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== バスでの不正乗車 == |
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運賃箱に運賃を入れないまたは、満たないを金額や遊戯施設のメダル等を意図的に運賃箱へ投入して降車する例や、偽造の回数乗車券・有効期限切れ定期乗車券を改竄して使用する事例もある。後払いの多区間制路線において、乗車後バスが進行し、整理券番号が変わった段階で他の乗客に紛れて整理券を不正に入手、またはICカードを改札機にタッチして正規の運賃支払いを免れるなど、鉄道以上に巧妙かつ悪質な事案が多数横行しており、仮に不正乗車を現認して注意をしても、接客態度が悪いなど過度に苦情を恐れ、注意や増運賃の徴収もできずに黙認しているのが現状である。なお乗車時以外の整理券詐取を防ぐため、複数のバス事業者において、整理券を1枚取るごとに[[電鈴|チャイム]]またはブザーが鳴る仕組みを取っ |
運賃箱に運賃を入れないまたは、満たないを金額や遊戯施設のメダル等を意図的に運賃箱へ投入して降車する例や、偽造の回数乗車券・有効期限切れ定期乗車券を改竄して使用する事例もある。後払いの多区間制路線において、乗車後バスが進行し、整理券番号が変わった段階で他の乗客に紛れて整理券を不正に入手、またはICカードを改札機にタッチして正規の運賃支払いを免れるなど、鉄道以上に巧妙かつ悪質な事案が多数横行しており、仮に不正乗車を現認して注意をしても、接客態度が悪いなど過度に苦情を恐れ、注意や増運賃の徴収もできずに黙認しているのが現状である。なお乗車時以外の整理券詐取を防ぐため、複数のバス事業者において、整理券を1枚取るごとに[[電鈴|チャイム]]またはブザーが鳴る仕組みを取っている。 |
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== タクシーでの不正乗車 == |
== タクシーでの不正乗車 == |
2021年4月16日 (金) 07:02時点における版
不正乗車(ふせいじょうしゃ)とは、鉄道を初めとする旅客輸送の旅客が、その乗車において、定められた乗車券類を所持せずに運賃・料金を不正に免れようとする行為。本記事ではバスやタクシーへの不正乗車、航空機(旅客機)への不正搭乗についても記述する。
鉄道での不正乗車
日本の鉄道における正当な乗車券の所持
日本の鉄道では利用者はICカードや乗車券をあらかじめ購入し、出発駅で改札処理を受け、到着駅で改札または集札処理を受けて駅の外に出る運賃収受方式が一般的である[1]。日本の交通機関では信用乗車方式がとられている例は極めて少なく、乗り越し精算が認められていることが多い。また、バスや路面電車では降車時の支払いが多く、目的地までの乗車券を持っていなかったとしても到着地で精算すれば必ずしも不正乗車には当たらない[1]。
キセル
区間の連続しない2枚以上の乗車券類を使用して、その間(乗車券を持っていない)の区間を乗車した場合、これは不正乗車に当たる。これをキセル(中間無札)と呼ぶ。敬老パスや福祉乗車証(後述)を併用する事例もみられる。
この意味の由来は、両端が金属、中央が竹でできているキセルとかけて、「両端だけ金を使っている」ということに掛けている[2]。なお、乗車券代節約のために乗車券を乗車区間の途中で分割して2枚(以上)にすることがあるが、これは各々の乗車券の有効区間が連続していれば、不正乗車ではない。
また、「薩摩守(さつまのかみ)」と言うことがある。これは狂言『薩摩守』が由来で、『薩摩守忠度(さつまのかみ ただのり)』の名前と「ただ乗り」をかけた言葉である。
有料道路の不正通行と同様に、途中の駅で乗車券を交換し、乗車駅に近い駅で下車するという不正乗車もまれに発生する。
経路外乗車
鉄道の運賃は実際に乗車した経路の通りに計算されることが原則であり[3]、乗車券に表記のない経路に無断で乗車すると、不正乗車として乗車券が無効となる[4]。ただし、大都市近郊区間や選択乗車、経路特定区間など、乗車券に表記のある経路以外に乗車可能な例外もあるほか、SuicaなどIC乗車カードにおいては最安運賃で自動計算する場合もある[5][6]。
折返乗車
