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ブランドン・クロフォード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブランドン・クロフォード
Brandon Crawford
サンフランシスコ・ジャイアンツ時代
(2023年6月13日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州マウンテンビュー
生年月日 (1987-01-21) 1987年1月21日(37歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
227 lb =約103 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 遊撃手
プロ入り 2008年 MLBドラフト4巡目
初出場 2011年5月27日
最終出場 2024年8月10日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2017年
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
2017

ブランドン・マイケル・クロフォードBrandon Michael Crawford , 1987年1月21日 - )は、 アメリカ合衆国カリフォルニア州マウンテンビュー出身の元プロ野球選手遊撃手)。右投左打。愛称はB-クロー[1]

経歴

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生い立ち

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カリフォルニア州マウンテンビューで生まれ、プレザントンで育った。生まれも育ちもサンフランシスコの郊外であった。

プロ入りとジャイアンツ時代

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2008年MLBドラフトサンフランシスコ・ジャイアンツから4巡目(全体117位)指名され、8月14日に契約。1巡目指名で入団したのは、その後長く一緒にプレーすることとなるバスター・ポージーだった。ルーキー級アリゾナリーグ・ジャイアンツで4試合に出場後、A-級セーラムカイザー・ボルケイノーズ英語版へ昇格し、1試合に出場した。

2009年はA+級サンノゼ・ジャイアンツ英語版で25試合に出場し、打率.371、6本塁打、17打点、2盗塁、守備率.976だった。5月にAA級コネチカット・ディフェンダーズへ昇格。108試合に出場し、打率.258、4本塁打、31打点、11盗塁、守備率.972だった。

2010年はAA級リッチモンド・フライングスクウォーレルズ[2]とA+級サンノゼでプレー。AA級リッチモンドでは79試合に出場し、打率.241、7本塁打、22打点、守備率.977だった。

2011年はA+級サンノゼで開幕を迎え、14試合に出場し、打率.322、3本塁打、15打点、無失策だった。5月26日にメジャー契約を結び[3]、翌27日のミルウォーキー・ブルワーズ戦でメジャーデビュー。第3打席にショーン・マーカムから満塁本塁打を放った[4]。デビュー戦での満塁弾は史上6人目、ジャイアンツでは1968年ボビー・ボンズ以来2人目である[5]。50試合に出場したが、打率.190と結果を残せず、7月31日にAAA級フレズノ・グリズリーズへ降格した。ロースターが拡大された9月2日にメジャーへ再昇格。この年は66試合に出場し、打率.204、3本塁打、21打点だった。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、21試合で打率.276、2本塁打、12打点、OPS.729を記録。

2012年オーランド・カブレラの引退とミゲル・テハダの解雇により、開幕戦から遊撃手の定位置を獲得。143試合に出場し、打率.248、4本塁打、45打点だった。レンジファクターはナ・リーグの遊撃手ではトップの4.81を記録した。ポストシーズンでもメンバーに登録され、ワールドシリーズ優勝に貢献した。

2013年は149試合に出場し、打率.248、9本塁打、43打点だった。

2014年は打率こそ3年連続で.240台に留まったが、自身初の2桁本塁打、リーグ2位タイの10三塁打を記録。4月13日のコロラド・ロッキーズ戦では自身初のサヨナラ本塁打かつ自身初の「スプラッシュヒット」(本拠地AT&Tパークの場外の海に飛び込む本塁打)[6]を記録した[7]。守備では遊撃手としてリーグ2位の21失策とやや安定感を欠いた。10月1日、ピッツバーグ・パイレーツとのワイルドカードゲームで先制の満塁本塁打を放ち、ディビジョンシリーズ進出に大きく貢献した。この満塁本塁打は遊撃手を守る選手としてはポストシーズンで史上初のことであった。ワールドシリーズでは打率.304、出塁率.370、4打点の好成績で優勝に貢献した。

2015年1月27日にジャイアンツと317万5000ドルの1年契約に合意[8]。前半戦86試合で打率.262、12本塁打、52打点の成績を残し、オールスターゲームに初選出された。この年は143試合に出場し、打率.256、21本塁打(チーム1位)、84打点、OPS.782の成績で、シルバースラッガー賞を受賞。クロフォードは受賞に関し「私はずっと防御的な遊撃手として知られてきた」と話していたが、ヘンスリー・ミューレンス打撃コーチは「私たちは彼の才能に気付いていたよ」[9]と語った。守備率は.979を記録し、ゴールドグラブ賞を受賞。オールスターに3度選出経験のある元・ジャイアンツのクリス・スパイアー英語版氏は「彼は素晴らしい遊撃手のレベルに達している」と絶賛した[10]。オフの11月17日に6年総額7500万ドルで契約を延長したことが発表された[11]。オプションとして全球団トレード拒否権が含まれている。

