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LibreOfficeが使用する標準ファイル形式は、[[OpenDocument|オープンドキュメント形式(ODF)]]である。ODFは、[[OASIS_(組織)|構造化情報標準促進協会]](OASIS)が文書規格を策定し、[[国際標準化機構]](ISO)、[[国際電気標準会議]](IEC)、[[日本産業規格]](JIS X 4401:2014<ref>{{cite web|url=https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=X4401|title=JISX4401 オフィス文書のためのオープン文書形式(OpenDocument)v1.1|accessdate=2019-01-03}}</ref>)が認定する国際標準規格である。[[Microsoft Office]]などのファイルはネイティブファイルとしてはサポートせず、これらと互換性は無いがインポート、エクスポートフィルターを介した変換を伴う読み込みと書き込みができるファイルとしてサポートをする。
LibreOfficeが使用する標準ファイル形式は、[[OpenDocument|オープンドキュメント形式(ODF)]]である。ODFは、[[OASIS_(組織)|構造化情報標準促進協会]](OASIS)が文書規格を策定し、[[国際標準化機構]](ISO)、[[国際電気標準会議]](IEC)、[[日本産業規格]](JIS X 4401:2014<ref>{{cite web|url=https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=X4401|title=JISX4401 オフィス文書のためのオープン文書形式(OpenDocument)v1.1|accessdate=2019-01-03}}</ref>)が認定する国際標準規格である。[[Microsoft Office]]などのファイルはネイティブファイルとしてはサポートせず、これらと互換性は無いがインポート、エクスポートフィルターを介した変換を伴う読み込みと書き込みができるファイルとしてサポートをする。


LibreOfficeは、[[Microsoft Windows]]、[[macOS]]、[[Linux]]やモバイルの[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]、[[IOS (Apple)|iOS]]といった[[プラットフォーム_(コンピューティング)|多様なプラットフォーム]]<ref>{{Cite web|url=https://ja.libreoffice.org/get-help/system-requirements/|title=システム要件|accessdate=2020-01-03}}</ref>の利用に加え、オンライン上で利用できるLibreOffice Onlineも用意されている。
LibreOfficeは、[[Microsoft Windows]]、[[macOS]]、[[Linux]]やモバイルの[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]、[[iOS (Apple)|iOS]]といった[[プラットフォーム_(コンピューティング)|多様なプラットフォーム]]<ref>{{Cite web|url=https://ja.libreoffice.org/get-help/system-requirements/|title=システム要件|accessdate=2020-01-03}}</ref>の利用に加え、オンライン上で利用できるLibreOffice Onlineも用意されている。


主要なLinuxディストリビューションでは標準のオフィススイートとしてインストールされる。また、LibreOfficeは最も活発に開発されている[[FLOSS|自由・オープンソースソフト]][[オフィススイート]]であり、直系の後継である[[Apache OpenOffice]]開発と比較すると活動の活発さは約50倍にも匹敵する<ref>{{Cite web|url=https://lwn.net/Articles/637735/|title=Development activity in LibreOffice and OpenOffice [LWN.net]|accessdate=2020-01-03}}</ref>。
主要なLinuxディストリビューションでは標準のオフィススイートとしてインストールされる。また、LibreOfficeは最も活発に開発されている[[FLOSS|自由・オープンソースソフト]][[オフィススイート]]であり、直系の後継である[[Apache OpenOffice]]開発と比較すると活動の活発さは約50倍にも匹敵する<ref>{{Cite web|url=https://lwn.net/Articles/637735/|title=Development activity in LibreOffice and OpenOffice [LWN.net]|accessdate=2020-01-03}}</ref>。
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=== iOS版 ===
=== iOS版 ===
タブレットやより小さな端末での使用を目的とした[[IOS (Apple)|iOS]]向けの派生版である。現段階では大部分のソースコードのコンパイルには成功しているが、ユーザーインターフェースなどはまだ開発途中である。
タブレットやより小さな端末での使用を目的とした[[iOS (Apple)|iOS]]向けの派生版である。現段階では大部分のソースコードのコンパイルには成功しているが、ユーザーインターフェースなどはまだ開発途中である。


