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2021年10月15日 (金) 09:10時点における版
機動戦士ガンダム バンディエラ | |
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ジャンル | ガンダムシリーズ |
漫画 | |
原作・原案など | 矢立肇・富野由悠季 |
作画 | 加納梨衣 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊ビッグコミックスピリッツ |
レーベル | ビッグコミックス |
発表号 | 2020年8号 - |
発表期間 | 2020年1月20日 - |
巻数 | 既刊4巻(2021年7月現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『機動戦士ガンダム バンディエラ』 (MOBILE SUIT GUNDAM BANDIERA) は、加納梨衣による日本の漫画作品。小学館の漫画雑誌『週刊ビッグコミックスピリッツ』(以後、『WBCS』)にて、2020年8号(2020年1月20日発売)から連載中[1]。
あらすじ
宇宙世紀0079年、ジオン公国軍では「左利きのザク」を隊長機とする「レプス (Lepus) 部隊」が編制された。その隊長であるユーリー・コーベルは、かつて地球連邦を含むサッカーの国際大会「ギャラクシーカップ」でチームを優勝に導いたキャプテンであったが、自分を除くチームメイト全員が乗った民間シャトルが地球連邦軍に撃墜されて死亡したことにより、宣撫も兼ねてジオン軍に入隊させられた(広報的には自ら志願しての入隊となっている)。
レプス部隊はソロモン近傍で補給基地建設のための物資を輸送中だった地球連邦軍艦隊を撃破してサイド3へ帰還してくる。サイド3ではマスコミがユーリーらの活躍と共にチームメイトを失った悲劇性を広報する。そこにセリダ一等兵が新兵としてレプス部隊に着任。地球のオデッサ基地陥落の報が入ったころ、レプス部隊はサイド5宙域に建設中との情報を得た連邦軍補給物資の集積所の捜索と破壊の任務に出発する。連邦MS隊のシモン・バラに苦戦したり、ジムが盾となってボールが攻撃を加える隊列にも苦戦するが、ユーリーのサッカーを活かした戦術で防衛部隊を撃破し、集積所の制圧に成功する。
続いてレプス部隊に下された任務は陥落したオデッサ基地から脱出した要人の救出だった。ザンジバル級に乗り換え、地上用にMSを換装。地上に降りたユーリーは恩師であり、監督でもあったクラウデンと再会する。レプス部隊は連邦軍の航空隊、戦車隊、ビッグ・トレーによる猛攻に遭うが、ユーリーとクラウデンの活躍により、これを撃退する。
キャリホルニアベースに来たレプス隊は、戦意高揚とジャブロー攻略作戦隠蔽のために開催される観兵式、軍事パレードに参加することになる。しかしながら、新兵器とは名ばかりの張りぼてをあつめた軍事パレードであった。
その頃、シモンは左遷先であるサイド6でテム・レイの警護を行っていた。テム・レイの記すガンダムの設計図の数値は自分が乗っていたジムと違い過ぎていた。テム・レイからもらった設計図を手に上官であるマーレにかけあうが、マーレは「ガンダムとはエースパイロット専用の超特別機」と一蹴しかかるも、その設計図がキャリホルニアベース奪還のためのMS開発計画が滞っている問題点を解決するものと見抜き、ジオン広報が喧伝すキャリホルニアベース軍事パレードの阻止作戦を上奏。上官を半ば恫喝するようにその任をもぎ取った。
軍事パレード開催当日。連邦への警戒を説くアントレ中佐に基地責任者のトラン中将は緊張感もなかった。3機の連邦軍輸送機への対処として向かわせたドップ編隊が全滅したとの報を聞き、ようやく慌てはじめる。そして、ガンダムに乗るシモンがユーリーのザクの前に降り立つ。(以上、4巻まで)
主な登場人物
ジオン関係者
- ユーリー・コーベル (Jurij Cobel)
- 本作の主人公。ジオン公国軍の中尉。左利きであることから、搭乗する薄紅色のザクIIも右肩にスパイクアーマーが装備されており、左腕でザク・バズーカなどの武装を保持している。なお、従来は左肩に装備されているシールドは右肩に装備されていない。ザクマシンガンも照準器などが通常の物とは左右逆になっている。
