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::; アナハイム・ジャーナル
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::: 宇宙世紀0099年における[[アナハイム・エレクトロニクス]]の企業広報誌という設定の書籍。
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::: カイがアナハイム社の[[機動戦士Ζガンダムの登場人物#メラニー・ヒュー・カーバイン|メラニー・ヒュー・カーバイン]]名誉会長(当時)におこなったインタビューが収録されている。
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::; 灰の中から何度でも -サイド6 ヘリウム3備蓄基地臨界爆発事故異聞-
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2020年11月7日 (土) 11:22時点における版

カイ・シデンKai Shiden)は、アニメ『機動戦士ガンダム』『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムUC』に登場する架空の人物。宇宙世紀0061年生まれ。

声優古川登志夫。『ガンダムさん』では下山吉光。 名前は第二次世界大戦中に開発された戦闘機である「紫電改」が由来となっている[1][2]

概要

サイド7に住むプエルトリコ[3]移民の17歳。機械に明るく、大型特殊の免許をいくつか所持している。家族関係は劇中では明かされないが、父親はサイド系技術者、母親は医者と設定されている。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、アムロ・レイハヤト・コバヤシフラウ・ボゥとは高校のクラスメイト(カイは留年)としている。また、コンボイレーサーとして知られた存在であると公言。反抗的な不良少年でアムロたちを強引に連れ出し、立ち入り禁止の開発区に入り込もうとして銃撃されるなど無茶な一面も見られた。後にジャーナリストとして身を立てる伏線として政治にも強い関心を持っていた。

一年戦争終結後は軍を退役。社会復帰プログラムの援助を受け、ベルファスト大学でジャーナリズムを専攻。通信社勤務を経てフリーのジャーナリストへと転向する。戦後の代表的な著作は『巨人達の黄昏~グリプス戦役(ペガサスプレス)』『天国の中の地獄(ファントムグラフィックス))』『月の専制君主たち(ABCパブリック)』』『木星航路(汎地球圏進捗ジャーナル)』。

劇中での活躍

機動戦士ガンダム

元々民間人で、戦争に対しても逃避的であったため、当初は憎まれ口を叩くことが多く、ブライト・ノアをはじめホワイトベース (WB) 乗組員らの反発を買っていた。表向きはおちゃらけた性格で、皮肉を飛ばしたり照れ隠しにうそぶいたりすることが多かった。

しかし、WBに乗艦していた正規の乗組員(軍人)のほとんどが戦死・負傷したことで人手不足となったことと、作業機械のライセンスを持っていたことから、機銃射手やガンタンクの操縦手として半ば強制的に駆り出されることになる(初陣となったテレビ版第3話では、ハヤトと共にガンタンクに搭乗してパプア級補給艦を撃沈している)。WBが地球に降りてからはガンペリーも操縦し、第13話ではガンダムの空中換装などにも協力している。第8話以降は主にガンキャノンのパイロットとなり、ランバ・ラル黒い三連星などといったジオンのエースパイロットに翻弄されながらも、機体性能に助けられて激戦を重ねる。

第26話では軍人になることを嫌い、ベルファストに寄港したWBから降りる。その際、ジオンのスパイであるミハル・ラトキエと出会うが、彼女が弟妹を養うために否応なくスパイに身をやつしていることを看破し、戦争の非情さを感じ取ったことから同情してWBの状況を伝える。ズゴックを中心とする水陸両用モビルスーツ (MS) の攻撃に苦戦するWBクルーの様子を見かねて舞い戻り、ガンタンクで応戦しながらガンダムと連携して敵を撃退する。この戦闘の混乱に乗じてWBに潜入したミハルは、情報収集のために潜入した艦長室でカイと偶然再会し、密航者(恋人)として匿われるが、その直後に大西洋上での戦闘で「弟たちが助かって、あの子たち(カツレツキッカ)が死ぬなんて道理はない」とカイに戦闘参加を懇願し、ガンペリーで共に出撃する。その結果、ミハルは被弾による電気系統の故障で格納庫から直接ミサイルを操作し、ズゴック撃破に貢献するが発射時の爆風に吹き飛ばされて死亡してしまう、彼女の死はカイの後の行動に大きな影響を与え、第29話のジャブロー攻防戦ではミハルの幻影にもう悲しむのはやめてミハルのような犠牲者をもう出さない為にジオンを徹底的に叩くと強い決意を示し、ガンキャノンでゴッグ1機を撃破している。第30話ではジャブロー伍長(劇場版では少尉)に任官される。

物語後半以降は、敵MS部隊に先制射撃をするスレッガー・ロウをたしなめたり、アムロ以外のパイロットにリーダーシップを発揮したりと、パイロットとして成長した姿を見せる。サイド6入港時にザンジバルと遭遇した際や、ア・バオア・クー攻略戦前のブリーフィングでは相変わらずの口ぶりであったが、その意識は物語当初からは想像できないほどに変化していた。劇場版では、ジオン(赤い彗星)に縁のあるセイラに「(ジオンを倒した)その後で連邦も叩くかい?」と後の地球圏の趨勢を見通したうえでの疑問を投げかけるなど、鋭さを覗かせる。戦災孤児であるカツ、レツ、キッカらのことは可愛がっており、ジャブロー寄港時には彼らが意に反して施設に預けられそうになるのを阻止するなど、子供好きの一面も見せていた。