=== LibreOffice Viewer ===
=== LibreOffice Viewer ===

2021年5月23日 (日) 03:54時点における版

LibreOffice
LibreOffice 7.1 スタートセンター
開発元 The Document Foundation
初版 2010年9月28日 (2010-09-28)
最新版 [±]
最新版24.8.4 / 2024年12月19日 (3日前) (2024-12-19)[1]
安定版24.8.4 / 2024年12月19日 (3日前) (2024-12-19)[2]
最新評価版 [±]
7.5なし / [3]
7.4なし / [3]
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
C++, Java, Python
対応OS macOS, Windows, Linux[4],
Solaris, FreeBSD[5]
プラットフォーム クロスプラットフォーム
対応言語 日本語など、119[6]言語
サポート状況 開発中
種別 オフィススイート
ライセンス MPL v2.0[7]
公式サイト https://ja.libreoffice.org
テンプレートを表示

LibreOffice(リブレオフィス[8])は、The Document Foundationが作成する自由・オープンソースソフトオフィススイートである。商用ソフトであったStarOffice(日本向けはStarSuite)を起源としており、2011年に開発終了したOpenOffice.orgの後継ソフトの一つ。OpenOffice.orgの派生版として2010年に開発が開始された。

LibreOfficeは、Writer(文書作成)、Calc(表計算)、Impress(プレゼンテーション)、Draw(ベクタードローグラフィック)、Base(データベース)、Math(数式作成)から構成され、117の言語[9]で利用できる。

LibreOfficeが使用する標準ファイル形式は、オープンドキュメント形式(ODF)である。ODFは、構造化情報標準促進協会(OASIS)が文書規格を策定し、国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)、日本産業規格(JIS X 4401:2014[10])が認定する国際標準規格である。Microsoft Officeなどのファイルはネイティブファイルとしてはサポートせず、これらと互換性は無いがインポート、エクスポートフィルターを介した変換を伴う読み込みと書き込みができるファイルとしてサポートをする。

LibreOfficeは、Microsoft WindowsmacOSLinuxやモバイルのAndroidiOSといった多様なプラットフォーム[11]の利用に加え、オンライン上で利用できるLibreOffice Onlineも用意されている。

主要なLinuxディストリビューションでは標準のオフィススイートとしてインストールされる。また、LibreOfficeは最も活発に開発されている自由・オープンソースソフトオフィススイートであり、直系の後継であるApache OpenOffice開発と比較すると活動の活発さは約50倍にも匹敵する[12]

LibreOfficeプロジェクトを発表後、2010年9月28日にベータ版をリリース。最初の安定版リリースの2011年1月から2011年10月までにLibreOfficeは約750万回ダウンロードされた[13]。プロジェクトは、2011年5月から2015年5月までにLinuxディストリビューションのダウンロードを除いて1億2000万のユニークダウンロードがあり、そのうち5500万は2014年5月から2015年5月の間にダウンロードされたと報告している[14]

LibreOfficeはそもそも無償のソフトウエアアプリケーションである。開発チームであるThe Document Foundationが無償で直接質問を受け付けたり、使い方を説明したりすることはない。近年、そのことがわかっておらず、質問・苦情を寄せる企業、地方公共団体などがあり、The Document Foundationも対応に人をさかねばならず、苦慮している[15]。そのため、The Document Foundation側は7.1のリリースの際、個人向けのソフトウェアの名称を「LibreOffice Community」に変更し、企業や団体には企業向けに最適化された「LibreOffice Enterprise」の利用を推奨している[15]

構成

LibreOfficeは以下のソフトで構成されている。

名称 概要
Writer ワープロソフト
Calc 表計算ソフト
Impress プレゼンテーションソフト
Draw ドローソフト
Base データベース管理システム
Math 数式エディタ

