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'''テレビ'''は、'''テレビジョン'''及び「[[テレビ受像機]](テレビジョンセット、{{lang-en-short|television set}})」の略語。一般には次のような文脈で用いられる。[[漢字]]表記は'''電視'''。<!-- (映像と音声がセットになって送られてくるため。← 左記のSet, セットは英語で備える、据え置きやその装置の意味であり、日本語の「組み合わせ」そのものの意味はない、 -->
'''テレビ'''は、'''テレビジョン'''及び「[[テレビ受像機]](テレビジョンセット、{{lang-en-short|television set}})」の略語。一般には次のような文脈で用いられる。[[漢字]]表記は'''電視'''。<!-- (映像と音声がセットになって送られてくるため。← 左記のSet, セットは英語で備える、据え置きやその装置の意味であり、日本語の「組み合わせ」そのものの意味はない、 -->


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* 1936年 - [[ハンガリー]]の{{仮リンク|ティハニィ・カールマン|en|Kálmán Tihanyi}}、[[プラズマディスプレイ|プラズマテレビ]]の原理を示す。世界初の[[薄型テレビ|フラットディスプレイ]]の概念。
* 1936年 - [[ハンガリー]]の{{仮リンク|ティハニィ・カールマン|en|Kálmán Tihanyi}}、[[プラズマディスプレイ|プラズマテレビ]]の原理を示す。世界初の[[薄型テレビ|フラットディスプレイ]]の概念。
* 1939年 - アメリカ合衆国の[[NBC]]{{Sfn|伊予田|田村|八木|上滝|1998|pp=12-13}}、ソビエト連邦の国営放送がテレビ定時放送を開始。
* 1939年 - アメリカ合衆国の[[NBC]]{{Sfn|伊予田|田村|八木|上滝|1998|pp=12-13}}、ソビエト連邦の国営放送がテレビ定時放送を開始。
* 1941年 - 3月、アメリカ合衆国で[[NTSC]]方式による白黒テレビ放送開始<ref name="USAstopNTSC">{{Cite web|date=2009-06-12|url=http://www.atsc.org/communications/press/2009-06-12-NTSC_End_Final.php|title=ATSC SALUTES THE ‘PASSING’ OF NTSC|publisher=[[NTSC]]|language=[[英語]]|accessdate=2009-06-13|deadlinkdate=2011-10-21|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090620084429/http://www.atsc.org/communications/press/2009-06-12-NTSC_End_Final.php|archivedate=2009年6月20日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。
* 1941年 - 3月、アメリカ合衆国で[[NTSC]]方式による白黒テレビ放送開始<ref name="USAstopNTSC">{{Cite web|date=2009-06-12|url=http://www.atsc.org/communications/press/2009-06-12-NTSC_End_Final.php|title=ATSC SALUTES THE ‘PASSING’ OF NTSC|publisher=[[NTSC]]|language=[[英語]]|accessdate=2009-06-13|deadlinkdate=2011-10-21|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090620084429/http://www.atsc.org/communications/press/2009-06-12-NTSC_End_Final.php|archivedate=2009年6月20日}}</ref>。
** [[有馬哲夫]]の『テレビの夢から覚めるまで』<ref name="arima1997">{{Cite book |和書 |author=有馬哲夫 |authorlink=有馬哲夫 |title=テレビの夢から覚めるまで アメリカ1950年代テレビ文化社会史 |accessdate=2017-06-24 |date=1997-02-15 |publisher=国文社 |language=日本語 |isbn=4772004297 }}</ref>によれば、1950年代に米国でテレビが一般家庭に普及し始めた頃、アメリカの人々は大真面目に以下のように思っていたという<ref name="kayama2006">{{Cite book |和書 |author=香山リカ |authorlink=香山リカ (精神科医) |title=テレビの罠-コイズミ現象を読み解く |accessdate=2017-06-23 |date=2006-03-10 |publisher=株式会社筑摩書房 |location=東京都 |series=ちくま新書588 |language=日本語 |isbn=4480062963 |page=202 }}</ref>。
** [[有馬哲夫]]の『テレビの夢から覚めるまで』<ref name="arima1997">{{Cite book |和書 |author=有馬哲夫 |authorlink=有馬哲夫 |title=テレビの夢から覚めるまで アメリカ1950年代テレビ文化社会史 |accessdate=2017-06-24 |date=1997-02-15 |publisher=国文社 |language=日本語 |isbn=4772004297 }}</ref>によれば、1950年代に米国でテレビが一般家庭に普及し始めた頃、アメリカの人々は大真面目に以下のように思っていたという<ref name="kayama2006">{{Cite book |和書 |author=香山リカ |authorlink=香山リカ (精神科医) |title=テレビの罠-コイズミ現象を読み解く |accessdate=2017-06-23 |date=2006-03-10 |publisher=株式会社筑摩書房 |location=東京都 |series=ちくま新書588 |language=日本語 |isbn=4480062963 |page=202 }}</ref>。
**{{Quotation|テレビは、神からのクリスマス・プレゼントだ。われわれは、このプレゼントを手にして娯楽のことばかりを考えるのではなく、人類の善意と地上の平和のことを、そして、それにいかに役立てるかをも考えなければならない。テレビを通じて、いかにひとびとの蒙を啓き、偏見を根絶し、理解を深めるかに心くだかなければならない。テレビこそ、その未来を開いてくれるだろう。|有馬哲夫|『テレビの夢から覚めるまで アメリカ1950年代テレビ文化社会史』(1997年/国文社)}}
**{{Quotation|テレビは、神からのクリスマス・プレゼントだ。われわれは、このプレゼントを手にして娯楽のことばかりを考えるのではなく、人類の善意と地上の平和のことを、そして、それにいかに役立てるかをも考えなければならない。テレビを通じて、いかにひとびとの蒙を啓き、偏見を根絶し、理解を深めるかに心くだかなければならない。テレビこそ、その未来を開いてくれるだろう。|有馬哲夫|『テレビの夢から覚めるまで アメリカ1950年代テレビ文化社会史』(1997年/国文社)}}