いったん目的地と逆方向の駅に行って折返し、そのまま目的地に行く行為である。折り返す区間の運賃を払わなければ特例(分岐駅を通過する列車に乗車する場合など)で認められている場合を除き、不正乗車となる。目的地までの区間外の駅にある駅ナカ施設へ行ったり、ラッシュ時に着席するために列車の始発駅あるいは始発駅近くの乗客の少ない駅まで行って折り返し、目的地に行ったり、優等列車の通過駅から逆方向にある優等列車の停車駅に行って折り返し、本来乗る予定の列車を途中で通過して追い越し、目的地に早く到着したりする事例がある。初乗り分の運賃だけを支払い、列車を乗り回す行為も不正乗車にあたる(阪急で十三から大阪梅田まで行くのに神戸本線で西宮北口まで行き、そこから今津線、宝塚本線に乗って大阪梅田駅へ行った事例など。この場合乗車駅から目的地と逆方向に向かう列車に乗った段階で不正乗車となる。周遊きっぷなど有効な乗車券を利用している場合は別)。終着駅や始発駅手前駅の定期券利用者はそこまでの定期券を所持していることが多いが、東急東横線横浜駅からの乗客が、朝ラッシュ時に馬車道駅やみなとみらい駅で折り返して渋谷方面へ向かう行為が指摘された例があり、横浜高速鉄道は啓発ポスター掲示や監視を行っている[7]。ただし旅客が誤って区間外に乗車してしまった場合(目的地の駅に停まらない優等列車に乗ってしまいその先の駅まで行ってしまった場合など)は不正乗車とはならず、無賃送還の対象となる。なお、定期券利用者に対しては無賃送還の扱いが限定されている。定期に使うことを前提にしているため、誤っての乗車は限られるからである。
欧米の鉄道における正当な乗車券の所持
信用乗車方式
ヨーロッパの鉄道では、車内改札に重点を置き、利用客は発券された切符に日付が印字されていなければ予め駅等に備え付けられた刻印機で日付を刻印するシステムが一般的にとられている[8]。ヨーロッパの鉄道では信用乗車方式が採用されており、乗車駅から降車駅までの正確な乗車券を購入することを義務付け、乗り越し精算を認めていない交通機関も多い。そのため降車駅までの正確な乗車券を提示できなければ不正乗車とみなされうる[1]。また購入した切符への日付の打刻を忘れている場合も不正乗車とみなされることがある[9]。
オーストリア
オーストリアの公共交通機関では改札口又は車内での乗車券への刻印が義務付けられており、検札員の確認時に誤った区間の乗車券を持っていると罰金が科せられる[10]。
ロンドン地下鉄
ロンドン地下鉄では下車時の乗り越し精算の制度はなく確実に目的地までの乗車券を購入することとされており乗り越すと罰金が科せられる仕組みとなっている[11]。
その他不正乗車となる類型
偽造乗車券による不正乗車
有人改札では定期券をカラーコピーし、原券を払戻して使用していた事例がある。カラーコピーするとホログラムが浮かんだり、真っ黒or真っ白になる紙を鉄道事業者側が使用したことでカラーコピー使用は減ったが、金券屋では偽造券が混ざっていることがある。また、従業員・関係者が原紙を持出し、コピーして使用すると言う手口も発生している[12]他、2017年11月にはジャパンレールパスの偽造券を使用したオーストラリア人が逮捕された[13]他、2020年12月には青春18キップをパソコンで偽造して使用した国土交通省職員が逮捕されている[14]。
入場券等を利用した不正乗車
入場券や初乗り運賃で入場して列車に乗車し、目的駅に到着後、その駅に入場した協力者と合流、協力者からその駅の入場券を受け取り出場するという不正乗車がある。この場合、不正乗車の協力者が目的地側におり、協力者と事前に申し合わせている[15]。「迎え」や「MK」とも呼ばれている。
2013年3月には日本旅行の幹部社員2人が、静岡駅の新幹線改札口で、出場することで特急券が無効となるのを防ぐために迎えの者が事前に用意していた入場券を不正使用したとして、静岡中央警察署に逮捕された[16]が不起訴処分となった[17]。
コンサートや大規模イベントが開催される際、遠隔地からの来場者のためにファン仲間がこれを行う例がある。2017年11月には、AKB48グループのファンと主導者が遠隔地からの知人に対してそれぞれ不正乗車を幇助した容疑で逮捕されている[18][19]。なお、ファン同士の会報誌にこういった不正乗車支援が掲載されている事例もあったという。
