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「東急2020系電車」の版間の差分

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{{Notice|ウィキペディアでは、[[Wikipedia:信頼できる情報源|信頼性の高い情報源]]がある情報のみ掲載する方針を採っています。[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]を満たさない在籍両数・車両配置・新造情報・形式称号などの情報を投稿すること(個人のウェブサイト・ブログ・掲示板を基にした情報や目撃した事象を投稿すること)はご遠慮ください。これに反した記述が行われた場合、[[Help:以前の版にページを戻す方法|差し戻し]]が行われる場合があります。||attention}}
{{車両の動き}}
{{鉄道車両
{{鉄道車両
| 車両名 = 東急2020系電車
| 車両名 = 東急2020系電車<br />(共通事項)
| 背景色 = #ee0011
| 背景色 = #ee0011
| 文字色 = #ffffff
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = TOKYU 2020 SERIES 2025F 20181228.jpg
| 画像 = Tokyu-Series2020-2141F.jpg
| 画像説明 = [[東武伊勢崎線]]に乗り入れ東急2020系<br />(20181228日)
| 画像説明 = [[東武日光線]]を走る2020系電車<br />(20211014 [[幸手駅]] - [[杉戸高野台駅]]間
| 運用者 = [[東急電鉄]]
| 運用者 = 東京急行電鉄 →[[東急電鉄]]
| 製造所 = [[総合車両製作所]]<br>横浜事業所・[[総合車両製作所新津事業所|新津事業所]]
| 製造所 = [[総合車両製作所]]横浜事業所・[[総合車両製作所新津事業所|新津事業所]]
| 製造年 = [[2017年]] -
| 製造数 =
| 運用開始 = [[2018年]][[3月28日]]
| 投入先 = [[東急田園都市線|田園都市線]]・[[東京メトロ半蔵門線]]・[[東武伊勢崎線]]・[[東武日光線]]
| 軌間 = 1,067 mm([[狭軌]])
| 軌間 = 1,067 mm([[狭軌]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1500 V([[架空電車線方式]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1500 [[ボルト (単位)|V]]<br>([[架空電車線方式]])
| 最高運転速度 =
| 最高運転速度 =110 km/h
| 設計最高速度 = 120 km/h
| 設計最高速度 = 120 km/h
| 起動加速度 = 3.3 km/h/s
| 起動加速度 = 3.3&nbsp;km/h/s
| 常用減速度 = 4.0 km/h/s
| 常用減速度 = 4.0&nbsp;km/h/s
| 非常減速度 = 4.5 km/h/s
| 非常減速度 = 4.5&nbsp;km/h/s
| 編成定員 =
| 自重 =
| 車両定員 =
| 自重 = 本文参照
| 編成重量 =
| 全長 = 先頭車:20,470 mm<br>中間車:20,000 mm
| 全長 = 先頭車:20,470 mm<br>中間車:20,000 mm
| 車体幅 = 2,778 mm<ref>{{Cite journal|和書|author=根本直|author2=池田大樹|author3=標拓馬|author4=三井健司|author5=長谷部和則|year=2020|title=東急電鉄2020系電車、3020系電車、6020系電車におけるsustinaコンセプトの適用|journal=総合車両製作所技報|issue=7|pages=50-61|url=https://www.j-trec.co.jp/company/070/07/jtr07_050-061.pdf}}</ref>
| 全幅 = 2,826 mm(側灯幅)
| 全幅 = 2,826 mm(側灯幅)
| 全高 = 4,046 mm
| 全高 = 4,046 mm
| 車体高 = 3,620 mm
| 床面高さ = 1,130 mm
| 床面高さ = 1,130 mm
| 車体 = [[ステンレス鋼|軽量ステンレス]]([[sustina]])
| 車体 = [[ステンレス鋼|軽量ステンレス]]([[sustina]])
| 台車 = 軸梁式ボルスタレス方式[[空気ばね]]台車<br>TS-1041(動台車)<br>TS-1042・TS-1042A(付随台車)
| 台車 = 軸梁式ボルスタレス台車<br>TS-1041(動台車<br>TS-1042・TS-1042A(付随台車)
| 固定軸距 = 2,100 mm
| 固定軸距 = 2,100 mm
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]] 全閉外扇形TKM-18(東芝形式SEA-446)
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]]<br>全閉外扇形 TKM-18<ref name=tokyu2020>{{Cite journal|title=東京急行電鉄2020系通勤車両|author=市川裕幸、根本晃一、松野倫明|journal=車両技術256号|year=2018}}</ref><br>(東芝形式SEA-446)
| 主電動機出力 = 140 kW
| 主電動機出力 = 140 [[キロワット|kW]]<ref name=tokyu2020 />
| 駆動方式 = [[WN駆動方式|WNドライブ]]
| 駆動方式 = [[WN駆動方式|WNドライブ]]
| 歯車比 = 99:14 (7.07)
| 歯車比 = 99:14(7.07)
| 制御方式 = [[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]](フル[[炭化ケイ素|SiC]]-[[パワーMOSFET|MOSFET]]素子 <!-- <ref name=Mitsubishi-1803106>{{cite journal |author1=根岸哲 |author2=津田亮 |author3=長谷川滋 |author4=井浦真一 |author5=山口博史 |title=「3.3kVフルSiCパワーモジュール」 |journal=三菱電機技報 |year=2018 |month=3 |volume=92 |issue=3 |pp=175-178 |url=https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2018/1803106.pdf |format=pdf |language=ja |accessdate=2020-2-27}}。</ref> --> )
| 制御方式 = [[パワーMOSFET|MOSFET]]-[[可変電圧可変周波数制御|VVVF]](フル[[炭化ケイ素|SiC]]<ref name=Mitsubishi-1803106>{{cite journal |author1=根岸哲 |author2=津田亮 |author3=長谷川滋 |author4=井浦真一 |author5=山口博史 |title=「3.3kVフルSiCパワーモジュール」 |journal=三菱電機技報 |year=2018 |month=3 |volume=92 |issue=3 |pp=175-178 |url=https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2018/1803106.pdf |format=pdf |language=ja |accessdate=2020-2-27}}。</ref>
| 制御装置 = [[三菱電機]]製 MAP-144-15V317
| 制御装置 = [[三菱電機]]製<br/>MAP-144-15V317<ref name=tokyu2020 />
| 制動装置 = [[回生ブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ (HRDA-2) ]]<br>[[純電気ブレーキ|全電気ブレーキ]]
| 制動装置 = [[回生ブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ(HRDA-2) ]]<br>[[純電気ブレーキ|全電気ブレーキ]]
| 保安装置 = [[自動列車制御装置#新しいATC|ATC-P]]([[自動列車停止装置#東武鉄道TSP式(多変周式・パターン照査型)・東京都交通局T形ATS|東武形ATS]]内蔵)
| 保安装置 = [[自動列車制御装置#新しいATC|ATC-P]]
| 備考 = 出典は{{Sfn|市川|2018|p=87}}
| 備考 =
}}
|車体幅=2,788 mm|車体高=3,620 mm}}
'''東急2020系電車'''(とうきゅう2020けいでんしゃ)は、[[2018年]][[3月28日]]に営業運転を開始した<ref>{{Cite web|url=https://railf.jp/news/2018/03/31/200500.html |title=東急2020系が営業運転を開始 |work=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] railf.jp 鉄道ニュース|date=2018-03-30|accessdate=2018-05-27}}</ref>東京急行電鉄(現: [[東急]]株式会社)→[[東急電鉄]]の[[通勤形車両 (鉄道)|通勤形電車]]である
'''東急2020系電車'''(とうきゅう2020けいでんしゃ)は、[[2018年]](平成30年)[[3月28日]]に営業運転を開始した<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2018/03/31/200500.html |title=東急2020系が営業運転を開始 |work=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] railf.jp 鉄道ニュース|date=2018-03-30|accessdate=2018-05-27}}</ref>[[東急電鉄]]の[[通勤形車両 (鉄道)|通勤形電車]]。


本項では、[[東急田園都市線|田園都市線]]用の2020系電車のほか、[[東急大井町線|大井町線]]用の'''6020系電車'''、[[東急目黒線|目黒線]]用の'''3020系電車'''についても記述する。
本項では、[[東急田園都市線|田園都市線]]用の2020系電車のほか、[[東急大井町線|大井町線]]用の'''6020系電車'''、[[東急目黒線|目黒線]]・[[東急新横浜線]]用の'''3020系電車'''についても記述する。


== 概要 ==
== 概要 ==
本形式は、[[2020年]]に[[2020年東京オリンピック|東京オリンピック]]が開催されることや、[[2022年]]に東急が創100年を迎えることから、沿線の街や駅と調和する車両とすることを目的に命名導入されるものである{{Sfn|市川|2018|p=83}}<ref>{{Cite web|url=http://www.tokyu.co.jp/railway/data/train_info/index.html |title=車両情報 |publisher=東急電鉄|accessdate=2018-04-18}}</ref>。新形式車両としては、2002年から導入した[[東急5000系電車 (2代)|5000系]]以来、16年ぶりとなる。本車両は、[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]の[[JR東日本E235系電車|E235系電車]]をベースに製造された
[[2020年]]に[[2020年東京オリンピック|東京オリンピック]]が開催されることや、[[2022年]]に[[東急]]が創100年を迎えることから、沿線の街や駅と調和する車両とすることを目的に命名導入され{{Sfn|市川|2018|p=83}}<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.tokyu.co.jp/railway/data/train_info/index.html |title=車両情報 |publisher=東急電鉄|accessdate=2018-04-18}}</ref>。


製造は[[総合車両製作所]]横浜事業所と、東急電鉄の車両としては初となる[[総合車両製作所新津事業所]]が担当してる。
製造は[[総合車両製作所]]横浜事業所と[[総合車両製作所新津事業所]]が担当、新津事業所での製造は東急電鉄の車両としては初となる。


田園都市線向けの2020系のほか、大井町線向けの[[#6020系|6020系]]、目黒線・東急新横浜線向けの[[#3020系|3020系]]の3系列が存在する。<!-- 鉄道ファン704号 3020系の新車ガイドにて3系列が2020系列であるととれる記述を確認 -->
== 構造 ==


== 車両概説 ==
デザインは、[[多摩田園都市]]などの「街づくり」を起源に持つ東急電鉄らしさを意識したものとしており、監修は東急線沿線の商業施設のデザインなどを手がけている[[丹青社]]が担当した<ref name="tokyu20180528">{{Cite press release |title= 2018年春、田園都市線に新型車両「2020系」を導入します |publisher= 東京急行電鉄株式会社|date= 2017-03-17|url= http://www.tokyu.co.jp/file/170317.pdf|accessdate=2018-05-28}}</ref><ref name="mynavi20170317">{{Cite news|url=https://news.mynavi.jp/article/20170317-a329/ |title=東急田園都市線2020系、新型車両は「これまでにない新しさ」2018年春導入へ |author=上新大介 |newspaper=[[マイナビニュース]]|date=2017-03-17|accessdate=2018-05-27}}</ref>。沿線の街や駅との親和性を高め、利用者に親しみを持ってもらうとともに、「これまでにない新しさを感じていただけるような外観、車内空間」を目指しており、コンセプトカラーに「INCUBATION WHITE」(美しい時代へ孵化していく色)を使用した。先頭車前面から車体側面上部にかけて、導入線区の路線カラーとともに配置されている。丸みのある先頭形状は、やわからみのある顔をイメージしたものである<ref name="mynavi20170317" />。
デザインは、[[多摩田園都市]]などの「街づくり」を起源に持つ東急電鉄らしさを意識したものとしており、監修は東急線沿線の商業施設のデザインなどを手がけている[[丹青社]]が担当した<ref name="tokyu20180528">{{Cite press release |和書 |title= 2018年春、田園都市線に新型車両「2020系」を導入します |publisher= 東京急行電鉄株式会社|date= 2017-03-17|url= http://www.tokyu.co.jp/file/170317.pdf|accessdate=2018-05-28}}</ref><ref name="mynavi20170317">{{Cite news|url=https://news.mynavi.jp/article/20170317-a329/ |title=東急田園都市線2020系、新型車両は「これまでにない新しさ」2018年春導入へ |author=上新大介 |newspaper=[[マイナビニュース]]|date=2017-03-17|accessdate=2018-05-27}}</ref>。沿線の街や駅との親和性を高め、利用者に親しみを持ってもらうとともに、「これまでにない新しさを感じていただけるような外観、車内空間」を目指しており、コンセプトカラーに「INCUBATION WHITE」(美しい時代へ孵化していく色)を使用した。先頭車前面から車体側面上部にかけて、導入線区の路線カラーとともに配置されている。丸みのある先頭形状は、やわからみのある顔をイメージしたものである<ref name="mynavi20170317" />。


=== 車体 ===
=== 車体 ===
車体は、[[総合車両製作所]]の軽量ステンレス車体のブランドである[[sustina]](サスティナ)を採用しており、「sustina S24シリーズ」の、車体長20メートルの4ドアステンレス車として製造された<ref>{{Cite web|url=https://www.j-trec.co.jp/rw/sustina/100/20180226091720.html|title=東急電鉄 2020系|accessdate=2021-04-07|publisher=総合車両製作所}}</ref>。[[レーザー溶接]]の積極的な採用、骨組の軽量化などで、アルミ車体と同等の車体軽量化を図ったほか、車両外観の溶接痕を減らし、水密性の向上も図っている。[[列車衝突事故|オフセット衝突]]対策として、隅柱の一部に断面45度で切り取ったような位置に補強を追加しており、これにより、オフセット衝突時において、互いの車両に離反する力を発生させ、外板の剥離を防いで客室の損傷を軽減することができる。また前面衝突対策として、運転台前面に衝撃吸収用のハニカム材を配置して、先頭車と中間車の間に衝撃吸収緩衝器を組込むことにより、衝突エネルギーの吸収と生存区間の確保を図っている。客室扉のドア間隔は[[ホームドア]]の開口範囲に合うように4,820 [[ミリメートル|mm]]としており、窓の構成は固定窓と下降窓の組み合わせとしている。
車体は、総合車両製作所の軽量ステンレス車体のブランドである[[sustina]](サスティナ)を採用しており、「sustina S24シリーズ」の、車体長20メートルの4ドアステンレス車として製造された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.j-trec.co.jp/rw/sustina/100/20180226091720.html|title=東急電鉄 2020系|accessdate=2021-04-07|publisher=総合車両製作所}}</ref>。[[レーザー溶接]]の積極的な採用、骨組の軽量化などで、アルミ車体と同等の車体軽量化を図ったほか、車両外観の溶接痕を減らし、水密性の向上も図っている。[[列車衝突事故|オフセット衝突]]対策として、隅柱の一部に断面45度で切り取ったような位置に補強を追加しており、これにより、オフセット衝突時において、互いの車両に離反する力を発生させ、外板の剥離を防いで客室の損傷を軽減することができる。また前面衝突対策として、運転台前面に衝撃吸収用のハニカム材を配置して、先頭車と中間車の間に衝撃吸収緩衝器を組込むことにより、衝突エネルギーの吸収と生存区間の確保を図っている。客室扉のドア間隔は[[ホームドア]]の開口範囲に合うように4,820 [[ミリメートル|mm]]としており、窓の構成は固定窓と下降窓の組み合わせとしている。


前頭部は鋼材の骨組みで構成し、これを[[繊維強化プラスチック|FRP成形品]]で覆う構造としている<ref name="Train2018-4-1">エリエイ「とれいん」 2018年4月号MODELERS FILE「東京急行電鉄2020・6020系電車」pp.6 - 8。</ref>。[[前照灯]]はLED照明を使用しており、前照灯は前面下部に4灯と、ハイビーム時は加えて前面上部に2灯の計6灯とし、夜間時での視認性の向上を図っている<ref name="Train2018-4-1"/>。先頭車の屋根上には、[[列車無線アンテナ]]([[逆L型アンテナ]])のほかに、後述する[[INTEROS]]による通信にも使用される[[モバイルWiMAX|WiMAX]]アンテナを設置している<ref name="Train2018-4-2"/>。
前頭部は鋼材の骨組みで構成し、これを[[繊維強化プラスチック|FRP成形品]]で覆う構造としている<ref name="Train2018-4-1">エリエイ「とれいん」 2018年4月号MODELERS FILE「東京急行電鉄2020・6020系電車」pp.6 - 8。</ref>。[[前照灯]]はLED照明を使用しており、前照灯は前面下部に4灯と、ハイビーム時は加えて前面上部に2灯の計6灯とし、夜間時での視認性の向上を図っている<ref name="Train2018-4-1">エリエイ「とれいん」 2018年4月号MODELERS FILE「東京急行電鉄2020・6020系電車」pp.6 - 8。</ref>。先頭車の屋根上には、[[列車無線アンテナ]]([[逆L型アンテナ]])のほかに、後述する[[INTEROS]]による通信にも使用される[[モバイルWiMAX|WiMAX]]アンテナを設置している<ref name="Train2018-4-2"/>。

床下の側面非常ハシゴも引き続き設置され、本系列では両先頭車と各付随車に設置される。先頭車は運転台側向き、付随車は1号車向きとなっている。


=== 内装 ===
=== 内装 ===
インテリアデザインは、東急沿線の風景をイメージした座席や照明も含めた車内全体のカラーコーディネートにこだわり、親しみやすさと心地よさを感じるデザインとしている。座席表地には龍村美術織物製のものが使用されている<ref>[https://www.tatsumura.co.jp/cloth/industry.html 「産業資材」 - 龍村美術織物HP]</ref>。
インテリアデザインは、東急沿線の風景をイメージした座席や照明も含めた車内全体のカラーコーディネートにこだわり、親しみやすさと心地よさを感じるデザインとしている。座席表地には龍村美術織物製のものが使用されている<ref>[https://web.archive.org/web/20220523181113/https://www.tatsumura.co.jp/cloth/industry.html 「産業資材」 - 龍村美術織物HP](インターネットアーカイブ)。</ref>。


