自身の救援に向かった滝澤やチノムツ率いる第四隊と合流したものの、突如現れたタタラとノロの襲撃を受け、滝澤が左腕を喰われる様に激昂。重傷を押して立ち向かうも、その後の消息は不明。後に提出された報告書にて特別功労者に認定されるが、同時に死亡扱いとなった。[注 35]
『√A』における梟討伐戦では当初から[ドウジマ]を使用。 棍棒状の通常形態でカネキと交戦したが、彼の一撃を喰らったことによりギミックを発動。巨大化、変形した[ドウジマ・改]で彼と互角に渡り合い、最終的に相討ちとなった。後にアキラが現場に駆けつけた際にはその姿はなく、破損した[ドウジマ・改]だけが残されていたことから原作同様に死亡扱いとなった可能性は高いが、遺体は回収されていない模様。
度重なる邂逅と交戦を経て「眼帯の喰種」に対して捜査対象以上の思い入れを抱くようになっており、梟討伐戦において対峙した際には彼を「捕獲」すると明言した上で交戦を開始。激闘を繰り広げる中で心中では彼の生存を願っていた。結果、半赫者化したカネキに深手を負わされるも「彼を人殺しにさせない[注 36]」という想いから辛うじて意識を保ち続けていた。彼を逃がした金木の行動が、自身を生かし続けたドナートの行動に繋がるのではないかと考えカネキに興味を抱くこととなった。
『:re』ではオークション掃討戦において武臣と並んで素手で喰種を討伐した経験を持つ逸材として名を挙げられた。また、「眼帯の喰種」との交戦経験をまとめたレポートが遺されており、それを通じてハイセは亜門の存在を知ることとなる。後の彼の調査によると殉職したとされる梟討伐戦の後に二階級特進を果たした為、特等捜査官となっていたが、この昇任が殉職によるものか特別功労者認定を受けた結果なのかは不明。また、亜門の直接的な殉職理由にはハイセの過去に関わるためか何故か閲覧規制がかけられており、ハイセは彼の最期を知ることが出来なかった。
公式記録では殉職したとされているが、実際は捜査官としての優れた素養から嘉納に目をつけられ、梟討伐戦後にアオギリに回収され、喰種化施術の素体とされていた。その動向はドナートの耳にも届いており彼をしてハイセの記憶を紐解く鍵となりうる喰種であった。また、オークション会場から逃走するアオギリの樹の喰種を補食したり、才子を襲う死堪を撃退するなど顔を見せないまま登場。本編では流島上陸作戦で姿を現し、クロナ同様「フロッピー」と呼称[注 37]されている。右眼に赫眼を発現させる羽赫の半喰種であるが、失った右腕は再生しておらず梟の脚の形のように形成した赫子でこれを補っている。戦闘時は羽赫が得意とする遠距離射撃よりも自身の赫子を融合させた[ドウジマ]を用いた白兵戦や格闘戦を行うことが多い。
嘉納の実験報告から、半喰種化直後はオウル同様順調にRc細胞の増殖が見られるも、後にそれが爆発的に加速。10000を越えるRc値を記録した所で抑制剤による鎮静化を図るも実験を中断、制御不能と判断した嘉納に廃棄された経緯が明かされた。半喰種化施術の失敗作とされてはいるものの、嘉納からもその資質を惜しまれている。彼自身もオウルとの交戦でその能力を「自身の比ではない」と評しているが、実際の戦闘においては赫子である右腕の汎用性を活かしてサイコを捕食しようとしていた死堪に対して羽赫の射撃を行って彼を圧倒、接近戦においては大剣状に変形させてオウルの攻撃を一時的ながらも相殺している。また、[ドウジマ]の欠損した柄の部分に分離した赫子を纏わせて威力を強化するなど、赫子制御の練度も高い。加えて元来の身体能力も喰種化に伴って大幅に上昇しており、六月やクインクス班との交戦では彼らの赫子を素手で破壊している。耐久性も非常に卓越しており、体幹に巨大な赫子の貫通を受けても戦闘に支障をきたさず、サイコの赫子の直撃すら持ち堪えた。また、前述の莫大なRc値に加えて大量の共喰いを行っていたことから赫者としての発展度はオウル以上に脅威的なものであるが、反面その能力は亜門自身の制御の及ぶものではなく、赫者化した際には隻眼の梟に酷似した形態に全身を変異[注 38]させ、自我を持たず周囲の対象を殲滅するまで攻撃し続ける完全な暴走状態に陥っている。
流島にてアキラを手にかけようとするオウルの前に現れ、その凶行を阻止する。彼を「救う」為に干戈を交える中でこれまでの罪を生きて償うよう説得するも一蹴され、圧倒的な実力差を前に劣勢を強いられる。しかし、乱入した六月の連続攻撃により駆逐寸前まで追い込まれたオウルをアキラが身を挺して庇った結果、六月の執拗な追撃により瀕死に追い込まれる様を目の当たりにして逆上。六月に襲いかかるも遅れて到着したウリエ率いるクインクス班に阻まれる。アキラと共に戦線離脱させたオウルの逃走を幇助する為に自身は足止めとして残り、クインクス班と交戦。当初は互角に渡り合うも、彼らの連携に徐々に追い詰められ、ウリエの[銀喰]の直撃を受けて致命傷を負う。直後に赫子の異常増大を引き起こして理性を失い、赫者の力を暴走させたままクインクス班を蹂躙するも、ウリエの捨て身の反撃とサイコの赫子の一撃を受けて束の間自我を取り戻す。なおも駆逐を躊躇するサイコに対して「人殺し」になってしまう前に自身を止めてくれるよう暗に頼み、最終的に彼女の赫子で押し潰されて駆逐された。
しかし、実際は作戦終結後、CCGによって半喰種の分析対象サンプルとして回収され、生存。失っていた右腕は完全に再生しており、Rc抑制剤で鎮静化された後に1区のCCGラボへ身柄を接収されていた。ラボに潜入したカネキ達の目を盗んで緊急の警報を鳴らそうとした研究員が誤って亜門への抑制剤供給を止めるスイッチを押してしまった結果、意識を覚醒させる。赫者化しながら再び暴走、カネキに代わってラボに残留したオウルとクロナとの交戦を開始する。序盤は二人の連携攻撃に押されるものの、遠近双方に特化した猛攻を浴びせて彼らを圧倒。赫者化したオウルにも深手を負わせるが、彼との死闘の末に制圧された。その後はクロナに連れられて帰還した模様であり、黒山羊アジトにてカネキやアキラと再会。カネキと別離したアキラに同行し、共に黒山羊を離脱した。
金木が暴走し喰種集団ピエロが都内を混沌に陥れる中、これ以上の横暴を阻止すべくドナート・ポルポラの前に立ちはだかる。クインケと赫子を融合させドナートに猛攻を仕掛けるが彼の分裂赫子に対応できず屠られる。育ての父を殺す躊躇から不利に追い込まれている所、オウルの言葉でドナートへの愛を自覚し、決別の決断を果たす。自身の赫子をクインケに巨大な十字架の形にして巻き込ませドナートに致命傷を与える。その後ドナートに「自分は憎いながらも父親を愛していた」と明かし、ドナートの最期を見送る。
竜戦後の動向は描かれておらず、不明。
瓜江 幹人(うりえ みきと)
声 - 沖野晃司
瓜江 久生の父親であり、故人。黒磐の所属していたS3班の班長を務めていたが、部下達に撤退を指示し単独で隻眼の梟と対峙した結果、殉職した。この過去がウリエの出世欲の由来でもある。ドナートをコクリア送りにした捜査官でもあり、かつて孤児院にて彼と交戦。部下である黒磐と連携してその捕縛に成功し、当時少年であった亜門を保護していた。
准特等捜査官
真戸 暁(まど あきら)
声 - 瀬戸麻沙美
20区担当の女性捜査官。真戸 呉緒と真戸 微の娘。6月6日生まれのふたご座。血液型A型。愛称は「アキラ」。初登場時は二等捜査官で当初は有馬班に所属。後に20区に配属され、上等捜査官に昇進した亜門のパートナーとなる。アカデミーでは滝澤と同期で首席卒業。傲慢とも言える一面を持ち、敬語を用いるのを「時間と体力の浪費」として考え、敬意を表すに値すると判断しない限りは上位捜査官を相手にしても対等に接する。勘の鋭さや卓越したクインケ操作など、その言動には父親を彷彿とさせるものが多い。開発局にたびたび出入りしてクインケの設計にも携わっており、アカデミー生時代からクインケをオーダー、使用していた。[ドウジマ・改]の構成、改良案を考案したのも彼女であり、地行からは研究者としての能力も絶賛される。女性らしく体重を気にする一面があり、夜の九時以降は食事をしないよう心がけているが、グラス一杯の酒を飲んだだけで泥酔してしまうほどアルコールに弱い。「マリスステラ」という猫を飼っている。
20区隻眼の梟討伐戦では第一隊の班長補佐を務め、滝澤や他の隊員らと共に喰種と交戦していた。その最中、亜門の危機を察知するも、特等らのサポートを任された立場上、現場から動くことはなかったが、同じく事態を察した滝澤は亜門の救援を目的に現場を離脱。彼を制止するも振り切られ、結局二人が戻って来ることはなかった。
『√A』における梟討伐作戦では、和修吉時からの命令と滝澤の叱咤を受け、彼女自身が亜門及び第四隊の応援に向かった。しかし、現場には亜門の姿はなく、破損した[ドウジマ・改]だけが残されていたことから自身の援護が間に合わなかったことを悟り、深く憔悴する。
作戦終了後、キメラクインケの実用性が認められたことで一等捜査官に昇進。対アオギリの特別チームに配属され、母性に飢えているハイセの人物像から「優秀な女性捜査官が指導官として相応しい」と判断した有馬からメンターとして彼の教育を任された。
第一部での使用クインケは鞭状の尾赫と剣状の甲赫を融合させたキメラクインケ[アマツ]。
『:re』では上等捜査官に昇進。ハイセを含めた真戸班を編成しているが、[注 39]周囲からは変わり者と見られていた父や特殊な存在であるハイセ、統率の取れていないクインクスらといった曲者揃いに関わっていることや『:re』開始時点において真戸班は実績をあまり残せていなかった[注 40]ことから、一部からクインクスと共に「CCGの恥」と評されている。直属の部下であるハイセとは互いに信頼関係を築いており、その能力を高く評価し「我が班のエース」として期待を寄せる反面、彼の性格を「優しすぎる」と評し、厳しく叱責することもある。
使用クインケは鱗赫[フエグチ][注 41]となり、喰種からはその形状から「背骨使い」と呼ばれ、存在を知られている。オークション掃討戦では[フエグチ]を自在に操り、多数の喰種を駆逐。ナキの不意を突き重傷を負わせ、相性で劣る尾赫のミザとも互角以上に渡り合った。作戦終了後は特別功労者に認定され、亡き母と同じ准特等捜査官に就任する。また、掃討戦終盤においてタキザワと再会しており、その変貌に驚愕していた。
流島上陸作戦には法寺率いる一番隊の副隊長として参戦し、彼らと共にタタラと交戦する。[フエグチ弐]を用いてその猛攻を凌ぎ、法寺をサポートするも苦戦を強いられるが、その中で突如現れたオウルの介入を受ける。タタラを倒した後に法寺が下した攻撃命令に逆上したオウルが班を壊滅させ、自身に対しても牙を向き胸中を吐露した際には現在の姿を「人殺しの喰種」として糾弾。法寺の思いを諭して止めを刺されかけるも、亜門の乱入によって阻止された。オウルと亜門の戦いを静観していたが、そこに乱入した六月によってオウルが駆逐寸前まで追いやられるのを目の当たりにした際には身を挺してそれを食い止める。その際、六月の追撃により瀕死に追い込まれ、喰種擁護が重罪であることも承知する中でオウルに対して抱いていた慙愧の念を打ち明けた。傷の深さから人事不省の重体に陥るも亜門の言葉を受けたオウルに連れられ、共に戦線離脱。流島を脱出した後にバンジョーの赫子による治療を受ける。それにより傷そのものは治癒したものの、治療に伴って体内で増殖したRc細胞への拒絶反応から容態は回復せず、昏睡状態が続いていた。その様相からニコからは死を宣告されるも、バンジョーの献身的な看病とカネキらが奪取に成功したRc抑制剤の投与、小倉らの外科的治療によって一命を取り留め、意識を取り戻した。
その後は父親の仇であったトーカ、ヒナミと和解するもののカネキに戻ったハイセとわかり合えず、亜門と共に黒山羊を離脱する。カネキが龍となって暴れた際にはヒデと共に喰種とCCGを結び付ける。Vとの戦闘時には安浦 清子の車椅子を押して登場し、父親の仇であったヒナミと連携を取った。
竜戦後の動向は描かれておらず、不明。
千之 睦(ちの むつみ)
23区担当の男性捜査官。眼鏡をかけた中年男性で愛称は「チノムツ」。田井中のパートナーで、11区アオギリ戦に彼と共に参加。多数のアオギリ構成員を駆逐している。20区梟討伐作戦においては第四隊の隊長を務める。重傷を負った亜門を発見し、救護を要請しようとした矢先にタタラの急襲を受け、右脚を切断される。作戦終了後は他の隊員同様に消息を絶ち、CCGには死亡と判断された。
クインケは尾赫[サユリ壱]。
有根(ありね)
7区担当の男性捜査官。ピエロマスク掃討戦で法寺と並ぶ成果を収めた実力者であったが、黒ウサギのマスクを被ったアヤトと遭遇。彼にクインケを展開する暇もなく殺害された。
真戸 微(まど かすか)
真戸呉緒の亡妻にして、アキラの実母でもある女性捜査官。第一部時点で故人であり、同僚達から名前や断片的な過去のみが言及される。教官時代の教え子であった呉緒から求婚されるが、「苗字が変わるのが面倒だ」という理由で一度それを断り、彼が婿養子になることで結婚に至った経緯がある。安浦清子の同期であり、28歳で准特等に就任。教官職まで務めた人物であることから今なお彼女と並んで称賛されることも多く、捜査官として非常に優秀であったことが伺える。当時対策I課に在籍していた丸手を班長としたチームで24区の捜査を行なっていた際に隻眼の梟と遭遇。班内で随一の実力者であったことから他のメンバーを逃がす為に殿(しんがり)を務め、殉職した。加えて死後、その遺体は無残に喰い散らされており、この過去が現在の呉緒の喰種に対する強烈な憎悪の根源となっている。
鉢川 忠(はちかわ ちゅう)
声 - 三宅健太
梟討伐作戦から登場した男性捜査官。眼鏡をかけ、コートの襟で口元を隠している。喰種との交戦の影響か、唇の肉が無く歯茎がむき出しになっている。「先の短いババアを生かすより、黒狗(カヤ)を殺すほうが利益になる」と言い放つ等、ルールに縛られない自由性と独自の倫理観を持ち、かつその倫理観のまま民間人を平然と戦闘に巻き込むなど周囲を省みない性格。過去にカヤに師や同期を殺されており、復讐の機会を待っていた。故に他の捜査官からの評判は芳しくなかったがパートナーである穂木には気遣いを見せることが多く、彼女からは慕われていた。20区隻眼の梟討伐戦においてら第三隊の隊長を務め、怨敵であるカヤと交戦。戦闘の末、班員らとの連携も相まって彼女を追い詰める。瀕死のカヤにとどめを刺そうとするもカネキに不意討ちを喰らい、クインケを破壊された上に吹き飛ばされ、肋骨を折る深手を負う。
『:re』では鉢川班の班長として登場、トオルや穂木と共に流島の調査へ向かう。捜査官時代の滝澤や法寺とは面識があった模様で、彼が急襲してきた際にはいち早くその正体を看破。その変貌に皮肉を述べ、挑発的な態度をとるが直後に死堪の不意討ちを受け、鼻を食い千切られる。深手を負いながらも即座に逆襲に転じたがタキザワの介入で阻まれ、最終的に死堪の尾赫の赫子で刺殺された。また、彼の独自の倫理観はかつてブラックドーベルの掃討任務にあたった際、一人の民間人を助けようとしたことで自身以外の班員全てが殉職した過去に由来するものであることが穂木により明かされた。
クインケは羽赫[カジリ]。
キジマ 式(きじま しき)
声 - 飛田展男
本編では『:re』から登場した、ツギハギの身体の男性捜査官。「削ぎ師キジマ」の二つ名を持ち、過去にはコクリアの尋問官も務めた。異様な外見に反さず目的のためなら非人道的な手段も辞さない残忍な性格であるが、相手に対し忘れず礼を尽くす律儀な一面も持つ。その為自身より低い階級や若年の捜査官にも常に敬語を用い、パートナーの旧多にも気遣いを見せている。
『:re』ではS1班、クインクス班と共にロゼヴァルト家関連勢力捜査を担当。旧多を囮に大量誘拐の主犯「ロゼ」らを誘き寄せることに成功。松前を庇ったユウマを[テトロ]で捕獲するも、彼の高い忠誠心を感じ取り本人から詳細を聞き出すのは不可能と判断。彼を拷問にかける様をネットで動画として公開し、ユウマと自身の命を賭けて他の「ロゼ」構成員を炙り出さんとする。これに加えてネット上に自作自演の目撃情報を流す工作も行なっており、この情報を基に自身を襲撃してきたアリザを捕縛。彼女を尋問し、「ロゼ」の正体が月山家であることを突き止める。月山家殲滅戦では、ハイル率いる先行隊に所属し、[ロッテンフォロウ]を用いてビル内部の喰種を多数駆逐。屋上付近にて松前らと交戦する。ハイルが殉職した後は、自身が松前と対峙。ユウマやアリザのように[ロッテンフォロウ]で彼女を屠ろうとするが、瀕死のマイロから不意討ちを受け、その隙に接近してきた松前に腕を刎ね飛ばされ、腕ごと切り離された[ロッテンフォロウ]に頭を切り裂かれた。致命傷を負いつつも辛うじて生存しており、半狂乱になりながら松前に対して攻撃を仕掛けるも軽くあしらわれ、赫子で体を貫かれ死亡した。
[JAIL]では主人公であるリオを部下を数多葬ったジェイルと目し、彼に対して執拗な追跡を続ける。
クインケは捕縛に特化した尾赫[テトロ]と赫包をエンジンとして用いたチェーンソー型の鱗赫[ロッテンフォロウ]。
上等捜査官
真戸 呉緒(まど くれお)
声 - 大川透 / 演(舞) - 有馬自由 / 演(映) - 大泉洋[9]
20区担当の男性捜査官。真戸 微の夫であり、アキラの父親。1月24日生まれのみずがめ座。血液型A型。亜門のパートナー。不気味な雰囲気を漂わす中年男性で、常に手袋をはめている。喰種の駆逐を使命とし、妻の仇である隻眼の喰種への復讐を目指していた。風変わりな人物ではあるものの、本質的には礼儀正しく、部下や同僚らへの気遣いと思いやりにも長けており、家族への愛情も非常に深い。一方で喰種に対する態度は一貫して残虐非道であり、心身に苦痛を与えることを至上とし、例え反社会性の薄い個体であっても容赦なく殺害する。クインケの収集に執着する反面、数多の功績を挙げながらも昇進の意思がなかった[注 42]ことから職場内でもかなりの変わり者と見られていた。カネキを喰種として目を付け検査ゲートに連れ込むなど非常に勘が鋭く、「捜査で最終的に頼れるのは自身の勘」を信条としている。亜門に捜査官としての基礎を教えた人物でもあり、プロ意識も高い。コンビを組んだ当初は捕食事件の容疑者を勘で特定する捜査手法やクインケへの深い執着から亜門の不信を買うが、高い実力と的確な判断力から彼に全幅の信頼と深い尊敬の念を寄せられるようになる。自身もまた、亜門の熱意や能力を高く評価し、上等捜査官への昇進を幾度も上層部へ陳情していた。また、生前はアキラに対しても「自慢の部下」として亜門のことをよく話していたことが彼女から言及されている。
捜査官としての能力は上等捜査官の域を逸脱しており、極めて優れたクインケ操術を有する。アキラが熟練までに一年を要した[フエグチ壱]や入手して間もない[フエグチ弐]を実戦で即座に使いこなし、格闘戦においてもトーカの攻撃をことごとく躱して彼女を翻弄している。
笛口夫妻を駆逐した後、一家全員をクインケにすべくリョーコの遺体を餌にヒナミを誘き寄せることに成功。[フエグチ壱]と[フエグチ弐]を巧みに使い分けてトーカに深手を負わせたが、二種持ちであるヒナミの赫子で手足を斬り飛ばされる。それでもなお執念からヒナミに刃を向けるも、トーカに止めを刺されて殉職した。
クインケは鱗赫[フエグチ壱]や甲赫[フエグチ弐]、甲赫[クラ]、羽赫[ライ]等、二十数種所持していた。この内、[クラ]は亜門に、[フエグチ壱]及び[フエグチ弍]はアキラの手に渡る。
『:re』では名前のみ登場。かつて有馬に対してもクインケ操術の手ほどきをしており、ハイセも彼の口から真戸の名を知っていた。
平子 丈(ひらこ たけ)
声 - 近藤孝行
21区担当の男性捜査官。5月14日生まれのおうし座。血液型A型。家族構成は祖父母と柴犬を飼っている。無表情と事務的な言動、存在感の薄さが特徴。階級は上等ながら准特等捜査官を凌ぐ戦闘能力を有し、SSレート喰種のカヤを苦戦させる程。有馬とコンビを組んでいた時は彼の天才的な能力と言動にかなり振り回されていた。
20区隻眼の梟討伐戦では第三隊の班長を務め、カヤと交戦。伊東や穂木らとの連携によって彼女を追い詰めるも、突如として現れたカネキにクインケを破壊され、撤退。隻眼の梟の出現時には他の捜査官らと共に交戦し、有馬の到着まで持ち堪えた。
『:re』でも上等捜査官に留まっているものの、平子班の班長として准特等率いる班を返り討ちにしたオロチの捜査を担当しており、上層部からも実力は認められている模様。有馬の正体と目的を知った上で彼に忠誠を誓っており、有馬から0番隊を託されていた。オークション掃討戦ではかつて交戦経験のあるウタと再び対峙し、左腕に[サソリ1/56]を刺されて深手を負う。掃討戦後は有馬班へと配属される。流島のアオギリの樹殲滅戦では、0番隊の班長としてコクリア防衛任務に就く。有馬の命令を受けて部下の0番隊の捜査官達と共に有馬に勝利したカネキのコクリアからの逃走を幇助する。その後は「:re」メンバーやアオギリ残党と共に黒山羊の構成員となった。
24区襲撃時かつての仲間である宇井と交戦。死人が出る寸前で竜の落とし仔が現れ、共闘。宇井と和解しCCGと喰種の協力へ誘導。
龍戦後はTSCアカデミーの教頭に推薦されるも固辞し、祖父母が亡くなるまで面倒を見た。その後は一般人として生活し、宇井や伊東とたまの交流を続けた。
クインケは鱗赫[ナゴミ1/3]であるが、過去には[ユキムラ1/3]を使用していた。
富良 太志(ふら たいし)
声 - 木村良平
7区担当の男性捜査官。有馬とは高校時代からの友人。妻であるアキとの間に幼い娘がおり、柴犬を飼っている模様。木犀賞受勲、CCG地区対抗草野球大会で優勝経験あり。本作第一部では喰種レストランの突入チームに参加していたが、突入開始以前にカネキによってレストランが壊滅したことから収穫がなくなったことに愚痴をこぼしていた。黒ラビットによる捜査官狩りが行われた際には亜門に対して黒ラビットに関する情報を提供している。20区隻眼の梟討伐戦にも参戦しており、第二隊に所属。台詞のみの登場であったが、管轄区画内の喰種殲滅が完了した旨を隊長である田中丸に報告している。
[JACK]では準主人公であり、当時は校内で恐れられる不良学生だった。突如現れたカボチャマスクの喰種・ランタンの襲撃で幼馴染であるリョウを失い、同じく親交の深いアキにも生涯残る後遺症を負わされた。自身も襲われるが有馬の介入で一命を取り留め、二人の仇を討つべく、彼と共にランタンの捜索と喰種狩りを開始する。野球少年だった名残か、有馬と共に喰種探索に赴く際には武器として釘バットを持ち歩き、彼のサポートを行った。
『:re』ではS1班の一員として登場、ロゼヴァルト家関連勢力捜査を担当。囮捜査で誘き寄せた「ロゼ」をキジマやハイルらと共に迎え撃つ。若くして自身と同じ階級に就くハイルに一目置いており、彼女の戦闘を想起して「怖いほど優秀」と評するほど。ナッツクラッカー討伐後、トラウマに捉われてクインケを使えずに思い悩むシラズに対しては自身の経験を交えた激励を送っている。
流島上陸作戦に参戦した際にはハイルの仇を討てず憔悴する宇井を諭しながらも有馬の死を知り、彼に対して悪態をつきつつも密かに涙を流していた。
竜戦において金木救出を願う喰種達と共闘し、Vの刺客と対決し生存、その後は妻子ともに幸せに暮らしてしる。時折禁煙を破ってこっそり吸っているが、その度に妻子に口煩く言われている。
クインケは甲赫[シュタイナー]と円柱状の尾赫[ランタン]。
田井中 寛和(たいなか ひろかず)
23区担当の男性捜査官。チノムツのパートナーであり、彼と共に11区アオギリ戦に参戦し、多数の喰種を駆逐している。
クインケは尾赫[ロク1/3]。
磯山 重司(いそやま じゅうじ)
嘉納の地下研究施設への突入に参加した男性捜査官。篠原の指揮下で車谷と共に行動するも、カネキの襲撃でクインケを破壊される。
クインケは尾赫[シャク]。
伊東 倉元(いとう くらもと)
声 - 高橋伸也
梟討伐作戦から登場した男性捜査官。初登場時は二等捜査官。11月11日生まれのさそり座。血液型O型。糸目の青年。平子班の一員であり、鉢川や平子、穂木と共にカヤと交戦。彼女からは「そこそこのパワーと機転が利く」と分析され、突如出現した隻眼の梟とも平子らと共に攻撃を仕掛け、渡り合っていたことから戦闘能力は決して低くないことが伺える。
『:re』では引き続き平子班の一員であったが一等捜査官に昇進している。ハイセやクインクスには友好的に接するが、彼が喰種として暴走した際には躊躇せずに攻撃し、鎮圧した。オークション掃討戦ではピエロマスクと交戦。作戦終了後は上等捜査官へと昇任。班長であった平子が有馬班に異動になったため、彼の班員を引き継いだ伊東班の班長となる。月山家駆逐作戦ではクインクスらと共にノロと遭遇。交戦を開始するも自身と道端、武臣以外の班員を失い、赫子の直撃を受け肋骨を折り体外に露出する重傷を負う。作戦後は部下の大半を失ったことに憔悴する様子が描かれている。流島上陸作戦にも武臣と共に参戦、クインケを破壊された彼に自身の予備を即座に渡す等の援護を行なっている。最終的にアオギリ残党、及び「20区の亡霊」の混成部隊相手に死闘を繰り広げ、ミザの攻撃で瞼を斬り裂かれながらも奮闘。作戦終了まで戦い続けている。
龍戦後は東京を離れ、CCG関西支局に転属した。
クインケは槍状の甲赫[センザ]。
穂木 あゆむ(ほぎ あゆむ)
声 - 不明(√A)→田辺留依(『:re』 )
梟討伐作戦から登場した女性捜査官。初登場時は一等捜査官。幼い子供のような容姿をしている。そばかすにコンプレックスを持ち、長く伸ばした頭髪で頭部全体を覆っている。小柄な体格を活かした俊敏かつ正確な攻撃を得意とし、その機動性は隻眼の梟の攻撃を回避できるほど。
