コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「ルパン三世 グッバイ・パートナー」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Cewbot (会話 | 投稿記録)
1行目: 1行目:
{{Pathnavbox|
<div class="pathnavbox">
*{{Pathnav|ルパン三世}}
*{{Pathnav|ルパン三世}}
*{{Pathnav|金曜ロードSHOW!}}
*{{Pathnav|金曜ロードSHOW!}}
}}
</div>
『'''ルパン三世 グッバイ・パートナー'''』(ルパンさんせい グッバイ・パートナー)は、[[モンキー・パンチ]]原作の[[アニメ]]『[[ルパン三世]]』のテレビスペシャルシリーズ第26作。[[2019年]][[1月25日]]に[[日本テレビ系]]『[[金曜ロードSHOW!]]』にて放送。視聴率は8.7% <ref>[https://www.videor.co.jp/tvrating/2019/01/12862.html VOL.04 2019年 1月21日(月)〜1月27日(日)]ビデオリサーチ</ref>。
『'''ルパン三世 グッバイ・パートナー'''』(ルパンさんせい グッバイ・パートナー)は、[[モンキー・パンチ]]原作の[[アニメ]]『[[ルパン三世]]』のテレビスペシャルシリーズ第26作。[[2019年]][[1月25日]]に[[日本テレビ系]]『[[金曜ロードSHOW!]]』にて放送。視聴率は8.7% <ref>[https://www.videor.co.jp/tvrating/2019/01/12862.html VOL.04 2019年 1月21日(月)〜1月27日(日)]ビデオリサーチ</ref>。
[[File:Marina Bay Sands in the evening - 20101120.jpg |thumb|250px|right|今作の舞台の一つでもある[[マリーナベイ・サンズ]]。]]
[[File:Marina Bay Sands in the evening - 20101120.jpg |thumb|250px|right|今作の舞台の一つでもある[[マリーナベイ・サンズ]]。]]

2021年9月6日 (月) 09:00時点における版

ルパン三世 グッバイ・パートナー』(ルパンさんせい グッバイ・パートナー)は、モンキー・パンチ原作のアニメルパン三世』のテレビスペシャルシリーズ第26作。2019年1月25日日本テレビ系金曜ロードSHOW!』にて放送。視聴率は8.7% [1]

今作の舞台の一つでもあるマリーナベイ・サンズ

概要

前作である第25作『イタリアン・ゲーム』から約3年ぶりのテレビスペシャルであり、完全新作ストーリーとしては第24作『隠された空中都市』以来約6年ぶりとなる[2]。本作はプロデューサーの稲毛弘之によると「原作誕生から51年目に突入し、ほかのアニメ作品では考えられない、次の50年に向けての「ルパン三世」テレビスペシャル第一弾」であるとのこと[3]

本放送がされた同年4月11日に原作者のモンキー・パンチが死去、5月1日に元号が令和に改元されたため、原作者の存命時及び平成における最後のルパン三世のアニメ作品となった。また、同作の10ヶ月後には「令和」として初のTVスペシャルシリーズ第27作「ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト」が制作されている。

前作『イタリアン・ゲーム』や『TV第4シリーズ』『TV第5シリーズ』など、近年のルパン作品は連続してトムス・エンタテインメントの子会社であるテレコムアニメーションフィルム[注 1]が制作していたが、本作では久々にトムス自社で制作されている。

監督は第15作『お宝返却大作戦!!』以来16年ぶりに川越淳が起用された。また、ルパン三世のテレビスペシャルでは初めて、オープニングクレジットにおけるメインキャストの声優表示が廃止されている。

本作ではルパンが誰よりも信頼する相棒、次元の裏切りをテーマにしているが、お互い裏切ったと認識しながらも長年の相棒としてのコンビネーションと信頼が描かれている。

視聴率はTVスペシャルでは初の1桁台となり、2020年現在歴代のTVスペシャルでは最も低い。

DVD版とBlu-ray版は2019年3月20日に発売された[4]

デザイン

衣装デザインは大きく変更されており、ルパンは本作後半、アニメでは初となる黒いジャケット[注 2][注 3]を着用し、次元は緑系統のダークスーツをそれぞれ着用している。

本作での不二子は、現代的な女子力を感じられるように設定されており[5]、本編前半では、これまでのアニメ作品では見られなかったストレートヘアの姿で登場している[注 4]

あらすじ

いつものようにお宝を奪うルパンとそんな彼を追っていた銭形であったが銭形はルパンがいるシンガポールではなくラスベガスで警察に追われ、ルパンとの共謀罪で逮捕されてしまった。さらに、ショパンコンクールのファイナリストの少女・アリサが何者かに誘拐されてしまった。

それからしばらくして南の島でバカンスを楽しむルパンの背後に現れた次元から銭形が無実の罪で捕まり、今までの犯行も銭形がいたからできたものだというニュースが伝えられ、自身のプライドを踏みにじられたルパンは憤ってガセネタであることをニュース番組で伝えると、ニュースキャスターの指示で『タイムクリスタル』を盗んで欲しいと依頼され、いつものように盗みに成功するも長年の相棒である次元が「俺が仕組んだことだ」とルパンと五ェ門を裏切り、『タイムクリスタル』を奪ってしまう。