2021年4月24日 (土) 09:52時点における版

テレビ受像機。

テレビは、テレビジョン及び「テレビ受像機(テレビジョンセット、: television set)」の略語。一般には次のような文脈で用いられる。漢字表記は電視

  • テレビジョン放送あるいは通信遠隔監視に使用される、遠方へ映像を送る技術(映像機器を含む)。本項で詳述。
  • テレビジョン放送:主として動画電波を使って、不特定多数のために放送する仕組み。通常は動画に加えて音声、あるいはデータ等の付加情報を送ることができる。電波を使用せず有線で送出するケーブルテレビ(CATV)もある。本項で詳述。
  • テレビジョン放送で送られる番組(プログラム)。⇒テレビ番組を参照。
  • テレビジョン放送を視聴するための受信機。⇒テレビ受像機を参照。

大きさに使われる単位の1インチは2.54センチメートル

語源・定義

「テレビジョン」はフランス語のtélévisionテレヴィジオン)に由来し、「TV」と略されることも多い。なお、tele-τηλε)はギリシア語の「遠く離れた」、「vision」はラテン語で「視界」の意味である。

日本の電波法では「テレビジョン」は「電波を利用して、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を送り、又は受けるための通信設備」と定義されている[1]。また放送法ではテレビジョン放送は「静止し、又は移動する事物の瞬間的影像及びこれに伴う音声その他の音響を送る放送(文字、図形その他の影像(音声その他の音響を伴うものを含む。)又は信号を併せ送るものを含む。)」と定義されている[2]