『:re』では上等捜査官に昇進し、鉢川班の副班長となっている。調査のため流島へ赴いたところ、アオギリメンバーに見つかり交戦。タキザワの襲撃を凌ぐも彼と死堪によって鉢川が殉職、班が壊滅しトオルと共に逃走を図ったが追ってきたトルソーによって海に投げ落とされる。だがその後は帰還に成功し、和修吉時に対して鉢川班の壊滅とトオルの安否不明を報告した。流島上陸作戦後はトオルのパートナーとして活動している模様。
竜戦にも参戦し、最後まで戦い抜いた。
伊丙 入(いへい はいる)
声 - 関根明良
『:re』から登場した女性捜査官。宇井郡のパートナーであり、S1班副班長を務める。宇井の指揮の元、ロゼヴァルト家関連勢力捜査を担当、月山家殲滅戦にも参加する。愛称は「ハイル」。クインクス班員らと同い年であるが、アカデミーを経ずして16歳で入局しているため[注 43]、彼らにとっては先輩にあたる。柔和な雰囲気のマイペースな人物であるが非凡な戦闘能力を有し、若年ながら白単翼賞や金木犀賞を受勲。20区の梟討伐戦にも有馬班に所属し参戦していた経歴を持ち、ベテランの富良からも一目置かれている。囮捜査を用いて出現場所の特定に成功した「ロゼ」と戦闘を開始した際には驚異的な動体視力と反応速度を発揮し、対峙した松前の至近距離から繰り出された赫子を平然とかわし、彼女に反応する隙すら与えない速攻で負傷させた。その反面、若さ故か隙を突かれ不覚を取ることもあり、キジマの不意討ちに気を取られた間に松前らの逃走を許してしまい、捕縛されたユウマの所有権も得られなかった。 月山家殲滅戦ではキジマら先行隊を率い、内部の全喰種殲滅を掲げてルナ・エクリプスビルに突入。次々と喰種を駆逐し、屋上付近にて以前取り逃がした松前と再び交戦。彼女を圧倒していたが足を滑らせ体勢が崩れた所に赫子の直撃を受け、胸部に深手を負う。重体ながらも生存しており、[T-human]の遠距離射撃で松前に止めを刺さんとするも、マイロの介入によって阻まれる。彼に致命傷を負わせたが半身のみとなった彼の最期の特攻に対応出来ず、首と右腕を切断され殉職した。生前、同じく白日庭出身であるシャオとは親交があった模様であり、現在も彼女から慕われている。有馬の口からその出自は他の庭出身者同様、半人間であることが言及された。有馬を慕うが故に褒められるべく励んでいたが、本人からの信頼はなかった模様。ちなみに、同姓にして同じく0番隊出身の伊丙士皇は彼女の遠縁の親戚である。
クインケは太刀状の鱗赫[Aus]と[ナルカミ]に酷似した羽赫[T-human]。
下口 房(しもくち のぶ)
声 - 堀総士郎
『:re』から登場した下口班の班長を務める男性捜査官。たらこ唇が特徴。ハイセを嫌っており、クインクスに対しても懐疑的な態度を示す。トルソーの住居捜索中にラビットの襲撃を受け、自身は生き延びたものの、部下を全員失った。その後は新たな部下を率いてオークション掃討戦に参加、平子班と共にピエロマスクらと交戦した。月山家殲滅戦ではカナエに遭遇、直後に彼の攻撃で左腕と右手指を失う。部下の里見と戸賀に撤退を命じるが、彼女らの最期を目の当たりにし、失意の中で自身も殉職。頭部をカナエに持ち去られてしまった。彼の独白によると、幼少期は友人が少なかったようであり、母親のことを内心気にかけていた。また、昔から自身の性格の悪さを自覚し、容姿に対してもコンプレックスを持っていたようである。
半井 恵仁(なからい けいじん)
声 - 広瀬裕也[注 44]
ジューゾー率いる鈴屋班の副班長を務める男性捜査官。初登場は一等捜査官。アカデミー次席卒業。白単翼賞を受勲している。鈴屋班に配属される以前は安浦班に所属しており、捜査技術の基礎を学んでいた。上司であるジューゾーに対しては慇懃な態度で接するが、年少者である半兵衛や環への対応は辛辣であることが多々あり、暴言を吐くこともしばしば。鳥類の観察を趣味としている。オークション掃討戦では他の班員と共にビッグマダムに一斉攻撃を仕掛け、彼の討伐に成功。作戦後は特別功労者に認定され、上等捜査官に昇任。流島上陸作戦では他の班員と連携してクロナを追い詰め、重傷を負いながら彼女の撃退のきっかけを生み出した半兵衛に対して応急処置を行い、毒舌混じりに彼を労った。
クインケは甲赫[右][左]。
林村 直人(はやしむら なおと)[注 45]
声 - 綿貫竜之介
『:re』から登場した男性捜査官。初登場時は一等捜査官。オークション掃討戦では上等捜査官率いる班に所属、管理棟にてナッツクラッカーと交戦。交戦開始直後に施設外に弾き飛ばされ転落するも階下の樹木がクッションとなったため、所属班内で唯一生き残った。その後ハイセやクインクスらと邂逅、合流するもタキザワの奇襲を受けシラズ・サイコと共に退避。和修政との通信により班の全滅を知り愕然とするもシラズを諌め、ナッツクラッカー討伐の任を受け再度管理棟へ向かう。管理棟ではシラズ、サイコらと連携。ナッツクラッカーの分離赫子の特性をシラズが見抜いたことにより彼女に攻撃を仕掛けトラップへ誘導。サイコの赫子で深手を負ったナッツクラッカーにシラズが止めを刺したことで討伐を果たす。作戦終了後は特別功労者に認定され、上等捜査官に昇進。ナッツクラッカーから作られたキメラクインケの所有権をシラズに譲った。
クインケは尾赫[セニング]。
一等捜査官
馬淵 活也(まぶち かつや)
声 - 高橋伸也
対策II課所属の男性捜査官。丸手の部下であるが、軽口を挟んで彼にたしなめられていることが多々ある。またモニターを見ている時に涎を垂らす癖がある。戦況分析が得意らしく、梟討伐作戦では後方で各部隊の戦力配分の変更等を指示した。
『:re』では未登場だが『:re』小説版[quest]によると、前作に引き続いて丸手の部下として活動している模様。
車谷 東吾(くるまたに とうご)
嘉納の隠れ処への突入に参加した男性捜査官。篠原の指揮下で磯山と共に行動している。半赫者と化したカネキと戦った際には、初めて見る赫者に終始怖気づいていた。
クインケは羽赫[アブラガマ]。
黒磐 武臣(くろいわ たけおみ)
声 - 石谷春貴
『:re』から登場した男性捜査官。9月6日生まれのおとめ座。血液型B型。黒磐 巌の息子でウリエの同期であり、彼と同じくアカデミーを飛び級で卒業した特待生。愛称は「ブジン[注 46]。その経歴に違わず、若年ながらSSレート喰種の攻撃に対応する技量を持ち、倉元からは「特等の遺伝子」と呼ばれている。ハイセに憧れており、任務とはいえ刃を向けたことを悔いて謝罪を望んだり、彼のクインケ操術を「水のように流麗」と絶賛し手ほどきを受けたいと素直に告げるなど、無骨実直な性格は父親譲り。シラズやサイコ、トオルとも親交がある。オークション掃討戦ではピエロらと交戦。ガンボに[ツナギ]を折られ捕食されかけるが素手で拘束を解き、彼の首の骨を折り討伐する。掃討戦終結後は一等捜査官に昇任し、素手で喰種を駆逐した功績からウリエを上回る局内評価を得た。しかしハイセには何故か「喰種の首を捩じ切った」と誇張して伝わっている。小坂依子とは小学校時代の同級生であり、彼女の働くパン屋に訪れたことで再会を果たした、
月山家殲滅戦ではクインクスらと共にノロと交戦し、彼に捕食されかかったサイコを救出した。自身も果敢に立ち向かうもノロの戦闘能力と不死性に圧倒され、シラズの最期を見届けた。
流島上陸作戦では引き続いて伊東班の一員として参戦。月山に翻弄されてクインケを破壊されるも伊東の予備クインケを用いて奮戦。肩を借りねばならないほどに疲弊するも、彼と共に無事生還する。帰還後は、父からの「結婚するならメシが上手い女性にしろ」というアドバイスや店での立ち振る舞い、気配りを見て心根の良い女性と判断し、依子にプロポーズした。
クインケは尾赫[ツナギ〈hard〉]。
阿原 半兵衛(あばら はんべえ)
声 - 西田雅一
本編では『:re』から登場。13区所属鈴屋班の構成員。初登場時は二等捜査官。長身長髪の男性捜査官。ジューゾーのパートナーであり、常に右腕的存在でありたいと考えている。
本編以前に[JOKER]に先行登場している。喰種の襲撃から自身を庇った父親が両足を失った過去からCCGに入局した。が、胆力に乏しく、実戦でも喰種を相手にすると恐怖に駆られ、逃げに徹してしまっていた。彼自身も己の臆病さを内心情けなく思っていたが、ジューゾーの叱咤と言動に勇気をもらったことで捜査官としての一歩を踏み出す。
『:re』ではオークション掃討戦に参加、地下大倉庫にて先行してオークションに潜入していたジューゾーと合流。他の班員らと共にビッグマダムを追い詰め、赫子を切断する活躍を見せた。作戦終了後は特別功労者に認定され一等捜査官へと昇進。流島上陸作戦ではミザを一時戦闘不能まで追い込む活躍を見せるが、乱入したクロナとの戦闘の末、片足を赫子で貫かれる重傷を負う。しかしその結果、鈴屋班合流までの時間を稼ぐことに成功。彼の奮闘がクロナ撃退のきっかけを生み出している。
竜戦直前にジューゾーと共に金木と交戦、重症を負うものの、生存する。竜戦には病み上がりながらも最後まで戦い抜いた。
その後は新体制のなかで生涯、ジューゾーの右腕として責務を果たした。
クインケは羽赫[銀髑髏]。
環 水郎(たまき みずろう)
声 - 鈴木崚汰[注 44]
本編以前に『JOKER』に先行登場。13区所属の男性捜査官であり、鈴屋班の構成員。明るい性格の青年だが、銀木犀賞を所有する実力者である。半兵衛とはアカデミー同期であり友人でもあるが、二人共班内で最年少である為か、半井から辛辣な対応をされることが多い。
オークション掃討戦では地下大倉庫にて先行してオークションに潜入していたジューゾーと合流。他の班員らと共にビッグマダムを追い詰め、赫子を切断する活躍を見せた。作戦終了後は他班員同様、特別功労者に認定され、一等捜査官へと昇進した。
流島上陸作戦ではジューゾーらと共に多数のアオギリ構成員を駆逐。半井や御影と連携してクロナを追い詰め、撃退に成功している。
クインケはブレード型の尾赫[beef]。
御影 三幸(みかげ みゆき)
声 - 金子誠[注 44]
『:re』から登場した男性捜査官。13区所属であり、鈴屋班の構成員の一人。オークション掃討戦では地下大倉庫にて先行してオークションに潜入していたジューゾーと合流。他の班員らと共にビッグマダムを追い詰め、赫子を切断する活躍を見せた。作戦終了後は特別功労者に認定され、一等捜査官へと昇進した。流島上陸作戦では他の班員と連携してクロナと交戦。彼女の撃退に成功している。
他の班員同様に実力者ではあるが、宇宙に対する造詣が深過ぎるあまりに普段の言動が宇宙的かつ非常に不可解なものとなっており、彼の意図を読み取るのは鈴屋班員ですら困難である。
特技は折り紙だが、出来上がる作品も結局宇宙関連のものになってしまう。
クインケは尾赫[夢と宇宙]。
道端 信二(みちばた しんじ)
声 - 綿貫竜之介
『:re』から登場。伊東班の副班長だが、伊東より年上である。愛称は「ミッチー」。月山家殲滅戦ではノロと交戦。ノロの攻撃で重傷を負った伊東から撤退の指示を受けるも、彼を見捨てずに代わって伊東班とクインクス班を統率。[ナッツクラッカー]の攻撃で吹き飛んだノロの頭部に攻撃を加えるも、散り散りになった彼の肉片から発生した巨大な赫子の直撃を受けて半身を分断され、死亡した。
クインケは尾赫[アグレ]。
岡平(おかひら)
声 - 佐々木義人
『:re』から登場した男性捜査官。ハイルの補佐官であり、年下の上官である彼女に対する態度は非常に従順であり、常に敬語を用いて「さん」付けで呼んでいる。月山家殲滅戦ではハイルとキジマの死後に本性を現した旧多に盾代わりにされ、松前の赫子で貫かれて死亡したと思われていた。
しかしその後、アオギリの樹の移送車襲撃でアオギリに回収され、嘉納に赫包移植を施されたことでクインクス被験体「オカヒラ」として生存していた。嘉納には何らかの理由で強制的に従わされており、流島上陸作戦では他のクインクス実験体と共に嘉納の実験施設に現れたクロと交戦するも、ニシキが現れたことで嘉納と共に撤退した。
里見 紫苑(さとみ しおん)[注 47]
声 - 相川奈都姫
『:re』から登場した女性捜査官。月山家駆逐作戦では、下口班に配属されるがカナエに殺害される。
戸賀 美帆(とが みほ)[注 48]
声 - 榎吉麻弥
『:re』から登場した女性捜査官。月山家駆逐作戦では、下口班に配属されるがカナエに殺害される。
瓜江 久生(うりえ くき)
瓜江久生を参照
六月 透(むつき とおる)
六月透を参照
旧多 二福(ふるた にむら)
旧多二福を参照。
小 静麗(シャオ ジンリー)
小静麗を参照
二等捜査官
滝澤 政道(たきざわ せいどう)
声 - 立花慎之介
20区担当の男性捜査官。9月10日生まれのおとめ座。血液型A型。法寺のパートナーで跳ねた前髪が特徴。アカデミーを次席で卒業しており、アキラとは同期。有馬と亜門に強く憧れており、彼らの関わった事件のスクラップ記事を全て集めている。局員補佐として働くヒデと親交がある。首席卒業のアキラや異例のスピードで自身と同じ階級に昇進したジューゾーには劣等感を感じており、特にジューゾーを疎んでいる。その為、両者に対して辛辣な態度で接することが多く、日常的に言い争いが絶えないが、梟討伐作戦でジューゾーの負傷を知った際には動揺しながら彼の容態を問い質していた。同作戦ではアキラと同じく第一隊に所属。 彼女や他の隊員らと共に喰種と交戦していたが、亜門の窮地を察するも班長補佐の任を負うために現場から動けないアキラに代わり、命令違反を承知の上で彼の救援に向かった。亜門および第四隊との合流には成功するものの、突如現れたタタラによって第四隊は壊滅。自身も亜門の制止を振り切り果敢に立ち向かうが、ノロに左腕を喰われた。その後提出された報告書では亜門と共に死亡扱いとなった。[注 49]
クインケは法寺から譲り受けた小型のクロスボウ状の羽赫[ドゥヒ]。
『√A』における梟討伐戦ではアキラが第四隊を援護するよう命を受けた為、原作とは逆に自らが現場を引き受け彼女を叱咤し、亜門の元へ向かわせた。その後、タタラとノロの急襲を受けて自身以外の隊員は全滅。壊滅的な状況下でタタラに立ち向かうも、圧倒され、ノロに捕食された模様。また、その現場を居合わせたヒデが目撃している。その後の消息は不明だが破損した[ドゥヒ]だけが法寺の元へ届けられたことから、亜門同様に遺体は回収されていない可能性が高い。
『:re』では梟討伐戦後にアオギリに実験体として回収され、ヨシムラベースの半喰種化施術における成功体「オウル」として登場[注 50]。かつて喰われた左腕は完全に再生しており、赫眼は左眼に発現。半喰種化直後から希少な成功体として嘉納によって拷問に等しい人体実験を受けてきたことから髪色が白髪となり、爪や唇も赤黒く変色している[注 51]。外見のみならず心理面も著しく変貌しており、人間性や倫理観を完全に喪失。捕食行為に対する抵抗を持たず、逡巡も一切見られない。対峙した相手を食物として捉え、捜査官の殺害を嬉々として行うなど、残虐かつ狂気的な言動が散見される。
喰種としての赫子は芳村同様羽赫であり、半赫者。オークション掃討戦では他の赫者同様に暴走・錯乱傾向が見受けられたものの、それ以後は練度が上昇しており、タタラや亜門との交戦では理性を保ったまま赫者化している。戦闘時には肩部から長大なブレード状の赫子を展開。赫子の刃による接近戦や羽赫の掃射による遠距離攻撃の双方に特化するが、基礎的な身体能力自体が並の喰種を遥かに上回っている[注 52]ため、赫子に頼らず近接格闘で相手を圧倒する場面も多い。回復能力も極めて傑出しており、欠損した四肢を傷口から発生させた無数の赫子と瞬時に連結させて再生している。また痛覚が鈍化しており、回復の早さと相まって鱗赫の直撃を受けても平然と戦闘を続行できる耐久性を獲得している。これらの特徴から攻防両面において絶大な能力を発揮、暫定SSレート以上と認定された。エトの指示を受けてオークション掃討戦に参戦した際には多数の捜査官を殺害、CCGを撹乱しながら管理棟へ向かうクインクス班を急襲。終始ハイセを圧倒するも、最終的に彼と相討ちとなり、作戦終結間際に現場に駆けつけたアキラとの一瞬の邂逅の後に姿を消した。
掃討戦終結後はCCGに甚大な被害を齎らした「正体不明の喰種」として記憶され、流島上陸作戦開始に向けた捜査会議では改めてSS+レートの評価を受けている。
流島へ調査に向かった鉢川班を死堪と共に襲撃し、鉢川を始めとする多数の班員を殺害。穂木やトオルを撤退に追い込んだ。流島のアオギリの樹殲滅戦では法寺班とタタラとの戦闘に乱入。法寺やアキラを助けるべく、20区梟戦の復仇も兼ねてアオギリを裏切りタタラと交戦。途中で墓盗りの妨害を受けるも圧倒的な実力で彼女を退け、タタラを討つ。しかし、直後に法寺から自分自身に対する攻撃命令を出されたことに逆上。彼を殺害して法寺班を壊滅させ、アキラにも手を掛けようとした所を亜門により阻止されたが、自身を救う為に現れたとする彼を実力差で圧倒、一蹴する。乱入した六月の不意討ちによって一時的ながらも行動不能に陥り、止めを刺されかけるがアキラの介入によってそれを免れた。再生が終わった後は亜門の言葉を受けて意識を失ったアキラを「人質」として連れて撤退。強制的に協力を取り付けた墓盗りと共に埠頭へ合流、流島を脱出した。その後は意識の戻らないアキラを救う為、彼女の治療に必要なRc抑制剤の奪取を目的にカネキらと共にラボへの潜入を図り、非常に卓越した嗅覚で抑制剤の保管場所を特定する。施設内にて暴走した亜門と対峙した際にはクロと共に彼への対応を引き受け、逡巡するカネキをアキラの許へ向かわせた。亜門との交戦ではクロと連携して攻撃を仕掛けるものの、予想を上回る猛攻を受け、自身も赫者化して激突。深手を負わされながらも死闘の末に亜門の赫包を損傷させ、彼の制圧に成功する。対照的に自身は体力の消耗から赫子の制御が滞り暴走しかけるも、クロナの機転で抑制剤を浴びたことによって沈静化。その後は彼女の手で亜門と共に生還した模様。
前述の通り、現在の容貌や性格から以前の面影は殆ど見受けられないが、人間時代、及びに捜査官であった頃の記憶や縁の深かった人物に対する想いは未だ失われておらず、オークション相討戦や流島上陸作戦においてもそれを裏付ける描写が多くなされている。また、CCGからは「正体不明」とされてはいるものの、アキラや法寺、更には関わりの描写のなかった鉢川等、彼の正体を看破している者は少なからず存在する。
五里 美郷(ごり みさと)
声 - 上田麗奈
13区担当の女性捜査官。長身と額の中央にあるほくろ、男性的な口調が特徴の無愛想な印象の人物。料理が非常に不得手であり、彼女の手料理を口にした黒巌以外の捜査官は体調不良に見舞われている。亜門に憧れているが、彼に対してはその裏返しとして攻撃的に接してしまう。11区アオギリ戦では[エメリオ]を用いて多数のアオギリ構成員を駆逐。20区隻眼の梟討伐戦にも参戦し、第一隊に所属。アキラや滝澤と共に喰種と交戦した。作戦終了後に亜門が死亡扱いとなった際には号泣し、彼と滝澤の訃報を聞いても冷静さを失わないアキラに対して憤りを露わにしていた。
小説[空白]には彼女を主人公とした一編がある。[quest]のエピソードにも登場しており、アキラとは現在も変わらず親交がある模様。亜門に対する想いも未だ断ち切れておらず、遺体が発見されていないことから20区梟戦における彼の殉職を内心疑問視している。
クインケはサブマシンガン型の羽赫[エメリオ]。
『:re』では前作同様、黒磐の部下として活動している。また、黒磐 武臣と依子の結婚式にてブーケを受け取ったのは彼女である。
不知 吟士(しらず ぎんし)
不知吟士を参照
米林 才子(よねばやし さいこ)
米林才子を参照
梅野 雅巳(うめの まさみ)
『:re』から登場の男性捜査官。伊東班の班員。愛称は「ゴリみ」。 月山家駆逐作戦でノロに殺害された。
クインケは鱗赫[ブル]。
根津 安人(ねづ やすひと)
『:re』から登場した男性捜査官。伊東班の班員。月山家駆逐作戦でノロに殺害された。
クインケは羽赫[メルト]。
安浦 晋三平(あうら しんさんぺい)
安浦晋三平を参照
三等捜査官
髯丸 トウマ(ひげまる トウマ)
髯丸トウマを参照
階級不明
張間 トウコ(はりま トウコ)[注 53]
亜門や篠原の回想にのみ登場する女性捜査官。亜門とはアカデミーの同期にして友人であり、24区のモグラ叩きに参加し殉職した。亜門の回想から彼とは深い親交があったことが伺え、彼女の遺品である[ドウジマ1/2]は亜門が所持することとなる。篠原によれば正義感が強く、周囲への気配りを忘れない好人物であったようだ。
クインクス「Q's」
瓜江 久生(うりえ くき)
声 - 石川界人[10]、佐倉綾音(少年)
一等捜査官。男性。2月12日生まれ。初登場時19歳。血液型O型。『:re』で狂言回しを務める。クインクス班現班長。愛称は「ウリエ」。初登場時は二等捜査官。
クインケは本来のものが破損した為、ブレード状の尾赫[ツナギ〈plain〉]を使用していたが、月山家殲滅戦後からはノロの赫包から造り出された尾赫[銀喰]を使用している。赫子は甲赫で右肩から腕全体を覆う形で発生し、赫眼は左眼に発現する。クインクスの中でも嗅覚に優れる。アカデミーを飛び級で卒業した特待生。感情表現の乏しい黒髪ショートの青年で、泣きほくろが特徴的。外出時にはヘッドレスイヤホンを付けている。毒舌家であり、台詞には()付きで本心で思っていることが描かれている。洞察力に優れ、トルソーがタクシー運転手である可能性が高いことを捜査初期から看破していた。過去に特等捜査官であった父親が部下を撤退させるために隻眼の梟と一人で対峙した結果殉職したことから、隻眼の梟を倒すために彼が所属していたS3班に昇進することに執着しており、特に同期の武臣に対しては自分と同じく特等捜査官であった父を持つ二世同士として、強い嫉妬心を抱いている。捜査官として高い能力を持つ反面、仲間意識が低く、対オロチ戦では他の班員を顧みず戦闘を続行しようとしたことを咎められ、ハイセから班長を外される。その後フレーム解放施術申請の許可をハイセに求めるが彼の了承を得られず、和修吉時局長に直訴。他のクインクス班がフレーム2であるのに対し、フレーム4にまで段階を引き上げた。オークション掃討戦では功績を得るために独断でマダム達を探し当て、トオル、ジューゾーとともに多数駆逐。単身ビッグマダムに挑むが一蹴され捕食されかかり、暴走状態に陥りながら再び突撃するも通用せず吹き飛ばされた。その後集結した鈴屋班に六月と共に助けられる。作戦後は特別功労者に認定され、木犀賞を受勲。一等捜査官に昇任したが、同じく一等捜査官となった武臣は自身を上回る局内評価を得た為、彼に対する嫉妬心を加速させることとなった。
オークション掃討戦でカナエや松前の逃走を許してしまった不覚や武臣への敵愾心からその後の半年間は単自の鍛錬に励み、体術やクインケ操術共に大きく力をつけている。カナエを筆頭としたアオギリ少数メンバーによる襲撃の際にもその手腕を遺憾なく発揮、その成長は再び対峙したカナエを驚愕させた。彼女を圧倒し負傷させた後はトオルの援護に駆けつけ、墓盗りとも互角に渡り合った。
月山家殲滅戦では伊東班と共にノロと交戦。クインクスらと連携するも彼の反撃を受けて負傷。しかし、攻撃を免れ奮戦しノロに渾身の一撃を叩き込んだシラズから後を託され、再生が完了する前に赫子の斬撃で完全にとどめを刺し、討伐に成功。度重なる交戦で仲間意識が改善されており、月山家殲滅戦ではそれが顕著となっている[注 54]。シラズの最期を看取り、彼の殉職に伴ってクインクス班班長に再び就任。殲滅戦終結後は強奪されたシラズの遺体を取り戻す決意を固め、新たな班員を迎えてアオギリの樹への対処に当たる。強く非難していた政に対しても遜った態度をとり、彼の後を追えばゆくゆくはS3班の班長になれると画策しているなど出世に対する執着は変わらない。しかしそれは以前のような復讐心のみに由来するものではなく、シラズの遺志に反すると承知しながらも彼に代わって妹・ハルの治療費を支払い続けるという想いが含まれており、トオルやサイコらと共に「彼の死を忘れない」と明言している。
流島上陸作戦では、喰種殲滅と共に作戦直前に消息を絶ったトオルの救出を第一目標としてクインクスらを率いて参戦。刃所属の喰種と交戦した後、嗅覚を頼りにトオルが監禁されていた洞窟まで辿り着くがそこには彼女の姿はなく、丸手と和修吉時の殉死を知らされる。捜索を続ける中でアキラごとオウルを駆逐しようとする六月を亜門が攻撃している所へ到着し、任務として亜門の駆逐に入る。シャオやサイコとの連携攻撃で一時は優位に立つも、半赫者と化した亜門に反撃を受け、昏倒する。
流島上陸作戦終結後は放心状態となった政を出世に利用する為に取り入りつつ、CCGを裏切ったハイセの捜査を行っていた。
