「シンフォニア・フンガリカ」の版間の差分
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2021年5月24日 (月) 20:48時点における版
シンフォニア・フンガリカ(イタリア語: Sinfonia Hungarica、ハンガリー語: Magyar Szimfónia)は、ヤン・ヴァン・デル・ローストが2001年に作曲した吹奏楽のための交響曲[1]。日本では英語の発音風に「シンフォニア・ハンガリカ」と表記される場合も多い。
概要
ハンガリーのキシュクンフェーレジハーザ吹奏楽団(Kiskunfélegyházi Koncert Fúvószenekar)の委嘱で作曲された[2]。2001年にオランダの出版社デ・ハスケ(De Haske Publications BV)から出版された楽譜には、指揮者のヤンコヴスキー・フェレンツ(Jankovszki Ferenc)、キシュクンフェーレジハーザ市長フィチョール・ヨージェフ(Ficsór József)、楽団代表キッシュ・ガブリエッラ(Kiss Gabriella)への献辞が記されている[3]。
ハンガリー王国の成立から1000年を記念し、ハンガリー建国の歴史に登場する3人の王をテーマにしている[4]。交響曲全体を通してハンガリー国歌の旋律とその変形や断片が、暗示的あるいは明示的に引用されている[5]。
演奏時間は約38分[1]。
初演
2001年3月30日から4月1日にかけてハンガリー国内の3都市で行われた演奏会で作曲者の指揮により演奏された[6]が、公式な初演は2001年3月31日のブダペストでの演奏とされている[2]。
日本初演は同年6月5日に大阪市北区のザ・シンフォニーホールにて、秋山和慶の指揮、大阪市音楽団の演奏による[7]。
編成
木管 | 金管 | 弦・打 | |||
---|---|---|---|---|---|
Fl. | 2, Picc. | Tp. | 3 | Cb. | ● |
Ob. | 2, C.A. | Hr. | 4 | Timp. | ● |
Fg. | 2, Cfg. | Tbn. | 3 | 他 | Bass Drum, Snare Drum, Field Drum, Floor Tom, Low Tom, 4 Tom-Toms, Clash Cymbals, Suspended Cymbals (L/S), Chinese Type Suspended Cymbal, Finger Cymbals, Tambourine, Triangles (L/S), Tam-Tams (L/M/S), Flexatone, Beatring, Wind Chimes, Anvils, Whip, Wind Machine, Xylophone, Glockenspiel, Vibraphone, Tublar Bells, Crotales |
Cl. | 3, E♭, Alto, Bass, C-Bass | Eup. | 2 | ||
Sax. | Sop. 1 Alt. 2 Ten. 1 Bar. 1 | Tub. | ● | ||
その他 | Harp, Piano |
構成
ハンガリーの歴史上の王の名が付けられた3つの楽章からなる。各楽章の演奏時間は作曲者の指揮による初演の録音(参考文献参照)に基づく。
第1楽章「アッティラ!」
295小節、13分6秒
フン族の王アッティラの攻撃的で残忍な性格を描く。共同統治者だった兄ブレダの英雄的な主題や、その妻リカの叙情的な主題を挟みながら、ピアノの内部奏法や木管楽器のキーの音、叫び声も用いて不気味さや激烈な侵略を表現している[7]。
第2楽章「アールパード」
189小節、10分44秒
アールパード朝の祖で、ハンガリーの民族的英雄として今も愛されているアールパードを、穏やかで高貴な雰囲気で描いている[1]。
第3楽章「イシュトヴァーン」
322小節、14分40秒
カトリックに改宗してローマ教皇シルウェステル2世から王冠を受け、ハンガリー王国の初代国王となったイシュトヴァーン1世を描く。王位継承の激しい戦いの後、ハンガリー国歌の旋律が「オルガンのように」現れ、壮麗な終結を迎える[7]。
脚注
参考文献
- Van der Roost, Jan (2001). Sinfonia Hungarica. De Haske Publications BV
- Jan Van der Roost MAGYAR SZIMFÓNIA (CDフロントジャケットおよびバックインレイ) (Media notes). Kiskunfélegyházi Fúvószenekari Egyesűlet(楽団自主製作). 2001.
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は無視されます。 (説明) - 秋山紀夫 (2001). シンフォニア・ハンガリカ (CDブックレット) (Media notes). 東京都杉並区: フォンテック. pp. 2–4.
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は無視されます。 (説明) - 後藤洋 (2011). 交響詩「モンタニャールの詩」 (CDブックレット) (Media notes). 兵庫県尼崎市: グリーン・ミュージック. pp. 6–8.
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) (説明); 不明な引数|publisherid=
は無視されます。 (説明) - 樋口幸弘 (2001年). “樋口幸弘の「ウィンド楽書(ラクガキ)ノ-トファイル」ファイルナンバー10『ヤン・ヴァンデルロ-スト:シンフォニア・ハンガリカ』”. 吹奏楽マガジン バンドパワー. 2014年12月31日閲覧。
外部リンク
- 作曲者のホームページの解説(出典を兼ねる)