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1932年、ロサンゼルスオリンピックでスイスの'''[[オメガ]]'''は子会社の開発した[[クロノグラフ]]とストップウォッチを使用し、[[近代オリンピック|オリンピック]]で行われた全競技種目の公式計時を担当した世界最初の企業となった<ref name="omega-01">{{Cite web|url=http://www.omegawatches.jp/index.php?id=1071&L=1|title=オリンピック計時の歴史|publisher=[[オメガ]]|accessdate=2008年12月9日}}</ref>。オメガはロサンゼルスオリンピック以降、[[2032年]]の[[2032年ブリスベンオリンピック|夏季五輪]]までに[[国際オリンピック委員会]]と提携した公式タイムキーパーを通算35回務めている<ref name="omega2032">{{Cite web|url=https://www.olympic.org/news/ioc-and-official-timekeeper-omega-extend-global-olympic-partnership-to-2032|title=IOC AND OFFICIAL TIMEKEEPER OMEGA EXTEND GLOBAL OLYMPIC PARTNERSHIP TO 2032|publisher=IOC|accessdate=2017年5月15日}}</ref>。 |
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2021年9月8日 (水) 21:28時点における版
計時(けいじ)は、「目視」「ストップウォッチの使用」「開始と終了を機械的に検知」などの測定方法で行われる、主にスポーツ競技における経過時間測定方法のことである。
ここでは、人間の視認および動作に頼る手動計時方式、センサによる機械的な検知に頼る電動計時方式の2つと、その歴史を扱う。
- ストップウォッチの機構およびスポーツ以外での用途についてはストップウオッチを参照のこと。
競技における計時と精度
1896年の第1回アテネオリンピックではストップウォッチが使用されていたが、公式記録は人間の目視視認による1秒単位の記録が採用された。
100分の1秒が測定出来るストップウォッチが公式計時に採用されたのは1920年アントワープオリンピックからで、この時から公式記録は5分の1秒単位となり、1932年ロサンゼルスオリンピックで10分の1秒単位、1952年ヘルシンキオリンピックで電子計時が採用、1956年メルボルンオリンピックで半自動水泳計時機器採用[1]、1972年ミュンヘンオリンピックで100分の1秒単位となった[2]。
1000分の1秒単位の記録の扱いは陸上と競泳で異なり、陸上の場合は切り上げ、競泳の場合は切り捨てとなる[2]。
一般大会または国際大会における計時の担当企業は「公式計時」「オフィシャル計時」「オフィシャルタイマー」などと呼ばれる。
手動計時
手動計時(しゅどうけいじ)は、人間の視認および動作に頼る方式のため、複数の手動計時員が配置され、手動計時員個々の計測値が一致していればそのタイム、一致していなければ平均値が採用される[3]。最初期にはストップウォッチを使用しなかったり、10人以上の計時員が配置され平均値を取ったりしていた[2]。
陸上競技、水泳競技、自転車競技などのさまざまな競争競技でタイムを計測する際に計時方法として採用されている[4][5]。
陸上競技の場合、正式なタイムはトラックは100分の1、競技場外は10分の1以下にそれぞれ繰り上げられる。時計が2つの場合は遅いほうのタイムが記録になる[3]。
自転車競技の場合、正式なタイムは1000分の1が用いられ、原則3人での計時が行われる。この際、タイムの決定には基本となる決定方法とは別に2つの特例が用いられる。
- 基本
- 3人の計時結果が同一の場合は、それを正式時間とする。
- 2人の計時結果が同一の場合は、それを正式時間とする。
- 特例
- 3人のうち、最もタイム差が短い2人の記録から計算した中間タイムを正式時間とする。
- 3人のうち、2番目のタイムを正式時間とする。