旧多によるピエロの襲撃の際に髭丸と共にドナートから襲撃を受け、その独特な赫子の能力と実力に圧倒される。自身の父親が捕まえた喰種を自らの手で駆逐しようと執念を燃やすも、肉体のみならず父親に関する揺さぶりにより精神的にも追い詰められたことでドナート(分身)を撃破するも、フレームアウトに陥ってしまう。そこに駆け付けた才子とシャオによって生きたまま鎮圧され無事に回復することができた。ピエロ戦の戦果により上等捜査官に昇進するも、そこで局長に就任した旧多による偽のカネキの公開処刑や、その後の行き過ぎた喰種への弾圧から旧多への不信を募らせる。黒磐特等と協力して外部調査により旧多を追い詰めようとしたが、ロマ、リオの伏兵により調査員が殺害され、自分たちも口封じをされそうになり応戦。オークションでの情報からロマに善戦するも、ロマがSSSレートであることを知らず油断していたため、すぐに回復できないほどの重傷を負い、自らをかばった黒磐も腕をちぎられるという重傷を負う。そこで「自分が守る」という思いから新たに盾の形状の赫子を発現させ、奮戦によりロマを駆逐し、リオを撃退する。重傷を負った黒磐が父、幹人を救えなかったことに対する懺悔を自分に涙ながらに行う姿に、これまでの経験から「誰も悪くない」という心の奥底で理解していたことに向き合う。しかし直後に旧多により黒磐が刀で首を貫かれ激昂したところに地下に潜伏していた丸手が駆け付け旧多を撃退。丸手と共に行動していた政とスケアクロウこと永近英良(ヒデ)と合流し、彼らに協力を行う。その6時間後に行われた黒山羊殲滅作戦にてカネキがオッガイたちを吸収し、竜と化してしまった際にヒデの黒山羊の残党たちと協力する提案に才子と共に賛同。喰種たちと共にカネキの救出作戦に乗り出す。作戦途中に負傷したミザを発見し、そこから自らの妄執に固執する六月と安浦をQ's達と共に制止する。黒磐武臣の結婚式にてハイセ(カネキ)への想いを打ち明けた六月のハイセに対する執着とそのために人間の捕食を行っていることの告白を聞かされるも、六月を仲間とする想いは変わらず、六月に一切の攻撃をしかけることなく才子と共に六月の攻撃を受け止めていた。自分の本心を理解し償いのために自害しようとする六月を止め、仲間を最後まで守り通すことを六月と死んだ不知に誓う。その後、才子、六月と共にカネキを探すトーカに協力し、竜本体からカネキの救出に成功する。カネキの下に集まる喰種たちのもとに加わらず、自分の行いを悔いる六月に対し「会わないことは償いにならない」と諭し、以前不知が死んだときにカネキから言われた「この世の不利益は全て当人の能力不足」という言葉を受け止めながら、「一人でできることなんて何もない。仲間や周りの人間、周囲の環境が合わさって結果を作る。」というそれに反する信念を獲得。以前の周囲を見下す独りよがりな性格が完全に払拭され、周囲を導くリーダーとしての器を身に着けていた。目を覚ましたカネキを才子と共に付き添うも、そこで落とし児たちの活動と、竜の毒による人間の喰種化が引き起こされ、才子もROSを発症してしまう。唯一竜の毒に対する免疫を持つカネキに才子を救うことを託し、Q'sを率い襲撃を仕掛けてきたVたちの迎撃を行う。梟の剥製に仲間たちが危機に晒されたときには盾の赫子を用い、平子、倉元、武臣の窮地を救った。芳村から作り出したクインケで鈴屋たちを追い詰める芥子にQ's総員で鈴屋たちの援護に当たるも、一蹴されてしまう。その後、ナキ率いる白スーツ組の加勢により状況が好転し、V達を一掃することに成功した。
竜戦から6年後にはTSCの准特等保安官として活動し、竜戦以降行動を共にしている0番隊の有馬夕乍と共に竜遺児たちの駆逐に当たっている。医療技術の発達により回復した不知の妹、ハルともQ'sメンバー共々交流を持っており、流島から発見した不知の遺骨をCCGの共同墓地に埋葬し、現在も墓参りを行っている。六月が地方のCCGで特等に昇進した際は素直に喜んだものの、先を越されたことに若干内心で落ち込んでもいた。
不知 吟士(しらず ぎんし)
声 - 内田雄馬[10]
二等捜査官。男性。3月8日生まれ。初登場時19歳。血液型A型。『:re』で月山家殲滅戦までウリエと同様狂言回しを務めていた。クインクス班元班長。愛称は「シラズ」。初登場時は三等捜査官。クインケはウリエと同じ尾赫[ツナギ<plain>]だったが、月山家殲滅戦では尾赫と甲赫のキメラクインケ[ナッツクラッカー]を使用。大型二輪と普通免許を所有する為、バイクを移動手段として使っており、捜査対象の追跡にも用いられる。赫子は羽赫でミサイルのような形状をしている。赫眼は右目に発現する。金髪で三白眼、鮫のような歯を持つ青年。その性格は良く言えば「素直」、悪く言えば「バカ」であり、ウリエの嘘を間に受けるなど抜けた一面がある。しかし、外見や粗暴な言動とは裏腹にクインクス班内で特に強い仲間意識を持ち、トルソー戦ではトオルを庇って班長であるウリエに撤退を進言するなど、任務の遂行よりも仲間の安全を優先する傾向にある。その一面をハイセに評価されクインクス班の新班長に任命された後は、引きこもっていたサイコに同行し捜査会議に参加させるなど、不慣れながらも班長としてメンバーを統率する姿勢を見せる。また、この性格からハイセやトオル、サイコとの関係は良好であるが、正反対の性格であるウリエとは互いに反目し合っている。度々金銭に対する執着を露わにしていたが、それは妹であるハルの罹患した難病に由来するものである。その治療費を捻出する為にクインクス施術を受けた経緯が明かされ、喰種の報酬金を気にする様子も見られた。オークション掃討戦では林村・サイコと連携してナッツクラッカーと交戦。分離赫子の特性を見抜き、聴覚をソナーとして仕掛けられた箇所を正確に把握。林村や自身の攻撃でナッツクラッカーをトラップまで誘導、自滅させ、サイコの援護もあり彼女の討伐に成功した。作戦後は特別功労者に認定され、二等捜査官に昇任した。掃討戦後からは、林村が所有権を譲ったこともあり、二種持ちであるナッツクラッカーから作られた天然のキメラクインケを所有する。しかし、彼女が初めて討伐した喰種であったことやその最期がトラウマとなり、支給された際もアタッシュケースを開けることすらままならず、アオギリ少数メンバーによる奇襲の際も使用できなかった。同事件においてはウリエと共にカナエと対峙。赫包を攻撃された為、赫子を封じられてしまい、対抗手段が無くなってしまう。その後はウリエの指示もあり、トオルの援護に駆けつけた。
月山家殲滅戦ではハイセから班員らの統率を任され、ノロと交戦。トラウマを克服し[ナッツクラッカー]でノロの身体を爆散するが、再生した彼の猛攻により対峙した捜査官はほぼ壊滅。自身はそれを唯一回避する事に成功し、単独で奮戦。無意識の内に自力でフレーム開放を行い、羽赫の一斉射撃を叩き込むも、とどめを刺すには至らず、致命傷を負いながらウリエに討伐を託し、駆逐に貢献した。その後は肉体の再生こそ行われていたものの傷の深さや失血の多さから治癒が追いつかず、ハルの安楽死をウリエに頼み、彼とサイコに看取られながら息を引き取った。これにより、クインクス班班長は再びウリエとなった。作戦終了後、その遺体はアオギリに強奪され、嘉納によって解剖された模様。
竜戦後には瓜江たちによって遺骨が発見されCCGの共同墓地に埋葬。再生医療の発達により妹のハルも回復したため、彼の想いは報われた形となった。
六月 透(むつき とおる)
声 - 藤原夏海[10]
一等捜査官。12月14日生まれ。初登場時19歳。血液型AB型。愛称は「トオル」。初登場時は三等捜査官。両利きである為、クインケはナイフ状の鱗赫[アブクソル]と[イフラフト]であり、戦闘時はこの二刀を同時併用する。赫子は尾赫。線の細い容姿をしており、褐色の肌と右眼の眼帯が特徴。気が小さく血を見るのが嫌い。一人称は「俺」。
両親と兄を喰種に殺され、アカデミーに保護されたという過去を持つ。かつて実父に深刻な虐待を受けており、のちにその家族を殺したのは他でもない六月本人であったことが判明する。その際に「女としての存在」である自分を嫌悪していることを告白し、女性としてではなく男性として生きていくことになった。アカデミー生時代、クインケ操術の講師として度々講義に訪れていたのが後の上官となるハイセであったことから、捜査官となった今も彼を「先生」と呼び慕っている。赫眼を制御出来ておらず右目に常時発現しており、眼帯で隠している。またクインクス班内で最もRc値が低いためか筋力や俊敏性の強化は見られず、赫子を出すこともできない。しかし、実際は逆で、Rc値の低さは六月がRc細胞を完全に制御しきっていることを示していた。
オークション掃討戦では什造とともに囮役を務め、その際の功績が認められたことで二階級特進を果たし一等捜査官となる。なお、オークション戦以降はコツを掴んだらしく、自身の意思で自在に赫子を発現させることができるようになった。
アオギリ少数メンバーによる襲撃の際は、奇襲を受けたハイセの援護に回ろうとするも、彼の指示を受けウリエやシラズの元へ向かった。途中、トルソーと遭遇した為、戦闘能力の低いサイコを避難させ彼との交戦を開始。彼を負傷させ互角に渡り合うが墓盗りの援護により致命傷を与えるには至らなかった。彼女に対しては赫子を発現し応戦するも、尾赫同士の力比べに持ち込まれ、窮地に陥る。しかしウリエやシラズら増援が到着したため墓盗りは撤退。ハイセとも合流しサイコの救援に駆けつけた。
月山家駆逐作戦ではノロと交戦するも、ノロの反撃を受けて戦闘不能に陥る。作戦後は複数の班を転々としながら各班の補佐を行い、現在は鉢川班に配属されている。アオギリの樹の拠点として疑われる無人島・流島に調査隊として鉢川らに同行。クインケ操術が格段に上達しており、穂木とのコンビネーションも抜群であったが、タキザワと死堪の猛攻に劣勢を強いられる。鉢川が殉職したことで敗北を悟り、穂木と共に逃走を図るが追ってきたトルソーによって拉致され、四肢を切断された拘束状態にある。トルソーからの歪んだ愛情を拒み、逆上されて暴行されたことを、自身の過去と照らし合わせて「男に奪われるばかり」と悲嘆。第一部のカネキのように髪色が白髪に近くなっている。
回想によると父親からは暴力や罵倒、性的暴行を受け、母親はその様子を見て見ぬふりしていたようだ。家族を惨殺したのはその苦痛による心の闇が原因のようで、アカデミー内では猫を殺害していた。また、オークションでは殉職した捜査官の遺体を喰らって傷を回復させていた模様。
衝動に駆られて無意識のままにトルソーを殺害。欠落していた記憶を取り戻したことで己の残虐性を自覚し、一時的に狂乱。その後はある程度落ち着きを取り戻し、アキラを殺そうとするオウルと交戦。力押しされるも容赦なく急所を叩き潰して彼を戦闘不能に追いやったが、止めを刺そうとするも、衝動的に滝澤を守ったアキラの妨害を受けて失敗し、激昂。対策法違反を盾にして彼女諸共オウルを駆逐しようとしたが、亜門の襲撃で阻まれ、劣勢に立たされる。そこへクインクス班が到着したことで不利な戦況を打破するも、赫者化した亜門に重傷を負わされ、戦闘不能に陥った。
流島上陸作戦終結後は周囲に自身が女であることを告白し、表面的にはそれまでと変わらぬ態度で鈴屋班の補充員として活動を続けるが、戦闘時には残虐な面を見せるようになる。ピエロ戦にてウタと交戦した際、ウタがハイセに化けた為にハイセに対する歪んだ恋心を自覚するようになる。以降は旧多に協力する形でオッガイの指導係を行い、カネキに憎悪を抱く安浦を従える形で行動する。黒山羊殲滅作戦ではオッガイ達を引き連れトーカたちを襲撃、オッガイたちをフレームアウトさせ使い捨ての道具として利用し、喰種たちの殲滅を目論んだ。自身も安浦と共に四方と交戦し、カネキへの想いを糧に安浦と共に追い詰めるも、すんでのところで四方に嵌められ、水場にて電撃の赫子を浴びせられてしまう。長らく行動不能であったが、赫子を身に纏うことで何とか生き延びた。カネキが竜と化し、CCGと喰種が協力関係を結んだ中でそれを良しとせず、カネキが誰のものにもならなければいいとトーカ達を襲撃し、安浦と共に追い詰めるもQ'sの仲間たちによって制止される。仲間を助けるという瓜江の言葉を否定し、カネキを手に入れるために食肉も行っていることを告白し「止めたいなら殺せ」と絶叫するも、瓜江と才子は一切自分に攻撃を加えることなく自分の攻撃を受け止めた。頑なに自分の行動を自分の意思だと肯定しようとしたが、才子から本心で望んでいないことを看破され、心の支えを失い「死んでおけばよかった」と自分を否定した後に「ハイセや仲間たちと過ごしたシャトーでの時間をもう一度取り戻したかった」と自らの本音をこぼしながら同時に「死ぬべき存在は自分だった」と自害を図るも、才子に殴り倒され、自分への好意を惜しげもなく見せる才子たちを涙ながらに受け止めた。安浦に対しても目的のために利用してきたが、瓜江たちの下に戻ったさいには自分に協力してくれただけと彼についてかばう姿勢を見せている。その後は償いのためにQ'sメンバーとして行動することに注力し、カネキの救出とVとの交戦を行い。鈴屋が芥子に追い詰められた際には率先して鈴屋の救出に向かった。
竜戦後は穂木、安浦と共に地方のCCGにて活動を続ける。最終話時点で特等捜査官への昇進が決定した。ハイセ(カネキ)をめぐって対立したトーカとも和解し、贈り物を送ったり、トーカからもトオルと名前で呼ばれるようになるほど関係は良好になっている。
米林 才子(よねばやし さいこ)
声 - 佐倉綾音[10]
二等捜査官。女性。9月4日生まれ。初登場時20歳(なりたて)。血液型B型。愛称は「サイコ」。初登場時は三等捜査官。クインケはハンマー状の甲赫[ぼくさつ2号]。赫子は鱗赫であり、その性質やクインクス適性の高さから班内随一の火力を持つ[注 55]が、日頃の鍛錬を怠っている為か体力の消耗が激しく、持続力に欠ける。ウリエ同様嗅覚が鋭く、赫眼は左眼に発現する。タイピング検定1級を所持。似た容姿の兄がいる。ダウナーな雰囲気とツインテールが特徴的なやや肥満気味の小柄な女性。経済難を抱えた母の元で育ち、学費が安いという理由でCCGアカデミーに通わされていたため、彼女自身に元来喰種捜査官になる意思は無かった。しかし、アカデミージュニアを対象に行われたクインクス施術適性テストにて候補者の中で最高の適性を示し、施術を受ければ多額の補償金が出ることを知った母の一存で自身の意思とは無関係に捜査官になったという過去を持つ。そのためか任務や捜査に対する意欲が見られず、非常に消極的である。面倒見の良いハイセを「ママン」と呼び、彼に懐いている。捜査官ながら半ニート状態で、ゲームをしながらお菓子を食べるという自堕落な生活を送っておりアニメ・漫画・イラスト・フィギュア収集・ネットサーフィン・地下アイドルなどのサブカル系趣味を持つオタクでもある。そのためか、会話の際にはネットスラングを多用する一人称の安定しない独特の口調を用いる。引きこもっていたのはウリエの班長命令を違う意味で解釈したからという理由もあったが、彼からの警告(実は嘘)を受け、危機感を感じ始めている。ナッツクラッカー調査任務以降は寝坊しながらもシラズに同行されて捜査会議に参加するようになり、ハイセとクインクス班による囮捜査の際も男性陣を女性に変装させるなど、引きこもっていた以前よりは多少の積極性を見せ始める。オークション掃討戦ではシラズの策により動きを止められたナッツクラッカーに対し赫子を用いた一撃で戦闘不能に至らしめ、彼女の討伐に貢献。管理棟の制圧にも成功し、同室モニターから管理棟付近のハイセが蹂躙される様を目撃。彼の元へ向かうが、現場の凄惨さに恐怖し、その場から動けず立ち竦むばかりだった。意を決してオウルに立ち向かうハイセを涙ながらに制止するが振り切られ、後の死闘とその決着を見届けた。作戦後は特別功労者に認定され、二等捜査官に昇任した。
クインクス班がアオギリ少数メンバーによる襲撃を受けた際はトオルの指示もあり、建物裏に避難、待機していたが死堪と遭遇。身動きを封じられ捕食寸前まで追い詰められたが、突如現れた「ローブの大男」による奇襲で死堪は圧倒され負傷。撤退を余儀なくされた為、結果的に彼に窮地を救われる形となった。ハイセらが救援に駆けつけた際、その「恩人」は姿を消していたが、サイコは彼を「黒いおっきい人」と記憶。後にアキラから彼について聴取を受けた模様。
月山家殲滅戦ではノロと戦闘。強力な赫子の一撃によってノロを真っ二つにしたが再生されてしまい、鍛練不足による体力消耗で一時戦闘不能に陥った。シラズとウリエの連携でノロの討伐が成された後は致命傷を負ったシラズにウリエと共に寄り添い、彼の最期を号泣しながら看取った。殲滅戦終結後もそのショックは癒えず、シラズの墓前で悲嘆に暮れていた。シラズの死から半年後にはクインクス班の副班長となっており、ウリエの補佐を行いながら後輩らの手本としても活躍する。ツインテールはかなり短くなり、鍛練を重ねたのか赫子を使用した後も疲弊した様子は見られず、平時と変わらず軽口を叩ける程度には体力や赫子の持続性が向上している。また、髯丸とはゲーム仲間でもある模様。
流島上陸作戦ではウリエと共にトオルの捜索に奔走。彼女との合流後は自身の赫子で亜門を押さえ込むも、以前死堪から救ってもらった恩義による葛藤から救命を願う。しかし、シラズの殉職から仲間の喪失を恐れるようになっていたウリエはそれを拒否、[銀喰]によって致命傷を負わせる。しかし、それによって亜門の赫子が暴走。赫者化した彼はクインクス班を壊滅状態に追い込む。ウリエと相討ちとなりながらも余力を残す亜門に全力で赫子を撃ち込み、その上で彼に対話を乞うが、自身の問いに従って亜門が伝えた言葉や彼の人としての最後の思いを汲み、涙ながらに自身の赫子で止めを刺した。
髯丸 トウマ(ひげまる トウマ)
声 - 峯田大夢
三等捜査官。月山家殲滅戦後より新たにクインクス班に参加した男性。血液型はO型。初登場時18歳。第一アカデミー特待生。赫子は尾赫で、クインケも同じく尾赫の[髭鬼丸]を使用。髪型は横分けで、髪色をピンクに染めている。調子の良い性格をしているが強い正義感を持っており、先達であるサイコやウリエにも日頃から尊敬の意を示している。特にサイコとの親交が深く、ゲーム仲間として遊びに講じる他、戦闘においても彼女と軽口を叩き合うことが多い。ちなみに彼の生家である髯丸家は名家である事に加え、警察や消防隊等の人命に関わる職種の者が多い。
小 静麗(シャオ ジンリー)
声 - 榎吉麻弥
一等捜査官。月山家殲滅戦後より新たにクインクス班に参加した女性。血液型はB型。初登場時18歳。赫子は甲赫で、所持クインケはブレード型の鱗赫[クアイ1/4号]。台湾出身で幼少期に日本へ渡り来た。英名「ジーニー・シャオ」[注 56]。ハイルと同じく白日庭で英才教育を受けた人物であり、彼女に次ぐ才能を持つと評される。特に体術に優れ、組み手で彼女の右に出る者はいなかったらしい。白単翼章を受勲している。瓜江の[銀喰]の威力を目の当たりにし、その性能を羨んでいた。ハイルとは親交があり、彼女を「姉さま」と呼び、未だに慕っている。無愛想かつ男性的な言動とは裏腹に可愛いものに目がなく、自身に甘えてくるサイコに対しても内心ハイルと重ね合わせて日常的に耳かきを行う等、献身的に接している。後に有馬やハイルらと同様、半人間であることが言及された。
安浦 晋三平(あうら しんさんぺい)
声 - 古川慎
二等捜査官。月山家殲滅戦後より新たにクインクス班に参加した男性。血液型AB型。初登場時18歳。赫子は羽赫で、クインケは尾赫[ツナギhard]を使用している。前髪が目を隠すほど長く、控え目な性格である。安浦 清子の甥であるものの、アカデミーを首席で卒業した彼女とは違って学生時代の成績は今一つ。それでも第七アカデミージュニアの特待生としてCCGに入局していることから潜在的な素質はある模様。彼女とは二人で食事に行く等の交流があり、親族としての関係は良好である。釣りを嗜むが、餌をつけずに糸を垂らすのを好むという一風変わった趣味を持つ。コクリア防衛戦でカネキと交戦した清子が重傷を負ったことから、彼に対して憎悪を抱いている。
オッガイ
葉月 ハジメ(はづき ハジメ)
オッガイ「あー班」班長。血液型AB型。初登場時11歳。幼少期に喰種に両親を殺害された孤児であり、本作第一部でも亜門と面識がある。カネキに対しては、自分と同じ元人間の喰種でありながらも「半赫者」となるまでに至ったことで彼に偏執的な憧れを抱いており、実際に対面した際には異常な執着ぶりを見せている。
トオルに率いられて「:re」を襲撃した他、CCGに追われる子供喰種のフリをして「(こう)」と名乗り、黒山羊に潜入。黒山羊が保有するPCからデータを抜き取ろうとした時、月山によってCCGのスパイであることが発覚し、彼と交戦するが、援護に駆けつけた平子ら0番隊のメンバーらに捕縛され捕虜となる。
捕虜として24区の黒山羊のアジトに監禁されていたが、舌に仕込まれていた発信器で24区内におけるアジトへの経路を他のオッガイ班に知らせており、オッガイの襲撃に乗じて自身も見張りの府河らを殺害し脱走、宇井と共に0番隊と交戦した。作戦終了後、ジューゾーと阿原に敗北したカネキを自身が殺害した士皇や理界の首を見せ付け嘲笑するも、赫子の暴走を引き起こしたカネキに顔面を食い千切られた挙げ句に頭を赫子で貫かれ、他のオッガイ班員と共に食い殺されるという結末を迎えた。アニメ版では非常に出番は少なく、カネキに顔面を食い千切られるのも別の人物となっている。竜に覚醒したカネキの赫子に驚いた表情を見せた直後に彼のいた場所を赫子が通り過ぎる場面を最後に出番を終えており、明確な生死は描かれていない。
黛(まゆずみ)
オッガイ「あー班」の一人。軽薄な言動を取ることが多く、ハジメのことを陰で「根暗班長」と呼び、ハジメが黒山羊に潜入した直前に行った喰種討伐時は「(ハジメが)いないから気楽」と発言していた。
黒山羊殲滅作戦において、ハジメらオッガイ班員と共に赫子の暴走を引き起こしたカネキに食い殺され、死亡した。
0番隊
僧頭 理界(そうず りかい)
庭出身の0番隊員。16歳。血液型AB型。和修分家の一つ、僧頭家の出身。無口だが、親しみを覚えた相手にはくっつきたがる。棍や槍状クインケの扱いを得意とする。
『:re』のコクリア襲撃編から登場、平子らと共に隻眼の王となったカネキらの脱出を幇助し、その後「黒山羊」の構成員となる。
有馬 夕乍(ありま ゆさ)
声 - 服部想之介
庭出身の0番隊員。15歳。血液型B型。有馬 貴将と同姓だが、分家としての有馬家は複数存在しており、有馬 貴将の直接の弟というわけではない。おっとりとした温和な少年。空想が好きで、戦い以外の世界にひそかな興味を抱いている。長剣タイプのクインケ槍術を得意とする。
『:re』のコクリア襲撃編から登場、平子らと共に隻眼の王となったカネキらの脱出を幇助し、その後「黒山羊」の構成員となる。
伊丙 士皇(いへい しお)
声 - 徳留慎乃佑
庭出身の0番隊員。14歳。血液型B型。伊丙 入の遠縁の親戚。明るく無邪気な少年。3人の中では最年少だが、喰種の駆逐数はトップ。
『:re』のコクリア襲撃編から登場、平子らと共に隻眼の王となったカネキらの脱出を幇助し、その後「黒山羊」の構成員となる。
局員捜査官
中島 康智(なかじま やすのり)
声 - 大黒和広
20区所属の男性捜査官。草場のパートナーであったが、彼の殉職後は亜門とコンビを組む。真戸の死に憔悴し、自責の念から捜査にのめり込む亜門を深く懸念し、同僚にもその旨を打ち明けている。亜門が上等捜査官となった後も滝澤と共に彼を会食に誘う等、交流がある模様。
草場 一平(くさば いっぺい)
声 - 村田太志 / 演(映) - 前野朋哉
20区所属の眼鏡を掛けた男性捜査官。階級は三等捜査官で中島とコンビを組んでいた。やや使命感に欠ける性格であり、実戦で功績を挙げるよりも安全なデスクワークを希望していた[注 57]が、亜門の正義感に触れて彼を尊敬するようになる。リョーコの殺害現場に居合わせ、ヒナミの容貌を知る人物だったことからトーカに襲撃され、殉職した。
累沢 (るいさわ)
声 - 小堀友里絵
20区担当の情報部所属の女性捜査官。CCGへ偽の情報提供に赴いたカネキとトーカの対応を担当した。人当たりのいい軽い性格であるが、カネキらに対して「ヒナミのような幼い喰種でも駆逐されて当然」と笑みを崩さず言い放つ一面から、亜門や真戸らと共通する捜査官として凄惨なまでの使命感を垣間見せた。高槻がCCGに乗り込んだ際にも彼女の対応をしていた。
CCGアカデミー
戸影 豪正(とかげ ごうまさ)
声 - 宮崎敦吉
第二アカデミーの教官であり、戦闘訓練を担当している。顔面の広範囲に広がる深い傷が特徴の男性捜査官。人差し指を親指で押して鳴らす癖があり、後にこの癖はヤモリを通じてカネキ(ハイセ)やナキら白スーツに受け継がれている。過去にコクリアの尋問官を務めていたが、常軌を逸した嗜虐性から捕獲したヤモリに対して長きに渡る拷問を行っていた。が、隙を突かれて彼の反撃に遭い、顔面に生涯消えない傷を負わされた。その後はCCGアカデミーに移籍し、陰で動物虐殺を行っていたが、その現場をジューゾーに目撃される。しかし、CCGの世間体が悪くなることを恐れた他の職員達がジューゾーに濡れ衣を着せて真相を隠蔽した。これがジューゾーと他の候補生との溝を深める原因となった。
『:re』にも登場し、ハイセからはその異常性を薄々勘付かれている。第二アカデミー出身であるトオルとの因縁が示唆されていたが、彼女による動物虐殺の現場を目撃した際にはそれを咎めるどころか、より効率の良い解体方法を指導していた。
その他の職員
地行 甲乙(ちぎょう こういつ)
声 - 川田紳司
1区のCCGラボラトリー主席研究員であり、ドイツの喰種研究機関・GFGにも一時在籍していた経歴を持つ。目元を隠すマッシュルームカットが特徴的な男性。亜門の[ドウジマ]に修繕と強化を施すも、彼に対しては設計を担当したのがアキラであることを伝え、彼女の能力を賞賛している。20区隻眼の梟討伐戦においては[ドウジマ・改]と[アラタ・弐proto]を亜門の元へ届けるために、危険を顧みずに自ら戦場に駆けつけるといった図太い一面を見せた。
『:re』にも登場し、ハイセの身体を基にして捜査官の体内に赫包を内蔵するクインクス施術を考案している。またオークション掃討戦後はシラズのクインケ[ナッツクラッカー]を作成。希少な天然のキメラクインケであることから普段以上に熱意を持って作成にあたり、シラズに[ナッツクラッカー]の能力を説明していた。
柴 遼次郎(しば りょうじろう)
声 - ボルケーノ太田
『:re』から登場したCCGで勤務する医師の男性。ハイセとクインクスの主治医でもある。