腰掛は、[[東急5000系電車 (2代)|5000系]]の2015年度増備車で採用されたハイバック仕様の[[鉄道車両の座席#ロングシート(縦座席)|ロングシート]]となっているが、ヘッドレストは省略された<ref group="注">2020系の取材時の話では、「ヘッドレストに整髪料が着いてしまうという意見をいただいた」とのことである。</ref><ref name=":1">『鉄道ジャーナル』2020年5月号(通巻643号)電鉄車両動向2020(2)東急電鉄 pp.54 - 63</ref>。座席は基本的に扉間が7人掛け、車端が3人掛けであるが、2020系の2130F以降においては4・5・8号車の扉間の座席が6人掛けとなっている<ref name=":1" />。
腰掛は、2013年以降に導入の5000系の一部車両で採用されたハイバック仕様の[[鉄道車両の座席#ロングシート(縦座席)|ロングシート]]を採用している。[[車椅子]]と[[乳母車|ベビーカー]]の乗客が利用する[[車椅子スペース|フリースペース]]は各車両の車端部に1か所ずつ(2号車は2か所<ref group="注">両車端部に設置。2020系・3020系・6020系とも</ref><ref name="Train2018-4-2"/>)設置しており、普通の乗客が利用できやすいように、側面の窓に2段の手すりと妻面に腰当を設置しているほか、車内の床敷物に車椅子マークとベビーカーマークを貼り付けしている。[[優先席]]は、先頭車は車端部のフリースペースの向かいに3席、各中間車はそれに加えてその反対側の車端部の両側にも6席設けており、側面から座席の袖仕切を介して妻面までに黄色の帯を付けることで、一般席と区別している。[[貫通扉|妻引戸]]の戸閉装置は5000系の重力式から、ゼンマイの力でゆっくりと戻る方式に変更している。また、[[監視カメラ|防犯カメラ]]を各車に2台ずつ設置している。


[[車椅子スペース]]は各車両に一か所ずつ(2号車は2か所<ref name="Train2018-4-2" />)設置した。先頭車は連結面寄り、2号車は両端、他の中間車は上り方、いずれも向かって右側に配置されており、車内外の壁面には車椅子マークとベビーカーマークを掲出、2020年頃より床面への掲出も始まった。また[[車椅子]]でない方も利用しやすいように、側面の窓に2段の手すりと妻面に腰当を設置した。
扉間座席中央の側窓上部と妻引戸上部には[[デジタルサイネージ]]([[液晶ディスプレイ]]による電子看板)を設置した。側窓上部のものは、21.5インチサイズの液晶モニターを横に3つ連続配置しており、3画面で一つの連続した画面のように使用することができる。また、扉鴨居部には17インチの[[車内案内表示装置|車内案内表示器]]を設置しており、停車駅表示案内のほか、行先情報、ドアの開方向情報、乗り換え案内、乗車マナーなどについて表示する。ただし、大井町線用の6020系と目黒線用の3020系にはデジタルサイネージは設置されていない。客室扉の内側は、混雑時に扉が開く際に戸袋に荷物などが引き込まれるのを防止するため、素材に表面が滑りやすい素材を採用した。


車端部の3人掛け座席は全て[[優先席]]とされ、先頭車は1両あたり3席、2号車は6席、他は9席が用意される。また、各妻面上部に[[監視カメラ|防犯カメラ]]を設置している。
枕木方向のつり手棒は側面天井部と接続をすることにより、ロールバーの補強構造を構成して、側面衝突に対する車両変形量の抑制を図っている。


側引戸の鴨居部には17インチの車内案内表示器を2基設置しており、右側は停車駅表示案内の他、行先情報・ドアの開方向情報・乗り換え案内・乗車マナーなどについて表示する(左側は「[[TOQビジョン]]」)。客室扉の内側は、混雑時に扉が開く際に戸袋に荷物などが引き込まれるのを防止するため、素材に表面が滑りやすい素材を採用した。[[貫通扉|妻引戸]]の戸閉装置は5000系の重力式から、ゼンマイの力でゆっくりと戻る方式に変更している。
天井の客室灯には40 [[ワット|W]]相当の[[LED照明]]を採用したほか、つり手棒の配置変更に合わせて配置の見直しを行い、従来より数を2灯ほど減少させている(中間車は22灯、先頭車は20灯)が、架線停電時に備えて蓄電池からの電力で点灯する予備灯を、中間車では11灯、先頭車は10灯へと増加させている。


枕木方向のつり手棒は側面天井部と接続をすることにより、ロールバーの補強構造を構成して、側面衝突に対する車両変形量の抑制を図っている。
2130編成以降では混雑緩和策として、かつて5000系で6扉車が組み込まれていた位置に相当する4、5、8号車ドア間の座席を7人掛けから6人掛けに減少させ、ドア横に38センチメートルのスペースを確保している<ref>電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻978号 p.141</ref><ref>{{Cite web|title=田園都市線新車「ドア横スペース」はなぜ広いか|author=小佐野景寿|website=東洋経済オンライン|date=2020-11-04|url=https://toyokeizai.net/articles/-/386154|accessdate=2021-04-21}}</ref>。

<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
天井の客室灯には40 [[ワット|W]]相当の[[LED照明]]を採用したほか、つり手棒の配置変更に合わせて配置の見直しを行い、従来より数を2灯ほど減少させている(中間車は22灯、先頭車は20灯)が、架線停電時に備えて蓄電池からの電力で点灯する予備灯を、中間車では11灯、先頭車は10灯へと増加させている。<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
Series2020_In_the_car.jpg|2020系の車内
ファイル:Series2020 In the car.jpg|2020系の車内(2130F以降の4・5・8号車以外の車両)
Tokyu 2020 or 6020 kei display.jpg|車内案内表示器
Tokyu 2020 kei display.jpg|3画面を連続させたデジタルサイネージ
ファイル:Tokyu 2020 or 6020 kei display.jpg|車内案内表示器
Tokyu 2020 kei tsumamen display.jpg|車内妻面部のデジタルサイネージ
</gallery>
</gallery>


=== 乗務員室 ===
==== 乗務員室 ====
[[操縦席|乗務員室]]は、前面ガラスの面積を広げて視界の拡大を図っており、[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]はワンハンドルマスコンを運転台中央に配置した。その前方に2つのモニター装置が配置されている。モニター装置はE235系で使用されている[[INTEROS]]の導入により、計器・表示灯類などの情報集約を進めており、これにより[[グラスコックピット|計器・表示灯類などをモニター装置で表示する]]ことが可能となっている。また、現状では相互乗り入れの際に各社の車両においてその機器配置が異なり、乗務員の取扱いの負担が重いことを考慮して、[[東京地下鉄]](東京メトロ)・[[東武鉄道]]・[[西武鉄道]]の関係者と運転台共通化の協議を行い<ref>レイルマガジン416号143ページ</ref>、それに合わせて相互乗り入れする各社が保有している車両との仕様共通化を行った。その他の乗り入れ線区や本車を導入しない他の東急線の車両の仕様も参考にしている。乗務員が扱う機器ついては、設計完了後に[[木型|モックアップ]]を作成して、集められた各現業職員との間で取付け高さとボタンの形状と操作感などの検証を行ない、修正している<ref>レイルマガジン416号143ページ</ref>{{Sfn|市川|2018}}。
[[操縦席|乗務員室]]は、前面ガラスの面積を広げて視界の拡大を図っており、[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]はワンハンドルマスコンを運転台中央に配置した。その前方に2つのモニター装置が配置されている。モニター装置はE235系で使用されているINTEROSの導入により、計器・表示灯類などの情報集約を進めており、これにより[[グラスコックピット|計器・表示灯類などをモニター装置で表示する]]ことが可能となっている。また、現状では相互乗り入れの際に各社の車両においてその機器配置が異なり、乗務員の取扱いの負担が重いことを考慮して、[[東京地下鉄]](東京メトロ)・[[東武鉄道]]・[[西武鉄道]]の関係者と運転台共通化の協議を行い<ref name="#1">レイルマガジン416号143ページ</ref>、それに合わせて相互乗り入れする各社が保有している車両との仕様共通化を行った。その他の乗り入れ線区や本車を導入しない他の東急線の車両の仕様も参考にしている。乗務員が扱う機器ついては、設計完了後に[[木型|モックアップ]]を作成して、集められた各現業職員との間で取付け高さとボタンの形状と操作感などの検証を行ない、修正している<ref name="#1" />{{Sfn|市川|2018}}。


=== 主要機器 ===
=== 主要機器 ===
制御装置は、[[東急300系電車|300系]]以来となる[[三菱電機]]製を採用し、[[炭化ケイ素|SiC]]-[[パワーMOSFET|MOSFET]]とSiC-SBDを組み合わせた、フルSiCパワーモジュールを用いた2レベル式[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]装置(MAP-144-15V317形)を搭載しており、1台の制御装置で主電動機4台を制御する1C4M方式としている<ref name="Train2018-4-2">エリエイ「とれいん」 2018年4月号MODELERS FILE「東京急行電鉄2020・6020系電車」pp.9 - 11。</ref>。高速度域まで多パルスのスイッチングを行うため、主電動機の損失を低減させて[[省エネルギー]]性能を向上させており、従来の[[東急8500系電車|8500系]]と比べて半分程度の電力で走行できるようになっている。制御装置・フィルタ[[リアクトル]]・高速度遮断は独立M方式採用しているため、各電動車に搭載されているが、2020系の8号車のデハ2820 (M2A) 2号車のデハ2220 (M2B)6020系の5号車のデハ6520 (M2A) 2号車のデハ6220 (M2B) は、高速度遮断器を2020系でパンタグラフを搭載9号車のデハ2920 (M1A) と3号車のデハ2320 (M1B) に6020系で同じくパンタグラフを搭載する6号車のデハ6620 (M1A) と3号車のデハ6320 (M1B) 集約して、自車の分も含めて2台搭載ている。
制御は、[[東急300系電車|300系]]以来となる[[三菱電機]]製を採用し、[[炭化ケイ素|SiC]]-[[パワーMOSFET|MOSFET]]とSiC-SBDを組み合わせた、フルSiCパワーモジュールを用いた2レベル式[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]装置(MAP-144-15V317形)を搭載しており、1台の制御装置で主電動機4台を制御する1C4M方式としている<ref name="Train2018-4-2">エリエイ「とれいん」 2018年4月号MODELERS FILE「東京急行電鉄2020・6020系電車」pp.9 - 11。</ref>。高速度域まで多パルスのスイッチングを行うため、主電動機の損失を低減させて[[省エネルギー]]性能を向上させており、従来の[[東急8500系電車|8500系]]と比べて半分程度の電力で走行できるようになっている。
制御器を各電動車に搭載する単独M方式とされるが、M1(A・B)M2(A・B)はユニットに近い構成となっており集電装置と高速度遮断器はM1側に集約されている。またSIVはM2に搭載されSIV断流器M1に搭載されている。


[[主電動機]]は、[[東芝]]製<ref name="Train2018-4-2"/>のTKM-18(東芝形式SEA-446)形全密閉外扇式[[三相かご形誘導電動機]](定格電流108 [[アンペア|A]]、定格周波数80 [[ヘルツ|Hz]]、定格出力140 [[キロワット|kW]]、定格回転数2,380 [[rpm (単位)|rpm]])を採用しており、熱交換により冷却を行う方式であるため、メンテナンス頻度の低減が図られている。
[[主電動機]]は、[[東芝]]製<ref name="Train2018-4-2"/>のTKM-18(東芝形式SEA-446)形全密閉外扇式[[三相かご形誘導電動機]](定格電流108 [[アンペア|A]]、定格周波数80 [[ヘルツ|Hz]]、定格出力140 [[キロワット|kW]]、定格回転数2,380 [[rpm (単位)|rpm]])を採用しており、熱交換により冷却を行う方式であるため、メンテナンス頻度の低減が図られている。
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補助電源装置は、[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]素子を使用した3レベル方式の[[富士電機]]製<ref name="Train2018-4-2"/>(CDA175形)[[静止形インバータ]](SIV)であり、出力は[[三相交流]]440 [[ボルト (単位)|V]]、260 [[キロボルトアンペア|kVA]]である。[[整流器|整流装置]]は補助電源装置とは別に搭載しており、出力は直流100 Vである。また各車に[[変圧器]]を搭載しており、出力は交流100 Vである。
補助電源装置は、[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]素子を使用した3レベル方式の[[富士電機]]製<ref name="Train2018-4-2"/>(CDA175形)[[静止形インバータ]](SIV)であり、出力は[[三相交流]]440 [[ボルト (単位)|V]]、260 [[キロボルトアンペア|kVA]]である。[[整流器|整流装置]]は補助電源装置とは別に搭載しており、出力は直流100 Vである。また各車に[[変圧器]]を搭載しており、出力は交流100 Vである。


電動空気圧縮機は、[[潤滑油]]の交換や給油が不要の[[ドイツ]]・[[クノールブレムゼ]]製オイルフリーレシプロ式圧縮機を三相かご形誘導電動機で駆動させる<ref name="Train2018-4-2"/>(VV180-T形)。潤滑油使しないため外部のオイル排出や元空気タンク側へのオイル流出がなく、圧縮機出口の吐出量は1,750 ℓ /minである。
電動空気圧縮機は、吐出量は1,750 ℓ /minの[[ドイツ]]・[[クノールブレムゼ]]製オイルフリーレシプロ式<ref name="Train2018-4-2" />(VV180-T形)を<ref>
「{{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20231222123101/https://rail.knorr-bremse.com/media/lokaler_content/japan/pdf_brochures_2023/pistonsupply_eco_jap_2021.pdf オイルフリー・コンプレッサ]}}」(クノールブレムゼ鉄道システムジャパン)。</ref>。[[潤滑油]]を使用しないため外部のオイル排出や元空気タンク側へのオイル流出がなく、交換や給油が不要となる。


冷房装置は、三菱電機製CU7080形<ref name="Train2018-4-2"/>[[冷凍能力|冷房能力]]58.14 kW (50,000 kcal/h)を屋根上に1台搭載しており、予備暖房用の6.0 kWのヒータを内蔵している。また、天井部の横流ファン付近に[[パナソニック]]と[[JR東日本テクノロジー]]が共同開発した空気洗浄装置の「nanoe(ナノイー)」を設置している。東急電鉄の電車としては初めての設置となる<ref name="tokyu20180528"/>。
冷房装置は、三菱電機製CU7080形<ref name="Train2018-4-2"/>[[冷凍能力|冷房能力]]58.14 kW(50,000 kcal/h)を屋根上に1台搭載しており、予備暖房用の6.0 kWのヒータを内蔵している。また、天井部の横流ファン付近に[[パナソニック]]と[[JR東日本テクノロジー]]が共同開発した空気洗浄装置の「nanoe(ナノイー)」を設置している。東急電鉄の電車としては初めての設置となる<ref name="tokyu20180528" />。


[[集電装置]]は、[[東洋電機製造]]製<ref name="Train2018-4-2"/>のシングルアームパンタグラフ(PT7108-E)で、上昇検知装置を有する。
[[集電装置]]は、[[東洋電機製造]]製<ref name="Train2018-4-2"/>のシングルアームパンタグラフ(PT7108-E)で、上昇検知装置を有する。


戸閉装置は、[[富士電機]]製の[[ラック・アンド・ピニオン]]式のブラシレスモーターを使用した電気式戸閉装置を採用している<ref name="FUJI2019-92">{{PDFlink|[https://www.fujielectric.co.jp/about/company/gihou_2019/pdf/92-02/FEJ92-02-091-2019.pdf 富士電機技報 2019年Vol.92]}}</ref>。戸閉状態では、常に互いの引戸が押し付け合う構造となっており、挟まれたものを引き抜きやすい特性がある<ref name=":4" />。<!-- 扉の物理ロックについては従来通り使用されており、必要性がないというのも本形式では無関係かつ誤解を生む可能性があるため削除しました。 -->
戸閉装置は、[[富士電機]]製の[[ラック・アンド・ピニオン]]式のブラシレスモーターを使用した電気式戸閉装置を採用している<ref name="FUJI2019-92">{{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20200701215540/https://www.fujielectric.co.jp/about/company/gihou_2019/pdf/92-02/FEJ92-02-091-2019.pdf 富士電機技報 2019年Vol.92]}}(インターネットアーカイブ)。</ref>。戸閉状態では、常に互いの引戸が押し付け合う構造となっており、挟まれたものを引き抜きやすい特性がある<ref name="車両技術2019-9" />。<!-- 扉の物理ロックについては従来通り使用され、必要性がないというのも本形式では無関係かつ誤解を生む可能性があるため削除した。 -->


[[二次電池|蓄電池]]は、5000系と同じく焼結式のアルカリ蓄電池を採用している。5000系が直流100 V・60 [[アンペア時|Ah]]と列車無線の非常電源に使用する直流24 V・30 Ahの2種類を搭載していたのに対し、本形式は直流100 V・105 Ahの1種類のみとしている。
[[二次電池|蓄電池]]は、5000系と同じく焼結式のアルカリ蓄電池を採用している。5000系が直流100 V・60 [[アンペア時|Ah]]と列車無線の非常電源に使用する直流24 V・30 Ahの2種類を搭載していたのに対し、本形式は直流100 V・105 Ahの1種類のみとしている。


[[鉄道車両の台車|台車]]は軸箱支持装置が軸梁式のボルスタレス方式[[空気ばね]]台車を採用した。5000系などで採用されていたものとは形状が大きく変更され、牽引装置も一本リンク式となる。基礎ブレーキ装置は踏面片押し式の[[踏面ブレーキ|ユニットブレーキ]]であるが、付随台車は[[ディスクブレーキ]]が追加されている。なおこのディスクブレーキの[[ブレーキパッド|ライニング]]は脱着性向上を図るため、UIC([[国際鉄道連合]])規格に基づいた構造としている。形式はTS-1041(電動台車)・TS-1042<ref group="注">ディスクブレーキがなく、先頭部に使用される。</ref>・TS-1042A(付随台車)となっている。
[[東急田園都市線|田園都市線]]及び[[直通運転]]先である[[東京メトロ半蔵門線]]と[[東武伊勢崎線]]・[[東武日光線|日光線]]で運用するため、半蔵門線及び東武線の保安装置と無線装置も内蔵している{{Sfn|市川|2018|p=91}}。


駆動装置は5000・[[東急6000系電車 (2代)|6000系]]と同じく中実軸平行カルダン式だが、電動機の電機子軸と輪軸の歯車駆動軸との間の継手を、CFRP製のたわみ板を使用した[[TD平行カルダン駆動方式|TD継手式]]から、東急としては初採用となる歯車形たわみ軸継手を使用した[[WN駆動方式|WN継手式]]に変更し、高速走行時の信頼性向上を図っている。
==== 台車 ====
[[鉄道車両の台車|台車]]は5000・6000系と同じく、軸箱支持装置が軸梁式のボルスタレス方式[[空気ばね]]台車のTS-1041動力台車、TS-1042・TS-1042A付随台車を採用しているが、台車の牽引力を車体に伝達するけん引装置はZリンク式から一本リンク式に変更されている。基礎ブレーキ装置は、踏面片押し式の[[踏面ブレーキ|ユニットブレーキ]]であるが、付随台車は[[ディスクブレーキ]]が追加されている。なおこのディスクブレーキの[[ブレーキパッド|ライニング]]は脱着性向上を図るため、UIC([[国際鉄道連合]])規格に基づいた構造としている。


