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秋山紀夫

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秋山 紀夫(あきやま としお、1929年3月26日 - )は、日本指揮者吹奏楽指導者、吹奏楽史研究家。

人物

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1956年、戦後初の第4回全日本吹奏楽コンクール全国大会に埼玉県立大宮工業高等学校の指揮者として出場する。その後、大宮市立桜木中学校ソニー吹奏楽団の指揮者としても全日本吹奏楽コンクール全国大会に出場する。1963年に教員を1年間休職し渡米する。アメリカ各地の吹奏楽を視察し、イーストマン音楽学校へ留学したり、ミッドウェスト・クリニック英語版に日本人として初めて参加する。その後、ヨーロッパ各地の吹奏楽を視察する[1]。帰国後、教職を務めながら海外で見聞した吹奏楽指導法を書籍や教則本にまとめたり、アメリカの吹奏楽専門書の翻訳をする[注 1]日本吹奏楽指導者協会全日本吹奏楽連盟をはじめとする吹奏楽関連団体の要職を務め[注 2]、国際交流活動にも尽力する。アメリカのミッドウェスト・クリニック英語版に参加しその様子を日本で紹介したり、海外の吹奏楽指導者を日本に招聘し指導や指揮をしてもらったり、海外の吹奏楽作品をNHK-FM放送ブラスのひびき」や吹奏楽専門誌、講習会、WEB[2]で積極的に紹介し書籍にまとめるほか、世界吹奏楽協会アジア・太平洋吹奏楽指導者協会JBA-ABA合同会議等の国際会議・大会の取り纏めを行う。また国内では全国各地で吹奏楽指導者講座「誰にでもできる吹奏楽指導講座」を開き、吹奏楽指導者のレベルの底上げに尽力する[3]1985年からは台湾にも訪問し、台湾バンドクリニック(臺灣國際管樂藝術節)等で吹奏楽講座を開き指導者やバンドのレベルの底上げに尽力する他、台湾吹奏楽指導者協会(台灣管樂指導者聯盟)の設立にも貢献した[4]ので、「台湾吹奏楽の父」と称されるようになる[5]。一方、吹奏楽の歴史の研究にも熱心で「吹奏楽の歴史 〜学問として吹奏楽を知るために〜」、「吹奏楽「昭和の資料集」~吹奏楽の歩み:初期から成熟期にかけて~」等の書籍にまとめる。特に、日本最初の吹奏楽団である薩摩バンドを指導したジョン・ウィリアム・フェントンの生涯についての研究では、フェントンの晩年を調べあげ墓地を特定する功績を残す[6][7]。深い親交のあったアメリカの作曲家アルフレッド・リードの生涯についても研究している[8][9]

略歴

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[1][10] [11][12][13][14]

現在

受賞歴

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作曲

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校歌

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著書

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書籍

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  • スクールバンドの指導と運営(1956年)[44]
  • 管楽器指導者のためのやさしい楽器論(1980年)[45]
  • 行進曲インデックス218(1984年)[46]
  • バンドミュージック・インデックス552(1988年)[47]
  • 吹奏楽指導全集1 吹奏楽の魅力(1988年)[48]
  • 吹奏楽曲プログラム・ノート - 秋山紀夫が選んだ689曲(2003年)[49]
  • 吹奏楽の歴史 〜学問として吹奏楽を知るために〜(2013年)[12]
  • 吹奏楽曲プログラム・ノート2(2014年)[50]
  • 吹奏楽の泉 〜1963 アメリカより〜(2017年)[1]
  • 吹奏楽「昭和の資料集」~吹奏楽の歩み: 初期から成熟期にかけて~(2022年)[13]

翻訳

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楽曲解説

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教則本等

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  • クイックトレーニング[60]
  • トータルトレーニング(1990年)[61]
  • -吹奏楽のための- 毎日の10分間ウォームアップ(2002年/2011年)[62]
  • 誰にでもできる合奏の基本トレーニング 〜吹奏楽指導者のための〜 ≪新訂版≫(1981年/2012年)[63]

教則DVD

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  • 秋山紀夫 誰にでもすぐに役立つバンドトレーニング術(2006年)[64]

録音

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出演

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ラジオ

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 「著書」を参照
  2. ^ 「略歴」を参照
  3. ^ 名誉会長を永年勤めた功労者

