コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「FAITH (HYDEのアルバム)」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Cewbot (会話 | 投稿記録)
55行目: 55行目:
# '''[[COUNTDOWN (HYDEの曲)|COUNTDOWN]]''' [4:05]
# '''[[COUNTDOWN (HYDEの曲)|COUNTDOWN]]''' [4:05]
#*作詞:HYDE / 作曲:HYDE / 編曲:HYDE・KAZ
#*作詞:HYDE / 作曲:HYDE / 編曲:HYDE・KAZ
#:6thシングル。[[ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント (米国)|ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント]]配給[[映画]]『[[ステルス (映画)|ステルス]]』日本語版主題歌。
#:6thシングル。[[ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント]]配給[[映画]]『[[ステルス (映画)|ステルス]]』日本語版主題歌。
#:タイトルは、上記映画のテーマである"人類が自分達の手で作ったものによって破滅に向かう"、その破滅までの時間を表現していると語っている。楽曲制作について、HYDEは「自分が映画の音楽監督になったつもりで、どういう曲がエンディングに流れるとカッコ良いのかを考えて作った」とコメントしている<ref>[http://www.oricon.co.jp/music/interview/051005_01.html HYDE『インタビュー初登場! ソロ再始動は攻撃的なロックで!!』] - oricon style</ref>。曲中英語で「13...12..11..」と連呼する場面があるが、「13」からはじまる理由については「その数字自体が好きだから」とのこと<ref name="faith"/>。
#:タイトルは、上記映画のテーマである"人類が自分達の手で作ったものによって破滅に向かう"、その破滅までの時間を表現していると語っている。楽曲制作について、HYDEは「自分が映画の音楽監督になったつもりで、どういう曲がエンディングに流れるとカッコ良いのかを考えて作った」とコメントしている<ref>[http://www.oricon.co.jp/music/interview/051005_01.html HYDE『インタビュー初登場! ソロ再始動は攻撃的なロックで!!』] - oricon style</ref>。曲中英語で「13...12..11..」と連呼する場面があるが、「13」からはじまる理由については「その数字自体が好きだから」とのこと<ref name="faith"/>。
# '''MADE IN HEAVEN''' [3:40]
# '''MADE IN HEAVEN''' [3:40]

2021年8月17日 (火) 22:38時点における版

『FAITH』
HYDEスタジオ・アルバム
リリース
録音 2005年 - 2006年
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
日本の旗 日本(#5と歌録り)
ジャンル ロック
ハードロック
時間
レーベル HAUNTED RECORDS
Ki/oon Records
プロデュース HYDE & KAZ
専門評論家によるレビュー
Allmusic 星4 / 5 link
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 登場回数8回(オリコン)
ゴールドディスク
  • ゴールド(日本レコード協会
  • HYDE アルバム 年表
    666
    2003年
    FAITH
    2006年
    HYDE
    2009年
    『FAITH』収録のシングル
    1. COUNTDOWN
      リリース: 2005年10月5日
    2. SEASON'S CALL
      リリース: 2006年2月22日
    テンプレートを表示

    FAITH』(フェイス)は、日本ロックバンドL'Arc〜en〜Cielのボーカリスト、HYDEの3枚目のアルバム2006年4月26日発売。発売元はKi/oon Records内の自身の主宰レーベルHAUNTED RECORDS

    解説

    前作『666』以来2年4ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム。

    アルバムタイトルには、前作『666(=悪魔の数字)』とは正反対のイメージを持つ言葉の『FAITH(=信仰)』という単語が付けられている[1]。タイトルが決まった経緯について、HYDEは「もともとは狙いではなかったんですけど、当然僕もそのこと(=前作と正反対のイメージのあるアルバムタイトルであること)に気がついて。まぁ、それでいいか、黒と白という感じで、と。両方とも、要は僕の好きなものなんですよ。悪魔をイメージするものも、神をイメージするものも[1]」「前作は、全然音楽性とは関係なく、好きなワードからタイトルを選んだんです。今回もそうしようと思っていたんですけど、思い浮かばず(笑)じゃあ、アルバムに沿って『FAITH』と考えた時に、前作との表裏一体のような表現になった[1]」と最初から狙って付けられたわけではない旨を述べている。アルバムジャケットは、HYDEと親交の深い画家金子國義が手掛けている。