2016年8月8日のマイアミ・マーリンズ戦、延長14回の末、1913年以降では史上5人目となる1試合7安打を記録した[12]。打率.275、12本塁打、84打点、11三塁打(リーグ1位)、出塁率.342、OPS.772を記録するなど前年に近い好成績を残し、守備では2年連続でゴールドグラブ賞を受賞し、MVP投票では17位に入った。オフの12月14日に代表監督のジム・リーランドに電話で第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表への参加の意思を表明した[13]

2017年はシーズン開幕前の2月9日に第4回WBCのアメリカ合衆国代表に選出された[14]。3月22日の決勝プエルトリコ戦に勝利し、初の優勝を果たした[15]。同大会では全8試合に出場して打率.385(26打数10安打)、4長打、6打点と好調を維持したものの、プエルトリコ代表フランシスコ・リンドーアにわずかに及ばず、大会最優秀遊撃手賞(オールWBCチーム)は逃した。

シーズンでは4月29日に右鼠径部の張りで10日間の故障者リスト入りした[16]。最終的に144試合に出場して打率.253、14本塁打、77打点、OPS.709と成績を落とした。守備ではUZR8.8、Def15.0、DRS9を記録し[17]、3年連続でゴールドグラブ賞を受賞した。

2018年はシーズン開幕直後は低調な滑り出しだったが、5月は打率.429と復調した。前半戦の成績を打率.300、10本塁打、39打点として、オールスターに選出された。しかし後半戦は打率.193と低迷し、最終成績は打率.254、14本塁打、54打点に留まった。守備での併殺は遊撃手としてはリーグ最多となる105を記録するも、UZR-0.9、DRSではリーグ6位となる6を記録する等[18]、守備でも貢献できず3年連続で受賞していたゴールドグラブ賞を逃した。

2019年7月15日のコロラド・ロッキーズ戦で6打数5安打、2本塁打、8打点の大活躍を見せた[19]。しかしシーズン通して結果を残せず、最終的に147試合の出場で打率.228、11本塁打、59打点とレギュラー定着以降、自己最低の打率成績でシーズンを終えた[20]

2021年7月4日に控え野手として通算3度目となるオールスターゲームに選出された[21]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは4回表に遊撃手で先発出場していたフェルナンド・タティス・ジュニアに変わって、途中出場した[22]。シーズンでは、34歳ながらいずれもキャリアハイの打率.298、21本塁打、90打点、11盗塁、OPS.895を残した。守備でもゴールドグラブ賞を受賞した。

2023年オフの11月3日にFAとなった[23]

カージナルス時代

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2024年2月27日にセントルイス・カージナルスと契約を結んだことが報じられ[24]、3月1日に単年200万ドルでカージナルスと正式契約を結んだ[25]。8月20日にジョーダン・ウォーカーを昇格させることに伴い、自由契約となった[26]。オフの11月27日に引退を発表した[27]。長年在籍したジャイアンツはクロフォードの功績を称え、オラクル・パークで開催される2025年4月27日の対テキサス・レンジャーズ戦の試合前に引退セレモニーを実施する予定であると発表された。

このシーズンは29試合の出場に留まった一方でメイシン・ウィンの教育係としてプロ入り以来初の三塁手を経験した。

人物

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2011年オフにジェイリン(Jalynne Dantzscher)と結婚し、3女2男の子供がいる。

妹のエイミー(Amy)はゲリット・コールと結婚した[28]