実は次元はかつての恋人の娘アリサをアメリカの政治家、ロイ・フォレストに人質にされ、彼女を救うためにやむを得ず従っていた。しかし、次元の行動に違和感を抱いていたルパンはクリスタルを偽物とすり替えていた。

その頃、次元が裏切る前にくれたライターのおかげで命拾いしたルパンは、黒幕を突き止めるために五ェ門と共に銭形を救出、共闘して警察のデータベースからロイに関する情報や不二子が絡んでいたことを知り、ロイのアジトに潜入する。

最終局面では銭形の協力でアジトへ向かったルパン達はそこで次元の裏切りの真相を知り、再び次元と対峙するがルパンの思惑に気づいた次元はルパンで弾を跳ね返し、ロイの腕時計を破壊したことでアリサを自由の身にし、彼を拘束するも実はそのロイは影武者で本物はずっとその様子を監視していたのだった。

ルパンは仲間を救うためにタイムクリスタルを渡し、AIエミルカが起動する。ロイはそれを利用して、世界中の銀行をハッキングし、金を奪い始めたが、楽譜がバックドアのパスワードに気づいたルパンによって阻止させ、銭形に逮捕された。しかしアメリカ軍の大規模攻撃により、人類を敵と見なしたエミルカが暴走し、ミサイルの飽和攻撃は電磁パルスを放つミサイルで無力化され、戦車や航空機による砲爆撃も迎撃される。さらに、ロイが護送車から脱走し、逃亡するという事態も重なる。アリサと不二子はエミルカの暴走を止めるため、2台あるピアノを2人それぞれが弾き続けたことにより、エミルカに得るはずのなかった「心」が宿り、密かに作られた自身の体に転送された。量子コンピューターの暴走もルパンと次元が放った80cm列車砲ドーラの砲弾で電源設備を破壊して機能停止に追い込み、二度と使われないよう、タイムクリスタル共々五ェ門によって斬られ、破壊された。

すべてが終わった後、アリサは不二子の自家飛行機でコンクール会場で送られて行った。次元は理由はどうであれ、仲間を裏切ったことに罪悪感を持つが、五ェ門は今回のことで自身はまだまだ精進が足りぬとしつつも、「過ぎたことだ」と許してやり、ルパンもこの件はさっぱり水に流し、再会を約束し去っていた。二人が去った後、銭形から逃げたロイが現れ、ルパン側についた次元を射殺しようとするが、自分にルパンを裏切らせるように仕組ませただけでなくアリサを人質として利用したロイを次元が許すはずもなく、「お前は決して踏み入れてはならないところに土足で踏み込んだ」という言葉と共にロイを射殺するのであった。