中国語では電信と電話を継いで電視と呼ばれる。

テレビの歴史

通史

19世紀

20世紀

  • 1907年 - ロシアボリス・ロージング、ブラウン管によるテレビ受像機を考案し特許出願。
  • 1908年 - イギリスのキャンベル・スウィントン、撮像側にも陰極線管を使った電子式走査法の概念を科学雑誌『ネイチャー』に発表。全電子式テレビジョンを示唆。
  • 1911年 - ロシアのボリス・ロージング、世界で初めてブラウン管を用いたテレビの送受信実験を公開。撮像に機械式のニプコー円板を、受像に電子式のブラウン管をそれぞれ用いた。簡単な図形の輪郭の受像に成功。しかし実用レベルの受像に至るには撮像側の電子化が求められ、映像を電気信号に変換する撮像管の開発や、映像信号を増幅する真空管の発達を待たねばならなかった。
  • 1925年 - スコットランドジョン・ロジー・ベアード機械式テレビジョンの開発。撮像と受像に機械式のニプコー円板を用いた。見分けられる程度の人間の顔を送受信することに成功。
  • 1925年 - アメリカ合衆国のチャールズ・フランシス・ジェンキンスが機械式テレビの画像を8キロメートル離れた地点間で無線送受信する公開実験を行う。
  • 1926年 - スコットランドジョン・ロジー・ベアード、ロンドンの王立研究所で動く物体の送受信の公開実験に成功。
  • 1927年 - アメリカ合衆国のフィロ・ファーンズワース、世界初の撮像管「イメージディセクタ」による映像撮影に成功。ブラウン管に「$ $」を表示。同年、撮像・受像の全電子化が達成される。
  • 1928年 - イギリスのジョン・ロジー・ベアード、カラーテレビの公開実験に成功。
  • 1929年 - イギリスの英国放送協会(BBC)、ドイツの国家放送協会がテレビ実験放送開始[3](以降、特記のない限り白黒テレビ)。
  • 1931年 - アメリカへ亡命したロシアのウラジミール・ツヴォルキン、電子走査式撮像管「アイコノスコープ」を考案し特許出願。
  • 1932年 - 8月、イギリスBBCで世界初の定期試験放送(機械式、週4日)開始。正式開局は1936年。
  • 1934年 - 11月、ソビエト連邦がテレビ試験放送を開始。
  • 1933年 - アメリカのウラジミール・ツヴォルキンが、自身開発のアイコノスコープで野外の景色を撮像することに成功[3]
  • 1935年 - ドイツでベルリンオリンピックのテレビ中継が行われる。
  • 1936年 - ハンガリーティハニィ・カールマン英語版プラズマテレビの原理を示す。世界初のフラットディスプレイの概念。
  • 1939年 - アメリカ合衆国のNBC[3]、ソビエト連邦の国営放送がテレビ定時放送を開始。
  • 1941年 - 3月、アメリカ合衆国でNTSC方式による白黒テレビ放送開始[4]
    • 有馬哲夫の『テレビの夢から覚めるまで』[5]によれば、1950年代に米国でテレビが一般家庭に普及し始めた頃、アメリカの人々は大真面目に以下のように思っていたという[6]
    • テレビは、神からのクリスマス・プレゼントだ。われわれは、このプレゼントを手にして娯楽のことばかりを考えるのではなく、人類の善意と地上の平和のことを、そして、それにいかに役立てるかをも考えなければならない。テレビを通じて、いかにひとびとの蒙を啓き、偏見を根絶し、理解を深めるかに心くだかなければならない。テレビこそ、その未来を開いてくれるだろう。 — 有馬哲夫、『テレビの夢から覚めるまで アメリカ1950年代テレビ文化社会史』(1997年/国文社)
  • 1946年 - RCA、撮像管「イメージオルシコン」を開発[7]
  • 1951年 - アメリカCBSが、独自規格(CBS方式)のカラーテレビ放送を開始[7]
  • 1953年 - 12月、アメリカ合衆国におけるカラーテレビ放送標準規格がNTSC方式に統一[4]
  • 1954年 - 1月23日、アメリカNBCが、NTSC方式によるカラー本放送開始。
  • 1956年 - アンペックス社、白黒2インチVTR1号機「VR-1000」を発表。3年後にはカラーVTRの発表に至る[7]
  • 1962年 - 12月13日、通信衛星リレー1号」打ち上げ成功[7]。後述の日米衛星中継試験に用いられた。
  • 1965年 - イギリスがカラーテレビ放送標準規格としてPAL方式を採用[7]
  • 1967年 - フランスSECAM方式によるカラー放送開始[7]
  • 1984年 - フランスで世界初の有料多チャンネル放送Canal+がサービス開始[7]
  • 1988年 - 9月より、BBCがDVB-T形式による世界初のデジタルテレビ放送試験放送を開始。
  • 1995年 - 7月、デジタルテレビ放送等のための映像・音声データ圧縮フォーマット基準MPEG-2が策定される[7]

21世紀

  • 2009年 - 6月12日、アメリカ合衆国でほとんどのNTSC方式の放送停止。ATSC方式デジタルテレビ放送へ全面移行[4]

