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「広電宮島口駅」の版間の差分

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広電宮島口駅の乗降人員は以下の表のように推移している。
広電宮島口駅の乗降人員は以下の表のように推移している。
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!colspan=3|1日平均乗降人員の推移
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2021年8月8日 (日) 12:26時点における版

広電宮島口駅
駅外観
ひろでんみやじまぐち
Hiroden-miyajima-guchi
M38 広電阿品 (1.5 km)
地図
所在地 広島県廿日市市宮島口一丁目12-34[1]
北緯34度18分42.433秒 東経132度18分14.922秒 / 北緯34.31178694度 東経132.30414500度 / 34.31178694; 132.30414500 (広電宮島口駅)座標: 北緯34度18分42.433秒 東経132度18分14.922秒 / 北緯34.31178694度 東経132.30414500度 / 34.31178694; 132.30414500 (広電宮島口駅)
駅番号 M39
所属事業者 広島電鉄
所属路線 宮島線
キロ程 16.1 km(広電西広島起点)
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
乗降人員
-統計年度-
6,312人/日
-2018年-
開業年月日 1931年昭和6年)2月1日
乗換 宮島口駅山陽本線宮島連絡船
宮島口桟橋(宮島松大汽船
備考 当駅と広電阿品駅との間に、宮島競艇開催日のみ停車する臨時駅宮島ボートレース場駅がある。
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広電宮島口駅(ひろでんみやじまぐちえき)は、広島県廿日市市宮島口一丁目にある広島電鉄宮島線である。駅番号はM39

宮島線の終点であり、世界遺産厳島神社の最寄り駅。厳島神社が鎮座する厳島(宮島)までは、駅前から連絡船(宮島航路)が就航する。フェリー乗り場については宮島口フェリー乗り場参照。

歴史

改築・改称前の駅舎(1991年8月)

当駅は1931年(昭和6年)、広島電鉄の前身である広島瓦斯電軌が宮島線の新宮島駅から当駅までの区間を延伸させたのに合わせて開業した[2][3]。この延伸をもって、己斐町駅から順次伸びてきた宮島線は全線開業を果たしている[3]。開業当時の駅名は電車宮島駅(でんしゃみやじまえき)で[4]、これは宮島線と連帯運輸を行う鉄道省(国有鉄道)の宮島駅と区別するための命名であった[5]。当駅が開業した時にはすでに鉄道省が宮島口から宮島までの連絡航路(宮島連絡船)を就航させていたため、宮島線はこれに連絡し、それまで広島瓦斯電軌が運航していた新宮島駅前から宮島までの連絡航路はこのとき廃止された[3][6]

宮島線は全線複線にて開通したが、太平洋戦争下の1944年(昭和19年)に当駅から電車廿日市駅までの区間は一度下り線が撤去され、単線に変更されている[5][7]。これは当時広島市内で建設中であった皆実線のレールを資材不足の中確保するためで、利用者が比較的僅少だった同区間のレールが流用されたのである[7]。線路は戦後1950年(昭和25年)に複線へと戻っている[5]

駅名は1961年(昭和36年)に広電宮島駅(ひろでんみやじまえき)に改称[4]。国鉄の駅は1942年(昭和17年)に宮島駅から宮島口駅へ改称しており、当駅も2001年(平成13年)に広電宮島口駅へと改称された[8]

  • 1931年昭和6年)2月1日 - 新宮島 - 当駅間の延伸、宮島線の全通に伴い電車宮島駅として開業[2]。駅舎が設けられる[9]
  • 1944年(昭和19年)7月21日 - 宮島線の電車廿日市駅 - 当駅間の線路が複線から単線に変更[2]
  • 1950年(昭和25年)7月24日 - 電車廿日市駅 - 当駅間の線路が複線に戻される[2]
  • 1961年(昭和36年)6月1日 - 広電宮島駅に改称[2]
  • 1983年(昭和58年)6月24日 - 低床ホームの4番乗り場を新設[10](のちに廃止)。
  • 1994年平成6年)7月20日 - 駅舎を改築[11]
  • 2001年(平成13年)11月1日 - 広電宮島口駅に改称[2]
  • 2022年度末 - 鉄道駅がフェリーターミナル隣接地へ移転(予定)。

駅構造

広電宮島口駅配線図

広電阿品駅

ENDEa ENDEa STRg
ENDEa
STR STR STR STR+BSl STR
宮島ボートレース場駅
STR STR STR STR STR
STR2 STR+c3 KRWgl+l KRWgr+r STR
STRc1 ABZ2+4g
SHI1l STR
STRc1 vABZg+4-
STR+BSl
ENDEe+BSel
広電宮島口駅
3 2 1

