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2021年4月6日 (火) 03:23時点における版
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江口 寿史 | |
---|---|
本名 | 同じ |
生誕 |
1956年3月29日(68歳) 熊本県水俣市 |
国籍 | 日本 |
職業 | 漫画家、イラストレーター |
活動期間 | 1977年 - |
ジャンル | ギャグ漫画 |
代表作 |
『すすめ!!パイレーツ』 『ストップ!! ひばりくん!』 『江口寿史の爆発ディナーショー』 他 |
受賞 | 第38回文藝春秋漫画賞(1992年) |
江口 寿史(えぐち ひさし、1956年3月29日 - )は、日本の漫画家、イラストレーター。妻は元アイドルの水谷麻里。血液型O型。
人物
熊本県水俣市生まれ。14歳で千葉県野田市に転居。千葉県立柏高等学校卒業。代表作に『ストップ!! ひばりくん!』、『すすめ!!パイレーツ』、『江口寿史の爆発ディナーショー』など。
1977年に、『恐るべき子どもたち』でヤングジャンプ賞(現在の十二傑新人漫画賞)入選、同年『8時半の決闘』で第6回赤塚賞準入選、1978年には『名探偵はいつもスランプ』で第6回愛読者賞を受賞、また1992年には『江口寿史の爆発ディナーショー』で文藝春秋漫画賞を受賞している。
また、1995年には自ら編集長となって「COMIC CUE」を創刊。松本大洋、望月峯太郎、よしもとよしとも、魚喃キリコ、古屋兎丸などの意欲的な作家を集めるとともに、「テーマを決めての競作」「名作漫画のカバー」などの従来の漫画界になかった企画も行った。
経歴
1977年にヤングジャンプ賞入選作である『恐るべき子どもたち』で「週刊少年ジャンプ」誌上においてデビューを飾り、同年連載デビュー作である『すすめ!!パイレーツ』の連載を開始する。質の高いギャグによってデビュー作から絶大な人気を集め、当時「週刊少年チャンピオン」で人気を誇っていた『マカロニほうれん荘』の鴨川つばめと並び称される事となる。なお『パイレーツ』の後期より扉絵の構図などにイラストレーションとして見せる為の工夫が見られ始める。その後『ひのまる劇場』の連載を挟み、1981年より自身の最大のヒット作となる『ストップ!! ひばりくん!』の連載を開始する。
この頃より、江口のギャグと並びもう1つの大きな特徴である、「極めて洗練された画風」を確立するにつれ筆の遅さが目立ち始め、また「白いワニ」に比喩される「真っ白な原稿」=「ネタ切れ」にも悩まされる様になる。結果漫画家に厳しい「ジャンプ」としては異様な観すらある破格な優遇を受けながらも『ひばりくん』を中断し、未完のまま放り出してしまう。
以降作品の発表の場を「フレッシュジャンプ」に移し、『江口寿史の日の丸劇場』(単行本は『寿五郎ショウ』として発売)の連載をはじめる。この作品によって以降の江口漫画の主流となる「一話完結のショートギャグ」というスタイルを確立する。『日の丸劇場』の連載終了の翌月より同誌において、作者唯一のストーリー物の連載作品『「エイジ」』の連載を開始。第一部が終了した時点でいったん筆を休め、5年後の1990年にその後を描いた『「エイジ85」』および『「エイジ2」』の連載を始めるが3回で中断。
この頃より集英社との専属契約を終了しフリーに。「weekly漫画アクション」(双葉社)で『エリカの星』、「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で『パパリンコ物語』と他社での連載を始めるが、いずれも途中で投げ出す。その中にあって1986年から『日の丸劇場』と同じ形式で「月刊ASUKA」(角川書店)で連載された『江口寿史のなんとかなるでショ!』だけは、落稿も1回に止め、円満終了を迎える。
1988年より「アクション」において、『日の丸劇場』、『なんとかなるでショ!』と同様のスタイルで『江口寿史の爆発ディナーショー』を連載。1992年に本作の単行本によって文藝春秋漫画賞を受賞する。なお、この受賞の際に選評で選考委員長の加藤芳郎に“久々の大型新人”扱いされたという逸話がある。
1989年4月~9月には、FM東京系の深夜放送番組スーパーFMマガジン「NORU SORU」のパーソナリティーを務める。
1990年、交際を続けていた元アイドルの水谷麻里と結婚(江口は2度目)。