各国のテレビ史

日本

1940年代以前
  • 1926年 - 12月25日、浜松高等工業学校高柳健次郎が浜松高工式電子式テレビ受像機(ブラウン管テレビ)を開発発表した。撮像に機械式のニプコー円板を、受像に電子式のブラウン管を用いた。「イ」の字を表示させたことで知られる。この功績により高柳は「日本のテレビの父」と呼ばれる。
  • 1930年3月17日 - 1925年から早稲田大学の山本忠興川原田政太郎はテレビジョンの研究に着手し、30年に早大式テレビ(機械式テレビ)を完成し公開した。同30年に山本はこの発明により十大発明家の一人として宮中賜餐の栄に浴した。
  • 1931年7月 - 川原田らは早稲田大学戸塚球場にて行われた同学野球部の試合を、理工学部実験室まで送信することに成功した。これが世界初の屋外実況中継となる。
  • 1931年 - 日本放送協会(省略NHK)放送技術研究所でテレビの研究開始。
  • 1932年 - 早大式は有線から無線電波式に改良された。
  • 1933年 - 早大式に日本放送協会から多額の研究資金が提供され、同年秋に日本最初のテレビジョン研究室が同大学構内に建設された。
  • 1934年 - この年の1月12日付の新聞で山本は「将来的に映画に匹敵する画質」「生中継ではなく、撮影を行い、適宜に編集を行った上で放送するようになる」と発言している。
  • 1935年3月 - 5月まで横浜で開催された関東大震災復興記念横浜大博覧会にて、逓信省電気試験所の曽根有(山本忠興門下)らが開発したテレビジョン電話試作機が展示された。テレビ電話の先駆けとなるこの機械は、双方の視線をちゃんと合わせる改良が施された後、1937年以降は大阪市立電気科学館に設置された。
  • 1937年 - この頃から高柳がNHKに出向し、1940年に予定されていた東京オリンピックを見据えてのブラウン管式テレビジョン研究に参加する。
  • 1939年 - 3月に日本でNHK放送技術研究所によるテレビ実験放送開始。5月13日には公開実験[8]
  • 1940年 - 4月13日、日本初のテレビドラマ夕餉前」の実験放送。東京オリンピックは日中戦争激化の影響などを受けて中止となり、テレビジョン研究は中止され、技術者は無線通信やレーダーの開発を求められた。
  • 1945年 - 敗戦直後、日本のテレビ研究がGHQにより禁止される[9]
  • 1946年 - 高柳は弟子らと共に日本ビクターに入社しテレビジョンの研究を続けた。7月、テレビ研究禁止令が解除され、11月よりNHKが研究を再開した[9]
  • 高柳が中心となりNHK、シャープ、東芝と共同でテレビジョン放送技術とテレビジョン受像機を開発した(後述)。
1950年代
ファイル:Old tvset.jpg
1955年 三菱電機TV受像機の広告
1958年の14インチTVセット
テレビの世帯普及率の推移
  • 1950年 - 5月、電波法放送法電波監理委員会設置法の「電波3法」施行。
  • 1951年 - GHQの要請により電波監理委員会メンバーが視察のため渡米[9]。その後、アメリカから3人のコンサルタントが来日。軍事戦略のひとつとして占領国でのテレビ放送利用を重要視していたアメリカの圧力によりアメリカ式(NTSC方式)の技術標準が日本で採用される[9]
  • 1952年 - 松下電器産業(パナソニックの前身)が日本初の民生用テレビを発売[10]
  • 1953年
    • 1月 - シャープが国産第1号のテレビ「TV3-14T」を発売[11]。価格は175,000円。
    • 2月1日 - NHK東京テレビジョン(コールサインJOAK-TV)のテレビ放送開始(日本初の地上波テレビ放送の開始)。
    • 8月28日 - 日本テレビ(NTV、コールサインJOAX-TV)、テレビ放送開始(民間放送初のテレビ放送の開始)。またこの日、日本初のテレビCMを放送する際、画面が裏返しに映る放送事故が発生した。
    当時の主な番組は大相撲プロレスプロ野球などのスポーツ中継や、記録映画など。
  • 1954年 - 4月、電電公社の整備による放送用無線中継回線が開通。
  • 1955年 - 4月1日、ラジオ東京テレビ(コールサインJOKR-TV)がテレビ放送開始。ラジオ局として発足した放送局による初のテレビ放送開始。TBSテレビの前身。
    • 以降の民間放送開局年月日は民間放送#沿革参照。
    • 当時、白米10キログラムが約680円、銭湯の入浴料が約15円であったのに対し、テレビ受像機の価格は約20万〜30万円であり、一般人にとっては非常に高価であったため、多くの大衆は繁華街や主要駅などに設置された街頭テレビ、土地の名士などの一部の富裕世帯宅、客寄せにテレビを設置した飲食店などで番組を見ていた。
    • 7月 - NHK放送技術研究所、イメージオルシコンの国産化に成功。
  • 1956年 - 12月、NHKのカラーテレビ実験放送開始(UHF帯を使用)[12]
  • 1957年 - 12月28日、NHK東京・日本テレビがカラー試験放送開始(VHF帯を使用)。
  • 1958年
    • 1月23日 - 日本民間放送連盟(民放連)が「放送基準」を制定[13]
    • 9月1日 - 映画会社主要6社が、この日よりテレビ局への作品販売や所属俳優の派遣を完全に停止(六社協定[14]。この前後、各局では代替としてアメリカ製のテレビ映画を大量に輸入し、主力番組として放送した。この状況は1961年10月クールの週53作[15]を最盛期に、1970年頃まで続き、高い人気を得た作品も少なくない。
    • 12月23日 - 東京タワーからテレビ電波の送信開始[13]
    • この年、大阪テレビ放送が、世界ではじめて飛行中のヘリコプターからの生放送に成功。
  • 1959年
1960年代
1970年代から1990年代
2000年代以降
フラットハイビジョンブラウン管テレビ(2000年)
ハイビジョン液晶テレビ