参考文献:[8][12]

頭端式ホーム2面3線の地上駅[8][12]。このほかに留置線があり、当駅から宮島ボートレース場駅の下りホームにかけて本線の海側に1本、山側に2本の計3本が並行している[8][12]。この留置線はかつて当駅に併設されていた車両基地(宮島口車庫)の遺構である[8]。車両基地では1982年(昭和57年)7月にドラマ『西部警察 PART-II』の日本全国縦断ロケが行われ、テロリストによる電車の爆破シーンが750形766号を用いて撮影された[13]

乗り場は海側から1・2・3番乗り場となっている[8]。宮島線専用の鉄道車両が在籍した時期は3番乗り場が高床の鉄道車両に対応した高床ホームで2番乗り場が広島市内の軌道線に直通する車両に対応した低床ホームとなっており、2・3番乗り場の間はホームの床面が傾斜していた。1番乗り場は単行運転車用で、駅舎寄りが高床ホーム、広電西広島駅寄りが低床ホームとなっていた。1983年から一時期は低床ホームの4番乗り場が設けられていたこともあった[10]

駅には自動券売機が設置されており、売店とトイレもある。駅係員の配置時間帯には運賃収受が駅改札で行われる。駅舎は1931年の開業以来のものが長らく使われてきたが、広島でのアジア競技大会開催を控えた1994年7月に建て替えられ、老朽化が進んでいた駅舎は宮島の玄関口として装いを改めている[11]。この建て替えを記念して、広島電鉄では宮島の名産品であるしゃもじ付きの乗車券が販売された[11]

乗り場 路線 行先
1 - 3 五日市西広島広島方面

今後の予定

2020年2月29日に新たな宮島口フェリーターミナルが開業、同年4月2日には隣接する広電宮島ガーデンの商業施設「etto」が開業した。広電宮島ガーデンの旧商業施設である「もみじ本陣」はこれに先立って2019年12月10日に閉鎖されており、広島電鉄ではこれを解体した跡地を利用して広電宮島口駅を東寄りに移設し、道路を横断せずにフェリーに乗り換えることができるようにすることを計画している[14]。広電宮島口駅と「もみじ本陣」跡地の間にある道路は駅西側に移設され、立体化される駐車場へは線路を跨ぐ誘導路が設けられる(松大カーフェリー乗り場への進入方法は不明)。2020年度中に着工し、2022年度末の開業を予定している[15]

利用状況

『廿日市市統計書』によると、2018年度の1日平均乗降人員(利用者総数をその年の日数で割った値)は6,312人であった[16]

広電宮島口駅の乗降人員は以下の表のように推移している。

1日平均乗降人員の推移
年度 乗降人員 出典
1998年度 5,702 [17]
1999年度 4,726 [17]
2000年度 5,142 [17]
2001年度 4,910 [17]
2002年度 4,846 [17]
2003年度 4,828 [17]
2004年度 4,637 [17]
2005年度 4,832 [18]
2006年度 4,976 [19]
2007年度 5,328 [20]
2008年度 5,627 [21]
2009年度 5,427 [22]
2010年度 4,948 [23]
2011年度 5,218 [24]
2012年度 5,408 [25]
2013年度 5,339 [26]
2014年度 5,336 [27]
2015年度 5,434 [28]
2016年度 5,860 [29]
2017年度 6,009 [30]
2018年度 6,312 [16]

駅周辺

駅のある廿日市市宮島口地区は、大野瀬戸(瀬戸内海)を挟んで宮島と相対する場所にあり、前後を海と山に挟まれ平地は少ない[31][32]。その狭隘な平地に当駅のほか西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽本線宮島口駅、広島松大汽船の宮島口桟橋、JR西日本宮島フェリー宮島連絡船の宮島口桟橋が立地し、宮島への玄関口として交通結節点を形成している[32]。JRの宮島口駅は地区を横断する国道2号宮島街道)を挟んで山側にあり、海側にある当駅のほうが桟橋に近い[12]

宮島口地区は1930年(昭和5年)ころと1963年(昭和38年)の2度にわたって埋め立て工事が実施されてきた[32]。かつては当駅のすぐそばまで海が迫り、夏期には納涼場が設けられたこともある[5]。埋め立てが進行した駅前には広島県道43号厳島公園線のロータリー(通称「しゃもじロータリー」)が通り、ロータリーを囲むようにみやげ物店やホテル・旅館が立ち並ぶ。