    本作はアルバムタイトルから連想されるように、歌詞にはHYDEの持つ宗教観が多く取り込まれた作風となっている。また、L'Arc〜en〜Cielで発表したアルバム『AWAKE』に続いて戦争反戦をテーマにした楽曲であったり、現代社会に対するHYDEの想いや疑問など、内省的な内容の楽曲が多く収録されており、詞世界に統一感のあるコンセプチュアルなアルバムとなっている[1]

    また、これまでのようなHYDE独特の抽象的な表現から、本作ではあえて具体的な表現を扱うことが増えている[2]。このことについて、HYDEは「中には一見悪意を望んでいるような詞があったりするけど、それも決して望んでいるわけではなく、"望むとどうなるか分かるよね?"っていう意味で書いているから。だから、そういうのを間違って理解して欲しくはないなって思います[3]」「結構ね、歌詞は中途半端に理解されるべきもんだとは思うんですよ。歌詞なんていちいち説明してたらカッコいいわけないし、だけど、"そこにちゃんとした理解があってほしいな"とは、思うようになってきました。ただ、ちゃんと理解してほしいからといって、いいことばかり書いてもカッコいいものができるとは思わないんですよ。いいことも悪いことも含めて表現するのが、アーティストとして当然のことだと思っているので[3]」と述べており、リスナーにより深く歌詞を理解をしてもらうために詞の表現が変化したことを示唆している。また、本作ではリスナーへのアプローチのため、英詞部分には対訳が付けられている[2]。また、英語詞を手掛ける際は、前作に引き続き、訳詞家のリン・ホブデイやAnis(MONORAL)とディスカッションした上で行っている。

    本作のレコーディングは、収録曲「SEASON'S CALL」と歌録り以外の作業をアメリカロサンゼルスで行っている。「西海岸のハードロックサウンドに仕上げたいと考えていた[4]」と語っており、前作よりもよりハードでアメリカンロックなテイストに仕上がっている。また、前作では共同プロデューサーとしてのみの参加であったK.A.ZOblivion Dust、ex.Spin Aqua)が作曲者兼ギタリストとしてもレコーディングに参加している。K.A.Zはアルバムについて「曲ごとのニュアンスとか空気感、世界観は違うけど、アルバム全体には凄く統一感があると思います。一枚を通して精神世界を感じるよう[5]」と述べている。また、ベースドラムは、HYDEが好んで聴いていたロックバンド、ザ・ミッションに在籍していたクレイグ・アダムスとスコット・ギャレットが担当しており、他にはナイン・インチ・ネイルズのサポートをしていたダニー・ローナーがレコーディングに参加している[4]

    HYDEが作詞および作曲、K.A.Zが作曲兼ギターを担当し、2人で楽曲をプロデュースするこの体制は、2008年に2人が結成するロックユニット、VAMPSの原型となっている。VAMPSを結成した2008年のインタビューにて、HYDEは「いろいろなタイミング、要素が重なっているんですけど、実は前回のアルバム(『FAITH』)から、今やっているようなスタイルは出来上がっていたんですよ。ただ、今後もこれまでと同じように"HYDE"っていう名前でやるのは無理があった[6]」と語っている。

    初回限定盤 (CD+DVD) と通常盤 (CD) の2形態で発売されており、初回盤にはシングルの表題曲2作のミュージック・ビデオを収めたDVDが同梱されている。ちなみに、HYDEのオリジナルアルバム初回盤の規格品番は、本作含めた過去3作品すべてぞろ目となっている。ちなみに、次作『ANTI』の規格品番は、HYDE主宰レーベルのHAUNTED RECORDSではなく、Virgin Musicからリリースされたためぞろ目ではない。

    本作で前作以来となるオリコン週間チャート初登場2位を記録し、前作の売上を初動・累計ともに上回っている。

    評価

    • アレクセイ・エレメンコはデータベースサイトのオールミュージックにて、アルバムにU2の雰囲気があることに加え、楽曲構成は「ミューズとユーロメタルのハイブリッドをのように感じられる[7]」と評している。また、「デヴィン・タウンゼンドダン・スワノデスメタル以外の作品を彷彿とさせ、ヴァース‐コーラス形式をあまり気にしない強烈な多層の重いリフと、シンセのテクスチャの精巧なブレンドだ[7]」「このアルバムは、素晴らしい作詞作曲を備え、焦点を絞ったフック満載のアルバムとなっており、多くのロックボーカリストのひとりよがりなプロジェクトとは差別化されている[7]」と評している。