この頃より、イラストレーターとしての仕事が増え、徐々に仕事の中心がイラストの方へと移って行く。
1995年は「COMIC CUE」の編集の仕事があったとはいえ、発表された漫画は合計でわずか14ページであり、漫画家として事実上廃業状態となる。
しかし、1998年より「アクション」誌上において『キャラ者』の連載を開始し、連載漫画家としての復帰を果たす。毎週1ページと短く休載も多いながらも、途中で投げ出される事なく続き、掲載誌を「weelkyぴあ・関東版」(ぴあ)に移した後2008年6月まで連載され、江口にとって最長の連載期間となった。
2003年より放映を開始したテレビアニメ『無人惑星サヴァイヴ』にキャラクター原案で参加。
2008年7月より「A-ZERO」にて『ゼロの笑点』を連載。月刊誌でなおかつオールカラー4ページ漫画ではあったが休載なく続き、2009年6月の本誌の休刊により終了。
逸話
- 高校1年の時、吉田拓郎を知ってフォークに夢中になり、マンガは描かなくなった[1]。しかし、ギターが上達せず音楽は諦め、19歳の時、初めて本気で漫画家になろうと決意したという[1]。江口は「マークII」(1985年)という、吉田拓郎に心酔する高校時代の自身を描いた短編を書いているが[2]、2010年のレコード・コレクターズ増刊「日本のフォーク/ロック アルバム・ベスト100 1960-1989」で、私のベスト1レコード/CDに、吉田拓郎のアルバム『元気です。』を挙げ、「このレコードとの出会いがなかったら今の自分はないという意味で断然1位であります」と記している[3]。
- 佐野元春は同い年という事もあり、江口が敬愛するミュージシャンの一人でもある。また、対談した事もあり、佐野から「江口さんもきっと僕と同じように何かと戦っているんだと思う」と言われ、江口が答えに困ったというエピソードがある。
- 『ひばりくん』連載時に何度も原稿を落としていた事が問題視された事から「今度締切を守れなかったら坊主頭になります」と宣言したが、案の定、締切は守れず坊主頭になった。また、『ひばりくん』の劇中には江口本人である江口"Candy"寿史(えぐち キャンディ ひさし)なる人物が登場しており、上述の通り、江口が坊主頭になった際、きちんと彼も坊主頭になっていた。
- 漫画でも、自身が遅筆である事を自虐したネタを描く事が多々あり、上述の『ひばりくん』では度々本編を無視して締切に追われたり、無理矢理ページを埋めている事を仄めかす姿が描かれ、『江口寿史のなんとかなるでショ! 』の帯には「日本一の遅筆野郎」と書かれる始末であった。
- 「ぶりっ子」「爆睡」のワードメーカーでもある。
遅筆・放棄
江口は遅筆な事で有名であるが、遅筆のエピソードとしては、「ジャンプ」の愛読者賞用の作品『POCKY』が、途中からネーム状態のまま掲載されるというものがある。そして遅筆の結果、印刷に間に合わずに落稿する事も多く、当初から不定期掲載を謳った連載も多い。
また「(連載作品)未完の帝王」との異名の通り、無事に連載が終了されている作品の多くが一話完結方式で連載されていたもので、いつでも最終回とする事ができた作品が多いのに対し、連載による継続したストーリー展開を必要とした作品については円満に終了された作品はほぼ皆無である。
1996年、『週刊ヤングジャンプ』で連載した『ラッキーストライク』にいたっては僅か3回で放棄した。
代表作の1つである『ストップ!! ひばりくん!』は長期の中断を経て、『ストップ!! ひばりくん! コンプリート・エディション』(小学館クリエイティブ刊 全3巻)において、27年越しで完結した[4]。
未完のまま放棄された作品
作品リスト
漫画
- ◎:連載作品(年度は連載開始年)
- 《収録短編集》■:GO AHEAD!!/□:寿五郎ショウ/◆:なんとかなるでショ!/◇:爆発ディナーショー/▼:お蔵出し/●:THIS IS ROCK!!/★:自選傑作集/▽:犬の日記、くさいはなし、その他の短篇/☆:青少年のための江口寿史入門/※:単行本未収録
- 連載作品についた□・★・☆については作中の何編かが収録されている事を示し、全編を収録している訳ではない
- 《短編集以外への収録短編》1:『すすめ!!パイレーツ』に収録/2:『ひのまる劇場』に収録/3:『なんとかなったワケ!』に収録/4:KAWADE夢ムック『総集編江口寿史』に収録/5:『江口寿史の正直日記』に収録/6:吾妻ひでお著『うつうつひでお日記DX』に収録
