「フランチャイズ・プレイヤー」の版間の差分
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2021年9月11日 (土) 23:31時点における版
フランチャイズ・プレイヤーは、スポーツ用語で長期にわたって同一のチームの第一線で活動し続ける選手を指す。狭義では入団から引退まで同一のチームに、最狭義ではプロデビューから引退まで出身地・出身校の地元チーム一つだけに在籍し続けた選手を指す。サッカーではバンディエラ(Bandiera。旗頭)とも呼ばれる。NFLではフランチャイズ・プレイヤー制度として制度化されている。
概要
長期に亘って同一のチームで選手として活動を続けることはプロスポーツでは困難であり、選手側には相応の実力の維持が要求される。選手分配ドラフトやフリーエージェントにおける人的補償などの際にプロテクトされるほどチームから実力が認められているとその傾向が強くなる(ただし、プロテクト名簿は非公開)。一方で、実績に伴って契約金や年俸が高騰したために選手が残留の意志を表明しても放出されるケースも少なくない(これらの原資は主催試合の入場料、ファンクラブの年会費、公式グッズの売り上げであり、在籍させるとチームやファンに負担が掛かる)。伝統を重んじるチームに多い傾向にあり、そのようなチームでは監督などに当該チームのフランチャイズプレイヤーだった人物を起用する傾向がある。
近年はフリーエージェントなど移籍制度の充実により長期に亘って同一のチームで活動する選手は少なくなっており、フランチャイズ・プレイヤーはチームを象徴する選手を指す言葉として使用される。逆に複数のチームを渡り歩き活躍する選手はジャーニーマン。
新人時代を他球団で過ごし、移籍後の球団で長期間活動し引退した選手はフランチャイズ・プレイヤーの範疇に含まれることが多いが、逆に長期間同一球団で活動したにもかかわらず現役晩年に移籍した選手はフランチャイズ・プレイヤーの範疇に含まれない場合もある。たとえば、南海ホークスのフランチャイズ・プレーヤーとして広瀬叔功(1955年 - 1977年在籍)が下記にあげられているが、広瀬よりも野村克也(1954年 - 1977年、解雇されたため1978年から他球団に移籍)のほうが在籍期間が長い(ただし野村は一軍出場のない年が1年ある)。
NFLのフランチャイズ・プレイヤー制度
NFLのフランチャイズ・プレイヤー制度はフリーエージェント制度の対抗策として導入された制度であり、フランチャイズ・タグおよびトランジション・タグと呼ばれる。各チームは重要な選手と複数年契約を結んで確保しようとするが、その交渉がまとまらないときにとりあえず一年だけ確保することができる。1チームにつき1人の選手にフラインチャイズ・タグをつけることができる。
日本プロ野球
現役
15シーズン以上在籍者 ※2021年シーズン
- 中村剛也(埼玉西武ライオンズ、2002年-)
- 栗山巧(埼玉西武ライオンズ、2002年-)
- 石川雅規(東京ヤクルトスワローズ、2002年-)
- 山井大介(中日ドラゴンズ、2002年-)
- 高井雄平(東京ヤクルトスワローズ、2003年-)
- 明石健志(福岡ソフトバンクホークス、2004年-)
- 白濱裕太(広島東洋カープ、2004年-)
- 亀井善行(読売ジャイアンツ、2005年-)
- 銀次(東北楽天ゴールデンイーグルス、2006年-)
- 松田宣浩(福岡ソフトバンクホークス、2006年-)
- T-岡田(オリックス・バファローズ、2006年-)
- 岩田稔(阪神タイガース、2006年-)
- 藤井淳志(中日ドラゴンズ、2006年-)
- 平田良介(中日ドラゴンズ、2006年-)
- 川端慎吾(東京ヤクルトスワローズ、2006年-)
- 坂本勇人(読売ジャイアンツ、2007年-)
- 會澤翼(広島東洋カープ、2007年-)
- 堂上直倫(中日ドラゴンズ、2007年-)
- 福田永将(中日ドラゴンズ、2007年-)
- 髙谷裕亮(福岡ソフトバンクホークス、2007年-)
- 長谷川勇也(福岡ソフトバンクホークス、2007年-)
- 角中勝也(千葉ロッテマリーンズ、2007年-)
- 大嶺祐太(千葉ロッテマリーンズ、2007年-)
