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2021年5月20日 (木) 23:35時点における版
ジャンル |
固定画面アクション 対戦アクション |
---|---|
対応機種 |
Apple II (APII) Atari 8ビット・コンピュータ (A8) コモドール64 (C64) 対応機種一覧
|
開発元 | ファーストスターソフトウェア |
発売元 | ファーストスターソフトウェア |
デザイナー | マイケル・J・リーデル |
人数 | 1 - 2人(対戦プレイ) |
メディア | フロッピーディスク |
発売日 |
INT 1984年10月 |
『スパイvsスパイ』(SPY vs SPY、スパイ アンド スパイ)は、1984年にアメリカ合衆国のファーストスターソフトウェアから発売されたAtari 8ビット・コンピュータ用固定画面アクションゲームおよび対戦アクションゲームである。
タイトル表記は『スパイVSスパイ』だが、読み方は「スパイ アンド スパイ」である。アメリカンコミックス『Mad』に連載された『Spy vs. Spy』(1961年)のゲーム化で、コミックの著者はAntonio Prohías(アントニオ・プロヒアス)。本作のゲーム・デザインはマイケル・J・リーデルが行った。
オリジナルはAtari 8ビット・コンピュータ版で、同年にコモドール64やApple II、後年にはAmigaやAtari STなど当時の主要な海外プラットフォームに広く移植された。2人対戦が基本のアクションゲームで、続編もリリースされる人気シリーズとなった。日本ではファミリーコンピュータ、セガマークIII、PC-8801、X1、ゲームボーイカラーに移植されている。
ゲーム内容
システム
スパイの情報争奪戦をテーマとした対戦型アクションゲーム。白のスパイ「ヘッケル」と黒の「ジャッケル」を操作し、部屋のどこかに隠された『カバン』『設計図』『パスポート』『金』『鍵』の5種類のアイテムを探し出し、相手よりも早く空港から飛行機で脱出することが目的である[1]。カバンを除くそれぞれのアイテムは2つ以上は持てないので、カバンを手に入れて他のアイテムを運ばなくてはならない。なお、武器、カバンを含むアイテムとプレーヤーは、マップ上に青く表示される。カバンに4種類のアイテムを入れて、制限時間内に空港のドアを出た方の勝ちとなる。アイテムが揃っていないのに空港のドアを開けると、はじかれて一回気絶する。
以下の罠の要素を使って相手の動きを妨害することができる。設置された罠に引っかかると死亡し、一定時間行動不能となり、ペナルティとして制限時間が30秒マイナスされる。制限時間が0秒になった場合ゲームオーバーになるので、気絶した回数が多いと不利になる。
罠と回避方法
以下の種類の罠が存在し、それぞれ決められた場所に仕掛けることができる。仕掛けた罠は仕掛けた本人にも効果がある。
- ダイナマイト
- タンス、机、額縁などに仕掛ける。設置された机などを開けた途端爆発、即死する。赤い防火用具入れにある白バケツを使用し、ダイナマイトを元から消火することで回避できる。
- スプリング
- タンス、机、額縁などに仕掛ける。設置された机などを開けた途端弾き飛ばされ気絶する。なお、飛んだ先のドアが開いていれば、その隣の部屋まで飛ばされる。その部屋のドアも開いていれば、さらに隣へ飛ばされる。白い工具箱にあるペンチを使用しスプリングをばらして回避できる。
- 硫酸バケツ
- ドアに仕掛ける。ドアを開けた途端、バケツに仕込まれた硫酸を頭からかぶり、死亡する。コートラックにある傘を使い硫酸から体を守ることで回避できる。
- 時限爆弾
- 部屋に仕掛ける。部屋に入るとキャラクターの顔が青くなり、2秒後に爆死する。回避するためのアイテムは無く、基本的に仕掛けられている状態での回避は不可能。2秒以内に一旦部屋から出れば消滅する。
罠を回避する白バケツ、ペンチ、傘は、A又はBボタンを押すと消える。また、相手と遭遇して戦闘モードに入っても消える。
戦闘モード
2人のスパイが同じ部屋に入ると戦闘が開始する[1]。基本的に殴り合いだが、途中で武器を手に入れると攻撃力が増す。防御力を高くするアイテムは無い。武器はどちらか一方しか持てず、武器を持っている状態でもう一方の武器を入手すると前に持っていた武器は消える。
武器 | 威力 | 射程 |
---|---|---|
なし | 小 | 短 |
こん棒 | 中 | 長 |
ナイフ | 大 | 中 |
戦闘モードに限り、ABボタンを同時に押すとジャンプもできる。
移植版
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Spy vs Spy | 1985年 1985年 |
Amstrad CPC ZX Spectrum |
First Star Software | Beyond Software | フロッピーディスク | - | |
2 | スパイvsスパイ | 1986年4月26日 1988年10月31日 PAL 1990年7月27日 |
ファミリーコンピュータ | コトブキシステム | コトブキシステム | 320キロビットロムカセット[2] | KSC-SP NES-SP-USA |