なお、有人改札の場合は詐欺罪、自動改札の場合は電子計算機使用詐欺罪となる[20]。
他人名義・使用開始後の乗車券の貸与・譲渡
敬老パス・福祉乗車証を含め、記名式乗車券の場合、記名された人以外の人が使用すると不正乗車となる[21]。ただし、持参人式を採用している株主優待乗車(法人名義も多いため)や全線定期等の貸与・譲渡は問題ない。
敬老パス (名古屋市)では、IC化に伴って2017年3月から半年間の利用頻度を集計した際、半年間で40万円分以上使用した者が10人(うち50万円超の使用が2人)いたことから、第三者へ貸与・譲渡の可能性が疑われており、今後、利用回数制限や利用上限額を導入することを検討している。半年間で50万円利用は1日平均13回、最大2400回乗車したことになる[22]。
また、乗車券を使用開始した後に、その乗車券を他人に譲渡することは、たとえ無記名乗車券であっても不正乗車となる[23]。2019年には、福岡市地下鉄から委託されたJR九州サービスサポートの駅員が、拾得した1日乗車券を不正に利用した事案が発生している[24]。
草加市在住の都庁前駅職員が80代障害者の母親名義の「都営交通無料乗車証」(東京都シルバーパスとは異なる)を使用により、電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された。10年以上前から不正乗車を繰り返したとみて調べている。蔵前署によると17回乗車。運賃計3360円を支払わなかった疑いがあり[25]、2021年1月26日付の朝日新聞東京版で諭旨免職なった事が報道されている。
車外での不正乗車
乗客が乗車できる部分は本来車中の旅客乗用に供される部分に限られており、車両の屋根、外部側面など車外への乗車、荷物車・乗務員室・貨物列車などへの乗車も不正乗車となる。このような乗車は、運賃・料金の不正を禁ずる観点とは若干異なり、乗客の生命に危険が及ぶため禁止されている(鉄道営業法第33条など)。
日本では第二次世界大戦直後の混乱期に一時見られ[注 1]、日本国外でも一部の国で列車の屋根や側面にしがみ付く者が見られる[注 2]。
2000年代に入ってからも発生例がある。例えば、2002年には、停車駅で列車の連結部外側面にしがみ付いて乗車し、通過駅(JR神戸線住吉駅)で走行中の列車から飛び降り下車する乗客が確認されているが、この乗客は鉄道営業法違反容疑で捜査した[26]が消息が分からないまま、1年の公訴時効が成立している。また、2005年には運転士が3歳になる自身の長男を乗務員室に立入・同乗させるといった不正乗車や2011年(平成23年)には、湖西線近江舞子駅で、京都大学の学生らが、停車中の貨物列車に無断で乗車する騒ぎがあり、やはり鉄道営業法違反や、業務妨害で取り調べを受けている[27]。 2012年には、男性が京阪神地区の新快速の連結器部分にしがみ付き、御着駅で取り押さえられ鉄道営業法違反の現行犯で逮捕されている[28]。また、2019年には、大阪から福岡に向かおうと貨物列車に乗った外国人観光客の男性が厳重注意を受けている[29]。
なお、貨物車両への不正乗車などが常態化している国では列車事故の際に多数の死傷者が発生している[30]。
職務上の権限等を悪用した不正乗車
鉄道事業者および関連企業の従業員が職務乗車証を利用し、他事業者発行の磁気定期券の連続乗車ビットの機能を解除したり、ICカードの入場記録を自分や同僚に消去させる等、不正乗車を繰り返した例がある。
横浜市交通局では公私混同や不正乗車、又貸し、未返却が多発したほか、休職中の従業員にも発行するなど杜撰な管理体制が指摘されたため、2007年9月末日をもって職務乗車証および市議会議員パスを廃止した[31][32]。
2010年には各鉄道事業者で関係者による不正乗車が多数発覚した。そのほとんどは当事者の減給、自宅謹慎または出勤停止処分とされたが、場合によっては訓告、最悪の場合は懲戒解雇処分が下されている。無論、上長の監督責任も併せて問われることとなる。
車掌が勤務中に乗務する特急列車内で私用で乗車した同僚や知人に対して特急料金を意図的に収受しなかったり、実乗区間よりも短い区間の自由席特急券を発売した事例もある[33]。
JR東海では従業員が原紙を持出し、乗車券類を偽造使用すると言う手口も発生している[34]。