2024年にカージナルスに移籍するまで、ジャイアンツ一筋で、前年オフには引退説も囁かれたが、本人が現役続行を希望した。

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2011 SF 66 220 196 22 40 5 2 3 58 21 1 3 1 0 23 1 0 31 4 .204 .288 .296 .584
2012 143 476 435 44 108 26 3 4 152 45 1 4 2 3 33 6 3 95 4 .248 .304 .349 .653
2013 149 550 499 52 124 24 3 9 181 43 1 2 1 3 42 6 5 96 10 .248 .311 .363 .674
2014 153 564 491 54 121 20 10 10 191 69 5 3 2 10 59 10 2 129 4 .246 .324 .389 .713
2015 143 561 507 65 130 33 4 21 234 84 6 4 0 4 39 9 11 119 18 .256 .321 .462 .782
2016 155 623 553 67 152 28 11 12 238 84 7 0 0 9 57 10 4 115 13 .275 .342 .430 .772
2017 144 570 518 58 131 34 1 14 209 77 3 5 0 9 42 3 1 113 18 .253 .305 .403 .709
2018 151 594 531 63 135 28 2 14 209 54 4 5 0 5 50 13 8 122 12 .254 .325 .394 .719
2019 147 560 500 58 114 24 2 11 175 59 3 2 0 4 53 5 3 117 10 .228 .304 .350 .654
2020 54 193 172 26 44 12 0 8 80 28 1 2 0 2 15 2 4 47 3 .256 .326 .465 .792
2021 138 549 483 79 144 30 3 24 252 90 11 3 0 5 56 6 5 105 8 .298 .373 .522 .895
2022 118 458 407 50 94 15 2 9 140 52 1 1 0 4 39 3 8 98 12 .231 .308 .344 .652
2023 94 320 283 31 55 11 1 7 89 38 3 0 1 4 28 1 4 81 5 .194 .273 .314 .587
2024 STL 29 80 71 5 12 5 0 1 20 4 0 0 0 0 8 0 1 26 0 .169 .263 .282 .545
MLB:14年 1684 6318 5646 674 1404 295 44 147 2228 748 47 34 7 62 544 75 59 1294 121 .249 .318 .395 .713
  • 各年度の太字はリーグ最高

MLBポストシーズン打撃成績

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2012 SF NLDS 5 14 11 1 2 0 1 0 4 1 0 0 0 0 3 1 0 4 0 .182 .257 .364
NLCS 7 26 23 2 5 1 0 0 6 5 0 0 0 0 3 1 0 7 0 .217 .308 .261
WS 4 14 12 0 3 0 0 0 3 1 1 0 1 0 1 0 0 1 1 .250 .308 .250
2014 NLWC 1 5 5 1 1 0 0 1 4 4 0 0 0 0 0 0 0 2 1 .200 .200 .800
NLDS 4 19 17 1 5 1 0 0 6 1 0 0 0 1 1 0 0 4 0 .294 .316 .353
NLCS 5 19 16 3 2 1 0 0 3 0 0 0 0 0 3 0 0 3 0 .125 .263 .188
WS 7 27 23 2 7 0 0 0 7 4 0 0 0 1 3 0 0 6 0 .304 .370 .304
2016 NLWC 1 4 3 1 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 .333 .500 .667
NLDS 4 17 17 2 4 2 0 0 6 1 1 0 0 0 0 0 0 4 0 .235 .235 .353
2021 NLDS 5 20 20 2 5 1 0 1 9 2 0 0 0 0 0 0 0 4 0 .250 .250 .450
出場:4回 43 165 147 15 35 7 1 2 50 19 2 0 1 2 15 2 0 36 2 .238 .305 .340

年度別投手成績

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W
H
I
P
2023 SF 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 5 1.0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0.00 2.00
2024 STL 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 10 1.1 3 0 2 0 1 0 0 0 4 4 27.00 3.75
MLB:2年 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 15 2.1 4 0 3 0 1 0 0 0 4 4 15.43 3.00
  • 「-」は記録なし

年度別守備成績

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投手守備


投手(P)












2023 SF 1 0 0 0 0 ----
2024 STL 1 1 0 0 0 1.000
MLB 2 1 0 0 0 1.000
内野守備


三塁(3B) 遊撃(SS)
























2011 SF - 65 74 167 7 29 .972
2012 - 139 195 394 18 74 .970
2013 - 147 185 388 15 75 .974
2014 - 149 185 428 21 86 .967
2015 - 140 191 427 13 89 .979
2016 - 155 209 413 11 90 .983
2017 - 138 221 374 11 85 .982
2018 - 146 192 435 16 105 .975
2019 - 142 190 366 16 81 .972
2020 - 53 69 124 7 24 .965
2021 - 135 168 340 9 68 .983
2022 - 116 163 287 16 67 .966
2023 - 92 103 223 12 50 .964
2024 STL 6 2 7 0 0 1.000 18 15 41 1 10 .982
MLB 6 2 7 0 0 1.000 1635 2160 4407 174 932 .974