喰種の協力者

嘉納 明博(かのう あきひろ)
声 - 乃村健次 / 演(映) - 岩松了
嘉納総合病院の院長の息子であり、同院で医師として務める初老の男性。帝鳳大学医学部を卒業後、ドイツに渡ってGFGにて3年間の下積みを経てCCGへ入局。解剖医として働いていたが、ある時期を境に突如退局。その後は前述の通り、一般的な医師として活動していた。
リゼの襲撃により瀕死の重傷を負ったカネキに彼女の赫包を移植。半喰種となった彼を担当医として診察していたが、突然姿を眩ませて東京郊外の地下のラボに潜伏していた。そこでかつての経歴を活かして回収したリゼを利用し、秘密裏に様々な実験を行っていた。一見すると穏やかな物腰で患者や同僚からの信頼も篤い人物であったが、その本質はまさしくマッドサイエンティストと呼べる倫理の欠如した性格をしており、己の実験を成功させる為には他者の肉体や精神を蹂躙することも全く厭わない。事実、彼の施術を受けた者達はそのほぼ全員が自身の意思とは無関係に半喰種化させられており、中でも施術に失敗して副作用に見舞われた者らは理性や人間性を失い、襲撃してきたカネキに対する囮にされる等、悲惨な末路を辿っている。故にカネキからは「頭のイカれた人でなし」と評され、クロナからもシロを躊躇なく見捨てたことから激しく嫌悪され、命を狙われている。[注 58]リゼの赫包でカネキと安久姉妹を、芳村の赫包で亜門やオウルを半喰種化させた張本人であり、アオギリの樹からは目的達成に不可欠な重要人物とされている。カネキに赫包を移植したのは本来、安久姉妹へ施術を行う前段階のテストに過ぎなかったが、短期間で急成長した彼を「最高傑作」として賛美し、強い関心を示している。 後にカネキと再会し、ある目的のために一緒にアオギリの傘下に入るように説くが、拒否されたことから単身アオギリに合流した。20区隻眼の梟討伐戦終結後は、同作戦で表向きは消息不明、または死亡扱いとなった捜査官らに対して回収した芳村の赫包を用いた半喰種化施術を行っている。
『:re』ではオークション掃討戦から登場。エトに半喰種となったオウルの実戦投入を提案し、彼と相討ったハイセを改めて「不完全ゆえに成長する極致」として讃えている。また、自身と同じくGFG在籍経験を持つ地行の才能や技術力を非常に高く評価しており、「喰種研究における天才」と称賛している。また、自身の考案した赫包の直接的な移植による半喰種化施術より簡単で成功率も遙かに高いクインクス施術に着眼し、これを利用すべく構想を練っている。[注 59]
オークション掃討戦後、同作戦において駆逐されたナキの部下・ガギとグゲを解剖した結果、彼らが赫子不現症であったことを突き止めた。同時に二人の潜在的なRc値の高さに興味を持ち、ナキにガギとグゲの赫包を用いたクインクス施術の話を持ちかけて快諾を受ける。が、嘉納はこの際、難しい用語を交えつつも相当噛み砕いて内容を伝えたのだが、ナキは全く理解できておらず、「ガギとグゲが蘇る」という誤解のみを与えることとなった。なお、ナキの知能の低さを「喰種という種にありがちな人間社会に出られず、教育機会に恵まれなかった結果」として内心興味を抱いている。
月山家殲滅戦後には強奪されたシラズの遺体を解剖。彼を基にクインクス施術に用いられるフレームの構造を解明し、オカヒラを始めとする捜査官らを素体とすることで自身の手でクインクスを生み出すことに成功する。
流島上陸作戦では、流島内部の研究施設で活動していた際にクロナの来訪を受け、シロの治療を再び依頼されるも、「死人の治療は出来ない」としてこれを拒否。逆上したクロナから襲撃されるものの、オカヒラらクインクス被験体を多数解放、彼女と交戦させる。数の利から彼女を徐々に追い詰めるが、乱入したニシキの赫子に捕縛される。しかし、彼に対しても被験体をけしかけ、更に死堪やロマの妨害で捕縛を脱して逃亡に成功。オカヒラや貴未らと共に流島を脱出した。
その後はピエロ、旧多に協力している様子で、Qs技術と自身の技術を複合した新たな半喰種を開発し、安定した量産を可能にしている。

民間人

永近 英良(ながちか ひでよし)
声 - 豊永利行、上田麗奈(子供時代) / 演(舞) - 宮崎秋人 / 演(映)- 小笠原海超特急
カネキの親友で彼と同じく上井大学に通う男子学生。6月10日生まれのふたご座。血液型O型。愛称は「ヒデ」。カネキが人間としての感情を持つ主柱となっている人物。カネキとは正反対に活発な性格で、友好関係が幅広いが、その分、周囲の人物に喰種も多い。小学生時代にカネキに話しかけたのがきっかけで彼と親友となる。あんていくの常連客であり、トーカに興味を抱いている。陽気で大雑把な性格であるが、他者の微かな機微に気付く鋭い洞察力を持つ。真戸の殉職の件もほぼ完全な推理で事件の本質に辿り着いており、この一面をニシキやカネキから内心危険視されている。
喰種の事件に興味を示して新聞の切り抜きや小倉の著書から得た情報でヤモリに発信機を付け、アオギリの樹のアジトを特定する等、独自に捜査を行っていた。その後はCCGに局員補佐として採用され、アルバイトとして働いていたが、アオギリのアジトの情報を匿名でCCGに提供したことが馬淵の調査で露見し、丸手の判断で捜査官補佐となり亜門とアキラのサポートも行うようになる。梟討伐作戦では丸手の補佐として参加し、地下道で半赫者の力を暴走させるカネキと再会。その際にカネキが喰種となったことに当初から気づいていたことを明かし、再び全力で戦うよう励ました。その際、カネキによって口元などを食われる程の重傷を負ってしまうも、なんとか生き延びた。
『√A』における梟討伐作戦では、滝澤の所属する部隊がアオギリに襲われる現場に居合わせており、ノロに襲われ深手を負いながらも何とか逃げ延び、亜門との戦いで相討ちとなったカネキを救出する。しかし、あんていくで彼と一時を過ごした後に息を引き取った。彼の遺体はカネキにより運ばれ、CCGに返された模様。
『:re』では、案山子姿の喰種「スケアクロウ」として、身を隠す様に、傍観者としてCCGとアオギリの樹との戦いなどを見守ったり、前作で彼が金木研名義で入手した高槻泉のサイン色紙入りの本をクリスマスにハイセの元へ送ったり、時期は不明だが丸手にRc検査ゲートの細工をリークしたりするなど、さまざまな暗躍をしていた。流島での決戦後、自ら表舞台に戻り、異様な姿と化したカネキを助ける為に、CCGと喰種の仲を取り持ったりするなどの工作を行う。
小説版においてもカネキが喰種となったことに確信を抱いており、他の生徒らに疑われないように細工を行い、彼を人知れず守っていた。
小坂 依子(こさか よりこ)
声 - 赤﨑千夏 / 演(映) - 古畑星夏(1作目)→ 森七菜(2作目)
トーカの親友である、清巳高校の女子生徒。温和な性格で他者への気遣いに長け、彼女のことを常に気にかけているが、その正体には気付いていない。調理師を目指しており、度々自身の手料理をトーカに食べさせていた。
『:re』ではパン屋の店員になっており、20区隻眼の梟討伐戦以降、トーカとは疎遠になっている。来店したシラズやサイコ、武臣と邂逅した際に武臣と小学校時代の同級生であったことが明かされた。後に武臣からプロポーズを受け、承諾する。
西野 貴未(にしの きみ)
声 - 小堀友里絵 / 演(舞) - 山谷花純 / 演(映) - 木竜麻生
ニシキの恋人。上井大学医学部医学科二年生。10月1日生まれのてんびん座。血液型O型。家族が旅行中の事故で全員死亡し、精神的に追い詰められたところをニシキに話しかけられたのをきっかけに恋人になる。ニシキが喰種であることを知っており、必要があれば彼の食糧になる決断ができるほど献身的な愛情を持つ。しかし、あんていく掃討戦を切っ掛けに、ニシキは彼女と決別した模様。
『:re』では嘉納の助手の一人として半喰種化施術やクインクス施術に関わり、彼と共に流島を脱出した模様。また、ニシキとの決別後に上井大学で喰種との共存を掲げて「大環アクト」の前身となる組織を立ち上げていた。
田口(たぐち)
声 - 上田麗奈
入院していたカネキの担当をしていた看護師。嘉納の裏の顔を知っていたためにアオギリの樹に拉致され、タタラに拷問を受けた末に殺害された模様。
小倉 久志(おぐら ひさし)
声 - 丹沢晃之 / 演(映) - ダンカン
喰種研究家の男性。他人を小馬鹿にするような態度を取っている。度々テレビに出演しており、喰種関連の著書も多数出版しているが、篠原からは「自分なりに掻き集めた情報を吹聴するだけの『喰種フリーク』であり、市井の人々に誤解を与える困った人」と評されており、彼の推理はその殆どが外れているものが多い。
『:re』でも前作に引き続き喰種研究家として活動しており、「王のビレイグ」発表の際に感想を求められていたが、上から圧力がかかった為にコメントを控えていた。喰種に対する興味から喰種保護団体の一員として活動する側面も描かれている。その後は「大環アクト」の一員としてカネキらに接触し、アキラの治療に協力する。嘉納とは大学時代に同じ「喰種研究会」に所属し、サークルに参加した彼に対して内心、異様さを覚えていた。
田畑(たばた)
トーカと依子の高校の同級生。ネガティブな発言ばかりする。
小鉢(こばち)
グルメ雑誌の編集者の男性。御手洗に騙され喰種のレストランに連れ込まれた。ハプニングレストランだと信じていたため、最初に食材としてタロちゃんに解体されるまでほぼ無抵抗だった。
亜美(あみ)
肥満体の女性。宗太に騙され喰種のレストランに連れて込まれた。体格に見合わぬ俊足で、本人曰くかつてインターハイにまで出たこともあるランナーだったらしい。身を挺して自身を庇おうとしたカネキを足蹴にして囮にしようとするが、結局自分が狙われてしまう。しぶとく逃げ回るも捕えられ、食材としてタロちゃんに熱した鉄板に押し付けられた。
カネキの母
声 - 高橋理恵子
夫を早くに亡くしたことから女手一つでカネキを育てていたが、姉からの金の無心に応じ続けて過労死した。生前、カネキに自己犠牲を尊ぶように教えており、カネキは彼女を尊敬する一方で、ヤモリの拷問を受けた時にリゼの幻想に「『優しい』のではなく、姉を捨てる覚悟がなくて『弱い』だけ」と説かれ、後にカネキからも「孤独を畏れる、ただの小心者の怖がり」という見解を示されていた。
『:re』ではカネキの回想にのみ登場。カネキに児童虐待を行っていた事が判明した。
浅岡(あさおか)
カネキの伯母。妹であったカネキの母が亡くなった後、間接的に死なせた償いからカネキを引き取った。しかし、かねてから妹に対する劣等感を抱いており、カネキの成績が息子を越えたことをきっかけに彼に対しても敵愾心を向けるようになり、心理的虐待ネグレクトを行うようになった。
佐藤(さとう)
中年の女性。霧嶋一家と滝澤一家が暮らしていた住宅街の近所に住んでおり、滝澤の母とも面識があった模様。トーカとアヤトからは「佐藤のおばちゃん」と呼ばれ、慕われていた。霧嶋一家とは友好的な関係を築いていたが、CCGから一家の正体を知らされ、その駆逐に協力した。その後は喰種に殺害されている。
安久 七生(やすひさ ななお)
クロナとナシロの父親で、貿易会社「スフィンクス社」の社長だった。表向きは祖父の資産を元手にスフィンクス社は貿易業を営み莫大な富を得たとなっているが、実際は事業に失敗し巨額の借金を抱えていた。そこをCCGに目をつけられ、借金の肩代わりと引き換えに外国からRc含有液の輸入を行いCCGに売り捌き、地盤の強い安久家の屋敷の地下を喰種化施術の実験施設の隠れ蓑にしてCCGの闇に加担した。喰種に殺害されたとされているが、実は非人道的な側面に耐えられなくなってその情報を外に流そうとしたため殺害された。
川上 雫(かわかみ しずく)
声 - 上田麗奈
CCGアカデミー候補生であった心優しい性格の少女。ジューゾーやクロナ、ナシロと同じ施設で局員捜査官を目指していたが、身体が弱かったため病死した。
滝澤 道江(たきざわ みちえ)
声 - 川﨑芽衣子
滝澤の母。かつて霧嶋一家の駆逐に協力した佐藤とは顔見知りであった模様。佐藤が喰種に殺害されてから一時期情緒不安定になったことがあり、この過去が滝澤が捜査官を目指すきっかけとなった。
『:re』では滝澤の回想にのみ登場。嘉納の発言から夫と共に殺害され、半喰種となった滝澤の食糧にされた可能性が示唆されている。
滝澤 聖奈(たきざわ せいな)
滝澤の妹。晴南学院大学1年。梟討伐作戦直前に母と共に登場した。派手な身なりをしている。珍しく兄が帰宅していることに驚いていたが、自身も友人と外食することが多く、あまり家にはいない模様。
憂那(うきな)
声 - 寿美菜子
かつて「功善」と名乗っていた頃の芳村が出会った女性。正体を知りながらも功善と愛を育み、エトを産むため妊娠中に人間の肉を食らうほど彼を愛していた。しかし彼女自身の正体は功善の所属していた「V」を追うジャーナリストであり[注 60]、それに気付いた「V」の命令を受けた功善の手で殺害された。最期の時ですら功善を恨まず、それどころか「自分が死ぬことでまた功善が一人になることが心配」と気にかけていた[注 61]
『√A』では功善と共に組織から逃亡する中で「V」の刺客に殺害された。
アキ
声 - 大久保瑠美
[JACK]に登場。富良との同級生であり、かつての不良仲間。少女時代にランタンによって襲撃され、一命は取り留めたものの、右眼を潰されて失明している。ランタンの討伐がなされた後は富良と結婚し、一児の母となっている。
リョウ
声 - 鈴木達央
[JACK]に登場した、富良のかつての不良仲間であった男子学生。13区で暴走行為を続けていたが、ランタンに襲撃された富良を庇い、殺害される。
掘 ちえ(ほり ちえ)
声 - 潘めぐみ
小説[日々][空白]に登場する、童顔で小柄な女性。月山と同じ高校に通っており、食事風景を撮影しているところを見つかってしまい、彼と共に行動するようになる。月山が喰種だと知っても全く驚かなかった。
本編では『:re』から登場。小説より数年経過しているので現在の実年齢は24歳だが、その容姿はほとんど変わっていない。その為、運転免許証を見せるまでウリエやシラズには小学生だと誤解された。愛称は「ホリチエ」。飄々とした性格の変わり者で、写真を撮るのが好きな撮影マニアでもある。クインクス班のウリエとシラズに接触し、ハイセの私物と引き換えにトルソーに関係する情報を渡した。月山の症状を回復させるために尽力するも、今までの不法行為がCCG側に露見し追われる立場となっている。
月山家殲滅戦後にはトーカ、ヨモの協力の下で捜査官に駆逐されそうになった月山を救った。流島上陸作戦のときは観母と共に流島の「表側でない」埠頭で待機し、月山やカヤ、ニシキ、クロナ、アオギリ残党などを出迎えた。
彼女の言動は自身の死への恐れからきており、自分が今死んでもいいと思える瞬間に死ねるよう常に楽しい時間を過ごしていたいという。喰種である月山と親しくなったのも「一緒にいるのが楽しいから」で、究極の美食を求める彼も掘を求道者と認めたことから種族を超えた交流を持つこととなる。
トオルの父親
いつも酒浸りで過ごす男で、家族の中では「自分が愛される」ということにしか感心がなく、それが満たされないと暴力で支配。特に反抗的なトオルに対しては顔に水面を付けて溺れさせたり性的暴行に至ったりと惨い虐待を繰り返していた。最終的にトオルに斧で襲いかかられ、(彼女への虐待を無視していた)妻や兄ともども殺害された。
道乃美(みのみ)
少年期の冴木が出会い、親交を深めた少女。学校に行っていない彼に対して自転車の乗り方や字の読み書きを教えるなどしていた。彼女自身の家庭環境も芳しくなかった模様であり、冴木の回想からも身体的虐待を受けていたことが伺える。冴木と共に彼の隠れ家に身を寄せて出奔の計画を話し合っていたが、冴木の父親に発見され、身体を解体され捕食された。その最期が後の冴木の胴体偏愛の由来となった。
不知 ハル (しらず ハル)
シラズの妹。ROSを罹患しており、現在入院中。彼女の場合、症状の進行度は非常に重篤であり、幼少期に右眼下に出来た吹き出物程度の小さな囊腫が現在は右顔面部の大半を覆い尽くし、彼女自身の身体と変わらない程に巨大化・異常発達している。兄であるシラズのことは辛うじて判別できるものの、その言動からROSの症状の一つである幼児化も引き起こされている可能性が高い。シラズのクインクス施術の補償金により治療が行われていたが、彼の殉職後は、ハルの安楽死を望んだその遺志に反するとしながらも、ウリエら初代クインクス班員が彼に代わって治療費を支払い続ける旨を誓った。
塩野 瞬二(しおの しゅんじ)
声 - 野坂尚也
高槻泉のマネージャー。見た目通りの気弱な性格で、奔放な高槻に振り回されている。
『:re』では月山家殲滅戦後に登場。高槻を喰種と知っていながら匿っていた容疑をハイセと旧多にかけられ、CCGに連行される。回想によるとわずか14歳で出版社に数百ページにも及ぶ原稿を持ってきたエトを、その年齢から軽んじてまともに取り合わず追い払うが、その原稿を見た上司に「逸材を逃がした」ことを激怒され、必死になって探し出し高槻泉としてデビューさせたようである。回想の終盤では高槻の自宅にて偶然食料である人肉を発見。その様子を彼女に見られたが特に気に掛けられず、塩野本人も公にすることはなかった。度重なる事情聴取により精神が疲弊してしまい、その事実をCCGに打ち明けたことで高槻は喰種である可能性が濃厚になり、身柄を拘束されてしまう。自身の供述によって高槻が喰種として拘束されたことへの罪悪感からか、彼女の最新作「王のビレイグ」出版の為に奔走し、無事成功する。しかし、喰種である高槻の秘匿容疑や「王のビレイグ」の喰種を正当化し、和修家を暗に批判する内容からCCG上層部の逆鱗に触れてしまう。それにより旧多によって殺害され、遺体は高槻へ提供する食料としてパテに加工されるという、凄惨な最期を遂げてしまった。
和修 伊予(わしゅう いよ)
政の妻。名家の出身である淑やかな女性だが、政からは「仕事の話を理解できないつまらない女」として内心疎まれている。
木山(きやま)
[日々]に登場する上井大学のオカルト研究会の部長。気さくな性格をしたのっぽの男性。ヒデがカネキの異変に勘づいた頃に知り合い、強制的にヒデをオカルト研究会に勧誘した。独自に喰種の調査を行っている。カインに襲われるが、ヒデに助けられた。
眉原(まゆはら)
[日々]に登場するトーカと依子のクラスメイト。クラス内の女子グループのリーダー格であり、家庭的な依子が自身が好意を抱く男子生徒に評価されたのが気に入らず、彼女やトーカに対して取り巻きと共に陰湿な言動や嫌がらせを行なっていた。が、ある一件を境に堪忍袋の緒が切れたトーカに顔スレスレに拳を叩きこまれ、怯えて地面に倒れ込む。

用語

喰種(グール)

食性が人肉のみに限定された肉食亜人種。反社会的な食性から公的に駆逐対象とされており、喰種対策局と呼ばれる専門の行政機関が設立されている。通常時は人間との外見的な差異が無く、条件付きで交配も可能であるなど、限りなく人間に近い種として描かれている。その反面、身体能力は極めて高く、数mを跳躍する脚力や素手で人体を貫く膂力を有し、個体差はあるが成体ではヒトの4 - 7倍の筋力があるとされる。程度の軽い擦過傷や切傷であれば一瞬、骨折でも一晩程度で治癒する回復能力を有し、また銃弾や刃物などの一般武器では傷一つ付かないほど耐久性にも優れている。感覚器官も非常に鋭く、遠方から近づく人物の体臭を嗅ぎ分けられ、雑踏の中から足音を聞き分けることもできる。寿命は明言されていないが人間のように老化した喰種が登場しており、主要器官に致命傷を負えば死ぬことから不老不死ではない。捕食もしくは交戦時には赫眼という状態になり、身体から赫子が発現するため人間と見分けやすくなる。喰種対策法においてもこれらの確認を以て対象を喰種と判断する旨を定めている。