2017年3月、大阪府警察の30歳の巡査長が警察手帳を提示して「捜査だ」と言って無賃乗車を繰り返していた。福知山線の特急列車内で飲酒後に寝込んで乗り過ごしたことで不審に思った車掌が通報して発覚した[35]。なお、この巡査長は減給の懲戒処分を受けた他、150万円の運賃及び増運賃を請求された。
2019年、京王観光がマルスの発券業務を悪用した団体旅行の人数を誤魔化し、不足分は回数券を持たせ、入鋏印がなければ自社で払い戻すという不正乗車、横領が発覚。これは、修学旅行などの大口団体は改札係員も逐一数えない事を逆手に取った行為である。2月に業務停止処分を受け、4月19日にJRグループより正式に委託業務契約を解除[36]、同時に不正乗車額、約6千万円分の3倍に当たる約1億8千万円を請求した[37]。
法的処置
日本
日本の刑法 |
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刑事法 |
刑法 |
刑法学 ・ 犯罪 ・ 刑罰 |
罪刑法定主義 |
犯罪論 |
構成要件 ・ 実行行為 ・ 不作為犯 |
間接正犯 ・ 未遂 ・ 既遂 ・ 中止犯 |
不能犯 ・ 因果関係 |
違法性 ・ 違法性阻却事由 |
正当行為 ・ 正当防衛 ・ 緊急避難 |
責任 ・ 責任主義 |
責任能力 ・ 心神喪失 ・ 心神耗弱 |
故意 ・ 故意犯 ・ 錯誤 |
過失 ・ 過失犯 |
期待可能性 |
誤想防衛 ・ 過剰防衛 |
共犯 ・ 正犯 ・ 共同正犯 |
共謀共同正犯 ・ 教唆犯 ・ 幇助犯 |
罪数 |
観念的競合 ・ 牽連犯 ・ 併合罪 |
刑罰論 |
死刑 ・ 懲役 ・ 禁錮 |
罰金 ・ 拘留 ・ 科料 ・ 没収 |
法定刑 ・ 処断刑 ・ 宣告刑 |
自首 ・ 酌量減軽 ・ 執行猶予 |
刑事訴訟法 ・ 刑事政策 |
カテゴリ |
民事上の処置
鉄道営業法第18条および鉄道運輸規程第19条により、鉄道事業者は不正乗車をした者に対し、その乗車区間に相当する運賃とその2倍以内の増運賃(合計で3倍以内の額)を請求することが認められている[1]。鉄道運輸規程の条文上は運賃とだけあるが、料金を含むものと解される。乗車駅不明の場合は列車の始発駅から、乗車車両不明の場合は最優等の車両に乗ったものとして計算する。
これに基づき、各事業者の運送約款(旅客営業規則等)において詳細な内容が定められている。JRの場合、増運賃の額は法令による上限である2倍で、料金についても準用される。また、定期券を使用した不正乗車は、往復普通運賃に定期券の効力発生日から不正発覚日までの日数を乗じた額を乗車区間に相当する運賃とみなす場合があるので[38]、実際に不正乗車をしたのが発覚時のたった1回であっても、片道普通運賃の1,000倍以上の額を請求されることがありえる。
不正乗車に使用したきっぷや乗車カードは無効として回収される。よって、これらのきっぷについて支払った額やカード残額で相殺を求めることはできない。
刑事上の処置
基本的には鉄道営業法(第29条)違反となるが、親告罪となっている(同法第30条の2)。2010年頃からは、有効なきっぷを所持しない者が入ることを禁じた場所へ入ったものとして軽犯罪法(第1条第32号)違反で警察が検挙する例が見られる[39]。
常習の場合や悪質な場合は、逮捕・起訴されて裁判により刑事罰を受けることもある。鉄道営業法違反より重い詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪・偽造有価証券行使等罪に問われることもある。
欧米
欧米では不正乗車に対して割増賃金を定めている例もあるが、召喚状の送付や罰金を定めていることが多い[1]。
召喚状
ペナルティとして検札係が召喚状を作成し、裁判所を経由して対象者に送付し、異議がなければ罰金を支払い、異議があれば裁判となる制度を採用している交通機関がある[1]。
罰金
- ドイツでは不正乗車に対して原則40ユーロの罰金が科せられている[40]。
事業者等による対策
日本
1994年(平成6年)9月、阪急電鉄が自社の定期券を対象に自動改札機で入場処理と出場処理を交互に行わなければ改札を通過できないようにするシステム「フェアライドシステム」を導入[注 3]。不正乗車で用いられる入場券の販売数を比較すると50,000枚近く減少するなど、かなりの成果を挙げた。[41]これ以降、ストアードフェアシステムの導入による自動改札機の更新などにあわせて、これと同様のシステムの導入を進める事業者が増えた。また、入場から出場までの時間が規定時間を超えている場合、改札を通過できなくする事業者も増えている。
