「ペイントソフト」の版間の差分
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[[File:St76bitrecteditor.png|thumb|right|Smalltalk BitRectEditor]]ペイントソフトの始祖的な存在は[[1975年]]にテッド・ケーラーらが[[暫定Dynabook|暫定ダイナブック環境]]([[Xerox]] [[Alto]]で動作していた[[Smalltalk]])に組み込んだBitRectEditorである<ref>{{cite web|title=Ted Kaehler - A Technical Tour of Ted's Projects|url=http://tedkaehler.weather-dimensions.com/us/ted/resume/resume-oct03.html|accessdate=2017-08-28}}</ref>。MacPaintが[[QuickDraw]]のリージョン(不定形クリッピングおよび描画)機能により初めて実現した投げ縄ツールによる選択やペンキツールによる塗りつぶし機能を除けば、ツールパレット(グループ内の排他的選択を可能とする広義の“[[ラジオボタン]]”はこのソフト向けに初めて命名・実装された)や[[Bit Block Transfer|BitBlt]]機能を活用したスタンプ機能、ドット拡大編集機能(MacPaintのファットビット・ツールに相当)などのMacPaintの特徴的な機能の多くはすでにこのソフトで実現されていた。なおケーラーは[[ |
[[File:St76bitrecteditor.png|thumb|right|Smalltalk BitRectEditor]]ペイントソフトの始祖的な存在は[[1975年]]にテッド・ケーラーらが[[暫定Dynabook|暫定ダイナブック環境]]([[Xerox]] [[Alto]]で動作していた[[Smalltalk]])に組み込んだBitRectEditorである<ref>{{cite web|title=Ted Kaehler - A Technical Tour of Ted's Projects|url=http://tedkaehler.weather-dimensions.com/us/ted/resume/resume-oct03.html|accessdate=2017-08-28}}</ref>。MacPaintが[[QuickDraw]]のリージョン(不定形クリッピングおよび描画)機能により初めて実現した投げ縄ツールによる選択やペンキツールによる塗りつぶし機能を除けば、ツールパレット(グループ内の排他的選択を可能とする広義の“[[ラジオボタン]]”はこのソフト向けに初めて命名・実装された)や[[Bit Block Transfer|BitBlt]]機能を活用したスタンプ機能、ドット拡大編集機能(MacPaintのファットビット・ツールに相当)などのMacPaintの特徴的な機能の多くはすでにこのソフトで実現されていた。なおケーラーは[[Apple]]に移籍後、[[HyperCard]]の開発に携わっている。 |
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日本では[[Macintosh]]が紹介される以前に、既に[[PC-9801]]があり、早い段階からいわゆる「[[ドット絵]]」を編集するソフトがあった。特に同機種の[[アナログ16色]]表示に対応した[[ゲームソフト]]の開発の為に、かなり高機能なソフトも市販されていた。その後[[Microsoft Windows 3.1]]が登場し、[[アクセサリソフト]]として「'''ペイントブラシ'''」が備えられたが、このころまではやや自虐的に「お絵描きソフト」と販売サイドも開発サイドも呼んでいた。色数が16色または256色しかなく、「子供だましのレベル」というニュアンスが込められていたのである。「ペイントソフト」という呼び方が定着したのは、パソコンのグラフィック機能が強化され、[[フルカラー]]で処理できる[[Macintosh II]]のアプリケーションが登場してからのことである。 |
日本では[[Macintosh]]が紹介される以前に、既に[[PC-9801]]があり、早い段階からいわゆる「[[ドット絵]]」を編集するソフトがあった。特に同機種の[[アナログ16色]]表示に対応した[[ゲームソフト]]の開発の為に、かなり高機能なソフトも市販されていた。その後[[Microsoft Windows 3.1]]が登場し、[[アクセサリソフト]]として「'''ペイントブラシ'''」が備えられたが、このころまではやや自虐的に「お絵描きソフト」と販売サイドも開発サイドも呼んでいた。色数が16色または256色しかなく、「子供だましのレベル」というニュアンスが込められていたのである。「ペイントソフト」という呼び方が定着したのは、パソコンのグラフィック機能が強化され、[[フルカラー]]で処理できる[[Macintosh II]]のアプリケーションが登場してからのことである。 |
2021年5月20日 (木) 22:22時点における版
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ペイントソフト(和製英語: paint soft[1])とは、主にポインティングデバイスを用いてコンピュータ上で画像を描く2次元コンピュータグラフィックス用のグラフィックソフトウェアである。内部表現は通常ラスター形式である。ラスターグラフィックスエディタ (英: Raster graphics editor) とも呼ばれ、ラスター画像の編集に使われるソフトウェアである。ペイントアプリケーションソフトウェアの略として、ペイントアプリと呼ばれることもある。
概要