身体的な特徴

赫眼(かくがん)
喰種が特殊能力を使う際に眼球を赤く変化させた状態の呼称。一般的には両眼が変化するが、半喰種、Qs、オッガイは片眼のみが変化する。また個体によっては自身の意思とは無関係に常時赫眼が発現している者[注 62]が存在し、また赫眼を発現させた際に瞳の周りに血管や痣が浮き出る喰種[注 63]もいる。Qsやオッガイの場合フレームアウトすると片目から両眼へ変化する。また、クロナは半喰種でありながらシロナを捕食後両眼に発現するようになった。
Rc細胞
喰種に特殊能力を与える架空の細胞。正式名称は「RedChild細胞」であり、その形状が身体を丸めた胎児に似ていることに由来する。人間の体内に微量ながら存在しており、喰種は人肉の摂取によってこれを赫包に蓄積する。その構造上、同族である喰種の体内に多く保有される為、共喰いを行うことでより大量に摂取でき、赫者化の推進が見込めるが、人肉に比べて遥かに味が劣ることからこれを実際に行う喰種は少ない。医学検査の項目にRc値が定められており、これが一定以上の数値になると喰種と判断[注 64]され、赫子や赫眼を発現しておらずともその対象者を強制的に拘留出来る。Rc細胞自体を完全に制御し数値をコントロールできる者もいる。
赫包(かくほう)
喰種特有の器官であり、体内のRc細胞を貯めこむ嚢胞。喰種は人肉を摂ることで血中にRc細胞を蓄え、最終的にはこの赫包に蓄えられる。蓄えられた細胞は意識的、あるいは精神の昂ぶりによって皮膚を突き破り、放出される。これが赫子である。個体によっては複数の赫包を持ち、喰種の持つ赫子の種類によって場所が異なる。羽赫は肩部周辺、甲赫は肩甲骨下部、鱗赫は腰部周辺、尾赫は尾骶骨付近にある。
赫子(かぐね)
喰種の身体より発生する捕食器官。Rc細胞によって構成され、硬化と軟化を繰り返しながら自在に動く。
具体的な形成サイクルは赫包から噴出されたRc細胞同士が結び付き合う形成期、結び付いた細胞が一定期間その状態を保つ定着期[注 65]、時間経過によって細胞が離れていく崩壊期の3ステップの繰り返しである。
血液のように流れ、歯よりも頑丈な特性から、捜査官からは「液状の筋肉」と例えられる。特性によって分類されており、強力な喰種ほど多く発生させる。基本的に赫子の大きさは保有するRc細胞の数に、形状は種類に準じたものであるが、使い手の想像力や練度にも少なからず左右される。
ほとんどの喰種は発生させる赫子は一種類に限定されるが、極めて稀に複数種を持つ個体も存在する[注 66]。これに当てはまる喰種は捜査官から「二種持ち」とも呼称され、一般的な喰種よりも強力である場合が多く、戦闘の際にはより深い経験を必要とする。
治癒能力が高い喰種ではあるが、赫子によって受けた傷は治癒が遅れがちになる。特に相性の悪い赫子から受けた傷は特別に有効な毒となってさらに治癒が遅れ、致命傷になりやすい。赫子同士の相性は上から羽赫、甲赫、鱗赫、尾赫の順に並べて、赫包の位置が一つ上の種に対して優勢であり、一つ下の種に対しては不利という形になっている。
また、捕食や戦闘の際に赫子を用いた場合、現場に残された赫子痕も種類によって形状が異なる。CCGではこれを利用して、拳銃におけるライフリングのようにその個人を特定することが可能。
羽赫(うかく)
肩部周辺からガス状に出現する赫子。他の赫子と比べて形成サイクルの回転が速く流動的なため浮遊して見えることが多い。基本的には機動力を活かして行う瞬発攻撃による遠距離戦を得意とする赫子であるが、Rc細胞を常に放出しながら戦うことから持続時間が他の赫子よりも短く、短期決戦型と見られている。また、不定形な形状から赫子痕が残りにくく、捜査対象としての追跡が難しい。攻撃時には直接叩きつけたり、固形化させてからの遠距離射撃する例が確認されている。形状変化のバリエーションが豊富で、ブレード状に固形化し、羽赫の弱点とされる近接戦闘や長期戦に展開したり、電撃に変換したり、高密度に圧縮し4000℃超の熱射に変えることができる。作中ではトーカ、アヤト、ヨモ、バンジョー、芳村、カヤ、エト、オウル、亜門、承正、タタラ、シラズ、安浦などが持つ。
甲赫(こうかく)
肩甲骨周辺から現れる金属質の赫子。高密度に凝縮したRc細胞を持続的かつ長期的に展開させることで随一の硬度を誇るが、重量のせいで他の赫子よりも機動性で劣り、扱いづらい。ただし、他の赫子と比べて定着期が長いため燃費は良い。その特性から盾や剣などの武器を模した形状で発現することが多く、近接戦において斬撃や刺突で攻撃する。作中ではカナエを除いた月山一族、ナキ、リョーコ、アラタなどが持つ。
鱗赫(りんかく)
腰部周辺から触手のような形状を持って現れる赫子。鱗のような独特の表面が生み出す一撃の威力はずば抜けて高く、Rc細胞が最も結合しやすい為、この赫子を持つ喰種は再生能力に特化する。同時に結合性の高さは結合力の弱さに繋がり、他の赫子に比べると脆く防御には不向き。主に打撃や刺突で攻撃する。作中ではカネキ、リゼ、安久姉妹、ヤモリ、トルソー、カナエ、ホオグロが持つ。
尾赫(びかく)
尾骶骨周辺から爬虫類の尾のような形状を持って現れる赫子。中距離戦で最も威力を発揮する。総合能力が高く攻守共に水準以上でスピードもあり、特に弱点はない万能型の赫子だが、それ故に攻撃において決め手に欠けることが欠点。作中ではニシキ、ノロ、瓶兄弟、ロマ、鯱、ミザ、墓盗り、六月、髯丸が持つ。
Rc細胞管
赫包から伸びて体外へRc細胞を供給し、赫子を放出させる器官。この管が増える程、全身にRc細胞を巡らせることが出来る為、身体能力を更に強化させられる。半喰種、及びにクインクスは傷ついた筋肉を強化して再生させる超回復の性質を有し、またそれを体内の赫包の力で行うことで前述のRc細胞管の発達促進を可能とする。故に両者共に理論的には実戦経験を積む程、戦闘能力を向上させられる発展性を秘めている。
Rc細胞壁
Rc細胞によって構成された肉の壁。養分の供給を絶やさない限り、自己増殖と再生を繰り返す性質を有する。クインケ同様に人工的に生み出された技術だが、こちらは喰種由来のもの。24区内で使用され、CCGによる地下探索を困難にしているが、他に嘉納の地下研究施設にも使用されていた。
Rc溶解液
喰種を溶かして生成される、Rc細胞を多量に含んだ溶液。主にRc抑制剤やクインケ製造に用いられる。取材兼情報提供を目的にCCGに乗り込んだ高槻によってその存在、及びにそれが安久七生の営む貿易会社・スフィンクスからCCGへ高値で取引されていた事実が言及された。
CRcガス
呼吸器と粘膜から作用することで体内のRc細胞の働きを阻害する気体のRc抑制剤。対象がこれを吸引した際には、赫子の発現阻止、及びに身体能力の低下を引き起こす。原作では嘉納の地下研究施設でのナキら白スーツとの交戦でアキラが試作品を使用した。『√A』ではアオギリによるコクリア襲撃の際に使用された。また、コクリア内部のセキュリティシステムにこのガスが組み込まれており、システムが作動した際には施設内全体にガスが供給された。
赫子不現症
赫包付近のRc細胞管が何らかの理由で閉塞し、Rc細胞の供給が行われなくなる症状。この症状に見舞われた者は体内のRc値や赫子の性質に関係なく、自身の意思で赫子を発現することが出来ない。作中で明らかにされているこの症状の該当者はアオギリの樹所属、ナキの子分である白スーツの双子・ガギとグゲ。また、他にもこの症状を罹患していた可能性のある人物として元アオギリの樹所属のバンジョー、クインクス班のトオルの2名が挙げられる。この両名も赫子を発現することが出来なかったが、身体を貫通する重傷を負った後に自身の意思で自在に赫子が出せるようになっている。この事実から、閉塞部を攻撃されて再生したことで症状が解消されたと推測される。
Rc細胞過剰分泌症
英名「Rc-cell Over Secretion」の頭文字を取って通称「ROS」とも呼ばれる難病。本来、人間の体内に微量に含まれるRc細胞が何らかの異常によって過剰に分泌される。100万人〜300万人に1人発症すると言われ、主な症状は赫子に似た囊腫の形成と異常発達である。更に進行すると激痛や強い嘔気、記憶の混濁、精神退行、五感の著しい鈍化を引き起こす。明確な原因や根本的な治療法は発見されておらず、Rc抑制剤の持続的な投与で症状の進行を抑えるのが唯一の対処法である。作中ではシラズの妹・ハルが罹患している。
カネキが巨大赫子に変化した後、卵管からの射出、及び竜遺児たちの爆発によってばらまかれた「毒」がこれを誘発させている。「毒」を浴びた人々は喰種に変わってしまった。喰種の起源はかつて同様の事件が起こったためでないかと推測されている。

食性と嗜好

水やコーヒーを除けば基本的に摂食できるのは人肉のみであり、一度の摂食で数週間ないし1か月程度の活動ができる。常人が摂食する食品を喰種が口に含むと味覚に嘔吐中枢が刺激されるほど不快に感じ、無理に摂食すれば体調悪化等の不調が発生する。重篤な飢餓状態に陥ると激しい頭痛や幻覚、判断力の低下を伴い、相手が友人や肉親であろうとも捕食することを躊躇しなくなる。経験者はこの苦痛を「地獄のような苦しみ」と表現している。歯が生え揃っておらず、捕食器官が未発達な乳幼児の場合は、同種の母乳を飲むことで栄養を摂取できる。

精神的な特徴

生来の意識や感情は人間と変わらず、同じ社会性をもっている為、日常は人間社会に溶け込んで生活している。しかし、人間しか食べられない喰種としての苛烈な環境から、強弱はあるが心に闇をもつ傾向にある。大半は人間に対して複雑な感情を抱いたり、喰種である自分に苦しんだりする程度であるが、人間を単なる食べ物と考えるようになった喰種は気軽に捕食を行い、彼らが無秩序に起こす捕食殺人事件は社会問題に発展し、喰種対策局から注目を浴びることになる。反面、健全な人格を備えた喰種も少なからず存在し、人間が店舗で食材を買うように自殺者などを加工した食肉を入手して、人と変わらぬ生活を営んでいる[注 67]

生活や文化

社会から追われる身分である為、多くの喰種が戸籍を持っていない[注 68]。同様の理由から定住は極めて困難であり、住所や姓名を頻繁に変えることも多々あるが、親からつけられた名前は綴りを変えつつも同じ読み仮名を使い続ける者が大半とされている。その為、リゼのように姓名を完全に変え、以前の身元が一切不明である喰種はかなり少数。幼少の頃から人間を装う訓練を受けるが、その中でも普通の食品を表面上は当たり障りなく摂取し、体内で消化される前に嘔吐する練習はかなり重要視されている。

喰場(くいば)
喰種が人間を捕食する場所。人通りのない裏路地などが好まれる。喰種にとってのテリトリーであり、他の喰種が無断で使用すればテリトリー荒らしとみなされて殺し合いに発展する場合がある。20区ではあんていくが管理しており、実力行使による奪い合いを避ける努力がなされている。
マスク
喰種が捕食行動の際に着用する仮面。身元を隠し日常生活を守るために使用する。喰種捜査官に遭遇する可能性がある場合は必須とされている。一般的には口元を露出させたドミノマスクが基本であるが、あんていくのメンバーは口元まで覆っているタイプを着用しているものが多い。本来の目的と矛盾した個性的なマスクが好まれており、喰種対策局でもマスクの目撃証言を元に捜査対象の呼称を付ける例も多く見られる。
飼いビト(かいビト)
人間を食料品のように考える喰種が同居する人間に対して使う呼称。タロちゃんはマダムAの飼いビトであり、[注 69]ジューゾーも少年時代、ビッグマダムの飼いビト兼解体屋を務めていた。

組織

喰種は社会的に存在が許されない立場から様々な目的で組織を形成し、人間とは異なる独自の社会を作り上げている。

あんていく
20区に暮らす喰種たちが集まる喫茶店。詳細はあんていくを参照。
:re[注 70]
トーカが店長を務め、彼女とヨモが対外的に兄妹として営んでいる喫茶店。第二部のタイトルの由来となっており、あんていくの流れを汲んでいるが喰種の互助組織を兼任しているかどうかは不明。『:re』ではハイセがシラズ、トオルと共に来店するが、あくまでカネキが帰ってくるのを待つことをモットーとしているため、[注 71]捜査官として人間社会で生活しているハイセ=カネキには必要以上に干渉しないようにしている模様。コクリア襲撃にはトーカ、ヨモがアヤト、万丈らと参戦し、ヒナミ、カネキ、平子らと合流、脱出に成功する。一方、同時に行われていたCCGによる流島上陸作戦に乗じてニシキ、カヤが月山らと流島に上陸、ナキをはじめとする白スーツ、ミザ、オウル、墓盗りといったアオギリ残党や嘉納を探しに島に上陸したクロナ、オウルを庇ったことで喰種対策法に抵触し、人間社会で生きられなくなったアキラを流島から脱出させた[注 72]。その後、あんていくおよび『:re』メンバーはコクリア襲撃や流島上陸作戦で合流した喰種や人間とともに「隻眼の王」を首領とした新組織・黒山羊の構成員となる。
アオギリの樹
11区を中心として活動する、「隻眼の王」を首領とした大規模かつ非常に好戦的な喰種組織。「力によって弱い喰種や人間を支配する」という思想を持ち、CCGの壊滅とその裏に潜む「歪んだ鳥籠」を破壊し、世界の均衡を水平にすることを目的としている。幹部等、上層部に位置する喰種には上位捜査官とも渡り合う強者も複数含まれる。本作第一部では11区アオギリ戦でCCGを陽動、タタラやエトを含む本隊と共に23区の喰種収容所・コクリアを襲撃。鯱を始めとする数多の喰種を脱走させ、傘下に引き入れた。また、20区隻眼の梟討伐戦においては作戦集結直前に「本来の」隻眼の梟、及びにタタラやノロを始めとした戦闘員が突如出現。不殺の梟である芳村や遭遇した多数の捜査官らを拉致し、新たな半喰種化実験の素体として嘉納に提供した。
『:re』ではさらにその勢力を増しており、一般市民にまで名称とその脅威が伝わっていた。数千の喰種を擁する大組織であるからか、各幹部ごとにそれぞれの部下を率いている。隻眼の梟討伐戦以降も、芳村の赫包を用いた喰種化実験が引き続き行われている模様。月山家殲滅戦後は勢力が減衰し、CCGによるアオギリ殲滅を目的とした流島上陸作戦によって組織は壊滅。生き残った構成員は助太刀に入った『:re』メンバーらと流島を脱出。「隻眼の王」を首領とする新組織・黒山羊の傘下に入る。なお生き残った者の中には幼い喰種の姿もあり、そういった親のいない孤児の保護も行なう組織でもあった模様。
反アオギリ
11区アオギリ戦後、あんていくに戻らなかったカネキをリーダーとして月山やヒナミ、バンジョー一味で結成した反アオギリの組織。特に名称はついていない。かつてリゼがいたとされる6区を拠点に活動し、嘉納の研究所の潜入等を行っていたが、隻眼の梟討伐戦直前にトーカに叱咤されたカネキが自らの過ちに気付いたことから解散する。月山以外はアジトに住んでいたが、カネキから信用されていなかった月山は同居させてもらえず、実家から通っていた模様。
喰種のレストラン(グールのれすとらん)
喰種専用の会員制レストラン。喰種の中でも特に深い心の闇に落ちた者達が利用しており、人体を調理して提供している。生きた人間を惨殺する解体ショーを開催しており、解体したての食材を料理して会員らに提供している。騙して連れてきた人間をシャワーや身だしなみを整えさせた後に供することから、カネキはこの店を「注文の多い料理店のようだ」と表現した。CCGからも捜査対象とされ、突入作戦が実施されようとしていたが、カネキ率いる反アオギリの襲撃によって壊滅した。
解体屋(スクラッパー)
喰種のレストランで行われる解体ショーの解体役。第一部4巻ではタロちゃんが担当し、ジューゾーもCCGに保護されるまでその役目を担っていた。
月山家(つきやまけ)
政財界に多大な干渉力を持つ由緒ある名家で、ロゼヴァルト家やヨハネス家などの分家がある。月山習は現当主、月山観母の息子にあたる。情報漏洩を避ける目的もあってか、代々近親婚を行っていたことから、体質的にRc細胞の干渉を受けやすく、一族の歴史の中で赫者になれた者はいないとされている。『:re』にてカネキの死による傷心から衰弱し、悪食を行うようになった月山の為に松前を始めとする使用人達が大量の人間を誘拐したことでCCGに警戒され、捜査が行われる。後にキジマに捕獲された使用人・アリザへの尋問によって喰種の一族であることがCCGに露見し、大規模な討伐作戦が実行される。同作戦においてほぼ全ての関係者が駆逐され、月山財閥は解体。人間によるクリーンな組織として再構成された。
ロゼヴァルト家
和修政が率いるCCGに壊滅させられたドイツの喰種一族で、月山家の分家に当たる。
道化師(ピエロ)
構成人数や活動区域、目的も一切不明なピエロマスクの喰種組織。享楽主義者の集団で普段は団体行動をとらないが、ひとたび招集があれば無類の組織力を発揮する。過去にCCGによる掃討作戦が取られたが、有馬が参戦してなお厳しい状況であったとされる。カネキが半喰種化するきっかけとなった鉄骨落下事故をはじめとした様々な事件の裏で暗躍する。ハイセ(カネキ)に対しても何らかの思惑があるようである。イトリによると、アオギリの樹によるコクリア襲撃で脱走したSSレート喰種の1人が所属している模様。(後にジプシーというロマの変名であったことが判明)メンバーはウタ、イトリ、ニコ、宗太(旧多)、ロマ、ドナート、ガンボなど。リーダーはクラウンと呼ばれ、創始者である初代クラウンがロマ(ただしメンバーはそのことを知らない)、三代目がドナートである。re:では人間オークションの進行を務めたり旧多に協力しCCGを襲撃したりしている。
V(ヴィー)
かつて功善が所属していた巨大組織。隻眼の喰種を非常に危険視しており、また、リゼはVから逃走した喰種であることから彼女も追跡している模様。丸手の調査により実は喰種一族であったCCGのトップ和修家が組織したことが明かされた。戦闘能力の高い構成員が多数所属しており、実力のある捜査官や喰種でも大勢の構成員を相手取った後は手傷を負わされている様子が描かれている。コクリアでエトと交戦した構成員は旧多によればいずれも特等捜査官並の実力と評価されている。黒衣に黒いシルクハット、日本刀型のクインケが特徴。メンバーは和修家宗家のCCG上層部の喰種、分家の芥子、有馬貴将、旧多二福らの半人間、リゼら「子産み」がいる。
ブラックドーベル
かつて「黒狗」と呼ばれていたカヤが率いていた、黒いアヌビスのような仮面を付けた喰種集団。鉢川の上司や同期を殺害するなど猛威を振るっていたが、カヤが芳村の勧誘であんていくで働くようになってからは目立った活動をしていなかった。20区隻眼の梟討伐戦で壊滅する。re:の竜戦でシュピールドーゼという動く死体として復活しVと協闘した。
猿(えん)
かつて「魔猿」と呼ばれていた古間が率いていた、猿面の喰種集団。各区の優秀な捜査官を殺しまわっていたが古間が芳村の勧誘であんていくで働くようになってからは目立った活動をしていなかった。20区隻眼の梟討伐戦でブラックドーベルと共に壊滅する。re:の竜戦ではブラックドーベル同様復活。
スカルマスク
[JOKER]に登場した13区で活動していた喰種集団。ジューゾーによりメンバーの大半が掃討され、半兵衛がリーダーを討伐したことで壊滅した模様。
赤舌連(チーシャーリェン)
法寺らに壊滅させられた中国の喰種集団。首領はタタラの実兄であった。
刃(じん)
かつてミザが仕切っていた18区を拠点とした喰種集団。彼女がアオギリに加入したことによって合流した模様。ウリエ曰く「栄養不足の小型喰種の寄せ集め」。首領であるミザはかつて瓶兄弟と対立し、彼らと縄張り争いをしていた。
ヤモリ一門/白スーツ
ヤモリをトップとした喰種集団。ヤモリ亡き後はナキがトップに立ち、承正やホオグロを幹部として活動した。白いスーツと構成員の多さが特徴でマスクはガギ・グゲらが代表的。
黒山羊(ゴート)
コクリア防衛戦、及びに流島上陸作戦終結後に隻眼の王となったカネキによって結成された「喰種と人間の共存」を目標とする組織。トーカを始めとする『:re』従業員、月山、ナキを含む白スーツやミザらアオギリ残党、コクリアから脱獄した喰種達から構成される。基本的には喰種組織であるが、平子率いる0番隊といったCCGを離反した元捜査官らも在籍している。
半喰種(はんグール)
人間と喰種の中間に位置する種だが、同じく交雑種である後述の半人間とは異なり、肉体的な性質は喰種とほぼ同等。片目のみに赫眼が発現することから隻眼の喰種とも称される。
主に交雑によって生まれる雑種が一般的であるが、異種族間の交雑は母体が妊娠する確率自体が低い上に、母親が喰種であれば母体が胎児を吸収してしまうので生まれることはなく、人間であっても母親の摂取した食物からの栄養を胎児が摂取できずに餓死してしまうことから誕生する確率は無いに等しい。また生まれたとしてもその殆どが赫包を持たない半人間であり、半喰種が誕生するのは非常に稀である。
反面、それらの障害を乗り越えた半喰種は雑種強勢によって純血の喰種を上回る絶大な能力を持つといわれている。また、天然の半喰種は人肉以外の食物も食べることができる。
この他に、嘉納の施術によって赫包を移植され、後天的に半喰種化した者も存在する。赫包の定着に成功した者らは先天性の半喰種同様に総じて高い戦闘能力を有するが、施術の成功率は極めて低く、素体とされた人物の大半は体内の赫包への拒絶反応から肉体の肥大化や知性の大幅な低下を引き起こしている。赫子の制御も出来ないようで、死亡すると肉体を自らの赫子に捕食される。また、赫子や傷の再生などを繰り返すと、細胞分裂が早まり、後述の半人間のように肉体の劣化を早めてしまう。
発現させる赫子の種類や形状は先天性の場合は親、後天的な半喰種なら赫包の移植元になった喰種に準ずる。
喰種社会では希少性と高い能力から半ば都市伝説として語られているが、ハイブリッド故に喰種の捕食も抵抗なく行うことから不吉な存在として忌避されてもいる。
かつて約100年前に出現し猛威を振るった隻眼の喰種への対処の為にCCGの前身となる組織が設立されたことから、隻眼の出現は大きな変革の予兆とされている。
作中では先天性の雑種はエト、金木一花が、半喰種化施術によって後天的に変化した元人間はカネキ(ハイセ)、安久姉妹、オウル、亜門、旧多、オッガイらが該当する。
リゼベース
リゼの赫包を移植された元人間の半喰種。およそ1200人もの一般人に対して施術が為されたが、赫包の定着に成功したのはカネキと安久姉妹、旧多のみ。この内、安久姉妹は後述のフロッピー(失敗作)として認識されているため、事実上リゼベースの成功体はカネキと旧多のみである。のちに嘉納は、地行博士のQs技術と自身の技術を複合し新型の半喰種を生産。
ヨシムラベース
SSS級喰種・梟(芳村)の赫包を移植された元捜査官の半喰種。20区隻眼の梟討伐戦において消息不明となった63名の喰種捜査官を素体として行われた。ヨシムラベースにおける成功体はオウルのみとされるが、亜門も不完全ながらも半喰種化が確認されている。
フロッピー
嘉納の半喰種化施術で赫包の定着に成功しているものの、カネキやタキザワに比べて性能や汎用性で劣ると判断された元人間の半喰種を示す。失敗作を意味する総称であり、作中ではリゼベースのフロッピーとして安久姉妹が、ヨシムラベースのフロッピーは亜門が該当する。
オッガイ
Qsの技術を利用して大量生産に成功した新型の半喰種。葉月ハジメをリーダーとして100人程度の子供がメンバー。ベースはリゼ。鋭い嗅覚をもって地上の喰種を地下に追いやる。フレームの解放が自在でフレームアウト時は両眼に赫眼が発動、白髪化し、ムカデのような赫子に変形する(ハジメはフレームBと称し髪色も変化しない)。カネキに捕食させ竜を産み出すことを目的に造られた。
隻眼の王(せきがんのおう)
アオギリの樹の首領とされる存在。強大な力を持つ隻眼の喰種であるとされるが、その明確な実像はアオギリ構成員や幹部すらも把握しておらず、半ば都市伝説のような存在として語られている。
その正体は「有馬貴将を殺す実力を持った最強の喰種」としてエトと有馬が創作・演出した架空の存在であり、エトはこれを実在のものとするべく、喰種化施術の技術を持つ嘉納をアオギリに迎え入れ、「隻眼の王」になり得る半喰種を造らせていた。カネキが有馬に勝利し、彼やエトから「この世で最も力を持つ喰種」として認められたことでカネキがその座を継承する。
赫者(かくじゃ)
共喰いを繰り返した喰種の中から稀に発生する変態種。
生来保有する捕食器官としての赫子とは別に、全身に異常発達させた赫子を纏うように展開する。これによって攻撃力や耐久性を爆発的に上昇させ、また、顔面を覆ってマスクの代替とすることも可能。捕食した喰種から人肉とは比べ物にならない大量のRc細胞を取り込み続け、体内のRc濃度が上昇することで発生するといわれている。ただし月山家のように遺伝的に赫者化できない喰種もおり、共喰いで必ずしも赫者になれるわけではない。
喰種が赫者化した際には一騎で戦局を激変させ、赫子同士の相性の不利有利すら無視する圧倒的な戦闘能力を発揮する。
が、程度に個人差こそあるものの、そのほぼ全員に理性の欠如や凶暴性の昂進が見られ、重篤な場合は自我すら消失し、敵味方の区別もつかず周囲の対象をひたすら蹂躙し続ける完全な暴走状態に陥っている。
赫者化した際の姿や戦闘手法は各々でかなりの差異があり、有する性質も他者には模倣困難な固有のものが多い。作中では芳村、エト、霧嶋新、ノロ、タタラ、亜門、カネキ、オウル、シコラエ、ウタ、胡乱の母、旧多が該当する。
半赫者(はんかくじゃ)
赫者への変態途上にある喰種の呼称。不完全かつ部分的ながらも平時とは異なる特殊な赫子を展開させることが可能だが、赫者同様に暴走の危険性を孕んでもいる。作中ではヤモリ、クロナ、中盤のカネキとオウルが該当する[注 73]。主に顔に特殊な赫子が発現し、前述の4体とも全て必ず顔に赫子が発現している。

半人間

半喰種同様に喰種を片親に持つ交雑種であるが、赫包を持たず、通常の食事で生命を維持できる。性質的には人間であるが、雑種強勢の影響により常人を遥かに凌駕する身体能力を持つ。反面、肉体の劣化速度が著しく速く、短命であるという特徴もある。有馬を始めとする白日庭出身の捜査官全員がこれに該当する。

喰種対策局(グールたいさくきょく)

喰種対策法を背景に活動する国の行政機関[11]。英語名「Commission of Counter Ghoul」の頭文字を取って通称「CCG」と呼ばれている。主な活動内容は喰種の捜索および駆逐であるが、捕食殺害事件で身寄りを失った児童の保護や教育も行っている。保護された児童はその生い立ちからか、18歳になるとその半数以上がアカデミーに入学するとされる。CCG誕生以前は和修家を筆頭とした数多の喰種退治屋の一族が喰種の駆逐を行っていた。しかし、約100年前に出現した隻眼の喰種の強大さによって人間側が組織立って対処せざるを得なくなったことから、1890年に当時の和修家当主・和修大吉をトップとした「喰種対策院」が国家機関として設立された。これが現在のCCGの前身となる組織である。