インドネシア
インドネシアでは、車両の屋根上に乗る不正乗車行為(ルーフライダー)が後を絶たず、毎年、転落などにより多くの死傷者を出していた。このため、インドネシア鉄道会社は2011年、首都ジャカルタに乗り入れる路線の一部で、線路の上方からコンクリート球をぶらさげ、物理的にルーフライダーを除去する手法を採用。ルーフライダーを一掃した[42]。加えて、日本から譲受した電車には冷房装置があり、ここから発せられる熱気によって無賃乗車が事実上不可能となり、ルーフライダーはほぼ自然消滅した。
ドイツ
ドイツでは、DB(ドイツ鉄道)などの公共交通機関では自動改札が設置されておらず、購入した切符を駅員の手や機械で切るという方式が採られている。そのため、いわゆる改札・自動改札が設置されていないが、列車内などでは定期的に検札官などによるチェックがなされ、無賃乗車(Schwarzfahrenと呼ばれる)が発覚すると高額の罰金が課される。この高額の罰金が抑止力となり、自動改札などがドイツ国内では導入されていない。
バスでの不正乗車
運賃箱に運賃を入れないまたは、満たないを金額や遊戯施設のメダル等を意図的に運賃箱へ投入して降車する例や、偽造の回数乗車券・有効期限切れ定期乗車券を改竄して使用する事例もある。後払いの多区間制路線において、乗車後バスが進行し、整理券番号が変わった段階で他の乗客に紛れて整理券を不正に入手、またはICカードを改札機にタッチして正規の運賃支払いを免れるなど、鉄道以上に巧妙かつ悪質な事案が多数横行しており、仮に不正乗車を現認して注意をしても、接客態度が悪いなど過度に苦情を恐れ、注意や増運賃の徴収もできずに黙認しているのが現状である。なお乗車時以外の整理券詐取を防ぐため、複数のバス事業者において、整理券を1枚取るごとにチャイムまたはブザーが鳴る仕組みを取っている。
タクシーでの不正乗車
タクシーに乗車したものの、最終的には運賃を支払わずに検挙される例がある。昨今発生している事例としては、長距離にわたって乗車し最終的には運賃を支払わないなど、1回あたりの被害額が高額になる例も多く報道されている。例えば、東京都大田区から青森市までタクシーを走らせ、28万円余りの運賃を支払うことなくタクシーを降りて逃走し、検挙された例がある[43]が、通常のタクシー会社では長距離の場合は事前に所持金を確認し、上司や運行管理者の承認を得てからの乗車が一般的である。
航空機での不正搭乗
小児運賃のほか、前述のように割引対象者を装ったりして購入した航空券を不正に使用したり、他人名義の航空券で搭乗する行為がある。この場合も不正搭乗となり、当該区間の最高額の運賃および料金と、その2倍相当額の請求となる[44]。
さらに大韓民国やインドでは、航空機に不正搭乗して同じく、当局に摘発されたケースがある[45]。
脚注
注釈
- ^ 都会から地方に買い出しに行く「買い出し列車」の例が有名。車内に入りきれない乗客が屋根に登る、壁面にしがみ付くなどしていた。そのような状況で起きた事故が八高線列車脱線転覆事故である。
- ^ バングラデシュ、インドネシア等ではドアからはみ出したり、屋根に乗ったまま電車が走行する光景が見られる。また、趣味やデモンストレーションとして車外乗車を実践する例が欧米には存在する。
- ^ 阪急の磁気定期券の場合、出場記録がなくても入場が可能となっており、他社線への乗越しや「フリーパスゲート」(学生専用出口・通勤専用出口、現在は廃止)への対応が図られていた。2008年(平成20年)まで南方駅など一部の駅で、定期券を係員に提示するだけで出場できる臨時出口が存在した。阪急電鉄 - フェアライドシステムに関する「よくあるご質問」にもその旨説明されている。
出典
- ^ a b c d e f 明星 秀一. “地域鉄道における運賃収受を考える”. 公益財団法人 鉄道総合技術研究所. 2019年7月23日閲覧。
- ^ “なぜ不正乗車を「キセル」と言うのか? 大正時代に「煙管乗り」という言葉も”. 乗りものニュース (2019年1月12日). 2019年1月13日閲覧。