宇宙へ上がってからはアムロらと共にWBの主戦力として活躍し、ソロモンア・バオア・クーなどの主要攻略作戦で多数の敵機を撃墜している。ソロモンではガンダムと連携して要塞上陸の突破口を開き、ア・バオア・クーでは「こういう時は、臆病なくらいで丁度いいのよね」と自嘲気味に愚痴りながらも冷静な判断でSフィールドへの上陸を果たすなど多大な戦果を上げ、WB隊第二のエースパイロットとして一年戦争を戦い抜く。

ア・バオア・クーでの決戦時、乗機のガンキャノンを破壊されるも脱出し、白兵戦でWBを死守する。その後、アムロの「声」を聞いて他の乗員たちと共にランチで脱出する。

『THE ORIGIN』版

漫画『THE ORIGIN』では、アニメ版以上に何でも屋ぶりを発揮するが、ジョブ・ジョンやダニーといったパイロットたちと同程度の技量として、つまりオールドタイプの1人として描かれている。パイロットとしてはアニメ版ほどの活躍はみせておらず、命中率が低いと整備員にもからかわれる。ガンキャノンの設定は、最新鋭機ではなく重装型の旧式量産機とされており、たびたび大破している(WB隊以外の戦闘でも、旧ザク相手に一方的に撃破される描写がある)。ジャブローに向かう途上で起きたクラウレ・ハモン率いるギャロップとの戦闘では、不足した戦力を補おうと鹵獲したザクに破損したガンキャノンの頭部を乗せた「キャノンザク」を発案し、この機体で出撃するもタチ中尉の旧ザクに返り討ちにされている。

ほぼ一貫して乗機としたガンキャノンに特別な愛着を示し、ア・バオア・クー攻略戦の前にはハヤトに「キャノンに愛を捧げて死のうな」と言うほどであるが、2機のガンキャノンは脱出時まで撃破されることなくセイラを救助して生還する。しかし、アムロの「声」を聞くシーンはなく、カイの覚醒をうかがわせるシーンは最後までなかった。

小説版

小説版では、民間人ではなく他のキャラクターと同様、最初から軍人(パイロット候補生・曹長)として登場する。終盤では中尉に任官され、アムロやハヤトと共にニュータイプとして覚醒し、怒涛の活躍を見せる。ハヤトに続きアムロまでもが戦死するがカイは最終局面まで生き残り、キシリアやシャア、ペガサスのクルーと共にズム・シティへ乗り込んで制圧する。逃亡を図るギレンを感知して捕捉したのも、カイのニュータイプ能力がなせる業とされている。キシリアがギレンを射殺した直後、キシリアもシャアに殺されるというザビ家滅亡の顛末を見届けるが、その際には「なあ、アムロ…コレでいいのか?」とアムロに疑問を投げかけるシーンがある。