|
3 | スパイvsスパイ | 1986年6月 1988年10月 1988年 |
セガ・マークIII | セガ第2AM研究開発部 | セガ | 256キロビットマイカード[3] | C-514 4010 MK-4583-50 |
|
4 | スパイvsスパイ | 1986年12月 |
PC-8801 X1 |
ホット・ビィ | ホット・ビィ | フロッピーディスク カセットテープ |
- | |
5 | Spy vs Spy | 1987年 |
コモドール16 BBC Micro |
Artcrew Productions | Tynesoft | フロッピーディスク | - | |
6 | Spy vs. Spy | 1989年 |
Amiga Atari ST |
First Star Software | Wicked Software | フロッピーディスク | - | |
7 | スパイ アンド スパイ | 1999年7月23日 1999年8月1日 2000年5月13日 |
ゲームボーイカラー | コトブキシステム | コトブキシステム | 8メガビットロムカセット | CGB-AS6J-JPN CGB-AS6E-USA CGB-AS6P-EUR |
|
8 | Spy vs. Spy | 2005年4月6日 PAL 2005年4月29日 |
Xbox PlayStation 2 |
Global Star Software | Vicious Cycle Software | DVD-ROM | - | リメイク版 |
9 | Spy vs. Spy | INT 2012年7月26日 |
iPhone (iOS) |
Robots and Pencils | Robots and Pencils | ダウンロード | - | リメイク版 |
10 | Spy vs. Spy | INT 2014年 |
Android | Robots and Pencils | Robots and Pencils | ダウンロード | - | リメイク版 |
- ファミリーコンピュータ版
- ケムコから1986年4月に発売された。クレジットは『MAD MAGAZINE'S OFFICIAL KEMCO』。ストーリーは1Pのヘッケルはケムコの産業スパイ、2Pのジャッケルはライバル会社トムコの産業スパイという設定で、2人が奪い合う設計図はゲーム界の元締めであるジンテンドウの開発した新型ディスクシステムの設計図を奪うというもの。本作発売年の2月に任天堂ディスクシステムが発売。『別冊宝島797 僕たちの好きなTVゲーム 80年代懐かしゲーム編』では「産業スパイが狙うような最新機器として、ディスクシステムは認知されていた…のかなぁ」と解説されている[4]。ケムコからは1999年にゲームボーイカラー版も発売されている。
- セガ・マークIII版
- セガから1986年6月に発売され、移植は中裕司が担当した。
- 日本国内PC版
- PC-8801版およびX1版がホット・ビィから1986年12月に発売された。
スタッフ
- オリジナル版
- ゲーム・デザイン:マイケル・J・リーデル
- ファミリーコンピュータ版
- プロジェクト・ディレクター:フェルナンド・フェレーラ、リチャード・M・スピタルニー
- キャラクター・クリエイター:アントニオ・プロヒアス
- 音楽
- タイトル音楽:増野宏之
- ゲーム内音楽:ニック・スカイリム(作曲)、増野宏之(編曲)
- セガ・マークIII版
- リード・プログラミング:中裕司
- プログラミング:マイケル・J・リーデル
評価
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- ファミリーコンピュータ版
- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、15.16点(満30点)となっている[2]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 2.66 | 2.56 | 2.54 | 2.45 | 2.59 | 2.36 | 15.16 |
- ゲーム誌『ユーゲー』においてライターの池谷勇人は、対戦プレイ時において個人の性格が露わになる事を絶賛し、「美しく勝つ術など本作には存在しない。欺き、利用し、ひたすら『悪く』勝ってこそ本作は楽しめる」とゲーム性に関して肯定的に評価している[14]。
- ゲームボーイカラー版
ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」では、6・6・7・7の合計26点(満40点)となっており[16][11]、レビュアーからはファミリーコンピュータ版と比較した上で「新作としても楽しめる」とした意見が挙げられた他、内容が単純であるが故にとっつきやすいといった意見や奥深いバトルが可能であるとの肯定的な意見の他、通信による対戦プレイに関して高評価が与えられた。しかし、対戦プレイに関しては「初心者どうしだとそっけないかも」といった意見やモニターが小さいため「敵の行動を見ながらプレイするのは少々無理がある」といったインターフェイス上の問題点、ゲーム性において「スピーディーな展開と神経衰弱的要素は人を選ぶかも知れない」など一部で否定的な評価も散見された[16]。