駆動装置は5000・6000系と同じく中実軸平行カルダン式だが、電動機の電機子軸と輪軸の歯車駆動軸との間の継手を、CFRP製のたわみ板を使用した[[TD平行カルダン駆動方式|TD継手式]]から、東急としては初採用となる歯車形たわみ軸継手を使用した[[WN駆動方式|WN継手式]]に変更し、高速走行時の信頼性向上を図っている。

==== 情報管理装置 ====
[[鉄道車両のモニタ装置|列車情報管理装置]]として、東日本旅客鉄道のE235系等で実績がある[[INTEROS]]を採用している。データ通信速度を従来と比べて40倍も向上させたことで、大容量のデータを扱うことが可能で、車両の各機器への伝送のほかに[[モバイルWiMAX|WiMAX]]によるデータ通信を利用して、車両の各種データを地上システムにリアルタイムに送信して活用することが可能としている。将来的には、各機器のデータを利用して、車両留置時で実施する検査の簡略化や蓄積した車両の[[ビッグデータ]]を分析し、機器の寿命や故障の予知を捉えて適切な時期に必要なメンテナンスを行う状態保全に向けた取組みを進める予定である。
[[鉄道車両のモニタ装置|列車情報管理装置]]として、東日本旅客鉄道のE235系等で実績がある[[INTEROS]]を採用している。データ通信速度を従来と比べて40倍も向上させたことで、大容量のデータを扱うことが可能で、車両の各機器への伝送のほかに[[モバイルWiMAX|WiMAX]]によるデータ通信を利用して、車両の各種データを地上システムにリアルタイムに送信して活用することが可能としている。将来的には、各機器のデータを利用して、車両留置時で実施する検査の簡略化や蓄積した車両の[[ビッグデータ]]を分析し、機器の寿命や故障の予知を捉えて適切な時期に必要なメンテナンスを行う状態保全に向けた取組みを進める予定である。


== 編成表(2020系) ==
== 2020系 ==
{{鉄道車両
| 車両名 = 東急2020系電車
| 背景色 = #ee0011
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Tokyu 2020 series Den-en-toshi Line Tana Station 20190530.jpg
| 画像説明 = 2020系
| 運用者 = [[東急|東京急行電鉄]] →<br>[[東急電鉄]]
| 製造所 = [[総合車両製作所]]<br>横浜事業所・[[総合車両製作所新津事業所|新津事業所]]
| 製造年 = [[2017年]] - [[2022年]]
| 製造数 = 300両
| 運用開始 = [[2018年]][[3月28日]]
| 投入先 = [[東急田園都市線|田園都市線]]
| 編成 = 10両編成
| 軌間 = 1,067 mm([[狭軌]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1500 [[ボルト (単位)|V]]<br>([[架空電車線方式]])
| 最高運転速度 =
| 設計最高速度 = 120 km/h
| 起動加速度 = 3.3&nbsp;km/h/s
| 常用減速度 = 4.0&nbsp;km/h/s
| 非常減速度 = 4.5&nbsp;km/h/s
| 編成定員 =
| 車両定員 =
| 自重 = 本文参照
| 編成重量 =
| 保安装置 = [[自動列車制御装置#新しいATC|ATC-P]]([[自動列車停止装置#東武鉄道TSP式|東武形ATS]]内蔵)<br />[[自動列車制御装置#新しいATC|新CS-ATC]]
| 備考 =
}}
老朽化した8500系の置き換えを目的として2018年に導入された。ラインカラーは緑。


第一編成の2121Fは総合車両製作所横浜事業所にて落成し、2017年11月30日に[[長津田検車区]]にて報道陣に公開された<ref>{{Cite web|和書|title=東急,2020系を公開|鉄道ニュース|2017年11月30日掲載|鉄道ファン・railf.jp |url=https://railf.jp/news/2017/11/30/163000.html |website=鉄道ファン・railf.jp |accessdate=2020-09-05 |language=ja}}</ref>。


扉間の窓上部と妻引戸上部に[[デジタルサイネージ]]([[液晶ディスプレイ]]による電子看板)が設置されている。側窓上部のものは、21.5インチサイズの液晶モニターを横に3つ連続配置しており、3画面で一つの連続した画面のように使用することができる。
2021年7月16日現在の編成を基準に記す<ref>{{Cite web|title=知識の倉 別館-東急電鉄 長津田検車区編成表|url=http://formation.g1.xrea.com/train/major_pr/tokyu/nagatsuta.html#2020|website=formation.g1.xrea.com|accessdate=2021-07-11}}</ref>。


[[東急田園都市線|田園都市線]]及び[[直通運転]]先である[[東京メトロ半蔵門線]]と[[東武伊勢崎線]]・[[東武日光線|日光線]]で運用するため、半蔵門線及び東武線の保安装置と無線装置も内蔵している{{Sfn|市川|2018|p=91}}。
2130F以降の編成では4・5・8号車の座席数が変更されている。


デジタル無線に対応するため、屋根上の[[列車無線アンテナ]](逆L形)は各車2本となっている。なお当初は片方が準備工事のみであった。
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
|+2020系
|
| colspan="10" style="background-color:#9f9;"|{{TrainDirection|<small>[[久喜駅|久喜]]・[[南栗橋駅|南栗橋]]・[[押上駅|押上]]</small>・[[渋谷駅|渋谷]]|[[中央林間駅|中央林間]]}}
|-
! 号車!! 1 !! 2 !! 3 !! 4 !! 5 !! 6 !! 7 !! 8 !! 9 !! 10
|-
! 形式
|'''<br />クハ2120'''


2130F以降ではラッシュ時の乗降時間短縮を図り、4・5・8号車<ref group="注">かつて5000系で6扉車が組み込まれていた位置に相当する</ref>のドア間の座席を7人掛けから6人掛けに減少させ、ドア横に38 [[センチメートル|cm]]のスペースを確保している<ref name="RP978">電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻978号 p.141</ref><ref>{{Cite web|和書|title=田園都市線新車「ドア横スペース」はなぜ広いか|author=小佐野景寿|website=東洋経済オンライン|date=2020-11-04|url=https://toyokeizai.net/articles/-/386154|accessdate=2021-04-21}}</ref>。
(Tc2)
|'''<br />デハ2220'''


<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
(M2b)
ファイル:Tokyu 2020 kei display.jpg|3画面を連続させたデジタルサイネージ
| < >
ファイル:Tokyu 2020 kei tsumamen display.jpg|車内妻面部のデジタルサイネージ
'''デハ2320'''
</gallery>


=== 運用 ===
(M1b)
[[2018年]][[3月28日]]に3編成が営業運転を開始した<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2018/03/31/200500.html|title=東急2020系が営業運転を開始|work=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] railf.jp 鉄道ニュース|date=2018-03-30|accessdate=2018-05-27}}</ref>。運用開始半年間は前面貫通ドアに東武直通非対応を示すKマークが貼られており、東武線への直通乗り入れは行っていなかった<ref>{{Cite web|和書|url=http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2018/04/20206020_1.html|title=【東急】2020系・6020系が営業運転を開始|work=鉄道ホビダスRMニュース|date=2018-04-03|accessdate=2018-05-27}}</ref>が、同年10月1日から2121F・2122Fが東武線への乗り入れを開始し、[[久喜駅]]・[[南栗橋駅]] - [[中央林間駅]]で運行されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2018/10/08/203000.html|title=東急2020系が東武鉄道線内で営業運転を開始|work=鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース|date=2018-10-08|accessdate=2018-10-14}}</ref>。2017年度に3編成が製造され、2018年度と2019年度は6編成<ref>{{Cite press release|和書|title=2018年度の鉄軌道事業設備投資計画 「安全・ストレスフリーな鉄道」の早期実現に向けた総額597億円 安全・安定輸送と混雑緩和のための取り組みを強化します|publisher=東京急行電鉄|date=2018-05-11|url=http://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20180511-1.pdf|format=PDF|accessdate=2018-05-28}}</ref><ref>{{Cite press release|和書|title=2019年度の鉄軌道事業設備投資計画 さらに安全、安心、快適な鉄道の実現に向け、総額619億円を投資 東横線・田園都市線・大井町線の全64駅でのホームドア整備を完了します|publisher=東京急行電鉄|date=2019-05-13|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20190513-1.pdf|format=PDF|accessdate=2019-06-27}}</ref>、2020年度は5編成<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tokyu.co.jp/image/information/pdf/9a9166488d9b8a5a753680fb6a5023a0244ceff5.pdf|title=移動等円滑化取組計画書|accessdate=2020-08-14|publisher=東急電鉄}}</ref>、2021年度は9編成<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20210514-2.pdf|title=【別紙2】2021年度 設備投資計画の詳細|accessdate=2021-05-15|publisher=東急電鉄}}</ref>、2022年度は1編成が導入された<ref>{{Cite press release|和書|title=2022年度の設備投資計画 事業基盤の強靭化と社会的価値の持続的提供のため総額444億円を投資|publisher=東急電鉄|date=2022-05-13|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20220513-2-1.pdf}}</ref>。
|'''<br />サハ2420'''


=== 編成表 ===
(T3)
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:85%;"
|'''<br />サハ2520'''

(T2)
| <  
'''デハ2620'''

(M3)
|'''<br />サハ2720'''

(T1)
|'''<br />デハ2820'''

(M2a)
| < >
'''デハ2920'''

(M1a)
|'''<br />クハ2020'''

(Tc1)
|-
|-
| style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
! 自重
| colspan="10" style="background-color:#9f9;"|{{TrainDirection|<small>[[久喜駅|久喜]]・[[南栗橋駅|南栗橋]]・[[押上駅|押上]]</small>・[[渋谷駅|渋谷]]|[[中央林間駅|中央林間]]}}
| 31.5 t || 33.5 t || 33.5 t || 27.8 t || 27.5 t || 32.0 t || 27.5 t || 33.5 t || 33.5 t || 31.4 t
|-
|-
! 号車
|-style="border-top:solid 2px #666;"
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10
! rowspan="27" | 車両番号<ref name=":0">鉄道ファン683号72-73ページ</ref>(旧車番)
| 2121 || 2221 || 2321 || 2421 || 2521 || 2621 || 2721 || 2821 || 2921 || 2021
|-
|-
!style="width:6em; border-bottom:none; alt="集電装置"; " | &nbsp;
| 2122 || 2222 || 2322 || 2422 || 2522 || 2622 || 2722 || 2822 || 2922 || 2022
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| {{left|{{0}}<}}{{right|>{{0}}}}
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| {{left|{{0}}<}}
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| {{left|{{0}}<}}{{right|>{{0}}}}
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|-
|-
!style="width:6em; border-top:none;" | 形式
| 2123 || 2223 || 2323 || 2423 || 2523 || 2623 || 2723 || 2823 || 2923 || 2023
|style="width:6em; border-top:none;" | '''クハ2120'''<br />(Tc2)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ2220'''<br />(M2B)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ2320'''<br />(M1B)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''サハ2420'''<br />(T3)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''サハ2520'''<br />(T2)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ2620'''<br />(M3)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''サハ2720'''<br />(T1)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ2820'''<br />(M2A)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ2920'''<br />(M1A)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''クハ2020'''<br />(Tc1)
|-
|-
!搭載機器
| 2124 || 2224 || 2324 || 2424 || 2524 || 2624 || 2724 || 2824 || 2924 || 2024
|BT
|VVVF<br />SIV
|VVVF<br />CP
|&nbsp;
|&nbsp;
|VVVF
|&nbsp;
|VVVF<br />SIV
|VVVF<br />CP
|BT
|-
|-
! 自重
| 2125 || 2225 || 2325 || 2425 || 2525 || 2625 || 2725 || 2825 || 2925 || 2025
| 31.5 t || 33.5 t || 33.5 t || 27.8 t || 27.5 t || 32.0 t || 27.5 t || 33.5 t || 33.5 t || 31.4 t
|-
|-
!定員<br />(座席)
| 2126 || 2226 || style="background-color:#ffc833;" | 2326
|143<br />(45)
(6321)
|155<br />(48)
|| 2426 || 2526 || 2626 || 2726 || 2826 || 2926 || 2026
|155<br />(51)
|155<br />(45 or 51)
|155<br />(45 or 51)
|155<br />(51)
|155<br />(51)
|155<br />(45 or 51)
|155<br />(51)
|143<br />(45)
|- style="border-top:solid 2px #666;"
! rowspan="12" | 車両番号<br />(旧車番)
| 2121<br />:<br />2125
| 2221<br />:<br />2225
| 2321<br />:<br />2325
| 2421<br />:<br />2425
| 2521<br />:<br />2525
| 2621<br />:<br />2625
| 2721<br />:<br />2725
| 2821<br />:<br />2825
| 2921<br />:<br />2925
| 2021<br />:<br />2025
|-
|-
| 2126 || 2226
| 2127 || 2227 || style="background-color:#ffc833;" | 2327
| style="background-color:#ffc833;" | 2326<br />(6321)
(6322)
|| 2427 || 2527 || 2627 || 2727 || 2827 || 2927 || 2027
| 2426 || 2526 || 2626 || 2726 || 2826 || 2926 || 2026
|-
|-
| 2127 || 2227
| 2128 || 2228 || 2328 || 2428 || 2528 || 2628 || 2728 || 2828 || 2928 || 2028
| style="background-color:#ffc833;" | 2327<br />(6322)
| 2427 || 2527 || 2627 || 2727 || 2827 || 2927 || 2027
|-
|-
| 2128<br />:<br />2150
| 2129 || 2229 || 2329 || 2429 || 2529 || 2629 || 2729 || 2829 || 2929 || 2029
| 2228<br />:<br />2250
|-
| 2328<br />:<br />2350
| 2130 || 2230 || 2330 || 2430 || 2530 || 2630 || 2730 || 2830 || 2930 || 2030
| 2428<br />:<br />2450
|-
| 2528<br />:<br />2550
| 2131 || 2231 || 2331 || 2431 || 2531 || 2631 || 2731 || 2831 || 2931 || 2031
| 2628<br />:<br />2650
|-
| 2728<br />:<br />2750
| 2132 || 2232 || 2332 || 2432 || 2532 || 2632 || 2732 || 2832 || 2932 || 2032
| 2828<br />:<br />2850
|-
| 2928<br />:<br />2950
| 2133 || 2233 || 2333 || 2433 || 2533 || 2633 || 2733 || 2833 || 2933 || 2033
| 2028<br />:<br />2050
|-
| 2134 || 2234 || 2334 || 2434 || 2534 || 2634 || 2734 || 2834 || 2934 || 2034
|-
| 2135 || 2235 || 2335 || 2435 || 2535 || 2635 || 2735 || 2835 || 2935 || 2035
|-
| 2136 || 2236 || 2336 || 2436 || 2536 || 2636 || 2736 || 2836 || 2936 || 2036
|-
| 2137 || 2237 || 2337 || 2437 || 2537 || 2637 || 2737 || 2837 || 2937 || 2037
|-
| 2138 || 2238 || 2338 || 2438 || 2538 || 2638 || 2738 || 2838 || 2938 || 2038
|-
| 2139 || 2239 || 2339 || 2439 || 2539 || 2639 || 2739 || 2839 || 2939 || 2039
|-
| 2140 || 2240 || 2340 || 2440 || 2540 || 2640 || 2740 || 2840 || 2940 || 2040
|-
| 2141 || 2241 || 2341 || 2441 || 2541 || 2641 || 2741 || 2841 || 2941 || 2041
|-
| 2142 || 2242 || 2342 || 2442 || 2542 || 2642 || 2742 || 2842 || 2942 || 2042
|-
| 2143 || 2243 || 2343 || 2443 || 2543 || 2643 || 2743 || 2843 || 2943 || 2043
|-
| 2144 || 2244 || 2344 || 2444 || 2544 || 2644 || 2744 || 2844 || 2944 || 2044
|-
| 2145 || 2245 || 2345 || 2445 || 2545 || 2645 || 2745 || 2845 || 2945 || 2045
|-
| 2146 || 2246 || 2346 || 2446 || 2546 || 2646 || 2746 || 2846 || 2946 || 2046
|-
| 2147 || 2247 || 2347 || 2447 || 2547 || 2647 || 2747 || 2847 || 2947 || 2047
|}
|}
※2126F・2127Fはデハ2320欠車で落成、6020系デハ6320を長津田にて改造の上組み込み(詳細は[[#Qシート車組み込み時の動き]]を参照)
:※デハ2326・デハ2327は元6020系


'''凡例'''
=== 運用 ===
* <{{0|00}}>:[[集電装置]](シングルアームパンタグラフ)
[[2018年]][[3月28日]]に2020系3編成が営業運転を開始した<ref>{{Cite web|url=https://railf.jp/news/2018/03/31/200500.html|title=東急2020系が営業運転を開始|work=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] railf.jp 鉄道ニュース|date=2018-03-30|accessdate=2018-05-27}}</ref>。運用開始半年間は前面貫通ドアに東武直通非対応を示すKマークが貼られており、東武線への直通乗り入れは行っていなかった<ref>{{Cite web|url=http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2018/04/20206020_1.html|title=【東急】2020系・6020系が営業運転を開始|work=鉄道ホビダスRMニュース|date=2018-04-03|accessdate=2018-05-27}}</ref>が、同年10月1日から2121Fと2122Fが東武線への乗り入れを開始し、[[久喜駅]]・[[南栗橋駅]] - [[中央林間駅]]で運行されている<ref>{{Cite web|url=https://railf.jp/news/2018/10/08/203000.html|title=東急2020系が東武鉄道線内で営業運転を開始|work=鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース|date=2018-10-08|accessdate=2018-10-14}}</ref>。2018年度は6編成増備<ref>{{Cite press release|title=2018年度の鉄軌道事業設備投資計画 「安全・ストレスフリーな鉄道」の早期実現に向けた総額597億円 安全・安定輸送と混雑緩和のための取り組みを強化します|publisher=東京急行電鉄|date=2018-05-11|url=http://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20180511-1.pdf|format=PDF|accessdate=2018-05-28}}</ref>、2019年度は6編成増備<ref>{{Cite press release|title=2019年度の鉄軌道事業設備投資計画 さらに安全、安心、快適な鉄道の実現に向け、総額619億円を投資 東横線・田園都市線・大井町線の全64駅でのホームドア整備を完了します|publisher=東京急行電鉄|date=2019-05-13|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20190513-1.pdf|format=PDF|accessdate=2019-06-27}}</ref>、2020年度は5編成増備<ref>{{Cite web|url=https://www.tokyu.co.jp/image/information/pdf/9a9166488d9b8a5a753680fb6a5023a0244ceff5.pdf|title=移動等円滑化取組計画書|accessdate=2020年8月14日|publisher=東急電鉄}}</ref>。2021年度は9編成が導入される予定<ref>{{Cite web|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20210514-2.pdf|title=【別紙2】2021年度 設備投資計画の詳細|accessdate=2021年5月15日|publisher=東急電鉄}}</ref>。
* VVVF:[[主制御器]]([[VVVFインバータ]]装置/1C4M)
* SIV:補助電源装置([[静止形インバータ]])
* CP:[[空気圧縮機]]
* BT:[[蓄電池]]
*網掛け({{Color|#ffc833|■}}):6020系デハ6320からの編入改造