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単行本
ワイド版、文庫版などの同一内容の再版本は割愛
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デザイン
- 天才・たけしの元気が出るテレビ!! オープニングアニメ(4作目作画)
- デニーズ(メニューとそのイメージキャラクターであるウエイトレスのイラスト。デニーズカードにも使用)1992-97年
- おたくの星座(キャラクターデザイン)
- オーロラクエスト おたくの星座 IN ANOTHER WORLD(キャラクターデザイン) - 上記作品のリメイク(PCエンジン用CD-ROM2対応版)。
- グミ・チョコレート・パイン(カバーイラスト)
- 老人Z(キャラクターデザイン)
- PERFECT BLUE(キャラクター原案)
- 恋愛講座 REAL AGE(キャラクターデザイン、1999年6月24日、PS用ソフト、イマジニア、限定版あり)
- 無人惑星サヴァイヴ(キャラクター原案)
- フィーバーガールズI(キャラクターデザイン、三共製パチンコ台)
- リアルワインガイド (表紙イラスト、株式会社リアルワインガイド発行)2002年より
- RWGオリジナルカレンダー2014(創刊からのイラストの中より厳選された13枚で構成)
- 30minutes・30minutes鬼(オープニングイラスト)
- 片腕マシンガール(イラスト、2008年)
- 古代少女ドグちゃん(イメージイラスト、2009年)
- 肥薩おれんじ鉄道ラッピング車両(2011年10月[5])
- 水俣市(出身地である水俣市の観光ガイドブックの表紙、駅貼りポスターのイラスト等)
- ハロー!チャンネル vol.8 (裏表紙イラスト「SG」) 2012年4月25日 - 真野恵里菜とGibson SGがモチーフ
- CanCam 2014年4月号(月刊トラちゃん vol.7コラボ企画) - トラウデン直美がモチーフ
- プジョー(プジョー・208GTi のイメージイラスト及び、サイト内公開グラフィックノベル[1] 2013年6月
- 漫画家による仏の世界展 (イラスト出品「私訳魚籃観音之図」) 2014年(3月・京都、5月・東京、8月千葉)
- 初の全国巡回作品展『江口寿史展 KING OF POP』開催 (2015年9月〜11月 北九州市漫画ミュージアム 12月〜2016年1月川崎市市民ミュージアム
『KING OF POP SideB』2015年10月〜2016年2月 明治大学米沢嘉博記念図書館)以降2017年4月まで全国7都市を巡回した。
- 2018年4月〜5月 金沢21世紀美術館に於いて作品展『彼女』開催。
- 吉祥寺サンロード商店街 デザインフラッグなど (2019年7月~ )
- 水俣市 デザインマンホール(2020年3月)[6]
ジャケットイラスト(音楽)
- パール兄弟 アルバム『ブートレグだよ』1991年6月
- BAHO(Char、石田長生) アルバム『HAPPENINGS』(ジャケットデザインも)1998年6月
- 朝日美穂、直枝正広&ブラウンノーズ アルバム『TRIBUTE TO YASUYUKI OKAMURA EP』2001年7月
- 岡村靖幸 トリビュートアルバム『どんなものでも君にかないやしない』2002年4月
- ROUND TABLE featuring Nino シングル『Sunny Side Hill』2003年10月
- 銀杏BOYZ アルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』2005年1月
- 吉田拓郎 アルバム『一瞬の夏』2005年3月
- MAMALAID RAG アルバム『the essential MAMALAID RAG』(ジャケットデザイン 信藤三雄)2010年4月
- DJ KAWASAKI アルバム『BLACK&GOLD』2012年3月
- SHIT HAPPENING アルバム『Lodge』(ジャケットデザインも)2012年12月
- lyrical school アルバム『date course』2013年9月
- So nice アナログシングル盤『光速道路』2014年4月
- Shiggy Jr. ミニアルバム『LISTEN TO THE MUSIC』2014年7月
- 新・チロリン アルバム『Last Pajama Party』2015年8月