テレビの技術

媒体

伝送方式

  • アナログ放送:カラー方式やパラメータに違いはあるが、衛星放送以外は基本的にどれも、アナログコンポジット映像信号をアナログ変調(振幅変調#残留側波帯、VSB)で、アナログ音声信号をアナログの周波数変調(FMラジオ放送と基本的に同様の方式)で伝送する放送方式(衛星放送は映像はFM、音声はデジタル)。
  • 世界の放送方式
    • NTSC
    • PAL
    • SECAM
    • MUSE:アナログハイビジョンのディジタル圧縮アナログ伝送方式。
  • デジタル放送:すべての映像・音声・付加情報をデジタル変調方式(OFDM、QPSKQAMなど)で伝送する放送方式。日本ではISDB(統合デジタル放送)とも呼ばれる。

放送機器

テレビ受信機

TVチューナーのようなコンポーネント型の機器もあるが、基本的に複合型の機器が多い。

送信所設備

演奏所設備

演奏所設備をスタジオ機器と言うこともある。この場合撮影スタジオに置かれる機器だけを指すのではなく局舎内の放送関連機器全般を指す。主な物を以下に示す。

画質

音量

付加情報

視聴方法

放送の受信はアンテナまたはケーブルテレビ局などから信号を受け取りチューナーで選局され映像信号に変えられて、テレビ受像機やDVDレコーダー等の録画機に導かれる(一般に録画機は再生機能も持つが、ここでは録画機と表記する)。

アナログ放送もデジタル放送も次の機能や機器によって受信し視聴や録画を行うのは同じことである。

  • チューナーから映像・音声信号をテレビに接続し視聴する。
  • チューナーから映像・音声信号を録画機を経由してテレビに接続し視聴、録画する。
  • チューナーから映像・音声信号を録画機に接続し録画のみを行う。
  • チューナー内蔵録画機から映像・音声信号をテレビに接続し視聴、録画する。
  • チューナー内蔵テレビで直接視聴する。
  • チューナー内蔵録画機で録画のみを行う。

かつては地上アナログ放送専用のチューナーと呼ばれる単体商品も存在した。これはゴーストキャンセル機能の強化や、音声多重機能のないテレビやビデオデッキに対しその機能を提供する目的で製造されていた。エントリークラスでもテレビで5万円、家庭用ビデオデッキで10万円を下らなかった時期に登場したものだが、NEC等1990年代に入っても生産していたメーカーも存在する。

視聴時間

2005年度のフランス・カンヌで開催されたテレビ番組の国際見本市「MIPTV」で発表された統計によると、世界で最もテレビを見る時間が長いのは日本人で、1日のテレビ視聴時間は平均5時間1分だった。2位は米国で4時間46分。世界平均は米国より90分少ない。最下位は中国とスウェーデンの2時間30分だった。

テレビ離れ

日本
NHKの行った「国民生活時間調査」によると、日本人のテレビ視聴時間は平均4時間、日曜日は5時間以上。70代以上は平日でも男女共に5時間以上テレビを見ている。一方、20代男性だけはテレビを見る割合が5年前と比べてはじめて8割を下回り、「全く見ない」という人も20%存在した。10代から20代の若年層については、テレビの視聴時間は年ごとに減少している[30]
米国
米国の大学生で1週間に10時間以上テレビを見る割合は17%。一方で1週間にインターネットを10時間以上利用する人の割合は43%だった[31]