なお、この特例のどちらを採用するかは競技や大会ごとに変わり、どちらを利用しなければいけないという規定は無い [5]。
電動計時
電動計時(でんどうけいじ、または電気計時・電子計時・自動計時など)は、視認に頼る手動計時に対し、センサなどを使用した検知方法で人間の判断による計測誤差が加わらないため、手動計時より正確性が高いとされ[2]、自動公認装置としてさまざまな競技の記録に使用されている[4][6]。なお、日本の陸上競技では1975年より従来の手動計時に加えて、電動計時も公式記録として公認するようになった。その後しばらくは両方を主要大会参加などの際の標準記録として設定していたが、1993年以降は電動計時のみを公認記録としている。[7]
電動計時に関係する機器
- 水泳競技の際、ゴール時に水泳選手がプール内に設置されたタッチ板にタッチすることでタイマーが停止する、電動計時機器のひとつ[9]。
公式計時と企業
ロンジン
1912年、スイスのロンジンはバーゼルで開催されたスイス国体で公式時計(公式計時)として採用された。また、80メートル競走で世界初の自動記録計測機を使用した。これはスタートとゴールのテープにスイッチを連動させる方式だった[10]。1926年にはジュネーヴで開催された国際馬術競技会で公式計時を務めた[11]。
オメガ
1932年、ロサンゼルスオリンピックでスイスのオメガは子会社の開発したクロノグラフとストップウォッチを使用し、オリンピックで行われた全競技種目の公式計時を担当した世界最初の企業となった[12]。オメガはロサンゼルスオリンピック以降、2032年の夏季五輪までに国際オリンピック委員会と提携した公式タイムキーパーを通算35回務めている[13]。
セイコーホールディングス
日本のセイコーホールディングスは1964年の東京オリンピック以降、札幌オリンピック(1972年)、長野オリンピック(1998年)の日本国内で開催された全ての大会の計時を担当した他、バルセロナオリンピック(1992年)、などの大会でもオフィシャル計時を担当した[14]。また、オリンピックなど他、世界選手権などの厳密な計時が求められる国際競技大会での公式計時担当実績が最も多い[15]。
- オフィシャルタイマー
シチズンホールディングス
- オフィシャルタイマー
脚注
- ^ “水泳と各種競技の計時にみるオメガの正確な情報と数字”. オメガ. 2008年12月9日閲覧。
- ^ a b c d e “第99回 正しい記録には、最初と終わりが肝心! -陸上と競泳の計時を助ける仕組み-(1)”. TDK (2008年8月). 2008年12月9日閲覧。
- ^ a b 日本陸上競技連盟編『陸上競技ルールブック2008年版』あい出版、2008年、351頁。
- ^ a b FINA オープンウォータースイミング 競技規則 2005 – 2009 (PDF, 261 KiB) , pp.6「計時担当員は:」にて自動公認装置と共に注釈として手動計時員の言及有り。
- ^ a b *日本自転車競技連盟 JCF競技規則(2008年版) (PDF, 2.1 MB) pp.56 8.タイム・キーパー(計時・時間管理)に例示2点有り。
- ^ “志賀高原スキークラブ 計時機器”. 2008年12月8日閲覧。
- ^ 陸上競技マガジン2000年3月号増刊1999年記録集計号、317p
- ^ “陸上競技”. オメガ. 2008年12月9日閲覧。
- ^ “第99回 正しい記録には、最初と終わりが肝心! -陸上と競泳の計時を助ける仕組み-(2)”. TDK (2008年8月). 2008年12月9日閲覧。
- ^ “Longines 1910s”. ロンジン. 2008年12月9日閲覧。
- ^ “Longines 1920s”. ロンジン. 2008年12月9日閲覧。
- ^ “オリンピック計時の歴史”. オメガ. 2008年12月9日閲覧。
- ^ “IOC AND OFFICIAL TIMEKEEPER OMEGA EXTEND GLOBAL OLYMPIC PARTNERSHIP TO 2032”. IOC. 2017年5月15日閲覧。
- ^ “セイコーホールディングス沿革”. セイコーホールディングス. 2008年12月8日閲覧。
- ^ “陸上計時の伝統刻む「セイコー イズル」”. 日経NET-日経WagaMama 2008年12月9日閲覧。