- 元は地球連邦のサッカーファンにも広く名を知られるサッカー選手であり、サイド3の強豪サッカーチーム「オクラント・レプス」で背番号10を付けて活躍していた。
- セリダ・ミルウェイ
- 女性。一等兵。新兵としてレプス部隊に着任してくる。軍の上層部からはセリダの母親の治療と引き換えに、一般人であったユーリーの精神的なケアを望まれている。
- アントレ
- レプス部隊母艦の艦長。当初はムサイ級、地上ではザンジバル級。作戦中でもユーリーへのインタビューを試みるジオン国営放送従軍記者団には良い感情を抱いていない。
- フリオという息子がいて、MSのエースパイロットであったが、作戦のため息子を死地に追いやった過去がある。
- マ・クベ大佐
- 『機動戦士ガンダム』の登場人物。オデッサ基地陥落後、グラナダ基地に身を寄せている。サッカーを含め、スポーツには疎いが宇宙世紀以前から続くサッカーという文化の担い手の1人としてユーリーに興味を抱き、面会を行う。
- アントレに請われ、キャリフォルニアベース軍事パレードでザクIIを失ったユーリーのための新型MSを手配する。
- エリーズ
- 髪の長い女性士官。フリオとの写真をペンダントに納めている。
- クラウデン・マリン少尉
- かつては名サッカープレイヤーであり得点王にも輝いた。引退後はオクラント・レプスの監督も勤めていた。ユーリーを見出し指導を行っており、サッカーファンからは2人の関係は「本物の親子のようだ」と言われていた。
- 開戦後、すぐに地球部隊に配属されていたが連絡が取れず、ユーリーからはチームメイトと同様に死亡したものと思われていた。戦傷で右目に眼帯をしている。妻もいたが、戦争の犠牲となっている。
- 中東戦線では「砂塵嵐(サンドストーム)」の二つ名で恐れられているMSパイロット。乗機はドム・トロピカルテストタイプ[2]。
- 作戦中に重傷を負う。
- モンメルリ博士
- レプス部隊が救出に派遣された重要人物。医師団の一員としてオデッサ基地に派遣されていた。ただし、兵からは「周辺の村から子供を集め、人体実験の末、大量虐殺を行った猟奇殺人者」とも言われている。地球を脱出した後はフラナガン機関に配属される。
地球連邦軍関係者
- マーレ・カルーア
- 地球連邦軍女性士官。サイド5集積所の輸送部隊の長。胸が大きく、胸の谷間が大きく見えるほど制服の襟元を開けていることが多い。上官の前では襟まで閉じることもあるが、はじけ飛んだこともある。
- 情報を引き出すため、捕らえたガトル小隊の兵に南極条約違反の暴行を加える。部下からは「マーレ様」と呼ばれている。サイド5集積所のMSを無断で使用し、レプス部隊に撃破されたことで責めを負い、シモンや部下ともどもサイド6に左遷されるが、問題行動が多く、早々にルナツーへ呼び戻される。
- 難航するキャリホルニアベース奪還用MS開発計画がシモンの手にしたガンダムの設計図で解消することをネタに上官であるエルレ中佐を恫喝し(開発主任であるエムエム・クルガがエルレの妹ということもある)、キャリフォルニアベース軍事パレード妨害作戦の責任者となる。その際に少佐へ昇進。
- シモン・バラ
- 強豪サッカーチーム「テッラ・デイ・パレルモ」のキャプテンであり、総合MVPを獲得する名選手としてサッカーファンにも知名度は高い。ポジションはセンターバック。ユーリーとはギャラクシーリーグ決勝で対戦し、敗れた。志願して連邦宇宙軍へ入隊している。
- サイド5集積所の戦いでユーリーに敗れ、上官のマーレともども降格(シモンは伍長に降格)と共にサイド6に左遷。テム・レイの監視の任に付き、設計図を手に入れる。
- キャリフォルニアベース軍事パレード妨害作戦ではマーレの推薦もあり、新たにフルアーマーガンダム(FA-78B[3])のパイロットとなるが、降格人事のために本来ならMS搭乗資格がないので、戦績としては残せない。
- テム・レイ
- 『機動戦士ガンダム』の登場人物。本作では酸素欠乏症になった後は在住先のサイド6で連邦軍の監視下に置かれたという設定であり、そこにシモンが監視要員として左遷されてくる。なお、原典で見られなかった普通の言動に出ることや、設計図を記すこともある。