引退
20シーズン以上在籍者 ※球団名は引退時
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※王貞治、福浦和也、岩瀬仁紀は出身地およびプロ入団までの球歴において、プロ所属チームの保護地域(王は読売ジャイアンツ:東京都、福浦は千葉ロッテマリーンズ:千葉県、岩瀬は中日ドラゴンズ:愛知県)の学校・チームに在籍しており、最狭義のフランチャイズプレイヤーにも該当する。
※梶本隆夫、広瀬叔功、王貞治、高木守道、鈴木啓示、東尾修、伊東勤、緒方孝市、三浦大輔は、引退後に指導者としても他球団に所属しないまま現役時の所属球団の監督に就任した。特に、梶本、広瀬、伊東、緒方は現役引退後も一度も退団することなく球団に所属し続けたまま監督に就任している。 (王、伊東はその後他球団の監督に就任。森昌彦、山田久志は現役時と異なる球団で監督に就任。)
- 参考 入団時の球団に20シーズン以上在籍したが、その後他球団に移籍
- 野村克也(南海ホークス、1954年-1977年)※ロッテオリオンズに移籍
- 米田哲也(阪急ブレーブス、1956年-1975年)※阪神タイガースに移籍
- 今井雄太郎(オリックスブレーブス、1971年-1990年)※福岡ダイエーホークスに移籍
- 川相昌弘(読売ジャイアンツ、1983年-2003年)※中日ドラゴンズに移籍
- 桑田真澄(読売ジャイアンツ、1986年-2006年)※ピッツバーグ・パイレーツに移籍、国内に限ればフランチャイズプレイヤー
- 石井琢朗(横浜ベイスターズ、1989年-2008年)※広島東洋カープに移籍
メジャーリーグベースボール(MLB)
在籍期間は下部組織在籍期間も含む。
現役
- ヤディアー・モリーナ(セントルイス・カージナルス、2000年-)
- ジョーイ・ボット(シンシナティ・レッズ、2002年-)
- ケンリー・ジャンセン(ロサンゼルス・ドジャース、2004年‐)
- ブレット・ガードナー(ニューヨーク・ヤンキース、2005年‐)
- クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース、2006年‐)
- ホセ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ、2006年‐)
- フレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス、2007年‐)
- チャーリー・ブラックモン(コロラド・ロッキーズ、2008年‐)
- バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ、2008年‐)
- ブランドン・クロフォード(サンフランシスコ・ジャイアンツ、2008年‐)
- カイル・シーガー(シアトル・マリナーズ、2009年‐)
- マット・カーペンター(セントルイス・カージナルス、2009年‐)
- ブランドン・ベルト(サンフランシスコ・ジャイアンツ、2009年‐)
- マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス、2009年‐)
引退・現役外
同一のチームで入団から引退までプレーした選手。在籍期間は下部組織在籍期間も含む。
- メル・オット(ニューヨーク・ジャイアンツ、1926年-1947年)
- ジョー・ディマジオ(ニューヨーク・ヤンキース、1936年-1951年)
- ルーク・アップリング(シカゴ・ホワイトソックス、1930年-1943年、1945年-1950年)
- ボブ・フェラー(クリーブランド・インディアンス、1936年-1941年、1945年-1956年)
- テッド・ウィリアムズ(ボストン・レッドソックス、1939年-1942年、1946年 - 1960年)
- スタン・ミュージアル(セントルイス・カージナルス、1941年-1944年、1946年-1963年)
- アーニー・バンクス(シカゴ・カブス、1953年-1971年)
- アル・ケーライン(デトロイト・タイガース、1953年-1971年)
- ブルックス・ロビンソン(ボルチモア・オリオールズ、1955年-1977年)