当駅の手前にある宮島線の踏切は「開かずの踏切」であり、観光シーズンになると国道から海側にある駐車場へ向かう大型バスの流れが踏切によって妨げられ、渋滞が発生する[33]。廿日市市が2016年に発表した「宮島口地区まちづくりグランドデザイン」でも、まちづくり施策のひとつに交通円滑化が掲げられ、渋滞の解消を課題としている[32][34]。グランドデザインの中では当駅に関しても、駅および線路の移設や駅周辺に「広電ガーデン」エリアを創出することなどが構想されている[33][32]

路線バス

隣の駅

広島電鉄
宮島線
広電阿品駅 (M38) - (宮島ボートレース場駅 - 広電宮島口駅 (M39)

脚注

  1. ^ 路線・電停ガイド - 宮島線”. 広島電鉄. 2015年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月1日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 『広電が走る街 今昔』150-157頁
  3. ^ a b c 『広島電鉄開業100年・創立70年史』67-68頁
  4. ^ a b 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 11 中国四国、新潮社、2009年、39頁。ISBN 978-4-10-790029-6 
  5. ^ a b c d 『広電が走る街 今昔』130-133頁
  6. ^ 『広電が走る街 今昔』137頁
  7. ^ a b 『広島電鉄開業100年・創立70年史』99頁
  8. ^ a b c d e f 川島令三『山陽・山陰ライン 全線・全駅・全配線』 第7巻 広島エリア、講談社〈【図説】 日本の鉄道〉、2012年、17・89頁頁。ISBN 978-4-06-295157-9 
  9. ^ 『広島電鉄開業100年・創立70年史』70頁
  10. ^ a b 『広島電鉄開業100年・創立70年史』439頁
  11. ^ a b c 『広島電鉄開業100年・創立70年史』235・442頁
  12. ^ a b c d 川島令三『全国鉄道事情大研究』 中国篇 2、草思社、2009年、119-121頁。ISBN 978-4-7942-1711-0 
  13. ^ 『広島電鉄開業100年・創立70年史』249頁
  14. ^ 広電駅移設、乗船スムーズ 立体駐車場も - 中国新聞、2020年1月1日
  15. ^ 広電グループ経営総合3ヵ年計画2022(2020年度~2022年度) - 広島電鉄、2020年5月14日
  16. ^ a b 『廿日市市統計書』2020年版
  17. ^ a b c d e f g 『廿日市市統計書』2006年版
  18. ^ 『廿日市市統計書』2007年版
  19. ^ 『廿日市市統計書』2008年版
  20. ^ 『廿日市市統計書』2009年版
  21. ^ 『廿日市市統計書』2010年版
  22. ^ 『廿日市市統計書』2011年版
  23. ^ 『廿日市市統計書』2012年版
  24. ^ 『廿日市市統計書』2013年版
  25. ^ 『廿日市市統計書』2014年版
  26. ^ 『廿日市市統計書』2015年版
  27. ^ 『廿日市市統計書』2016年版
  28. ^ 『廿日市市統計書』2017年版
  29. ^ 『廿日市市統計書』2018年版
  30. ^ 『廿日市市統計書』2019年版
  31. ^ 厳島港宮島口地区港湾整備事業について”. 広島県西部建設事務所廿日市支所 (2016年12月9日). 2017年4月1日閲覧。
  32. ^ a b c d e 宮島口地区まちづくりグランドデザイン” (PDF). 廿日市市建設部宮島口みなとまちづくり推進課 (2016年). 2017年4月1日閲覧。
  33. ^ a b 大野雅人 (2016年12月5日). “宮島口の新フェリーのりば「大桟橋」供用開始…渋滞解消、広電の電停移設構想も”. Response. (イード). http://response.jp/article/2016/12/05/286450.html 2017年4月1日閲覧。 
  34. ^ 植田憲尚 (2016年3月2日). “宮島口:「和」で統一 廿日市市、まちづくり中間報告 /広島”. 毎日新聞 (毎日新聞社). http://mainichi.jp/articles/20160302/ddl/k34/010/627000c 2017年4月1日閲覧。 

参考文献

  • 長船友則『広電が走る街 今昔』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2005年。ISBN 4-533-05986-4 
  • 『広島電鉄開業100年・創立70年史』広島電鉄、2012年。 
  • 廿日市市分権政策部広報統計課編 『廿日市市統計書』各年版

関連項目

外部リンク