その後、アリサはコンクールで見事に優勝し、次元も見に来てくれたことに気付き、心から喜び、ルパンも濡れ衣が晴れた銭形といつもの追いかけっこを始めるのであった。

ゲストキャラクター

ロイ・フォレスト
声 - 諏訪部順一
本作の黒幕。アメリカの政治家でテレビ局オーナーでもある。元特殊部隊の所属で、現大統領の側近からも「危険人物」と称されていた。
次期大統領の座を手にするため、現大統領とに取り入って量子コンピューターの完成を画策し、その完成に必要な宝石「タイムクリスタル」をルパンに奪わせるために計画に邪魔な銭形を濡れ衣で逮捕させ、自身が持つ腕時計を目当てに秘書になった不二子を協力者にし、更にはアリサを人質にして次元を従わせた。タイムクリスタルを奪った上でルパンの始末を次元に指示していたが、既に先を見抜いていたルパンと次元が彼に密かに出していた警告によって事態の黒幕であることを知られ、アリサを奪還された直後、次元が射殺したノーマンの流れ弾に当たって死亡したと思われるも、実は前もって自分とそっくりな影武者を用意しており、本物はずっと専用ジェット機に乗って影武者とルパンとの戦いを監視していた。基地の爆破と引き換えにルパンに本物のタイムクリスタルを出すように脅し、量子コンピューターが完成するとエミルカの主導権を握って世界を自分の思うがままに操ろうと息巻くが、ルパンが起動させたバックドアでエミルカを奪われジェット機は墜落、本人は脱出ポッドで海上に逃れたものの、誰の手も借りられない状況で銭形とICPOにより包囲、逮捕された。エミルカの暴走時には護送中に起こった交通事故に乗じて脱走、基地に戻り次元に裏切りの報復をしようと銃を向けるも、長年の相棒であるルパンを裏切らせ、罪もないアリサを巻き込んだ怒りに加えて早撃ちの実力を発揮した次元の前に敵うはずもなく、あっけなく射殺された。
アリサ・カートライト[注 5]
声 - 寿美菜子
本作のゲストヒロイン。16歳。真っ直ぐな性格の若きピアニストで、近日開催されるショパン国際ピアノコンクールのファイナリスト。最有力優勝候補として注目されている程の腕前を持つ。
両親は既に亡くなっているが、母親のライリー(声 - 内野恵理子)は次元のかつての恋人であり、それを知ったロイによって誘拐され、爆弾付きのチョーカーを付けられた上で人質として利用されてしまう。しかし、そんな自分を気にかける次元に心を開き、基地内に用意された部屋で気晴らしにピアノを弾き続け、次元の事情を察して基地に乗り込んできたルパンと五ェ門によって助けられる。
直後、エミルカの暴走に巻き込まれ、ルパン共々危機に瀕したが、暴走を止めるパスワードであるピアノの演奏を不二子と共に弾き続け[注 6]、最終的にはルパン達の助けもあって暴走を止めることに成功した。
騒動後は、不二子によってショパンコンクールの会場であるポーランドに送り届けて貰い、無事に間に合い亡き母との夢である優勝を勝ち取り、ギリギリ応援に来た次元が去るのを見て微笑んだ。
ノーマン
声 - 小山剛志
ロイの部下。スキンヘッドの大男。
ロイの命令には忠実だが、ルパンに跡をつけられていることに気付けないなどの詰めが甘い面も見られた。
ロイの指示で次元を使ってルパンからタイムクリスタルを奪わせるも、偽物を掴まされたため、次元を始末しようとしたがロイの指示により止めた。その後、基地に乗り込んだルパンに追い詰められた挙げ句、次元に射殺された。
カトー
声 - 上田燿司
ロイの部下の科学者で、量子コンピューターを開発した科学者の弟子。
気弱な性格だが、科学者としての腕前は確かである。また、専門的な科学的知識を織り交ぜて説明することが多い。
エミルカのことを深く知りたいという強い好奇心から量子コンピューターの完成を急いでおり、偽物を掴まされながらもようやく本物のタイムクリスタルで量子コンピューターの完成に漕ぎ着けるが、用済みとしてロイに切り捨てられてしまう。その後は自分の身の安全とエミルカ奪還のためルパンに協力し、暴走が収まるまでコンピューターでサポートを行った。
その後、ボディを得たエミルカと再会してショパンコンクールの客席でアリサの演奏を聴いていた。
名前の由来は原作者モンキー・パンチの本名「加藤一彦」[6]
エミルカ
声 - 内田莉紗
カトーが師匠から設計を引き継いだ量子コンピューター内に存在している人工知能
当初は無機質な音声のみで他人とコミュニケーションをとっていたが、量子コンピューターの完成によって女性型の立体映像を投影し流暢に話すようになる。
最初はロイを認識して彼の指示に従うが、バックドアによって管理者権限を得たルパンに従ってロイが乗る専用ジェット機を制御不能にした。しかし、アメリカ政府による証拠隠滅のための攻撃に対する自衛に端を発して誰の指示も受け付けなくなり、迫る脅威を基地の工場で作成したドローン電子攻撃などで迎撃するなど傍目には暴走ととれる行為を繰り返すが、その本質は「人類の争いを止める」ことに帰結していた。最終的にはアリサと不二子の連弾、五ェ門の斬鉄剣、ルパンと次元の奮闘を通して「心」を獲得し、ドローンと並行して立体映像と同じ姿のボディを制作して量子コンピューターから乗り換え、何処かに去って行った。その後、カトーと共にアリサが演奏するショパンコンクールの客席にいる姿が見られている[7]
名前の由来はフレデリック・ショパンの妹エミリアの愛称[8]

声の出演

スタッフ

主題曲

本作では『PART5』に引き続き、峰不二子役の沢城みゆきがエンディングテーマを歌唱する。なお両テーマ曲は2019年1月23日発売のサウンドトラック『LUPIN THE THIRD 〜GOODBYE PARTNER〜』に収録される。

メインテーマ「THEME FROM LUPIN III 2019~classical piano ver.
作曲・編曲 - 大野雄二 / 演奏 - Yuji Ohno & Lupintic Six
エンディングテーマ「カランコエ Forever !」
作詞 - 三浦徳子 / 作曲・編曲 - 大野雄二 / 演奏 - Yuji Ohno & Lupintic Six / 歌 - 沢城みゆき

脚注

注釈

  1. ^ テレコム制作によるルパン作品は他に、宮崎駿監督作の『カリオストロの城』と『TV第2シリーズ』の一部の回、『風魔一族の陰謀』、『霧のエリューシヴ』、『血の刻印』などがある。
  2. ^ なお、本作前半は従来のTVスペシャルと同じ赤いジャケットを着用していたが、ネクタイは『TV第2シリーズ』に準じたピンク色のものを一貫して着けていた。
  3. ^ このジャケットは、五エ門が監獄のどこかから持ってきたもので、ルパンの所持品ではないが、DVDやブルーレイのパッケージには黒ジャケットを着たルパンが描かれている。
  4. ^ 後半以降はTV第2シリーズなどに準じたヘアスタイルとなっている。
  5. ^ クレジットは「アリサ」表記。フルネームは、作中の新聞記事より。
  6. ^ ピアノは2台あり、アリサと不二子はそれぞれ別々のピアノを演奏。
  7. ^ 「トロワスタジオ」とはトムス・エンタテインメントの制作スタジオのことである。

出典

外部リンク