歴史

2010年1月27日、当時のOpenOffice.org開発元・権利者であったサン・マイクロシステムズが、オラクルに買収された。そもそもOpenOffice.orgがサン・マイクロシステムズのもとにあった頃から、コミュニティメンバーは企業の意向に左右される開発方針に不満を持っており[16][17][18]、一部の開発者はOpenOffice.orgからフォークしたGo-oo(旧Go-Open Office)やNeoOfficeをリリースしていた。オラクルによる買収を機にコミュニティの不満が爆発し、OpenOffice.orgプロジェクトの主要メンバーらによりThe Document Foundationが設立され、OpenOffice.orgの次期バージョン3.3を独自に開発することを構想した。The Document Foundationはオラクルに対してThe Document Foundationへの参加と、プロジェクトにOpenOffice.orgブランドを寄贈するように要請。暫定的にLibreOfficeの名で開発が行われることになった[19][20]。しかし、オラクルからのブランドの寄贈は実現しなかったため、正式にLibreOfficeとして開発が行われることになった[21]。 その結果、LibreOfficeはOpenOffice.orgのバージョン番号を引き継いでいる。

UbuntuOpenSUSERed Hat Enterprise Linuxなどを含む複数のLinuxディストリビューターは、次のバージョン以後はLibreOfficeを使用することを発表し[22]、LibreOfficeがプリインストールされたバージョンがリリースされている。LibreOfficeにはGo-OOなどの派生版の開発成果が取り入れられた[23][24]

2011年1月25日、最初の安定版であるLibreOffice バージョン 3.3がリリースされた[25]。その後は年2回の定期的なリリースを続け、多くの新機能が加わった。LibreOfficeに関わる開発者の数は継続的に増加しており、ソースコードの改善も進んでいる[26]

StarOfficeとOpenOffice.orgの主な派生品のタイムライン。緑色で示されているのがLibreOfficeである。

オフィスソフトウェア間の相互運用性

LibreOfficeでは標準ファイル形式としてODFを使用するが、Microsoft Office 97-2003形式やMicrosoft Office 2007以降で利用されるOOXMLのインポートとエクスポートができる。 バージョンアップのたびに相互運用性は高められているが、MicrosoftOffice 97-2003形式、OOXMLとODFの間には互換性がなく[27] インポートとエクスポートはデータ欠落の恐れを含む変換を行うため日常の利用は向かず注意が必要である[28]

また、開発元であるThe Document Foundationは、プロプライエタリソフトで作られ他のソフトでは利用できないバイナリファイルを読み込むためのライブラリ開発を行うDocument Liberation Project[29]も運営し、そこで得られた成果を活用してMicrosoft Works、WordPerfect、クラリスワークス/AppleWorks[30]、KeynoteやWordperfect Works[31]、Apple Pages[32]、PageMaker[33]、QuarkXPress[34]といったソフトウェアで作成されたファイルの読み込みにも対応している。

Apache OpenOfficeとの関係

LibreOfficeの派生元となったOpenOffice.orgは、ソースコードApacheソフトウェア財団に寄贈され、現在は「Apache OpenOffice」として開発が続けられている。LibreOfficeはApache OpenOfficeの成果物の多くを取り込んでおり、また、LibreOffice独自の修正や機能追加がなされている。

一方、LibreOfficeからApache OpenOfficeへのソースコードの移植には注意を要する。それぞれのソフトウェアの内部で使われているソースコードは基本的に異なり、ライセンスも異なる。LibreOfficeはLGPL v3である一方、Apache OpenOfficeはApacheライセンスであるためLGPLライセンスと互換性がないためである。

派生版

LibreOffice Portable

リムーバブルメディアUSBスティックメモリーカードなど)から起動し使用することの出来るLibreOfficeである。PortableApps.comで開発されWindows版のみ存在する[35]。インストールを必要とせず、アプリケーションデータがリムーバブルディスクに保存されるためデータがシステムに残らない。

LibreOffice Online

GTKフレームワークとHTML5のcanvasを利用して、ブラウザ内でソフトウェアを動かしオンライン上で利用することが出来るとしている。2011年のLibreOffice Conferenceで開発が発表された。略称としてLOOLが用いられる。2015年12月に開発者向けディストリビューションが公開された[36]

iOS版

タブレットやより小さな端末での使用を目的としたiOS向けの派生版である。現段階では大部分のソースコードのコンパイルには成功しているが、ユーザーインターフェースなどはまだ開発途中である。

LibreOffice Viewer

2015年5月28日にリリースされたAndroidLibreOffice。ドキュメントを表示・閲覧するためのソフトウェアではあるが、編集機能も搭載されている。ただし、この編集機能は実験的であり、業務上重要な作業に利用するにはまだ安定していない。