表彰

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記録

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背番号

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  • 35(2011年 - 2024年)

代表歴

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脚注

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  1. ^ Giants Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧
  2. ^ 2010年より球団名変更
  3. ^ Adam Berry (2011年5月26日). “Belt, Stewart, Crawford brought up to Giants”. MLB.com. http://m.giants.mlb.com/news/article/19612786 2015年11月19日閲覧。 
  4. ^ Scores for May 27, 2011”. ESPN MLB (2011年5月27日). 2014年8月3日閲覧。
  5. ^ Brandon Crawford's slam in debut lifts Giants The San Francisco Chronicle
  6. ^ Splash Hits” (英語). サンフランシスコ・ジャイアンツ. 2018年2月18日閲覧。
  7. ^ Colorado Rockies at San Francisco Giants Box Score, April 13, 2014”. Baseball-Reference.com (2014年4月13日). 2018年2月18日閲覧。
  8. ^ Jeff Todd (January 27, 2015). “Players Avoiding Arbitration: Tuesday”. MLB Trade Rumors. 2015年11月19日閲覧。
  9. ^ Chris Haft (2015年11月12日). “Posey, Crawford, MadBum win Silver Slugger Awards”. MLB.com. 2015年11月19日閲覧。
  10. ^ Chris Haft (2015年11月10日). “Crawford earns NL Gold Glove Award at shortstop”. MLB.com. 2015年11月19日閲覧。
  11. ^ Giants sign Brandon Crawford to new deal; contract worth $75M, sources say”. ESPN (2015年11月17日). 2015年11月19日閲覧。
  12. ^ Crawford sets Giants record with 7 hits” (英語). MLB.com (2016年8月9日). 2016年8月10日閲覧。
  13. ^ Leyland: 'Big time' Crawford to join Team USA MLB.com (2016年12月14日) 2016年12月15日閲覧
  14. ^ USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster Archived 2017年2月12日, at the Wayback Machine. USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧
  15. ^ American Beauty: USA dominates PR in final World Baseball Classic (英語) (2017年3月22日) 2017年3月23日閲覧
  16. ^ Michael Wagaman (2017年4月29日). “Giants' Brandon Crawford on disabled list” (英語). MLB.com. 2018年2月18日閲覧。
  17. ^ National League Leaderboards » 2017 » Shortstops » Fielding Statistics | FanGraphs Baseball”. www.fangraphs.com. 2020年1月24日閲覧。
  18. ^ National League Leaderboards » 2018 » Shortstops » Fielding Statistics | FanGraphs Baseball”. www.fangraphs.com. 2020年1月23日閲覧。
  19. ^ ジャイアンツ・クロフォード8打点、球団最多タイ”. nikkansports.com. 2019年12月20日閲覧。
  20. ^ San Francisco Giants: What does Brandon Crawford's future hold?”. Around The Foghorn. 2019年12月20日閲覧。
  21. ^ Sarah Langs, Thomas Harrigan (July 11, 2021). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  22. ^ Maria Guardado (July 14, 2021). “All-Star Crawford rewarded for hitting work” (英語). MLB.com. July 31, 2021閲覧。
  23. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (November 3, 2023). November 10, 2023閲覧。
  24. ^ Anthony Franco (2024年2月27日). “Cardinals Sign Brandon Crawford” (英語). MLB Trade Rumors. 2024年3月2日閲覧。
  25. ^ Nick Deeds (2024年3月1日). “Brandon Crawford Discusses Departure From Giants” (英語). MLB Trade Rumors. 2024年3月2日閲覧。
  26. ^ Darragh McDonald (2024年8月20日). “Cardinals Release Brandon Crawford, Option Jordan Walker” (英語). MLB Trade Rumors. 2024年11月28日閲覧。
  27. ^ Anthony Franco and Darragh McDonald (2024年11月27日). “Brandon Crawford Announces Retirement” (英語). MLB Trade Rumors. 2024年11月28日閲覧。
  28. ^ Family feud: Amy Crawford watched her brother Brandon face off against fiance Gerrit Cole”. MLB.com (2015年8月23日). 2018年2月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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