==== 各編成の車歴 ====
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:85%;"
|+2020系
! 編成番号
! 製造所
! 甲種輸送時期
! 製造年度
|-
|-
!編成番号
| 2121F
!style="width:4em;"| 製造所
| 横浜
!style="width:6em;"| 新製日<ref name="大手私鉄車両ファイル各年">「鉄道ファン」8月号付録「大手私鉄車両ファイル」各年</ref>
| 2017年11月<ref>{{Cite web|title=東急,2020系を公開|鉄道ニュース|2017年11月30日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2017/11/30/163000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
| rowspan="3" | 2017年度
!style="width:5em;"| 製造年度
!style="width:30em;"| 備考
|-
|-
|2121F
| 2122F
|横浜
| rowspan="9" | 新津
|2017.12.08
| 2018年2月<ref>{{Cite web|title=新津製の東急2020系が甲種輸送される|鉄道ニュース|2018年2月7日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2018/02/07/110000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
| rowspan="3" |2017年度
| style="text-align:left;" |製造時、列車無線アンテナ1本
|-
|-
|2122F
| 2123F
| rowspan="9" |新津
| 2018年2月<ref>{{Cite web|title=東急2020系第3編成が甲種輸送される|鉄道ニュース|2018年2月21日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2018/02/21/171000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
|2018.02.08
|
|-
|-
|2123F
| 2124F
|2018.02.22
| 2018年6月<ref>{{Cite web|title=新津製の東急2020系が甲種輸送される|鉄道ニュース|2018年6月5日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2018/06/05/200000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
|
| rowspan="6" | 2018年度
|-
|-
|2124F
| 2125F
|2018.06.07
| 2018年6月<ref>{{Cite web|title=東急2020系が甲種輸送される|鉄道ニュース|2018年6月26日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2018/06/26/160000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
| rowspan="6" |2018年度
|
|-
|-
|2125F
|style="background-color:Turquoise;"| 2126F (9R)
|2018.06.28
| 2018年10月<ref name=":2">{{Cite news|url=https://railf.jp/news/2018/10/11/140000.html|title=東急2020系・6020系が甲種輸送される|work=鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース}}</ref>
|
|-
|-
|2126F(9R)
|style="background-color:Turquoise;"| 2127F (9R)
|2018.10.26
| 2018年10月<ref name=":3">{{Cite web|title=東急 2020系・6020系 甲種輸送/2018年10月29日(月)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/9355/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
| rowspan="2" style="text-align:left;" |それぞれ6020系Qシート車1両と同時に輸送<ref name=":22">{{Cite news|url=https://railf.jp/news/2018/10/11/140000.html|title=東急2020系・6020系が甲種輸送される|work=鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース}}</ref><br />欠車の3号車は表の末尾を参照
|-
|-
|2127F(9R)
| 2128F
|2018.11.30
| 2019年3月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2128編成 甲種輸送/2019年3月5日(火)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/9729/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2021-05-15}}</ref>
|-
|-
|2128F
| 2129F
|2019.03.07
| 2019年3月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2129編成 甲種輸送/2019年3月27日(水)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/9821/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2021-05-15}}</ref>
|
|-
|-
|2129F
| 2130F
|2019.03.28
| 2019年8月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2130編成 甲種輸送/2019年8月21日(水)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/10238/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
|
| rowspan="6" | 2019年度
|-
|-
|2130F
| 2131F
|2019.10.04
| 横浜
| rowspan="6" |2019年度
| 2019年10月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2131編成 甲種輸送/2019年10月31日(木)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/10455/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
| style="text-align:left;" |この編成より4・5・8号車の座席減少・無線アンテナ形状変更
|-
|-
|2131F
| 2132F
|横浜
| rowspan="6" | 新津
|2019.11.01
| 2020年1月<ref>{{Cite web|title=東急2020系が長津田まで甲種輸送される|鉄道ニュース|2020年1月15日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2020/01/15/200500.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
| style="text-align:left;" |この編成より各部の社名表記を変更<ref group="注">妻面の車籍銘板「東京急行電鉄」→「東急電鉄」、側面の社紋「TOKYU CORPORATION」→「TOKYU RAILWAYS」</ref>
|-
|-
|2132F
| 2133F
| rowspan="6" |新津
| 2020年2月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2133編成 甲種輸送/2020年2月14日(金)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/10718/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2021-05-15}}</ref>
|2020.01.17
|
|-
|-
|2133F
| 2134F
|2020.02.18
| 2020年3月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2134編成 甲種輸送/2020年3月2日(月)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/10743/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
|
|-
|-
|2134F
| 2135F
|2020.03.06
| 2020年3月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2135編成 甲種輸送/2020年3月23日(月)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/10788/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
|
|-
|-
|2135F
| 2136F
|2020.03.27
| 2020年4月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2136編成 甲種輸送/2020年4月15日(水)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/10817/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
|
| rowspan="5" | 2020年度
|-
|-
|2136F
| 2137F
|2020.05.21
| 2020年5月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2137編成 甲種輸送/2020年5月12日(火)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/10852/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
| rowspan="5" |2020年度
|
|-
|-
|2137F
| 2138F
|2020.06.11
| 横浜
|
| 2020年9月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2138編成 甲種輸送/2020年9月16日(水)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/11076/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-16}}</ref>
|-
|-
|2138F
| 2139F
|横浜
| rowspan="4" | 新津
|2020.10.23
| 2020年8月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2139編成 甲種輸送/2020年8月7日(金)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/11001/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
| style="text-align:left;" |この編成より誘導無線省略
|-
|-
|2139F
| 2140F
| rowspan="4" |新津
| 2020年8月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2140編成 甲種輸送/2020年8月31日(月)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/11042/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2020-09-05}}</ref>
|2020.09.10
|
|-
|-
|2140F
| 2141F
|2020.10.19
| 2020年12月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2141編成 甲種輸送/2020年12月8日(火)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/11271/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2021-05-15}}</ref>
|
| rowspan="9" | 2021年度
|-
|-
|2141F
| 2142F
|2021.03.24
| 2021年1月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2142編成 甲種輸送/2021年1月5日(火)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/11325/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2021-05-15}}</ref>
| rowspan="9" |2021年度
|
|-
|-
|2142F
| 2143F
|2021.03.29
| rowspan="5" | 横浜
|
| 2021年3月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2143編成 甲種輸送/2021年3月17日(水)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/11470/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2021-05-15}}</ref>
|-
|-
|2143F
| 2144F
| rowspan="6" |横浜
| 2021年4月<ref>{{Cite web|title=東急 2020系2144編成 甲種輸送/2021年4月14日(水)- 鉄道コム|url=https://www.tetsudo.com/topics/11530/|website=www.tetsudo.com|accessdate=2021-05-15}}</ref>
|2021.04.05
| style="text-align:left;" |この編成より天井ラインデリアの仕様を変更
|-
|-
|2144F
| 2145F
|2021年5月
|2021.04.22
|
|-
|-
|2145F
| 2146F
| 2021年6月
|2021.05.25
|
|-
|-
|2146F
| 2147F
| 2021年7月
|2021.06.28
|
|-
|-
|2147F
| ''2148F''
|2021.07.26
|
|
|
|-
|-
|2148F
| ''2149F''
|2021.09.02
|
|
|
|-
|2149F
| rowspan="2" |新津
|2022.01.20
|
|-
|2150F
|2022.06.06
|2022年度
|
|- style="border-top:solid 2px #666;"
|<small>デハ6321→</small><br>デハ2326
| rowspan="2" |横浜
|2018.01.22
| rowspan="2" |2017年度
| style="text-align:left;" |2018.11.07改造・改番<ref name=":RF付録2019-8">「鉄道ファン」2019年8月号(通巻700号)付録「大手私鉄車両ファイル」</ref>
|-
|<small>デハ6322→</small><br>デハ2327
|2018.03.01
| style="text-align:left;" |2018.12.10改造・改番<ref name=":RF付録2019-8" />
|}
|}
※2126F・2127Fはデハ2320欠車で落成・長津田にてデハ6320を改造の上組み込み。

'''凡例'''

* 横浜:総合車両製作所横浜事業所
* 新津:総合車両製作所新津事業所
*斜体:予定分


== 6020系 ==
== 6020系 ==
351行目: 414行目:
| 文字色 = #ffffff
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Tokyu 6020 series Ōimachi Line 20181228.jpg
| 画像 = Tokyu 6020 series Ōimachi Line 20181228.jpg
| 画像幅 =
| 画像説明 = 6020系(Qシート車連結後)
| 画像説明 = 6020系(Qシート車連結後)
| 運用者 = [[東急|東京急行電鉄]]<br>[[東急電鉄]]
| 運用者 = [[東急|東京急行電鉄]]<br>[[東急電鉄]]
| 製造所 = [[総合車両製作所]]<br>横浜事業所・[[総合車両製作所新津事業所|新津事業所]]<ref Group="6">Qシート車のみ</ref>
| 製造所 = [[総合車両製作所]]<br>横浜事業所・[[総合車両製作所新津事業所|新津事業所]]
| 製造年 = 2017年 - 2019
| 製造年 = 2018
| 製造数 =
| 製造数 = 2編成14両
| 運用開始 = 2018年3月28日
| 運用開始 = 2018年3月28日
| 投入先 = [[東急大井町線|大井町線]]・[[東急田園都市線|田園都市線]]
| 投入先 = [[東急大井町線|大井町線]]
| 編成 = 7両編成
|編成 = 7両編成
| 軌間 = 1,067 mm
| 軌間 = 1,067 mm([[狭軌]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1500 V([[架空電車線方式]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1500 [[ボルト (単位)|V]]<br>([[架空電車線方式]])
| 最高運転速度 =
| 最高運転速度 = 110 km/h
| 設計最高速度 =
| 設計最高速度 = 120 km/h
| 起動加速度 =
| 起動加速度 = 3.3&nbsp;km/h/s
| 常用減速度 =
| 常用減速度 = 4.0&nbsp;km/h/s
| 非常減速度 =
| 非常減速度 = 4.5&nbsp;km/h/s
| 編成定員 =
| 編成定員 =
| 車両定員 =
| 車両定員 =
| 自重 =
| 自重 = 本文参照
| 編成重量 =
| 編成重量 =
| 全長 =
| 全幅 =
| 全高 =
| 床面高さ =
| 車体 =
| 台車 =
| 主電動機 =
| 主電動機出力 =
| 駆動方式 =
| 歯車比 =
| 制御方式 =
| 制御装置 =
| 制動装置 =
| 保安装置 = [[自動列車制御装置#新しいATC|ATC-P]]
| 保安装置 = [[自動列車制御装置#新しいATC|ATC-P]]
| 備考 ={{reflist|group="6"}}
| 備考 =
}}
}}
'''6020系'''は、[[東急2020系電車#top|2020系]]を[[東急大井町線|大井町線]]向けに7両編成とした車両。大井町線は6両編成が最長であった<ref>かつての18 [[メートル|m]]級車体(初代5000系や初代7000系など)では各駅停車も6両編成で運されていたが、20 m級8000系以降では各駅停車は5両編成で運行されている。</ref>が、輸送力増強を目的に2017年以降急行列車を順次7両編成にすることとなった。これに対応する車両として[[東急6000系電車 (2代)|6000系]]の増結(中間電動車の新製)と合わせて新製投入されたものである<ref>{{Cite press release|url=http://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/171012-21.pdf|title=都心方面への輸送力を増強し混雑緩和を推進します! 大井町線急行列車の7両編成化と新型車両6020系の導入|publisher=東京急行電鉄|date=2017-10-12|accessdate=2018-05-27}}</ref>。
[[東急大井町線|大井町線]]車の輸送力増強(7両化及び運行本数増加)を目的に<ref>{{Cite press release|和書|url=http://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/171012-21.pdf|title=都心方面への輸送力を増強し混雑緩和を推進します! 大井町線急行列車の7両編成化と新型車両6020系の導入|publisher=東京急行電鉄|date=2017-10-12|accessdate=2018-05-27}}</ref>、2018年に導入された。ラインカラーはオレンジ。これと並行して、同じく急行用である6000系の7両化も進められた


主要な仕様そのものは2020系と同一であるが、大井町線で運用されている[[トランスポンダ|情報伝送装置]]による駅通過防止装機能と工事区間などで使用される臨時速度制限用のATCコードに変更できる臨時速度制限機能を有している。車内液晶モニターの設置数が少ないため、2020系よりも車両重量がやや軽くなっている<ref name="Train2018-4-2"/>。
大井町線で運用されている[[トランスポンダ|情報伝送装置]]による駅通過防止装機能と工事区間などで使用される臨時速度制限用のATCコードに変更できる臨時速度制限機能を有している。また車内液晶モニターの設置数が少ないため、2020系よりも車両重量がやや軽くなっている<ref name="Train2018-4-2"/>。


<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
現在は3号車にデュアルシートの「Qシート車」が組み込まれている。
ファイル:Tokyu 6122 Express 20180331.jpg|「Qシート」組み込み前の6020系
ファイル:Tokyu 6020 kei interior.jpg|6020系の車内
ファイル:Tokyu 2020 or 6020 kei display.jpg|車内案内表示器
</gallery>


=== 運用 ===
大井町線の急行列車として、2020系と同じく2018年3月28日から営業運転を開始した。当初は[[大井町駅]] - [[長津田駅]]間での運転だったが、2019年からは[[中央林間駅]]まで直通運転を行っている。
=== 編成表 ===
=== 編成表 ===
'''製造時'''(現在は全てQシート組み込みのため消滅)
'''製造時'''(現在は全てQシート組み込みのため消滅)
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:85%;"
| style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|
| colspan="7" style="background-color:#ffc833;" |{{TrainDirection|([[渋谷駅|渋谷]])[[大井町駅|大井町]]|[[溝の口駅|溝の口]]・[[長津田駅|長津田]]}}
| colspan="7" style="background-color:#ffc833;" |{{TrainDirection|[[渋谷駅|渋谷]][[大井町駅|大井町]]|[[溝の口駅|溝の口]]・[[長津田駅|長津田]]}}
|-
|-
! 号車!! 1 !! 2
! 号車 || 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7
!3!! 4 !! 5 !! 6 !! 7
|-
|-
!style="width:6em; border-bottom:none; alt="集電装置"; " | &nbsp;
! 形式
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|'''<br />クハ6120'''
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;

|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none; background-color:#9f9;" | {{left|{{0}}<}}{{right|>{{0}}}}
(Tc2)
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|'''<br />デハ6220'''
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;

|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| {{left|{{0}}<}}{{right|>{{0}}}}
(M2B)
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|< >
|-
'''デハ6320'''
!style="width:6em; border-top:none;" | 形式

|style="width:6em; border-top:none;" | '''クハ6120'''<br />(Tc2)
(M1B)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ6220'''<br />(M2B)
|'''<br />サハ6420'''
|style="width:6em; border-top:none; background-color:#9f9;" | '''デハ6320'''<br />(M1B)

|style="width:6em; border-top:none;" | '''サハ6420'''<br />(T1)
(T1)
|'''<br />デハ6520'''
|style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ6520'''<br />(M2A)
|style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ6620'''<br />(M1A)

|style="width:6em; border-top:none;" | '''クハ6720'''<br />(Tc1)
(M2A)
| < >
'''デハ6620'''

(M1A)
|'''<br />クハ6720'''

(Tc1)
|-
|-
!搭載機器
!搭載機器
|BT
|BT
|VVVF
|VVVF<br />SIV
| style="background-color:#9f9;" |VVVF<br />CP
SIV
|&nbsp;
|VVVF
|VVVF<br />SIV
CP
|VVVF<br />CP
|
|VVVF
SIV
|VVVF
CP
|BT
|BT
|-
|-
! 自重
!定員
| 31.2 t || 33.3 t || style="background-color:#9f9;" | 33.3 t || 27.3 t || 33.3 t || 33.3 t || 31.1 t
(座席)
|143
(45)
|155
(48)
|155
(51)
|155
(51)
|155
(51)
|155
(51)
|143
(45)
|-
|-
! 定員<br />(座席)
! 自重
|143<br />(45)
| 31.2 t || 33.3 t
|155<br />(48)
|33.3 t|| 27.3 t || 33.3 t || 33.3 t || 31.1 t
|style="background-color:#9f9;" |155<br />(51)
|155<br />(51)
|155<br />(51)
|155<br />(51)
|143<br />(45)
|- style="border-top:solid 2px #666;"
|- style="border-top:solid 2px #666;"
! 車両番号
! 車両番号
| 6121
|6121<br />6122
|6221<br />6222
6122
| style="background-color:#9f9;" |6321(Ⅰ)<br />6322(Ⅰ)
| 6221
|6421<br />6422
6222
|6521<br />6522
|6321(Ⅰ)
|6621<br />6622
6322(Ⅰ)
|6721<br />6722
| 6421
6422
| 6521
6522
| 6621
6622
| 6721
6722
|}
|}