龍戦後、東京のCCGは解体され、東京保安委員会(TSC)が発足した。

喰種対策法(グールたいさくほう)
人命を脅かし、反社会的な行動をとる喰種に対処する為に作られた法律。作中で言及された内容は以下の通り。
12条1項「赫眼および赫子の発生が確認された対象者を第I種特別警戒対象別称“喰種”と判別する」
12条2項「“喰種”と判別された対象者に関してあらゆる法はその個人を保護しない」
13条1項「喰種捜査官は住民の安全を最優先に任にあたる」
13条2項「“喰種”に対し必要以上の痛みを与える事を禁ずる」
その他:「喰種を蔵匿・隠避した者には人間の犯罪者を匿うよりずっと重い罰がある」
「人民の命は最優先されるべき」
「喰種捜査官は状況に応じて臨機応変に対応すべし」
「喰種対策局職員は任務を遂行するにあたり、上司もしくは作戦上上位の役職の者の命令に忠実に従わなければならない」
喰種捜査官(グールそうさかん)
喰種対策局に所属し、喰種の追跡、及びに駆逐を主任務とする国家公務員。作中では特定犯罪の取り締まりに従事する特別司法警察職員のように描かれており、銃火器やクインケの所持も許可されている。喰種からは鳩を模した胸章から通称「白鳩(ハト)」と呼ばれ、恐れられている。クインケを収めたアタッシュケースを常時携帯していることから「ハコ持ち」とも呼ばれる。
階級は上位から「特等捜査官」「准特等捜査官」「上等捜査官」「一等捜査官」「二等捜査官」「三等捜査官」の6階級に分かれており、上位3階級を「上位捜査官」、下位3階級を「下位捜査官」と呼ぶ[注 74]。捜査官達は名前の下に官名をつけて呼び合っており、基本的に上位捜査官と下位捜査官がコンビを組んで活動している。任務の内容によっては上位捜査官同士が組むこともあるが、下位捜査官同士でのコンビは原則認められていない[注 75]。また、上位捜査官らはパートナーを含めた捜査班を率いて活動しており、多くは班長の名を冠した班名である[注 76]
なお、捜査官としての階級は年功序列ではなく完全な実力主義で決定する[注 77]為、下位捜査官のまま定年を迎える者もいれば若年で准特等や特等捜査官まで上り詰める実力者なども存在する。故に年齢と階級は必ずしも比例する訳ではない[注 78]。その特性上、上位の階級に名を連ねる者は戦闘能力に優れる傾向にあり、最高階級である特等捜査官に至っては複数名での対処を必要とするSSレート以上の喰種と単独で渡り合える歴戦の捜査官が少なからず在籍し、集団戦闘においても陣営内に特等が一人でも参戦していれば戦局を優位に進められる場合が多い。その技量や戦闘力を指して他の捜査官からは「人間側のバケモン連中」として多大な畏怖の念を寄せられ、喰種からも「同族でも慄く化け物みたいな捜査官達」とされ、脅威の存在として名が知れ渡っている。
その他、各区に勤務し事務処理やバックアップを担当する局員捜査官が存在する。彼らは喰種捜査官ではない為、クインケの所持を認められておらず、戦闘時は対喰種用の弾丸・Qバレットを使用する。
対策I課
喰種被疑者や捕食事件の捜査、及びに捜査対象の追跡、駆逐を行う部署。大半の捜査官はここに所属し、「対喰種戦のスペシャリスト」として喰種から警戒されている。
対策II課
大局的な視野が必要となる対組織戦において、ブレインとして作戦の計画や指揮を担う部署。実戦経験と瞬間の分析力、指揮能力など総合的な力が問われ、CCG内でも頭脳派のエリートが配属される。作中では丸手、馬淵、和修 政が所属する。局長である和修 吉時が捜査指揮に参加することもある。
S1班/S2班/S3班
宇井郡を班長に(後、田中丸望元が就任)Sレート喰種の捜査を中心に担当するS1班、和修政を班長に(後、瓜江久生が就任)SSレート喰種を捜査するS2班、有馬貴将を班長に(後、鈴屋什造が就任)SSS喰種を捜査するS3班がある。一課、二課関係無く配属され、緒班と合同で捜査することもある。S3班はもともと有馬班中心の少数精鋭だったが、人気の高い鈴屋が就任して増員され、より強力になった。
優秀な実績を残した捜査官には以下に挙げられる賞が贈呈される。
白翼賞(はくよくしょう)
特定レートの喰種を駆逐、あるいはその能力があると判断された捜査官に贈られる賞。Sレートなら「白単翼賞」、SSレートなら「白双翼賞」、SSSレートなら「白龍翼賞」となっており、贈られるバッジも上の賞ほど翼の意匠が増える。
木犀賞(もくせいしょう)
年間の喰種討伐記録数に応じて贈られる賞。30体/年なら「木犀賞」、50体/年なら「銀木犀賞」、100体/年なら「金木犀賞」となっている。バッジの中央に配置されているのはモクセイ科のオリーブで、平和の象徴でもある。
龍吉賞(りゅうきつしょう)
偉大な功績を収めた捜査官に特別に贈与される賞で贈与式はCCG最高権威である総議長によって執り行われる。故に捜査官にとって最高の名誉となる賞である。
作中では『有馬貴将』に贈呈されており、それ以外の捜査官に贈呈された事は無いようである。
レート
CCGが喰種の脅威度を示すためにつけるランク。基本的に戦闘能力を基準としているが、能力評価の他に実際に起こした捕食・殺害事件を基にした実害評価も加味して決定される。その他、組織的な脅威度も含めて認定されることもあるが、基本的には強力な喰種である程、高レートとなる。〜(より)がつく場合はそのレートよりさらに上昇する可能性があることを示す。
SSSレート
CCGが定める最高位のレート。指定基準は不明だが、これに該当する喰種は複数の特等捜査官すら圧倒する超絶的な戦闘能力を有している。隻眼の梟、及び不殺の梟、胡乱の母が指定されている。
SSレート
複数名の特等捜査官によって対処する必要があると判断された強大な喰種が指定される。
S+レート
平均的な特等捜査官と同等の能力を有すると判断された喰種が指定されている。
Sレート
平均的な準特等捜査官と同等の能力を有すると判断された喰種が指定されている。
Aレート
上等捜査官と同程度と判断された喰種が指定されている。
Bレート
下位捜査官(三等〜一等捜査官)と同程度と判断された喰種が指定されている。
Cレート
下位捜査官以下と判断された能力の低い喰種が指定されている。
クインケ
和修吉雨がドイツ支局長、アダム・ゲッヘナーとの共同で生み出した、駆逐した喰種の赫包を加工して制作される、対喰種用生体兵器。当時銃火器で喰種に対抗していたCCGであったが、赫子の前ではその効果は薄く、打開策としてその赫子を利用するアイディアが編み出された。これによって対喰種戦における殲滅率は飛躍的に向上、現在に至るまで捜査官の主力に位置している。反面、その非人道的な製法から存在は公にされていない。クインケ製作は非常に高度な技術であり、生物学的な観点と機械工学の知識、兵器として最適なデザインセンスが求められることから「バイオテクノロジーの結晶」とも称される。普段はアタッシュケースに収められており、戦闘時には電気信号によって赫子を発生させ、展開変形して使用する。喰種を素材としていることからクインケにも能力や性能を表すレートが存在し、基となった喰種が強力であれば高レートのクインケが製作される。分割した赫包から複数のクインケを製作することもあり、その場合は名称の後に「〜1/2」、「〜1/3」といった分割率が付けられる。赫子の持つ流動的な形態変化を完全再現するのは不可能である為、省エネも兼ねて基本的にその形状は固定されているが、試作品の中には限定的な形態変化が成功しているものもある。名称は材料となった喰種の名称を受け継ぐのが通例であるが、黒磐や彼の流れを汲む捜査官は独自に命名している。
羽赫(うかく)
主に射撃武器として加工されているものが多い。エネルギーの消費は激しいが遠隔攻撃が可能であり、俊敏性に優れた捜査官に好まれている。攻撃範囲の広さから羽赫を用いる捜査官はチーム内でも重要なポジションとされ、「羽赫使いの力量でチーム全体の戦死率が大きく左右される」というデータがあるほど。
甲赫(こうかく)
重く硬い特性から剣や金棒のような近接武器に加工されるのが一般的で、肉体派の捜査官に好まれている。一部の甲赫クインケには変形に特化したものがある為、使い方によっては鱗赫クインケのようなトリッキーな戦闘を行える。
鱗赫(りんかく)
殺傷力は高いがギミックの組み込まれた特殊な形状のものが多く、操作に熟練を求められることから技巧派の捜査官に好まれている。
尾赫(びかく)
万能型故に突出した点がないが、短所もなく扱いやすいことから新人捜査官に支給されることが多い。
キメラクインケ
異種の赫子を組み合わせた特殊なクインケ。複数種の喰種に対して有効打となり得るが、技術的に結合が難しく試作品が存在するのみ。その中でも人為的に赫子を結合させたものがほとんどであるが、複数種の赫子を持つ喰種から作られる天然のキメラクインケもごく稀に存在する。
Qバレット
溶かした赫子を練り込んだ対喰種用の銃弾。クインケを支給されない局員捜査官が使用する。喰種に対してある程度の効果は発揮するが、材料が希少なことからあくまでも表面上をコーティングしているに過ぎない為、決定的なダメージは与えづらい。故に遠距離での戦闘では羽赫クインケを使用するのが最良とされる。
Qs/クインクス
嘉納による喰種化被害者であるハイセを元にして地行がクインケ製造を応用し、考案した施術。または、それによって喰種の能力を直接その身に得た喰種捜査官。赫包を直接的に移植された半喰種とは違い、クインケ鋼でコーティングされた赫包を体内にインプラントしている。更に赫包には5段階のフレームが設けられ、稼働率を調整することが可能。その為、嘉納による人造喰種は喰種化に伴って食性も喰種のそれに変化していたが、クインクスの場合は施術前と変わらない食性で活動している。ただし、非常時において人肉を摂取することで、喰種同様に赫子の発現や外的ダメージの回復促進を行うことも可能ではある。フレーム解放手術を行うことで赫包の稼働率を上げれば赫子や身体能力を強化できるものの、食性の変化や暴走の危険性も高くなる。中でもフレームが完全に自壊した状態をフレームアウトと呼び、万一クインクス班員がこれに陥った場合はCCGからSレート喰種として認識され、駆逐されることとなっている。
クインクス施術を受けた者には補償金の支給や身体的なサポートが為されており、退局したとしても後者は半永久的に持続する。
後に嘉納式Qs施術が開発され、オカヒラらが被験者となってオッガイの補佐隊を務める。ただし彼らは定期的に薬を投与しなければ死んでしまう身体であり、赫子の描写もなく地行式と差異が見られる。
オッガイ
旧多が新造したクインクス部隊。実質は半喰種。その名前には「死」のつくり部分が「歹」を反転させたものとなった造漢字が使われている。リゼの赫包をインプラントした少年少女達によって編成。優れた嗅覚を持つ。教練担当かつ実質的指揮官であるトオルおよび安浦の補佐を受けていた。
CCGアカデミー
正式名称は「喰種捜査官養成学校」。教育期間は2年で18歳から入学できる。実際の捜査・捕獲を行う喰種捜査官を養成する学校。捜査官は基本的にここを卒業し、最初は「二等捜査官」として職務に当たる。稀にここを経ずして特例で捜査官となる者もおり、彼らは「三等捜査官」から始まっている。作中では有馬やジューゾー、ハイセが該当する。また、ウリエ以外のクインクスは19歳で入局、かつ「三等捜査官」から始まっていることから、クインクス施術を受けた後にアカデミーを中退して特例入局したと考えられる。
喰種対策教育所(グールたいさくきょういくじょ)
事務処理や捜査官のバックアップを担う局員捜査官を養成する学校。教育期間は1年。卒業者は「三等捜査官」から始まる。
CCGアカデミージュニア
18歳未満のアカデミー候補生を養成する学校。一般的な教育機関と比べると学費が安い。基礎教育に加えてアカデミー入学の為の予備訓練も行われている。捜査官を志すことは絶対ではないとされるが、大半の者はここを卒業後アカデミーへ進学する。また、ここを経ずしてアカデミーに入学する者もいる複数存在し、作中では第一から第七アカデミーまで確認されている。学校によって校風が違い、第一はエリート揃いとされ、第二は過去に問題があった者が、第五や第六は社交的な性格の者が多い傾向にある。現役の捜査官がOBとして訪れ、講義やクインケ操術の指南を行うこともある。
白日庭
略称は「庭」。半人間の優秀な子供達を集めて幼少期から英才教育を施す特別な教育機関。その特異性から存在すら知らない捜査官も少なくない。また、Vとの関連も示唆されている。主な出身者は有馬貴将を始めとする0番隊員、伊丙入、旧多二福、小静麗。
和修家(わしゅうけ)
代々CCGの幹部を務める一族。その権力は絶対であり、「批判しただけで潰される」と揶揄されるほど。CCG設立前から喰種退治を生業とし、数ある同業者の中でも随一の実力を誇っていた。現代においても優秀な捜査官を数多く輩出している。和修一族が対策局局長に就任する際、名前に「吉」の字を継承する名跡の慣習がある。その正体は喰種の一族であり、秘密裏に「V」を組織していた。
モグラ叩き(モグラたたき)
24区の地下探索任務の通称。優秀な新人捜査官を更に強化する目的でも行われるが、強力な喰種が数多く潜むことから殉職率も高い。ジューゾーや張間もこの任務に参加、張間は殉職した。
完塞(かんさい)
エリア内の喰種を全排除し、再び入れないようにした状態。作中ではジューゾーが13区の完塞を達成した。他にも数か所存在し、日本全領域の完塞達成がCCGの最終目的である。
Rc検査ゲート(アールシーけんさゲート)
CCGの入り口に設置されている、体内のRc値を計測することによって喰種を判別する機器。赫包を使用したクインケの誤反応を避ける為にある一定のRcパターンを検査から除外する機能が付与されているが、実はVに所属する喰種や半人間達のRcパターンも同様に除外する仕組みになっており、芳村の娘であるエトやリゼの赫包を持つカネキにも反応しなかった。
コクリア
正式名称は「喰種収容所」で23区にあり、捕縛された喰種を収容する施設。有益な情報源になり得ると認められた喰種が収監されているが、いずれは廃棄処分することになっている。下の階ほど高レートの喰種が収容される模様。アオギリの樹による襲撃で多くの喰種が脱走した為、より厳重な警備が施されている。作中ではドナート、ヒナミ、エトが収容されている。
コルニクルム
簡易コクリアのようなもので、喰種被疑者や喰種関連の事件関係者が収容される。作中では観母が収容される予定だったが、護送中に脱走される。
CCGラボラトリー
1区に存在する研究所。クインケやQパレットなどの対喰種兵器の製造やRcゲートの開発、その他喰種に関わる研究を一手に担っている。作中では「ラボ」と呼ばれている。主席研究員として地行が在籍する。専門機関であることから希少なRc抑制剤も大量に有しており、流島上陸作戦後にアキラの治療のため、必要に迫られたカネキらが潜入、襲撃する。

東京

現実の東京と似ているが、裏路地には人肉を狙う喰種が潜み、地下には「地下道」と呼ばれる喰種によって築かれた広大な迷宮が広がる危険な都市である。区部は24区までが確認されており、区名は実世界でいうところの市町村コードで呼ばれている[12]

1区
千代田区に相当。第一部時点では喰種が多く暮らし、喰場の奪い合いが日常的に行われている危険な地区だったが、『:re』時点では白鳩の警備が非常に厚く、喰種が一人もいない。
喰種対策局本部(グールたいさくきょくほんぶ)
各地にある喰種対策局の本部、内部では通称「本局」と呼ばれている。
2区
中央区に相当。1区と同様に喰種が多く暮らし、喰場の奪い合いが行われている危険な地区らしい。『:re』時点では1区と同様、白鳩の警備が非常に厚い。
3区
港区に相当。1区と同様に喰種が多く暮らし、喰場の奪い合いが行われている危険な地区らしい。
4区
新宿区に相当。1 - 3区と変わらぬ危険な地区であるが、かつてウタとヨモが抗争を繰り広げていた頃よりは落ち着いている。
HySy ArtMask Studio
ウタが開いているオーダーメイドのマスク店。主に喰種が使うマスクを制作しているが、人間の客も訪れている。
5区
文京区に相当。喰種捜査官を育成するアカデミーがある。『:re』時点では詳細は不明なものの、比較的穏やかだと言われている。
6区
台東区に相当。アオギリの騒乱後、リゼの足跡を辿ったカネキ達が拠点としている。かつてシャチが仕切っていた区である。『:re』時点ではバンジョー一味が仕切っている。また、キジマらが「ロゼ」と対峙した場所であり、居住する喰種が疑り深くなっていたためか後に覆面調査を試みたウリエとトオルは失敗に終わった。
7区
墨田区に相当。喰種レストランがあった場所。第一部時点では捜査官狩りが横行していた。『:re』では覆面捜査が行われる少し前に喰種と捜査官の間で抗争が行われていた。
8区
江東区に相当。『:re』でシラズとサイコが覆面捜査をした場所であり、統治者は用心深いようである。
11区
大田区に相当。比較的に安定した地区であったが、かつてリゼが無差別に暴食を繰り返した影響で喰種対策局の活動が活発化し、喰種社会は混乱を極めている。その後、さらにアオギリの樹が進出し、喰種捜査官を全滅させた。そのため対策局では緊急対策をとっている。
13区
渋谷区に相当。喰種にとっては血の気が多く、怖い地区とされていた。かつてヤモリが活動拠点としており、彼が「13区のジェイソン」と呼称される由来となっていた。[JOKER]、及びに『:re』では鈴屋班の活動拠点となっており、完塞が達成された。
14区
中野区に相当。共喰いが流行しており、衰弱していたニシキが襲われたことがある。
Helter Skelter
イトリが経営するバー。喰種の社交場を兼ねており、様々な情報が集まっている。
18区
荒川区に相当。ミザが仕切っていた地区で、ミザのアオギリ加入後はそのままアオギリの領地となっている。
20区
練馬区に相当。第一部の主な舞台となる地区。あんていくが取り仕切っているため争いも少なく、喰種にとっては穏やかで暮らしやすい地区とされていた。捕食件数は他の区より低いものの、以前から単体で強力な喰種が多く確認されていたことから喰種対策局より指定危険区に認定されていた。中でも「大喰い」や「美食家」、「ラビット」等が危険視されている。『:re』では未登場、状況は不明である。
あんていく
芳村が経営している喫茶店。20区に暮らす喰種の自治組織、もしくは互助組織としての側面も持っている。知らずに利用している人間もいるが、暗黙の了解で客の捕食は控えられている。個人主義的な喰種からはよく思われていないが、喰場の管理や捕食の隠蔽、自殺者を利用した食材加工と分配などといった積極的な活動によって20区は喰種対策局からも放置気味であった。
芳村が「梟」と判明したことでCCGによる隻眼の梟討伐作戦が開始され、結果として解体されることとなった。
喰種対策局20区支部(グールたいさくきょく20くしぶ)
20区の喰種駆除を担当する支部。喰種の活動がおとなしい地区であったため活動も緩やかであったが、リゼの大量捕食殺人事件で状況が変わり、トーカの捜査官狩りで捜査官が命を落としたことで激変。本局から重点地区と指定され、優秀な捜査官が派遣されている。
上井大学(かみいだいがく)
カネキやヒデが在籍する大学。学部は文系から理系まであり、ニシキの通う薬学部は難関だといわれる。原作のキャンパスは青山学院大学の青山キャンパスがモデル。
清巳高等学校(きよみこうとうがっこう)
トーカや依子が通っている共学の高校。生徒は男女ともにブレザーを着用する。
21区
足立区に相当。『:re』では統治者争いが行われている。
22区
葛飾区に相当。『:re』では21区と同じく統治者争いが行われている。
23区
江戸川区に相当。喰種収容所(コクリア)がある。
コクリア
コクリアを参照
24区
東京の地下に広がる喰種が掘り拡げた大迷宮の最深部にあり大量の喰種が潜んでいると考えられている場所。CCGでも存在を掴みかねており、探索が続けられている。Rc細胞壁が使用されており、中でも入り口にあるものが捜査を困難にしている。喰種にとっては糞溜めと評されるほどに過酷な環境ではあるが、追われている喰種が隠れるには最適な場所だと考えられている。
流島(るしま)
東京湾内にある無人島。『:re』におけるアオギリの樹のアジトとなっており、流島上陸作戦の舞台となった。

その他の用語

大環アクト(たいわアクト)
人間によって組織された喰種支援団体。元は上井大学の学生が中心となって作られた団体で、高槻泉が自身を喰種と明かす以前から活動していた。厳しい取り締まりを受けて解散を余儀なくされたが、形とメンバーを変えて理念はそのままに現在も活動している。喰種研究家の小倉が副幹事を務めており、喰種に対する医療チームも存在する。
同様の組織が次々と取り締まられている中、表向きは対人間の組織として喰種対策法違反スレスレで活動を続けている。

クインケ一覧

羽赫クインケ

エメリオ
五里美郷が所有するサブマシンガン型クインケ。11区アオギリ戦や20区隻眼の梟討伐戦にて使用された。『:re』においても五里の主力クインケとして登場。
ナルカミ
有馬貴将が所有するライフル型クインケ。S+レート。霧嶋ヒカリの赫包から造り出された模様。Rc細胞を瞬間的に電撃状に構成、発射する。これらはホーミング機能も持つ為、回避するのは至難の業。遠距離狙撃を得意とするクインケだがモードチェンジによりレイピア状に変形させることで近接戦闘にも使用可能。『:re』でも有馬の主力クインケとして使用されていたが、コクリア防衛戦で四方の赫子の攻撃により破壊された。
ホロウ
法寺項介が所有するロケットランチャー型クインケ。高威力である上に着弾後に大爆発を起こすことで対象に致死的なダメージを負わせる。20区隻眼の梟討伐戦において使用され、芳村の攻撃を阻止している。『:re』では流島上陸作戦で使用され、多数のアオギリ構成員を駆逐している。
ドゥヒ
滝澤政道が所有するクロスボウ型クインケ。赤舌連所属のフェイと呼ばれる中国系喰種の赫包から造り出された模様。元々は法寺の所有していたクインケだが、滝澤に譲られた。原作では20区隻眼の梟討伐戦で使用され、『√A』ではそれ以前にアオギリの樹によるコクリア襲撃の際、タタラと対峙した法寺を援護する為に使用されている。
カジリ
鉢川忠が所有するサブマシンガン型クインケ。20区隻眼の梟討伐戦において使用され、黒狗所属喰種を多数駆逐。首領であるカヤも追い詰めたが、乱入したカネキに破壊された。『:re』では既に修理され、引き続き鉢川の主力クインケとして使用されていたが、流島への斥候時にタキザワの赫子の攻撃で破壊される。
ハイアーマインド(高次精神次元)/天使の羽ばたき(エンジェルビート)
田中丸望元が所有するバズーカ型クインケ。SSレート。広範囲かつ高威力の衝撃波状の赫子を発生させ、対象の一挙殲滅が可能。エネルギー消費が激しいようで、常に補給機が取り付けられている。モードチェンジにより一直線型にすることで近接戦闘にも使用でき、この状態であればクインケ内のエネルギーで稼動することが可能。20区隻眼の梟討伐戦で使用。猿所属喰種を多数駆逐、古間を瀕死に追いやったが、乱入したカネキに破壊された。『:re』では既に修理され、コクリア防衛時にトーカやヨモ、ヒナミに深手を負わせた。
T-Human(ティー・ヒューマン)
伊丙入が所有するライフル型クインケ。S+レート。[ナルカミ]と外見が酷似しており、雷撃を思わせる赫子の形状もほぼ同一。高威力であり、直撃すれば喰種の半身を分断する程。月山家殲滅戦において使用され、数多の月山家関係者を駆逐したが、マイロの特攻で破壊された。
フクロウ
有馬貴将が所有する大太刀型クインケ。SSSレート。当時19歳であった有馬が交戦した芳村の腕の赫包から造り出された。太刀としての用途に加えて羽赫特有の遠距離狙撃にも特化する。更に遠隔起動能力も有し、赫子の刃を別座標に転移させることで対象の意表を突く変則攻撃を可能としている。コクリア防衛におけるカネキとの交戦で初めて使用。距離を選ばず威力を発揮しカネキの四肢を切り落としたが最終的に有馬が弱点をつかれカネキの赫子が直撃。防ぎきれず上半分をバラバラにされた。しかし破壊されても尚威力は高く、金木の赫子を切り裂き最後の最期まで金木に攻撃を通した。
フクロウは二本存在しており、もう一振りの方は芥子が使用している。アラタの防御力を凌ぐ程の攻撃力を持ち、遠距離攻撃も可能である。鈴屋班、Qs班、有馬夕乍、錦、月山、四方と強力な面々を同時に相手取りながら圧倒した。
銀髑髏(ぎんどくろ)
阿原半兵衛が所有する日本刀型クインケ。Aレート。スカルマスクリーダーの赫包から造り出された。突き刺した箇所から肋骨状の赫子を発生させて攻撃する事が可能。オークション掃討戦では他班員との連携でビッグマダムの討伐に貢献し、流島上陸作戦においてはミザに深手を負わせた。24区戦においては肋骨状の赫子を盾として利用しヒナミの攻撃を防いだ。
是毘図(ぜびず)
安浦清子が所有するロケットランチャー型クインケ。S+レート。着弾後に爆発を起こすミサイル状の弾丸を発射し、対象を追尾するホーミング機能も有する。また、本体を分割することで二対の剣として扱うことが可能。コクリア防衛時に使用し、アヤトとトーカも著しく消耗させた。

