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「イントロデューシング・ザ・ビートルズ」の版間の差分

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2021年9月6日 (月) 08:33時点における版

ビートルズ > ビートルズの作品 > イントロデューシング・ザ・ビートルズ
『Introducing... The Beatles』
ビートルズスタジオ・アルバム
リリース
録音
ジャンル ロックンロール
時間
レーベル ヴィージェイ・レコード
プロデュース ジョージ・マーティン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 週間2位(Billboard 200[2]キャッシュボックス
  • ビートルズ U.S. 年表
    • Introducing... The Beatles
    • (1963年 (1963)
    『Introducing... The Beatles』収録のシングル
    1. プリーズ・プリーズ・ミー
      リリース: 1964年1月3日 (1964-01-03)
    2. ツイスト・アンド・シャウト
      リリース: 1964年3月2日 (1964-03-02)
    3. ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット
      リリース: 1964年3月23日 (1964-03-23)
    4. ラヴ・ミー・ドゥ
      リリース: 1964年4月27日 (1964-04-27)
    テンプレートを表示

    Introducing... The Beatles』(イントロデューシング・ザ・ビートルズ)は、1963年7月22日にアメリカで発売されたビートルズ初のアルバムである。

    解説

    このアルバムは日本国内ではリリースされておらず、本記事で使用されている「イントロデューシング・ザ・ビートルズ」という邦題は仮称である。

    イギリスでの所属レーベル、パーロフォンの親会社であるEMIはビートルズをアメリカで売り出すにあたって資本提携関係にあるキャピトル・レコードにリリースを持ちかけた。しかしキャピトルはこの持ちかけを断わったため、代わりとなるレコード会社としてシカゴのリズム・アンド・ブルースやジャズのマイナー・レーベルであり、その音源の英国国内での販売権をEMIが獲得していたヴィージェイ・レコードに依頼、同社からリリースされることとなった。ヴィー・ジェイはビートルズのファースト・シングルとして1963年2月7日に『プリーズ・プリーズ・ミー/アスク・ミー・ホワイ』(Vee Jay VJ498)を[3]、5月27日にセカンド・シングル『フロム・ミー・トゥ・ユー/サンキュー・ガール』(Vee Jay VJ522)を、7月22日には本アルバム『イントロデューシング・ザ・ビートルズ』をリリースした。本作はイギリス盤『プリーズ・プリーズ・ミー』から「プリーズ・プリーズ・ミー」「アスク・ミー・ホワイ」を外して当時のアメリカでのLP標準である12曲の形式にしたものである[4]。なお、本作はジャケット写真が裏焼きになっており、また「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」の冒頭のカウントが“three”までカットされてしまうなど、かなり粗い内容となっている。

    ビートルズはイギリスでは圧倒的な人気があったものの、当時アメリカでは無名の存在であった。当時のヴィージェイ・レコードはフォー・シーズンズで多くのビルボード1位をものにしていたとはいえ、マイナー・レーベルの販売力には限界があり、ヴィージェイから発売されたビートルズの音盤はいずれもヒットしなかった。その後、アメリカでのビートルズはヴィージェイ・レコードからやはり英国国内での販売権をEMIが獲得していたマイナー・レーベルのスワン・レコードにレーベルを移籍し、9月16日に『シー・ラヴズ・ユー/アイル・ゲット・ユー』(Swan 4152)をリリースするが、こちらもヒットには至っていない(ただしキャピトルからのデビュー以後ヴィージェイ盤、スワン盤とも大ヒットしている)。

    ビートルズの人気がアメリカにも徐々に波及すると、それまでレコードのリリースに消極的だったキャピトルもリリースを決めた。1963年12月26日にシングル『抱きしめたい/アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア』(Capitol 5112)を、1964年1月20日にはアルバム『ミート・ザ・ビートルズ』をリリースし、記録的な大ヒットとなった。この時点でヴィージェイはビートルズのアルバム・リリースの権利を依然所有していたためキャピトルでのヒットに便乗し、1964年2月に『イントロデューシング・ザ・ビートルズ』を再発売させた。こちらでは、「ラヴ・ミー・ドゥ」が「アスク・ミー・ホワイ」、「P.S.アイ・ラヴ・ユー」が「プリーズ・プリーズ・ミー」に差し替えられている。