テレビ番組の制作

テレビ番組の制作に関連する項目には次のようなものがある。詳しくは制作スタッフを参照。

身体と精神の健康に与える影響

心疾患

  • オーストラリア、メルボルンのベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のデビッド・ダンスタンによると、テレビの視聴が1日2時間未満の人と比べて、4時間以上の人は、あらゆる要因によって死亡する危険性が46%高い[32]。また、心疾患にかかる危険性は80%高い。また、小型モニターの長時間視聴は心臓の負担になる。調査は8,800人を対象に6年間にわたって行った。年齢や性別、喫煙、体重、運動などの影響は除かれている[33]

肥満・食生活

  • 米国ハーバード公衆衛生大学栄養学部のフランク・B・ルー[注釈 1]らの研究グループが5万人以上の女性看護師を対象に行った2004年の調査によると、テレビの視聴時間が多いほど、肥満と糖尿病のリスクが高い[34]。一日の視聴時間が2時間増えるごとに、肥満の相対リスクは23%、2型糖尿病の発症は14%、統計的に有意に増える(95%信頼区間)。調査において、年齢、喫煙、飲酒、食事の影響は調整している。
  • ハーバード大学医学部のソニア・A・ミラー[注釈 2]によると、テレビを長く見る幼児ほど、食生活が悪い[35]。研究結果では、テレビの視聴時間が1時間長くなる度に、1日の摂取カロリーが46カロリー増えていた。実際にテレビが食生活を悪くさせるのかどうかは明らかではないがソニア・A・ミラーは、コマーシャルやテレビを見ながらの食事が、悪い食生活を招くとしている。調査は平均年齢3歳の幼児を対象に行われ、母親達からテレビの視聴時間と食事内容を聞いた。
  • カナダのトロント大学の栄養士ハービー・アンダーソン[注釈 3]による小児肥満症の研究において、子供がテレビを見ながら食事をすると肥満になる可能性が高まることが分かった。研究結果によると、テレビを見ながら昼食を食べる子供は、テレビを見ない子供に比べて228カロリー余分に多く摂取している[36]。テレビを見ながら食事をすると、いつ食事を止めるべきかの判断力が奪われてしまうからである。
  • テレビを見て過ごすことは、体重増加、過体重、肥満の危険因子として指摘されている[37]
  • 韓国のテレビ番組の実験ではテレビの視聴をやめることは、夫婦間の関係を改善するなどの利点があった[38][39]。実験は、ケーブルテレビの教育チャンネル「EBSテレビ」が韓国南部の離島、多浪島で3週間にわたって行った。同島の村に住む全28人の住民を対象に、各家庭には監視カメラを設置し、テレビの視聴を禁じた。実験終了後のアンケート調査では、大半の被験者は以前よりもテレビの視聴時間を減らし、読書や夫婦間の対話、宗教活動が増え、精神的に豊かになったと感じていた。

注意欠陥障害

  • ワシントン大学小児科学部のディミトリ・クリスタキス博士によると、乳幼児期にテレビの視聴が多いほど、注意欠陥障害になる可能性が大きい[40]。1歳と3歳の2,623人を調査した。視聴時間が1時間増えるごとに、7歳時に注意欠陥障害になる可能性が10%増えた。

暴力の誘発

  • メアリー・G・バーク医学博士によると、テレビ、ビデオコンピュータ・ゲームといった映像メディアと子供の行動の関係についての数々の研究において、映像メディアの視聴時間と子供の暴力性は関連があり[41]、映像メディアを見る時間が少ないほど子供の攻撃性は弱まる。映像メディアの過剰な視聴は子供の行動を堕落させることが示されている。過剰な映像メディアの視聴が原因で精神障害が起きたあるいは悪化した事例もあり、メアリー・G・バーク医学博士が治療に当たった6歳の子供は衝動的攻撃性を持ち、在学に支障を来すほど症状は深刻で、最初は注意欠陥・多動性障害(ADHD)と診断された。この児童は就学前から毎日3、4時間テレビを見ていたが、見ていたのは一般向け番組だけであった。この児童は感情を表すことがなく、特に楽しいという気持ちが欠如していた。しかしバークが遊技治療を行い、6か月にわたりテレビ視聴時間を週4時間に減らした結果、この児童は喜びの感情を表すようになり、攻撃的な行動は減った[41]
  • 日本の1998年の内閣府調査[42]では、テレビの暴力シーンを多く見る子供ほど暴力を振るいやすいなどといった影響があると結論づけている[42]。調査対象となった子供は小学6年生と中学2年生、3,242人だった。この調査では、テレビの暴力シーンを見た量を「上位群」「中位群」「下位群」に分け、暴力シーンを多く見た量が多いほど、最近1年間で暴力行為を経験した子供の割合が多かった。一方、暴力被害に遭った子供の数は暴力シーンを見た量との関連は見られなかった。また非行・不良行為の経験と暴力シーンを見た量に関連が見られた。暴力シーンを見る量が多いほど非行・不良行為の経験をした子供の割合は多かった。「相手からやられたら、やりかえしてもよい」「男がケンカをするのはあたりまえだ」といった「暴力の許容性」についての調査は、調査項目7項目中5項目において、暴力シーンを見る量が多い子供ほど、暴力を許容する内容に賛成する子供の割合が多かった。「被害者への共感性」の調査では、暴力シーンを多く見る子供ほど、暴力被害者のつらさに対する共感性が低かった。また保護者への同内閣府調査で「Vチップ」制度について聞いたところ、「積極的に導入すべきである」と「導入を検討すべきである」を合わせて、父親が42%、母親が45%だった。「導入の必要はまったくない」と「あまり導入の必要はない」は、父親が46%、母親が34%だった。
  • 科学誌サイエンスに載ったマックス・ワイス[注釈 4]らの研究によると、テレビ番組で黒人差別をする発言があからさまに言われなくとも、テレビで描かれるふるまいや行動が、視聴者の黒人に対する差別的な見方や行動を生み出すという[43]。バイスブーフ[注釈 5]らの研究では、偏見の非言語的な描写を含む番組を見る頻度と個人が持つ偏見に関連があることが分かった[44]