具体的には、基本的な編集機能、例えば既存の段落の単語を修正、太字や斜体といったフォント形式の変更機能を提供している。編集機能は開発者のコミュニティによって将来的に拡張される予定。

また、LibreOffice ViewerではWindows, macOS, Linux向けのLibreOfficeと同じエンジンを利用している。Firefox for Mobileによる新しいフロントエンドと結合されており、デスクトップ版LibreOfficeと同じようにドキュメントを読み込めるようになっている。

LibreOffice Viewerがサポートするファイル形式
  • Open Document Format(odt, ods, odp)
  • Microsoft Office 2007/2010/2013(docx, xlsx, pptx)
  • Microsoft Office 97/2000/XP/2003(doc, xls, ppt)

Collabora GovOffice

The Document FoundationのAdvisory Boardとして参加している英Collabora社が公共機関向けとしてリリースしている商用の派生ソフトウェア。5年間の長期サポート等が行われる[37]2015年11月には英国政府がCollabora GovOfficeの導入を発表している[38]

バージョン

2つの異なるメジャーバージョンのLibreOfficeが常時入手可能である。LibreOfficeは2つのブランチをそれぞれ以下のように定義することで、様々なユーザに対応できるようにしている[39]

  • "最新版(Fresh)" - 最新の機能を含む
  • "安定版(Still。旧称はStable)" - 安定性を重視する

毎年2月頃と8月頃に新機能を追加したメジャーリリースを行い、その後は脆弱性や不具合の修正および翻訳の改善をするメンテナンスリリースをほぼ毎月行う予定としている。また、各バージョンは2つ後のバージョンがリリースされるまでメンテナンスが行われる[要出典]。更新予定は公式サイトのリリースプランを参照。

バージョン番号はOpenOffice.orgから引き継いでいるため3.3.0から始まっている(歴史参照)[40]

サポート状況による色分け
開発を終了したバージョン 開発中のバージョン 最新バージョン

採用事例

以下、報道もしくは公表された事例のみ

企業
団体
政府
地方公共団体
学校病院公共機関

地域化

LibreOfficeは100以上の言語に対応している[116]日本でも、2011年平成23年)9月にLibreOffice日本語チームが発足し、主にメーリングリストで協力者とともに翻訳活動を行なっている[117]

Webラジオ

今夜もLBR!!』のタイトルで、LibreOfficeを応援するラジオ番組2014年(平成26年)3月25日から2015年(平成27年)3月24日まで音泉にて配信された。第2、第4火曜日更新。出演は田所あずさ下田麻美丹下桜[118]

LibreOffice Conference

The Document Foundation2011年より年一度のLibreOffice Conferenceを以下のように開催している。

関連書籍

  • 『実務で使える Libre Office』‐ 2012年10月12日、鎌滝雅久(著)、松井幹彦(著)、松宮哲(著)、翔泳社
  • 『エンジニアのための Libre Office入門』- 2012年1月1日、フォーラムエイト(著)、フォーラムエイトパブリッシング
  • 『はじめてのLibre Office-無料で使える「統合オフィスソフト」を使いこなす!』(I・O BOOKS) - 2013年1月1日、松宮哲(著)、工学社
  • 『すぐわかる LibreOffice 無料で使えるワープロ、表計算、プレゼンソフト』 - 2014年1月31日 、角川アスキー総合研究所
  • 『これ1冊で完全理解 Libre Office』 (日経BPパソコンベストムック) - 2014年4月9日、日経Linux編集、日経BP社
  • 『Libre Officeで学ぶ情報リテラシー』 - 2016年5月10日、畔津忠博(著)、吉永敦征(著)、永﨑研宣(著)、東京電機大学出版局

脚注

注釈

  1. ^ OOoから「データパイロット」と呼ばれていたが、本バージョンより改称

出典

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  2. ^ LibreOffice 24.2.7 Community available for download”. Release Notes (2024年12月19日). 2024年12月20日閲覧。
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  4. ^ LibreOffice ReadMe”. 2012年2月1日閲覧。
  5. ^ 7.3 生産的なアプリケーション”. 2012年2月1日閲覧。
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関連項目

外部リンク

LibreOffice日本語チーム