「ペイント系」「画像編集ソフト」とも呼ばれるが、道具としての使いやすさを強調するときや、DTPなど他のアプリケーションソフトの一部機能として使うときには、「ペイントツール」という呼び方もある。
Adobe PhotoshopやCorel Paint Shop Proなど、写真修正や加工を目的とした「画像編集ソフト」もペイントツールの一種だが、「フォトリタッチ」(フォトレタッチ)という言葉が普及してからは、ペイントツールと言えばCorel Painterなど、イラスト作画用アプリケーションを指すことが多くなってきている。
通常はローカルコンピュータ(PCやタブレット端末など)にインストールするスタンドアロンタイプのソフトウェアを指すが、お絵かき掲示板やお絵かきチャットなどコミュニケーションツールとしてウェブブラウザ上で動作する簡易的なペイントアプリも登場している。また、Microsoft Windows 7のタッチ機能に対応したPaint ItやYouPaintなど、タッチ対応モニターをキャンバスにして指で直接描くことが可能なソフトウェアも登場してきている。コンピュータの性能向上とHTML5/CSS3の普及により、ブラウザ上で高機能な画像編集を可能とするソフトウェアも登場している[2]。
特徴
ポインティングデバイスとしてはマウスなどが利用できるが、ペンタブレットの筆圧感知機能に対応するソフトウェアでは、ペンデバイスを用いることで鉛筆のかすれを表現したり、インクペンで強弱や入り抜きを付けた線を描画したり、水彩筆で色を塗り重ねたりすることができるものもある。
現実に紙やキャンバスを使って描く絵と違うのは、コンピュータ上の仮想キャンバスを使えるため、失敗のやり直しや塗り重ね、修正が(仕様およびメモリ空き容量の許す範囲で)無制限に可能なこと、筆やペンから絵具が尽きないこと、設定次第で画材の特性を変更できること、一度作った色や画材を永久に使うことができること、などである。
一般的な機能
- 編集領域選択と移動・変形(アフィン変換)
- 色・大きさ・形・筆圧感度の異なるブラシを用いた描画
- 領域の単色・グラデーション・テクスチャによる塗り潰し
- 異なる色モデル(RGB、HSVなど)や、スポイトを用いた色の選択
- 入力した文字列を指定フォントで描出
- (画像編集ソフト)傷、汚れ、皺、その他の欠陥を写真から除去
- レイヤーを用いた合成編集
- 異なる色モデル間の編集・変換(RGB⇔CMYKなど)
- フィルターによりシャープ化やぼかしのような効果を掛ける
- 画像ファイルフォーマット間の変換
ペイントソフトとドローソフト
ドローソフト(ベクター形式のグラフィックソフトウェア)はよくペイントソフト(ラスター形式、ここでは画像編集ソフトも含む)と対比され、両者の能力は互いに補い合うものである。ドローソフトはグラフィックデザイン、レイアウト、タイポグラフィ、ロゴタイプ、鋭角的な芸術的イラストレーション(カートゥーン、クリップアート、複雑な幾何学模様など)、テクニカルイラストレーション、ダイアグラム、フローチャートなどにより適している。ペイントソフトはリタッチ、写真加工、写真のようにリアルなイラストレーション、コラージュ、そしてペンタブレットを用いた手描きのイラストレーションにより適している。今日の多くのイラストレーターはCorel PHOTO-PAINTやPhotoshopを用いてありとあらゆるイラストレーションをこなす。[独自研究?]
GIMPやPhotoshopなどのペイントソフトの最近[いつ?]のバージョンは(編集可能なパスのような)ベクター系のツールもサポートしており、またCorelDRAWやAdobe Illustratorのようなドローソフトも徐々にラスター系のソフトウェアにしかなかった機能やアプローチを取り入れるようになってきている(ぼかしなど)。
歴史
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fb/St76bitrecteditor.png/220px-St76bitrecteditor.png)
ペイントソフトの始祖的な存在は1975年にテッド・ケーラーらが暫定ダイナブック環境(Xerox Altoで動作していたSmalltalk)に組み込んだBitRectEditorである[3]。MacPaintがQuickDrawのリージョン(不定形クリッピングおよび描画)機能により初めて実現した投げ縄ツールによる選択やペンキツールによる塗りつぶし機能を除けば、ツールパレット(グループ内の排他的選択を可能とする広義の“ラジオボタン”はこのソフト向けに初めて命名・実装された)やBitBlt機能を活用したスタンプ機能、ドット拡大編集機能(MacPaintのファットビット・ツールに相当)などのMacPaintの特徴的な機能の多くはすでにこのソフトで実現されていた。なおケーラーはAppleに移籍後、HyperCardの開発に携わっている。
日本ではMacintoshが紹介される以前に、既にPC-9801があり、早い段階からいわゆる「ドット絵」を編集するソフトがあった。特に同機種のアナログ16色表示に対応したゲームソフトの開発の為に、かなり高機能なソフトも市販されていた。その後Microsoft Windows 3.1が登場し、アクセサリソフトとして「ペイントブラシ」が備えられたが、このころまではやや自虐的に「お絵描きソフト」と販売サイドも開発サイドも呼んでいた。色数が16色または256色しかなく、「子供だましのレベル」というニュアンスが込められていたのである。「ペイントソフト」という呼び方が定着したのは、パソコンのグラフィック機能が強化され、フルカラーで処理できるMacintosh IIのアプリケーションが登場してからのことである。
脚注
- ^ 英語としての正しい表現はpainting softwareである。
- ^ Photopea | Online Photo Editor
- ^ “Ted Kaehler - A Technical Tour of Ted's Projects”. 2017年8月28日閲覧。