出典

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  1. ^ a b c 秋山紀夫『吹奏楽の泉 〜1963 アメリカより〜』(初)ミュージックエイト、2017年。ISBN 978-4-8147-0182-7 
  2. ^ 秋山紀夫の吹奏楽講座”. ロケットミュージック. 2024年7月26日閲覧。
  3. ^ 株式会社ミュージックエイト. “/ 秋山紀夫合奏指導講座in山口160211”. ミュージックエイト. 2024年7月26日閲覧。
  4. ^ a b 台灣國際管樂藝術節顧問” (英語). taiwanbandclinic. 2024年7月26日閲覧。
  5. ^ a b 臺灣管樂團 (TaiwanWind). “臺灣管樂團官方部落格|痞客邦” (中国語). taiwanwind.pixnet.net. 2024年7月26日閲覧。
  6. ^ 秋山紀夫「ジョン・ウイリアム・フェントンを追って」『吹奏楽の歴史―学問として吹奏楽を知るために』ミュージックエイト、2013年、133-136頁。ISBN 9784871643139 
  7. ^ 秋山紀夫「John William Fentonの足跡と終焉の地を求めて」『吹奏楽「昭和の資料集」~吹奏楽の歩み: 初期から成熟期にかけて~』ロケットミュージック、2022年、269-287頁。ISBN 978-4-86679-882-0 
  8. ^ アルフレッド・リードの生涯 その1 - ロケットミュージック
  9. ^ アルフレッド・リードの生涯 その2 - ロケットミュージック
  10. ^ 秋山紀夫の吹奏楽講座”. ロケットミュージック. 2024年7月26日閲覧。
  11. ^ 履歴書(Japanese) - 公認ファンページ
  12. ^ a b 秋山紀夫『吹奏楽の歴史 〜学問として吹奏楽を知るために〜』(初)ミュージックエイト、2013年。ISBN 978-4-87164-313-9 
  13. ^ a b 秋山紀夫『吹奏楽「昭和の資料集」~吹奏楽の歩み: 初期から成熟期にかけて~』(初)ロケットミュージック、2022年。ISBN 978-4-86679-882-0 
  14. ^ 月刊 吹奏楽研究 5月号
  15. ^ OFFICERS AND BOARD OF DIRECTORS - アジア・太平洋吹奏楽指導者協会
  16. ^ 会長・役員一覧 - 公益社団法人 日本吹奏楽指導者協会
  17. ^ 連盟概要”. www.nipponkousuiren.com. 2024年7月26日閲覧。
  18. ^ 浜松市. “音楽・芸術文化の振興”. 浜松市公式ホームページ. 2024年7月26日閲覧。
  19. ^ 主催 - 第41回日本吹奏楽指導者クリニック
  20. ^ 組織紹介 - 埼玉国際音楽交流協会
  21. ^ ABA-Honorary-Members_2020-21 - American Bandmasters Association
  22. ^ Honorary Life Members - World Association for Symphonic Bands & Ensembles (WASBE)
  23. ^ 秋山紀夫 - 西関東吹奏楽連盟 令和元年度 役員等名簿一覧
  24. ^ おおみや市民吹奏楽団”. occb.or.tv. 2024年7月26日閲覧。
  25. ^ 名誉指揮者: 秋山 紀夫”. ソニー吹奏楽団 / Sony Concert Band. 2024年7月26日閲覧。
  26. ^ Awards & Recognition”. nationalbandassociation.org. 2024年7月26日閲覧。
  27. ^ 秋山紀夫『吹奏楽「昭和の資料集」~吹奏楽の歩み: 初期から成熟期にかけて~』(初)ロケットミュージック、2022年、213-214頁。ISBN 978-4-86679-882-0 
  28. ^ 大宮市文化賞受賞者 - さいたま市
  29. ^ 第17回 日本管打・吹奏楽アカデミー賞 - 一般社団法人日本管打・吹奏楽学会”. www.jas-wind.net. 2024年7月26日閲覧。
  30. ^ 公益社団法人日本吹奏楽指導者協会-ニュースアーカイブ”. jba-honbu.p-kit.com. 2024年7月26日閲覧。
  31. ^ 埼玉県. “下總皖一音楽賞”. 埼玉県. 2024年7月26日閲覧。
  32. ^ 25年度受賞者 - 彩の国だより : 埼玉県広報紙
  33. ^ お知らせ”. 音楽之友社. 2024年7月26日閲覧。
  34. ^ 第32回 日本管打・吹奏楽アカデミー賞 - 一般社団法人日本管打・吹奏楽学会”. www.jas-wind.net. 2024年7月26日閲覧。
  35. ^ Band Journal 1960年5月号”. 音楽之友社. 2024年7月26日閲覧。