    収録曲

    1. JESUS CHRIST [4:12]
      • 作詞:HYDE / 作曲:HYDE / 編曲:HYDE & KAZ
      HYDE曰く「イエス・キリストを崇拝する人物を主人公とした歌詞」だという。2004年に開催したソロ名義初のライブツアー「2004 FIRST TOUR 666」においてキリスト像や十字架をバックに演奏しており[8]、HYDEは「そのステージセットに合うような曲が欲しかった[8]」と述べている。
      また、HYDEは「本作のキーとなる楽曲[8]」と表現している。アルバムがコンセプチュアルな作品となったきっかけもこの曲で、「この曲は作るのにかなり時間がかかったんですよ。この曲のイメージをこの1年くらい掘り下げていたところがあって[1]」「でも、こういう曲でライブを始めたいなってことはずっと想像していたので、この曲が必然的に幹になっていました[1]」とアルバム発売時の雑誌のインタビューで述べている。
      KAZはこの曲について「教会で祈っているようなのイメージがある曲で精神世界っていう言葉がピッタリ。カオスも感じるので、ギターもすごくかきむしりながら弾きました[5]」と述べている。KAZにとってアルバムの中でも相当好みの曲のようで、KAZは「とても好きな曲。歌詞を読んだとき泣きそうになりました[5]」と述べている。また、三柴理特撮筋肉少女帯)がピアノで参加している。
    2. COUNTDOWN [4:05]
      • 作詞:HYDE / 作曲:HYDE / 編曲:HYDE・KAZ
      6thシングル。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給映画ステルス』日本語版主題歌。
      タイトルは、上記映画のテーマである"人類が自分達の手で作ったものによって破滅に向かう"、その破滅までの時間を表現していると語っている。楽曲制作について、HYDEは「自分が映画の音楽監督になったつもりで、どういう曲がエンディングに流れるとカッコ良いのかを考えて作った」とコメントしている[9]。曲中英語で「13...12..11..」と連呼する場面があるが、「13」からはじまる理由については「その数字自体が好きだから」とのこと[4]
    3. MADE IN HEAVEN [3:40]
      • 作詞:HYDE / 作曲:HYDE / 編曲:HYDE & KAZ
      歌詞は、HYDE曰く「堕落への勧誘的な意味合いがある[8]」といい、「キリスト教でいう"救済"。それが一向に起こらないのは堕落が足りないからじゃないか。そういう皮肉です[8]」と述べている。また、ライブのメインになるようなヘヴィで勢いのある曲[8]を意識して作ったという。
    4. I CAN FEEL [5:07]
      • 作詞:HYDE / 作曲:KAZ / 編曲:HYDE & KAZ
      曲のフレーズがほとんどループしている楽曲で、作曲したKAZはこの曲について「ループの気持ちよさを感じる、UKの雰囲気の曲[5]」と語っている。
      この曲を制作していた頃、HYDE曰く「周りのいつもの風景がとても愛おしく感じられるようになってきた[10]」といい、その感覚でこの曲の歌詞が手掛けられている。
    5. SEASON'S CALL [5:24]
      • 作詞:HYDE / 作曲:KAZ / 編曲:HYDE & KAZ
      7thシングル。MBSTBSアニメBLOOD+』第2期オープニングテーマ。
      上記アニメの脚本を読んだ上でHYDEが歌詞を手掛けており、HYDEは「ドラキュラ好きなんで、こういう話は大好きだなあと思いながら。でも歌詞にはアニメのストーリーが持っている根本的な愛の部分だったりを、反映させた感じ[11]」と述べており、アニメの主人公の持つ自分の故郷やあの頃に帰りたいという郷愁を歌詞にのせている。
      また、KAZがHYDEに対し初めて提供した楽曲である。HYDEは「KAZが手掛けた最初の曲だったので、うまくヒットチャートに乗ってくれてよかった。僕はもうKAZは一員だと思ってるけど、ファンの中には僕の曲にこだわる人もいる。そういう意味では賭けでしたから[8]」と述べている。KAZは「シングルにするって聞いた時は、いいのかな?って思いました[5]」と述べている。
    6. FAITH [4:38]
      • 作詞:HYDE / 作曲:KAZ / 編曲:HYDE & KAZ
      アルバムタイトルの同名の楽曲。曲の終わりに向けてストリングスが入り[5]、壮大に広がっていくような雰囲気を持った楽曲となっている。
      HYDE曰く「キリストの最後の瞬間を想像しながら歌詞[8]」だといい、「認識の違いで様々な宗教が出来上がっていったんでしょうけど、彼がやりたかったのは、きっともっと単純なことなんじゃないかと思って。その純粋な部分をうまく言葉にしたかった[8]」と述べている。
    7. DOLLY [3:35]
      • 作詞:HYDE / 作曲:KAZ / 編曲:HYDE & KAZ
      HYDEは歌詞について「現代に対するちょっとした疑問[8]」と表現している。また、タイトルおよび歌詞の内容は、1996年に人工的に生み出だたれたクローンドリーを題材としており、曲の中盤にはドリーの視点での語りが挿入されている[4]
      この曲のリフには7弦ギターが使用されており[8]、KAZは「アルバムの中で一番ヘヴィな曲[5]」と述べている。
    8. PERFECT MOMENT [4:31]
      • 作詞:HYDE / 作曲:HYDE / 編曲:HYDE & KAZ
      本作の中では珍しいしっとりとした静かな曲調となっており、ギターのアルペジオが印象的な楽曲となっている[5]
      作曲者のHYDEは「ライブの中でテンションを落としてやる時に気持ちいい曲を目指して作った[8]」と述べている。また、本作収録のHYDE作曲の楽曲では最後にできた曲だといい、スタジオに籠って締め切りに追われ一人で作ったため、仮タイトルは「HYDE ONESELF」だったという[8]
    9. MISSION [5:16]
      • 作詞:HYDE / 作曲:HYDE / 編曲:HYDE & KAZ
      作詞・作曲を手掛けたHYDE曰く「みんなで歌って踊って揺れる曲を目指して、歌詞も曲も作った[8]」といい、軽快なリズムで刻むアコースティックギターが印象的な楽曲。KAZはこの曲を聴いて「ダンスができるような曲で、HYDE、こういう曲も書くんだって意外でした[5]」と述べている。
    10. IT'S SAD [4:27]
      • 作詞:HYDE / 作曲:KAZ / 編曲:HYDE & KAZ
      HYDE曰く「曲調的には前曲の「MISSION」で終わった方がキレイだけど、僕の思いとしてキャッチーな曲を最後にするのが嫌だった[8]」といい、ヘヴィなこの曲がアルバムの最後を飾ることとなった。HYDEの考える"正義と悪"が具体的に表現された歌詞となっており[8]、「最も悪であり、罪深い生き物は、人間だ」という観点から歌詞が書かれている。