'''Qシート組み込み後'''<ref name=":4">「車両技術」2019年9月号(通巻258号)東京急行電鉄 6020系通勤車両</ref>
'''Qシート組み込み後'''<ref name="車両技術2019-9">「車両技術」2019年9月号(通巻258号)東京急行電鉄 6020系通勤車両 p.101 - p.120</ref>
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:85%;"
|
| colspan="7" style="background-color:#ffc833;" |{{TrainDirection|([[渋谷駅|渋谷]])[[大井町駅|大井町]]|[[溝の口駅|溝の口]]・[[長津田駅|長津田]]}}
| style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
| colspan="7" style="background-color:#ffc833;" |{{TrainDirection|[[渋谷駅|渋谷]][[大井町駅|大井町]]|[[溝の口駅|溝の口]]・[[中央林間駅|中央林間]]}}
|-
|-
! 号車!! 1 !! 2 !! 3 !! 4 !! 5 !! 6 !! 7
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7
|-
|-
!style="width:6em; border-bottom:none; alt="集電装置"; " | &nbsp;
! 形式
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|'''<br />クハ6120'''
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;

|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none; background-color:DarkOrange;" | {{left|{{0}}<}}{{right|>{{0}} }}
(Tc2)
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|'''<br />デハ6220'''
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;

|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| {{left|{{0}}<}}{{right|>{{0}} }}
(M2B)
| style="background-color:#ffc833;" | < >
|style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;"| &nbsp;
|-
'''デハ6320'''
!style="width:6em; border-top:none;" | 形式

|style="width:6em; border-top:none;"| '''クハ6120'''<br />(Tc2)
(M1L)
|style="width:6em; border-top:none;"| '''デハ6220'''<br />(M2B)
|'''<br />サハ6420'''
|style="width:6em; border-top:none; background-color:DarkOrange;" | '''デハ6320'''<br />(M1L)

|style="width:6em; border-top:none;"| '''サハ6420'''<br />(T1)
(T1)
|'''<br />デハ6520'''
|style="width:6em; border-top:none;"| '''デハ6520'''<br />(M2A)
|style="width:6em; border-top:none;"| '''デハ6620'''<br />(M1A)

|style="width:6em; border-top:none;"| '''クハ6720'''<br />(Tc1)
(M2A)
| < >
'''デハ6620'''

(M1A)
|'''<br />クハ6720'''

(Tc1)
|-
|-
!搭載機器
!搭載機器
|BT
|BT
|VVVF
|VVVF<br />SIV
| style="background-color:DarkOrange;" |VVVF<br />CP
SIV
|&nbsp;
| style="background-color:#ffc833;" |VVVF
|VVVF<br />SIV
CP
|VVVF<br />CP
|
|VVVF
SIV
|VVVF
CP
|BT
|BT
|-
!定員
(座席)
|143
(45)
|155
(48)
| style="background-color:#ffc833;" |133※
(45)
|155
(51)
|155
(51)
|155
(51)
|143
(45)
|-
|-
! 自重
! 自重
|31.2 t
| 31.2 t || 33.3 t || style="background-color:#ffc833;" | 34.8 t || 27.3 t || 33.3 t || 33.3 t || 31.1 t
|33.3 t
| style="background-color:DarkOrange;" |34.8 t
|27.3 t
|33.3 t
|33.3 t
|31.1 t
|-
|-
!定員<br />(座席)
|143<br />(45)
|155<br />(48)
| style="background-color:DarkOrange;" |133※<br />(45)
|155<br />(51)
|155<br />(51)
|155<br />(51)
|143<br />(45)
|- style="border-top:solid 2px #666;"
|- style="border-top:solid 2px #666;"
! 車両番号
! 車両番号
|6121<br />6122
<ref name=":1">「鉄道ファン」2021年8月号(通巻724号)付録「大手私鉄車両ファイル」</ref>
|6221<br />6222
| 6121
| style="background-color:DarkOrange;" |6321(Ⅱ)<br />6322(Ⅱ)
6122
|6421<br />6422
| 6221
|6521<br />6522
6222
|6621<br />6622
| style="background-color:#ffc833;" | 6321(Ⅱ)
|6721<br />6722
6322(Ⅱ)
| 6421
6422
| 6521
6522
| 6621
6622
| 6721
6722
|}
|}
※デハ6320(M1L車)はクロスシート時の定員129人
※デハ6320(M1L車)はクロスシート時の定員129人


'''凡例'''
'''凡例'''
* <{{0|00}}>:[[集電装置]](シングルアームパンタグラフ)
* VVVF:[[主制御器]]([[VVVFインバータ]]装置/1C4M)
* SIV:補助電源装置([[静止形インバータ]])
* CP:[[空気圧縮機]]
* BT:[[蓄電池]]
* 網掛け({{Color|#9f9|■}}):2020系編入改造の準備工事あり
* 網掛け({{Color|DarkOrange|■}}):Qシート車


'''各編成の車歴'''
* <>:パンタグラフ
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:85%;"
* VVVF:主制御器
|-
* SIV:補助電源装置
!編成番号
* CP:空気圧縮機
!style="width:4em;"| 製造所
* BT:蓄電池
!style="width:6em;"| 新製日<ref name="大手私鉄車両ファイル各年" />
* 網掛け({{Color|#ffc833|■}}):Qシート車
!style="width:5em;"| 製造年度
:
!style="width:30em;"| 備考
<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
|-
Tokyu 6020 kei interior.jpg|6020系の車内
|6121F(7R)
Tokyu 6020 kei Q seat interior.jpg|Qシート運用時の車内
| rowspan="2" |横浜
Tokyu 2020 or 6020 kei display.jpg|車内案内表示器
|2018.01.22
</gallery>
| rowspan="2" |2017年度
| rowspan="2" style="text-align:left;" |製造時、列車無線アンテナ1本<br />3号車は2020系編入改造の準備工事あり
|-
|6122F(7R)
|2018.03.01
|-
|デハ6321(Ⅱ)
| rowspan="2" |新津
|2018.10.25
| rowspan="2" |2018年度
| rowspan="2" style="text-align:left;" |それぞれ2020系9両と同時に輸送<ref name=":22">{{Cite news|url=https://railf.jp/news/2018/10/11/140000.html|title=東急2020系・6020系が甲種輸送される|work=鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース}}</ref><br />既存3号車と交換する形で組み込み
|-
|デハ6322(Ⅱ)
|2018.11.26
|}


=== Qシート車両{{Anchors|Qシート}} ===
=== 運用 ===
6020系では、2018年11月に全2編成の3号車に「Qシート」車両が組み込まれた。11月13日より通常営業運転を、12月14日より「Qシート」サービス列車としての運転を開始した<ref name=":0" />。
2017年度は2編成が新製され、2020系と同じく2018年3月28日に営業運転を開始した<ref>{{Cite web|url=https://railf.jp/news/2018/03/29/160000.html |title=東急6020系が営業運転を開始|work=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] railf.jp 鉄道ニュース|date=2018-03-29|accessdate=2018-05-27}}</ref>。


車両は側面全体にオレンジ一色のラッピングが施され、一見して判るようになっている。
大井町線の急行列車として、[[大井町駅]] - [[中央林間駅]]間で運転される。


内装は座席をデュアルシートとし、各座席には電源コンセント<ref group="注">Qシート運用時にのみ使用可能</ref>、一部の座席にはカップホルダーを備える<ref name="tetsudocom20181110">{{Cite news|url=https://www.tetsudo.com/special/report/20181110/|author=岸田法眼|title=東京急行電鉄6020系の3号車に「Q SEAT」が登場|newspaper=鉄道コム|date=2018-11-10|accessdate=2018-11-13}}</ref>。室内灯は電球色とされ、車内Wi-Fiも用意されている<ref name=":0">{{Cite press release|和書|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20181023-1.pdf|title=2018年12月14日(金)より、
=== Qシート ===
大井町線の有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始します!|publisher=東京急行電鉄|date=2018-10-23|accessdate=2021-04-07}}</ref>。優先席・車椅子スペースは他の中間車と同一の配置となっている<ref name="車両技術2019-9" />。このほか一般車との境目にあたる貫通路の窓上部はすりガラス風のスモーク処理が行われ、その下にはこの先がQシート車両である旨のステッカーが貼られている。また優先席には、Qシート運用中は優先席の扱いを中止する旨の表示が行われている。
6020系では、2018年11月に全2編成の3号車へ「Qシート」車両が組み込まれ、11月13日より通常営業運転を、12月14日より「Qシート」サービス列車としての運転を開始している。


<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
車両は側面全体にオレンジ一色のラッピングが施され、一見して判るようになっている。内装は座席をデュアルシートとし、各座席に電源コンセント<ref group="注">Qシート運用時にのみ使用可能</ref>、カップホルダーを備える<ref name="tetsudocom20181110">{{Cite news|url=https://www.tetsudo.com/special/report/20181110/|author=岸田法眼|title=東京急行電鉄6020系の3号車に「Q SEAT」が登場|newspaper=鉄道コム|date=2018-11-10|accessdate=2018-11-13}}</ref>。室内灯は電球色とされ、車内Wi-Fiも用意されている<ref>{{Cite press release|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20181023-1.pdf|title=2018年12月14日(金)より、
ファイル:Tokyu 6020 kei Q seat car.jpg|「Qシート」車両
大井町線の有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始します!|publisher=東京急行電鉄|date=2018-10-23|accessdate=2021-04-07}}</ref>。
ファイル:Tokyu 6020 kei Q seat interior.jpg|Qシート運用時の車内
</gallery>


==== Qシート車組み込み時の動き ====
'''Qシート車組み込み時の動き'''{{Anchors|Qシート車組み込み時の動き}}
Qシート車の2両は2020系と同時に製造、輸送されている<ref>鉄道ダイヤ情報 2018年10月号「甲種車両輸送計画表」</ref>。デハ6321(Ⅱ)は2126Fに、デハ6322(Ⅱ)は2127Fにそれぞれ組み込まれていた。


Qシート車の2両は2020系と同時に製造、輸送されている<ref name=":22">{{Cite news|url=https://railf.jp/news/2018/10/11/140000.html|title=東急2020系・6020系が甲種輸送される|work=鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース}}</ref><ref>鉄道ダイヤ情報 2018年10月号「甲種車両輸送計画表」</ref>。デハ6321(II)は2126Fに、デハ6322(II)は2127Fにそれぞれ組み込まれていた。
輸送はデハ2320が欠車・その部分にデハ6320(無装飾・Qシート)が連結<ref group="注">組成は通例通り、7 - 5号車・10 - 8号車│4 - 1号車</ref>、といった状態で行われた。長津田到着後には一度10両編成に組成している。


輸送はデハ2320が欠車・その部分に新デハ6320(Qシート・無装飾)が連結、といった状態で行われた。運用時と異なる組成<ref group="注">通例通り、7 - 5号車・10 - 8号車│4 - 1号車の組成</ref>で輸送されるが、長津田到着後には一度10両編成に組成している。
その後、既存の6020系と新造の2020系で互いに3号車を入れ替える形で組換が行われた。


その後、既存の6020系と新造の2020系で互いに3号車を入れ替える形で編成組替えが行われた。
組換にあたり、デハ6320(Ⅰ)→デハ2320は車両番号・帯色の変更の他、他の2020系車両に合わせるために液晶ディスプレイの増設を行っている<ref name="toyokeizai249044">[https://toyokeizai.net/articles/-/249044 大井町線に「指定席車」を導入する東急の思惑] - 東洋経済オンライン 2018年11月13日掲載</ref>。デハ6320(Ⅱ)は編成から外れている間<ref group="注">6321は10月中旬、6322は11月上旬</ref>にラッピングを施工した。


旧デハ6320の2両はそれぞれデハ2320へ改番され、他の2020系車両に合わせて帯色の変更や液晶ディスプレイ増設<ref name="toyokeizai249044">[https://toyokeizai.net/articles/-/249044 大井町線に「指定席車」を導入する東急の思惑] - 東洋経済オンライン 2018年11月13日掲載</ref>等の改造を行った。なお、この改造に関しては当初より準備工事が行われていた。
また、デハ6321(Ⅱ)は当初ドア部分が地色とされていたが、デハ6322のラッピングと同時期に修正されている。


新デハ6320(Qシート)は編成から外れている間<ref group="注">6321は10月中旬、6322は11月上旬</ref>にラッピングを施工した。このうちデハ6321は当初ドア部分が無装飾(ステンレス地色)とされていたが、デハ6322のラッピングと同時期に修正されている。
'''組換前の組成'''


'''組替え前の組成'''
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:50%;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:75%;"
| style="width:6em" |
! style="width:5em" | 号車
! style="width:5em" | 1号車 !! style="width:5em" | 2号車 !! style="width:5em" | 3号車 !! style="width:5em" | 4号車 !! style="width:5em" | 5号車 !! style="width:5em" | 6号車 !! style="width:5em" | 7号車 !! style="width:5em" | 8号車 !! style="width:5em" | 9号車 !! style="width:5em" | 10号車
! style="width:4em" | 1号車
!3号車抜取り日
! style="width:4em" | 2号車
! style="width:6em" | 3号車
! style="width:4em" | 4号車
! style="width:4em" | 5号車
! style="width:4em" | 6号車
! style="width:4em" | 7号車
! style="width:4em" | 8号車
! style="width:4em" | 9号車
! style="width:4em" | 10号車
! style="width:7em" | 3号車抜取り日
!備考
!備考
|-
|-
! rowspan="2" |新造車
! rowspan="2" |新造車<br>車両番号
|2126||2226
車両番号
| style="background-color:DarkOrange;" |'''6321(II)'''
|'''2126'''
|2426||2526||2626||2726||2826||2926||2026||2018.10.13
|'''2226'''
| style="background-color:#ffc833;" |'''6321(Ⅱ)'''
|'''2426'''
|'''2526'''
|'''2626'''
|'''2726'''
|'''2826'''
|'''2926'''
|'''2026'''
|2018.10.13
| style="text-align:left;" |新津製・2018.10.11 - 12搬入
| style="text-align:left;" |新津製・2018.10.11 - 12搬入
|-
|-
|'''2127'''
|2127||2227
| style="background-color:DarkOrange;" |'''6322(II)'''
|'''2227'''
|2427||2527||2627||2727||2827||2927||2027||2018.11.01
| style="background-color:#ffc833;" |'''6322(Ⅱ)'''
|'''2427'''
|'''2527'''
|'''2627'''
|'''2727'''
|'''2827'''
|'''2927'''
|'''2027'''
|2018.11.01
| style="text-align:left;" |新津製・2018.10.30 - 31搬入
| style="text-align:left;" |新津製・2018.10.30 - 31搬入
|-
|-
! rowspan="2" |既存車
! rowspan="2" |既存車<br>車両番号
|6121||6221
車両番号
|'''6321(I)'''
|6121
|6421||6521||6621||6721|| || || ||2018.10.09
|6221
|6321(Ⅰ)
|6421
|6521
|6621
|6721
|
|
|
|2018.10.09
| style="text-align:left;" |横浜製
| style="text-align:left;" |横浜製
|-
|-
|6122
|6122||6222
|'''6322(I)'''
|6222
|6422||6522||6622||6722|| || || ||2018.11.14
|6322(Ⅰ)
|6422
|6522
|6622
|6722
|
|
|
|2018.11.14
| style="text-align:left;" |横浜製
| style="text-align:left;" |横浜製
|}
|}
'''組換後の組成'''
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:50%;"
| style="width:6em" |
! style="width:5em" | 1号車 !! style="width:5em" | 2号車 !! style="width:5em" | 3号車 !! style="width:5em" | 4号車 !! style="width:5em" | 5号車 !! style="width:5em" | 6号車 !! style="width:5em" | 7号車 !! style="width:5em" | 8号車 !! style="width:5em" | 9号車 !! style="width:5em" | 10号車
!組成日
|-
! rowspan="4" |車両番号
(旧車番)


'''組替え後の組成'''
太字:組換
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:75%;"
|2126
! style="width:5em" | 号車
|2226
! style="width:4em" | 1号車
|'''2326'''
! style="width:4em" | 2号車
'''(6321)'''
! style="width:6em" | 3号車
|2426
! style="width:4em" | 4号車
|2526
! style="width:4em" | 5号車
|2626
! style="width:4em" | 6号車
|2726
! style="width:4em" | 7号車
|2826
! style="width:4em" | 8号車
|2926
! style="width:4em" | 9号車
|2026
! style="width:4em" | 10号車
|2018.10.13
! style="width:7em" | 組成日
|-
|-
! rowspan="4" |車両番号<br>(旧車番)
|2127
|2126||2226
|2227
|'''2327'''
|'''2326'''<br />'''(6321)'''
|2426||2526||2626||2726||2826||2926||2026||2018.10.13
'''(6322)'''
|2427
|2527
|2627
|2727
|2827
|2927
|2027
|2018.11.17
|-
|-
|2127||2227
|6121
|'''2327'''<br />'''(6322)'''
|6221
|2427||2527||2627||2727||2827||2927||2027||2018.11.17
| style="background-color:#ffc833;" |'''6321(Ⅱ)'''
|6421
|6521
|6621
|6721
|
|
|
|2018.10.17
|-
|-
|6121||6221
|6122
| style="background-color:DarkOrange;" |'''6321(II)'''
|6222
|6421||6521||6621||6721|| || || ||2018.10.17
| style="background-color:#ffc833;" |'''6322(Ⅱ)'''
|6422
|6522
|6622
|6722
|
|
|
|2018.11.14
|}
※Qシート車は判りやすいよう全て網掛けしたが、組換前は無装飾である。

'''書類上の日付'''<ref>「鉄道ファン」2019年8月号(通巻700号)付録「大手私鉄車両ファイル」</ref>
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
!6321(Ⅱ)新製
|2018.10.25
|-
|-
|6122||6222
! 2126F新製
| style="background-color:DarkOrange;" |'''6322(II)'''
|2018.10.26
|6422||6522||6622||6722|| || || ||2018.11.14
|-
!2326化改造
|2018.11.07
|-
!6322(Ⅱ)新製
|2018.11.26
|-
!2127F新製
|2018.11.30
|-
!2327化改造
|2018.12.10
|}
|}
※Qシート車は判りやすいよう全て網掛けしたが、組替え前は無装飾である。
<br />
<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
ファイル:Tokyu 6020 series Den-en-toshi Line 20180825.jpg|6020系(Qシート車連結前)<br>大井町線直通列車 6121F<br>(2018年8月25日 田奈駅)
ファイル:Tokyu 6020 kei Q seat car.jpg|「Qシート」車
</gallery>

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
|+6020系
! 編成番号
! 製造所
! 甲種輸送時期
!製造年度
|-
| 6121F
| rowspan="2" | 横浜
| 2017年12月<ref>{{Cite web|title=東急6020系が甲種輸送される|鉄道ニュース|2017年12月28日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2017/12/28/171000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
| rowspan="2" |2017年度
|-
| 6122F
| 2018年1月<ref>{{Cite web|title=東急6020系第2編成が甲種輸送される|鉄道ニュース|2018年1月25日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2018/01/25/150000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
|-
|デハ6321(Ⅱ)
| rowspan="2" |新津
|2018年10月<ref name=":2" />
| rowspan="2" |2018年度
|-
| デハ6322(Ⅱ)
| 2018年10月<ref name=":3" />
|}