続編
- Spy vs. Spy II: THE ISLAND CAPER(1985年)
- 南国の無人島を舞台にしたシリーズ第2弾。『南国指令!!スパイvsスパイ』のタイトルで、ファミリーコンピュータにも移植された。
- Spy vs Spy III: ARCTIC ANTICS(1987年)
- 南極を舞台にしたシリーズ第3弾。日本製ハードには移植されなかった。
- Spy vs Spy iPad/iPhone版(2012年)、Android版(2014年)
- シリーズ第1作のリメイク版。海外産アプリのため、メニュー画面など全て英語表記となる。グラフィックは現代風に描き直されているが、レトロモードを選べばオリジナル版のグラフィックでも楽しめる。尚、Android版は現在では日本国内での購入は不可能となっている。
脚注
- ^ a b M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、26ページ
- ^ a b c 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、74頁。
- ^ 「7月号特別付録 MEGADRIVE ALL CATALOG」『メガドライブFAN』第3巻第7号、徳間書店、1991年7月15日、64頁。
- ^ 浅野智明、川島栄作、(株)ヘッドルーム編「スパイvsスパイ」『別冊宝島797 僕たちの好きなTVゲーム 80年代懐かしゲーム編』宝島社、2003年6月24日。ISBN 4-7966-3311-1、62頁。
- ^ a b c “Spy vs Spy for NES (1986)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年3月4日閲覧。
- ^ “Spy vs Spy for SEGA Master System (1986)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年3月4日閲覧。
- ^ a b c “Spy vs Spy for Commodore 64 (1984)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年3月4日閲覧。
- ^ “Spy vs Spy for Amstrad CPC (1985)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年3月4日閲覧。
- ^ a b c “Spy vs Spy for Atari ST (1989)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年3月4日閲覧。
- ^ a b c d “Spy vs Spy for ZX Spectrum (1985)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年3月4日閲覧。
- ^ a b “スパイ アンド スパイ まとめ [ゲームボーイ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2018年7月14日閲覧。
- ^ a b “Spy vs Spy for Game Boy Color (1999)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年7月14日閲覧。
- ^ “Spy vs Spy for Amiga (1989)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年3月4日閲覧。
- ^ a b 池谷勇人「ユーゲーが贈るファミコン名作ソフト 100選」『ユーゲー 2003 Vol.07』第7巻第10号、キルタイムコミュニケーション、2003年6月1日、59頁、雑誌17630-2。
- ^ “Readers' Top 100 Games of All Time”. Your Sinclair. (September 1993).
- ^ a b 「新作ゲームクロスレビュー」『ファミ通』第14巻第31号、アスキー、1999年7月30日、31頁、雑誌26255-7/30。
外部リンク
- 1984年のコンピュータゲーム
- ファミリーコンピュータ用ソフト
- Apple II用ゲームソフト
- Amiga用ゲームソフト
- Amstrad CPC用ゲームソフト
- Android用ゲームソフト
- Atari 8ビット・コンピュータ用ゲームソフト
- Atari ST用ゲームソフト
- IPhone用ゲームソフト
- PC-8800用ゲームソフト
- X1用ゲームソフト
- ZX Spectrum用ゲームソフト
- アニメのキャラクターゲーム
- アメリカで開発されたコンピュータゲーム
- 固定画面アクションゲーム
- コトブキシステムのゲームソフト
- コモドール64用ゲームソフト
- ゲームボーイ用ソフト
- スパイを題材としたコンピュータゲーム
- セガ・マークIII&マスターシステム用ソフト
- 対戦アクションゲーム
- 漫画のキャラクターゲーム