- カール・ヤストレムスキー(ボストン・レッドソックス、1959年-1983年)
- エド・クレインプール(ニューヨーク・メッツ、1962年-1979年)
- ビル・ラッセル(ロサンゼルス・ドジャース、1966年-1986年)
- ジョニー・ベンチ(シンシナティ・レッズ、1967年-1983年)
- デーブ・コンセプシオン(シンシナティ・レッズ、1970年-1988年)
- スティーブ・ロジャース(モントリオール・エクスポズ、1971年-1985年)
- マイク・シュミット(フィラデルフィア・フィリーズ、1971年-1989年)
- ジョージ・ブレット(カンザスシティ・ロイヤルズ、1971年-1993年)
- ロビン・ヨーント(ミルウォーキー・ブルワーズ、1974年-1993年)
- カル・リプケン(ボルチモア・オリオールズ、1978年-2001年)
- トニー・グウィン(サンディエゴ・パドレス、1982年-2001年)
- カービー・パケット(ミネソタ・ツインズ、1984年-1995年)
- バーニー・ウィリアムス(ニューヨーク・ヤンキース、1985年-2006年)
- クレイグ・ビジオ(ヒューストン・アストロズ、1987年-2007年)
- エドガー・マルティネス(シアトル・マリナーズ、1987年-2004年)
- ティム・サーモン(ロサンゼルス・エンゼルス、1989年-2004年、2006年)
- ホルヘ・ポサダ(ニューヨーク・ヤンキース、1990年-2011年)
- チッパー・ジョーンズ(アトランタ・ブレーブス、1990年-2012年)
- マリアノ・リベラ(ニューヨーク・ヤンキース、1990年-2013年)
- トッド・ヘルトン(コロラド・ロッキーズ、1995年-2013年)
- デレク・ジーター(ニューヨーク・ヤンキース、1992年-2014年)
- ジョー・マウアー(ミネソタ・ツインズ、2001年-2018年)
- デビッド・ライト(ニューヨーク・メッツ、2001年-2018年)
- マット・ケイン(サンフランシスコ・ジャイアンツ、2002年-2017年)
- ダスティン・ペドロイア(ボストン・レッドソックス、2004年-2020年)
- アレックス・ゴードン(カンザスシティ・ロイヤルズ、2005年-2020年)
サッカー
10シーズン以上在籍者
現役
Jリーグ
所属年数には下部組織在籍期間も含む。
- 大谷秀和(柏レイソル、1997年-)
- 宇賀神友弥(浦和レッズ、2000年-2005年、2010年-)※2000年から2005年まで下部組織に在籍、その後大学を経て2010年から再び浦和に在籍。
- 渡部大輔(大宮アルディージャ、2002年-)
- 青山敏弘(サンフレッチェ広島、2004年-)
- 城後寿(アビスパ福岡、2005年-)
- 遠藤康(鹿島アントラーズ、2007年-)
- 大山啓輔(大宮アルディージャ、2007年-)
- 宮澤裕樹(北海道コンサドーレ札幌、2008年-)
プレミアリーグ
リーガ・エスパニョーラ
ブンデスリーガ
- トーマス・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン、2008年-)
引退
Jリーグ
- 園部晃久(三菱重工業サッカー部/浦和レッズ、1983年-1994年)
- 名取篤(三菱重工業サッカー部/浦和レッズ、1980年-1995年)
- 広瀬治(三菱重工業サッカー部/浦和レッズ、1984年-2000年)
- 土田尚史(三菱重工業サッカー部/浦和レッズ、1989年-2000年)
- 西野努(浦和レッズ、1993年-2001年)
- 福田正博(三菱重工業サッカー部/浦和レッズ、1989年-2002年)
- 土橋正樹(浦和レッズ、1995年-2003年)
- 久野智昭(富士通川崎フットボールクラブ/川崎フロンターレ、1996年-2005年)
- 澤登正朗(清水エスパルス、1992年-2005年)
- 松波正信(ガンバ大阪、1993年-2005年)
- 高橋健二(NEC山形/モンテディオ山形、1994年-2006年)
- 實好礼忠(ガンバ大阪、1995年-2007年)
- 森島寛晃(ヤンマー/セレッソ大阪、1991年-2008年)