  36. ^ Japanese Songs - Edward B. Marks Music Company Classical
  37. ^ 1967年の埼玉での第22回国民体育大会(夏季および秋季)ために作曲
  38. ^ Band Journal 1967年6月号”. 音楽之友社. 2024年7月26日閲覧。
  39. ^ 1969年の長崎での第24回国民体育大会(夏季および秋季)ために作曲
  40. ^ 長崎新聞 (2022年6月5日). “晴れ舞台 | 長崎新聞”. 長崎新聞. 2024年7月26日閲覧。
  41. ^ 沿革 - 埼玉県立北川辺高等学校
  42. ^ (3)埼玉の校歌 - 県立熊谷図書館 令和3年度第1回資料展「埼玉音楽紀行 歌い継がれるふるさとの心」展示資料リスト
  43. ^ 校歌・校章 - 埼玉県立大宮武蔵野高等学校”. om-h.spec.ed.jp. 2024年7月26日閲覧。
  44. ^ 秋山紀夫『スクールバンドの指導と運営』音楽之友社、1956年。 
  45. ^ 秋山紀夫『管楽器指導者のためのやさしい楽器論』草思社、1980年。 
  46. ^ 秋山紀夫『行進曲インデックス218』佼成出版社、1984年。ISBN 978-4-33300-422-5 
  47. ^ 秋山紀夫『バンドミュージック・インデックス552』佼成出版社、1988年。ISBN 978-4-33301-334-0 
  48. ^ 秋山紀夫(編)『吹奏楽指導全集1 吹奏楽の魅力』同朋舎出版、1988年。ISBN 978-4-81041-245-1 
  49. ^ 秋山紀夫『吹奏楽曲プログラム・ノート - 秋山紀夫が選んだ689曲』ミュージックエイト、2003年。ISBN 978-4-87164-282-8 
  50. ^ 秋山紀夫『吹奏楽曲プログラム・ノート2』ミュージックエイト、2014年。ISBN 978-4-87164-314-6 
  51. ^ E.C.ムーア 著、秋山紀夫 訳『ザ・ブラス・ブック : 基本・金管奏法』パイパーズ、1972年。 
  52. ^ フランシス・マクベス 著、秋山紀夫 訳『吹奏楽曲の効果的演奏法』パイパーズ、1973年。 
  53. ^ Dale F. Hopper 著、秋山紀夫 訳『コー・スタイルによるマーチング・バンド・ドリル・テクニック』(第2)エー・ティー・エヌ、2011年。ISBN 978-4-7549-4343-1 
  54. ^ F.フェネル 著、秋山紀夫 訳『ベーシック・バンド・レパートリー ― フレデリック・フェネルの実践的アナリューゼ』佼成出版社、1985年。ISBN 978-4-33301-169-8 
  55. ^ F.フェネル 著、秋山紀夫 訳『タイム&ウィンズ : フレデリック・フェネルの吹奏楽小史』佼成出版社、1985年。ISBN 978-4-33301-170-4 
  56. ^ 秋山紀夫(解説) (2014), 葬送と勝利の大交響曲, 日本楽譜出版社 
  57. ^ 秋山紀夫(解説) (2016), ディオニソスの祭り, 日本楽譜出版社 
  58. ^ 秋山紀夫(解説) (2016), 行進曲「東洋と西洋」, 日本楽譜出版社 
  59. ^ 秋山紀夫(解説) (2018), 表敬の行進曲, 日本楽譜出版社 
  60. ^ 秋山紀夫『クイックトレーニング』ミュージックエイト 
  61. ^ 秋山紀夫『トータルトレーニング』ミュージックエイト 
  62. ^ 秋山紀夫『-吹奏楽のための- 毎日の10分間ウォームアップ』ミュージックエイト、2011年。ISBN 978-4-8400-7937-2 
  63. ^ 秋山紀夫『誰にでもできる合奏の基本トレーニング 〜吹奏楽指導者のための〜 ≪新訂版≫』ミュージックエイト、2012年。ISBN 978-4-8400-8954-8 
  64. ^ 秋山紀夫『秋山紀夫 誰にでもすぐに役立つバンドトレーニング術』一般社団法人日本吹奏楽指導者協会、2006年。 
  65. ^ 石井歓 / 序曲「廣野をゆく」”. www.musicabella.jp. 2024年7月26日閲覧。
  66. ^ 第9回世界吹奏楽大会 1999 - カリフォルニア州サン・ルイス・オビスポ(天方産業吹奏楽団)”. NML ナクソス・ミュージック・ライブラリー. 2024年7月26日閲覧。
  67. ^ 第12回世界吹奏楽大会 2005 - シンガポール(洗足学園音楽大学ウィンド・アンサンブル/アンサンブル・ヌーボー)”. NML ナクソス・ミュージック・ライブラリー. 2024年7月26日閲覧。
  68. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年7月26日閲覧。
  69. ^ 国立国会図書館/歴史的音源配信参加館内限定公開

外部リンク

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