    初回限定盤付属DVD

    1. COUNTDOWN
      ディレクター:小島淳二
    2. SEASON'S CALL
      ディレクター:Christian Swegal

    脚注

    1. ^ a b c d e f 『CDでーた』、p.19、角川書店、2006年5月
    2. ^ a b HYDE アルバム『FAITH』インタビュー『人々に自分っていう傷を付けておきたい』 - oricon style
    3. ^ a b 『CDでーた』、p.20、角川書店、2006年5月
    4. ^ a b c d Music Japan TV『ARTIST SPECIAL』-2006年5月31日放送
    5. ^ a b c d e f g h i 『CDでーた』、p.23、角川書店、2006年5月
    6. ^ HYDE VAMPS『HYDE×K.A.Zのニュープロジェクトの結成秘話から方向性までを語る!!』 - oricon style
    7. ^ a b c Faith – All Music
    8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『CDでーた』、p.22、角川書店、2006年5月
    9. ^ HYDE『インタビュー初登場! ソロ再始動は攻撃的なロックで!!』 - oricon style
    10. ^ 著者:寶井秀人『THE HYDE』、p.30、ソニー・マガジンズ、2012年1月29日
    11. ^ シングル「SEASON'S CALL」インタビュー『たぶんね、めちゃめちゃかっこいいですよ!』 - oricon style