- 内館秀樹(浦和レッズ、1996年-2008年)
- 鈴木秀人(ヤマハ/ジュビロ磐田、1993年-2009年)
- 千葉直樹(ブランメル仙台/ベガルタ仙台、1996年-2010年)
- 平井直人(京都パープルサンガ/京都サンガF.C.、1994年-2010年)
- 山田暢久(浦和レッズ、1994年-2013年)
- 伊藤宏樹(川崎フロンターレ、2001年-2013年)
- 中村直志(名古屋グランパスエイト、2001年-2014年)
- 鈴木啓太(浦和レッズ、2000年-2015年)
- 中山博貴(京都サンガF.C.、2004年-2015年)
- 森崎浩司(サンフレッチェ広島、1997年-2016年)
- 石原克哉(ヴァンフォーレ甲府、2001年-2017年)
- 森崎和幸(サンフレッチェ広島、1997年-2018年)
- 平川忠亮(浦和レッズ、2002年-2018年)
- 菅井直樹(ベガルタ仙台、2003年-2018年)
- 栗原勇蔵(横浜F・マリノス、1996年-2019年)
- 曽ヶ端準(鹿島アントラーズ、1995年-2020年)
- 中村憲剛(川崎フロンターレ、2003年-2020年)
セリエA
- ジャンピエロ・ボニペルティ(ユヴェントスFC、1946年-1961年)
- フランコ・バレージ(ACミラン、1977年-1997年)
- ジュゼッペ・ベルゴミ(インテル・ミラノ、1980年-1999年)
- パオロ・マルディーニ(ACミラン、1984年-2009年)
- アレッサンドロ・コスタクルタ(ACミラン、1986年-2007年)
- フランチェスコ・トッティ(ASローマ、1992年-2017年)
プレミアリーグ
- トニー・アダムス(アーセナル、1980年-2002年)
- マット・ル・ティシエ(サウサンプトン、1986年-2002年)
- ライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッド、1990年-2014年)
- ギャリー・ケリー(リーズ・ユナイテッド、1991年-2007年)
- ガリー・ネヴィル(マンチェスター・ユナイテッド、1992年-2011年)
- ポール・スコールズ(マンチェスター・ユナイテッド、1994年-2011年、2012年-2013年)(一度現役引退した後に再度現役復帰したため)
- ジェイミー・キャラガー(リヴァプール、1996年-2013年)
- レドリー・キング(トッテナム・ホットスパー、1998年-2012年)
- トニー・ヒバート(エヴァートン、2000年-2016年)
リーガ・エスパニョーラ
- ルイス・カルロス・クアルテーロ(レアル・サラゴサ、1993年-2009年)
- カルレス・プジョル(FCバルセロナ、1996年-2014年)
ブンデスリーガ
- フリッツ・ヴァルター(1.FCカイザースラウテルン、1937年-1959年)
- ハンス=ゲオルク・シュヴァルツェンベック (バイエルン・ミュンヘン、1966年-1981年)
バスケットボール(NBA)
現役
10シーズン以上在籍者
- ユドニス・ハスレム(マイアミ・ヒート、2003年-)
- ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ、2009年-)
- クレイ・トンプソン(ゴールデン・ステートウォリアーズ、2011年-)
引退
- ジョン・ハブリチェック(ボストン・セルティックス、1962年-1978年)
- ラリー・バード(ボストン・セルティックス、1978-1992)
- ジョン・ストックトン(ユタ・ジャズ、1984-2003)
- レジー・ミラー(インディアナ・ペイサーズ、1987年-2005年)
- コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ、1996年-2016年)
- ティム・ダンカン(サンアントニオ・スパーズ、1997年-2016年)
- マヌ・ジノビリ(サンアントニオ・スパーズ、2002年-2018年)
- ニック・コリソン(オクラホマシティ・サンダー、2003年-2018年)
- ダーク・ノヴィツキー(ダラス・マーベリックス、1999年-2019年)