こどもへの影響

米国のこどもは1日平均3時間テレビを見ており、高校卒業までに合計3年間テレビ視聴に費やしていることになる[45]。また近年は生活習慣病の低年齢化も進行しており、I型糖尿病だけでなく小児でもII型糖尿病が増加し、小児肥満も増加している[45]。米国の調査ではテレビの視聴時間が長い小児ほど肥満の率が高い[45]。テレビの長時間視聴によって運動時間が減り、野菜や果物の摂取量が少なくなるという報告がなされている[45]CMや番組等でのハンバーガースナック菓子ソフトドリンクの映像による刺激がそうした症状の原因のひとつともなっている[45]エレン・ラペル・シェル食品業界にとって小児が大きなターゲットとなっており「家族の食費の鍵を握るのは子供である」といっている[46]

心理学者のAric Sigmanはテレビの視聴は子供の健康に悪影響を与え[47]、幼児期におけるテレビの視聴が多いほど、睡眠時間も不規則になり、免疫システムにも悪影響をおよぼし[47]自閉症や視力低下、肥満を引き起こす。また、テレビの視聴はホルモンメラトニン」の分泌を抑制し、その結果DNA変形を引き起こし、の原因になる可能性がある[47]。そのため、3歳未満の子供はテレビを観るべきではないと言っている[48][47]。また毎日視聴する場合はアルツハイマー疾患の可能性も高くなる[47]。またテレビ視聴を減らすことで、国民健康保険制度(National Health Service、NHS)の負担を減らすこともできると提言している[47]

カナダのモントリオール大学と米国ミシガン大学の研究[注釈 6]では、幼児期にテレビを長時間見ていた子供は、学校での適応能力の欠如、いじめに遭いやすい、数学などの学力低下、運動不足、ジャンクフードの過食、肥満度(BMI)が高いといった問題が起きると発表した[49]

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会は、乳幼児にテレビを長時間見せると、言語発達が遅れる危険性があるとして、2歳以下の子供にテレビを長時間見せないことを提言している[50][51]。同委員会によると、子供に知識を教えるためにテレビを見させる親もいるが、言語能力は大人との双方向の関わりが必要であり、一方的に聞くだけでは発達しない。同委員会の調査結果では、子供の長時間視聴は、1歳6か月の時点における意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係があった[51]

日本の文部科学省は2003年から2004年にかけての調査でTVゲームが予想以上に暴力性を誘発すること、視力低下などは確認されたが、社会的不適応といった問題については有用性も認められるともし、今後、悪影響とよい影響の双方から多角的に研究すべきとした[52]

アメリカのランド研究所の研究によると、10代の男女は、性描写のあるテレビ番組を見る子供ほど妊娠する・させる可能性が高い[注釈 7]。また性描写を含むテレビ番組を最も多く見る子供は、最も見ない子供と比べて妊娠する・させる可能性が2倍だった[53]

中国の「華西都市報」によると、14歳の少年がアニメ『トランスフォーマー』に影響されてガソリンを5年間飲み続けていたことで、知能障害に陥っていることが分かった。同作品のキャラクターがガソリンの補給でパワーアップする姿に感化されたという。少年は以前、ガスを吸い込んでいたという経緯もあった[54]