'''凡例'''

* 横浜:総合車両製作所横浜事業所
* 新津:総合車両製作所新津事業所
:
{{-}}
{{-}}


787行目: 710行目:
| 背景色 = #ee0011
| 背景色 = #ee0011
| 文字色 = #ffffff
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Tokyu-Series3020-3821.jpg
| 画像 = Tokyu-railway-3121F-20231118-115855.jpg
| 画像説明 = 3020系<br>(2023年11月18日)
| 画像幅 =
| 画像説明 = 3020系<br>(2021年6月15日 [[多摩川駅]])
| 運用者 = [[東急電鉄]]
| 運用者 = [[東急電鉄]]
| 製造所 = [[総合車両製作所]]横浜事業所
| 製造所 = [[総合車両製作所]]横浜事業所
| 製造年 = 2019年
| 製造年 = 2019年
| 製造数 =
| 製造数 =
| 運用開始 = 2019年11月22日
| 運用開始 = 2019年11月22日
| 投入先 = [[東急目黒線|目黒線]]・[[東京メトロ南北線]]・[[埼玉高速鉄道線]]・[[都営地下鉄三田線]]
| 投入先 = [[東急目黒線|目黒線]]・[[東急新横浜線]]
| 編成 = 6両編成/8両編成
|編成 = 8両編成<br><small>(運行開始当初は6両編成)</small>
| 軌間 = 1,067 mm
| 軌間 = 1,067 mm([[狭軌]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1500 V([[架空電車線方式]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1500 [[ボルト (単位)|V]]<br>([[架空電車線方式]])
| 最高運転速度 = 110 km/h
| 最高運転速度 = 110 km/h
| 設計最高速度 = 120 km/h
| 設計最高速度 = 120 km/h
| 起動加速度 = 3.3 km/h/s
| 起動加速度 = 3.3&nbsp;km/h/s
| 常用減速度 = 4.0 km/h/s
| 常用減速度 = 4.0&nbsp;km/h/s
| 非常減速度 = 4.5 km/h/s
| 非常減速度 = 4.5&nbsp;km/h/s
| 編成定員 =6両編成:960名(座席291名)
| 編成定員 =
| 自重 =
| 車両定員 =
| 編成 =
| = 本文参照
| 編成重量 =
| 全長 =先頭車:20,470 mm<br />中間車:20,000 mm
| 全高 =4,046 mm
| 床面高さ =1,130 mm
| 保安装置 = 統合型保安装置<br>[[自動列車制御装置#新しいATC|ATC-P]]・[[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]・[[自動列車運転装置|ATO]]
| 保安装置 = 統合型保安装置<br>[[自動列車制御装置#新しいATC|ATC-P]]・[[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]・[[自動列車運転装置|ATO]]
| 備考 =
|車体幅=2,788 mm}}
}}
[[東急目黒線|目黒線]]および将来的な[[東急新横浜線]]開業時用の車両として、2019年秋に3編成を導入することが同年3月26日に公表された<ref>{{PDFlink|[https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20190326-3.pdf 当社保有車両の8両編成化による輸送力増強と新型車両3020系の導入]}} - 東京急行電鉄 プレスリリース 2019年3月26日</ref><ref>{{Cite web|url=https://trafficnews.jp/post/84707 |title=新型3020系電車、2019年秋に東急目黒線へ導入 2022年上期から8両編成に順次増強|website=乗りものニュース|date=2019-03-26|accessdate=2019-09-10}}</ref>。基本的な車体構成は2020系・6020系と同様である<ref name="SUBWAY2020-2">日本地下鉄協会「SUBWAY」2020年2月号車両紹介1「東急電鉄目黒線3020系車両の紹介」pp.28 - 31。</ref>。
[[東急目黒線|目黒線]]の輸送力増強および[[神奈川東部方面線|東急新横浜線]]開業準備用として2019年に導入された。ラインカラーは水色。


本形式では[[ワンマン運転]]を行うため、運転台には車上ITV(ホーム監視用モニター画面)を備え、ドア開閉等のボタンを運転士の手元に設置しているほか、非常停止スイッチも設けられている<ref name="toyokeizai20190905">{{Cite web|和書|url=https://toyokeizai.net/articles/-/301101|title=東急目黒線、「8両化」に備えた新型車両の全貌|website=東洋経済オンライン|author=小佐野 景寿|date=2019-09-05|accessdate=2019-09-10}}</ref><ref name="SUBWAY2020-2">日本地下鉄協会「SUBWAY」2020年2月号車両紹介1「東急電鉄目黒線3020系車両の紹介」pp.28 - 31。</ref>。また、落成当初より[[相模鉄道]](相鉄)への乗り入れを見据えた工事を施している<ref name="toyokeizai20190905">{{Cite web|和書|url=https://toyokeizai.net/articles/-/301101|title=東急目黒線、「8両化」に備えた新型車両の全貌|website=東洋経済オンライン|author=小佐野 景寿|date=2019-09-05|accessdate=2019-09-10}}</ref>。
2019年11月22日より営業運転を開始している。


運用される線区は全ての駅でホームドアが完備されているため、車両間の[[転落防止幌]]の設置が省略された。フルスクリーン形ホームドアに対応するため、室外解錠ハンドルの半数が床下搭載となっている<ref name="toyokeizai20190905">{{Cite web|和書|url=https://toyokeizai.net/articles/-/301101|title=東急目黒線、「8両化」に備えた新型車両の全貌|website=東洋経済オンライン|author=小佐野 景寿|date=2019-09-05|accessdate=2019-09-10}}</ref><ref group="注">1両に4つ設置され、1つのハンドルで2つのドアを解錠する。2020系などでは妻面(先頭部は側面)に設置されている。</ref>。
当初から8両編成で製造されているが、2022年度上期に予定されている目黒線8両化までは、6両編成での運用となる<ref name=":5">「鉄道ファン」2019年12月号(通巻704号)新車ガイド 東急電鉄3020系 p.52 -p.56</ref>。


列車無線はアナログ用とデジタル用が個別で用意され、同路線の他系列と同様にアナログ用はTc1に集約されている。
本形式では[[ワンマン運転]]を行うため、運転台には車上ITV(ホーム監視用モニター画面)を備え、ドア開閉用ボタンを運転士の手元に設置しているほか、非常停止スイッチも設けられている{{R|toyokeizai20190905}}<ref name="SUBWAY2020-2"/>。


=== 運用 ===
また運用される線区は全ての駅で[[ホームドア]]が完備されているため、車両間の[[転落防止幌]]の設置が省略された。フルスクリーン形ホームドアに対応するため、室外解錠ハンドルの半数が床下搭載となっている{{R|toyokeizai20190905}}<ref group="注">1両に4つ設置され、1つのハンドルで2つのドアを解錠する。2020系などでは妻面(先頭部は側面)に設置されている。</ref>。
2019年11月22日より営業運転を開始。8両編成で製造されているものの、当初は暫定的な6両編成での運行であった。なお落成時には8両編成での試運転も実施している。

その後2022年に正式に8両編成化が行われた。1月に3123Fが8両化され4月1日より営業運転を開始<ref>『鉄道ファン』2022年8月号(通巻736号)付録「大手私鉄車両ファイル」</ref><ref name="tokyu20200127">{{Cite press release|和書|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20220127-3.pdf|title=2022年4月上旬から目黒線において8両編成列車の営業を順次開始|publisher=東急電鉄株式会社|date=2022-01-27|accessdate=2022-05-18}}</ref><ref name="railf20220409">{{Cite news|url=https://railf.jp/news/2022/04/09/201000.html|title=東急目黒線・東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線で8両編成の運転開始|work=鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース|date=2022-04-09|accessdate=2022-05-18}}</ref>、同年8月までに全3編成の8両化が完了した。

<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
Tokyu-Series3020 Inside.jpg|3020系の車内
Tokyu-Series3020 Free-Space.jpg|優先席とフリースペース
Tokyu-Series3020 Digital-Signage.jpg|車内案内表示器
</gallery>


=== 編成表 ===
=== 編成表 ===
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:85%;"
'''6両編成'''<ref name=":5" />
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
| style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
| colspan="8" style="background-color:#9cf;" |{{TrainDirection|<small>浦和美園・赤羽岩淵・西高島平・[[横浜駅|横浜]](相鉄)</small>/[[目黒駅|目黒]]|[[日吉駅 (神奈川県)|日吉]]・[[新横浜駅|新横浜]]/<small>[[西谷駅|西谷]]・[[海老名駅|海老名]]・[[湘南台駅|湘南台]]・[[厚木操車場|厚木(操)]]</small>}}
|
| colspan="6" style="background-color:#9cf;" |{{TrainDirection|<small>浦和美園・赤羽岩淵/西高島平</small>・([[渋谷駅|渋谷]])[[目黒駅|目黒]]|[[日吉駅 (神奈川県)|日吉]]}}
|-
|-
! 号車<br /><small>(6両編成時)</small>
! 号車!! 1 !! 2
|1<br />&nbsp;||2<br />&nbsp;||3<br />&nbsp;||4<br /><small>(抜取)</small>||5<br /><small>(抜取)</small>||6<br /><small>(4)</small>||7<br /><small>(5)</small>||8<br /><small>(6)</small>
!3!! 4 !! 5
!6
|-
|-
! style="width:6em; border-bottom:none; alt=" 集電装置"; " | &nbsp;
! 形式
| style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;" | &nbsp;
|'''<br />クハ3120'''
| style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;" | &nbsp;

| style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;" | {{left|{{0}}<}}{{right|>{{0}}}}
(Tc2)
| style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;" | &nbsp;
|'''<br />デハ3220'''
| style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;" | &nbsp;

| style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;" | &nbsp;
(M2B)
| style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;" | {{left|{{0}}<}}{{right|>{{0}}}}
|< >
| style="width:6em; text-align:bottom; border-bottom:none;" | &nbsp;
'''デハ3320'''
|-

! style="width:6em; border-top:none;" | 形式
(M1B)
| style="width:6em; border-top:none;" | '''クハ3120'''<br />(Tc2)
| '''<br />デハ3620'''
| style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ3220'''<br />(M2B)

| style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ3320'''<br />(M1B)
(M2A)
| style="width:6em; border-top:none;" | '''サハ3420'''<br />(T2)
|< >
| style="width:6em; border-top:none;" | '''サハ3520'''<br />(T1)
'''デハ3720'''
| style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ3620'''<br />(M2A)

| style="width:6em; border-top:none;" | '''デハ3720'''<br />(M1A)
(M1A)
|'''<br />クハ3820'''
| style="width:6em; border-top:none;" | '''クハ3820'''<br />(Tc1)

(Tc1)
|-
|-
!搭載機器
!搭載機器
|BT
|BT
|VVVF
|VVVF<br />SIV
|VVVF<br />CP
SIV
|&nbsp;
|VVVF
|&nbsp;
CP
|VVVF
|VVVF<br />SIV
|VVVF<br />CP
SIV
|VVVF
CP
|BT
|BT
|-
|-
! 自重
!定員
| 31.5 t || 33.3 t || 33.3 t || 27.3 t || 27.3 t || 33.3 t || 33.3 t || 31.9 t
(座席)
|143
(45)
|155
(48)
|155
(51)
|155
(51)
|155
(51)
|143
(45)
|-
|-
! 定員<br />(座席)
! 自重
|143<br />(45)
| 31.5 t || 33.3 t
|155<br />(48)
|33.3t|| 33.3 t || 33.3t
|155<br />(51)
|31.9 t
|155<br />(51)
|155<br />(51)
|155<br />(51)
|155<br />(51)
|143<br />(45)
|- style="border-top:solid 2px #666;"
|- style="border-top:solid 2px #666;"
! 車両番号
! 車両番号
|3121<br />:<br />3123
| 3121
|3221<br />:<br />3223
|3321<br />:<br />3323

|3421<br />:<br />3423
3123
|3521<br />:<br />3523
| 3221
|3621<br />:<br />3623
|3721<br />:<br />3723

|3821<br />:<br />3823
3223
|3321

3323
| 3621

3623
| 3721

3723
|3821

3823
|}
|}
※運行開始当初の6両編成は号車番号以外に相違点なし
'''8両化用中間車(緊急予備車扱い)<ref name=":5" />'''
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
|
| colspan="2" style="background-color:#9cf;" |{{TrainDirection|[[目黒駅|目黒]]|[[日吉駅 (神奈川県)|日吉]]}}
|-
! 号車(予定)!! 4 !! 5
|-
! 形式
|'''<br />サハ3420'''


'''凡例'''
(T2)
*<{{0|00}}>:[[集電装置]](シングルアームパンタグラフ)
|'''<br />サハ3520'''
* VVVF:[[主制御器]]([[VVVFインバータ]]装置/1C4M)
* SIV:補助電源装置([[静止形インバータ]])
* CP:[[空気圧縮機]]
* BT:[[蓄電池]]


'''各編成の車歴'''
(T1)
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:85%;"
|-
|-
!編成番号
!搭載機器
!style="width:4em;"| 製造所
|
!style="width:6em;"| 新製日<ref name="大手私鉄車両ファイル各年" />
|
!style="width:5em;"| 製造年度
|-
!8両編成化
!定員
(座席)
|155
(51)
|155
(51)
|-
! 自重
| 27.3 t || 27.3 t
|- style="border-top:solid 2px #666;"
! 車両番号
| 3421

3423
| 3521

3523
|}
'''凡例'''
* <>:パンタグラフ
* VVVF:主制御器
* SIV:補助電源装置
* CP:空気圧縮機
* BT:蓄電池
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%;"
|+3020系
! 編成番号
! 製造所
! 甲種輸送時期
!製造年度
|-
|-
| 3121F
|3121F
| rowspan="3" | 横浜
| rowspan="3" |横浜
|2019.04.22
| 2019年4月<ref>{{Cite web|title=目黒線用3020系が甲種輸送される|鉄道ニュース|2019年4月10日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2019/04/10/173000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
| rowspan="3" |2019年度
| rowspan="3" |2019年度
|2022年1月
|-
|-
| 3122F
|3122F
|2019.06.07
| 2019年5月<ref>{{Cite web|title=東急3020系第2編成が甲種輸送される|鉄道ニュース|2019年5月31日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2019/05/31/150000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
|2022年8月
|-
|-
| 3123F
|3123F
|2019.08.05
| 2019年7月<ref>{{Cite web|title=東急3020系3123編成が甲種輸送される|鉄道ニュース|2019年7月10日掲載|鉄道ファン・railf.jp|url=https://railf.jp/news/2019/07/10/163000.html|website=鉄道ファン・railf.jp|accessdate=2020-09-05|language=ja}}</ref>
|2022年7月
|}
|}
'''凡例'''
* 横浜:総合車両製作所横浜事業所
* 新津:総合車両製作所新津事業所
{{-}}
<gallery widths="180" perrow="3" style="font-size:90%">
Tokyu-Series3020 Inside.jpg|3020系の車内
Tokyu-Series3020 Free-Space.jpg|優先席とフリースペース
Tokyu-Series3020 Digital-Signage.jpg|車内案内表示器
</gallery>


== 車体装飾 ==
== 車体装飾 ==
*系列は運行開始当初、デビューマークを付けて運てい
*系列デビューヘッドマークをはじめ、ステッカーによるヘッドマークの掲出が多数われてい
*2020年9月8日から2023年5月まで、2020系2130Fによるラッピング電車「[[SDGs]]トレイン 美しい時代へ号」が運行されていた<ref>[https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid=sdgs.html 本日9月8日(火)より、SDGsトレイン「美しい時代へ号」が運行を開始しました!](東急)</ref>。SDGsをイメージしたモザイク模様のラッピングが施されており、東横線・田園都市線・世田谷線で実施され、東横線では5000系5121F、世田谷線では300系307Fが使用されていた。当初は1年間の運行予定であったが、複数回に渡り延長された<ref>{{Cite press release|和書|title=阪急×阪神×東急が協働 特別企画列車「SDGs トレイン」の運行を1年延長します|publisher=阪急阪神ホールディングス、東急グループ|date=2021-8-26|url=https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20210826-1.pdf|format=PDF|language=日本語|accessdate=2021-11-19}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=特別企画列車「SDGsトレイン 美しい時代へ号」の運行を、2023年3月まで延長します|お知らせ|東急電鉄株式会社 |url=https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid=post_662.html |website=www.tokyu.co.jp |access-date=2022-09-02}}</ref>。なお2023年4月より、同名のラッピング列車が別デザインで運行されている。
*2020年9月8日より、2020系2130編成に「[[SDGs]]トレイン 美しい時代へ号」と称したラッピング電車が運行している<ref>[https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid=sdgs.html 本日9月8日(火)より、SDGsトレイン「美しい時代へ号」が運行を開始しました!](東急)</ref>。
*2022年4月から約1年間、2020系2122F・3020系3121Fによるラッピング電車「東急グループ100周年トレイン」が運行されていた<ref name="tokyu20220411">{{Cite news|url=https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid=100S-220411-1.html|title=東急グループ100周年トレイン 運行スタート!|publisher=東急グループ|date=2022-04-11|accessdate=2022-05-18}}</ref>。東急7路線で実施されている。
*2023年4月より、2020系2150F・3020系3122Fによりラッピング電車「SDGsトレイン 美しい時代へ号」が新しいデザインで運行されている。デザインはグラデーション模様に変更されており、田園都市線・東横線・目黒線・世田谷線で実施。東横線では5050系5175F、世田谷線では300系310Fが使用されている。2026年3月末まで運行予定。
*2024年3月より、3020系3123Fに[[東海道・山陽新幹線]]デザインのラッピングを施して運行している(enjoy! WEST号)<ref name="tokyu20240227">{{Cite news|url=https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid%3Dpost_53396.html|title=《東急電鉄:ニュースレターVol.1》新幹線デザインのラッピングトレインを2024年3月4日(月)から運行します|publisher=東急電鉄株式会社|date=2024-02-27|accessdate=2024-03-04}}</ref>。相鉄・東急新横浜線開業1周年を記念したもので、[[東海旅客鉄道|JR東海]]が協力している。後に東横線(5050系4000番台4105F)にも同じく新幹線イメージのラッピング列車が運行を開始した。車内では[[そうだ 京都、行こう。]]や[[大阪]]・[[神戸]]・[[姫路市|姫路]]・[[岡山]]・[[広島]]などの観光案内、[[ずらし旅]]の広告(ずらし旅では新幹線の[[東京駅]]・[[品川駅]]の混雑回避目的で[[新横浜駅]]に"ずらし"て利用するよう誘導している)が掲示されている。2024年7月1日からは、2003年11月まで東海道・山陽新幹線の車内チャイムで使用され、2015年2月から新大阪駅を除く山陽新幹線各駅の接近メロディで使用されている「ひかりチャイム」を現代風にアレンジしたメロディを、東急新横浜線新横浜駅到着前と発車後に流している(4105Fでは同年9月から使用開始)<ref>{{Cite web |title=《東急電鉄:ニュースレターVol.9》新幹線ラッピングトレイン車内でなつかしの 「ひかりチャイム」を使用します |お知らせ|東急電鉄株式会社 |url=https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid=post_53951.html |website=www.tokyu.co.jp |access-date=2024-07-01}}</ref>。
<gallery>
ファイル:Tokyu 2020 series Shin-Yokohama Line 1st anniversary headmark.jpg|新横浜線1周年記念ヘッドマーク
ファイル:Tokyu 2020 series Shinkansen design 03.jpg|新幹線意匠の塗装ラッピング([[青20号]]使用)
ファイル:Tokyu 2020 series Shinkansen design 02.jpg|enjoy! WESTのロゴ
ファイル:Tokyu 2020 series Shinkansen window paint 02.jpg|新幹線の窓をデザインした告知広告
</gallery>