    1964年の再発盤は、折からのビートルズ・ブームのあおりを受け大ヒットに至っている。『ビルボード』誌アルバム・チャートでは、9週連続第2位を獲得している[2]。1964年度年間ランキングでは第13位を記録している。『キャッシュボックス』誌では、7週連続第2位を獲得し、1964年度年間ランキング16位を記録している。どちらのチャートも第1位になれなかったのは『ミート・ザ・ビートルズ』が第1位を独走していたからである。2014年7月24日にアメリカレコード協会によってプラチナ認定された[5]

    なおヴィージェイはこの後に、EP『The Beatles』(Vee Jay VJEP1-903)やアルバム『The Beatles VS The Four Seasons』(Vee Jay VJLP 1065)、『The Beatles & Frank Ifield On Stage』(Vee Jay VJLP1085)を便乗的に発売するが、その後資金繰りに行き詰まり倒産している。

    1965年前半にヴィージェイの権利は終了し、1965年3月22日にキャピトルはアルバム『ジ・アーリー・ビートルズ』をリリースしたが、同作には『イントロデューシング・ザ・ビートルズ』収録の11曲が収録された[6]

    収録曲

    特記を除き、作詞作曲はレノン=マッカートニーによるもの。

    初版盤

    アナログA面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア[注釈 1](I Saw Her Standing There) ポール・マッカートニー
    2.ミズリー(Misery) 
    3.アンナ(Anna (Go To Him))アーサー・アレキサンダージョン・レノン
    4.チェインズ(Chains)ジョージ・ハリスン
    5.ボーイズ(Boys)リンゴ・スター
    6.ラヴ・ミー・ドゥ(Love Me Do) 
    • ポール・マッカートニー
    • ジョン・レノン
    合計時間:
    アナログB面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.P.S.アイ・ラヴ・ユー(P.S. I Love You) ポール・マッカートニー
    2.ベイビー・イッツ・ユー(Baby It's You)ジョン・レノン
    3.ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット(Do You Want To Know A Secret) ジョージ・ハリスン
    4.蜜の味(A Taste Of Honey)ポール・マッカートニー
    5.ゼアズ・ア・プレイス(There's A Place) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    6.ツイスト・アンド・シャウト(Twist And Shout)ジョン・レノン
    合計時間:

    第2版盤

    アナログA面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア[注釈 1](I Saw Her Standing There) ポール・マッカートニー
    2.「ミズリー」(Misery) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    3.「アンナ」(Anna (Go To Him))アーサー・アレキサンダージョン・レノン
    4.「チェインズ」(Chains)
    • ジェリー・ゴフィン
    • キャロル・キング
    ジョージ・ハリスン
    5.「ボーイズ」(Boys)
    • ルーサー・ディクソン
    • ウェス・ファレル
    リンゴ・スター
    6.アスク・ミー・ホワイ(Ask Me Why) ジョン・レノン
    合計時間:
    アナログB面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.プリーズ・プリーズ・ミー(Please Please Me) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    2.「ベイビー・イッツ・ユー」(Baby It's You)
    • マック・デヴィッド
    • ルーサー・ディクソン
    • バート・バカラック
    ジョン・レノン
    3.「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」(Do You Want To Know A Secret) ジョージ・ハリスン
    4.「蜜の味」(A Taste Of Honey)
    • ボビー・スコット
    • リック・マーロー
    ポール・マッカートニー
    5.「ゼアズ・ア・プレイス」(There's A Place) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    6.「ツイスト・アンド・シャウト」(Twist And Shout)
    • フィル・メドレー
    • バート・ラッセル
    ジョン・レノン
    合計時間:

    パーソネル

    ビートルズ

    外部ミュージシャン・スタッフ

    脚注

    注釈

    1. ^ a b 冒頭のカウント「one, two, three, four」の“three”までがカットされている。

    出典

    1. ^ Ruhlmann, William. Introducing...The Beatles - The Beatles | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年8月9日閲覧。
    2. ^ a b Whitburn, Joel (2010), Joel Whitburn Presents Top Pop Albums, Seventh Edition, Record Research Inc., p. 63, ISBN 0-89820-183-7 
    3. ^ Spizer, Bruce (2004). The Beatles Are Coming! The Birth of Beatlemania in America. New Orleans: 498 Productions. p. 15. ISBN 0-9662649-9-1 
    4. ^ Spizer, Bruce (1998). Songs, Pictures and Stories of the Fabulous Beatles Records on Vee-Jay. New Orleans: 498 Productions. p. 110. ISBN 0-9662649-0-8 
    5. ^ Gold & Platinum - RIAA”. RIAA. 2019年9月29日閲覧。
    6. ^ Wallgren, Mark (1982). The Beatles on Record. New York: Fireside. p. 160. ISBN 0-671-45682-2 

    外部リンク