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「吉崎御坊」の版間の差分

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2021年6月20日 (日) 01:44時点における版

吉崎御坊
蓮如上人記念館

吉崎御坊(よしざきごぼう)は、越前吉崎(現在の福井県あわら市吉崎)にあった坊舎。「史跡 吉崎御坊跡」[1]の石碑が立つ。

起源

文明3年(1471年)7月下旬、比叡山延暦寺などの迫害を受けて京から逃れた本願寺第8世法主蓮如が、本願寺系浄土真宗の北陸における布教拠点として越前吉崎にある北潟湖畔の吉崎山の頂に建立した。吉崎は興福寺大乗院門跡であった経覚の所領であったが、経覚の母が本願寺の出身で、蓮如も若い頃に経覚の元で修行していた事、また偶々吉崎の代官の地位にあったのが当時の本願寺にとっては数少ない末寺であった和田本覚寺の住持蓮光であったという関係もあって経覚が蓮如のために吉崎を譲ったのだといわれている。

この地で蓮如は教義を民衆にわかりやすく説き、時には御文(「御文章(ごぶんしょう)」)を用いたり、「南無阿弥陀仏」の六字名号を下付したため、御坊には北陸はもとより奥羽からも多くの門徒が集った。また、御坊周辺の吉崎一帯は坊舎や門徒の宿坊などが立ち並び寺内町を形成した。

別院の建立

延享3年(1746年)に西別院本願寺派)が山下道場のあった場所に建立され、翌年の延享4年(1747年)には東別院大谷派)が吉崎山のふもとに建立される。

寺院・諸施設の現況

御坊跡に向う階段の西側に浄土真宗本願寺派別院が、東側に真宗大谷派別院が置かれる。ともに「吉崎別院」と称するため、本山の通称にちなみ本願寺派の別院を「西御坊」・「(吉崎)西別院」、大谷派の別院を「東御坊」・「(吉崎)東別院」と通称される。また、「吉崎寺」(浄土真宗本願寺派)・「吉崎御坊願慶寺」(真宗大谷派)などの寺院、一般財団法人 本願寺文化興隆財団(旧称・本願寺維持財団。浄土真宗大谷本願寺派)が運営する「吉崎御坊 蓮如上人記念館」「眞無量院吉崎別院」などがある。

浄土真宗本願寺派(西本願寺)

  • 本願寺派吉崎別院(西別院)(あわら市)
  • 吉崎別院研修センター(あわら市)
  • 吉崎寺(あわら市)

真宗大谷派(東本願寺)

  • 真宗大谷派吉崎別院(東別院)(あわら市)
  • 吉崎御坊願慶寺(あわら市)
  • 浄覚寺(あわら市)
  • 名願寺(加賀市)

その他宗教施設等

吉崎山

吉崎山(御山)とは、北・西・南の三方を北潟湖に囲まれた天然の要害で、海抜33m程、面積約2万平方メートルの小高い丘である。この山の頂に吉崎御坊があった。1975年には国の史跡に指定[1]され、公園として整備されている。現在は東西両派共有の地である。

蓮如忌

吉崎地区と県境

1950年代から吉崎地区を通る国道が整備され、1970年国道305号に指定。現在、吉崎御坊を中心とする門前町は県境(国境)を跨いで石川県(加賀国)側にも拡がっており、加賀市吉崎町となっている。県境上にあわら市と加賀市が運営する観光ガイダンス施設「越前加賀県境の館」が2015年4月11日に開館した。元は越前国と加賀国の国境であった。史跡吉崎御坊跡に隣接しているあわら市吉崎小学校の学区はあわら市金津中学校の通学区域の一部となっているが遠方であり、吉崎地区が県境に跨る集落であることから、あわら市教育委員会では金津中学校よりも近い加賀市立錦城中学校への入学を許可していた。吉崎地区から公立中学校へ進学する児童はほぼ全員が錦城中学校へ入学していたが、吉崎地区においても少子高齢化・過疎化が進行しており、吉崎小学校は2016年3月をもって休校となった。在校生はあわら市細呂木小学校のほか、吉崎地区に近い加賀市立緑丘小学校へと県境を越えて転出した。参拝・観光客向け商業施設(土産店)としてあわら市の吉崎御坊前に吉崎観光センターがあるが、観光地としては寂れており、門前町も商店は少なく大半が一般住宅となっている。

交通

本数は毎日4往復。バス停は加賀市側にあり、あわら市側の史跡や各寺院、その他諸施設までは徒歩5分~10分。
  • 加賀周遊バス「キャン・バス」海まわり線「1加賀温泉駅前・アビオシティ加賀」バス停より「16a吉崎御坊蓮如上人記念館・越前加賀県境の館」バス停(あわら市側の「吉崎御坊 蓮如上人記念館」の駐車場内)下車。
観光周遊バスのため乗車前に周遊乗車券が必要。路線バスではない。本数は毎日7便。
  • あわら市内では土日祝(年末年始除く)に「あわら北部周遊バス」を運行。土日祝には観光タクシーも運行されている。
平日と土曜日は、後述のコミュニティバスの代替としてデマンド交通乗合タクシー(休日運休)が運行されており、1406吉崎公民館、1407吉崎郵便局の2か所の停留所が近隣に設置されている。乗合タクシーは誰でも利用できるが、住民の買い物や通院の足として設定されているため、あわら市役所の乗合タクシー予約センターへあらかじめ利用登録の上、利用日の1週間前から当日1時間前までに電話予約が必要。
過去
  • JR西日本北陸本線芦原温泉駅・えちぜん鉄道三国芦原線[2]あわら湯のまち駅~吉崎間の旧金津町営バスを引き継いだあわら市コミュニティバス北ルート3号線(吉崎・北潟方面。7便)及び北ルート4号線(観光コース。5便)の「吉崎」バス停が、かつてあわら市側の吉崎御坊及び吉崎観光センター前にあったが、2012年3月31日に全線廃止。
  • 大正時代には吉崎地区に鉄道を敷設する構想があり、事業者に鉄道免許状が下付されていたが実現に至らず終わっている(えちぜん鉄道三国芦原線#歴史を参照)。

脚注

  1. ^ a b 吉崎御坊跡 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  2. ^ 旧・京福電気鉄道三国芦原線

関連項目

外部リンク

吉崎御坊関連
越前加賀県境の館関連

座標: 北緯36度17分13.5秒 東経136度15分4秒 / 北緯36.287083度 東経136.25111度 / 36.287083; 136.25111