行政の対応

  • 鳥取県西伯郡南部町では、南部町教育振興会が毎月1日と15日に、テレビを見ないよう町民に呼びかける「町内一斉ノーテレビデー」キャンペーンを実施している[55]。生活習慣の改善や親子のふれあいを増やすことなどを目的としている。また、テレビを長時間視聴すると前頭葉が働かなくなり、怒りっぽくなったり、集中力や記憶力の低下などの症状がでると警告している。

テレビに関する啓発映画

1950年代から1960年代にかけて、テレビの構造や原理などを紹介するための短編映画が2本制作されている。

一つは日本に於けるテレビ本放送が始まる前の年(1952年)にNHKの協力を得て日映科学映画製作所が制作した『テレビジョン』で、テレビ(受像器)及びテレビカメラの原理の紹介の他、本放送開始を前にしてNHKのテレビ実験局で行われたスタジオ収録の様子なども紹介されている。

もう一つはカラー本放送開始の翌年(1961年)に松下電器産業(現・パナソニック)の企画の下で東京シネマが制作した『電子の技術-テレビジョン』で、こちらはテレビを一電化製品として捉え、その原理や構造を細かく紹介しているほか、テレビの製造現場の様子も映し出されている。

これら2本の短編映画は、現在、科学映像館(NPO法人・科学映像館を支える会)のWebサイト上に於いて無料公開されている。

脚注

注釈

  1. ^ : Frank B. Lu
  2. ^ : Sonia A. Miller
  3. ^ : Harvey Anderson
  4. ^ : Max Weis
  5. ^ : Weisbuch
  6. ^ カナダのモントリオール大学、セント・ジャスティン大学病院研究センター、米国ミシガン大学の小児科専門医たちが、カナダのケベック州で生まれた1314人の子供を対象に行った研究
  7. ^ 論文執筆者は、行動学研究者のAnita Chandra。研究チームは12歳から17歳までの2000人を対象に聴き取り調査を行った。

出典

  1. ^ 電波法施行規則2条1項22号
  2. ^ 放送法2条1項18号
  3. ^ a b c 伊予田 et al. 1998, pp. 12–13.
  4. ^ a b c ATSC SALUTES THE ‘PASSING’ OF NTSC” (英語). NTSC (2009年6月12日). 2009年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年6月13日閲覧。
  5. ^ 有馬哲夫『テレビの夢から覚めるまで アメリカ1950年代テレビ文化社会史』国文社、1997年2月15日。ISBN 4772004297 
  6. ^ 香山リカ『テレビの罠-コイズミ現象を読み解く』株式会社筑摩書房、東京都〈ちくま新書588〉、2006年3月10日、202頁。ISBN 4480062963 
  7. ^ a b c d e f g h 伊予田 et al. 1998, pp. 218–222, 放送技術年表.
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  11. ^ 国産第1号テレビ”. 2011年7月4日閲覧。
  12. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 21.
  13. ^ a b 伊予田 et al. 1998, p. 29.
  14. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 23.
  15. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 33.
  16. ^ 伊予田 et al. 1998, pp. 31–32.
  17. ^ 東芝未来科学館:日本初のカラーテレビ受像機”. 2020年9月1日閲覧。
  18. ^ 1960年代 カラー放送スタート”. 2018年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月28日閲覧。
  19. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 39.
  20. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 43.
  21. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 55.
  22. ^ a b 伊予田 et al. 1998, p. 61.
  23. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 103.
  24. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 128.
  25. ^ 伊予田 et al. 1998, p. 134.
  26. ^ 伊予田 et al. 1998, pp. 157, 160–161.
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  29. ^ NAB技術規準、テレビ放送における音声レベル運用規準、T032‐2011” (PDF). 日本民間放送連盟 (2011年5月). 2011年12月18日閲覧。
  30. ^ 中島聡. “「若者のテレビ離れ」に関する一考察”. 2007年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年8月31日閲覧。
  31. ^ 米国調査会社MediaPostの調査による[要文献特定詳細情報]
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  33. ^ この研究結果はJournal of the American Heart Association[要文献特定詳細情報]に掲載された。
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参考文献

  • 伊予田, 康弘、田村, 穣生、八木, 信忠、上滝, 徹也、野田, 慶人、煤孫, 勇夫『テレビ史ハンドブック 改訂増補版』自由國民社〈総解説シリーズ〉、1998年。ISBN 978-4426747015 

関連項目

外部リンク