== 脚注 ==
== 脚注 ==
993行目: 863行目:


=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
<references group="注" />
{{Reflist|2|group="注"}}


=== 出典 ===
=== 出典 ===
1,001行目: 871行目:
* {{Cite journal |和書 |author=市川裕幸 |title=田園都市線と大井町線に導入される新形車両 東京急行電鉄2020系・6020系 |date=2018-05 |publisher=[[交友社]] |journal=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] |issue = 685 |pages=84-92 |ref={{SfnRef|市川|2018}} }}
* {{Cite journal |和書 |author=市川裕幸 |title=田園都市線と大井町線に導入される新形車両 東京急行電鉄2020系・6020系 |date=2018-05 |publisher=[[交友社]] |journal=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] |issue = 685 |pages=84-92 |ref={{SfnRef|市川|2018}} }}
* {{Cite journal |和書 |author=田之上英明 |title=東京急行電鉄2020系・6020系 |date=2018-03 |publisher=[[電気車研究会]] |journal=[[鉄道ピクトリアル]] |issue = 945 |pages=110-119 |ref={{SfnRef|田之上|2018}} }}
* {{Cite journal |和書 |author=田之上英明 |title=東京急行電鉄2020系・6020系 |date=2018-03 |publisher=[[電気車研究会]] |journal=[[鉄道ピクトリアル]] |issue = 945 |pages=110-119 |ref={{SfnRef|田之上|2018}} }}
*根岸哲/津田亮/長谷川滋/井浦真一/山口博史「3.3kVフルSiCパワーモジュール」『三菱電機技報』2018年3月号、三菱電機、2018年3月、175-178頁。
* 根岸哲/津田亮/長谷川滋/井浦真一/山口博史「3.3kVフルSiCパワーモジュール」『三菱電機技報』2018年3月号、三菱電機、2018年3月、175-178頁。
* [[エリエイ]]『[[とれいん (雑誌)|とれいん]]』2018年4月号 MODELERS FILE「東京急行電鉄2020・6020系電車」pp.6 - 17
* [[エリエイ]]『[[とれいん (雑誌)|とれいん]]』2018年4月号 MODELERS FILE「東京急行電鉄2020・6020系電車」pp.6 - 17


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Tokyu 2020 series}}
{{Commonscat|Tokyu 2020 series}}
* [http://www.tokyu.co.jp/railway/data/train_info/ 車両情報] - 東急電鉄
* [https://www.tokyu.co.jp/railway/data/train_info/ 車両情報|東急電鉄] - 東急電鉄
* [https://web.archive.org/web/20211202111252/https://www.tanseisha.co.jp/works/detail/61813 東急田園都市線新型車両「2020系」](丹青社・インターネットアーカイブ・2021年時点の版)
* [https://news.mynavi.jp/article/20180224-588866/ 「東急電鉄2020系・6020系、違いは?新型車両を報道公開」 - マイナビ鉄道ニュース]
* [https://news.mynavi.jp/article/20180224-588866/ 「東急電鉄2020系・6020系、違いは?新型車両を報道公開」 - マイナビ鉄道ニュース]
* [https://news.mynavi.jp/article/20181110-tokyu6020qseat/ 「東急大井町線6020系「Q SEAT」車両お披露目、試乗会も」 - マイナビ鉄道ニュース]
* [https://news.mynavi.jp/article/20181110-tokyu6020qseat/ 「東急大井町線6020系「Q SEAT」車両お披露目、試乗会も」 - マイナビ鉄道ニュース]
* [[日本地下鉄協会]]「SUBWAY」2020年2月号{{PDFlink|[http://www.jametro.or.jp/upload/subway/ePpUUEBDbpWS.pdf 車両紹介1「東急電鉄目黒線3020系車両の紹介」]}}(28-31P掲載)
* [[日本地下鉄協会]]「SUBWAY」2020年2月号{{PDFlink|[http://www.jametro.or.jp/upload/subway/ePpUUEBDbpWS.pdf 車両紹介1「東急電鉄目黒線3020系車両の紹介」]}}(28-31P掲載)
* 総合車両製作所『総合車両製作所技報』第7号(2020年10月)特集寄稿{{PDFlink|[https://www.j-trec.co.jp/company/070/07/jtr07_050-061.pdf 「東急電鉄2020系電車、3020系電車、6020系電車におけるsustinaコンセプトの適用」]}}(pp.50-61)
* 総合車両製作所『総合車両製作所技報』第7号(2020年10月)特集寄稿{{PDFlink|[https://www.j-trec.co.jp/company/070/07/jtr07_050-061.pdf 「東急電鉄2020系電車、3020系電車、6020系電車におけるsustinaコンセプトの適用」]}}(pp.50-61)
{{東急電鉄の車両}}
{{東急電鉄の車両}}


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[[Category:2017年製の鉄道車両]]
[[Category:2017年製の鉄道車両]]
[[Category:総合車両製作所製の電車]]
[[Category:総合車両製作所製の電車]]
[[Category:鉄道車両関連]]

2024年12月6日 (金) 09:39時点における最新版

東急2020系電車
(共通事項)
東武日光線を走る2020系電車
(2021年10月14日 幸手駅 - 杉戸高野台駅間)
基本情報
運用者 東京急行電鉄 →東急電鉄
製造所 総合車両製作所(横浜事業所・新津事業所
主要諸元
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1500 V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
全長 先頭車:20,470 mm
中間車:20,000 mm
全幅 2,826 mm(側灯幅)
車体幅 2,778 mm[3]
全高 4,046 mm
車体高 3,620 mm
床面高さ 1,130 mm
車体 軽量ステンレスsustina
台車 軸梁式ボルスタレス台車
TS-1041(動台車)
TS-1042・TS-1042A(付随台車)
固定軸距 2,100 mm
主電動機 かご形三相誘導電動機
全閉外扇形 TKM-18[1]
(東芝形式SEA-446)
主電動機出力 140 kW[1]
駆動方式 WNドライブ
歯車比 99:14(7.07)
制御方式 MOSFET-VVVF(フルSiC[2]
制御装置 三菱電機
MAP-144-15V317[1]
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(HRDA-2)
全電気ブレーキ
保安装置 ATC-P
テンプレートを表示

東急2020系電車(とうきゅう2020けいでんしゃ)は、2018年(平成30年)3月28日に営業運転を開始した[4]東急電鉄通勤形電車

本項では、田園都市線用の2020系電車のほか、大井町線用の6020系電車目黒線東急新横浜線用の3020系電車についても記述する。

概要

[編集]

2020年東京オリンピックが開催されることや、2022年東急が創立100年を迎えることから、沿線の街や駅と調和する車両とすることを目的に命名・導入された[5][6]

製造は総合車両製作所横浜事業所と総合車両製作所新津事業所が担当、新津事業所での製造は東急電鉄の車両としては初となる。

田園都市線向けの2020系のほか、大井町線向けの6020系、目黒線・東急新横浜線向けの3020系の3系列が存在する。

車両概説

[編集]

デザインは、多摩田園都市などの「街づくり」を起源に持つ東急電鉄らしさを意識したものとしており、監修は東急線沿線の商業施設のデザインなどを手がけている丹青社が担当した[7][8]。沿線の街や駅との親和性を高め、利用者に親しみを持ってもらうとともに、「これまでにない新しさを感じていただけるような外観、車内空間」を目指しており、コンセプトカラーに「INCUBATION WHITE」(美しい時代へ孵化していく色)を使用した。先頭車前面から車体側面上部にかけて、導入線区の路線カラーとともに配置されている。丸みのある先頭形状は、やわからみのある顔をイメージしたものである[8]

車体

[編集]

車体は、総合車両製作所の軽量ステンレス車体のブランドであるsustina(サスティナ)を採用しており、「sustina S24シリーズ」の、車体長20メートルの4ドアステンレス車として製造された[9]レーザー溶接の積極的な採用、骨組の軽量化などで、アルミ車体と同等の車体軽量化を図ったほか、車両外観の溶接痕を減らし、水密性の向上も図っている。オフセット衝突対策として、隅柱の一部に断面45度で切り取ったような位置に補強を追加しており、これにより、オフセット衝突時において、互いの車両に離反する力を発生させ、外板の剥離を防いで客室の損傷を軽減することができる。また前面衝突対策として、運転台前面に衝撃吸収用のハニカム材を配置して、先頭車と中間車の間に衝撃吸収緩衝器を組込むことにより、衝突エネルギーの吸収と生存区間の確保を図っている。客室扉のドア間隔はホームドアの開口範囲に合うように4,820 mmとしており、窓の構成は固定窓と下降窓の組み合わせとしている。

前頭部は鋼材の骨組みで構成し、これをFRP成形品で覆う構造としている[10]前照灯はLED照明を使用しており、前照灯は前面下部に4灯と、ハイビーム時は加えて前面上部に2灯の計6灯とし、夜間時での視認性の向上を図っている[10]。先頭車の屋根上には、列車無線アンテナ逆L型アンテナ)のほかに、後述するINTEROSによる通信にも使用されるWiMAXアンテナを設置している[11]

床下の側面非常ハシゴも引き続き設置され、本系列では両先頭車と各付随車に設置される。先頭車は運転台側向き、付随車は1号車向きとなっている。

内装

[編集]

インテリアデザインは、東急沿線の風景をイメージした座席や照明も含めた車内全体のカラーコーディネートにこだわり、親しみやすさと心地よさを感じるデザインとしている。座席表地には龍村美術織物製のものが使用されている[12]

腰掛は、5000系の2015年度増備車で採用されたハイバック仕様のロングシートとなっているが、ヘッドレストは省略された[注 1][13]。座席は基本的に扉間が7人掛け、車端が3人掛けであるが、2020系の2130F以降においては4・5・8号車の扉間の座席が6人掛けとなっている[13]

車椅子スペースは各車両に一か所ずつ(2号車は2か所[11])設置した。先頭車は連結面寄り、2号車は両端、他の中間車は上り方、いずれも向かって右側に配置されており、車内外の壁面には車椅子マークとベビーカーマークを掲出、2020年頃より床面への掲出も始まった。また車椅子でない方も利用しやすいように、側面の窓に2段の手すりと妻面に腰当を設置した。

車端部の3人掛け座席は全て優先席とされ、先頭車は1両あたり3席、2号車は6席、他は9席が用意される。また、各妻面上部に防犯カメラを設置している。

側引戸の鴨居部には17インチの車内案内表示器を2基設置しており、右側は停車駅表示案内の他、行先情報・ドアの開方向情報・乗り換え案内・乗車マナーなどについて表示する(左側は「TOQビジョン」)。客室扉の内側は、混雑時に扉が開く際に戸袋に荷物などが引き込まれるのを防止するため、素材に表面が滑りやすい素材を採用した。妻引戸の戸閉装置は5000系の重力式から、ゼンマイの力でゆっくりと戻る方式に変更している。

枕木方向のつり手棒は側面天井部と接続をすることにより、ロールバーの補強構造を構成して、側面衝突に対する車両変形量の抑制を図っている。

天井の客室灯には40 W相当のLED照明を採用したほか、つり手棒の配置変更に合わせて配置の見直しを行い、従来より数を2灯ほど減少させている(中間車は22灯、先頭車は20灯)が、架線停電時に備えて蓄電池からの電力で点灯する予備灯を、中間車では11灯、先頭車は10灯へと増加させている。

乗務員室

[編集]

乗務員室は、前面ガラスの面積を広げて視界の拡大を図っており、主幹制御器はワンハンドルマスコンを運転台中央に配置した。その前方に2つのモニター装置が配置されている。モニター装置はE235系で使用されているINTEROSの導入により、計器・表示灯類などの情報集約を進めており、これにより計器・表示灯類などをモニター装置で表示することが可能となっている。また、現状では相互乗り入れの際に各社の車両においてその機器配置が異なり、乗務員の取扱いの負担が重いことを考慮して、東京地下鉄(東京メトロ)・東武鉄道西武鉄道の関係者と運転台共通化の協議を行い[14]、それに合わせて相互乗り入れする各社が保有している車両との仕様共通化を行った。その他の乗り入れ線区や本車を導入しない他の東急線の車両の仕様も参考にしている。乗務員が扱う機器ついては、設計完了後にモックアップを作成して、集められた各現業職員との間で取付け高さとボタンの形状と操作感などの検証を行ない、修正している[14][15]

主要機器

[編集]

主制御器は、300系以来となる三菱電機製を採用し、SiC-MOSFETとSiC-SBDを組み合わせた、フルSiCパワーモジュールを用いた2レベル式VVVFインバータ制御装置(MAP-144-15V317形)を搭載しており、1台の制御装置で主電動機4台を制御する1C4M方式としている[11]。高速度域まで多パルスのスイッチングを行うため、主電動機の損失を低減させて省エネルギー性能を向上させており、従来の8500系と比べて半分程度の電力で走行できるようになっている。

主制御器を各電動車に搭載する単独M方式とされるが、M1(A・B)とM2(A・B)はユニットに近い構成となっており、集電装置と高速度遮断器はM1側に集約されている。またSIVはM2に搭載されるが、SIV断流器はM1に搭載されている。

主電動機は、東芝[11]のTKM-18(東芝形式SEA-446)形全密閉外扇式三相かご形誘導電動機(定格電流108 A、定格周波数80 Hz、定格出力140 kW、定格回転数2,380 rpm)を採用しており、熱交換により冷却を行う方式であるため、メンテナンス頻度の低減が図られている。

制動方式は、回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式としており、INTEROSの編成ブレーキ力管理システムからのブレーキ指令により、編成全体で応荷重制御・電空協調制御・回生ブレーキを優先する遅れ込め制御を行うことで、省エネルギー運転と空気ブレーキ制輪子(ブレーキシュー)の摩耗量の低減が図られている。

また、常用ブレーキを従来の7段ステップ制御から8段ステップ制御とし、8段ステップは減速度を4.0 km/h/sとすることで、回生ブレーキが安定しない時や雨天時と降雪時などで安定した制動力が得られるようにしている。また、降雪時での減速度低下時のバックアップとして非常ブレーキ時の回生補足機能を新たに追加している。これは、従来の非常ブレーキ作動時には、すべて空気ブレーキで作動して回生ブレーキは使用されないが、この機能では、非常ブレーキ作動時には、INTEROSで減速度の演算を行い、一定の減速度低下が計測された場合には、回生ブレーキを補足で使用するものであり、降雪時でのさらなる安全性を図っている。

補助電源装置は、IGBT素子を使用した3レベル方式の富士電機[11](CDA175形)静止形インバータ(SIV)であり、出力は三相交流440 V、260 kVAである。整流装置は補助電源装置とは別に搭載しており、出力は直流100 Vである。また各車に変圧器を搭載しており、出力は交流100 Vである。

電動空気圧縮機は、吐出量は1,750 ℓ /minのドイツクノールブレムゼ製オイルフリーレシプロ式[11](VV180-T形)を採用[16]潤滑油を使用しないため外部のオイル排出や元空気タンク側へのオイル流出がなく、交換や給油が不要となる。

冷房装置は、三菱電機製CU7080形[11]冷房能力58.14 kW(50,000 kcal/h)を屋根上に1台搭載しており、予備暖房用の6.0 kWのヒータを内蔵している。また、天井部の横流ファン付近にパナソニックJR東日本テクノロジーが共同開発した空気洗浄装置の「nanoe(ナノイー)」を設置している。東急電鉄の電車としては初めての設置となる[7]

集電装置は、東洋電機製造[11]のシングルアームパンタグラフ(PT7108-E)で、上昇検知装置を有する。

戸閉装置は、富士電機製のラック・アンド・ピニオン式のブラシレスモーターを使用した電気式戸閉装置を採用している[17]。戸閉状態では、常に互いの引戸が押し付け合う構造となっており、挟まれたものを引き抜きやすい特性がある[18]

蓄電池は、5000系と同じく焼結式のアルカリ蓄電池を採用している。5000系が直流100 V・60 Ahと列車無線の非常電源に使用する直流24 V・30 Ahの2種類を搭載していたのに対し、本形式は直流100 V・105 Ahの1種類のみとしている。

台車は軸箱支持装置が軸梁式のボルスタレス方式空気ばね台車を採用した。5000系などで採用されていたものとは形状が大きく変更され、牽引装置も一本リンク式となる。基礎ブレーキ装置は踏面片押し式のユニットブレーキであるが、付随台車はディスクブレーキが追加されている。なおこのディスクブレーキのライニングは脱着性向上を図るため、UIC(国際鉄道連合)規格に基づいた構造としている。形式はTS-1041(電動台車)・TS-1042[注 2]・TS-1042A(付随台車)となっている。

駆動装置は5000・6000系と同じく中実軸平行カルダン式だが、電動機の電機子軸と輪軸の歯車駆動軸との間の継手を、CFRP製のたわみ板を使用したTD継手式から、東急としては初採用となる歯車形たわみ軸継手を使用したWN継手式に変更し、高速走行時の信頼性向上を図っている。