甲赫クインケ

ドウジマ1/2
亜門鋼太朗が所有する金棒型クインケ。元々は彼の同期である張間が所有していたが、彼女の殉職後は亜門が使用している。初めてカネキと戦った際に破壊されたが、アキラのアイディアを基に修復と改良を施された[ドウジマ・改]となる。実写版では柄の部分がそれぞれ回転し、対象に接触した箇所を削ぎ落とす様に攻撃するギミックが搭載されている。
フエグチ弐
真戸呉緒が所有する盾型クインケ。笛口リョーコの赫包から造り出された。真戸呉緒の死後、『:re』では娘のアキラが所有する。拡張性に特化しており、巨大な花弁状に展開し攻撃を防ぐことが出来る他、赫子で対象を捕獲し、締め上げて攻撃する事も可能。
クラ
亜門鋼太朗が所有する大剣型クインケ。元々は真戸呉緒が所有していたが、彼の殉職後はその遺言に従って亜門が使用している。持ち手を分割して刀身に接続することで二刀流の剣に変形する。また、その応用として分割した[クラ]の一方を遠投しても意図的に形状を崩壊、再帰させることで瞬時に手元へ戻すことが出来る。11区アオギリ戦で初めて使用され、瓶兄弟を討伐。20区隻眼の梟討伐戦でも多数の喰種を駆逐したが、カネキとの交戦で破壊された。
アラタ
篠原幸紀、黒磐巌、亜門鋼太郎、鈴屋什造、阿原半兵衛が使用する鎧型クインケ。SSレート。霧嶋新の赫包から造り出された。他のクインケと異なり、使用者があらかじめ身体に装着し、戦闘時に起動させる。非常に優れた防御性能を有し、鱗赫の半赫者であるカネキやSSSレートの芳村の攻撃も防ぎ止めている。
アラタproto
赫者のクインケの試作品として開発された。装甲が不揃いで全身を覆っておらず、また使用者を一部捕食させることで身体能力をブーストさせる機能を持つが、制御がやや不完全な状態にある。
アラタβ 0.8
[アラタproto]の改良型。篠原幸紀が所有する。嘉納の地下研究所で半赫者に覚醒したカネキとの交戦で使用。一時は彼を追い詰めるものの、猛攻に耐え切れず破壊される。
アラタ弐proto
[アラタ]の量産モデルとして開発されたもの。本来は篠原らの[アラタ]が破損した際の予備として用意されたが、地行の判断でムカデと交戦する亜門に渡され、使用された。自動着脱式のクインケであり、アタッシュケースからそのまま装着する事が可能。肉体のブースト機能が常時発動しており、使用者の膂力や敏捷性を飛躍的に上昇させる反面、肉体にかかる負担も非常に大きく、身体能力に秀でた亜門ですら全身から多量の出血を伴う程。20区隻眼の梟討伐戦にて[ドウジマ・改]諸共カネキに破壊された。
アラタ弐
アラタ弐protoの完成形。阿原半兵衛が使用。24区戦で金木との戦闘時に起動し彼を翻弄した。顔の部分が髑髏のような形状になっている。
アラタJOKER
[アラタ]の改良型。鈴屋什造が所有する。防御に特化したほかの[アラタ]と異なり、単体での近接攻撃を可能としている。オリジナルのアラタ同様の鉤爪状の赫子に加えて肩部からブレード状の赫子を複数同時展開して攻撃する事も出来る。流島上陸作戦におけるクロとの交戦で使用され、彼女を撤退に追い込んだ。24区戦では阿原の援護のもと金木を戦闘不能にした。
ユキムラ1/3
3分割されたサーベル型のクインケ。Bレート。[JACK]では学生時代の有馬がギターケースに入れて持ち運んでおり、ランタンとの交戦で使用。ヤモリにも深手を負わせ、撤退に追い込んだ。第一部では平子が使用。『:re』ではハイセに受け継がれ、多数の喰種を駆逐している。
IXA(イグザ)
有馬貴将が所有するランス型クインケ。S+レート。遠隔起動によって柱状の赫子を展開させ攻撃をする事が出来るほか、槍の部分を展開し防御壁を作る事も出来る、近距離/遠距離、攻撃/防御のどれにおいても高い性能を発揮するクインケ。金木の全力の一撃を受け止めた際もすこしヒビが入った程度の損傷しかせず、耐久性も相当高い。『:re』にてコクリア防衛戦で覚醒したカネキに破壊された。また、アニメ版ではカネキではなく隻眼の梟の攻撃によって損傷している。
タルヒ
宇井郡が所有する槍型クインケ。A+レート。内蔵ギミックで瞬間的に尾赫のようなしなやかな刃を形成し、中距離戦における変則的な攻撃を可能とする。20区隻眼の梟討伐作戦でエトの攻撃により破壊される。『:re』時点では既に修理され、引き続き宇井の主力クインケとして登場。多数の喰種を駆逐している。
赤舌(チーシャ)
法寺項介が所有する大剣型クインケ。SSレート。焔の赫包から造り出された模様。法寺が戦闘不能になった際は、宇井や平子が使用している。甲赫クインケの中でも群を抜いた重量から非常に扱い辛いが、絶大な威力を有し、20区隻眼の梟討伐戦では芳村に致命傷を負わせた。『:re』では流島上陸作戦におけるタタラとの交戦で使用される。
センザ
伊東倉元が所有する槍型クインケ。Bレート。月山家殲滅戦においてノロの攻撃で破壊された。
ぼくさつ2号
米林才子が所有するハンマー型クインケ。Bレート。オークション掃討戦で登場したが、サイコは自身の赫子を用いて戦闘に参加しているため未使用。
イイツウ
法寺項介が所有するランス型クインケ。A+レート。二刀一対のクインケであり、両腕に装着して攻撃する。流島上陸作戦でタタラとの交戦で使用された。
黒のリンシルグナット 16/16
白のルスティングナット 16/16
六月透が所有するナイフ型クインケ。いずれもB+レート。六月が黒山羊アジトへ攻め込んだ際、四方との戦闘に使用され、重傷を負わせた。
半井恵仁が使用。レートはいずれもB+。短刀のような形状で二刀流として扱う。流島ではクロナの両腕と赫子を切り落とした。

鱗赫クインケ

フエグチ壱
真戸呉緒が所有する蛇腹剣型クインケ。笛口アサキの赫包から造り出され、妻であるリョーコの殺害に用いられた。真戸呉緒の死後、『:re』ではアキラが所有する。伸縮性や柔軟性に優れ、高速戦闘から中距離戦まで対応可能だが、大型ゆえ狭隘地や障害物の多い場所での戦闘には不向き。鱗赫の特性に違わず、操作が非常に難しく、アキラは熟練まで1年を要したという。オークション掃討戦で使用され、多数の白スーツを駆逐。首領であるナキにも重傷を負わせた。
ナゴミ1/3
平子丈が所有する太刀型クインケ。Aレート。11区アオギリ戦で多数のアオギリ構成員を駆逐。20区隻眼の梟討伐作戦でも使用され、カヤに重傷を負わせるが、乱入したカネキに破壊された。『:re』でも未だ平子の主力クインケとして使用されている。
クロイワSpecial
黒磐巌が所有する大剣型クインケ。Sレート。大瀬の赫包から造り出された。20区隻眼の梟討伐作戦において芳村の攻撃で破壊された。『:re』では既に修理され、引き続き黒磐の主力クインケとして使用されている。
13'sジェイソン(ジューゾーズ・ジェイソン)
鈴屋什造が所有する大鎌型クインケ。S+レート。大守八雲の赫包から造り出された。攻撃時に鱗赫の赫子が飛び出すギミックが搭載されている。非常に高威力であり、カネキに再生が追いつかない深手を負わせ、20区隻眼の梟討伐戦では芳村の左腕を切断した。『:re』では流島上陸作戦にてクロナに破壊されたが、以降は修理されており、ジューゾーの主力クインケとして使用されている。
アブクソル、イフラフト
六月透が所有するナイフ型クインケ。いずれもBレート。
Aus(アウズ)
伊丙入が所有する太刀型クインケ。S+レート。 高威力であり、松前の分離赫子を瞬時に破壊した。
ロッテンフォロウ
キジマ式が所有するチェーンソー型クインケ。Sレート。凜央の兄の赫包から造り出された。キジマの死後、旧多二福が所有する。クインケ鋼を刃として、赫包をエンジンとして稼動する。月山家殲滅戦において使用されるが、最終的に持ち主であるキジマに引導を渡す形となった。コクリア防衛戦においてはカネキと対峙した旧多が使用した。
クアイ1/4
小静麗が所有するブレード型クインケ。Aレート。ジャマダハル状の武器と底に刃が付属する靴のそれぞれ一対により構成されたクインケで、四肢に装着して使用する。

尾赫クインケ

サソリ1/56
鈴屋什造が所有する、56本1セットのナイフ型クインケ。Bレート。元々は一本だけ支給されていたが、ジューゾーが勝手にCCGの倉庫から持ち出した。しかし、後に正式に認可された模様であり、他の捜査官の前でも複数本を戦闘において使用している。一本一本の殺傷力は低いが、ジューゾーは前述の同時併用戦法や元来の瞬発力、急所を的確に破壊する精密性でこれを補っている。
オニヤマダ
篠原幸紀が所有する鉈型クインケ。Sレート。オニヤマダの赫包から造り出された。本作第一部においては11区アオギリ戦や嘉納の地下研究施設でのカネキとの交戦、20区隻眼の梟討伐戦で使用された。
ランタン
富良太志が所有する鞭型クインケ。A+レート。三波麗花の赫包から造り出されたが、作中に一度だけ登場。
セニング
林村直人が所有するブレード型クインケ。刃の部分に細かな凹凸がある。オークション掃討戦におけるナッツクラッカーとの交戦で使用された。
ツナギ
プレーンタイプ、ハードタイプ、カスタムタイプの3種類が存在するブレード型クインケ。Cレート。プレーンタイプは瓜江久生と不知吟士の2人が、ハードタイプは黒磐武臣と安浦晋三平が、カスタムタイプは作中未登場だが旧多二福が所有している。
テトロ
キジマ式が所有するボーラ型クインケ。A+レート。殺傷力を持たず、生け捕りに特化した捕縛用クインケ。作中ではロゼ構成員、ユウマを捕縛している。
銀喰(ぎんくい)
瓜江久生が所有する大太刀型クインケ。SSレート。ノロの赫包から造り出された。太刀としての斬撃に加えて、ノロの用いていた環形動物のような口で対象を“捕食”する長大な赫子に変形させることも可能。遠隔起動のギミックも搭載されており、手元を離れても前述の変形能力を発動させられる。流島上陸作戦における亜門との交戦ではギミックを発動させて致命傷を負わせた。クインケの名前については、不知吟士(しらずぎんし)の「吟」と、不知の身体を喰いちぎったノロの赫子の「喰」から取って、「銀喰」になったと考えられる。

キメラクインケ

アマツ
真戸暁が所有する鞭型クインケ。甲赫及び尾赫の複合型。鞭状の尾赫に加えて持ち手に短剣状の甲赫の刃が仕込まれており、近距離及び中距離戦において隙の無い戦闘を行う事が可能。嘉納の地下研究施設でのナキとの戦闘では彼に深手を負わせ、20区隻眼の梟討伐戦でも多数の喰種を駆逐している。
ドウジマ・改
亜門鋼太朗が所有する馬上槍型クインケ。甲赫及び尾赫の複合型。アキラの設計案を元に、破損した[ドウジマ]を軸として瓶兄弟の赫子を組み込み、修復・改良を施したもの。攻撃時に尾赫の赫子が飛び出すギミックが搭載されており、本来[ドウジマ]が苦手とする鱗赫の喰種に大きなダメージを与えることが出来る。『√A』で描かれた梟討伐作戦では[ドウジマ]の形状がやや異なり、通常時は以前用いていた棍棒状のクインケであるが、ギミックを発動することで右腕に手甲を纏わせ、長大な槍に斧の刃が合わさったような形状に変化する。20区隻眼の梟討伐戦におけるカネキとの交戦で破壊されたが、『:re』でも引き続き亜門の主力クインケとして使用されている。柄の部分が失われた棒状のクインケになっているが、分離させた赫子を纏わせることでこれを補っている模様。
ナッツクラッカー
不知吟士が所有するスローランス型クインケ。Sレート。甲赫及び尾赫の複合型。ナッツクラッカーの赫包から造り出された。人工的に赫子を融合させた[アマツ]や[ドウジマ・改]とは異なり、二種持ちの喰種から生成された天然由来のキメラクインケ。伸縮性に富む性質を持ち、 投擲後、接触した対象を感知して膨張・変形し、対象を放射線状に抉り取る。月山家殲滅戦においてノロに対して使用されたが、致命傷を与えるには至らなかった。

書誌情報

漫画本編

特記のない限り著者は石田スイ、発行は全て集英社ヤングジャンプ・コミックスより。

巻数 第1刷発行日(発売日) ISBN 備考
東京喰種トーキョーグール[集 1]
1 2012年2月22日(2月17日) ISBN 978-4-08-879272-9
2 2012年3月24日(3月19日) ISBN 978-4-08-879291-0
3 2012年6月24日(6月19日) ISBN 978-4-08-879357-3
4 2012年9月24日(9月19日) ISBN 978-4-08-879420-4
5 2012年12月24日(12月19日) ISBN 978-4-08-879478-5
6 2013年1月23日(1月18日) ISBN 978-4-08-879498-3
7 2013年4月24日(4月19日) ISBN 978-4-08-879546-1
8 2013年7月24日(7月19日) ISBN 978-4-08-879613-0
9 2013年10月23日(10月18日) ISBN 978-4-08-879652-9
10 2014年1月22日(1月17日) ISBN 978-4-08-879807-3
11 2014年4月23日(4月18日) ISBN 978-4-08-879809-7
12 2014年6月24日(6月19日) ISBN 978-4-08-879859-2
13 2014年8月25日(8月20日) ISBN 978-4-08-879887-5
14 2014年10月22日(10月17日) ISBN 978-4-08-890031-5
東京喰種トーキョーグール:re[集 2]
1 2014年12月24日(12月19日) ISBN 978-4-08-890081-0
2 2015年3月24日(3月19日) ISBN 978-4-08-890132-9
3 2015年6月24日(6月19日) ISBN 978-4-08-890211-1 [注 79]
4 2015年9月23日(9月18日) ISBN 978-4-08-890254-8
5 2015年12月23日(12月18日) ISBN 978-4-08-890331-6
6 2016年3月23日(3月18日) ISBN 978-4-08-890376-7
7 2016年6月22日(6月17日) ISBN 978-4-08-890411-5
8 2016年9月21日(9月16日) ISBN 978-4-08-890497-9
9 2016年12月24日(12月19日) ISBN 978-4-08-890559-4
10 2017年3月22日(3月17日) ISBN 978-4-08-890603-4
11 2017年6月24日(6月19日) ISBN 978-4-08-890682-9
12 2017年7月24日(7月19日) ISBN 978-4-08-890699-7
13 2017年10月24日(10月19日) ISBN 978-4-08-890758-1
14 2018年1月24日(1月19日) ISBN 978-4-08-890820-5
15 2018年3月24日(3月19日) ISBN 978-4-08-890881-6
16 2018年7月24日(7月19日) ISBN 978-4-08-891050-5

番外編

  • 『東京喰種トーキョーグール [JACK]』(電子書籍版)、2013年10月18日発売[集 3]

小説

その他の書籍

  • 『東京喰種トーキョーグール [zakki]』(カラーイラスト集)、2014年10月17日発売[集 8]
  • 『東京喰種トーキョーグール [anime]』(公式資料集)、2015年9月18日発売[集 9]
  • 『東京喰種トーキョーグール [JAIL]』(シナリオ&イラスト集)、2015年12月18日発売[集 10]
  • 『東京喰種トーキョーグール[zakki:re]』(カラーイラスト集)、2019年3月19日発売[集 11]

読切

連載版の原型となった作品。「第113回MANGAグランプリ」で準優秀賞を受賞し、『ミラクルジャンプ』のNo.2(2011年4/12号)に読み切り作品として掲載された。単行本には未掲載ではあるが、それらの要素は2巻から3巻にかけて再構成され、演出や台詞、テーマなども人物や場所を変えつつ再現されている。

ストーリーは、喰種の喫茶店員カネキと彼の正体を暴こうと来店する喰種捜査官の篠原を中心に繰り広げられる捜査劇で、正体を見ぬかれたカネキが篠原を捕食して決着をつけるなどピカレスク要素の強い作品であった。

登場人物は連載版と共通しているが、「カネキは生来の喰種で、食人本能に苦悩している」「トーカは天真爛漫に捕食殺人を繰り返す」「篠原は喰種を憎悪している」など、設定は著しく異なっていた。

テレビアニメ

2014年7月より9月までTOKYO MX他にて第1期が放送され、2015年1月より3月まで第2期『東京喰種トーキョーグール√A』(トーキョーグール ルートエー)が放送された。2期は原作者の石田がストーリー原案を手がけ、カネキが「アオギリの樹」に参加するという漫画とは異なる展開が描かれた。

2018年4月から6月にかけては第3期『東京喰種トーキョーグール:re』が放送された[7][10]。同年10月から12月まで、『re』の第2期(最終章)が放送された[16]

スタッフ

第1期 第2期 第3期・最終章
原作 石田スイ(第2期はオリジナルストーリーネームを兼任)
監督 森田修平 渡部穏寛[10]
シリーズ構成・脚本 御笠ノ忠次
キャラクターデザイン 三輪和宏 中嶋敦子[10]
総作画監督 烏宏明(サブキャラクターデザインを兼任)
中嶋敦子、りんしん(第3期)、工藤裕加
銃器デザイン 柳瀬敬之
スタイルコンセプト いさお
プロップデザイン 関川成人 岩永悦宜、久我嘉輝
セットデザイン・美術設定 山田勝哉、曽野由大
Ryota-H
綱頭瑛子(美術設定)
相原誠・品田理紗(3D美術設定)
美術監督 永井桂介 緒続学
武藤正敏
色彩設計 濱岡幸治 西栄子
CG監督 藤谷秀法
撮影監督 佐藤勝史 和田尚之
編集 柳圭介
音響監督 原口昇
音楽 やまだ豊
音楽プロデューサー 千田耕平
飯干紗妃 本多洋一
Koyo Sonae
音楽制作 CURRENT,INC マーベラス
プロデューサー 団野喜人、曽我秀忠、萩野賢
丸山創
アニメーションプロデューサー 堀田哲史 熊谷侑也、清水修
アニメーション制作 studioぴえろ
アニメーション制作協力 studioぴえろ+[10]
製作 東京喰種製作委員会[注 80] 東京喰種:re製作委員会[注 80]

主題歌

第1期
オープニングテーマ「unravel」(第2話 - 第11話)
作詞・作曲・編曲 - TK / 歌 - TK from 凛として時雨
テレビ放送版は、オープニング曲パートの無い第1話と最終話(第12話)ではエンディングテーマとして使用。BD・DVD版は、第1話でもオープニング曲パートで使用。
第2期第12話ではアコースティックバージョンが挿入歌として使用。
第3期第6話で挿入歌として使用。
エンディングテーマ「聖者たち」(第2話 - 第11話)
作詞 - Hirofumi Hatano / 作曲・編曲・歌 - People In The Box
テレビ放送版は、第1話と第12話では不使用。BD・DVD版は、第1話でもエンディング曲パートで使用。
第2期
オープニングテーマ「無能」(第1話 - 第11話)
作詞・作曲 - 高橋國光 / 歌 - österreich / ゲストボーカル - 鎌野愛
エンディングテーマ「季節は次々死んでいく
作詞・作曲 - 秋田ひろむ / 歌 - amazarashi
挿入歌
全作曲・編曲 - やまだ豊
「ON MY OWN」(第1話)
作詞・歌 - Katherine Liner
「GLASSY SKY」(第2話、第5話、第8話)
作詞 - 胡麻本りさ、NORIO JOSEPH AONO / 歌 - ドナ・バーク[17]
「Wanderers」(第4話)
作詞 - 胡麻本りさ、NORIO JOSEPH AONO / 歌 - ルシュカ[18][19]
「Alone」(第7話)
作詞 - 胡麻本りさ、NORIO JOSEPH AONO / 歌 - JULIA SHORTREED
「Colour My World」(第8話)
作詞 - JULIA SHORTREED、HENRI OHARA / 歌 - JULIA SHORTREED
第3期
オープニングテーマ「asphyxia」[20](第1話 - 第12話)
作詞・作曲 - 中村未来 / 編曲・歌 - Cö shu Nie
エンディングテーマ「HALF」[21](第1話 - 第12話)
作詞・作曲 - 薔薇園アヴ / 歌 - 女王蜂
最終章
オープニングテーマ「katharsis」
作詞・作曲・編曲 - TK / 歌 - TK from 凛として時雨
エンディングテーマ「楽園の君」
作詞・作曲 - 高橋國光 / 歌 - österreich / ゲストボーカル - 飯田瑞規

各話リスト

第1期
話数 サブタイトル 絵コンテ・演出 作画監督
第1話 悲劇 森田修平 三輪和宏
第2話 孵化 松尾慎 牙威格斗、阿部晃瑳詩
第3話 白鳩 嶌田惣一 今木宏明
第4話 晩餐 松林唯人 斉藤雅和
第5話 残痕 京極義昭 和田高明
第6話 驟雨 嶌田惣一 栗原学
第7話 幽囚 松林唯人 津幡佳明、矢吹智美、永川桃子
第8話 円環 松尾慎 清水厚貴
第9話 鳥籠 京極義昭 和田高明、金奉徳
第10話 青桐 松林唯人 丸藤広貴、佐藤寿子(原画)
第11話 衝天 松尾慎 今木宏明、栗原学
第12話 喰種 森田修平 清水厚貴、矢吹智美
第2期
話数 サブタイトル 絵コンテ・演出 作画監督
第1話 新洸 松尾慎 今木宏明、栗原学
第2話 舞花 松林唯人 永川桃子、渡部裕子
第3話 吊人 京極義昭 西野文那
第4話 深層 古川順康 小池裕樹、矢吹智美
第5話 裂目 末田宜史 今木宏明、栗原学、渡辺敬介
第6話 千路 松林唯人 金二星、許亨準
第7話 透過 嶌田惣一 永川桃子、渡部裕子
第8話 旧九 古川順康 清水厚貴
第9話 街望 京極義昭 近藤優次、松本朋之、小池裕樹
矢吹智美、和田高明
第10話 終雨 松尾慎 田中比呂人、鈴木陽子、窪詔之
夘野一郎、遠藤正明
遠藤裕一、松崎正
第11話 溢花 嶌田惣一 清水厚貴、永川桃子、栗原学
第12話 森田修平 今木宏明
第3期・最終章
話数 サブタイトル 絵コンテ 演出 作画監督
第1話 狩る者たち START 渡部穏寛 渡部穏寛 北村友幸、吉岡佳広、島崎望
第2話 欠片 member Shin Min Seop、Jung Cheol Gyo
第3話 前夜祭 fresh 川西泰二 Chang Bum Chul
第4話 オークション MAIN 外山草 野口征恒、増田敏彦、大久保修
近藤瑠衣、松本弘、飯塚葉子
西野理恵
第5話 散りゆく夜 Press 渡部穏寛 北村友幸、吉岡佳広、島崎望
福井麻記
第6話 その、果てに turn 松本マサユキ 近藤優次、松本朋之
第7話 心覚え在りし日々 mind 渡部穏寛 Shin Min Seop、jung Cheol Gyo
第8話 蠢くモノ TAKe 川西泰二 Chang Bum Chul
第9話 亡霊 play 渡部穏寛 北村友幸、吉岡佳広、谷口繁則
第10話 ゆれる think 松本マサユキ 近藤優次、松本朋之
第11話 欠落者 writE 渡部穏寛 橘尚美、Hue Hey Jung
Shin Min Seop、Jung Cheol Gyo
第12話 夜明け Beautiful Dream 烏宏明、北村友幸、福井麻記
橘尚美、島崎望、谷口繁則
第13話 そして、もう一度 Place 川西泰二 Chang Bum Chul
第14話 白い闇 VOLT 渡部穏寛 近藤優次、松本朋之
第15話 クロスゲーム union 松本マサユキ 橘尚美、福井麻記、北村友幸
谷口繁則、Shin Min Seop
Jung Cheol Gyo
第16話 遺したもの vive Seo HyeJin 橘尚美、谷口繁則、福井麻記
下島誠、島崎望
第17話 出会い、とまどい MovE 吉田徹 日下部智津子
第18話 赫赫たる FACE 川西泰二 Chang Bum Chul
第19話 紲 proof 工藤寛顕 小島えり
第20話 めざめた子 incarnation 松本マサユキ 斎藤大輔、橘尚美、島崎望
Shin Min Seop、Jung Chul Gyo
第21話 心覚え Morse 米田光宏 平山英嗣、岡田万衣子、和田伸一
田中穣、扇多恵子
第22話 悲劇の果て call 渡部穏寛
Seo HyeJin
LeeJoung Kyung、大藤玲一郎
第23話 邂逅 ACT 渡部穏寛 Chang Bum Chul
第24話   橘尚美、福井麻記、島崎望
大藤玲一郎、東山マキ
斉藤大輔、鈴木奈都子