一年戦争後

機動戦士Ζガンダム
地球連邦軍の内情を探ろうと白い背広姿という出で立ちでジャブローに潜入する。そこで、偵察に潜入していたエゥーゴレコア・ロンドと出会うが、共に連邦軍兵士に捕まってしまう。ジャブローに降下したカミーユ・ビダンに救出されてカラバに合流するが、指導者としての能力がありながらクワトロ・バジーナの偽名で一パイロットに甘んじているシャア・アズナブルに疑問と不満を抱いていた。その後はジャーナリストの立場でエゥーゴやカラバに独自の支援を続けた。テレビ版ではハヤトにクワトロはシャアだと書かれたメモだけを残して有耶無耶に消えているが、劇場版では、直接ハヤトに「クワトロはシャアだ」と告げるシーンが描かれており、共闘することに疑問も呈している。ラストではセイラ・マスと再会し、シャアに関するインタビューを行うシーンが添えられた。
機動戦士ガンダムUC
宇宙世紀0096年5月、連邦政府の上院議員ローナン・マーセナスから直接指名を受け、ネオ・ジオン残党軍襲撃後のダカールに赴く。「ラプラスの箱」をめぐる一連の事件におけるビスト財団の関与の証拠を提示され、その公表を依頼されるが、カイは申し出を断り、交渉は物別れに終わる。なお会話の中で、隕石落としを決行したシャアに対して、カイが徹底して批判の立場を取っていることが明かされている。OVA版では、ブライトから反ジオン派ながら信頼のおける人物として、ネオ・ジオンのスベロア・ジンネマンとの共同作戦を執るための交渉役を任される。
追補作品「獅子の帰還
連邦から釈放されたリディ・マーセナスに11月12日に接触し、「バナージ・リンクスは生きている」と告げ車に乗せる。情報局の尾行をまくためにハンドルをさばきつつ、ミネバ・ラオ・ザビを戦争の矢面に立たせないために、リディを争いに巻き込まないために、バナージは消えるしかなかったと説明する。バナージの生存を確かめたいと言うリディに対し、命がけの覚悟が必要と諭しつつも、「必要な情報はくれてやる」と告げる。なぜ自分にそこまでしてくれるのかと問うリディに対し、「先輩風を吹かせたかったんだろうよ。神様に片足突っ込んだ馬鹿を友人にしちまったのは、君だけじゃない」と答えている。
映像作品以外
漫画
機動戦士ガンダム THE ORIGIN外伝「アルテイシア0083」
ノア夫妻の依頼で新聞記者を装ったカイが、イギリスで「アストライア財団」の一員として戦争孤児の救援に奔走するセイラを訪ねるエピソードが描かれる。ジオン過激分子らの接触への用心を託けるのが目的であるが、逆に己の軟弱ぶりを恥じさせられる。これをきっかけに、カイはジャーナリストへの道を選ぶことになる。
機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―
劇場版『Ζガンダム』の設定に準拠して描かれている。
グリプス戦役時代のジャーナリストとしてのカイを主役に据えて物語が展開された。本作では、ハヤト以外にもアムロやベルトーチカ・イルマに直接協力するなど、主にカラバと連携した活動を行っている。劇中ではカラバのジャケットを着ているシーンも見られる。
機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス
ロンド・ベル隊発足記念式典に出席したアムロ・レイを影武者と発表するが後に撤回する騒動を起している(撤回するまでの間にブライト・ノアが接触し事情を説明したとの説が作中で囁かれている)。
機動戦士ガンダム 英雄伝説
SD CLUB』第8-12号に掲載。
第二次ネオ・ジオン抗争で行方不明になったアムロを探すカイを描いている。かつてのガンダム・チームの面々と接触し、レストアされたガンキャノンでヤザン・ゲーブルの駆るギラ・ドーガと戦う。
機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―
宇宙世紀0105年にサイド3にて開催されている「一年戦争展」の会場を舞台にジャーナリストとしてのカイを主役に据え、一年戦争を回想する形式で物語が展開されている。
ゲームブック
機動戦士ガンダム シャアの帰還
第一次ネオ・ジオン抗争後にホンコンシティでシャアと遭遇した場面が描かれている。シャアが再び歴史の表舞台に登場することを信じ、ルオ商会への紹介状を渡すことで間接的ながら挙兵に協力する。
その他
アナハイム・ジャーナル
宇宙世紀0099年におけるアナハイム・エレクトロニクスの企業広報誌という設定の書籍。
カイがアナハイム社のメラニー・ヒュー・カーバイン名誉会長(当時)におこなったインタビューが収録されている。
灰の中から何度でも -サイド6 ヘリウム3備蓄基地臨界爆発事故異聞-
映画『機動戦士ガンダムNT』劇場入場者2週目特典として配布された。
宇宙世紀0097年の劇中終盤に起きた事故について、カイが同年8月28日に公表したレポートという体裁がとられている。

主な搭乗機

逸話

ソロモン編で、出撃の際に注意を受けたセイラへ「愛してるよ」と返すシーンがある。担当声優の古川登志夫は本気の告白であると考え、そのように演じたが、監督の富野由悠季から「カイはそんなセリフを喋る男ではない」と怒られ、軽口を叩いているように演じ直させられた。このことは古川には少々不満のタネになったらしく、あとで残念がっている。

機動戦士ガンダム』でチーフシナリオライターを務めた、脚本家の星山博之は自分の好きなキャラクターにカイを挙げ、戦後のドイツ・デュッセルドルフの「蚤の市」における彼との架空会見記をムック『ガンダムセンチュリー』にしたためている。

ミハルの死により不貞腐れていたカイが変わる切っ掛けとなった第28話『大西洋、血に染めて』はシリーズ屈指のエピソードと言われる[4]。古川もこのエピソードが印象に残っているとのべている[5]

脚注

  1. ^ 尾形英夫編「機動戦士ガンダム きみはこれを見て生きのびることができるか? ファンからのここが聞きたいガンダム67の質問」『アニメージュ 1979年12月号』徳間書店、昭和54年(1979年)12月10日。雑誌 01577-12、23頁。
  2. ^ 氷川竜介藤津亮太編「第二章 TV版と音楽と ファンからのここが聞きたいガンダム67の質問(1979)」『ガンダムの現場から 富野由悠季発言集』キネマ旬報社、2000年10月16日。ISBN 4-87376-537-4、68頁。
  3. ^ 『テレビ版 機動戦士ガンダム大百科』(勁文社、1981年)p.218.
  4. ^ 【ガンプラビフォーアフター】“ミハルの死”を乗り越えたカイ・シデン、“究極の髭ガンダム”を独自の着想で具現化”. ORICON NEWS (2019年9月29日). 2020年7月3日閲覧。
  5. ^ 「ガンダム」カイ役・古川登志夫、“ミハル回”の台本公開! 「ファースト、28話だけとってあった」”. アニメ!アニメ! (2019年2月26日). 2020年7月4日閲覧。

関連項目