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2021年5月14日 (金) 00:47時点における版
東笠山 | |
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標高 | 1687 m |
所在地 |
日本 富山県富山市 |
位置 | 北緯36度29分23秒 東経137度23分23秒 / 北緯36.48972度 東経137.38972度座標: 北緯36度29分23秒 東経137度23分23秒 / 北緯36.48972度 東経137.38972度 |
の位置 | |
プロジェクト 山 |
東笠山(ひがしかさやま)は富山県富山市の熊野川源流部にある山。標高は1687m。越中の百山の一つ。穏やかな山頂には高層湿原に分類される草原が広がり、高山植物が多く自生する。
概要
隣の西笠山(1697m)とほぼ同じ高さで向かいあっているが、西笠山と比べると富山平野からは見えにくい。
東笠山は森林限界でないにも関わらず山頂に長径200m、約3haの広大な草原が広がる。これは強い季節風による作用(風衝草原)と有峰層という地層が植物が生長しにくい強酸性土壌(ポドゾル)による作用によると考えられてる。なお、隣の西笠山にも一部草原が見られるものの、大半はハイマツ帯であり、東笠山とは植生が異なる。
草原である山頂は展望に優れ、360度山を見渡せる。
東笠山と西笠山の間はかつての有峰街道のルートであり、一部その跡が残っている。
生態
広大な山頂草原に、ニッコウキスゲ、ワタスゲ、モウセンゴケ、イワイチョウ、タテヤマリンドウ、チングルマなどの多様な高山植物が自生する。この植生は立山の弥陀ヶ原のものに似る。また、特異なのはヒメシャクナゲの群生が見られることで、この群生は弥陀ヶ原など近隣の湿原には見られない[1]。
山の中腹の植生ははササが多いが、沢沿いにミズバショウが生えている。
山頂は有峰屈指のギフチョウ大群生地として知られている。
「原生林もしくはそれに近い自然林」かつ「特殊な立地に特有な植物群落」として、東笠山の湿性植物群落が富山県の特定植物群落に指定された。
主な高山植物
- 低木 - ハクサンシャクナゲ、ヒメシャクナゲ、ウスユキハナヒリノキなど。
- 中層湿原植物 - イワイチョウ、ナガモノワレモコワ、イワショウブ、タテヤマリンドウ、チングルマ、キンコウカ、ショウジョウスゲ、ショウジョウバカマ、ミツバオウレン、コイワカガミ、コバイケイソウ、ミヤマリンドウ、シラネニンジンなど。
登山
登山道はなく、有峰林道小口川線から延祐ダム湖(延祐貯水池)から沢を詰めて登ると約1時間半で山頂に至る。一部藪漕ぎが必要なものの、無雪期でも十分登ることが出来る。
参考文献
- 『富山県山名録』 桂書房
- 『富山の百山』 北日本新聞社
脚注
- ^ 『富山県山名録』 桂書房、2000年、179-180頁。