放送局

日本国内 テレビ / 第1期 放送期間および放送時間[22]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [23] 備考
2014年7月4日 - 9月19日 金曜 0:00 - 0:30(木曜深夜) TOKYO MX 東京都
2014年7月5日 - 9月20日 土曜 3:05 - 3:35(金曜深夜) テレビ愛知 愛知県
2014年7月6日 - 9月21日 日曜 2:25 - 2:55(土曜深夜) TVQ九州放送 福岡県
日曜 2:35 - 3:05(土曜深夜) テレビ大阪 大阪府
2014年7月7日 - 9月22日 月曜 23:00 - 23:30 AT-X 日本全域 CS放送 / リピート放送あり
2014年7月12日 - 9月27日 土曜 2:00 - 2:30(金曜深夜) Dlife 日本全域 BS放送
2014年10月9日 - 2015年1月14日 木曜 1:43 - 2:13(水曜深夜) 北陸放送 石川県 [24]
日本国内 インターネット / 第1期 配信期間および配信時間[22]
配信期間 配信時間 配信サイト
2014年7月6日 - 9月21日 日曜 12:00 更新 GYAO!
2014年7月8日 - 9月23日 火曜 12:00 更新
2014年7月10日 - 9月25日 木曜 0:00 - 0:30(水曜深夜) ニコニコ生放送
木曜 0:30(水曜深夜) 更新 ニコニコチャンネル
木曜 更新 ムービーフル
2014年7月13日 - 9月28日 日曜 更新
2014年7月16日 - 10月1日 PlayStation Store
日本国内 テレビ / 第2期 放送期間および放送時間[25]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [23] 備考
2015年1月9日 - 3月27日 金曜 0:00 - 0:30(木曜深夜) TOKYO MX 東京都
2015年1月10日 - 3月28日 土曜 3:05 - 3:35(金曜深夜) テレビ愛知 愛知県
2015年1月11日 - 3月29日 日曜 2:25 - 2:55(土曜深夜) TVQ九州放送 福岡県
日曜 2:35 - 3:05(土曜深夜) テレビ大阪 大阪府
2015年1月12日 - 3月30日 月曜 23:00 - 23:30 AT-X 日本全域 CS放送 / リピート放送あり
2015年1月17日 - 4月4日 土曜 2:00 - 2:30(金曜深夜) Dlife 日本全域 BS放送
2015年1月22日 - 4月9日 木曜 1:43 - 2:13(水曜深夜) 北陸放送 石川県
日本国内 インターネット / 第2期 配信期間および配信時間[25]
配信期間 配信時間 配信サイト
2015年1月11日 - 3月29日 日曜 12:00 更新 GYAO!
2015年1月13日 - 3月31日 火曜 0:00(月曜深夜) 更新
  • Rakuten SHOWTIME
  • バンダイチャンネル
2015年1月15日 - 4月2日 木曜 0:00(水曜深夜) 更新
木曜 12:00 更新 ムービーフルPlus
2015年1月18日 - 4月5日 日曜 0:00(土曜深夜) 更新
  • U-NEXT
  • ひかりTV
  • Amazonインスタント・ビデオ
2015年1月21日 - 4月8日 水曜 0:00(火曜深夜) 更新 PlayStation Store
2015年1月25日 - 4月12日 日曜 0:00(土曜深夜) 更新 DMM.com
日本国内 テレビ / 第3期 放送期間および放送時間[26]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [23] 備考
2018年4月3日 - 6月19日 火曜 23:00 - 23:30 TOKYO MX 東京都
2018年4月4日 - 6月20日 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) サンテレビ 兵庫県
水曜 2:30 - 3:00(火曜深夜) BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠
水曜 2:35 - 3:05(火曜深夜) テレビ愛知 愛知県
水曜 4:05 - 4:35(火曜深夜) TVQ九州放送 福岡県
2018年6月1日 - 8月17日 金曜 1:30 - 2:00(木曜深夜) 北陸放送 石川県
日本国内 インターネット / 第3期 配信期間および配信時間[26]
配信期間 配信時間 配信サイト
2018年4月4日 - 6月20日 水曜 12:00 更新
2018年4月5日 - 6月21日 木曜 0:00(水曜深夜) 更新
木曜 12:00 更新
不明 Hulu
2018年4月11日 - 6月27日 水曜 12:00 更新 ニコニコチャンネル
水曜 23:00 - 23:30 ニコニコ生放送
水曜 23:30 - 木曜 0:00 AbemaTV
不明 PlayStation Video
日本国内 テレビ / 最終章 放送期間および放送時間[27]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [23] 備考
2018年10月9日 - 12月25日 火曜 23:00 - 23:30 TOKYO MX 東京都
2018年10月10日 - 12月26日 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) サンテレビ 兵庫県
水曜 2:30 - 3:00(火曜深夜) BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠
水曜 2:35 - 3:05(火曜深夜) テレビ愛知 愛知県
水曜 3:05 - 3:35(火曜深夜) TVQ九州放送 福岡県

BD / DVD

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
第1期
1 2014年9月26日 第1話 - 第3話 TCBD-0385 TCED-2340
2 2014年10月31日 第4話 - 第6話 TCBD-0386 TCED-2341
3 2014年11月28日 第7話 - 第9話 TCBD-0387 TCED-2342
4 2014年12月26日 第10話 - 第12話 TCBD-0388 TCED-2343
第2期
1 2015年3月27日 第1話 - 第2話 TCBD-0444 TCED-2586
2 2015年4月24日 第3話 - 第4話 TCBD-0445 TCED-2587
3 2015年5月29日 第5話 - 第6話 TCBD-0446 TCED-2588
4 2015年6月26日 第7話 - 第8話 TCBD-0447 TCED-2589
5 2015年7月31日 第9話 - 第10話 TCBD-0448 TCED-2590
6 2015年8月28日 第11話 - 第12話 TCBD-0449 TCED-2591
第3期[28]
1 2018年6月27日 第1話 - 第2話 TCBD-0742 TCED-4053
2 2018年7月25日 第3話 - 第4話 TCBD-0743 TCED-4054
3 2018年8月29日 第5話 - 第6話 TCBD-0744 TCED-4055
4 2018年9月26日 第7話 - 第8話 TCBD-0745 TCED-4056
5 2018年10月31日 第9話 - 第10話 TCBD-0746 TCED-4057
6 2018年11月28日 第11話 - 第12話 TCBD-0747 TCED-4058
最終章[28]
1 2018年12月21日 第13話 - 第15話 TCBD-0800 TCED-4316
2 2019年1月30日 第16話 - 第18話 TCBD-0801 TCED-4317
3 2019年2月27日 第19話 - 第21話 TCBD-0802 TCED-4318
4 2019年3月27日 第22話 - 第24話 TCBD-0803 TCED-4319

webラジオ

ラジオ『東京喰種トーキョーグール』-グルラジ-』は、2014年7月9日から2015年4月8日まで音泉にて配信されたWebラジオ番組。毎月第2、4水曜日更新。パーソナリティは花江夏樹(金木研 役)、豊永利行(永近英良 役)。

OVA

2015年9月30日にスピンオフコミックを原作とした『東京喰種トーキョーグール【JACK】』が発売された[29]。同年9月5日から9月18日に全国7地域の映画館で期間限定上映を実施。

同年12月25日には小説版『東京喰種トーキョーグール [日々] #003 [写真]』を原作とした『東京喰種トーキョーグール【PINTO】』(トーキョーグール ピント)が発売された[30]

スタッフ(OVA)

  • 原作 - 石田スイ、十和田シン(PINTO)
  • 脚本 - 御笠ノ忠次(JACK)、嶌田惣一(PINTO)
  • 監督 - 嶌田惣一(JACK)、松林唯人(PINTO)
  • アニメーション制作 - studioぴえろ
  • 製作 - 東京喰種製作委員会

舞台

2015年7月、舞台 『東京喰種トーキョーグール』と題し、AiiA 2.5 Theater Tokyo京都劇場で上演[31][32]

DVD、Blu-rayは、2015年11月27日に発売[32]

2017年6月29日から7月4日まで舞台 『東京喰種トーキョーグール』 〜或いは、超越的美食学をめぐる瞑想録〜と題した続編がシアター1010梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演[33]

スタッフ(舞台)

  • 原作:石田スイ
  • 脚本:茅野イサム
  • 演出:御笠ノ忠次
  • 制作:有本佳子、麻生かほり、恒川稔英
  • 音楽:坂部剛
  • 振付:本山新之助
  • 殺陣:清水大輔
  • 舞台映像:石田肇 横山翼
  • 技術監督:寅川英司
  • 舞台監督:渡部景介
  • 美術:金井勇一郎、古口幹夫
  • 照明:林順之
  • 音響:青木タクヘイ
  • ヘアメイク:糸川智文
  • 衣裳:村上由美
  • 特殊小道具:林屋陽二
  • 作詞:浅井さやか
  • 歌唱指導:カサノボー晃
  • 演出助手:長町多寿子
  • 制作進行:麻田幹太 尾崎裕子
  • 宣伝美術・写真:MONSTERS.INC
  • 制作:マーベラス
  • 主催:マーベラス/ぴえろ/TCエンタテインメント

映画

東京喰種 トーキョーグール
Tokyo Ghoul
監督 萩原健太郎
脚本 楠野一郎
原作 石田スイ
「東京喰種トーキョーグール」
製作 吉田繁暁(企画プロデュース)
永江智大
石塚正悟
製作総指揮 大角正
出演者 窪田正孝
清水富美加
鈴木伸之
桜田ひより
蒼井優
大泉洋
村井國夫
小笠原海
白石隼也
相田翔子
栁俊太郎
坂東巳之助
佐々木希
浜野謙太
古畑星夏
前野朋哉
ダンカン
岩松了
音楽 ドン・デイヴィス
主題歌 illion「BANKA」[34]
撮影 唐沢悟
編集 大関泰幸
武田晃
制作会社 ギークサイト
製作会社 「東京喰種」製作委員会
配給 松竹
公開 日本の旗 2017年7月29日[35]
上映時間 119分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 11.0億円[36]
次作 東京喰種 トーキョーグール【S】
テンプレートを表示
東京喰種 トーキョーグール【S】
TOKYO GHOUL S
監督 川崎拓也
平牧和彦
脚本 御笠ノ忠次
原作 石田スイ
「東京喰種トーキョーグール」
製作 永江智大
福島大輔
高橋潤
製作総指揮 大角正
吉田繁暁
出演者 窪田正孝
山本舞香
鈴木伸之
小笠原海
白石隼也
木竜麻生
森七菜
桜田ひより
村井國夫
知英
マギー
ダンカン
栁俊太郎
坂東巳之助
新田真剣佑
松田翔太
音楽 小田朋美
菊地成孔
主題歌 女王蜂「Introduction」[37]
撮影 小宮山充
編集 武田晃
制作会社 ギークサイト
製作会社 「東京喰種【S】」製作委員会
配給 松竹
公開 日本の旗 2019年7月19日
上映時間 97分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 3.55億円[38]
前作 東京喰種 トーキョーグール
テンプレートを表示

2017年7月29日公開[35]。日本のみならず、アジアや米国、ドイツなど約23か国での公開が決定している[39]。PG12指定[40]

主人公のカネキは原作者である石田スイの希望で窪田正孝[41]が演じた。

2018年9月22日、2作目の製作が発表された。主演は窪田が続投するほか、ヒロインのトーカ役は清水富美加に代わって山本舞香が、初登場の月山は松田翔太が演じることが発表された。2019年7月19日公開[42]。2019年4月11日に、タイトルが『東京喰種 トーキョーグール【S】』(トーキョーグール エス)に決定したと発表された[43]。なお、映倫区分はR15+指定となる[44]

キャスト

共通
第1作
第2作

スタッフ(映画)

第1作

第2作

  • 原作:石田スイ「東京喰種トーキョーグール」(集英社 ヤングジャンプ コミックス刊)
  • 監督:川崎拓也、平牧和彦
  • 脚本:御笠ノ忠次
  • 音楽:小田朋美菊地成孔
  • 主題歌:女王蜂「Introduction」(Sony Music Associated Records
  • 製作総指揮:大角正
  • エグゼクティブプロデューサー:吉田繁暁
  • プロデューサー:永江智大、福島大輔、高橋潤
  • 共同プロデューサー:樋口慎祐
  • 撮影:小宮山充
  • 照明:保坂温
  • 美術:小泉博康
  • 装飾:藤原慎二
  • 録音:田中博信
  • 監督補:安食大輔
  • アクション監督:横山誠
  • VFXスーパーバイザー:桑原雅志
  • 特殊スタイリスト:百武朋
  • オリジナルコスチュームデザイン:森川マサノリ
  • 音楽プロデューサー:茂木英興、宮地洋佑
  • 編集:武田晃
  • スクリプター:天池芳美
  • 衣裳:星野和美
  • ヘアメイク:小出みさ
  • 制作担当:児嶋冬樹
  • ビジネスプランナー:秋吉朝子
  • 宣伝プロデューサー:松浦由里子
  • 制作プロダクション:ギークサイト
  • 制作協力:松竹撮影所、松竹映像センター
  • 企画・配給:松竹
  • 製作:「東京喰種【S】」製作委員会(松竹、電通、集英社、ギークピクチュアズ)

ラジオ

映画”東京喰種“ presents あんていく Midnight Café』は、2017年6月8日から2か月間限定でInterFM897にて放送されたラジオ番組。番組コンセプトは東京の某所で深夜に開店する「喫茶あんていく」。パーソナリティは井手大介で、映画のスタッフ・出演者がゲスト出演し、作品の世界観や見どころを紹介する。

ゲストは第1回、第2回共に監督の萩原健太郎とプロデューサーの永江智大。

ゲーム

スマートフォンゲーム

東京喰種トーキョーグール carnaval(トーキョーグール カルナヴァル)
スマートフォン用ゲームアプリとして、バンダイナムコエンターテインメントより配信されていた。ジャンルは引っ張りアクション。2015年9月30日に『東京喰種 carnaval∫color』(トーキョーグール インテグラル カラー)に大幅リニューアル。2017年4月13日にサービス終了。
東京喰種トーキョーグール :re invoke(トーキョーグール リ インヴォーク)
スマートフォン用ゲームアプリとして、バンダイナムコエンターテインメントより2017年3月14日から配信。2019年11月30日にサービス終了。

コンシューマーゲーム

東京喰種トーキョーグール JAIL(トーキョーグール ジェイル)
PlayStation Vita用ソフトとして、バンダイナムコエンターテインメントより2015年10月1日に発売。

体感型ゲーム

東京喰種トーキョーグール √A×ナゾメイト ヒトからの脱出
アニメイト池袋本店9Fを会場に謎解きイベントとして、ナゾメイトにより2015年1月25日1月31日に開催。
東京喰種×ネットとリアルで体感ゲーム 東京喰種抗争
イオンシネマ5箇所(板橋・浦和美園・むさし村山・港北ニュータウン・幕張新都心)を会場に謎解きイベントとして、ネットとリアルで体感ゲームにより2015年2月11日から3月31日に開催。イオンシネマ4箇所(新潟南・京都桂川・名取・大高)を会場にに謎解きイベントとして、ネットとリアルで体感ゲームにより2015年4月18日から5月31日に開催。
東京喰種トーキョーグール 封鎖されたジョイポリス区を突破せよ!
東京ジョイポリスを会場に体感型脱出ゲームとして、PKシアターにより2015年11月14日から12月29日にかけて開催(休演日含む)。
東京喰種トーキョーグール Deadly Escape -デッドリーエスケイプ-
東京ジョイポリスを会場にウォークスルー型アトラクションとして、2015年11月28日から2016年9月30日にかけて開催(休演日含む)。
東京喰種トーキョーグール :re[al game] 狩猟祭掃討戦(トーキョーグール リアルゲーム フェスティバルそうとうせん)
東京ジョイポリスを会場に謎解きイベントとして、2018年9月8日から10月21日にかけて開催(休演日含む)。

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 作中の多くのメディアでは腎臓や臓器と報道されている。
  2. ^ ハイセ(heiße)はドイツ語で「〜という名前である」という動詞で、「佐々木という名前である」=「名無し」を意味し、作中でもカナエが言及している。
  3. ^ その為か、有馬と面識のある捜査官らから内面や体捌きの類似性を度々指摘されている。
  4. ^ 右にも赫包はあるが、対月山戦でカネキを口にした後でさえ、少しだけ赫子が出る程度。
  5. ^ この時、トーカと依子が高校時代に撮った写真と共に、依子のものと思われる指輪を付けた左手を見せつけられるが、これは六月がトーカを怯ませる為に用意した模造品であったことが後に判明する。
  6. ^ その後、依子と武臣の結婚式を遠目に眺めつつ、金木に自身の宝物である両親の形見の指輪を譲っている。
  7. ^ これは、カネキから聞いた芳村の妻である憂那の行動を倣ったもの。
  8. ^ アニメ版当初は存命、6話で真戸に殺されている。
  9. ^ 『JAIL』においては古間と共に梟討伐作戦で死亡するエンディングが存在する。
  10. ^ この際、ノロのマスクに酷似したマスクを着用。また、その赫子の形状や驚異的再生力はノロによく似ている。
  11. ^ 『:re』では真相を知り、カネキを目の敵にしていた。
  12. ^ 『:re』の月山家殲滅戦でエトが乱入したときに一節が引用されている。
  13. ^ 『:re』第108話におけるウリエと柴の会話にて言及された。
  14. ^ 合計3個持ち、そのうちの2つはカネキに喰われ、喰い残したもう一つはジューゾーのクインケにされた。
  15. ^ 首のタトゥーはラテン語で彫られており、「私はあなたと共に生きてはいけない」「私はあなたなしでは生きていけない」という意味合いを持つ。
  16. ^ アニメ版は半兵衛の斬撃を受けた所で撤退しており、その後の鈴屋との小細工無しでの交戦や、六月との邂逅は(六月が入院しているという展開になったという事もあり)カット。
  17. ^ カネキのことを「白くて綺麗」と賛美する一方で、ハイセに対しては「『悲劇なんかに負けないぞ』といううすら寒いノリを感じる」と評している。
  18. ^ ゲーム版においては、使用可能な赫子は一種類のみで、プレイヤーの選択により決まる
  19. ^ ストーリー中でエトが「これはあなたがかわりに死ぬための物語」とストーリーの核心を突くような発言をしており、『JAIL』のシナリオブックでも作者の石田スイが「カネキの代わりに死ぬために生まれたキャラ」と言及している。
  20. ^ クロナ曰くこれがシロだとのことだが、辛うじて目と口らしきものが判別できる程度で、シロの面影は殆ど残っていない。嘉納によると、顔のように見えるのは単なるシミュラクラ現象であり、発する声のような物も体内ガスの漏洩、すなわち「放屁」と同様の現象だとされている。
  21. ^ 本来ならば赫子の摘出はCCGの専門機関でなければ行うことは出来ないが、彼はそれを素手で行い、捜査官殺害時にも壁ごと頭部を破壊するほどの膂力を発揮している事などから、なまじただの人間ではないと思われるような描写がなされている。
  22. ^ 本人いわく「ピエロになってみた」とのことで、情報収集目的での潜入だった模様。現在も宗太として活動しているかは不明である。
  23. ^ ロゼ編にて松前を殺害する直前に「MMさん」と呟いたのはレストランで面識があり、月山との繋がりを事前に知っていたため。
  24. ^ 名前はアニメのキャストにて判明した。
  25. ^ 厳密に言うと2巻収録#013[白鳩]と3巻のおまけに登場するが、本編の捜査資料にある写真とおまけに出てくる後ろ姿は似ていないため参考にならない。
  26. ^ 駆逐される寸前、暴言を吐く彼の口内に「lie(嘘)」の文字が描かれており、ジューゾーに自身の駆逐を躊躇させない為の嘘とも取れる。
  27. ^ その為、原作ではカネキ戦で防御壁を損傷した為に梟との戦いで使用しなかった[IXA]を使用している。しかし、彼女の攻撃で破壊された為、途中からは[ナルカミ]のみを用いた戦闘となった。
  28. ^ 半人間の性質上、急速に進行する老化の弊害として緑内障を患っており、右目は完全に失明。残る左目も機能を失いつつある。有馬と交戦した鯱やカネキは彼の戦闘での立ち回りから右目の失明に気付いており、オークション掃討戦でも有馬がハイセに向けた左目の視野狭窄が描写されている。
  29. ^ 10年前に梟と交戦した頃も黒髪、平子とコンビを組んでヨモ、ウタと交戦した頃は黒髪混じりの白髪、アニメ版[JACK]や第1期PVでは紺色である。
  30. ^ 『√A』では隻眼の梟の攻撃による単純骨折に変更。
  31. ^ ちなみに22歳での特等就任は有馬以来の快挙。
  32. ^ 『√A』ではカネキに赫子で殴り倒され、昏倒している。
  33. ^ 真戸の死後、彼のサポートを行った中島がその憔悴ぶりに深く懸念を抱くほどであり、『:re』においてハイセが発見したレポートでも真戸の殉職を「自身の落ち度である」と明記している。
  34. ^ カネキとの交戦で[ドウジマ1/2]を破壊された為、11区アオギリ戦の際は生前の真戸の遺言に従い、彼の遺品である[クラ]を使用した。また、当初使用していた[ドウジマ]も元々はアカデミー時代の友人・張間の形見である。
  35. ^ 『JAIL』においては梟討伐戦から生還するルートも存在する。
  36. ^ カネキと亜門が初めて交戦した際、彼は亜門に自分から逃げるよう指示。「僕を人殺しにしないでくれ」と発言している。
  37. ^ 嘉納からは「A-OWL」とも呼ばれる。
  38. ^ ラボ内でカネキ達と対峙した際には芳村の赫者としての姿を更に肥大化させたような形態に変化している。
  39. ^ 作中では主にハイセはクインクス班と行動し、アキラとは別行動をとっていることが多い。
  40. ^ 対抗馬とされる平子班の3分の1以下。
  41. ^ 呉緒が用いていた[フエグチ壱]と同一のクインケ。
  42. ^ アキラは自身を気遣い、二人で過ごす時間を極力減らさない為に昇進を諦めたと推測している。
  43. ^ 4巻のプロフィールには白日庭出身と記述されており、宇井も作中で言及している。
  44. ^ a b c 第3期3話のみ担当声優は異なる。
  45. ^ 集英社anとのコラボ企画である喰種捜査官募集によって登場したキャラクターであり、実在する人物を元に作られている。美容師を志していたという過去やクインケの名称が「セニング(セニングシザー、梳きバサミの意)」であるのは、当人の職業が美容師であることを反映したものである。
  46. ^ 伊東は当初「タケちゃん」と呼ぼうとしたが、上司の平子の名前と被るため変えたという経緯がおまけ漫画にて描かれている
  47. ^ 集英社anとのコラボ企画である喰種捜査官募集によって登場したキャラクターであり、実在する人物を元に作られている。
  48. ^ 集英社anとのコラボ企画である喰種捜査官募集によって登場したキャラクターであり、実在する人物を元に作られている。
  49. ^ 『JAIL』においては梟討伐戦から生還するルートも存在する。
  50. ^ 嘉納からは「T-OWL」とも呼称される。
  51. ^ 人間時代の髪色が原作とアニメで異なっており、原作は黒髪だがアニメでは明るい茶髪である。
  52. ^ オークション会場で遭遇した准特等捜査官を赫眼すら発現していない状態で殺害。その場にいた多数の捜査官も徒手空拳でほぼ全員を殉職させた。加えてハイセ曰く「手筋が出鱈目」である為、体術に精通した彼ですら行動の予測が全く出来なかった。
  53. ^ フルネームは『√A』で描写された彼女の墓標で判明。原作では名字のみ言及されている。
  54. ^ ノロに捕食されかけたサイコの身を本心から案じ、致命傷を負ったシラズを無心で励まし続け、彼が息を引き取った瞬間は感情を爆発させた。また、現場に現れた政の冷徹さを非難し、隻眼討伐に向かう彼の指示を無視してシラズに寄り添い続ける。
  55. ^ ノロとの交戦の際には身の丈をはるかに超える巨大な赫子を出現させ、その威力はSレート喰種を戦闘不能に追いやる程。
  56. ^ 髯丸にはジーニー、瓜江にはシャオと呼ばれている。
  57. ^ とはいえ喰種に対する敵意や嫌悪感は他の捜査官と大差なく、アニメ第1期では「喰種は獣と変わらない」という中島の言葉に対して「人の役にも立てない分、獣以下である」と発言している。
  58. ^ 加えて施術が成功した被験者への処遇も酸鼻を極めるものであり、食事を拒む者には人肉の摂取を強制。カネキに並ぶ逸材を生み出す為に肉体を極限まで痛めつけて精神破綻を引き起こさせる等、その所業からは一切の人間性が感じられない。
  59. ^ リゼの赫包を移植した際は1200人の人間を利用したものの、成功したのはカネキや安久姉妹、旧多のみ。芳村の赫包では63名の喰種捜査官を素体としたが、これも成功例はオウルのみである。対してクインクス施術は適正テストさえパスしていれば確実かつ安全に赫包を定着させることが可能。過去に行ったテストでは6人の適正者が存在し、内4人は実際にクインクスとして活動している。
  60. ^ 芳村は、「憂那は功善が「V」に所属していたことを知らなかった」としているが、エトは「「V」の正体を探るために構成員の功善に接近した」としており、どちらが真実であるのかは明かされていない。
  61. ^ ちなみにこの言葉は「自分達に子供などいない」という暗示で組織への最期の抵抗ともとれる。
  62. ^ ウタ、トオルが該当する。また、常時発現している訳ではなかったが第一部初期のカネキも赫眼を自身の意思で制御できていなかった。
  63. ^ 痣が浮き出るのは初期のトーカ、リオが該当する。
  64. ^ 人間であれば200〜500程度、喰種は1000〜8000のRc値であるとされる。
  65. ^ この期間が赫子の完成形と見做される。
  66. ^ ヒナミやナッツクラッカー、タタラ、死堪が該当する。
  67. ^ 作中ではあんていくメンバーや笛口親子が該当する。
  68. ^ そのため教育を受けられず、文字の読み書きに不自由がある喰種も珍しくない。
  69. ^ タロちゃんは嘉納の半喰種化施術で赫包の定着に失敗した元人間。
  70. ^ 作者曰く決まった読み方はなく、「リ」「レ」「アールイー」どれでもいい。
  71. ^ 厳密にいうと万が一彼が記憶を取り戻し、喰種社会でも人間社会でも居場所をなくした場合に受け入れる場所としている。
  72. ^ このとき理由は不明だが、半喰種化した後の亜門と組んでいたことが示唆されている。
  73. ^ [JAIL]に登場するリオもルートによっては半赫者となっている。
  74. ^ それぞれを略して「上捜」「下捜」とも呼ぶ。
  75. ^ ただし例外もあり、三等捜査官時代のハイセが一等捜査官であったアキラから指導を受けていたようにパートナーではなく指導者(メンター)という形で先達が後輩捜査官に捜査技術を指導するということもある。同様の形式で一等捜査官となったハイセはクインクスらを統率している。また、下位捜査官時代の真戸と篠原は伊庭とトリオを組んでいた。
  76. ^ 例外としては宇井率いるS1班、和修 政率いるS2班、有馬率いるS3班、ハイセが指導官を、ウリエが班長を務めるクインクス班が挙げられる。
  77. ^ とはいえ、下位捜査官であっても高レート喰種を駆逐できる者や所属する階級以上の実力を有する者もいる為、一概には言えない。
  78. ^ 平均すると一等捜査官への就任年齢は約27歳とされる。
  79. ^ 番外編『東京喰種トーキョーグール [JOKER]』収録。
  80. ^ a b マーベラス、TCエンタテインメント、ぴえろ

出典

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集英社BOOK NAVI

以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

外部リンク