- 東京スカパラダイスオーケストラ シングル『嘘をつく唇』2015年12月
- Shiggy Jr. アルバム『ALL ABOUT POP』2016年10月
- 大森靖子 アルバム『MUTEKI』2017年9月
- lyrical school アルバム『WORLD 'S END』2018年6月
- so nice RYUTist スプリットアナログシングル盤『日曜日のサマートレイン』2018年8月
- lyrical school アルバム『BE KIND REWIND』2019年9月
- SEKAI NO OWARI シングル『umbrella』2020年6月
- Pictured Resort 12インチEPアナログ盤『DYE IT BLUE』2020年8月
イラスト集
- NO MATTER(1988年)
- ILLUSTRATION H(1991年)
- EGUCHI HISASHI WORLD 1980s(1995年)
- EGUCHI HISASHI WORLD 1990s(1995年)
- ポストカードブック ONLY IN DREAMS(1996年)
- 江口寿史 ストリップショウ H(1999年)
- 江口寿史 スクラップブック E(1999年)
- 素顔 Sugao -美少女のいる風景-(2004年)
- WORKs EH 95-08(2008年)
- KING OF POP 江口寿史 全イラストレーション集(2015年)
- step ― Eguchi Hisashi Illustration Book ―(2018年)
- RECORD 1992-2020 CDジャケットアートワーク集(2020年)
アート関連の本
- 江口寿史監修ポーズ集・基本編(1994年)
- 江口寿史監修ポーズ集・動き編(1995年)
- 江口寿史監修ポーズ集・日常編(1995年)
- 江口寿史監修ポーズ集・カップル基本編(1996年)
- 江口寿史監修ポーズ集・カップル日常編(1996年)
- 江口寿史監修ポーズ集・二人のポーズカラー版(2001年)
- 江口寿史の塗り絵(2008年)
映像化作品
テレビドラマ
- 世にも奇妙な物語シリーズ
- 「ハイ・ヌーン」(1992年6月11日、「世にも奇妙な物語」主演:玉置浩二) - 『すすめ!!パイレーツ』収録「史上最大の生中継の巻」を改題。
- 「ハイ・ヌーン」(2014年11月18日、「世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP」主演:和田アキ子)※リメイク版
- 「しりとり家族」「しりとり家族ふたたび」(2017年4月29日、「世にも奇妙な物語 '17春の特別編」※本編との合間の短編 主演:滝藤賢一)[7]『江口寿史の爆発ディナーショー』収録。
江口が影響を受けた漫画家
アシスタント
- 西秋ぐりん
- 河野哲郎
- 一條裕子
脚注
- ^ a b ココロの旅 | 関西テレビ放送 KTV 2011年8月9日放送
- ^ 江口寿史のお蔵出し、1994年4月、自著、イーストプレス、p13-27に収録
- ^ レコード・コレクターズ増刊「日本のフォーク/ロック アルバム・ベスト100 1960-1989」、2010年11月、ミュージック・マガジン、p41
- ^ “先ちゃん27年越しで最終話描く。「ひばりくん」完結”. ナタリー. (2010年2月27日) 2010年2月27日閲覧。
- ^ 水俣市の観光をPRするラッピング列車が運行を開始しました。水俣出身の漫画家江口寿史さんのイラストが車体に描かれています。是非、ご乗車してみてください!
- ^ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/586754/
- ^ “江口寿史(@Eguchinn)”. Twitter (2017年4月12日). 2017年4月30日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 江口寿史 (@Eguchinn) - X(旧Twitter)
- 江口寿史 (HisashiEguchi) - Facebook
- 江口寿史(egutihisasi)-Instagram
- 江口寿史 EGUCHI HISAHI(eguchiworks)-Instagram
- 江口寿史、ポートレイトドキュメンタリー - YouTube