- レービー・マートル中尉、ハッティ・ドルングス大尉、ダニリー・マウンチ中尉
- 第226師団北米支部所属。キャリフォルニアベース軍事パレード妨害作戦のために派遣され、シモンとチームを組む熟練MSパイロット。本来ならハッティ・ドルングスがフルアーマーガンダムに搭乗する予定であった。口は悪いものの、サイド5での戦闘実績からシモンがフルアーマーガンダムに乗ることを承諾し、サポート役に徹する。奇襲というのもあるが、2機でユーリーを除くグフなどのキャリホルニアベース防衛MS隊を殲滅した。
制作
矢立肇・富野由悠季原作によるテレビアニメ『機動戦士ガンダム』の放映40周年企画の一環として、企画された[1]。これまでの『ガンダム』の派生作品では採り上げられることが希であった宇宙世紀世界の文化に焦点を当てていることが、特徴である[4]。
連載開始にあたり、『WBCS』2020年8号では写真家・映画監督の蜷川実花が『ガンダム』作中の軍服をイメージしたコスチュームを着たコスプレイヤー・グラビアアイドルの桃月なしこを撮影した写真が同誌の表紙を飾り、彼女のグラビアも掲載された[1][5][注 1]。また、『WBCS』2021年11号ではグラビアアイドルの十味が本作とのコラボレーション企画として地球連邦軍のコスプレを披露した写真が、グラビアページに掲載されている[6]。
書誌情報
- 矢立肇・富野由悠季(原作)、加納梨衣(漫画) 『機動戦士ガンダム バンディエラ』 小学館〈ビッグコミックス〉、既刊4巻(2021年7月30日現在)
- 2020年5月12日発売[7]、ISBN 978-4-09-860611-5
- 2020年9月30日発売[8]、ISBN 978-4-09-860712-9
- 2021年2月26日発売[9]、ISBN 978-4-09-860856-0
- 2021年7月30日発売[10]、ISBN 978-4-09-861111-9
脚注
注釈
出典
- ^ a b c “「スローモーションをもう一度」の加納梨衣が描く、ガンダムの物語がスピで開幕”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年1月20日) 2020年5月13日閲覧。
- ^ 単行本3巻の表紙となっているが、トロピカルテストタイプの形式番号「YMD-09D」が記されている。
- ^ 単行本4巻の表紙に記載。
- ^ a b “「スローモーションをもう一度」加納梨衣が“文化”に焦点当てた「ガンダム」描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年5月12日) 2020年5月13日閲覧。
- ^ a b “桃月なしこ“ジオン将官コス”蜷川実花撮りおろしスピリッツ初表紙「聞き間違いかと思った」”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2020年1月21日) 2020年5月13日閲覧。
- ^ “十味:「ガンダム」連邦コスプレ 「スピリッツ」で動く実物大ガンダムと撮影”. MANTANWEB (MANTAN). (2021年2月15日) 2021年2月17日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダム バンディエラ 1”. 小学館. 2020年5月13日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダム バンディエラ 2”. 小学館. 2020年9月30日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダム バンディエラ 3”. 小学館. 2021年2月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダム バンディエラ 4”. 小学館. 2021年7月30日閲覧。
外部リンク
- 機動戦士ガンダム バンディエラ 【作品TOP】 - ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)