列車情報管理装置として、東日本旅客鉄道のE235系等で実績があるINTEROSを採用している。データ通信速度を従来と比べて40倍も向上させたことで、大容量のデータを扱うことが可能で、車両の各機器への伝送のほかにWiMAXによるデータ通信を利用して、車両の各種データを地上システムにリアルタイムに送信して活用することが可能としている。将来的には、各機器のデータを利用して、車両留置時で実施する検査の簡略化や蓄積した車両のビッグデータを分析し、機器の寿命や故障の予知を捉えて適切な時期に必要なメンテナンスを行う状態保全に向けた取組みを進める予定である。

2020系

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東急2020系電車
2020系
基本情報
運用者 東京急行電鉄
東急電鉄
製造所 総合車両製作所
横浜事業所・新津事業所
製造年 2017年 - 2022年
製造数 300両
運用開始 2018年3月28日
投入先 田園都市線
主要諸元
編成 10両編成
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1500 V
架空電車線方式
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
自重 本文参照
保安装置 ATC-P東武形ATS内蔵)
新CS-ATC
テンプレートを表示

老朽化した8500系の置き換えを目的として2018年に導入された。ラインカラーは緑。

第一編成の2121Fは総合車両製作所横浜事業所にて落成し、2017年11月30日に長津田検車区にて報道陣に公開された[19]

扉間の窓上部と妻引戸上部にデジタルサイネージ液晶ディスプレイによる電子看板)が設置されている。側窓上部のものは、21.5インチサイズの液晶モニターを横に3つ連続配置しており、3画面で一つの連続した画面のように使用することができる。

田園都市線及び直通運転先である東京メトロ半蔵門線東武伊勢崎線日光線で運用するため、半蔵門線及び東武線の保安装置と無線装置も内蔵している[20]

デジタル無線に対応するため、屋根上の列車無線アンテナ(逆L形)は各車2本となっている。なお当初は片方が準備工事のみであった。

2130F以降ではラッシュ時の乗降時間短縮を図り、4・5・8号車[注 3]のドア間の座席を7人掛けから6人掛けに減少させ、ドア横に38 cmのスペースを確保している[21][22]

運用

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2018年3月28日に3編成が営業運転を開始した[23]。運用開始半年間は前面貫通ドアに東武直通非対応を示すKマークが貼られており、東武線への直通乗り入れは行っていなかった[24]が、同年10月1日から2121F・2122Fが東武線への乗り入れを開始し、久喜駅南栗橋駅 - 中央林間駅で運行されている[25]。2017年度に3編成が製造され、2018年度と2019年度は6編成[26][27]、2020年度は5編成[28]、2021年度は9編成[29]、2022年度は1編成が導入された[30]

編成表

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号車 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
     
0
0
   
0
   
0
0
 
形式 クハ2120
(Tc2)
デハ2220
(M2B)
デハ2320
(M1B)
サハ2420
(T3)
サハ2520
(T2)
デハ2620
(M3)
サハ2720
(T1)
デハ2820
(M2A)
デハ2920
(M1A)
クハ2020
(Tc1)
搭載機器 BT VVVF
SIV
VVVF
CP
    VVVF   VVVF
SIV
VVVF
CP
BT
自重 31.5 t 33.5 t 33.5 t 27.8 t 27.5 t 32.0 t 27.5 t 33.5 t 33.5 t 31.4 t
定員
(座席)
143
(45)
155
(48)
155
(51)
155
(45 or 51)
155
(45 or 51)
155
(51)
155
(51)
155
(45 or 51)
155
(51)
143
(45)
車両番号
(旧車番)
2121

2125
2221

2225
2321

2325
2421

2425
2521

2525
2621

2625
2721

2725
2821

2825
2921

2925
2021

2025
2126 2226 2326
(6321)
2426 2526 2626 2726 2826 2926 2026
2127 2227 2327
(6322)
2427 2527 2627 2727 2827 2927 2027
2128

2150
2228

2250
2328

2350
2428

2450
2528

2550
2628

2650
2728

2750
2828

2850
2928

2950
2028

2050

※2126F・2127Fはデハ2320欠車で落成、6020系デハ6320を長津田にて改造の上組み込み(詳細は#Qシート車組み込み時の動きを参照)

凡例

各編成の車歴

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編成番号 製造所 新製日[31] 製造年度 備考
2121F 横浜 2017.12.08 2017年度 製造時、列車無線アンテナ1本
2122F 新津 2018.02.08
2123F 2018.02.22
2124F 2018.06.07 2018年度
2125F 2018.06.28
2126F(9R) 2018.10.26 それぞれ6020系Qシート車1両と同時に輸送[32]
欠車の3号車は表の末尾を参照
2127F(9R) 2018.11.30
2128F 2019.03.07
2129F 2019.03.28
2130F 2019.10.04 2019年度 この編成より4・5・8号車の座席減少・無線アンテナ形状変更
2131F 横浜 2019.11.01 この編成より各部の社名表記を変更[注 4]
2132F 新津 2020.01.17
2133F 2020.02.18
2134F 2020.03.06
2135F 2020.03.27
2136F 2020.05.21 2020年度
2137F 2020.06.11
2138F 横浜 2020.10.23 この編成より誘導無線省略
2139F 新津 2020.09.10
2140F 2020.10.19
2141F 2021.03.24 2021年度
2142F 2021.03.29
2143F 横浜 2021.04.05 この編成より天井ラインデリアの仕様を変更
2144F 2021.04.22
2145F 2021.05.25
2146F 2021.06.28
2147F 2021.07.26
2148F 2021.09.02
2149F 新津 2022.01.20
2150F 2022.06.06 2022年度
デハ6321→
デハ2326
横浜 2018.01.22 2017年度 2018.11.07改造・改番[33]
デハ6322→
デハ2327
2018.03.01 2018.12.10改造・改番[33]

6020系

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東急6020系電車
6020系(Qシート車連結後)
基本情報
運用者 東京急行電鉄
東急電鉄
製造所 総合車両製作所
横浜事業所・新津事業所
製造年 2018年
製造数 2編成14両
運用開始 2018年3月28日
投入先 大井町線
主要諸元
編成 7両編成
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1500 V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
自重 本文参照
保安装置 ATC-P
テンプレートを表示

大井町線急行列車の輸送力増強(7両化及び運行本数増加)を目的に[34]、2018年に導入された。ラインカラーはオレンジ。これと並行して、同じく急行用である6000系の7両化も進められた。

大井町線で運用されている情報伝送装置による駅通過防止装機能と工事区間などで使用される臨時速度制限用のATCコードに変更できる臨時速度制限機能を有している。また車内液晶モニターの設置数が少ないため、2020系よりも車両重量がやや軽くなっている[11]

運用

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大井町線の急行列車として、2020系と同じく2018年3月28日から営業運転を開始した。当初は大井町駅 - 長津田駅間での運転だったが、2019年からは中央林間駅まで直通運転を行っている。

編成表

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製造時(現在は全てQシート組み込みのため消滅)

 
← (渋谷大井町
号車 1 2 3 4 5 6 7
     
0
0
   
0
0
 
形式 クハ6120
(Tc2)
デハ6220
(M2B)
デハ6320
(M1B)
サハ6420
(T1)
デハ6520
(M2A)
デハ6620
(M1A)
クハ6720
(Tc1)
搭載機器 BT VVVF
SIV
VVVF
CP
  VVVF
SIV
VVVF
CP
BT
自重 31.2 t 33.3 t 33.3 t 27.3 t 33.3 t 33.3 t 31.1 t
定員
(座席)
143
(45)
155
(48)
155
(51)
155
(51)
155
(51)
155
(51)
143
(45)
車両番号 6121
6122
6221
6222
6321(Ⅰ)
6322(Ⅰ)
6421
6422
6521
6522
6621
6622
6721
6722

Qシート組み込み後[18]

 
← (渋谷大井町
号車 1 2 3 4 5 6 7
     
0
0
   
0
0
 
形式 クハ6120
(Tc2)
デハ6220
(M2B)
デハ6320
(M1L)
サハ6420
(T1)
デハ6520
(M2A)
デハ6620
(M1A)
クハ6720
(Tc1)
搭載機器 BT VVVF
SIV
VVVF
CP
  VVVF
SIV
VVVF
CP
BT
自重 31.2 t 33.3 t 34.8 t 27.3 t 33.3 t 33.3 t 31.1 t
定員
(座席)
143
(45)
155
(48)
133※
(45)
155
(51)
155
(51)
155
(51)
143
(45)
車両番号 6121
6122
6221
6222
6321(Ⅱ)
6322(Ⅱ)
6421
6422
6521
6522
6621
6622
6721
6722

※デハ6320(M1L車)はクロスシート時の定員129人

凡例

各編成の車歴

編成番号 製造所 新製日[31] 製造年度 備考
6121F(7R) 横浜 2018.01.22 2017年度 製造時、列車無線アンテナ1本
3号車は2020系編入改造の準備工事あり
6122F(7R) 2018.03.01
デハ6321(Ⅱ) 新津 2018.10.25 2018年度 それぞれ2020系9両と同時に輸送[32]
既存3号車と交換する形で組み込み
デハ6322(Ⅱ) 2018.11.26

Qシート車両

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6020系では、2018年11月に全2編成の3号車に「Qシート」車両が組み込まれた。11月13日より通常営業運転を、12月14日より「Qシート」サービス列車としての運転を開始した[35]

車両は側面全体にオレンジ一色のラッピングが施され、一見して判るようになっている。

内装は座席をデュアルシートとし、各座席には電源コンセント[注 5]、一部の座席にはカップホルダーを備える[36]。室内灯は電球色とされ、車内Wi-Fiも用意されている[35]。優先席・車椅子スペースは他の中間車と同一の配置となっている[18]。このほか一般車との境目にあたる貫通路の窓上部はすりガラス風のスモーク処理が行われ、その下にはこの先がQシート車両である旨のステッカーが貼られている。また優先席には、Qシート運用中は優先席の扱いを中止する旨の表示が行われている。

Qシート車組み込み時の動き

Qシート車の2両は2020系と同時に製造、輸送されている[32][37]。デハ6321(II)は2126Fに、デハ6322(II)は2127Fにそれぞれ組み込まれていた。

輸送はデハ2320が欠車・その部分に新デハ6320(Qシート・無装飾)が連結、といった状態で行われた。運用時と異なる組成[注 6]で輸送されるが、長津田到着後には一度10両編成に組成している。

その後、既存の6020系と新造の2020系で互いに3号車を入れ替える形で編成組替えが行われた。

旧デハ6320の2両はそれぞれデハ2320へ改番され、他の2020系車両に合わせて帯色の変更や液晶ディスプレイ増設[38]等の改造を行った。なお、この改造に関しては当初より準備工事が行われていた。

新デハ6320(Qシート)は編成から外れている間[注 7]にラッピングを施工した。このうちデハ6321は当初ドア部分が無装飾(ステンレス地色)とされていたが、デハ6322のラッピングと同時期に修正されている。

組替え前の組成

号車 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 3号車抜取り日 備考
新造車
車両番号
2126 2226 6321(II) 2426 2526 2626 2726 2826 2926 2026 2018.10.13 新津製・2018.10.11 - 12搬入
2127 2227 6322(II) 2427 2527 2627 2727 2827 2927 2027 2018.11.01 新津製・2018.10.30 - 31搬入
既存車
車両番号
6121 6221 6321(I) 6421 6521 6621 6721 2018.10.09 横浜製
6122 6222 6322(I) 6422 6522 6622 6722 2018.11.14 横浜製

組替え後の組成

号車 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 組成日
車両番号
(旧車番)
2126 2226 2326
(6321)
2426 2526 2626 2726 2826 2926 2026 2018.10.13
2127 2227 2327
(6322)
2427 2527 2627 2727 2827 2927 2027 2018.11.17
6121 6221 6321(II) 6421 6521 6621 6721 2018.10.17
6122 6222 6322(II) 6422 6522 6622 6722 2018.11.14

※Qシート車は判りやすいよう全て網掛けしたが、組替え前は無装飾である。

3020系

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東急3020系電車
3020系
(2023年11月18日)
基本情報
運用者 東急電鉄
製造所 総合車両製作所横浜事業所
製造年 2019年
運用開始 2019年11月22日
投入先 目黒線東急新横浜線
主要諸元
編成 8両編成
(運行開始当初は6両編成)
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1500 V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
自重 本文参照
保安装置 統合型保安装置
ATC-PATS-PATO
テンプレートを表示

目黒線の輸送力増強および東急新横浜線開業準備用として2019年に導入された。ラインカラーは水色。

本形式ではワンマン運転を行うため、運転台には車上ITV(ホーム監視用モニター画面)を備え、ドア開閉等のボタンを運転士の手元に設置しているほか、非常停止スイッチも設けられている[39][40]。また、落成当初より相模鉄道(相鉄)への乗り入れを見据えた工事を施している[39]

運用される線区は全ての駅でホームドアが完備されているため、車両間の転落防止幌の設置が省略された。フルスクリーン形ホームドアに対応するため、室外解錠ハンドルの半数が床下搭載となっている[39][注 8]

列車無線はアナログ用とデジタル用が個別で用意され、同路線の他系列と同様にアナログ用はTc1に集約されている。

運用

[編集]

2019年11月22日より営業運転を開始。8両編成で製造されているものの、当初は暫定的な6両編成での運行であった。なお落成時には8両編成での試運転も実施している。

その後2022年に正式に8両編成化が行われた。1月に3123Fが8両化され4月1日より営業運転を開始[41][42][43]、同年8月までに全3編成の8両化が完了した。

編成表

[編集]
 
浦和美園・赤羽岩淵・西高島平・横浜(相鉄)目黒
号車
(6両編成時)
1
 
2
 
3
 
4
(抜取)
5
(抜取)
6
(4)
7
(5)
8
(6)
     
0
0
     
0
0
 
形式 クハ3120
(Tc2)
デハ3220
(M2B)
デハ3320
(M1B)
サハ3420
(T2)
サハ3520
(T1)
デハ3620
(M2A)
デハ3720
(M1A)
クハ3820
(Tc1)
搭載機器 BT VVVF
SIV
VVVF
CP
    VVVF
SIV
VVVF
CP
BT
自重 31.5 t 33.3 t 33.3 t 27.3 t 27.3 t 33.3 t 33.3 t 31.9 t
定員
(座席)
143
(45)
155
(48)
155
(51)
155
(51)
155
(51)
155
(51)
155
(51)
143
(45)
車両番号 3121

3123
3221

3223
3321

3323
3421

3423
3521

3523
3621

3623
3721

3723
3821

3823

※運行開始当初の6両編成は号車番号以外に相違点なし

凡例

各編成の車歴

編成番号 製造所 新製日[31] 製造年度 8両編成化
3121F 横浜 2019.04.22 2019年度 2022年1月
3122F 2019.06.07 2022年8月
3123F 2019.08.05 2022年7月

車体装飾

[編集]
  • 各系列のデビューヘッドマークをはじめ、ステッカーによるヘッドマークの掲出が多数行われている。
  • 2020年9月8日から2023年5月まで、2020系2130Fによるラッピング電車「SDGsトレイン 美しい時代へ号」が運行されていた[44]。SDGsをイメージしたモザイク模様のラッピングが施されており、東横線・田園都市線・世田谷線で実施され、東横線では5000系5121F、世田谷線では300系307Fが使用されていた。当初は1年間の運行予定であったが、複数回に渡り延長された[45][46]。なお2023年4月より、同名のラッピング列車が別デザインで運行されている。
  • 2022年4月から約1年間、2020系2122F・3020系3121Fによるラッピング電車「東急グループ100周年トレイン」が運行されていた[47]。東急7路線で実施されている。
  • 2023年4月より、2020系2150F・3020系3122Fによりラッピング電車「SDGsトレイン 美しい時代へ号」が新しいデザインで運行されている。デザインはグラデーション模様に変更されており、田園都市線・東横線・目黒線・世田谷線で実施。東横線では5050系5175F、世田谷線では300系310Fが使用されている。2026年3月末まで運行予定。
  • 2024年3月より、3020系3123Fに東海道・山陽新幹線デザインのラッピングを施して運行している(enjoy! WEST号)[48]。相鉄・東急新横浜線開業1周年を記念したもので、JR東海が協力している。後に東横線(5050系4000番台4105F)にも同じく新幹線イメージのラッピング列車が運行を開始した。車内ではそうだ 京都、行こう。大阪神戸姫路岡山広島などの観光案内、ずらし旅の広告(ずらし旅では新幹線の東京駅品川駅の混雑回避目的で新横浜駅に"ずらし"て利用するよう誘導している)が掲示されている。2024年7月1日からは、2003年11月まで東海道・山陽新幹線の車内チャイムで使用され、2015年2月から新大阪駅を除く山陽新幹線各駅の接近メロディで使用されている「ひかりチャイム」を現代風にアレンジしたメロディを、東急新横浜線新横浜駅到着前と発車後に流している(4105Fでは同年9月から使用開始)[49]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2020系の取材時の話では、「ヘッドレストに整髪料が着いてしまうという意見をいただいた」とのことである。
  2. ^ ディスクブレーキがなく、先頭部に使用される。
  3. ^ かつて5000系で6扉車が組み込まれていた位置に相当する
  4. ^ 妻面の車籍銘板「東京急行電鉄」→「東急電鉄」、側面の社紋「TOKYU CORPORATION」→「TOKYU RAILWAYS」
  5. ^ Qシート運用時にのみ使用可能
  6. ^ 通例通り、7 - 5号車・10 - 8号車│4 - 1号車の組成
  7. ^ 6321は10月中旬、6322は11月上旬
  8. ^ 1両に4つ設置され、1つのハンドルで2つのドアを解錠する。2020系などでは妻面(先頭部は側面)に設置されている。

出典

[編集]
  1. ^ a b c 市川裕幸、根本晃一、松野倫明 (2018). “東京急行電鉄2020系通勤車両”. 車両技術256号. 
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  3. ^ 根本直、池田大樹、標拓馬、三井健司、長谷部和則「東急電鉄2020系電車、3020系電車、6020系電車におけるsustinaコンセプトの適用」『総合車両製作所技報』第7号、2020年、50-61頁。 
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参考文献

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  • 根岸哲/津田亮/長谷川滋/井浦真一/山口博史「3.3kVフルSiCパワーモジュール」『三菱電機技報』2018年3月号、三菱電機、2018年3月、175-178頁。
  • エリエイとれいん』2018年4月号 MODELERS FILE「東京急行電鉄2020・6020系電車」pp.6 - 17

外部リンク

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