- ^ JR東日本 旅客営業規則 67条、2011年7月31日閲覧。
- ^ JR東日本 旅客営業規則 167条10号、2011年7月31日閲覧。
- ^ 東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則、2011年7月31日閲覧。
- ^ 運賃計算の特例:JR東日本
- ^ 折返し乗車の対策をして欲しい - 横浜高速鉄道
- ^ JTBパブリッシング『ララチッタ アムステルダム・ブリュッセル』2015年、129頁
- ^ JTBパブリッシング『ララチッタ ミュンヘン・ロマンチック街道・フランクフルト(2016年版)』、61頁
- ^ JTBパブリッシング『ララチッタ ウィーン・プラハ(2016年版)』、15頁
- ^ JTBパブリッシング『ララチッタ ロンドン(2015年版)』、129頁
- ^ ニュースリリース - JR東海 Central Japan Railway Company
- ^ またもやカラーコピーで無賃乗車!JR東海見破る - 東京アイランド
- ^ https://www.sankei.com/affairs/news/201222/afr2012220035-n1.html
- ^ アイドルファンの遠征で横行する「キセル手助け」の常套手段「MK」、どんな罪? - 弁護士ドットコム
- ^ 「特急券無効になる」仕事の打ち合わせで入場券不正 日本旅行幹部2人逮捕 - msn産経ニュース 2013.3.20
- ^ 旅行会社の幹部不起訴 静岡地検 - 静岡新聞 2013/3/29
- ^ ファン同士、新幹線キセル乗車助けた疑い「全国に仲間」 - 朝日新聞、2017年11月24日
- ^ 仲間の「キセル」手助け容疑=アイドルファンの男ら逮捕-警視庁 - 時事通信、2017年11月24日
- ^ アイドルファンの遠征で横行する「キセル手助け」の常套手段「MK」、どんな罪? - 弁護士ドットコム
- ^ 知らずにしてるかも? 鉄道の不正乗車 - 恵知仁、乗りものニュース、2014年10月26日
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- ^ https://www.msn.com/ja-jp/news/national/e9-9a-9c-e5-ae-b3-e8-80-85-e7-94-a8-e7-84-a1-e6-96-99-e5-88-b8-e3-81-a7-e4-b8-8d-e6-ad-a3-e4-b9-97-e8-bb-8a-e5-ae-b9-e7-96-91-e9-83-bd-e5-96-b6-e5-a4-a7-e6-b1-9f-e6-88-b8-e7-b7-9a-e3-81-ae-e9-a7-85-e5-93-a1-e9-80-ae-e6-8d-95/ar-BB1b9XnN
- ^ 時速100キロの新快速から飛び降り、平然と去る――JR住吉駅 - ウェイバックマシン(2002年7月5日アーカイブ分)
- ^ 貨物列車飛び乗り「名水めぐり」 大学生3人を取り調べ 朝日新聞 2011年8月24日
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- ^ 貨物列車に外国人乗り込む、大阪 「福岡まで行きたかった」千葉日報 2019年6月1日
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- ^ http://www.city.yokohama.lg.jp/koutuu/kigyo/newstopics/2007/n20070821.html[リンク切れ]
- ^ 車掌、特急券をまた不正発行=私用で乗車の同僚に 時事通信社『時事ドットコム』、2010年9月10日
- ^ ニュースリリース - JR東海 Central Japan Railway Company
- ^ 大阪府警 手帳示し「捜査だ」JRに不正乗車の巡査長処分 - 毎日新聞、2018年1月25日
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- ^ 京王観光に1・8億円請求 不正乗車でJR6社:日本経済新聞
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